JP2008277535A - 点火コイル - Google Patents

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Shuichi Matsubayashi
秀一 松林
Ikuo Hirayama
育男 平山
Atsushi Iwami
篤 岩見
Takeshi Morimoto
雄 森本
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Toyo Denso Co Ltd
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Abstract

【課題】コイル組立体の構成材料としてインサート製品であるコアを適用した場合であっても、コア表面に形成されたピン跡に起因する歪をなくし、充填した注型材が固化した絶縁樹脂にクラックが発生しない高強度の点火コイルを提供する。
【解決手段】一次コイルと、二次コイルと、複数のコア部材181等からなるコア18とを備えたコイル組立体10をコイルケース1内に収納し、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填した点火コイルにおいて、コア部材181は、モールド樹脂によって被覆されており、且つモールド樹脂被膜に形成されたモールド樹脂被膜形成時のコア固定ピンが抜かれたピン跡1814a〜f及び1816a〜fにモールド樹脂を充填してピン跡の凹状部が埋められている。
【選択図】図4

Description

本発明は、点火コイルに関し、特に、一般的な内燃機関の点火コイル及びエンジンのプラグホールに直接装着される点火コイルに関する。
自動車エンジンをはじめとする内燃機関においては、例えば燃料であるガソリンを燃焼させる起爆装置として点火コイル及び点火プラグが適用される。
点火コイルの構成部材としてのコアは、その耐食性を向上させるために、例えばインサート成形して絶縁樹脂中に埋没させた形式のものが主流となっている。
このようなインサート成形品の成形方法に関する従来技術の文献として、例えば、特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
図7は、インサート製品の成形方法を示す金型の断面図である。
図7において、長尺又は大面積のインサート71の少なくとも片面を、溶融材料の注入充填時におけるインサート71の正位置からのずれを防止するために複数のインサートピン72で支持し、成形金型の製品キャビティ73内にインサート71を中空保持したまま、例えばゲート74から製品キャビティ内に溶融材料を注入、充填してインサート成形品が成形される。
特開平10−258442号公報 特開昭58−018222号公報
しかしながら、点火コイルの構成部材であるコアとしてインサート成形品を適用する場合、以下のような問題がある。すなわち、コア表面に形成されたインサート時の固定ピンを抜いたピン跡の凹状部がそのままになっていると、コアを含むコイル組立体をコイルケース内に嵌挿し、注型材として絶縁樹脂を注入したとき、ピン跡の凹状部と絶縁樹脂との界面に歪が生じ、この歪みに起因して絶縁樹脂にクラックが発生するという問題がある。
本発明の目的は、コイル組立体の構成部材としてインサート製品であるコアを適用した場合であっても、コア表面に形成されたピン跡に起因する歪をなくし、絶縁樹脂にクラックが発生しない高強度の点火コイルを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の点火コイルは、一次コイルと、二次コイルと、磁路を形成するコアとを備えたコイル組立体をコイルケース内に収納し、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填した点火コイルにおいて、前記コアは、モールド樹脂によって被覆されており、且つモールド樹脂被膜に形成された該モールド樹脂被膜形成時のコア固定ピンが抜かれたピン跡に、前記モールド樹脂を充填して前記ピン跡の凹状部が埋められていることを特徴とする。
請求項2記載の点火コイルは、請求項1記載の点火コイルにおいて、前記ピン跡を埋めるために、前記モールド樹脂被膜が、前記モールド樹脂によって被覆されていることを特徴とする。
請求項3記載の点火コイルは、請求項1又は2記載の点火コイルにおいて、前記モールド樹脂被膜を被覆する二重被覆時のモールド樹脂被膜の膜厚は、0.5〜2.0mmであることを特徴とする。
請求項4記載の点火コイルは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火コイルにおいて、前記コアは、複数のコア部材の組み合わせからなり、各コア部材のモールド樹脂被膜に形成された前記ピン跡に、前記モールド樹脂を充填して前記ピン跡の凹状部が埋められていることを特徴とする。
