JP6488568B2 - 内燃機関用の点火コイル - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用の点火コイルに関する。
内燃機関に用いる点火コイルとしては、互いに磁気結合された1次コイル及び2次コイルと、1次コイルへの通電によって生じる磁束の磁路を構成するコアと、1次コイルと2次コイルとコアとを収容するケースと、外部コネクタを接続するためのコネクタ部とを有するものがある(特許文献1)。かかる点火コイルにおいて、コネクタ部は、ケースから突出しており、コネクタ部を外周から覆うような状態で外部コネクタがコネクタ部に嵌合するよう構成されている。
特開2009−188364号公報
しかしながら、近年、エンジンの小型化等に伴い、点火コイルの配置スペースが小さくなっていることから、点火コイルの小型化が求められている。特に、エンジンへの点火コイルの搭載性改善の観点から、ケースからのコネクタ部の突出量を極力小さくすることが望まれる。
しかし、単にコネクタ部の長さを小さくすると、コネクタ部と上記外部コネクタとを嵌合させる際、両者の嵌合長さが短くなってしまい、点火コイルと外部コネクタとの接続信頼性が低下するおそれがある。よって、コネクタ部の長さを短くすることなく、ケースの外形からのコネクタ部の突出量を小さくすることが望まれる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、コネクタ部の長さを短くすることなく、ケースの外形からのコネクタ部の突出量を小さくすることができる内燃機関用の点火コイルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、互いに磁気結合された1次コイル及び2次コイルと、
上記1次コイルへの通電によって生じる磁束の磁路を構成するコアと、
上記1次コイルと上記2次コイルと上記コアとを収容するケースと、
該ケース内に形成された隙間に充填された、電気的絶縁性を有する充填樹脂と、
外部コネクタを接続するためのコネクタ部とを有する内燃機関用の点火コイルであって、
上記コネクタ部は、上記ケースから突出しており、かつ、外周から覆われるように上記外部コネクタが接続されるよう構成されており、
上記ケースは、上記コネクタ部の周囲に、他の部分よりも陥没した陥没部を有し、
上記ケースには、上記2次コイルに接続された導通端子が内側に配されるタワー部が突出するよう形成されており、
上記陥没部の底面である陥没底面は、上記タワー部の突出方向と反対側に向かうにつれて、上記ケースの内側に向かうよう傾斜していることを特徴とする内燃機関用の点火コイルにある。
上記内燃機関用の点火コイルにおいて、ケースは、コネクタ部の周囲に、他の部分よりも陥没した陥没部を有する。すなわち、コネクタ部はケースの陥没部から突出しているため、コネクタ部を短くしなくても、ケースの外形からのコネクタ部の突出量を、小さくすることができる。
以上のごとく、本発明によれば、コネクタ部の長さを短くすることなく、ケースの外形からのコネクタ部の突出量を小さくすることができる内燃機関用の点火コイルを提供することができる。
実施例1における、点火コイルの断面図。 実施例1における、点火コイルの斜視図。 実施例1における、点火コイルの上面図。 実施例1における、サブアッシーを第1ケース体に組み付ける工程を説明する斜視図。 実施例1における、サブアッシーを第1ケース体に組み付ける工程を説明する断面図。 実施例2における、点火コイルの断面図。 実施例2における、点火コイルの斜視図。
(実施例1)
上記内燃機関用の点火コイルの実施例につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の内燃機関用の点火コイル1は、図1に示すごとく、互いに磁気結合された1次コイル21及び2次コイル22と、1次コイル21への通電によって生じる磁束の磁路を構成するコア3と、1次コイル21と2次コイル22とコア3とを収容するケース4と、外部コネクタを接続するためのコネクタ部11とを有する。図1〜図3に示すごとく、コネクタ部11は、ケース4から突出しており、かつ、外周から覆われるように外部コネクタが接続されるよう構成されている。ケース4は、コネクタ部11の周囲に、他の部分よりも陥没した陥没部61を有する。
