JP2008277534A - 点火コイル - Google Patents

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Shuichi Matsubayashi
秀一 松林
Ikuo Hirayama
育男 平山
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篤 岩見
Takeshi Morimoto
雄 森本
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Abstract

【課題】閉磁路を形成するコアの構成部材である永久磁石に起因する絶縁樹脂の歪をなくし、コイルケ−ス内部に発生する応力を低減してクラックの発生を防止できる高強度の点火コイルを提供する。
【解決手段】一次コイルと、二次コイルと、磁路を形成するコア18とを備えたコイル組立体10をハウジンブ1内に収納し、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填した点火コイルにおいて、コア18は、分割可能な二つのコア部材181、182が一の接合部にマグネット20を介在して接合された閉磁路を形成しており、複数のコア部材181、182はそれぞれ接合面を除いて絶縁樹脂で被覆されており、マグネット20はコア部材181、182の接合部を形成する接合面とこの接合面よりも突出するように設けられた絶縁樹脂の被膜とで囲まれた収容空間内に収容されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、点火コイルに関し、特に、一般的な内燃機関の点火コイル及びエンジンのプラグホールに直接装着される点火コイルに関する。
自動車エンジンをはじめとする内燃機関においては、例えば燃料であるガソリンを燃焼させる起爆装置として点火コイル及び点火プラグが適用される。
内燃機関用の点火コイルに関する従来技術の文献としては、例えば、特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
図6は、従来の点火コイルの一例を示す縦断面図である。図6において、この点火コイルは、一次コイル65と、一次コイル65の外周部に同心円状に巻装された2次コイル66と、一次コイル65の中心空間部にその一部が嵌挿された鉄心(コア)61とから主として構成されている。すなわち、コア61は、一次コイル65及び2次コイル66からなるコイル対の中心空間部に嵌挿された直線状の励磁部62と、この励磁部62の両端を挟む略コの字形を呈した閉磁路形成部63と、励磁部62と、閉磁路形成部63との間のエアギャップに配置された永久磁石64とで構成されている。
図7は、図6のコア61の閉磁路形成部63を示す部分拡大図、図8は、図6の閉磁路形成部63の縦断面図である。図7及び図8において、閉磁路形成部63における永久磁石64との接合面67の周囲には部分的に永久磁石64の位置決めを行う突設部68が設けられている。
このような一次コイル65、2次コイル66及び閉磁路を形成するコア61とを有するコイル組立体が、コイルケース内に収容され、絶縁性の注型材が注入されることによって点火コイルが形成される。
特開平3−116704号公報 特開平5−175058号公報
しかしながら、上記従来技術の点火コイルは、コイル組立体における永久磁石64のエッジの一部がコア61の表面に露出する構造となっており、組み付け時に、このままコイルケースに収容され、注型材を注入して点火コイルを形成した場合、永久磁石と注型材とが接合する。注型材の硬化後、特に永久磁石のエッジ近傍における絶縁樹脂の歪に起因してクラックが発生し易くなるという問題がある。
本発明の目的は、閉磁路を形成するコアの構成部材である永久磁石のエッジ近傍における絶縁樹脂の歪をなくし、クラックの発生を防止することができる高強度の点火コイルを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の点火コイルは、一次コイルと、二次コイルと、磁路を形成するコアとを備えたコイル組立体をコイルケース内に収納し、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填した点火コイルにおいて、前記コアは、分割可能な複数のコア部材が少なくとも一の接合部に永久磁石を介在して接合された閉磁路を形成しており、前記複数のコア部材はそれぞれ接合面を除いて他の絶縁樹脂で被覆されており、前記永久磁石は前記コア部材の前記一の接合部を形成する接合面と該接合面よりも突出するように設けられた前記他の絶縁樹脂の被膜とで囲まれた収容空間内に収容されていることを特徴とする。