請求項5記載の点火コイルは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火コイルにおいて、前記コイル組立体は、円筒状の一次コイルボビンに巻装された前記一次コイルと、前記一次コイルボビンよりも径が大きく、且つ前記一次コイルボビンと同心円状に配置された円筒状の二次コイルボビンに巻装された前記二次コイルとを有し、前記コアの少なくとも一部は、同心円状に配置された前記一次コイル及び二次コイルの中心軸に沿う前記一次コイルボビンの中心空間に嵌挿されていることを特徴とする。
請求項1記載の点火コイルによれば、コアがモールド樹脂によって被覆されており、且つモールド樹脂被膜に形成された該モールド樹脂被膜形成時のコア固定ピンが抜かれたピン跡に、モールド樹脂を充填してピン跡の凹状部が埋められているので、コア表面のピン跡の凹状部と注型材としての絶縁樹脂との界面における歪を抑制して絶縁樹脂におけるクラックの発生を防止することができる。
請求項2記載の点火コイルによれば、ピン跡を埋めるために、モールド樹脂被膜が、モールド樹脂によって被覆されているので、上記発明の効果に加え、ピン跡を絶縁樹脂で埋める工程を簡略化することができ、且つコア全体の強度が増大する。
請求項3記載の点火コイルによれば、モールド樹脂被膜を被覆する二重被覆時のモールド樹脂の膜厚を0.5〜2.0mmとしたので、上記発明の効果に加え、モールド樹脂の使用量を適量にすることができる。
請求項4記載の点火コイルによれば、コアが複数のコア部材の組み合わせからなるものとしたので、上記発明の効果に加え、コイル組立体の組立性が向上し、組立てが容易となる。
請求項5記載の点火コイルによれば、コイル組立体を、円筒状の一次コイルボビンに巻装された一次コイルと、一次コイルボビンよりも径が大きく、且つ一次コイルボビンと同心円状に配置された円筒状の二次コイルボビンに巻装された二次コイルとを有し、コアの少なくとも一部は、同心円状に配置された一次コイル及び二次コイルの中心軸に沿う一次コイルボビンの中心空間に嵌挿されているものとしたので、上記発明の効果に加え、点火コイル全体の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関用の点火コイルの組立図である。
図1において、この点火コイルは、二つの二次出力端子を有するデュアル(DUAL)点火方式の点火コイルであって、コイルケースとしてのハウジング1と、このハウジング1内に嵌挿されるコイル組立体10とから主として構成されている。
コイル組立体10は、一次コイル(図示省略)が巻装された略円筒状の一次コイルボビン11と、二次コイル(図示省略)が巻装され、一次コイルボビン11よりも径が大きい略円筒状の二次コイルボビン12とを備えており、二次コイルが巻装された二次コイルボビン12は一次コイルが巻装された一次コイルボビン11の外側に同心円状に配置される。これによって一次コイルと二次コイルは同心円状に配置されたコイル対を形成する。
一次コイルボビン11の一端には、一次端子13及び14が圧入されており、一次コイルの巻き始め端及び巻き終わり端はそれぞれ一次端子13及び14にフュージング等で接続されている。一次端子13及び14は、コネクタ15にその一端から挿入されており、コネクタ15は、二次コイルボビン12の所定位置に固定される。
一次コイルと二次コイルが同心円状に配置されたコイル対の中心軸に沿う一次コイルボビン11の中心空間には、磁路を形成するコア18のセンターコア部分が嵌挿され、これによって、一次コイルと、二次コイルと、コア18とから主としてなるコイル組立体10が構成されている。
図2は、図1のコイル組立体の結線図である。
図2において、一次コイル19の巻き始め端である一次端子13は、コネクタ15を介して一次コイルの導通を制御する制御回路(図示省略)に接続される。また、コネクタ15に固定されたダイオード16(図1参照)のカソードは、一次コイルの巻き終わり端である一次端子14と接続されると共に、コネクタ15を介して図示省略したバッテリの+(プラス)側に接続される。一方、ダイオード16のアノードは、例えばL字形に形成され、このL字形部分で二次コイルボビン12の二次コイルの中点としての中間タップ17と接続されている。二次コイルボビン12に巻装された二次コイル27a及び27bの外側端はそれぞれ二次出力端子22及び23に接続されている。