図1に示すごとく、1次コイル21と2次コイル22とは、互いに内外周に重ねて配置されている。コア3は、1次コイル21及び2次コイル22の内周側に配された中心コア31と、1次コイル21及び2次コイル22の外周側に配された外周コア32とからなる。ケース4には、2次コイル22に接続された導通端子13が内側に配されるタワー部53を1次コイル21及び2次コイル22の軸方向と直交する方向に設けてある。コネクタ部11は、ケース4における1次コイル21及び2次コイル22の軸方向Xの一端側から突出形成されている。ケース4内に形成された隙間には、電気絶縁性を有する充填樹脂12が充填されている。
本例においては、1次コイル21と2次コイル22とは、巻回軸を同じにしており、これらの巻回軸の方向を軸方向Xという。また、タワー部53の突出方向を上下方向Zといい、軸方向Xと上下方向Zとの双方に直交する方向を横方向Yという。上下方向Zにおいて、タワー部53が突出している側を「下側」といい、その反対側を「上側」ということもある。なお、上下の表現は、鉛直方向を決めるものではない。
図1に示すごとく、1次コイル21は、中心コア31の外周に配された1次スプール101に1次電線を巻回してなり、2次コイル22は、1次コイル21の外周側において、2次スプール102に1次電線よりも細い2次電線を、1次電線よりも多い回数で巻回してなる。これにより、1次コイル21に通電した電流を遮断した際、相互誘導により、2次コイル22に高圧電流が発生する。1次スプール101及び2次スプール102は樹脂製である。なお、本例においては、1次電線を1次スプール101に巻回する構成としたが、1次スプール101を用いずに、1次電線を中心コア31に直接巻回する構成とすることもできる。
中心コア31は、複数の磁性鋼板を上下方向Zに積層して形成された略四角柱形状を有する。中心コア31は、その長手方向が、軸方向Xとなるように配されている。
外周コア32は、上下方向Zに開口する略矩形状の枠体である。外周コア32も、複数の磁性鋼板を上下方向Zに積層してなる。中心コア31と外周コア32との間には、磁石体103が配されている。
ケース4は、1次コイル21、2次コイル22、コア3、磁石体103の周囲を、軸方向X及び横方向Yから囲むと共に上方に開口した側方壁部51と、側方壁部51の下端を閉塞する底壁部52とを有している。図3に示すごとく、側方壁部51は、上下方向Zから見たとき、その外形が長方形状であり、該長方形状の長手方向が軸方向Xとなっている。図1、図2に示すごとく、底壁部52にタワー部53が形成されており、タワー部53は、底壁部52から下方に向かって突出形成されている。タワー部53は、図示しないプラグキャップの内側に嵌合される。
図1〜図3に示すごとく、ケース4は、第1ケース体5と、該第1ケース体5に組み付けられた第2ケース体6とからなり、コネクタ部11は、第2ケース体6の一部として構成されている。第1ケース体5と第2ケース体6とは、別体の部品であり、互いに組み合わされてケース4となる。ケース4(第1ケース体5及び第2ケース体6)は、樹脂からなる。
図4に示すごとく、第1ケース体5は、側方壁部51の一部と、底壁部52とからなる。すなわち、第1ケース体5は、側方壁部51の一部を開口方向から下側に切り欠いてなる切欠部512を有する。切欠部512は、側方壁部51における軸方向Xの一方側に形成されている。第2ケース体6は、第1ケース体5の切欠部512に配されて、切欠部512に隣接する側方壁部51の端縁に係合している。
図1〜図3に示すごとく、第2ケース体6は、第1ケース体5の切欠部512に隣接する側方壁部51の端縁に係合する溝部62を、第2ケース体6における下端と、横方向Yの両端とに有する。また、第2ケース体6は、ケース4における軸方向Xの一方側の外表面の一部となる基準面63と、基準面63から陥没した陥没部61を有する。すなわち、陥没部61は、ケース4の外形よりも内側に位置している。
図1、図2に示すごとく、陥没部61の底面である陥没底面611は、平坦面であり、上側に向かうにつれて軸方向Xにおけるケース4の内側に向かうように傾斜している。
横方向Yにおける陥没底面611の略中央から、コネクタ部11が突出形成されている。つまり、コネクタ部11の一部は、ケース4の外形の内側に位置している。コネクタ部11は、陥没底面611に対して垂直に突出しており、その突出方向は、軸方向Xに対して傾斜している。すなわち、コネクタ部11は、その突出先端側に向かうにつれて、タワー部53の突出方向と反対側(上側)に向かうように傾斜している。また、コネクタ部11は、基準面63におけるコネクタ部11の下側面631に対して鈍角に突出している。
コネクタ部11の外周から覆われるように外部コネクタが接続されることにより、外部機器と点火コイル1とが電気的に接続される。つまり、コネクタ部11はいわゆる雄型のコネクタであり、外部コネクタはいわゆる雌型のコネクタである。