請求項2記載の点火コイルは、請求項1記載の点火コイルにおいて、前記接合面よりも突出するように設けられた前記他の絶縁樹脂の被膜は、前記一の接合部における対向する二つの接合面の外周部からそれぞれ部分的に突出するように設けられた絶縁被膜であって、相互に嵌合することにより、前記接合面の全周を覆って前記収容空間を形成するものであることを特徴とする。
請求項3記載の点火コイルは、請求項1又は2記載の点火コイルにおいて、前記一の接合部を形成する接合面は、前記コア部材の接合方向に対して所定角度で傾斜していることを特徴とする。
請求項4記載の点火コイルは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火コイルにおいて、前記一の接合部以外の接合部は、相互に嵌合する凹凸面を有することを特徴とする。
請求項5記載の点火コイルは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火コイルにおいて、前記コアは、略コの字状の二つのコア部材を嵌合することによって前記閉磁路を形成していることを特徴とする。
請求項6記載の点火コイルは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点火コイルにおいて、前記コイル組立体は、円筒状の一次コイルボビンに巻装された前記一次コイルと、前記一次コイルボビンよりも径が大きく、且つ前記一次コイルボビンと同心円状に配置された円筒状の二次コイルボビンに巻装された前記二次コイルとを有し、前記コアの少なくとも一部は、同心円状に配置された前記一次コイル及び二次コイルの中心軸に沿う前記一次コイルボビンの中心空間に嵌挿されていることを特徴とする。
請求項1記載の点火コイルによれば、永久磁石を一の接合部を形成するコア部材の接合面とこの接合面よりも突出するように設けられた絶縁被膜とで囲まれた収容空間内に収容したので、永久磁石がコア表面から露出することがなく、永久磁石と注型材としての絶縁樹脂との接触をなくし、これによって永久磁石のエッジ近傍における絶縁樹脂の歪みに起因するクラックの発生を防止することができる。
請求項2記載の点火コイルによれば、絶縁被膜を、一の接合部における対向する二つコア部材の接合面の外周部からそれぞれ部分的に突出するように設けられた絶縁被膜であって、相互に嵌合することにより、接合面の全周を覆って永久磁石の収容空間を形成するものとしたので、コア部材相互間に介在する永久磁石を確実に絶縁被膜で覆おうことができる。従って、上記発明の効果に加え、永久磁石表面における絶縁樹脂の歪みに起因するクラックの発生をより確実に防止することができる。
請求項3記載の点火コイルによれば、一の接合部を形成する接合面をコア部材の接合方向に対して所定角度で傾斜させたことにより、より面積の広い永久磁石を介在させることができるので、上記発明の効果に加え、逆バイアスを大きくしてコアの二次出力を増大させることができる。
請求項4記載の点火コイルによれば、一の接合部以外の接合部を、相互に嵌合する凹凸面を有するものとしたので、上記発明の効果に加え、コア部材の接合強度が向上する。
請求項5記載の点火コイルによれば、コアが、略コの字状の二つのコア部材を嵌合することによって閉磁路を形成するものとしたので、上記発明の効果に加え、組立性が向上する。
請求項6記載の点火コイルによれば、コイル組立体を、円筒状の一次コイルボビンに巻装された一次コイルと、一次コイルボビンよりも径が大きく、且つ一次コイルボビンと同心円状に配置された円筒状の二次コイルボビンに巻装された二次コイルとを有し、コアの少なくとも一部は、同心円状に配置された一次コイル及び二次コイルの中心軸に沿う一次コイルボビンの中心空間に嵌挿されているものとしたので、上記発明の効果に加え、点火コイル全体の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関用の点火コイルの組立図である。
図1において、この点火コイルは、二つの二次出力端子を有するデュアル(DUAL)点火方式の点火コイルであって、コイルケースとしてのハウジング1と、このハウジング1内に嵌挿されるコイル組立体10とから主として構成されている。
コイル組立体10は、一次コイル(図示省略)が巻装された略円筒状の一次コイルボビン11と、二次コイル(図示省略)が巻装され、一次コイルボビン11よりも径が大きい略円筒状の二次コイルボビン12とを備えており、二次コイルが巻装された二次コイルボビン12は一次コイルが巻装された一次コイルボビン11の外側に同心円状に配置される。これによって一次コイルと二次コイルは同心円状に配置されたコイル対を形成する。
一次コイルボビン11の一端には、一次端子13及び14が圧入されており、一次コイルの巻き始め端及び巻き終わり端はそれぞれ一次端子13及び14にフュージング等で接続されている。一次端子13及び14は、コネクタ15にその一端から挿入されており、コネクタ15は、二次コイルボビン12の所定位置に固定される。