コイルケースとしてのハウジング1の上部開口端には、図1に示したように、上述のコネクタ15が嵌合される切欠部2が設けられており、切欠部2とはハウジング1の中心軸を挟んで対向する位置に、二次出力の取出端であるH/Tタワー4が嵌合される切欠部3が設けられている。また、ハウジング1の外表面には、点火コイルをエンジンブロックに固定するための取付フランジ5が設けられている。
このような構成のコイル組立体10とハウジング1において、ハウジング1の切欠部3にH/Tタワー4を嵌合したのち、コイル組立体10を嵌挿して切欠部2にコイル組立体10のコネクタ15を嵌合させると共に、H/Tタワー4に一方の二次出力端子23を接合させ、もう一つの二次出力端子22用のコネクタとしてハウジング1の一端(図1中、下方端)に、スプリング6を内装したプラグキャップ7を嵌合させ、さらに、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填することによって点火コイルが形成される。
以下、点火コイルにおけるコイル組立体の構成部材であるコアについて詳細に説明する。図3は、コイル組立体の構成部材としてのコア18の斜視図である。
図3において、このコア18は、略コの字状の二つのコア部材181及び182からなり、コア部材181及び182を嵌合することによって、例えば正面図上長方形の閉磁路を形成する。
コア部材181と182との一の接合部は、接合方向、すなわち図3において上下方向に対して所定角度、例えば10〜20度で傾斜する傾斜接合部となっている。すなわち、コア部材181及び182はそれぞれ傾斜接合面181a及び182aを備えている。傾斜接合面181aと182aとの間には、板状の永久磁石(マグネット)20が介在される。これによって、一次コイルが生成する磁束に対して逆バイアスをかけて、二次出力を増大させることができる。
上記一の接合部以外の接合部は、例えば凹凸面が嵌合する接合面となっており、コア部材181は、例えば凸状の接合面181bを有し、コア部材182は、例えば凹状の接合面182bを有している。
コア部材181及び182は、それぞれ上記接合面以外の部分、より詳しくは、上記各接合面とコア部材181の上端部平面以外の表面がモールド樹脂によって被覆されている。モールド樹脂としては、例えば絶縁性のエポキシ樹脂が用いられる。
コア部材181及び182における傾斜接合面181a及び182aの周囲のモールド樹脂は、各傾斜接合面から部分的に所定高さ、すなわちマグネット20の厚さに相当する高さ、例えば0.5〜2.0mm程度突出しており、コア部材181及び182を相互に組み合わせた時、突出したモールド樹脂被膜が傾斜接合面の全周を覆い、傾斜接合面181a及び182aと突出したモールド樹脂被膜とで囲まれたマグネット20の収容空間が形成される。
図4及び図5は、本発明の特徴部分を示す図であって、図4は、コア部材181の正面図、図5は、図4の左側面図である。
図4において、このコア部材181は、正面図上、下方に開いたコの字型を呈しており、図5に示したように、複数の方向性珪素鋼板1811を積層したコア部材本体1812と、このコア部材本体1812の表面に形成されたモールド樹脂被膜1813とから主として構成されている。
コア部材本体1812の表面をモールド樹脂で覆うモールド工程は、例えば以下のように実施される。すなわち、図5のコア部材本体1812を、金型の製品キャビティ内に収容し、図4における上部平面1815、下部の傾斜接合面181a及び凸状接合面181bをそれぞれ金型の一部で支持し、図4における左右6箇所1814a〜1814fと、これに対応する裏側(紙面の裏側)の6箇所の合計12箇所(将来のピン跡となる部分)を長方形の先端部を有する固定ピン(図示省略)で支持し、さらに、この固定ピンに直交する方向に(図4の紙面表面側から裏面側に向かって及び紙面裏面側から表面側に向かって)設けられた先端部が鍵穴形の固定ピンによってそれぞれ支持する。このようにして、インサートとしてのコア部材本体1812を製品キャビティ内に中空保持し、この状態で、ゲートから製品キャビティ内に溶融材料を注入し、例えば厚さ0.5mm〜2.0mmの一次モールド樹脂被膜を形成する。
一次モールド樹脂被膜が形成されたコア部材は、図4中、上部平面1815と、下部の傾斜接合面181a及び凸状接合面181b、並びに6箇所の固定ピン跡1814a〜1814f部分及び表裏12箇所の鍵穴形状のピン跡1816a〜1816f部分に方向性珪素鋼板1811が露出したものとなる。
