JP6317112B2 - リアクトルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルの製造方法に関する。リアクトルとは、コイルを利用した受動素子であり、「インダクタ」と呼ばれることもある。
リアクトルは、磁性体のコアと、コアが挿通される筒状のボビンと、ボビンに巻回されるコイルを備える。また、多くの場合、リアクトルは、絶縁、及び、他のデバイスとの物理的接触からの保護を目的としてコイル表面が樹脂で覆われることが多い。
ハイブリッド車を含む電気自動車のモータ駆動系では電圧コンバータなどの回路にリアクトルが用いられることがある。電気自動車用のリアクトルは、大電流が流れるために発熱量が大きい。コイル全体を樹脂で覆う場合もあるが、発熱量が多い場合、コイル全体を樹脂で覆うとコイルの熱が樹脂外へ発散し難くなってしまう。そこで、コイルの一部を樹脂カバーから露出させ、露出した部分でコイルからの放熱を促進する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の技術は、コイルの露出している部分に熱伝導率の高い金属ブロックの一面を当接させ、金属ブロックの他方の面を電力変換装置の筐体に当接させ、金属ブロックを介してコイルの熱を筐体へ拡散させる。
特開2011−249427号公報
特許文献1に例示されているように、コイルの保護と冷却を両立するためには、コイルの一部を樹脂で覆い、残部は露出させるのがよい。以下、説明のため、コイルを覆う樹脂の部品を樹脂カバーと称する。樹脂カバーは、コイルとの密着性を高めるため、射出成形法で作られる場合が多い。具体的には、コイルとコアのアセンブリを金型に入れ、溶融樹脂を射出してコイル外周面の一部に樹脂カバーを形成する。金型は金属製である。一方、コイルは巻き線を巻回したものであるため、コイル外形状の精度が高くはない。それゆえ、金属製の金型とコイルの間に隙間が生じる虞がある。金型とコイルの接触部位に隙間が生じると溶融樹脂が漏れ、コイルの本来露出すべき部分に樹脂がはみ出してしまう虞がある。
本明細書が開示する技術は、コイルの一部を樹脂カバーから露出させているリアクトルの製造方法を提供する。
本明細書が開示する技術が対象とするリアクトルは、一対のフランジを有するボビンとコイル及びコアを備える。コイルは一対のフランジの間でコアが内部に挿通されたボビンに巻回されている。そして、本明細書が開示する技術では、一対の板材を採用する。一対の板材の夫々は、ボビンの一方のフランジから他方のフランジまで伸びているとともに一対のフランジの間でコイルの外周面に当接している。この一対の板材によってコイルの外周面は2つの領域に分割される。そして、分割された一方の領域が樹脂カバーで覆われる。さらに、本明細書が開示するリアクトルでは、一対の板材とボビン、コイル、コアが予め連結された部品を採用する。即ち、一対の板材とボビン、コイル、コアが、樹脂カバーの成形前にアセンブリしている。
樹脂カバーは射出成形で作られるため、樹脂カバー成形前に前記アセンブリを金型内に入れる必要がある。先に述べたように、金属製の金型にコイル外周面を直接に当接させると射出した樹脂が漏れる虞がある。そこで、コイル外周面に一対の板材を当接させその板材に金型を当接させる。一対の板材が、金型とコイル外周面との間を封止し、キャビティ(溶融樹脂を射出する空間)の一部を画定する。ただし、この場合、金型内で一対の板材を所定の箇所に位置決めしなければならない。そこで、本明細書のリアクトルでは、一対の板材が予めボビンに連結している構造を採用する。そのような構造を採用することで、樹脂カバー成形前に一対の板材を別途所定の位置に配置する必要がなくなる。繰り返すと、本明細書が開示するボビンは、一対の板材が連結されており、その一対の板材の夫々は、ボビンにコイルが取り付けられた際にそのコイルの外周面に沿って一方のフランジから他方のフランジまで伸びるように配置されている。一対の板材は、樹脂カバーを成形するために樹脂射出成型用の金型のスライド型が押し当てられた際にボビンから分離してコイル外周面に当接し、コイル外周面を二分する。二分された一方のコイル外周面の領域が樹脂カバーで覆われる領域となる。
