JP6094989B2 - 内燃機関用の点火コイル - Google Patents

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Description

本発明は、自動車エンジンなどの内燃機関の点火放電を実現する点火コイルに関し、特に、小型化を図っても充填樹脂にクラックが入らないよう工夫した点火コイルに関する。
内燃機関の運転に不可欠である点火コイルは、一般に、一次コイル及び二次コイルと、これらに鎖交する磁束の開磁路又は閉磁路を形成する磁気コアと、で構成されている。磁気コアとしては、珪素鋼板などの薄板を積層して一体化した電磁鋼板が使用され、一次コイル、二次コイル、及び、磁気コアを、コイルケースに収容した状態で、熱硬化性樹脂を充填することで、各部の電気絶縁性を担保している。
特開2001−23839号公報 特開2005−183515号公報 特開2008−198833号公報
ところで、点火コイルは、エンジンの運転と休止による冷熱ストレスを受けるので、コイルケースに収容された各部材の熱膨張率の相違に基づいて、モールド樹脂にクラックが入り、絶縁性能が劣化して経年的な安定動作を阻害するおそれがある。
そのため適切な対策が望まれるが、単純に、絶縁部材を増加したり、絶縁距離を確保したのでは、装置の小型化や低コスト化の要請に応えることはできない。
例えば、特許文献2の点火コイルは、PBT製カバーとシリコーン製カバーを、適所に重複して配置しており、しかも、これら2つのカバーを分離状態で配置しており、装置小型化の要請に応えることはできない。なお、2つのカバーを分離状態で配置するには、そのための複雑な製造手順が必要となり製造コストが上昇する。
また、特許文献2の点火コイルでは、中心コアと外周コアの接触面積が少なく、漏れ磁束が問題となり、装置の小型化を図るほど、この問題が顕著となる。しかも、この点火コイルでは、磁気コアを水平方向に展開しており、その分だけ水平面での占有空間を必要として、エンジンブロックへの取り付け位置に制約が生じる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、小型化を図っても充填樹脂にクラックが生じにくい合理的で適切な対策を採った点火コイルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、一次ボビンに一次巻線を巻回した一次コイルと、一次コイルが挿入される二次ボビンに二次巻線を巻回した二次コイルと、一次ボビンに挿入される中心コアと、二次コイルの一部を包含した状態で中心コアに当接されて閉磁路を形成する外周コアと、外周コアの外側に隣接配置されて一次コイルの通電を制御するイグナイタと、二次コイルの出力電圧を点火プラグに供給する通電部とを有し、熱硬化性樹脂が充填されるコイルケースに、前記各部材が収容されて構成される内燃機関用の点火コイルであって、外周コアは、二次コイルの上方に配置される平板状のコア中央部と、コア中央部の両端部から下方に突出する第一と第二の突出部と、を有して構成され、2つの突出部の終端部は、各々、直接又は永久磁石を通して中心コアに当接される一方、2つの突出部の基端部の全面と、コア中央部の全面又は一部が、接触状態の弾性体によって被覆され、外周コアの最上面と、弾性体の最上面とは、略同一平面を形成している。
本発明において、上方、下方、上下方向、前方、後方、前後方向などの用語を使用することがあるが、上下方向や前後方向は、第一方向や第二方向というほどの意味に過ぎず、必ずしも、使用状態の点火コイルにおける鉛直方向や水平方向を意味しないのは勿論である。
何れにしても、本発明の外周コアは、2つの突出部の基端部の全面と、コア中央部の全面又は一部が、接触状態の弾性体によって被覆されているので、装置の小型化を図りつつ、クラックの発生を効果的に防止することができる。また、本発明では、上下方向(典型的には鉛直方向)に閉磁路を形成しており、前後方向(典型的には水平方向)の占有空間が狭い分だけ、エンジンブロックへの取り付け位置に自由度が高い。
前記外周コアは、典型的には、コア中央部と第一突出部と第二突出部とを形成する薄板コ字状の電磁鋼板を、多数枚積層して構成されている。また、第一突出部の終端部は、磁路に傾斜して中心コアと平面状に対面する後方面と、イグナイタに近接する先端面と、後方面と先端面とを連絡する一対の側面とを有して構成され、前記先端面の全体は、接触状態の弾性体によって被覆されているのが好適である。
