JP7098384B2 - 粉末化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、平均粒子径0.01~0.2μmの金属チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上及びポリウレタンゲル組成物を含有する粉末化粧料に関するものである。より詳細には小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感の無さに優れる粉末化粧料に関するものである。
粉末化粧料は、使用性の簡便さから、ファンデーション、白粉、アイカラー、チークカラー、アイブロウ等のメークアップ化粧料、ボディパウダー、美白パウダー等の基礎化粧料に広く用いられている。一般的に、塗布することで肌の色むらや毛穴などを目立たなくさせるために、隠ぺい力の高い平均粒子径0.25μm程度の酸化チタン、酸化亜鉛を用いるが、近年では、紫外線防御能向上や白膜感がなく透明感のある仕上がりするために、従来用いられてきた酸化チタン、酸化亜鉛よりも小さい平均粒子径を有する酸化チタン、酸化亜鉛を用いる技術が検討されている(特許文献1)。しかしながら、粒子径の小さな金属酸化物は凝集力が強く、粉末化粧料に含有させた際に、きしみ感が生じ、しっとり感がなく、また、経時での乾燥感を感じやすい場合があった。
上記の使用感に関する課題点を解決するために、従来より様々な検討が行われてきた。例えば、ソルビタン脂肪酸エステル及びアクリル/シリコーン共重合体と組み合わせる技術(特許文献2)や、球状弾性樹脂粉体と組み合わせて用いる技術(特許文献3)等が提案されている。
特開2015-168642号公報 特開2017-190299号公報 特開2012-140340号公報
しかしながら、ソルビタン脂肪酸エステル及びアクリル/シリコーン共重合体と組み合わせる技術(特許文献2)を用いた場合には、しっとり感は向上するものの、粉体成分の凝集を助長し、小道具に均一に取れない等の問題が生じる場合があった。また、球状弾性樹脂粉体と組み合わせて用いる技術(特許文献3)では、きしみ感のなさは向上するものの、経時での乾燥感をより感じる場合があった。
従って小道具に均一に取れ、しっとり感、化粧膜の均一性に優れ、経時での乾燥感の無い粉末化粧料が求められている。
かかる実情において、本発明者は平均粒子径0.01~0.2μmの酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上を含有する粉末化粧料において、他の成分との組み合わせにより、小道具に均一に取れ、しっとり感、化粧膜の均一性に優れ、経時での乾燥感の無い粉末化粧料が開発出来ないかを鋭意研究を行った。その結果、新規なポリウレタンゲル組成物を組み合わせる事により、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性に優れ、経時での乾燥感の無い粉末化粧料が得られることを見出し、本研究を完成させるに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)及び成分(B)を含む、粉末化粧料であり、
前記成分(A)が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
当該成分(A-1)は、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(B)が、平均粒子径0.01~0.2μmの酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上である、粉末化粧料に関するものである。
前記成分(A-1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、前記記載の粉末化粧料に関するものである。
前記成分(A-1)ポリウレタンが、重量平均分子量(Mw)10000~100000である、前記記載の粉末化粧料に関するものである。
前記成分(A-2)油剤が、25℃で液状の油剤である、前記記載の粉末化粧料に関するものである。
さらに成分(C)窒化ホウ素を含有する、前記記載の粉末化粧料に関するものである。
前記成分(A-2)を含む全て油剤の含有量が、2~45質量%である前記記載の粉末化粧料に関するものである。
前記成分(A)が、粉体の表面を被覆している前記記載の粉末化粧料に関するものである。
本発明は、小道具に均一に取れ、しっとり感、化粧膜の均一性に優れ、経時での乾燥感の無い粉末化粧料を提供するものである。
本発明において自己復元力を測定する方法を示す模式図である。
次に、本技術の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本技術は以下の好ましい実施形態に限定されず、本技術の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。なお、本明細書においては、~を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明で用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、成分(A-1)ポリウレタンと成分(A-2)油剤とを含有するポリウレタンゲル組成物である。当該ポリウレタンゲル組成物は、成分(A-2)油剤の存在下で成分(A-1)ポリウレタンの原料を用いて製造することによって得ることができる。
ここで、成分(A-1)ポリウレタンは、HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタンである。
さらに、成分(A-1)ポリウレタンは、少なくとも以下の(i)又は(ii)のポリウレタンを含むものが好適である。
より好適には、前記成分(A-1)ポリウレタンは、(i)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであるか、又は、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンである。
