JPH0249802B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はストリツプの如く金属帯板の形状を矯
正するための形状矯正機におけるロール組替装
置、特に迅速かつ簡便な組替が可能な装置に関す
る。

（従来の技術） ストリツプの形状矯正を目的としてローラ矯正
機が汎用されているが、一定期間使用後ロール部
分を交換することが必要とされる。この種の矯正
機には、通過するストリツプを上下から位置を変
えて押し付けるための複数の上下ワークロール
と、該ロークロールの後位を保持するための中間
ロール（これを配置しない場合もある）及びバツ
クアツプロールが配置されている。

しかして、幅狭のストリツプを対象とする矯正
機では、ロール長も径も小さいので、その組替に
は人力で可能であつたが、幅広のストリツプにな
るとロールも長尺かつ太径となるので、人力では
組替は不可能であり、そのため専用の組替装置が
必要とされる。しかして、ロール組替においては
下ロールはその保持部と一緒に軸方向一側に引き
出してからクレーンにて交換するなどして、比較
的容易な作業となるが、上ロールは下側に支えが
ないためロールを引き出しても簡単にクレーンに
て交換できる構造になつていない。

そこで従来では第６図に示す如く、上ロール全
体を組込んだ上フレーム３１を一側に設けた旋回
軸３２を中心にして油圧駆動モータ３３により旋
回させ、下ロールと同様な状態にしてから上方か
らクレーン等にて交換する矯正機が知られてい
る。（実開昭57−86020号公報） （発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このロール組替方式では、旋回
機構及び油圧機器を新たに設けなければならず、
設備的に不利であることと、加えて上下フレーム
を完全に分割タイプに構成したので、使用時の上
下ロールの調整の精度確保がむつかしい、という
問題点があつた。

本発明はこのような問題点を解決するためのも
ので、特に組替が困難とされている上ロールの円
滑かつ迅速な組替を可能とすると共に、上下ロー
ル位置調整を精度高く行うことができる矯正機に
おけるロール組替装置を提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するための本発明の手段は、 矯正機の上ロール群を支持する上フレームの下
部にロール軸方向に移動自在な交換台車を設け、
該交換台車にワークロール、またはワークロール
及び中間ロールを搭載し、該台車を四角形の枠に
形成し、該枠の二辺に複数の上部開放の縦長の溝
を設け、該溝のワークロール、またはワークロー
ル及び中間ロールの軸端を上下方向に移動自在に
挿入し、前記ワークロール及び中間ロールとは別
個にバツクアツプロールを上フレームに設けてな
ることを特徴とする金属帯板の形状矯正機におけ
るロール組替装置である。

（作 用） 本発明は、上フレームの交換台車にワークロー
ル、またはワークロール及び中間ロールを搭載し
ているので、損耗の激しいワークロール及び中間
ロールのみを、バツクアツプロールとは別個に、
引き出して交換できる。

そして、台車を四角形の枠にして、ロール軸端
を上部開放の縦長の溝に上部から落とし込みでき
るようにしているので、ロール交換が容易であ
る。

（実施例） 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明
する。

第１図は本発明の組替装置を組込んだ矯正機の
全体概略図を示すもので、ストリツプ１は入側ブ
ライドルロール２を経て矯正機へ入り形状を矯正
されて送り出されるが、出側には出側ブライドル
ロール３が設けられている。矯正機本体はハウジ
ング４にて構成され、その内部には油圧シリンダ
５によつて昇降する下フレーム６と、その上方に
固定上フレーム７が設けられている。下フレーム
６の上部にはウオームジヤツキ８を介して下ロー
ル用フレーム９が配置され、該ロールフレーム９
上に必要なロール、例えばワークロール及びバツ
クアツプロールが配列されている。一方、上フレ
ーム７の下部には矯正用のワークロール、バツク
アツプロールが配列されている。

第２図に上下ロール及びその保持部を示す。下
ロールは、一個のワークロール１０、二個の中間
ロール１１及び三個のバツクアツプロール１２と
からなる下ロール組の三組を配置している。上ロ
ール組は、矯正機入側の二組が同一で、出側の一
組が異なつている。まず、入側の二組は、夫々一
個のワークロール１３、二個の中間ロール１４及
び三列のバツクアツプロール１５とからなり、出
側の一組は一個のワークロール１６と二列のバツ
クアツプロール１７とからなる。勿論、各ロール
配置は図示の例に限るものではなく、任意でよ
い。