ケース4の、軸方向Xにおけるコネクタ部11の反対側には、取付部54が形成されている。図2、図3に示すごとく、取付部54は、点火コイル1をエンジンに取付けるためのボルトを挿通するための貫通孔540を有する。
図1に示すごとく、ケース4内には、1次コイル21及び2次コイル22の軸方向Xの一端側に配置され、1次コイル21の通電及びその遮断を行うイグナイタ7が収容されている。陥没部61は、イグナイタ7におけるタワー部53の突出方向と反対側(上側)の位置に隣接して配される。イグナイタ7は、その上面が、外周コア32の上面よりも下側に位置するように配されている。
イグナイタ7は、上方に向かって突出するイグナイタ端子71を有する。そして、コネクタ部11内には、イグナイタ7へのスイッチング信号を送信する導電ピン111(制御信号伝送用端子)が配されており、該導電ピン111(制御信号伝送用端子)はイグナイタ端子71と接続されている。
図2に示すごとく、コネクタ部11内には、3つの導電ピン111が配されている。これらの導電ピン111は、それぞれ、外周コア32を接地するためのアース用端子、イグナイタ7内のスイッチング素子のオン・オフを制御する外部制御装置からの制御信号伝送用端子、外部電源接続用端子である。
ケース4内に配された中心コア31、1次コイル21、2次コイル22、外周コア32、磁石体103、イグナイタ7は、熱可塑性の充填樹脂12に埋設されている。
次に、本例の点火コイル1の組み付け工程について、説明する。
図4、図5に示すごとく、中心コア31、1次コイル21、2次コイル22、外周コア32、磁石体103、イグナイタ7、及び第2ケース体6(コネクタ部11を含む。)を組み付けることにより、サブアッシー10を形成する。つまり、第2ケース体6を第1ケース体5に組み付ける前に、サブアッシー10を形成する。
第1ケース体5には、タワー部53の内側に導通端子13を配置する。そして、サブアッシー10を、第1ケース体5に開口方向から挿入する。このとき、第2ケース体6の溝部62に、第1ケース体5の切欠部512を係合させるようにする。
そして、第1ケース体5にサブアッシー10を組みつけた状態において、図1に示すごとく、ケース4内に充填樹脂12を流し込み、これを硬化させることで、サブアッシー10を封止する。
以上の組み付け工程によって、本例の内燃機関用の点火コイル1を得ることができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記内燃機関用の点火コイル1において、ケース4は、コネクタ部11の周囲に、他の部分よりも陥没した陥没部61を有する。すなわち、コネクタ部11はケース4の陥没部61から突出しているため、コネクタ部11を短くしなくても、ケース4の外形からのコネクタ部11の突出量を、小さくすることができる。また、外部コネクタを陥没部61に入り込ませてコネクタ部11に嵌合させることができるので、コネクタ部11と外部コネクタとの接触信頼性を確保できる。
また、ケース4のコネクタ部11の周囲に陥没部61を有するため、コネクタ部11に外部コネクタを嵌合させる際、外部コネクタを陥没部に入り込ませることができる。それゆえ、コネクタ部と外部コネクタとの嵌合長さを充分に確保することができる。
また、ケース4は、第1ケース体5と第2ケース体6とからなり、コネクタ部11は、第2ケース体6の一部として構成されている。これにより、点火コイル1の組み付けを容易にすることができる。
また、コネクタ部11は、ケース4における軸方向Xの一端側から突出形成されている。これにより、横方向Yにおいて点火コイル1が大型化することを防ぎながら、軸方向Xにおける点火コイル1の小型化を図ることができる。
また、陥没部61は、イグナイタ7におけるタワー部53の突出方向と反対側の位置に隣接して配される。それゆえ、ケース4内におけるイグナイタ7の上部の広いスペースを小さくできることに伴い、当該スペースに配される充填樹脂12を少なくすることができる。これにより、イグナイタ7等、ケース4内の部品に加わる熱応力を低減することができる。
また、コネクタ部11は、その突出先端側に向かうにつれて、タワー部53の突出方向と反対側に向かうように傾斜している。それゆえ、コネクタ部11に外部コネクタを装着しやすい。