本実施の形態においては、一次モールド樹脂被膜を有するコア部材の固定ピン跡1814a〜1814f及び1816a〜1816fをモールド樹脂によって埋めるために、一次モールド樹脂被膜を更にモールド樹脂で覆って二次モールド樹脂被膜を形成する。すなわち、一次モールド樹脂被膜の形成時と同様、図4における上部平面1815、下部の傾斜接合面181a及び凸状接合面181bをそれぞれ金型の一部で支持し、必要に応じて一次モールド樹脂被膜面上の任意の部分を支持し、この状態で製品キャビティ内に溶融材料を注入、充填し、一次モールド樹脂被膜の表面に、例えば厚さ0.5mm〜2.0mmの二次モールド樹脂被膜を形成し、これによってピン跡1814a〜1814f及びピン跡1816a〜1816fをモールド樹脂で埋める。このとき、例えば鍵穴状のピン跡1816a〜1816fがモールド樹脂によって埋められた、上記鍵穴状の円弧部分の中心部が押し出しピンによる押し出し部となる。
コア部材182(図3参照)についても、コア部材181と同様に処理し、一次モールド樹脂被膜を二次モールド樹脂被膜によって覆い、一次モールド樹脂被膜形成時の固定ピン跡が塞がれる。
このようにして形成された二つのコア部材181と182を組み合わせることによってコア18が形成され、コア18は、点火コイルにおけるコイル組立体の構成部材として適用される。
すなわち、一次コイルが巻装された円筒状の一次コイルボビン11の外側に、一次コイルボビン11よりも径が大きく、二次コイルが巻装された円筒状の二次コイルボビン12を配置してコイル対を形成し、次いで、コア部材181の傾斜接合面181aに板状のマグネット20を接合し、コの字状のコア部材181の傾斜接合面側の端部を、コイル対の上方から、一次コイルボビン11の中心空間に嵌挿し、もう一つのコア部材182の傾斜接合面182a側の端部をコイル対の下方から同様に一次コイルボビン11の中心空間に嵌挿し、コイルボビン11の中心空間内で傾斜接合面181aと182aを接合させ、このとき、コイル対の外側で、凹凸状の接合面181bと182bとを嵌合させ、これによってコア18としての閉磁路を形成する。このようにして一次コイルと二次コイルとが同心円状に配置されたコイル対の中心空間にコア18のセンターコア部位分18aが嵌挿され、センターコア18aと平行なサイドコア18bが二次コイルボビン12の外表面に沿って配置されたコイル組立体10が形成される。コイル組立体10は、図1に示したように、ハウジング1に嵌挿され、各構成部材相互間に絶縁樹脂が充填されて点火コイルとなる。
本実施の形態において、一次モールド樹脂被膜形成時のピン跡1814a〜1814f及び1816a〜1816fである凹状部にモールド樹脂を充填して凹状部を塞いだことによって、コア部材181及び182の表面における凹凸が緩和されるので、このコア部材181と182を組み合わせたコア18を構成部材としたコイル組立体10(図1参照)をハウジング1内に嵌挿し、絶縁樹脂を注入、充填した点火コイルにおいて、コア181、182の表面のピン跡の凹状部と注型材としての絶縁樹脂との界面における歪みを抑制し、これによって絶縁樹脂におけるクラックの発生を防止することができる。
本実施の形態において、二次モールド樹脂の被膜厚さを0.5〜2.0mmとしたので、ピン跡1814a〜1814f及び1816a〜1816fである凹状部をモールド樹脂で塞ぐ工程を簡素化できると共に、モールド樹脂の使用量を適量にすることができる。
本実施の形態においては、一次モールド樹脂被膜を形成する際に被膜面に形成される固定ピン跡を樹脂で塞ぐために、一次モールド樹脂被膜を樹脂で覆って二次モールド樹脂被膜を形成したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ピン跡の凹状部のみをモールド樹脂で塞ぐようにしてもよい。
本実施の形態において、閉磁路を形成するコアのうちコイル組立体10の中心空間に嵌挿されるセンターコア18aの表面には、その長さ方向及び外周方向に沿って複数の同じ高さの凸状部40(図3参照)が設けられている。凸状部40の高さは、例えば0.05〜0.6mmである。
センターコア18aの表面にその長さ方向及び外周方向に沿って複数の同じ高さの凸状部40を均等に設けることによって、一次コイルボビン11の内周面に接する凸状部による位置決め効果が発揮され、一次コイルボビン11の内周壁と、これに嵌挿されるコア18のセンターコア18aの外表面との間隔を均等に保つことができ、これによって点火コイルの注型材としての絶縁樹脂における発生応力が均等なものとなり、クラックの発生が抑制される。
本実施の形態において、閉磁路を形成するコア18の一端は、弾性部材で被覆されている。
コア18の一端、例えばハウジング1にコイル組立体10を嵌挿した際、ハウジング1の開口端側に位置するコア18の端部1815はインサート成形の関係上、磁性材が露出している。このような磁性材露出部分を、例えば方向性珪素鋼板を適用して被覆すると、磁歪の影響を無視することができない。一方、そのまま注型材を充填すると、同様に、磁歪の影響を無視することができない。そこで、本実施の形態においては、上述した磁性材露出端を弾性部材によって被覆している。
