JP7099204B2 - 内燃機関用の点火コイル - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用の点火コイルに関する。
特許文献1には、内燃機関用の点火コイルとして、一次コイル、二次コイル、一次ボビン、二次ボビン、中心コア、モールド樹脂を有するものが開示されている。一次コイル及び二次コイルは、互いに磁気的に結合している。一次ボビンは一次コイルを巻回している。二次ボビンは、二次コイルを巻回している。中心コアは、一次ボビンの内側に配されている。モールド樹脂は、一次コイル、二次コイル、一次ボビン、二次ボビン、中心コア、永久磁石等の点火コイルの構成部品を内包している。
前記一次ボビンは、内側に中心コアを配した状態でインサート成形されている。これにより、中心コアを内側に配した状態の一次ボビンを低コストで得られると共に、一次ボビンと中心コアとを一体として形成でき、部品点数の削減を図ることもできる。また、前記二次ボビンは、一次スプールに組み付けられている。
特許文献1に記載の内燃機関用の点火コイルは、一次ボビンの一部と中心コアの一部と二次ボビンの一部とが、コイル軸方向に重なるよう配されている。ここで、前記中心コアは金属からなり、前記一次ボビン、前記二次ボビン、前記モールド樹脂は樹脂からなる。
特開平06-077066号公報
しかしながら、前記内燃機関用の点火コイルは、中心コア、一次ボビン、及び二次ボビンがコイル軸方向に重なっている箇所において、一次ボビンと二次ボビンとの間に応力が集中することが懸念される。このことにつき、以後説明する。
まず、中心コアは金属からなり、一次ボビン、二次ボビン、モールド樹脂は樹脂からなる。そして、中心コアの線膨張係数は、一次ボビン、二次ボビン、モールド樹脂のそれぞれの線膨張係数よりも小さい。それゆえ、点火コイルが高温から低温に変化した際、中心コアの熱収縮量は、一次ボビン、二次ボビン、モールド樹脂のそれぞれの熱収縮量よりも小さくなる。
そして、中心コアは、一次ボビンにインサート成形されているため一次ボビンに接着している。
それゆえ、点火コイルが高温から低温に変化した際、一次ボビンは熱収縮量の小さい中心コアに拘束され一次ボビンの熱収縮は制限される。一方、二次ボビン、及びモールド樹脂は、比較的大きく熱収縮する。そのため、中心コア、一次ボビン、及び二次ボビンがコイル軸方向に重なっている箇所において、一次ボビンと二次ボビンとの間に応力が集中することが懸念される。さらに、この応力に起因してクラックが生じた場合、点火コイルの電気的信頼性が低下するおそれも考えられる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電気的信頼性を確保しやすい内燃機関用の点火コイルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、互いに磁気的に結合した一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
前記一次コイルが巻回された一次ボビン(2)と、
前記二次コイルが巻回された二次ボビン(3)と、
前記一次ボビンの内側に配された中心コア(4)と、
前記一次コイル、前記二次コイル、前記一次ボビン、前記二次ボビン、及び前記中心コアを内側に埋設したモールド樹脂(5)と、を有し、
前記中心コアは、前記一次コイルの内側に配されるコア本体部(41)と、前記コア本体部からコイル軸方向(X)に交差する突出方向(Y)に突出したコア鍔部(42)とを有し、
前記一次ボビンは、コイル軸方向の一部に前記一次コイルを巻回するボビン本体部(21)を有し、かつ、コイル軸方向の他の一部に、コイル軸方向の前記コア鍔部と前記二次ボビンとの間に少なくとも一部が挟まれるボビン狭間部(22)を有し
前記ボビン狭間部は、前記コア鍔部にコイル軸方向に重なるボビン重なり部(221)を有し、
前記ボビン重なり部は、前記コア鍔部に接着しており、
前記一次ボビンは、熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂中に分散された、前記熱可塑性樹脂よりも低弾性な分散相粒子とを有し、
前記ボビン重なり部の内部には、隣接する層をコイル軸方向に分離する特定分離層(221a)が形成されている、内燃機関用の点火コイル(1)にある。
互いに磁気的に結合した一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
前記一次コイルが巻回された一次ボビン(2)と、
前記二次コイルが巻回された二次ボビン(3)と、
前記一次ボビンの内側に配された中心コア(4)と、
前記一次コイル、前記二次コイル、前記一次ボビン、前記二次ボビン、及び前記中心コアを内側に埋設したモールド樹脂(5)と、を有し、
前記中心コアは、前記一次コイルの内側に配されるコア本体部(41)と、前記コア本体部からコイル軸方向(X)に交差する突出方向(Y)に突出したコア鍔部(42)とを有し、
前記一次ボビンは、コイル軸方向の一部に前記一次コイルを巻回するボビン本体部(21)を有し、かつ、コイル軸方向の他の一部に、コイル軸方向の前記コア鍔部と前記二次ボビンとの間に少なくとも一部が挟まれるボビン狭間部(22)を有し
前記ボビン狭間部は、前記コア鍔部にコイル軸方向に重なるボビン重なり部(221)を有し、
前記一次ボビンと前記中心コアとの間を分離する分離材(8)が、少なくとも前記ボビン重なり部と前記コア鍔部との間に配されている、内燃機関用の点火コイル(1)にある。