前記成分(A-1)における前記(b)HO-R-OHで表されるグリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジエチレングルコール等が挙げられる。
本発明で用いる新規なポリウレタンゲル組成物は、発明者らが、ツヤが高く、弾力性、復元力がある油溶性ゲルの化粧膜を得るためにゲル素材に関して鋭意研究開発を重ねた結果、見出されたゲル組成物である。
発明者らは、復元性素材として、シリコーンゴム、多糖類、水性のポリウレタンを用いて研究を重ねていた。しかし、これらの素材は利点とともに解決されるべき欠点を有していた。具体的には、シリコーンゴムは、ツヤが足りず復元力に欠けるという欠点;多糖類は復元性・復元力が弱いという欠点;水性のポリウレタンは水系のため色域に制限があり、ツヤが足りないという重大な欠点;を有していた。
しかしながら、鋭意検討を行った結果、発明者らは、油剤存在下で、HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用してポリウレタン合成を行ったところ、新規なゲル素材を偶然にも得た。当該新規なゲル素材は、後記実施例に示すように、ツヤが高く、弾力性があり、復元力がある特殊な機能を有していた。このことは、発明者らにとって予測し得ない効果であった。
なお、ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られることが知られている。しかしながら、ポリウレタンを油溶性ゲル化剤として用いている例はなく、本発明のポリウレタンゲル組成物は油剤存在下で製造するという新たな着想により見出されたものである。
本発明に使用するポリウレタンゲル組成物の概念について、未だ鋭意検討中であるが、しかし現時点において発明者らは以下のように考えている。(1)ポリウレタン組成物中のポリウレタンは、分子内の親水部同士で会合することで複数のリング状のクラスター(房)を形成すると共に、分子内の疎水部で油剤に接触することで、親水基会合性増粘機構を有していると発明者らは考えている。(2)当該ポリウレタンは、当該分子内の疎水性部が低結晶性の炭化水素であるため柔軟性と油溶性を付与している;当該分子内の親水部の極性基が相互作用することでゲル化力・復元力を付与していると、発明者らは考えている。(3)親水基会合性増粘機構により、三次元立体構造体を微細に取ることで透明ゲル化されていると発明者らは考えている。なお、当該ポリウレタンは油溶性ポリウレタンであることが好ましく、当該油溶性ポリウレタンはより好適には30℃にて2-エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1質量%以上溶解できるものである。
本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、次の組成物1及び組成物2を包含する。このうち、組成物1及び2が好ましい。
組成物1:成分(A-1)(i)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物1;
成分(A-1)ポリウレタンとして、(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、及び成分(A-2)油剤を含有する組成物。
組成物2:成分(A-1)(ii)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物2;
成分(A-1)ポリウレタンとして、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン。
本発明において「末端」とは「両末端」を意味する。
前記(a):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には前記組成物1)の成分(A-1)ポリウレタンにおいて用いられる(a)は、末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンであれば、特に限定されない。例えば、下記一般式(1)で示される化合物が示され、当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
Figure 0007098384000001
(式中、R、Rは各々独立してC1~C6アルキレン基、nは10~100の整数、n、nは各々独立して0又は1を表す)
、Rは、各々独立して同一又は異なって、C1~C6アルキレン基を表し、当該アルキレンは直鎖であっても分岐鎖であってもよい。当該C1~C6アルキレン基として、例えば、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン等が挙げられる。Rのアルキレン基は、好ましくはC1~C2アルキレン基である。Rのアルキレン基は、好ましくはC5~C6アルキレン基である。当該アルキレン基は、好ましくは直鎖である。
nは、10~100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15~55である。
、nは、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(下記一般式(6))における繰り返し単位「C」の構造は、例えば、下記一般式(7a)~(7d)に示すように、様々な種類が存在する。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
Figure 0007098384000002
Figure 0007098384000003
本発明において使用する末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおける水添ポリブタジエン部分は、上で例示したような繰り返し単位の1種のみからなるものであってもよい、又は、2種以上の繰り返し単位を規則的若しくはランダムに含むものであってもよい。