この場合、例えばコア18の端面の周囲を被覆するモールド樹脂を磁性材露出端面から所定高さ、例えば弾性部材の厚さである1〜2mm程度高くして磁性材露出面を囲むように周壁を形成し、コア端面が凹部の底面となるように構成することが好ましい。モールド樹脂で囲まれた凹部空間内に弾性部材を配置し、この弾性部材がモールド樹脂に熱加締される。
弾性部材としては、例えばシリコンゴムの発泡スポンジが好適に適用される。この場合、弾性部材としての発泡スポンジには、その厚さ方向貫通する貫通孔を設けておくことが好ましい。これによって、注型材の充填時に、ボイドや注型材をスムーズに通すことができる。
本実施の形態において、一次コイルの巻幅方向(一次コイルボビン11の長さ方向)の中心点は、この一次コイルに対向する二次コイルの巻幅方向(二次コイルボビン12の長さ方向)の中心点よりも、ハイテンションコード及びH/Tタワー4を介して一の点火プラグに接続される二次出力端子23を有する二次コイル27b側に所定幅だけずらして配置されている。
本実施の形態に係る点火コイルは、上述したように、二次出力端子(22、23)を二つ備えたデュアル点火方式のコイルであり、一のシリンダ内に2個の点火プラグを有するエンジンに適用される。二次出力端子の一方(22)は一の点火プラグに直結され、他方(23)はハイテンションコードを介してもう一つの点火プラグに接続される。ここで、ハイテンションコードを介して点火プラグに接続される二次出力端子23側の浮遊容量は、点火プラグに直結される二次出力端子22側の浮遊容量よりも大きくなる。
一般に、浮遊容量の大きい出力端子からの出力電圧は、浮遊容量の小さい出力端子からの出力電圧に比べて低下する。従って、本実施の形態においては、かかる問題を解消するため、一次コイルの巻幅方向の中心点を、二次コイルの巻幅方向の中心点よりも浮遊容量の大きい二次出力端子23を有する二次コイル27b側に所定幅、例えば1.5〜3.0mmだけずらし、これによって浮遊容量の大きい二次出力端子23側における一次コイルと二次コイルの結合係数Kを大きくして浮遊容量の増大に起因する二次出力の低下を補い、二つの二次出力端子22、23から出力される電圧をバランスさせている。
本実施の形態において、コイル組立体の構成部材である二次コイルボビンの外表面には、コイル組立体10をハウジング1の内壁面に対して位置決めする複数のリブが形成されている。
図6は、二次コイルボビン12の平面図である。
図6において、二次コイルボビン12は、例えば、変性PPO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂からなる円筒状の二次コイルボビン本体21と、その長さ方向の両端部にそれぞれ設けられた第1の二次出力端子22及び第2の二次出力端子23とから主として構成されている。
二次コイルボビン本体21の外表面は、コイルが巻装される巻線領域24となっており、巻線領域24のほぼ中央には、上述の中間タップ17が設けられており、この中間タップ17によって巻線領域24が第1巻線領域24aと第2巻線領域24bとに分かれている。巻線領域24a及び24bは、それぞれ外周面の法線方向に沿って延設された複数の仕切板26によって、例えば等間隔に仕切られている。
第1巻線領域24aと第2巻線領域24bには、中間タップ17を境にしてそれぞれコイルが逆方向に巻装(逆巻き)されており、互いに逆方向に巻かれた二次コイル27a及び27bが形成される。
二次コイル27a及び27bのコイルボビンの長さ方向中央部側の端部はそれぞれ中間タップ17の中点に接続されている。一方、第1の二次コイル27aの他端は第1の二次出力端子22に、第2の二次コイル27bの他端は第2の二次出力端子23に接続されている。二つの二次出力端子22及び23は、コイル組立体10がハウジング1に嵌挿されることによって、ハウジング1の二次高圧ターミナル(H/Tタワー4やプラグキャップ7に接続される端子)と接続し、これによって、高圧出力が外部に取り出される。
巻線領域24a及び24bを等間隔に仕切る複数の仕切板26のうち任意の仕切板(図6中4枚)、例えば、第1巻線領域24a及び第2巻線領域24bにおける中間タップ17から2枚目の仕切板及び最も外側に配置された仕切板は、その外周部に複数の位置決め用のガイドリブとなるべき突出部(図示省略)が設けられたリブ付き仕切板26aとなっている。なお、ハウジング1を挟んで取付フランジ5に対向する二次コイルボビン12の表面には、注型材が固形化した絶縁樹脂とガイドリブとの接合面における歪みを抑制するために、ガイドリブが設けられていない制限エリアが形成されている。