前記一態様の点火コイルにおいて、ボビン重なり部の内部には、隣接する層をコイル軸方向に分離する特定分離層が形成されている。それゆえ、ボビン重なり部の特定分離層よりも二次ボビン側の部位は、特定分離層から分離され、点火コイルが高温から低温に変化したときであっても中心コアのコア鍔部に拘束されにくい。そのため、点火コイルが高温から低温に変化したときであっても、コイル軸方向のボビン狭間部と二次ボビンとの間において応力が集中することを防止することができる。その結果、点火コイル内におけるクラックが発生することを抑制しやすく、電気的信頼性を確保しやすい。
また、前記他の態様の点火コイルにおいて、一次ボビンと中心コアとの間を分離する分離材が、少なくともボビン重なり部とコア鍔部との間に配されている。それゆえ、点火コイルが高温から低温に変化したときであっても、ボビン重なり部はコア鍔部に拘束されにくい。そのため、点火コイルが高温から低温に変化したときであっても、コイル軸方向のボビン狭間部と二次ボビンとの間において応力が集中することを防止することができる。その結果、点火コイル内におけるクラックが発生することを抑制しやすく、電気的信頼性を確保しやすい。
以上のごとく、前記態様によれば、電気的信頼性を確保しやすい内燃機関用の点火コイルを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、内燃機関用の点火コイルの横断面図。 図1の、ボビン重なり部周辺の拡大図。 実施形態1における、ボビン重なり部を通る、内燃機関用の点火コイルの縦断面図。 図3の、ボビン重なり部周辺の拡大図。 実施形態1における、ボビン及びコネクタを含むアッシーの側面図。 実施形態1における、ボビンを構成する溶融した成形樹脂が流れる様子を示す模式図。 実施形態1における、ボビンを構成する溶融した成形樹脂中のエラストマ粒子が、変形、移動する様子を示す模式図。 実施形態1における、ボビンを構成する溶融した成形樹脂中の複数のエラストマ粒子の形状が、スキン層の法線方向の位置によって異なる様子を示す模式図。 実施形態1における、ボビンを構成する溶融した成形樹脂中の複数のエラストマ粒子が、スキン層表面に凝集し、扁平化してエラストマ層を形成した様子を示す模式図。 実施形態1のバリエーション(その1)を示す図であり、図2に対応する図。 実施形態1のバリエーション(その2)を示す図であり、図2に対応する図。 実施形態1のバリエーション(その3)を示す図であり、図2に対応する図。 実施形態1のバリエーション(その4)を示す図であり、図2に対応する図。 実施形態1のバリエーション(その5)を示す図であり、図2に対応する図。 実施形態2における、高さ方向に直交するボビン重なり部周辺の拡大断面図。 実施形態2における、突出方向に直交するボビン重なり部周辺の拡大断面図。 実施形態2のバリエーション(その1)を示す図であり、図15に対応する図。 実施形態2のバリエーション(その2)を示す図であり、図15に対応する図。 実施形態2のバリエーション(その3)を示す図であり、図15に対応する図。 実施形態2のバリエーション(その4)を示す図であり、図15に対応する図。 実施形態2のバリエーション(その5)を示す図であり、図15に対応する図。 実施形態3における、高さ方向に直交するボビン重なり部周辺の拡大断面図。 実施形態3における、中心コアの表面に分離材を配置する方法を説明するための模式図であって、中心コアをシリコーン溶液内に挿入する前の状態を示す図。 実施形態3における、中心コアの表面に分離材を配置する方法を説明するための模式図であって、シリコーン溶液内に中心コアを挿入した状態を示す図。 実施形態3における、中心コアの表面に分離材を配置する方法を説明するための模式図であって、中心コアをシリコーン溶液から取り出し、中心コア表面に分離材が形成されている様子を示す図。 実施形態4における、高さ方向に直交するボビン重なり部周辺の拡大断面図。 実施形態4における、突出方向に直交するボビン重なり部周辺の拡大断面図。
(実施形態1)
内燃機関用の点火コイルの実施形態につき、図1~図9を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル11、二次コイル12、一次ボビン2、二次ボビン3、中心コア4、及びモールド樹脂5を有する。一次コイル11及び二次コイル12は、互いに磁気的に結合している。一次ボビン2は、一次コイル11が巻回されている。二次ボビン3は、二次コイル12が巻回されている。中心コア4は、一次ボビン2の内側に配されている。モールド樹脂5は、一次コイル11、二次コイル12、一次ボビン2、二次ボビン3、及び中心コア4を内側に埋設している。
中心コア4は、一次コイル11の内側に配されるコア本体部41と、コア本体部41からコイル軸方向Xに交差する突出方向(以後、単に「突出方向Y」と言う。)に突出したコア鍔部42とを有する。コア鍔部42は、中心コア4のコイル軸方向Xに直交する断面積を広げるために形成されている。これにより、中心コア4におけるコア鍔部42が形成された部位と外周コア6との間に、コア本体部41よりもコイル軸方向Xに直交する断面積の大きい磁石14を設置できるようにしている。一次ボビン2は、コイル軸方向Xの一部に一次コイル11を巻回するボビン本体部21を有する。図2、図4に示すごとく、一次ボビン2は、コイル軸方向Xの他の一部に、コイル軸方向Xのコア鍔部42と二次ボビン3との間に少なくとも一部が挟まれるボビン狭間部22を有する。
ボビン狭間部22は、コア鍔部42にコイル軸方向Xに重なるボビン重なり部221を有する。ボビン重なり部221は、コア鍔部42に接着している。一次ボビン2は、熱可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂中に分散された、熱可塑性樹脂よりも低弾性な分散相粒子とを有する。ボビン重なり部221の内部には、隣接する層をコイル軸方向Xに分離する特定分離層221aが形成されている。なお、図1、図3においては、特定分離層の図示を省略している。以後、本実施形態につき詳説する。