本発明において一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(6))を構成する繰り返し単位「C」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(6)で表される構造はすべて本発明に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が例示され、当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
Figure 0007098384000004
(ここで、当該式(2)中、nは10~100の整数を表す)
一般式(2)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、Rがエチレン基、Rがヘキサメチレン基、n=n=1である場合に相当する。
前記(b):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物1及び2)の成分(A-1)ポリウレタンにおいて用いられる(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールの例として、例えば、エチレングリコール(HOCHCHOH)、プロピレングリコール(HOCHCH(OH)CH)、1,3-ブチレングリコール(HOCHCHCH(OH)CH)、及びジエチレングルコール(HOCHCHOCHCHOH)等が挙げられる。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
前記(b)HO-R-OHは、下記一般式(5)で示される化合物が示され、当該化合物は本発明の効果の観点から好適である。
Figure 0007098384000005
前記(c):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物2)の成分(A-1)ポリウレタンにおいて用いられる(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンは、特に限定されない。例えば、下記一般式(3)で示される化合物が示され、当該化合物は本発明の効果の観点から好適である。
Figure 0007098384000006
(式中、nは10~100の整数を表す)
一般式(3)において、水添ポリブタジエン部分(一般式(6))は、上記と同じ意味を有する。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
前記(d):成分(A-1)ポリウレタン(好適には組成物2)において用いられる(d)ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4-トルエンジイソシアネート、及び2,6-トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、下記一般式(4)で示されるヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
Figure 0007098384000007
成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物1)において、(i):(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを重付加してポリウレタンを製造する場合、モル比(a):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(a):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。この場合、(a)の重量平均分子量(Mw)は1000~3000であることが好ましい。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物2)において、(ii):(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によってポリウレタンを製造する場合、モル比(c):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(c):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
また、前記(i)又は(ii)で得られるポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10000~100000、より好ましくは20000~80000、さらに好ましくは30000~70000である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A-1)ポリウレタンの含有量は、好ましくは1~35質量%であり、より好ましくは5~30質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A-2)油剤の含有量は、好ましくは65~99質量%であり、より好ましくは70~95質量%、さらに好ましくは70~90質量%である。
当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤は、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されずに用いることができる。性状としては、特に限定されないが、25℃で液状の油剤であることが好ましい。また、本発明のポリウレタンゲル組成物を製造するときに溶剤として使用することが好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、エステル油(特に、水酸基の数が0又は1個であるエステル油)、脂肪酸類、シリコーン油、フッ素系油類等が挙げられる。