一次コイルと二次コイルが同心円状に配置されたコイル対の中心軸に沿う一次コイルボビン11の中心空間には、磁路を形成するコア18のセンターコア部分が嵌挿され、これによって、一次コイルと、二次コイルと、コア18とから主としてなるコイル組立体10が構成されている。
図2は、図1のコイル組立体の結線図である。
一次コイル19の巻き始め端である一次端子13は、コネクタ15を介して一次コイルの導通を制御する制御回路(図示省略)に接続される。また、コネクタ15に固定されたダイオード16(図1参照)のカソードは、一次コイルの巻き終わり端である一次端子14と接続されると共に、コネクタ15を介して図示省略したバッテリの+(プラス)側に接続される。一方、ダイオード16のアノードは、例えばL字形に形成され、このL字形部分で二次コイルボビン12の二次コイルの中点としての中間タップ17と接続されている。二次コイルボビン12に巻装された二次コイル27a及び27bの外側端はそれぞれ二次出力端子22及び23に接続されている。
コイルケースとしてのハウジング1の上部開口端には、図1に示したように、上述のコネクタ15が嵌合される切欠部2が設けられており、切欠部2とはハウジング1の中心軸を挟んで対向する位置に、二次出力の取出端であるH/Tタワー4が嵌合される切欠部3が設けられている。また、ハウジング1の外表面には、点火コイルをエンジンブロックに固定するための取付フランジ5が設けられている。
このような構成のコイル組立体10とハウジング1において、ハウジング1の切欠部3にH/Tタワー4を嵌合したのち、コイル組立体10を嵌挿して切欠部2にコイル組立体10のコネクタ15を嵌合させると共に、H/Tタワー4に一方の二次出力端子23を接合させ、もう一つの二次出力端子22用のコネクタとしてハウジング1の一端(図1中、下方端)に、スプリング6を内装したプラグキャップ7を嵌合させ、さらに、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填することによって点火コイルが形成される。
図3は、本発明の特徴部分であり、コイル組立体の構成部材としてのコア18の斜視図である。
図3において、このコア18は、略コの字状の二つのコア部材(コア部材)181及び182からなり、コア部材181及び182を嵌合することによって、例えば正面図上長方形の閉磁路を形成する。
コア部材181と182との一の接合部は、接合方向、すなわち、図3において上下方向に対して所定角度、例えば10〜20度で傾斜する傾斜接合部となっている。すなわち、コア部材181及び182はそれぞれ傾斜接合面181a及び182aを備えている。傾斜接合面181aと182aとの間には、板状の永久磁石(マグネット)20が介在される。これによって、一次コイルが生成する磁束に対して逆バイアスをかけて二次出力を増大させることができる。
上記一の接合部以外の接合部は、例えば凹凸面が嵌合する接合面となっており、コア部材181は、例えば凸状の接合面181bを有し、コア部材182は、例えば凹状の接合面182bを有している。
コア部材181及び182は、それぞれ上記接合面以外の部分、より詳しくは、上記各接合面とコア部材181の上端部平面以外の表面が被覆樹脂(モールド樹脂)(他の絶縁樹脂)によって被覆されている。モールド樹脂としては、例えば絶縁性のポリプロピレン樹脂が用いられる。
コア部材181及び182における傾斜接合面181a及び182aの周囲のモールド樹脂1813は、各傾斜接合面から部分的に所定高さ、すなわちマグネット20の厚さに相当する高さ、例えば0.5〜2.0mm程度突出しており、コア部材181及び182を相互に嵌合させた時、突出したモールド樹脂1813が傾斜接合面の全周を覆い、傾斜接合面181a及び182aと突出したモールド樹脂1813とで囲まれたマグネット20の収容空間が形成される。
このような構成のコア部材181と182を組み合わせて閉磁路を形成する際は、例えば一方のコア部材181の傾斜接合面181aにおけるモールド樹脂によって囲まれた部分に板状のマグネット20を、該マグネット20の磁力によって接合し、この接合面をマグネット20を介して他方のコア部材182の傾斜接合面182aに当接させると共に、マグネットを介さないで当接するもう一つの接合面、例えば凹凸に嵌合する接合面181bと182bとを接合させることによって閉磁路を形成する。このとき、コア18の例えば上下方向に延びるセンターコア18aは、コイル組立体10の一次コイルボビン11の中心空間に嵌挿され、センターコア18aと平行なサイドコア18bは二次コイルボビン12の外表面に沿って配置される。