ここで、コイル軸方向Xは、一次コイル11及び二次コイル12の巻回軸方向である。また、コイル軸方向Xと突出方向Yとの双方に直交する方向を「高さ方向Z」という。
本実施形態の点火コイル1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関に用いるものとすることができる。
中心コア4は、全体としてT字状を呈している。中心コア4は、軟磁性材料からなる平板状の鋼板を、その厚み方向に複数積層してなる。中心コア4の鋼板の積層方向は、高さ方向Zである。なお、図5においては、中心コア4の外形を破線で表している。
図1に示すごとく、中心コア4のコア本体部41は、コイル軸方向Xに長尺な直方体形状を有する。コア鍔部42は、コイル軸方向Xにおけるコア本体部41の一端部からY方向の両側に突出しており、一対形成されている。なお、以後、適宜、コイル軸方向Xにおける中心コア4のコア鍔部42が形成された側をX1側、その反対側をX2側という。コア鍔部42のX2側の面である鍔後面421は、X1側に向かうほど、コア本体部41からのY方向の突出量が大きくなるよう傾斜している。
図1に示すごとく、中心コア4は、コイル軸方向Xの両端面を露出した状態で、一次ボビン2の内側に埋設されている。そして、中心コア4を内側に配した状態で、一次ボビン2がインサート成形されている。
図1に示すごとく、一次ボビン2のボビン本体部21は、筒状の一次筒状部211と、一次筒状部211から径方向の外側に突出した一対の一次突出片212とを有する。一対の一次突出片212は、コイル軸方向Xに間隔をあけて配されている。そして、ボビン本体部21における一次筒状部211の外周面であって、一対の一次突出片212の間に、一次コイル11が巻回されている。
図1に示すごとく、ボビン狭間部22は、ボビン本体部21のX1側に形成されている。ボビン狭間部22は、コア本体部41の表面位置から径方向の外周側に延在している。ボビン狭間部22に、中心コア4のコア鍔部42が埋設されている。
図1、図2に示すごとく、本実施形態において、ボビン重なり部221はボビン狭間部22の少なくとも一部である。図2に示すごとく、ボビン重なり部221のX1側の面である重なり前面221bは、コア鍔部42の鍔後面421と平行であり、鍔後面421に接着している。また、ボビン重なり部221のX2側を向く重なり後面221cは、コイル軸方向Xに直交している。
図2に示すごとく、ボビン重なり部221の内側における重なり前面221b近傍に、特定分離層221aが形成されている。特定分離層221aは、コイル軸方向Xに交差する面方向に形成されている。具体的には、特定分離層221aは重なり前面221bと平行に形成されている。特定分離層221aの少なくとも一部は、一次ボビン2にコイル軸方向Xに対向する二次ボビン3の二次前面31と、コア鍔部42との双方にコイル軸方向Xに重なる位置に形成されている。
図2に示すごとく、高さ方向Zから見たとき、特定分離層221aの長さL1は、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上である。すなわち、高さ方向Zから見たときの特定分離層221aの長手方向における特定分離層221aの長さL1は、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上である。本実施形態においては、特定分離層221aは、少なくとも、Y方向におけるボビン重なり部221の内側端部近傍から、外側端部近傍まで形成されている。
なお、高さ方向Zから見たとき、特定分離層221aの長さL1が、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上であれば、特定分離層221aの形成位置に関しては特に限定されない。例えば、図10~図12に示すような構成を採用することができる。なお、特定分離層221aの形成位置や形成範囲は、一次ボビン2の成型条件等を工夫することによって調整することができる。
また、ボビン重なり部221に複数の特定分離層221aが形成されているような場合は、高さ方向Zから見たときの各特定分離層221aの長さの合計が、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上であればよい。例えば、図13、図14に示すような構成を採用することができる。
図4に示すごとく、高さ方向Zにおいて、特定分離層221aの長さL2は、コア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上である。なお、高さ方向Zにおいて、特定分離層221aの長さL2は、コア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上であれば、特定分離層221aの形成位置に関しては特に限定されない。また、ボビン重なり部221に複数の特定分離層221aが形成されているような場合は、各特定分離層221aの高さ方向Zの長さの合計が、高さ方向Zのコア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上であればよい。
図2に示すごとく、一次ボビン2には、特定分離層221a以外にも、隣接する層同士を分離する分離層20が形成されていてもよい。例えば、特定分離層221aにおける内側端部からは、X2側に向かって分離層20が形成されている。なお、特定分離層221aを含む分離層20の詳細な説明は、後述する。