第二突出部の終端部は、中心コアに接触する屈曲平面と、コイルケースに近接する外側面と、二次コイルに近接する内側面と、外側面と内側面とを連絡する一対の側面と、を有して構成され、前記外側面の一部は、接触状態の弾性体によって被覆されているのも好適である。この場合、前記外側面は、突出方向に直交する幅方向の両端位置において被覆されていると更に好ましい。
外周コアと弾性体の最上面は、箱状のカバー体で覆われているのが好適である。ここで、前記弾性体は、肉厚が0.5〜1.0mmに設定され、ショアDで評価して、温度150℃における硬さが35D〜50Dであるのが好ましい。
上記した本発明によれば、小型化を図っても充填樹脂にクラックが生じにくい点火コイルを実現することができる。
実施例に係る点火コイルについて、その完成状態の概略図である。 図1の点火コイルの概略平面図(a)と、A−A断面図(b)である。 図1の点火コイルの回路図である。 一次ボビンと中心コアを示す斜視図である。 外周コアを示す図面である。 樹脂カバーを示す図面である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1は、実施例に係る点火コイルCLの斜視図(a)と、点火コイルCLの六面図(b)〜(g)を図示したものである。図2は、点火コイルCLの平面図及び一部断面図(a)と、そのA−A断面図(b)である。また、図3は、点火コイルCLを構成する電気回路を示す回路図である。なお、以下の説明では、便宜上、紙面の上下に合わせて、上方、下方と称し、紙面の左右を、後方、前方と称することがある。
本実施例の点火コイルCLは、外部機器(ECU)との接続端子を内蔵するコネクタケース2を、コイルケース1に組み付けて一体化すると共に、一次コイルL1、二次コイルL2、ダイオードD、イグナイタTRなどを収容したコイルケース1に、熱硬化性のモールド樹脂を充填して完成される。コイルケース1とコネクタケース2は、PBT(polybutylene terephthalate)などの樹脂製であり、図1(a)に示す嵌合溝4に、互いの一部が嵌合されることで、両者が一体化されている。
コイルケース1は、詳細には、本体部BDYと、取付フランジFGと、挿入部INと、を有して構成され、挿入部INに外嵌されるプロテクタ(不図示)を、プラグホールに挿入することで、実施例の点火コイルCLが使用される。なお、不図示のプロテクタには、導電性スプリングが内蔵されており、この導電性スプリングを通して、二次コイルL2の出力電圧が、プラグホールの点火プラグPGに供給される。
図1(a)の斜視図に表れる通り、コイルケース1に充填されるモールド樹脂は、本体部BDYの周縁EDに至っておらず、その充填量は、樹脂カバー3が露出する高さに設定されている。図2(b)に示す通り、樹脂カバー3(3a+3b)は、外周コア40やイグナイタTRの上面を完全に覆っており、この構成によって絶縁性能が向上するので、モールド樹脂の充填量を抑制して低コスト化を実現することができる。なお、モールド樹脂の上面に対応して、コイルケースの高さ寸法を低減しても良い。
図2に示す通り、実施例の点火コイルCLは、一次ボビン10に一次巻線11を巻回した一次コイルL1と、二次ボビン20に二次巻線21を巻回した二次コイルL2と、二次ボビン20に配置されるダイオードDと、一次ボビン10に挿入される中心コア30と、中心コア30の2つの終端面に当接される外周コア40と、外周コア40と中心コア30の当接面に配置される永久磁石50と、一次コイルL1の通電を制御するイグナイタTRと、二次コイルL2の出力電圧を点火プラグPGに供給する高圧端子60と、外周コア40やイグナイタTRの上面を覆う樹脂カバー3などを有して構成されている。
図2(b)に現れる通り、イグナイタTRは、その接続端子を上方に向けて配置されている。そして、各部の隙間を埋めるべく、必要量のモールド樹脂が充填されるが、図2は、その充填前の状態を示している。
中心コア30と外周コア40は、永久磁石50と共に、一次コイルL1の一次巻線11と、二次コイルL2の二次巻線21に鎖交する閉磁路を形成している。なお、永久磁石50は、一次コイルL1の導通時に形成される磁界とは逆向きの磁界を形成している。また、中心コア30と外周コア40は、何れも、ケイ素鋼などの電磁鋼板で構成され、多数枚の薄板を、図2(b)の紙面の直交方向に積層して構成され、接着やカシメによって一体化されている。