図4は、コア18をコイル対に組み込んだコイル組立体10の縦断面図である。
図4において、同心円状に配置された一次コイルボビン11と二次コイルボビン12にそれぞれ巻装された一次コイル19と二次コイル27とからなるコイル対の一次コイルボビン11の中心空間にコア18のセンターコア18aが嵌挿されてコイル組立体10が形成されている。
このような構成のコイル組立体10が、図1のハウジング1に嵌挿され、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填することによって点火コイルが形成される。
板状のマグネット20を、コア部材181及び182の傾斜接合面181a及び182bと、その接合面から突出するように設けられたモールド樹脂とによって囲まれた閉空間(収容空間)内に閉じ込めることによって、閉磁路を形成するコア18を有するコイル組立体10をハウジング1内に収容して構成部材相互間に注型材を充填し、熱硬化させて点火コイルを完成させる際に、注型材が直接板状のマグネット20に触れることがないので、接合面に板状のマグネットを介在させたことに起因するマグネットのエッジ部における注型材への応力の発生が抑制され、クラックが生じにくくなり、点火コイルの強度を向上させることができる。
また、マグネットを介在させる接合面を、接合方向に対して10〜20度程度傾斜する傾斜接合面としたので、比較的面積の大きな永久磁石を適用することができ、これによってコア18の磁気出力を増大させることができる。
本実施の形態においては、コア18を形成するコア部材181、182をモールド樹脂で被覆する際に形成されたピン跡に、絶縁樹脂を充填して表面の凹凸を緩和している。
コア部材をインサート成形する場合、すなわちコア部材にモールド樹脂を被覆する際、その表面に、コア部材を金型内に保持する保持ピン跡が凹状部として残り、この凹状部に起因して点火コイルの注型材が固化した絶縁樹脂にクラックが発生する場合がある。従って、本実施の形態では、このような問題を解消するため、コア部材を一旦モールド樹脂で被覆した後、被覆時に形成されたピン跡をなくすために、例えば2度成形を行い、表面の凹部を絶縁樹脂で塞ぎ、これによってクラックの発生を防止している。
本実施の形態において、閉磁路を形成するコアのうちコイル組立体10の中心空間に嵌挿されるセンターコア18aの表面には、その長さ方向及び外周方向に沿って複数の同じ高さの凸状部が設けられている。凸状部の高さは、例えば0.05〜0.6mmである。
センターコア18aの表面にその長さ方向及び外周方向に沿って複数の同じ高さの凸状部を均等に設けることによって、一次コイルボビン11の内周面に接する凸状部による位置決め効果が発揮され、一次コイルボビン11の内周壁と、これに嵌挿されるコア18のセンターコア18aの外表面との間隔を均等に保つことができ、これによって点火コイルの注型材における発生応力が均等なものとなり、クラックの発生が抑制される。
本実施の形態において、閉磁路を形成するコア18の一端は、弾性部材で被覆されている。
コア18の一端、例えばハウジング1にコイル組立体10を嵌挿した際、ハウジング1の開口端側に位置するコア18の端部はインサート成形の関係上、磁性材が露出している。このような露出部分を、例えばコア18に方向性珪素鋼板を適用して、そのまま注型材を充填すると、注型材が硬化後に方向性珪素鋼板のC端18c(図4参照)を強固に抑え込んでしまうため、磁歪の影響を無視できず、所定の二次出力が得られないという問題がある。そこで、本実施の形態においては、コア18のD端18d(図4参照)はインサート成形の絶縁樹脂で被覆し、上述した磁性材露出端(C端)18cを弾性部材によって被覆している。
この場合、例えばコア18の端面の周囲を被覆するモールド樹脂を磁性材露出端面から所定高さ、例えば弾性部材の厚さである1〜2mm程度高くして磁性材露出面を囲むように周壁を形成し、コア端面が凹部の底面となるように構成することが好ましい。そして、モールド樹脂で囲まれた凹部空間内に弾性部材を配置し、この弾性部材がモールド樹脂に熱加締される。
弾性部材としては、例えばシリコンゴムの発泡スポンジが好適に適用される。この場合、弾性部材としての発泡スポンジには、その厚さ方向貫通する貫通孔を設けておくことが好ましい。これによって、注型材の充填時に、ボイドや注型材をスムーズに通すことができる。
本実施の形態において、一次コイルの巻幅方向(一次コイルボビン11の長さ方向)の中心点は、この一次コイルに対向する二次コイルの巻幅方向(二次コイルボビン12の長さ方向)の中心点よりも、ハイテンションコード及びH/Tタワー4を介して一の点火プラグに接続される二次出力端子23を有する二次コイル27b側に所定幅だけずらして配置されている。