前述のごとく、一次ボビン2は、熱可塑性樹脂中に分散相粒子を分散させた材料からなる。本実施形態において、熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(すなわちPBT樹脂)である。また、分散相粒子は、エラストマである。エラストマは、ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも低弾性である。そして、一次ボビン2は、エラストマの含有率が、3~10質量%である。
二次ボビン3は、その内側に一次ボビン2のボビン本体部21及び一次コイル11を挿入するよう配されている。図2、図4に示すごとく、二次ボビン3の二次前面31は、重なり後面221cと平行に形成されており、かつ、重なり後面221cとコイル軸方向Xにおいて近接対向している。二次前面31と重なり後面221cとは、当接していてもよいし当接していなくてもよい。
図1、図3に示すごとく、点火コイル1は、中心コア4とともに閉磁路を形成する外周コア6を有する。図1に示すごとく、外周コア6は、一次コイル11、二次コイル12、及び中心コア4の外周側に形成されている。本実施形態において、外周コア6は、高さ方向Zから見たとき、一次コイル11、二次コイル12、及び中心コア4を囲むよう環状に形成されている。外周コア6は、中心コア4と同様、軟磁性材料からなる平板状の鋼板を、その厚み方向に複数積層してなる。外周コア6の鋼板の積層方向は、高さ方向Zである。
図1、図3に示すごとく、点火コイル1は、ケース7を有する。ケース7は、一次コイル11及び二次コイル12、一次ボビン2、中心コア4、その他の点火コイル1を構成する部材を内部に収容するケース本体71を有する。ケース本体71は高さ方向Zの一方が開放されている。なお、図1に示すごとく、点火コイル1の構成部品としては、イグナイタ13、磁石14等がある。イグナイタ13は、一次コイル11への通電及び通電の遮断を行う。磁石14は、点火コイル1の出力電圧の向上のため、中心コア4に磁気バイアスをかけ、一次コイル11への通電の遮断時の磁束の変化量を大きくして二次コイル12に誘起される電圧を高めるためのものである。
図3に示すごとく、ケース7は、ケース本体71における開放された側と反対側において、ケース本体71から高さ方向Zに突出するように形成された筒状の高圧タワー部72を有する。図示は省略するが、高圧タワー部72におけるケース本体71側端部には、金属製の高圧出力端子が嵌入されている。これにより、高圧タワー部72におけるケース本体71側の端部は閉塞されている。
図1、図3に示すごとく、ケース本体71内に、モールド樹脂5が充填されている。モールド樹脂5は、例えばエポキシ樹脂である。モールド樹脂5内に、一次コイル11及び二次コイル12、一次ボビン2、中心コア4、その他の点火コイル1の構成部品が埋設されている。モールド樹脂5は、一次コイル11と一次ボビン2の外周面との間の微小領域にも含浸されている。これにより、モールド樹脂5は、一次ボビン2にも接着している。
図3に示すごとく、ケース本体71には、点火コイル1を外部に接続するためのコネクタ15が嵌合されている。図5に示すごとく、本実施形態において、コネクタ15は、一次ボビン2と一体的に成形されている。なお、図5において、中心コア4の外形を破線で表している。また、図1においては、コネクタ15の一部の図示を省略している。コネクタ15は、一次ボビン2と別体に形成されていても良い。
次に、図6~図9を参照しつつ、一次ボビンのボビン重なり部、及び特定分離層が形成される様子を説明する。
図6に示すごとく、一次ボビンを成形するにあたっては、内側に中心コア4を配置した金型内のキャビティ16に、溶融した成形樹脂17を流し込む。溶融した成形樹脂17は、ポリブチレンテレフタレート樹脂に、分散相粒子としてエラストマ粒子23を分散させ、エラストマの含有量を3~10質量%としたものである。なお、図6、図7においては、便宜上、1つのエラストマ粒子23について図示している。
図6に示すごとく、一次ボビンのボビン重なり部を形成するキャビティ16を流れる溶融した成形樹脂17は、中心コア4に接触する部位が、中心コア4に熱を奪われやすいため、比較的早期に固化され、スキン層24を形成する。そして、スキン層24よりも中心コア4から遠い側に、スキン層24よりも後に固化されるコア層25が形成される。スキン層24及びコア層25は、ポリブチレンテレフタレート樹脂にエラストマ粒子23が分散された状態にある。
そして、固化されたスキン層24付近を流れる溶融した成形樹脂17には、スキン層24の法線方向において、せん断速度の勾配が生じる。スキン層24付近を流れる溶融した成形樹脂17のせん断速度は、スキン層24側に近い領域ほど大きくなり、スキン層24に隣接する領域が最も大きくなる。それゆえ、図7に示すごとく、スキン層24付近を流れる溶融した成形樹脂17に分散されたエラストマ粒子23は、せん断速度が大きいスキン層24側に移動する。なお、エラストマ粒子23は、スキン層24の法線方向におけるせん断速度の勾配に起因したせん断応力により、前記法線方向に徐々に圧縮されながら、スキン層24側に移動する。図6、図7において、せん断応力の大きさと向きを示すベクトルを矢印で表している。矢印は、せん断応力が大きいほど、長くしている。
スキン層24の表面に移動したエラストマ粒子23は、前述のせん断応力により、さらにスキン層24側に圧縮され、扁平化する。以上のように、エラストマ粒子23が、移動、変形する。