コイル組立体10をハウジング1内に嵌挿し、構成部材相互間に絶縁樹脂を注入、充填した点火コイルは、エンジンブロックの所定位置に固定され、一方の二次出力端子22はエンジンのプラグホールに装着され、ハウジング1の例えば下端に取り付けられたプラグキャップ7に嵌合される一の点火プラグと直結される。また、他方の二次出力端子23はハイテンションコードを介して同一シリンダ内に配置された他方の点火プラグと接続され、それぞれ二次出力電圧を出力してエンジンの発火源として作用する。
本実施の形態によれば、点火コイルの構成部材であるコアが、モールド樹脂によって被覆されており、且つモールド樹脂被膜に形成された該モールド樹脂被膜形成時のコア固定ピンが抜かれたピン跡1814a〜1814f及び1816a〜1816fに、さらにモールド樹脂を充填してピン跡の凹状部が埋められているので、コア表面のピン跡の凹状部と注型材としての絶縁樹脂との界面における歪を抑制して絶縁樹脂におけるクラックの発生を防止することができる。
本実施の形態においては、二つの二次出力端子を有するデュアル点火方式の点火コイルについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二次出力端子が一つの点火コイル、その他の点火コイルに適用することもできる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関用の点火コイルの組立図である。 図1のコイル組立体の結線図である。 コイル組立体の構成部材としてのコアの斜視図である。 コア部材の正面図である。 図4の左側面図である。 コイル組立体の構成部材である二次コイルボビンの平面図である。 インサート製品の成形方法を示す金型の断面図である。
符号の説明
1 ハウジング(コイルケース)
2 切欠部
3 切欠部
4 H/Tタワー
5 取付フランジ
6 スプリング
7 プラグキャップ
10 コイル組立体
11 一次コイルボビン
12 二次コイルボビン
13 一次端子
14 一次端子
15 コネクタ
16 ダイオード
17 中間タップ
18 コア
18a センターコア
18b サイドコア
181 コア部材
181a 傾斜接合面
181b 凸状接合面
182 コア部材
182a 傾斜接合面
182b 凹状接合面
1811 方向性珪素鋼板
1812 コア部材本体
1813 モールド樹脂被膜
1814a〜f コア固定ピン跡
1815 上部平面
1816a〜f コア固定ピン跡
19 一次コイル
20 マグネット
21 二次コイルボビン本体
22 二次出力端子
23 二次出力端子
24 巻線領域
24a 第1巻線領域
24b 第2巻線領域
26 仕切板
26a リブ付き仕切板
27a 二次コイル
27b 二次コイル
40 凸状部
71 インサート
72 インサートピン
73 製品キャビティ
74 ゲート

Claims (5)

  1. 一次コイルと、二次コイルと、磁路を形成するコアとを備えたコイル組立体をコイルケース内に収納し、各構成部材相互間に絶縁樹脂を充填した点火コイルにおいて、
    前記コアは、モールド樹脂によって被覆されており、且つモールド樹脂被膜に形成された該モールド樹脂被膜形成時のコア固定ピンが抜かれたピン跡に、前記モールド樹脂を充填して前記ピン跡の凹状部が埋められている
    ことを特徴とする点火コイル。
  2. 前記ピン跡を埋めるために、前記モールド樹脂被膜が、前記モールド樹脂によって被覆されていることを特徴とする請求項1記載の点火コイル。
  3. 前記モールド樹脂被膜を被覆する二重被覆時のモールド樹脂被膜の膜厚は、
    0.5〜2.0mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の点火コイル。
  4. 前記コアは、複数のコア部材の組み合わせからなり、各コア部材のモールド樹脂被膜に形成された前記ピン跡に、前記モールド樹脂を充填して前記ピン跡の凹状部が埋められていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火コイル。
  5. 前記コイル組立体は、円筒状の一次コイルボビンに巻装された前記一次コイルと、前記一次コイルボビンよりも径が大きく、且つ前記一次コイルボビンと同心円状に配置された円筒状の二次コイルボビンに巻装された前記二次コイルとを有し、
    前記コアの少なくとも一部は、同心円状に配置された前記一次コイル及び二次コイルの中心軸に沿う前記一次コイルボビンの中心空間に嵌挿されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火コイル。
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