本実施の形態に係る点火コイルは、上述したように、二次出力端子(22、23)を二つ備えたデュアル点火方式のコイルであり、一のシリンダ内に2個の点火プラグを有するエンジンに適用される。二次出力端子の一方(22)は一の点火プラグに直結され、他方(23)はハイテンションコードを介してもう一つの点火プラグに接続される。ここで、ハイテンションコードを介して点火プラグに接続される二次出力端子23側の浮遊容量は、点火プラグに直結される二次出力端子22側の浮遊容量よりも大きくなる。
一般に、浮遊容量の大きい出力端子からの出力電圧は、浮遊容量の小さい出力端子からの出力電圧に比べて低下する。従って、本実施の形態においては、かかる問題を解消するため、一次コイルの巻幅方向の中心点を、二次コイルの巻幅方向の中心点よりも浮遊容量の大きい二次出力端子23を有する二次コイル27b側に所定幅、例えば1.5〜3.0mmだけずらし、これによって浮遊容量の大きい二次出力端子23側における一次コイルと二次コイルの結合係数Kを大きくして浮遊容量の増大に起因する二次出力の低下を補い、二つの二次出力端子22、23から出力される電圧をバランスさせている。
本実施の形態において、コイル組立体の構成部材である二次コイルボビンの外表面には、コイル組立体10をハウジング1の内壁面に対して位置決めする複数のリブが形成されている。
図5は、二次コイルボビン12の平面図である。
図5において、二次コイルボビン12は、例えば、変性PPO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂からなる円筒状の二次コイルボビン本体21と、その長さ方向の両端部にそれぞれ設けられた第1の二次出力端子22及び第2の二次出力端子23とから主として構成されている。
二次コイルボビン本体21の外表面は、コイルが巻装される巻線領域24となっており、巻線領域24のほぼ中央には、上述の中間タップ17が設けられており、この中間タップ17によって巻線領域24が第1巻線領域24aと第2巻線領域24bとに分かれている。巻線領域24a及び24bは、それぞれ外周面の法線方向に沿って延設された複数の仕切板26によって、例えば等間隔に仕切られている。
第1巻線領域24aと第2巻線領域24bには、中間タップ17を境にしてそれぞれコイルが逆方向に巻装され(逆巻きされ)ており、互いに逆方向に巻かれた二次コイル27a及び27bが形成される。
二次コイル27a及び27bのコイルボビンの長さ方向中央部側の端部はそれぞれ中間タップ17の中点に接続されている。一方、第1の二次コイル27aの他端は第1の二次出力端子22に、第2の二次コイル27bの他端は第2の二次出力端子23に接続されている。二つの二次出力端子22及び23は、コイル組立体10がハウジング1に嵌挿されることによって、ハウジング1の二次高圧ターミナル(H/Tタワー4やプラグキャップ7に接続される端子)と接続し、これによって、高圧出力が外部に取り出される。
巻線領域24a及び24bを等間隔に仕切る複数の仕切板26のうち任意の仕切板(図5中4枚)、例えば、第1巻線領域24a及び第2巻線領域24bにおける中間タップ17から2枚目の仕切板及び最も外側に配置された仕切板は、その外周部に複数の位置決め用のガイドリブとなるべき突出部(図示省略)が設けられたリブ付き仕切板26aとなっている。なお、ハウジング1を挟んで取付フランジ5に対向する二次コイルボビン12の表面には、注型材が固形化した絶縁樹脂とガイドリブとの接合面における歪みを抑制するために、ガイドリブが設けられていない制限エリアが形成されている。
上述した一次コイルと、二次コイルとを備え、これらを同心円状に配置したコイル対の中心空間に、閉磁路を形成するコア18のセンターコア18aを嵌挿したコイル組立体10を、外表面に取付フランジ5を備えたハウジング1に嵌挿し、位置決めした状態で各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填することによって本実施の形態における点火コイルが形成される。
このような構成の点火コイルは、エンジンブロックの所定位置に固定され、一方の二次出力端子22はエンジンのプラグホールに装着され、ハウジング1の例えば下端に取り付けられたプラグキャップ7に嵌合される一の点火プラグと直結される。また、他方の二次出力端子23はハイテンションコードを介して同一シリンダ内に配置された他方の点火プラグと接続され、それぞれ二次出力電圧を出力してエンジンの発火源として作用する。