そして、図8に示すごとく、前述のエラストマ粒子23の移動、変形が、溶融した成形樹脂17に含まれる複数のエラストマ粒子23において生じる。これにより、スキン層24の表面に、扁平化された複数のエラストマ粒子23が凝集し、図9に示すごとく、エラストマ層26が形成される。エラストマは、ポリブチレンテレフタレート樹脂よりも低弾性であるため、エラストマからなるエラストマ層26は、ポリブチレンテレフタレート樹脂にエラストマ粒子23が分散されたスキン層24及びコア層25よりも強度が低い。そのため、ボビン重なり部221の内部に形成されたエラストマ層26は、その周辺にコイル軸方向Xの応力が作用することにより、隣接する層であるスキン層24及びコア層25をコイル軸方向Xに分離する。すなわち、このエラストマ層26は、特定分離層221aを構成する。
次に、ボビン重なり部221の内部に形成されたエラストマ層26周辺に作用するコイル軸方向Xの応力につき説明する。
点火コイル1を製造する過程において、エラストマ層26周辺には、後述の一次応力と二次応力とが生じる。
まず、点火コイル1を製造する際には、一次コイル11、二次コイル12、一次ボビン2、二次ボビン3、中心コア4、等の点火コイル1の構成部品をケース7内に配置し、ケース7内に液状のモールド樹脂5を充填する。そして、モールド樹脂5を加熱して硬化させる。
ここで、モールド樹脂5の硬化時において、モールド樹脂5は硬化収縮を起こす。そのため、一次ボビン2のボビン重なり部221は、硬化収縮するモールド樹脂5にコイル軸方向XのX2側に引っ張られる。ここで、ボビン重なり部221に形成されたスキン層24は、コア鍔部42に接着して固定されている。それゆえ、ボビン重なり部221に形成されたスキン層24とエラストマ層26との間周辺にはコイル軸方向Xの一次応力が生じる。
そして、モールド樹脂5の熱硬化が完了してモールド樹脂5の温度を低下させる際、モールド樹脂5に熱収縮が生じる。これにより、ボビン重なり部221は、収縮するモールド樹脂5にコイル軸方向XのX2側に引っ張られる。一方、スキン層24は、モールド樹脂5よりも線膨張係数の小さい中心コア4に接着して固定されている。それゆえ、ボビン重なり部221に形成されたスキン層24とエラストマ層26との間周辺には、コイル軸方向Xの二次応力が生じる。
前記一次応力、及び前記二次応力により、ボビン重なり部221のスキン層24とエラストマ層26との間、又はエラストマ層26とコア層25との間が分離する。このようにして、特定分離層221aが隣接する層を分離する。
なお、特定分離層221a以外の分離層20も、特定分離層221aが形成される原理と同様の原理で形成される。また、同様の原理で、金型側に熱を奪われてスキン層24が形成され、その表面に分離層20が形成することも考えられる。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の点火コイル1において、ボビン重なり部221の内部には、隣接する層をコイル軸方向Xに分離する特定分離層221aが形成されている。それゆえ、ボビン重なり部221の特定分離層221aよりも二次ボビン3側の部位は、特定分離層221aから分離され、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても中心コア4のコア鍔部42に拘束されにくい。そのため、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間において応力が集中することを防止することができる。その結果、点火コイル1内におけるクラックが発生することを抑制しやすく、電気的信頼性を確保しやすい。
また、コイル軸方向Xと突出方向Yの双方に直交する方向から見たとき、特定分離層221aの長さは、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さの1/3の長さ以上である。これにより、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間における応力を一層低減できることを確認している。
また、コイル軸方向Xと突出方向Yとの双方に直交する方向において、特定分離層221aの長さは、コア鍔部42の長さの1/2の長さ以上である。これによっても、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間における応力を一層低減できることを確認している。
また、特定分離層221aの少なくとも一部は、一次ボビン2にコイル軸方向Xに対向する二次ボビン3の二次前面31と、コア鍔部42との双方にコイル軸方向Xに重なる位置に形成されている。それゆえ、ボビン重なり部221の特定分離層221aよりも二次ボビン3側の部位は、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても中心コア4のコア鍔部42に一層拘束されにくい。そのため、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間において応力が集中することを一層防止しやすい。
また、分散相粒子は、エラストマである。それゆえ、一次ボビン2の成形時において、分散相粒子が容易に変形できる。そのため、分散相粒子が扁平化して凝集やすく、分離しやすい特定分離層221aが形成されやすい。
以上のごとく、本実施形態によれば、電気的信頼性を確保しやすい内燃機関用の点火コイルを提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図15、図16に示すごとく、一次ボビン2と中心コア4との間を分離する分離材8を、少なくともボビン重なり部221とコア鍔部42との間に配した実施形態である。なお、図面においては、便宜上、分離材8のハッチングを省略している。