なお、一対の板材は、予め定められた応力が加わると破断する破断予定部を介してボビンと連結されていることが好ましい。典型的には、一対の板材は、破断予定部を介してボビンのいずれか一方のフランジに連結されているとよい。そのような構造を採用すると、リアクトルは次の工程で製造することができる。即ち、樹脂カバーを射出成形する金型内にて、前記アセンブリにおいて一対の板材の夫々のコイル当接面とは反対側の面を金型のキャビティ面に当接させる。当接させた際に金型から受ける荷重により一対の板材がボビンから分離する。詳しく述べると、金型から受ける荷重によって破断予定部の内部に生じる応力が高まり、その応力が所定の閾値に達したときに板材がボビンから分離する。ボビンから分離した一対の板材の夫々がコイルの側面に当接し、樹脂カバーを成形するためのキャビティを画定する。その後、キャビティに樹脂を射出して樹脂カバーが成形される。このように、リアクトルの製造工程において一対の板材を位置決めする作業が必要なくなる。
生産性をさらに向上させるために、一対の板材は、連結バーを介して端部で連結しているとよい。そして、そのような構造によって、一対の板材の相対位置が定まる。
また、リアクトル全体の構造の一つの典型例は、ボビンが2個の平行な筒部を有しており、その2個の筒部の夫々に第1及び第2のコイルが巻回されている。そのような全体構造のリアクトルに対しては、夫々のコイルに対応する第1及び第2の板材、並びに第1と第2のコイル間に第3の板材を備えており、その第1及び第2、第3の板材が連結バーを介してそれらの端部で一つに連結されている構造を採用するとよい。第3の板材は、第1と第2のコイルの狭間を封止する。その場合、合計3本の板材により第1及び第2のコイルの外周面は夫々2つの領域に分割される。
本明細書が開示する技術によれば、コイルの一部を樹脂カバーから露出させているリアクトルを製造し易くなる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のリアクトルのコイルアセンブリ分解斜視図である(樹脂カバー不図示)。 ボビン本体を斜め下方からみた斜視図である。 コイルアセンブリの分解斜視図である(コイルにボビンの筒部を挿通した状態)。 コイルアセンブリの斜視図である。 金型内に設置したコイルアセンブリの断面図である(図4のV−V断面に相当)。 リアクトルの斜視図である。 ボビン本体の変形例の斜視図である。
リアクトルは、例えば電気自動車の駆動系においてバッテリの電圧を昇圧する電圧コンバータに用いられる。電気自動車の走行用モータは数十キロワットを出力することができ、バッテリから流れる電流は数十アンペアになる。リアクトルにはそのような大電流が流れるので、内部抵抗の小さい平角線が巻き線として用いられる。また、リアクトルは、発熱量が大きいので冷却器とセットで用いられる。
図面を参照して実施例のリアクトルを説明する。図1に、リアクトル10の分解斜視図を示す。但し、図1は、樹脂カバー装着前のリアクトルの分解斜視図である。以下、樹脂カバー装着前のリアクトルをコイルアセンブリ10aと称する。また、以下では、説明の便宜上、図に表示した座標系のZ軸の正方向を「上」と称し、Z軸の負方向を「下」と称する。
コイルアセンブリ10a(リアクトル10)は、磁性体のコア30(30a、30b)に樹脂製のボビン20を取り付け、そのボビン20に平角線をエッジワイズに巻回したものである。リアクトル10は、一対のコイル3a、3bを備える。2個のコイルは電気的には直列に接続されている。以下、一対のコイル3aと3bを区別なく示すときにはコイル3と表現する。後述するが、コイル3、コア30、及び、ボビン20の大部分が樹脂製のカバー(図1では不図示)で覆われている。