本実施の形態によれば、コア18におけるマグネット20を、コア部材181及び182の傾斜接合面181a及び182aと、この傾斜接合面よりも突出するように設けられた絶縁被膜とで囲まれた収容空間内に収容するようにしたので、マグネット20がコア18の絶縁被膜から露出することがなく、マグネット20と注型材としての絶縁樹脂との接触をなくし、これによってマグネット20のエッジ近傍における絶縁樹脂の歪みの発生を抑制し、クラックの発生を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、一の接合部を形成する接合面を、傾斜接合面181a及び182aとしたので、より面積の大きなマグネット20を介在させて二次出力を増大させることができる。
本実施の形態においては、二つの二次出力端子を有するデュアル点火方式の点火コイルについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二次出力端子が一つの点火コイル、その他の点火コイルに適用することもできる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関用の点火コイルの組立図である。 図1のコイル組立体の結線図である。 コイル組立体の構成部材としてのコアの斜視図である。 コアをコイル対に組み込んだコイル組立体の縦断面図である。 コイル組立体の構成部材である二次コイルボビンの平面図である。 従来の点火コイルを示す縦断面図である。 図6のコアの閉磁路形成部を示す部分拡大図である。 図6の閉磁路形成部の縦断面図である。
符号の説明
1 ハウジング(コイルケース)
2 切欠部
3 切欠部
4 H/Tタワー
5 取付フランジ
6 スプリング
7 プラグキャップ
10 コイル組立体
11 一次コイルボビン
12 二次コイルボビン
13 一次端子
14 一次端子
15 コネクタ
16 ダイオード
17 中間タップ
18 コア
18a センターコア
18b サイドコア
18c C端
18d D端
181 コア部材
181a 傾斜接合面
181b 凸状接合面
1813 絶縁樹脂の被膜(モールド樹脂)
182 コア部材
182a 傾斜接合面
182b 凹状接合面
19 一次コイル
20 マグネット
21 二次コイルボビン本体
22 二次出力端子
23 二次出力端子
24 巻線領域
24a 第1巻線領域
24b 第2巻線領域
26 仕切板
26a リブ付き仕切板
27 二次コイル
27a 二次コイル
27b 二次コイル
61 コア
62 励磁部
63 閉磁路形成部
64 永久磁石
65 一次コイル
66 二次コイル
67 接合面
68 突設部

Claims (6)

  1. 一次コイルと、二次コイルと、磁路を形成するコアとを備えたコイル組立体をコイルケース内に収納し、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填した点火コイルにおいて、
    前記コアは、分割可能な複数のコア部材が少なくとも一の接合部に永久磁石を介在して接合された閉磁路を形成しており、
    前記複数のコア部材はそれぞれ接合面を除いて他の絶縁樹脂で被覆されており、
    前記永久磁石は前記コア部材の前記一の接合部を形成する接合面と該接合面よりも突出するように設けられた前記他の絶縁樹脂の被膜とで囲まれた収容空間内に収容されている
    ことを特徴とする点火コイル。
  2. 前記接合面よりも突出するように設けられた前記他の絶縁樹脂の被膜は、前記一の接合部における対向する二つの接合面の外周部からそれぞれ部分的に突出するように設けられた絶縁被膜であって、相互に嵌合することにより、前記接合面の全周を覆って前記収容空間を形成するものであることを特徴とする請求項1記載の点火コイル。
  3. 前記一の接合部を形成する接合面は、前記コア部材の接合方向に対して所定角度で傾斜していることを特徴とする請求項1又は2記載の点火コイル。
  4. 前記一の接合部以外の接合部は、相互に嵌合する凹凸面を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火コイル。
  5. 前記コアは、略コの字状の二つのコア部材を嵌合することによって前記閉磁路を形成していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火コイル。
  6. 前記コイル組立体は、円筒状の一次コイルボビンに巻装された前記一次コイルと、前記一次コイルボビンよりも径が大きく、且つ前記一次コイルボビンと同心円状に配置された円筒状の二次コイルボビンに巻装された前記二次コイルとを有し、
    前記コアの少なくとも一部は、同心円状に配置された前記一次コイル及び二次コイルの中心軸に沿う前記一次コイルボビンの中心空間に嵌挿されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点火コイル。
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