本発明においては、上ロール群のうちワークロ
ール（中間ロールがある場合にはこれも含めて）
を容易に交換可能とするものである。すなわち、
上フレームの下部には矯正機入側と出側に夫々ワ
ークロール（及び必要に応じて中間ロール）を保
持した交換台車が設けられている。入側の交換台
車１８は二組の上ロール組、即ち二個のワークロ
ールと四個の中間ロールを組込んだもので、第３
図に示すように全体を四角形の枠に形成され、そ
の両側には車輪１９が設けられ、該車輪１９は上
フレームに設けた断面コ字状のレール２０内に収
容され、それをガイドとしてロール軸方向に上フ
レームに対し摺動（抜出し）自在となつている。

また、交換台車１８に対するワークロール１３
及び中間ロール１４の装着状態は、台車上方から
クレーン等で任意にロールを吊上げ・吊下げ出来
るように、交換台車１８のロール軸側の側板部に
縦長の溝２１を設けておき、その溝にワークロー
ル１３及び中間ロール１４の軸部を落とし込んで
おけばよい。そしてこの縦長の溝は下側に長めに
きつてあるので、通板時は、ワークロールまたは
中間ロールがバツクアツプロールに密着し、板が
ないときは、必要量自重で下降し、バツクアツプ
ロールと離れるので、交換台車を容易かつ短時間
に引き出せる。なお、バツクアツプロール１２は
交換台車１８とは無関係に上フレーム側に取付け
られている。なお、２６は台車引出用の把手であ
る。

他方、矯正機出側の交換台車２２については、
第４図に示すように、単に一個のワークロール１
６を保持することが前記交換台車１８と異なるの
みで、台車それ自体の構造はまつたく同一であ
る。図において、２３は上ロール側に設けたレー
ル、２４は台車の車輪、２５は縦長の溝、２７は
把手である。

通常、交換台車は形状矯正機内にセツトされて
おり、交換が必要とされたときにライン外に引き
出されるものである。この交換作業について説明
すると、第５図に示す如く交換台車引き出し装置
Ｄを矯正機Ｌ側方に配置するが、この引き出し装
置Ｄはロール軸方向に移動可能にした台車２８上
に、交換台車引き出し部材２９を載置して構成さ
れる。該引出部材２９にてロールが上方から吊上
げ可能な位置まで交換台車１８，２２を引き出し
た後、吊上げ部材３０によりロールを上方に吊り
上げ、又新しい交換ロールを吊下すことによつて
ワークロール或いは中間ロールの交換が行なわれ
る。ロールの交換が終了したなら移動台車２８を
矯正機側へ移動させて交換台車１８，２２を再び
押し込めば、交換は終了する。

（発明の効果） 本発明は、下記の顕著な効果を奏する。

上ロール群のロール交換を、損耗の激しいワ
ークロール及び中間ロールのみを、バツクアツ
プロールとは別個に、交換台車により、引き出
して交換できる。

そして、その交換台車により引き出したワー
クロール及び中間ロールを、上方へ簡単に取り
出せる。そのため、ロール交換時間が大幅に短
縮でき、矯正機の稼働率を向上できる。

従来の上フレーム全体を油圧駆動モータによ
り旋回させる方式に比較し、設備コストが安価
にできる。

ロール位置セツトの精度確保が容易にかつ迅
速にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るロール組替装置を適用す
る矯正機の側面図、第２図は第１図における矯正
ロール部分の詳細図、第３図は本発明の要部であ
る上ロール及び中間ロール交換台車の斜視図、第
４図は別のワークロール交換台車の斜視図、第５
図は本発明のロール組替装置の使用態様を示す概
略斜視図、第６図は従来のロール組替装置を示す
側面説明図である。 ４…矯正機ハウジング、１０，１３，１６…ワ
ークロール、１１，１４…中間ロール、１２，１
５，１７…バツクアツプロール、１８，２２…交
換台車、１９，２４…車輪、２０，２３…レー
ル、２１，２５…縦長の溝、Ｄ…交換台車引き出
し装置、Ｌ…矯正機。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 矯正機の上ロール群を支持する上フレームの
   下部にロール軸方向に移動自在な交換台車を設
   け、該交換台車にワークロール、またはワークロ
   ール及び中間ロールを搭載し、該台車を四角形の
   枠に形成し、該枠の二辺に複数の上部開放の縦長
   の溝を設け、該溝にワークロール、またはワーク
   ロール及び中間ロールの軸端を上下方向に移動自
   在に挿入し、前記ワークロール及び中間ロールと
   は別個にバツクアツプロールを上フレームに設け
   てなることを特徴とする金属帯板の形状矯正機に
   おけるロール組替装置。