一次コイルL1、二次コイルL2、イグナイタTR、及び、ダイオードDは、全体として、図3に示す点火回路を構成しており、ECU(Engine Control Unit) から受ける点火パルスをイグナイタTRに供給する制御端子T1と、一次コイルL1にバッテリ電圧を供給する電源端子T2と、グランド端子T3とが、コネクタケース2の内部に配置されている。なお、イグナイタTRは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor) で構成され、ダイオードDは、グランドに向かうプラス放電を防止して、マイナス放電だけを実現する方向に配置される。
<中心コア30>
図4は、一次ボビン10と中心コア30とを示す斜視図である。図示の通り、中心コア30は、コア本体部31と、コア本体部31の前方向に連続する先端当接部32と、コア本体部31の後方向に連続する基端当接部33と、に区分されている。
図示の通り、中心コア30は、最上面31aと、底面31bと、2つの外側面31cとを有して略直方体に形成されている。ここで、中心コア30の最上面31aから外側面31cに向けて階段部が形成されると共に、中心コア30の底面31bから外側面31cに向けても、同様の階段部が形成されている。
そのため、中心コア30を保持する一次ボビン10の外面を、角のとれた略円弧形状にすることができ、一次巻線11を一次ボビン10に高速で強く巻回しても、その機械作業時に線切れなどのトラブルが生じることがない。
図2(b)に表れる通り、中心コア30の先端当接部32は、永久磁石50を介して外周コア40に当接され、中心コア30の基端当接部33は、直接、外周コア40に当接されている。
図4に示す通り、先端当接部32は、コア本体部31の底面31bより下方位置に形成されるコア底面BSと、コア底面BSから傾斜して上方に延びる平坦な前方面34と、前方面34の頂上から下方に延びてコア本体部31の最上面31aに連続する上側背面35と、コア底面BSから上方に延びてコア本体部31の底面31bに連続する下側背面36及び延長面37と、前方面34を上下背面35,36に連絡する一対の側端面38,38と、を有して構成されている。
図示の通り、コア底面BSには、コア本体部31の幅方向に直進する切込み溝GVが形成されている。そして、切込み溝GVの長さ方向の中央位置には、コネクタケース2のグランド端子T3に接続された導体板PT1の終端が挿入されている(図2(b)参照)。したがって、中心コア30は、定常的にグランド電位に維持されることになる。
また、先端当接部32において、前方面34と上側背面35とを連絡する上方連絡面FA1は、所定曲率の円弧面に形成されている。そのため、中心コア30を構成する多数の積層鋼板のうち、上方連絡面FA1を構成する周縁については、その直角コーナーが消滅することになり、モールド樹脂のクラックの基点になりにくい。
基端当接部33は、コア本体部31の底面31b及び側面31cに連続する底面33b及び側面33cと、コア本体部31の最上面31aより下方位置に形成される上面33aと、コア本体部31と基端当接部33の上面31a,33aをV字状に連絡する傾斜面39と、上面33a、底面33b、及び側面33cに、各々、略直交する後方面33dと、を有して構成されている。
図2(b)に示す通り、基端当接部33の上面33aと傾斜面39は、これに対応した屈曲形状を有する外周コア40の終端面に接触している。本実施例では、V字状に切り込まれた傾斜面39を通して、外周コア40と中心コア30とが接触するので、接触面積を確保することができ、漏れ磁束を軽減して所定の磁気抵抗を維持することができる。
図2(b)に示す通り、基端当接部33の底面33bには、折り返して形成された導体板PT2が配置され、基端当接部33の底面33bと、外周コア40の後方面に、各々、弾発接触している。そのため、外周コア40の電位を、中心コア30と同じグランド電位に確実に維持することができる。
<一次ボビン10>
図4に示す通り、一次ボビン10は、中心コア30のコア本体部31を保持する胴体部12と、中心コア30の先端当接部32を保持する先端部13と、中心コア30の基端当接部33を保持する基端部14とに区分されている。この一次ボビン10には、図4の矢印方向に中心コア30が挿入されるが、中心コア30の挿入完了状態では、一次ボビンの後方面が、中心コア30の後方面33dに一致することで、コイルケース1の内面に、一次ボビン10と中心コア30の後方面がほぼ接触する収容状態となる(図2(b)参照)。
一次ボビン10の胴体部12は、一次コイルL1の高さを必要最小限に抑制するべく、コア本体部31の側面31cと略同一の高さに設定され、頂面と底面が存在しない構成になっている。したがって、胴体部12の最下部は、コア本体部31の底面31bに連続し、胴体部12の最上部は、コア本体部31の最上面31aに連続することになる。