コア30は、一対のU字型のコアパーツ30a、30bに分割されており、それらを対向させて環状のコアが形成される。なお、一対のコアパーツ30a、30bの間には直方体のブロックコアが配置されるが図1ではその図示を省略している。一対のU字型のコアパーツ30a、30b(およびブロックコア)を合わせてコア30と総称する。ボビン20は、ボビン本体22とフランジパーツ21で構成される。ボビン本体22とフランジパーツ21はいずれも樹脂製である。ボビン本体22は、一対の筒部23が平行となるようにフランジ部25で連結した構造を有している。筒部23の内部に、先に述べたブロックコアが収容される。筒部23は、横断面が矩形であり、その四面の夫々に突条24が設けられている(図1では一部の突条の符号を省略している)。突条24は、筒部23の軸線方向(図のX軸方向)に沿って伸びている。詳しくは後述するが、フランジ部25には、3本の板材12a−12cが連結している。3本の板材12a−12cは、筒部23の軸線方向に沿って伸びている。3本の板材12a−12cは、ボビン20と同じ樹脂で作られている。また、フランジ部25には、コイル3のリード部31(コイル引出線)を通すスリット25aが設けられている。
一方のコアパーツ30aのU字の脚部がボビン本体22のフランジ部25の側から筒部23に挿通される。なお、筒部23の内部の中央にはブロックコアが配置され、コアパーツ30aの先端面がブロックコアに対向する。一対の筒部23の夫々の外側には、平角線をエッジワイズに巻回したコイル3a、3bが配置される。図1に良く示されているように、一対のコイル3a、3bは、1本の平角線で形成されており、コイル3は、一対のコイル3a、3bを巻回方向が同じ向きとなるように平行に並べたものである。平角線は剛性が高いため、コイル単体でもその形状を保持できる。コイル3にボビン本体22を挿通した後、コイルの反対側からフランジパーツ21を取り付け、最後にコアパーツ30a、30bをボビン20の夫々の端部から筒部23に挿通し、コイルアセンブリ10aが完成する。フランジパーツ21には筒部23を通す孔21aが設けられている。
図2に、ボビン本体22を斜め下方から見た斜視図を示す。ただし、図2では、U字コアパーツ30aを通すための孔、及び、筒部23は図示を省略してある。図3に、ボビン20の筒部23にコイル3を挿通した状態のコイルアセンブリ10aを示す。前述したように、ボビン本体22には、筒部23の軸線方向に沿って伸びる3本の板材12a、12b、及び、12cが連結されている。図2に示すように、板材12aと12bが、連結バー14を介してボビン本体22のフランジ部25と連結されており、板材12cは、連結バー15を介して板材12a及び12bと連結されている。即ち、3本の板材12a−12cは、連結バー15により相互に連結されている。
連結バー14には、切欠によって破断強度が低くなっている脆弱部が設けられている。その脆弱部を破断予定部14aと称する。詳しくは後述するが、コイルアセンブリ10aが金型に入れられ、板材12a、12bが金型の内面により押圧された際、そのときの荷重で破断予定部14aが破断し、板材12a、12bがフランジ部25(ボビン20)から分離し、一部を残してコイル3の周りに樹脂が射出成形される。
図3に示すように、筒部23にコイル3を挿通すると、各板材の側面がコイル3の周面に対向する。コイル3aの外周面には板材12aの側面13aと板材12cの側面13dが対向し、コイル3bの外周面には、板材12bの側面13bと別の側面13cが対向する。別言すれば、コイル3aの外周面には一対の板材12a、12cが対向し、コイル3bの外周面には一対の板材12b、12cが対向する。板材12cは、コイル3aとコイル3bに共通に対向する。即ち、ボビン20は、2個の平行な筒部23を有しており、その2個の筒部23の夫々に巻回される第1コイル3a及び第2コイル3bと、夫々のコイル3a、3bに対応する第1及び第2の一対の板材(板材12aと12c、及び、板材12bと12c)を備えており、板材12a、12b、12cは、連結バー15によってそれらの端部で一つに連結されている。また、板材12aと12bは、破断予定部14aを備えた連結バー14でボビン本体22(ボビン20)に連結している。