これらのうち、極性が低い方がポリウレタンゲル組成物の強度が高くなる傾向にあることから、炭化水素油、水酸基の数が0又は1個であるエステル油、及びフェニル基を含有するシリコーン油から選ばれる1種以上を使用することが例示され、これら1種又は2種以上を、成分(A-2)油剤中に含ませることが好ましい。
これら炭化水素油、エステル油及びシリコーン油から選択された1種又は2種以上は、成分(A-2)油剤中に、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上含ませることが好適である。
また製造する際に、成分(A-2)油剤を、溶剤として使用することが好ましい。製造する際に当該油剤を使用することで製造されたポリウレタンゲル組成物の特性が良好になる。また製造されたポリウレタンゲル組成物に適宜油剤を使用することで組成物硬度を調整することができる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A-2)油剤としては、より具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の炭化水素類;オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;ホホバ油、イソオクタン酸セチル(2-エチルヘキサン酸セチル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類;メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーン類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、透明性とツヤのみならず、弾力性・復元力が極めて高いという利点を有する。
針入荷重値測定の結果、このポリウレタンゲル組成物30部と流動パラフィン(ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/s)70部とを、85℃にて加熱溶解し、30℃に冷却し得られたゲルは、2cmφ球状アダプタを2cm/minで10mm針入させた時の荷重値が0.2~10Nと優れた特性を示した。この硬度特性は、本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物がゲル復元力を有することを示す。
また、透明性に関しては、本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は700nmの波長の透過率が90%以上である。この高い透過性は、本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は極めて高い透明性を有することを示す。
本発明の成分(A)ポリウレタンゲル組成物の製造方法は、前記(A-2)油剤の存在下でポリウレタンを製造することが好ましい。さらに、前記成分(A-1)で特定のポリオールをポリウレタン原料として使用すると共に前記(A-2)油剤の存在下でポリウレタンを製造することがより好適である。そして、本発明の成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、公知のポリウレタン製造方法を参考して製造することができる。
例えば、本発明に用いるポリウレタンゲル組成物1は、成分(A-2)油剤中において、Aの(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを加えて重付加反応を行うことによって得られる。
例えば、本発明のポリウレタンゲル組成物2は、(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエン、(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコール、成分(A-2)油剤を仕込んで均一に混合し、(d)ジイソシアネート化合物を投入して反応させることによって製造することができる。
なお、本発明のポリウレタンゲル組成物は、上記成分(A-1)及び成分(A-2)以外に本発明の効果を損なわない範囲で医薬分野に又は化粧分野で使用可能な任意成分を適宜含有させてもよい。任意成分として、例えば、揮発性成分、界面活性剤、油性成分、粉体、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、各種の効果を付与するために通常化粧料に用いられる他の成分を適宜用いることができる。
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されないが、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさに優れるという観点から、化粧料全量に対して0.001~10質量%であることが好ましく、0.01~6質量%であることがより好ましく、0.05~1質量%であることが特に好ましい。
本発明のポリウレタンゲル組成物は、表面処理剤として粉体の表面に被覆することによって表面処理粉体(以下、「ポリウレタンゲル処理粉体」と称する)を製造することもできる。本発明のポリウレタンゲル組成物で被覆処理される粉体としては、通常、化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状や、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径や、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等の1種又は2種以上が使用できる。
被覆処理される粉体としては特に限定されないが、無機体質粉体である酸化チタン、ベンガラ、タルク、セリサイト、および雲母から選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましい。これらの粉体は化粧料において汎用され、多量に含有されるものであるため、これらを被覆処理することにより、化粧料に用いた際に顕著な効果を発揮することができる。