また、一次ボビン胴体部12の側面15は、その外面の輪郭が、丸みのある略円弧形状になっている。先に説明した通り、コア本体部31の側面31cが階段状に形成されているので、これに対応して、一次ボビン胴体部12の外面と内面の輪郭形状を丸く設定することで、側面15の肉厚を略均一に構成している。
そして、このような構成の一次ボビン胴体部12に、一次巻線11を巻回することで一次コイルL1が構成される。なお、露出状態のコア本体部31に直接一次巻線11を巻回するか、或いは、適宜な絶縁シートを介在させて一次巻線11を巻回する。
一次ボビン10の先端部13は、中心コア30の先端当接部32について、そのコア底面BSと下側背面36及び延長面37とを保持する保持底面13aと、一対の側端面38,38を保持する保持側面13b,13bと、上側背面35に当接される保持背面13cと、を有して構成されている。
保持背面13cの上端部には、前方に突出するフランジ部PRが形成されている。また、保持背面13cの上部には、モールド樹脂の充填通路を形成する隆起部RIが形成されている。ここで、フランジ部PRは、樹脂クラックの進行を阻止するべく配置されているが、その反面、モールド樹脂の充填通路を確保するための隆起部RIの機能を阻害する可能性もあるので、これを設けない構成も好適である。
何れの構成においても、一次ボビン10の最先端面は、中心コア30の前方面34を囲んだ断面U字状に形成されている。また、保持底面13aは、その中央位置が、矩形状に切り欠かれることで、切込み溝GVに至る導体板PT1の接続通路を実現している。なお、導体板PT1の板幅は、保持底面の切欠き幅とほぼ同一である。
保持側面13b,13bの外面の上方位置には、一次巻線11の始端と終端を、各々巻き取る固定片C1,C2が形成されている。なお、この固定片C1,C2は、外周コア40の先端側において、その両側に隣接する位置関係となる。
図3の回路図に示す通り、固定片C1に巻き取られた一次巻線11は、イグナイタTRのソース端子に電気接続する必要があり、また、固定片C2に巻き取られた一次巻線11は、ダイオードDのカソード端子に電気接続する必要がある。そのため、固定片C1,C2の近くでは、一次巻線11の導線を露出させる必要があり、その必要のために、露出状態の導線と、グランド電位の磁気コア30,40との放電路や短絡路となる樹脂クラックの発生が懸念されるところである。特に、フランジ部PRを省略した構成の場合には、一次ボビン胴体部12の先端位置で露出する一次巻線11については、樹脂クラックの問題が重要である。
しかし、本実施例では、中心コア30の上方連絡面FA1が、円弧形状に形成されているので、例え、フランジ部PRが存在しない場合でも、中心コア30を基点とする樹脂クラックの問題が生じにくい。
<外周コア40>
続いて、図5に基づいて、外周コア40について説明する。図5(a)に示す通り、本実施例の外周コア40は、電磁鋼板による本体部STL(図5(b))の要部が、弾性体ERによって、接着状態で覆われている。なお、先に説明した通り、本体部STLは、薄板コ字状の電磁鋼板を多数枚積層して接着やカシメで一体化して構成されている。
本実施例の弾性体ERは、200℃以上の融点(吸熱ピーク温度)を有する熱可塑性エラストマが使用され、より好適には、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマが使用される。また、実施例の弾性体としては、好適には、温度150℃における硬さが、ショアDで評価して35D〜50D程度のものが使用され、0.5〜1.0mm程度の肉厚に設定されている。
但し、本実施例の弾性体ERは、その肉厚が均一ではなく、本体部STLの被覆箇所に対応して適宜に設定されている。以下、この点も含めて説明する。
図5(a)に示す通り、外周コア40(本体部STL)は、平板状のコア中央部40aと、コア中央部40aの先端から略直交して下方に突出する先方突出部40bと、コア中央部40aの基端から略直交して下方に突出する後方突出部40cと、に大別される。
先方突出部(本体部STL)40bは、真っ直ぐ下方に延びる平坦な先端面41と、下方ほど先端面に近づく平坦な後方面42と、先端面と後方面42に略直交する一対の側面43と、先端面41と後方面42の最下部を連絡する円弧状の輪郭を有する下方連絡面FA2と、で構成されている。
図2に表れる通り、外周コア40の上方には、樹脂カバー3が接触状態で嵌合されている。そして、外周コア40の先端面41は、上下反転配置されたイグナイタTRに近接しており、外周コア40の後方面42は、永久磁石50を介して中心コア30の前方面34に当接されている。