コイル3は軸線方向から見ると四隅を丸めた矩形であり、板材12a−12cの側面13a−13dはコイル3の湾曲した角部と対向する。コイル3の外周面と対向する側面13a−13dは、コイル3の湾曲した角部に沿うように湾曲している。
図2に示されているように、フランジ部25の下縁(図中のZ軸の負方向の縁)の両端の角部25bも、板材12a、12bの湾曲した側面13a、13bに沿うように湾曲している。さらに、板材12cが通るように、フランジ部25の下端中央には切欠25dが設けられており、その切欠25dの側面とフランジ部25の下縁とが合流する角部25cも、板材12cの湾曲した側面13c、13dに沿うように湾曲している。
フランジ部25と対をなすフランジパーツ21の下部の形状もフランジ部25と同じである(図1参照)。即ち、フランジパーツ21の下縁の両端の角部21bも、板材12a、12bの湾曲した側面13a、13bに沿うように湾曲している。また、板材12cが通るように、フランジパーツ21の下縁中央には切欠21dが設けられており、その切欠21dの側面とフランジパーツ21の下縁とが合流する角部21cも、板材12cの湾曲した側面13c、13dに沿うように湾曲している。
板材12a−12c、フランジ部25の下縁とフランジパーツ21の下縁の上記構造により、一対のコイル3a、3bに筒部23を挿通し、筒部23の先端にフランジパーツ21を嵌合すると、次のようになる。即ち、一つのコイル3a(3b)に対して一対の板材12a、12c(12b、12c)が一方のフランジ(フランジ部25)から他方のフランジ(フランジパーツ21)まで伸びているとともに、一対のフランジの間でコイル3a(3b)の外周面に対向する。そして、詳しくは後述するが、樹脂カバー(後述)を射出成形すべくコイルアセンブリ10aを金型に入れた際、板材12a−12cの側面13a−13dは、一対のフランジ(フランジ部25とフランジパーツ21)の間でコイル3a、3bの外周面に密着することになる。
図4にボビン20、コア30、コイル3を組み立てたコイルアセンブリ10aの斜視図を示す。板材12bが、一対のフランジの間でコイル3aの外周面に対向している様子が描かれている。図4では見えないが、板材12b、12cも同様である。図4には、コイル3bの下面3cが見えているが、この部位は、後述する樹脂カバー成形後も露出する。
コイルアセンブリ10aは金型に入れられてコイル3の板材12a−12cよりも上方の部位から樹脂が射出され樹脂カバーがコイルアセンブリ10aに成形される。次に、樹脂カバーの成形方法について説明する。
図5は、コイルアセンブリ10aを金型40にセットしたときの断面図である。図5におけるコイルアセンブリ10aの断面は、図4のV−V線における断面に相当する。図5の断面図は、別言すれば、コイルの軸線を横切る断面に相当する。図5において、符号19は直方体のブロックコアを示している。
金型40は、下型41、上型42、スライド型42a、42b、45a、45bで構成される。コイルアセンブリ10aは、下型41に載置され、上から上型42が被せられる。上型42の側方のキャビティ面の一部はスライド型42a、42bになっており、そのスライド型42a、42bがY軸方向にスライドして板材12a、12bの背面に当接する。スライド型42a、42bは、板材12a、12bをコイル3の外周面に押し付ける。コイル3は剛性の高い平角線をエッジワイズに巻回したものであり、各ピッチの平角線の側面の位置が微妙にずれてしまい、コイル外周面の面精度は高くない。しかし、スライド型42a、42bが樹脂製の板材12a、12bをコイル外周面に押し当てることによって、板材12a、12bがコイル外周面を構成する平角線の側面を揃え、両者の間が隙間なく密着する。後述するように板材12cについても同様である。