これらの粉体に上記のポリウレタンゲルを被覆処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の方法で製造される。例えば、ポリウレタンゲルを直接粉体と混合する方法(乾式処理法)、溶媒を用いる方法(湿式法)等が挙げられる。これらの中でも、均質で使用感に優れるポリウレタンゲル処理粉体を得られる点から、ポリウレタンゲルを溶媒に分散させた分散液と粉体とを混練した後、溶媒を蒸発除去し完全に乾燥させる湿式法が好ましく、さらにこれを粉砕することにより、より均質で使用感に優れるポリウレタンゲル処理粉体を製造することができる。粉砕方法も特に限定されるものではない。前記溶媒として用いられる化合物は、ポリウレタンゲルを分散することができるものであれば特に限定されないが、水、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ヘキサン、イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等を例示することができ、1種又は2種以上を用いることができる。より均質で使用感に優れるポリウレタンゲル処理粉体を得られる点から、イソプロピルアルコール、n-ヘキサンを1種又は2種以上用いることが好ましい。
また、前記ポリウレタンゲル処理粉体は、さらに、化粧料基材への分散性改良、感触改良等の目的で、シリコーン化合物、フッ素化合物、油剤、油脂、高級アルコール、ワックス、高分子、樹脂等の通常公知の表面処理剤を被覆処理して用いても良い。
前記ポリウレタンゲル処理粉体は、粉体表面が前記ポリウレタンゲルで処理されたものであり、粉体表面にはポリウレタンゲルが存在する。その被覆量は、特に限定されないが、本発明の効果がより顕著に発揮される等の点から、被覆処理粉体の全質量を基準に0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~7.5質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることが特に好ましい。
前記ポリウレタンゲル処理粉体の1種又は2種以上を、常法に従い、公知の化粧料成分と組み合わせて用いることにより、化粧料を製造することができる。前記化粧料における、当該処理粉体の含有量は、特に限定されるものではなく、化粧料の剤型により異なるが、1~99質量%、好ましくは、5~95質量%である。また、前記ポリウレタンゲル処理粉体は粉体を主成分とする粉末化粧料で顕著な効果を発揮することができ、その場合は、1~70質量%、更に5~50質量%、特に1~30質量%であると好ましい。
前記ポリウレタンゲル処理粉体を含む化粧料には、必要に応じて含有可能な成分を適宜用いることができる。
本発明に用いられる成分(B)の平均粒子径0.01~0.2μmの酸化チタン及び酸化亜鉛は、化粧料に用いられる酸化チタン、酸化亜鉛であれば、特に限定されず、その粒子形状(球状、針状、板状、不定形等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等を問わず、何れのものも使用することができ、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上組み合せて用いることができる。これらの酸化チタン、酸化亜鉛は他の粉体成分と複合化したものを用いてもよく、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスIIIU、ニレコ社製)による測定により求めた値である。
本発明に用いられる成分(B)の金属酸化物の平均粒子径は、0.01~0.2μmであり、特に限定されないが、なめらかな使用感や紫外線防御能により優れる等の観点から、0.02~0.18μmであることがより好ましく、0.03~0.15μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.01μm未満の場合は、凝集力が強くきしみ感が強いため、なめらかな使用感が得られず、平均粒子径が0.2μmより大きいと満足のいく紫外線防御能、透明感が得られない。
成分(B)の市販品としては、例えば、FINEX-50(堺化学工業社製)、XZ-100F(堺化学工業社製)、ZnO-350(住友大阪セメント社製)、酸化亜鉛FZO-50(石原産業社製)、MZ-500(テイカ社製)、MT-500B(テイカ社製)、TTO-55(A)(石原産業社製)、SMT-500SAS(テイカ社製)、MICRO TITANIUM DIOXIDE MT-500SA(テイカ社製)、MTY-700BS(テイカ社製)、ソラベールXTP-1(クローダジャパン社製)等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる成分(B)の含有量は、特に限定されないが、紫外線防御能と毛穴やシワ等の自然なカバー力がありながら、膜白さのない透明感の付与により優れる等の観点から、化粧料全量に対して0.1~20質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましく、5~15質量%であることが特に好ましい。
本発明の粉末化粧料中、成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)平均粒子径0.01~0.2μmの酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上の含有質量割合が、特に限定されないが、しっとり感、化粧膜の均一性により優れる等の観点から、好ましくは成分(A)/成分(B)=0.0002~10、より好ましくは0.001~2、さらに好ましくは0.01~1である。
本発明の粉末化粧料中、前記成分(A-1)ポリウレタン及び前記成分(B)平均粒子径0.01~0.2μmの酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上の含有質量割合が、特に限定されないが、しっとり感、化粧膜の均一性により優れる等の観点から、好ましくは成分(A-1)/成分(B)=0.00005~3、より好ましくは0.003~0.5、さらに好ましくは0.003~0.3である。