また、外周コア40の下方連絡面FA2は、中心コアのコア底面BSと略同一平面を形成して、その中央位置において、導体板PT1に接触している。このように、外周コア40の下方連絡面FA2は、導体板PT1に接触させる必要から、弾性体ERで覆うことができない。
そして、下方連絡面FA2の下方は、一次ボビン10や導体板PT1で覆われるものの、その前方は、イグナイタTRなどに対して露出状態となり、樹脂クラックの基点となるおそれがある。そこで、本実施例では、モールド樹脂に露出せざるを得ない外周コア40の下方連絡面FA2を、所定の円弧形状に加工して直角コーナーを消滅させることで、樹脂クラックの問題を回避している。
図5に示す通り、コア中央部(本体部STL)40aは、所定幅と所定高さを有する平板状に形成されている。そして、その上表面SFを露出させる一方、露出表面SFを除いた全面を、所定厚(0.7〜1.0mm)の弾性体ERで覆っている。
そのため、図5に示す水平方向に生じる冷熱ストレスや、二次コイルL2が位置する下方向に生じる冷熱ストレスは、弾性体ERによって効果的に緩衝されて、樹脂クラックの発生を防止することできる。但し、コア中央部40aの上方向には、多数の薄板の直角コーナーが揃うことになり、クラックの基点となることが懸念される。
しかし、図2(b)に示す通り、外周コア40の上表面SFには、樹脂カバー3が接触状態で嵌合されているので、樹脂カバー3で保護されることで、樹脂クラックの問題が生じることはない。なお、図5に示す弾性体ERは、その角部に関し、直角コーナーを回避する切除形状を図示しているため、必ずしも不明瞭ではないが、コア中央部40aの上表面SFより上方に弾性体ERが存在することはない。そのため、本実施例では、外周コア40を弾性体ERで被覆するものの、点火コイルの高さ寸法が特に大きくなることはない。
先方突出部40bは、その基端部分が、肉厚0.7〜1.0mm程度の弾性体ERで完全に覆われている。一方、先方突出部40bの先端部分は、先端面41だけが接着状態の弾性体ERで覆われている。図5(c)や図5(h)に現れる通り、弾性体ERは、基端側の厚肉部分(肉厚0.7〜1.0mm程度)と、その他の薄肉部分(肉厚0.5〜0.7mm程度)と、に区分されている。
ここで、弾性体ERの厚肉領域は、先方突出部40bの基端部を含んで、主として、イグナイタTRの接続端子の配置位置に対応して設定されており、熱膨張と熱収縮による冷熱ストレスを、所定厚(0.7〜1.0mm)の弾性体ERによって緩衝することで、イグナイタTRの接続端子に向かう樹脂クラックの発生を防止している。
また、外周コア40の先端面41を全面被覆するのは、先端面41には、積層された多数毎の電磁鋼板の直角コーナーが整列するためである。すなわち、先端面41をイグナイタTRの方向から見ると、微視的には、薄板毎に直角コーナーが存在することになるので、全ての直角コーナーを弾性体ERで覆うことで、樹脂クラックの基点の発生を防止している。なお、この実施例では、先端面41に直交する一対の側面43については、その基端部分を除いて、モールド樹脂に露出させているが、その全部または要部について、弾性体ERで被覆するのも好適である。
次に、後方突出部(本体部STL)40cは、中心コア30の基端当接部33の形状に対応する屈曲当接面44と、コイルケースに対面して下方に延びる外側面45と、二次コイルに近接して下方に延びる内側面46と、外側面と内側面とを連絡する一対の側面47,47とで構成されている。
後方突出部(本体部STL)40cを、弾性体ERの被覆状態で評価すると、後方突出部40cは、ほぼ全面が弾性体ERで被覆される基端部と、殆ど弾性体ERで被覆されていない先端部に区分される。そして、後方突出部40cの基端部は、ほぼ全面が厚肉(0.7〜1.0mm程度)の弾性体で覆われるが、その一部が開放されることで、外側面45を略H状に覆っている。したがって、外側面45には、厚肉の弾性体ERの上下に、開放窓48と開放面49が形成されることになる。
しかし、開放窓48は、樹脂カバー3の周縁が係合する部分であって、その全てが樹脂カバー3で被覆されるので、この開放窓48を基点として樹脂クラックが発生するおそれはない。
また、開放面49は、グランド電位の導体板PT2が当接されて、ほぼ全てが隠蔽されるので、特段、問題は生じない。但し、導体板PT2の外側(図2(a)の上下方向)には、折り返された導体板PT2の厚み分の空隙(モールド樹脂の充填領域)が生じることになる。そのため、その空隙を経由して、二次コイルL2などに至る樹脂クラックの発生を防止するべく、開放面49の両側には、弾性体ERを接着されており、面方向に生じる冷熱ストレスが緩衝されている。