分離材8は、中心コア4及び一次ボビン2のいずれか一方に対する剥離性を有する材料からなる。また、分離材8は、モールド樹脂5に対する剥離性を有することが好ましい。本実施形態において、分離材8はシリコーンからなる。分離材8は、中心コア4の表面の全体に配されている。分離材8は、中心コア4を、シリコーン溶液に浸漬させた後シリコーン溶液から取り出し、乾燥させることにより、中心コア4の表面全体に形成される。
なお、分離材8の材料は、シリコーンに限られず、その他の油、ポリエチレンテレフタレートテープ(PETテープ)、フッ素樹脂等によって構成することが可能である。
図15、図16に示すごとく、分離材8の一部は、一次ボビン2にコイル軸方向Xに対向する二次ボビン3の二次前面31と、コア鍔部42との双方にコイル軸方向Xに重なる位置に形成されている。また、図15に示すごとく、分離材8は、少なくとも、鍔後面421における、中心コア4においてコア鍔部42が突出する側(すなわち、突出方向Yのコア本体部41側の反対側)の端部421aに配されている。
図15に示すごとく、分離材8におけるボビン重なり部221とコア鍔部42との間の部位である分離特定部81の長さL3は、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上である。すなわち、高さ方向Zから見たときの分離特定部81の長手方向における分離特定部81の長さL3は、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上である。
なお、高さ方向Zから見たとき、分離特定部81の長さL3が、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上であれば、分離特定部81の形成位置に関しては特に限定されない。例えば、図17~図19に示すような構成を採用することができる。
また、コア鍔部42に複数の分離特定部81が互いに突出方向Yに離れて配されているような場合は、高さ方向Zから見たときの各分離特定部81の長さの合計が、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上であればよい。例えば、図20、図21に示すような構成を採用することができる。
図16に示すごとく、高さ方向Zにおいて、分離特定部81の長さL4は、コア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上である。なお、高さ方向Zにおいて、分離特定部81の長さL4は、コア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上であれば、分離特定部81の形成位置に関しては特に限定されない。また、コア鍔部42に複数の分離特定部81が配されているような場合は、各分離特定部81の高さ方向Zの長さの合計が、高さ方向Zのコア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上であればよい。
本実施形態において、一次ボビン2は、例えばPBT樹脂からなる。なお、一次ボビン2には、例えば実施形態1で示した分離層(図2等の符号20参照)が形成されていてもよいが、分離層はなくてもよい。そして、一次ボビン2は、実施形態1で示した分散相粒子を含有していてもしていなくてもよい。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態において、一次ボビン2と中心コア4との間を分離する分離材8が、少なくともボビン重なり部221とコア鍔部42との間に配されている。それゆえ、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても、ボビン重なり部221は、コア鍔部42から分離され、コア鍔部42に拘束されにくい。そのため、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間において応力が集中することを防止することができる。その結果、点火コイル1内におけるクラックが発生することを抑制しやすく、電気的信頼性を確保しやすい。
また、本実施形態において、高さ方向Zから見たとき、分離特定部81の長さLaは、突出方向Yにおけるコア鍔部42の長さLaの1/3の長さLb以上である。このように高さ方向Zから見たときの分離特定部81を長く形成することにより、ボビン重なり部221とコア鍔部42とのコイル軸方向Xの分離を促しやすい。それゆえ、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間における応力を一層低減しやすい。
また、高さ方向Zにおいて、分離特定部81の長さL4は、コア鍔部42の長さLcの1/2の長さLd以上である。このように高さ方向Zの分離特定部81の長さを長くすることにより、ボビン重なり部221とコア鍔部42とのコイル軸方向Xの分離を促しやすい。それゆえ、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間における応力を一層低減しやすい。
また、分離材8の少なくとも一部は、二次前面31とコア鍔部42との双方にコイル軸方向Xに重なる位置に形成されている。それゆえ、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても、ボビン重なり部221における二次前面31とコイル軸方向Xに重なる部位は、コア鍔部42から分離しやすい。そのため、点火コイル1が高温から低温に変化したときであっても、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間において応力が集中することを一層防止しやすい。