本発明には、さらに成分(C)として、窒化ホウ素を用いることができる。本発明に用いられる成分(C)窒化ホウ素は、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されずに使用することができ、粒子径は特に限定されないが、化粧膜の均一性を高める点から、平均粒子径が2~20μmのものが好ましい。市販品としてはSHP-3、SHP-4、SHP-5、SHP-6、SHP-7(何れも、水島合金鉄株式会社製)、トレセラムT-BN-C(東レ株式会社製)、BORON NITRADE POWDER SA08(NATIONAL NITRADE TECH社製)、BORON NITRADE POWDER CCS-102(モメンティブ社製)等が挙げられる。
成分(C)は必要に応じて1種又は2種以上を使用することができ、その含有量は特に限定されないが、化粧膜の均一性に優れる等の観点から、化粧料全量に対して1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは3~15質量%である。
本発明には、さらに成分(D)として、球状粉体を用いることができる。本発明に用いられる成分(D)球状粉体は、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されずに使用することができ、無機球状粉体、有機球状粉体、中空球状粉体、複合粉体等を用いることができる。例えば、無機球状粉体として、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられる。また有機球状粉体として、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸アルキル、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、架橋型シリコーン・網状シリコーンブロック共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体、ポリエチレン、ウレタン、シルク、セルロース等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合せて用いることができる。これらの中でも、有機球状粉体を用いることがより好ましく、中でもウレタン、架橋型シリコーン・網状シリコーンブロック共重合体を用いることが特に好ましい。また、無機球状粉体及び有機球状粉体を組合せて用いることが、成型性、使用性により優れる点などから特に好ましい。
成分(D)は必要に応じて1種又は2種以上を使用することができ、その含有量は特に限定されないが、伸び広がりの軽さに優れる等の観点から、化粧料全量に対して1~30質量%であることが好ましく、より好ましくは3~20質量%である。
また、本発明の粉末化粧料には、上記成分(A)~(D)に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、粉体、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有する事ができる。
成分(B)~(D)以外の粉体としては、粒子形状(針状、板状、不定形等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、特に限定されないが、毛穴やシワ・色ムラのカバー力に優れるという観点から、成分(A)とは平均粒子径の異なる酸化チタン、酸化亜鉛を含有することがより好ましい。また、これらの粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理してあっても良い。
本発明において、成分(A-2)以外の油剤をさらに含有させることができる。本発明の粉末化粧料に含有可能な油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ホホバ油、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N-ラウロイルーL-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の粉末化粧料中の成分(A-2)油剤以外の油剤の含有量は、特に限定されないが、加圧成型を行う固形化粧料と、加圧成型を行わない非固形粉末化粧料とで好ましい範囲が異なる。固形粉末化粧料においては、しっとり感、化粧膜の均一性の観点から、化粧料に全量に対して、2~20質量%であることが好ましく、3~15質量%であることがより好ましく、5~11質量%であることが特に好ましい。非固形粉末化粧料においては、しっとり感、小道具への取れの均一性の観点から、化粧料に全量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料中の成分(A-2)を含む全ての油剤の含有量は、特に限定されないが、化粧膜の均一性の観点から、固形粉末化粧料全量に対して、2~45質量%であることが好ましく、3~25質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることが特に好ましい。
本発明において粉末化粧料とは、主成分を粉体とするものであり、乾式成型方法、湿式成型方法等で固形に圧縮成形する固形粉末化粧料と、圧縮成形を行わないルースパウダーのような非固形粉末化粧料がある。特に限定はされないが、使用性、生産コストの観点から、乾式成形方法による固形粉末化粧料が好ましい。
本発明の粉末化粧料は、通常公知の方法で製造することができる。特に限定されず、例えば以下のような方法を挙げることができる。
圧縮成形の方法としては、成分(A)、(B)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、金皿や樹脂皿等の容器に充填し、圧縮成型する乾式成形法。