スライド型42a、42bが押圧する前は板材12a、12bはコイル3の外周面からは離間している。ただし、板材12a、12b、及び、12cは、ボビン20と連結されているので、金型40内に載置する際に他の支持部材なしにその位置が保持される。板材12cは直接にはボビン20に連結していないが、連結バ−15を介してボビン20と連結しているので、板材12cもその位置が保持される。
スライド型45a、45bに押圧されると連結バー14が変形し、板材12a、12bはコイル3の外周面に密着する。このとき、連結バー14の変形により破断予定部14aの内部に生じる応力が高まり、その応力が所定の閾値を超えると破断予定部14aが破断する。破断予定部14aが破断してボビン20から自由になった板材12a、12bはコイル3の外周面によく密着する。
また、下型41の中央には板材12cと対向するように突条41aが設けられている。突条41aは板材12cに沿って伸びるように設けられている。コイルアセンブリ10aを下型41に載置すると、突条41aが板材12cを押し上げ、板材12cの側面をコイル3の外周面に押し当てる。突条41aが樹脂製の板材12cをコイル外周面に押し当てることによって、板材12cがコイル外周面を構成する平角線の側面を揃え、両者の間が隙間なく密着する。
一対の板材12aと12cがコイル3aに密着することによって、コイル3aの外周面は2つの領域に分割される。一つは、板材12a、12cよりも上の領域であり、この領域は後述するキャビティCAに面している。もう一つは、板材12a、12cよりも下の領域である。この領域をコイル下面3cと称する。コイル下面3cは後述する空間SP2に面している。コイル3bと一対の板材12b、12cについても同様であり、一対の板材12b、12cがコイル3bの外周面を2つの領域に分割する。
なお、スライド型42a、42b、及び45a、45bが板材12a、12bを押圧すると、フランジ部25の下縁の角部25bも板材12a、12bの側面13a、13bと密着する。また、突条41aが板材12cを上方へ押圧すると、フランジ部25の切欠25dの角部25cも板材12cの側面13c、13dと密着する。フランジパーツ21についても同様である。フランジ部25とフランジパーツ21を合わせて単純にフランジと称する。板材12a―12cは、コイル外周面とフランジ下縁に密着する。
スライド型42a、42b、及び45a、45bが板材12a−12cをコイル及びフランジ下縁へ密着させると、板材12a(12b、12c)より上側でキャビティCAが形成される。ゲート44からキャビティCA内に溶融樹脂が射出される。溶融樹脂が固化すると、キャビティCAの形状の樹脂カバーがコイル外周面を含むコイルアセンブリ10aに形成される。
上述したように、板材12a―12cは、コイル外周面とよく密着しており、キャビティCAに射出される溶融樹脂が空間SP2へ漏れることを防ぐ。別言すれば、空間SP2にあるコイル下面3cは確実にキャビティCAから隔離され、溶融樹脂に覆われることがない。板材12a−12cとフランジも密着するので、フランジの境界からも樹脂が漏れることはない。
なお、コイル3の内側のボビンの筒部23の外側とコイル3との間にも空間SP1が存在するが、ここにも溶融樹脂が流れ込む。溶融樹脂が固化するとコイル3と筒部23が密着し、筒部23に対してコイル3が固定される。
図6に完成したリアクトル10の斜視図を示す。板材12bより上方でコイル3は樹脂カバー16に覆われるが、板材12bより下方のコイル下面3cは露出している。なお、連結バー14の破断予定部14aは、スライド型45a、45bが板材12a(12b)を押圧した際に破断している。図6に破断予定部14aが破断していることが描かれている。
実施例の技術に関する留意点を述べる。コイル3aに対する一対の板材12a、12c、及び、コイル3bに対する一対の板材12b、12cは、樹脂カバー16の射出成形前に金型40の内部にてボビン20の両フランジの間でコイル3の外周面と金型の内面とに当接する。この板材が、コイルの外周面において、後に樹脂カバー16で覆われる領域と露出する領域(コイル下面3c)の境界となる。別言すれば、板材12a−12cは、樹脂カバー16を射出成形するためのキャビティCAを画定する。