また、分離材8は、少なくとも、鍔後面421における、コア鍔部42の突出側の端部421aに配されている。それゆえ、点火コイル1が高温から低温に変化したとき、ボビン重なり部221とコア鍔部42との間の分離を促進しやすい。このことにつき、以後説明する。
一次ボビン2は、内周側の部位(すなわちコア本体部41に近い側の部位)が、ボビン本体部21等が形成されるためコイル軸方向Xにある程度長尺に形成される。それゆえ、点火コイル1が高温から低温に変化した時、一次ボビン2は、内周側の部位が大きく熱収縮しようとする。これに伴い、ボビン重なり部221における内周側の部位は、コア鍔部42から離れようとする力が大きくなりやすく、コア鍔部42から分離されやすい。
一方、一次ボビン2の内周側の部位から離れた、ボビン重なり部221の外周側の部位(すなわちコア本体部41に遠い側の部位)は、点火コイル1が高温から低温に変化した時でも、コア鍔部42に対する密着が維持されやすい。
そこで、前述のように、少なくとも、鍔後面421における、コア鍔部42の突出側の端部421aに分離材8を配することにより、分離が生じ難いボビン重なり部221の外周側の部位とコア鍔部42との間の分離を促進することができる。これにより、ボビン重なり部221全体とコア鍔部42との間の分離を促進させやすく、コイル軸方向Xのボビン狭間部22と二次ボビン3との間における応力を一層低減しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態は、図22~図25に示すごとく、基本構成を実施形態2と同様としつつ、分離材8の形成範囲を変更した実施形態である。
本実施形態において、図22、図25に示すごとく、分離材8は、中心コア4の表面の一部に形成されている。本実施形態において、分離材8は、コイル軸方向Xにおける中心コア4の中央よりも、コア鍔部42側(X1側)の領域にのみ配されている。すなわち、分離材8は、コイル軸方向Xにおける中心コア4の中央よりもX2側には形成されていない。本実施形態において、分離材8は、中心コア4の表面のうち、コイル軸方向Xにおけるコア鍔部42のX2側の端部からX1側の全領域に形成されている。
次に、図23~図25を用いて、中心コア4の表面に分離材8を配する方法の一例につき説明する。
まず、図23、図24に示すごとく、中心コア4を、コイル軸方向Xのコア鍔部42側からシリコーン溶液18内に、コイル軸方向Xに挿入する。このとき、図24に示すごとく、コイル軸方向Xにおけるコア鍔部42のX2側端部の位置まで、中心コア4をシリコーン溶液18内に挿入し、それよりもX2側の部位はシリコーン溶液18から露出させたままにする。その後、図24、図25に示すごとく、中心コア4をシリコーン溶液18から取り出し、乾燥させる。これにより、中心コア4の表面における、コア鍔部42のX2側の端部からX1側の全領域に、分離材8を配することができる。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、分離材8は、コイル軸方向Xにおける中心コア4の中央よりも、コア鍔部42側の領域にのみ配されている。それゆえ、中心コア4に分離材8を配置する工程の時間短縮を図りやすい。本実施形態においては、シリコーン溶液18に中心コア4を挿入する工程の時間短縮を図りやすく、点火コイル1全体として生産効率を高めやすい。また、分離材8の量を少なくすることができるため、製造コストの低減を図ることもできる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
図26、図27に示すごとく、本実施形態も、基本構成を実施形態2と同様としつつ、分離材8の形成範囲を変更した実施形態である。
本実施形態において、分離材8は、コア鍔部42とボビン重なり部221との間にのみ配されている。本実施形態において、分離材8は、コア鍔部42の鍔後面421の略全体に配されている。なお、本実施形態はこれに限られず、例えば鍔後面421の一部に分離材8が配されていてもよい。すなわち、分離材8は、コア鍔部42とボビン重なり部221との間の少なくとも一部に配されていればよく、必ずしもコア鍔部42とボビン重なり部221との間の全領域に配されていなくてもよい。例えば、コア鍔部42とボビン重なり部221との間の領域のうち、突出方向Yにおける前記領域の中央よりもコア本体部41側の反対側の領域にのみ形成されていてもよい。
本実施形態の場合、分離材8を、PETテープ等によって構成すると、中心コア4に対するPETテープの配置が容易である。なお、実施形態2、3と同様に、中心コア4をシリコーン溶液に浸漬させることで、中心コア4の表面に分離材8を配することも可能である。この場合、中心コア4の表面における分離材8を配さない部分には、テープ等によりマスキングし、中心コア4をシリコーン溶液から取り出した後にマスキングを剥がすことにより、中心コア4の表面の所望の位置に分離材8を配することができる。
その他は、実施形態2と同様である。
本実施形態において、分離材8は、コア鍔部42とボビン重なり部221との間にのみ配されている。それゆえ、例えば分離材8をPETテープ等のテープとした場合等、中心コア4に対する分離材8の配置を容易にしやすい。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 内燃機関用の点火コイル
2 一次ボビン
21 ボビン本体部
22 ボビン狭間部
221 ボビン重なり部
221a 特定分離層
3 二次ボビン
4 中心コア
42 コア鍔部
5 モールド樹脂