以上のごとく、本例によれば、コネクタ部の長さを短くすることなく、ケースの外形からのコネクタ部の突出量を小さくすることができる内燃機関用の点火コイルを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図6、図7に示すごとく、コネクタ部11の突出方向を、軸方向Xとした例である。陥没底面611は、軸方向Xに対して垂直に形成されている。また、陥没底面611は、コネクタ部11の基端部の全周に形成されている。陥没底面611におけるコネクタ部11より上側の部分は、上側に向かうにつれて軸方向Xにおけるケース4の内側に向かうように傾斜した傾斜面612となっている。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、上記実施例においては、コネクタ部が、ケースにおける軸方向の一端側から突出形成されている例を示したが、例えば、コネクタ部が、ケースにおける横方向側から突出形成するような構成等としても良い。この場合においても、コネクタ部の周囲に陥没部を設けることで、ケースの外形からのコネクタ部の突出量を小さくすることができる。
1 内燃機関用の点火コイル
11 コネクタ部
21 1次コイル
22 2次コイル
3 コア
4 ケース
61 陥没部

Claims (6)

  1. 互いに磁気結合された1次コイル(21)及び2次コイル(22)と、
    上記1次コイル(21)への通電によって生じる磁束の磁路を構成するコア(3)と、
    上記1次コイル(21)と上記2次コイル(22)と上記コア(3)とを収容するケース(4)と、
    該ケース(4)内に形成された隙間に充填された、電気的絶縁性を有する充填樹脂(12)と、
    外部コネクタを接続するためのコネクタ部(11)とを有する内燃機関用の点火コイル(1)であって、
    上記コネクタ部(11)は、上記ケース(4)から突出しており、かつ、外周から覆われるように上記外部コネクタが接続されるよう構成されており、
    上記ケース(4)は、上記コネクタ部(11)の周囲に、他の部分よりも陥没した陥没部(61)を有し、
    上記ケース(4)には、上記2次コイル(22)に接続された導通端子(13)が内側に配されるタワー部(53)が突出するよう形成されており、
    上記陥没部(61)の底面である陥没底面(611)は、上記タワー部(53)の突出方向と反対側に向かうにつれて、上記ケースの内側に向かうよう傾斜していることを特徴とする内燃機関用の点火コイル(1)。
  2. 上記ケース(4)は、第1ケース体(5)と、該第1ケース体(5)に組み付けられる第2ケース体(6)とからなり、上記コネクタ部(11)は、上記第2ケース体(6)の一部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用の点火コイル(1)。
  3. 上記1次コイル(21)と上記2次コイル(22)とは、互いに内外周に重ねて配置されており、上記コア(3)は、上記1次コイル(21)及び上記2次コイル(22)の内周側に配された中心コア(31)と、上記1次コイル(21)及び上記2次コイル(22)の外周側に配された外周コア(32)とからなり、上記ケース(4)には、上記タワー部(53)を上記1次コイル(21)及び上記2次コイル(22)の軸方向(X)と直交する方向に設けてあり、上記コネクタ部(11)は、上記ケース(4)における上記軸方向(X)の一端側から突出形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用の点火コイル(1)。
  4. 上記ケース(4)内には、上記軸方向(X)の一端側に配置され、上記1次コイル(21)の通電及びその遮断を行うイグナイタ(7)が収容されており、上記陥没部(61)は、上記イグナイタ(7)における上記タワー部(53)の突出方向と反対側の位置に隣接して配されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用の点火コイル(1)。
  5. 上記陥没底面(611)は、上記タワー部(53)の突出方向と反対側に向かうにつれて、上記軸方向(X)における上記ケースの内側に向かうよう傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用の点火コイル(1)。
  6. 上記コネクタ部(11)は、その突出先端側に向かうにつれて、上記タワー部(53)の突出方向と反対側に向かうように傾斜していることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル(1)。
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