<樹脂カバー3>
図6は、外周コア40やイグナイタTRの上面を覆う樹脂カバー3を示す図面である。樹脂カバー3は、板厚0.65〜9.5mm程度のPBT樹脂による一体成形品であり、浅い箱状のカバー本体3aと、断面J字状の庇部(付属部)3bとが一体的に構成されている。図示の通り、カバー本体3aと、庇部3bとは、その最上面が略同一平面を形成している。
カバー本体3aの内側周面は、外周コア40の上部の外形寸法にほぼ一致しており、外周コア40の上部を受け入れて、やや密に嵌合するよう構成されている(図2参照)。そして、後方側の外周面には、コイルケースに圧入するための突起3cが形成され、前方側の周縁が、やや深く形成されることで、イグナイタTRの接続端子との絶縁性を高めている。また、やや深い前方側の周縁を利用して、カバー本体3aに庇部3bが連結されている。
そして、庇部3bは、その前方が下方に屈曲されることで、イグナイタTRの接続端子から上方及び斜め上方に向かう樹脂クラックの進行を確実に阻止している。
以上の通り、本実施例では、点火コイルを構成する各部材に種々の工夫を施すことで、樹脂クラックの発生や、その進行を効果的に阻止している。但し、実施例について説明した具体的な構成は、何ら本発明を限定する趣旨ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜な改変が可能である。
10 一次ボビン
11 一次巻線
L1 一次コイル
20 二次ボビン
21 二次巻線
L2 二次コイル
30 中心コア
40 外周コア
TR イグナイタ
PG 点火プラグ
60 通電部
1 コイルケース
CL 点火コイル
40a コア中央部
40b 第一突出部
40c 第二突出部
ER 弾性体
3 カバー体

Claims (8)

  1. 一次ボビンに一次巻線を巻回した一次コイルと、一次コイルが挿入される二次ボビンに二次巻線を巻回した二次コイルと、一次ボビンに挿入される中心コアと、二次コイルの一部を包含した状態で中心コアに当接されて閉磁路を形成する外周コアと、外周コアの外側に隣接配置されて一次コイルの通電を制御するイグナイタと、二次コイルの出力電圧を点火プラグに供給する通電部とを有し、熱硬化性樹脂が充填されるコイルケースに、前記各部材が収容されて構成される内燃機関用の点火コイルであって、
    外周コアは、二次コイルの上方に配置される平板状のコア中央部と、コア中央部の両端部から下方に突出する第一と第二の突出部と、を有して構成され、
    2つの突出部の終端部は、各々、直接又は永久磁石を通して中心コアに当接される一方、2つの突出部の基端部の全面と、コア中央部の全面又は一部が、接触状態の弾性体によって被覆され
    外周コアの最上面と、弾性体の最上面とは、略同一平面を形成していることを特徴とする内燃機関用の点火コイル。
  2. 前記外周コアは、コア中央部と第一突出部と第二突出部とを形成する薄板コ字状の電磁鋼板を、多数枚積層して構成されている請求項1に記載の内燃機関用の点火コイル。
  3. 第一突出部の終端部は、磁路に傾斜して中心コアと平面状に対面する後方面と、イグナイタに近接する先端面と、後方面と先端面とを連絡する一対の側面とを有して構成され、
    前記先端面の全体は、接触状態の弾性体によって被覆されている請求項2に記載の内燃機関用の点火コイル。
  4. 第二突出部の終端部は、中心コアに接触する屈曲平面と、コイルケースに近接する外側面と、二次コイルに近接する内側面と、外側面と内側面とを連絡する一対の側面と、を有して構成され、
    前記外側面の一部は、接触状態の弾性体によって被覆されている請求項に記載の内燃機関用の点火コイル。
  5. 前記外側面は、突出方向に直交する幅方向の両端位置において被覆されている請求項4に記載の内燃機関用の点火コイル。
  6. 外周コアと弾性体の最上面は、箱状のカバー体で覆われている請求項1〜5の何れかに記載の内燃機関用の点火コイル。
  7. 前記弾性体は、肉厚が0.5〜1.0mmに設定されている請求項1〜の何れかに記載の内燃機関用の点火コイル。
  8. 前記弾性体は、ショアDで評価して、温度150℃における硬さが35D〜50Dである請求項1〜の何れかに記載の内燃機関用の点火コイル。
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