Claims (12)

  1. 互いに磁気的に結合した一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
    前記一次コイルが巻回された一次ボビン(2)と、
    前記二次コイルが巻回された二次ボビン(3)と、
    前記一次ボビンの内側に配された中心コア(4)と、
    前記一次コイル、前記二次コイル、前記一次ボビン、前記二次ボビン、及び前記中心コアを内側に埋設したモールド樹脂(5)と、を有し、
    前記中心コアは、前記一次コイルの内側に配されるコア本体部(41)と、前記コア本体部からコイル軸方向(X)に交差する突出方向(Y)に突出したコア鍔部(42)とを有し、
    前記一次ボビンは、コイル軸方向の一部に前記一次コイルを巻回するボビン本体部(21)を有し、かつ、コイル軸方向の他の一部に、コイル軸方向の前記コア鍔部と前記二次ボビンとの間に少なくとも一部が挟まれるボビン狭間部(22)を有し
    前記ボビン狭間部は、前記コア鍔部にコイル軸方向に重なるボビン重なり部(221)を有し、
    前記ボビン重なり部は、前記コア鍔部に接着しており、
    前記一次ボビンは、熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂中に分散された、前記熱可塑性樹脂よりも低弾性な分散相粒子とを有し、
    前記ボビン重なり部の内部には、隣接する層をコイル軸方向に分離する特定分離層(221a)が形成されている、内燃機関用の点火コイル(1)。
  2. コイル軸方向と前記突出方向の双方に直交する方向から見たとき、前記特定分離層の長さ(L1)は、前記突出方向における前記コア鍔部の長さ(La)の1/3の長さ(Lb)以上である、請求項1に記載の内燃機関用の点火コイル。
  3. コイル軸方向と前記突出方向との双方に直交する方向において、前記特定分離層の長さ(L2)は、前記コア鍔部の長さ(Lc)の1/2の長さ(Ld)以上である、請求項1又は2に記載の内燃機関用の点火コイル。
  4. 前記特定分離層の少なくとも一部は、前記一次ボビンにコイル軸方向に対向する前記二次ボビンの二次前面(31)と、前記コア鍔部との双方にコイル軸方向に重なる位置に形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。
  5. 前記分散相粒子は、エラストマである、請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。
  6. 互いに磁気的に結合した一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
    前記一次コイルが巻回された一次ボビン(2)と、
    前記二次コイルが巻回された二次ボビン(3)と、
    前記一次ボビンの内側に配された中心コア(4)と、
    前記一次コイル、前記二次コイル、前記一次ボビン、前記二次ボビン、及び前記中心コアを内側に埋設したモールド樹脂(5)と、を有し、
    前記中心コアは、前記一次コイルの内側に配されるコア本体部(41)と、前記コア本体部からコイル軸方向(X)に交差する突出方向(Y)に突出したコア鍔部(42)とを有し、
    前記一次ボビンは、コイル軸方向の一部に前記一次コイルを巻回するボビン本体部(21)を有し、かつ、コイル軸方向の他の一部に、コイル軸方向の前記コア鍔部と前記二次ボビンとの間に少なくとも一部が挟まれるボビン狭間部(22)を有し
    前記ボビン狭間部は、前記コア鍔部にコイル軸方向に重なるボビン重なり部(221)を有し、
    前記一次ボビンと前記中心コアとの間を分離する分離材(8)が、少なくとも前記ボビン重なり部と前記コア鍔部との間に配されている、内燃機関用の点火コイル(1)。
  7. コイル軸方向と前記突出方向の双方に直交する方向から見たとき、前記分離材における前記ボビン重なり部と前記コア鍔部との間の部位である分離特定部(81)の長さ(L3)は、前記突出方向における前記コア鍔部の長さ(La)の1/3の長さ(Lb)以上である、請求項6に記載の内燃機関用の点火コイル。
  8. コイル軸方向と前記突出方向との双方に直交する方向において、前記分離材における前記ボビン重なり部と前記コア鍔部との間の部位である分離特定部(81)の長さ(L4)は、前記コア鍔部の長さ(Lc)の1/2の長さ(Ld)以上である、請求項6又は7に記載の内燃機関用の点火コイル。
  9. 前記分離材の少なくとも一部は、前記一次ボビンにコイル軸方向に対向する前記二次ボビンの二次前面(31)と、前記コア鍔部との双方にコイル軸方向に重なる位置に形成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。
  10. 前記分離材は、コイル軸方向における前記中心コアの中央よりも、前記コア鍔部側の領域にのみ配されている、請求項6~9のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。
  11. 前記分離材は、前記コア鍔部と前記ボビン重なり部との間にのみ配されている、請求項10に記載の内燃機関用の点火コイル。
  12. 前記分離材は、少なくとも、前記コア鍔部におけるコイル軸方向の前記二次ボビン側の面である鍔後面(421)における、前記コア鍔部の突出側の端部(421a)に配されている、請求項6~11のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。
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