樹脂カバー16を射出成形する際、板材を境界に一方のコイルの外周面には溶融樹脂が充填され、その溶融樹脂がコイル下面3cに滲出することがない。即ち、板材12a―12cが、予定されていた露出面(コイル下面3c)を確実に露出させることに貢献する。板材12a−12cは、樹脂カバー16の射出成形前に予めフランジ部25(ボビン20)と連結されている。それゆえ、金型40の内部にて板材12a−12cを他の部材で支持する必要がない。板材支持のために金型内に追加の部材を配置する必要がないので、製造工程が複雑にならずに済む。
また、板材12a(12b)は、破断強度が他の部位よりも低い破断予定部14aを備えた連結バー14でボビンと連結されている。破断予定部14aを設けておくことで、金型内で板材12a(12b)が確実にボビンから分離する。ボビンから自由となった板材12a(12b、及び、12c)は、コイル外周面とよく密着する。
なお、板材12a−12cとボビン本体22はともに樹脂で作られる。板材12a−12cをボビン本体22と一体に成形すれば、板材が連結したボビンも容易に製造することができる。
実施例の板材12a(12b)は、連結バー14でフランジ部25(ボビン20)に連結されている。連結バー14だけでは連結強度、或いは曲げ剛性が不足する場合、補助の連結バーを使って複数個所で板材12a(12b)をボビン20に連結してもよい。図7に、変形例のボビン本体122(ボビン)の斜視図を示す。この変形例では、板材12a(12b)は連結バー14と補助連結バー114でボビンに連結されている。なお、板材12cは、前述の実施例のボビンと同様に、連結バー15によって板材12aと12bに連結されている。図7の実施例のほか、板材12cが連結バー15によらないでボビンと直接に連結されていてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
3、3a、3b:コイル
3c:コイル下面
5:コアブロック
10:リアクトル
10a:コイルアセンブリ
12a、12b、12c:板材
13a、13b、13c、13d:板材の側面
14、15:連結バー
14a:破断予定部
16:樹脂カバー
20:ボビン
21:フランジパーツ
21b:フランジパーツの下縁両端
21c:フランジパーツの下縁切欠の角部
21d:切欠
22、122:ボビン本体
23:筒部
24:突条
25:フランジ部
25b:フランジ部の下縁両端
25c:フランジ部の下縁切欠の角部
25d:切欠
30:コア
30a、30b:コアパーツ
40:金型
41:下型
41a:突条
42:上型
42a、42b、45a、45b:スライド型
44:ゲート
CA:キャビティ
SP1、SP2:空間

Claims (1)

  1. 対向する一対のフランジを有する樹脂製のボビンと、前記ボビンに巻回されているコイルを備えており、前記コイルの外周面に沿って一方の前記フランジから他方の前記フランジまで一対の板材が伸びているとともに前記一対の板材によって分割されるコイル外周面の2個の領域の一方を樹脂カバーが覆っているリアクトルの製造方法であり、
    前記樹脂カバーを射出成形する金型は、当該金型内に配置された前記ボビンと前記コイルのアセンブリに対して、前記ボビンに連結されており前記コイルの外周面に沿って延びている前記一対の板材の夫々に向けて移動するスライド型を有しており、
    前記金型内にて、前記一対の板材の夫々のコイル当接面とは反対側の面が、移動した前記スライド型から受ける荷重により前記一対の板材が前記ボビンから分離し、分離した前記一対の板材の夫々が前記コイルの側面に当接するとともに前記樹脂カバーを成形するためのキャビティを画定することを特徴とするリアクトルの製造方法。
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