成分(A)、(B)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、水、エタノール、揮発性油や、非揮発性油等の溶媒と混合し、これを充填成型した後、溶媒の一部または全てを除去して成型する湿式成型法。
本発明の固形粉末化粧料では、特に限定はされないが、使用性、生産コストの観点から、乾式成形方法による圧縮成形による製造方法が好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、粉体を主成分とするものであり、特に限定されないが、ファンデーション、白粉、アイカラー、チークカラー、アイブロウ等のメークアップ化粧料、ボディパウダー、美白パウダー等の基礎化粧料に適用可能である。これらの中でも、本発明の効果が顕著に発揮される点から、メークアップ化粧料に好適に用いられ、さらに好ましくはファンデーション、白粉に好適に用いられる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例1]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で5時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて10000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、2.5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例2]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例3]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、2-エチルヘキサン酸セチルで希釈しながら、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で15時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、7.5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例4]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で10時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、3Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例5]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながら、ヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で15時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
[ポリウレタンゲル表面処理合成金雲母の製造実施例6]
プラネタリーミキサー(攪拌・混練機)にて、溶剤であるイソプロピルアルコールに、製造実施例2で製造したポリウレタンゲル組成物1質量部を溶解後、合成金雲母(PDM-5L:平均粒径7μm、トピー工業社製)99質量部を添加し、スラリー状のまま、30分混練する。なお、溶媒とポリウレタンゲル組成物及び粉体の質量比は、(溶媒):(ポリウレタンゲル組成物及び粉体)=1:2で製造した。その後、真空状態にて、溶媒を除去しながら混練し、粉末状になった時点で取り出し、70℃、10時間にて乾燥しする。その後、アトマイザー(LM-05/ダルトン社)にて解砕処理し、ポリウレタンゲル表面処理合成金雲母を得た。
[ポリウレタンゲル表面処理タルクの製造実施例7]
プラネタリーミキサー(攪拌・混練機)にて、溶剤であるイソプロピルアルコールに、製造実施例2で製造したポリウレタンゲル組成物2質量部を溶解後、タルク(JA-13R:平均粒子径5~8μm、浅田製粉社製)98質量部を添加し、スラリー状のまま、30分混練する。なお、溶媒とポリウレタンゲル組成物及び粉体の質量比は、(溶媒):(ポリウレタンゲル組成物及び粉体)=1:2で製造した。その後、真空状態にて、溶媒を除去しながら混練し、粉末状になった時点で取り出し、70℃、10時間にて乾燥しする。その後、アトマイザー(LM-05/ダルトン社)にて解砕処理し、ポリウレタンゲル表面処理タルクを得た。
[製造比較例1]
架橋型シリコーンゲル(KSG-43 信越化学工業社製)100部を用いる。
[製造比較例2]
デキストリン脂肪酸エステル(レオパールISK 千葉製粉社製)35部と、2-エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、多糖類ゲルを調製した。
[製造比較例3]
結晶性ポリエチレンワックス(PERFORMALENE655 ニューフェーズテクノロジー社製)35部と、2-エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、ワックスオイルゲルを調製した。
なお、製造比較例1のシリコーンゲルは、ツヤが足りず復元力に欠けている。製造比較例2の多糖類ゲルは、復元性・復元力が弱い。製造比較例3のワックスオイルゲルは、ツヤが足りない。
[ゲルの評価]
前記製法により得られたポリウレタンゲルの中から、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物に対して、化粧料に汎用される各種油剤に対するゲル荷重値、並びにゲルの透明性に関して評価した(試験例1~6)。その結果を表1に示す。また、種々の評価方法は、以下となる。なお、製造実施例1~5の成分(A)ポリウレタンゲル組成物のゲル荷重値は2.5~7.5N、重量均分子量は10000~100000であった。
Figure 0007098384000008
[荷重値の測定及びゲル強度評価]
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物と、表1に記載の各種油剤を85℃にて加熱溶解、30℃に冷却し、弾力性のあるゲルを調製した(試験例1~6)。ゲルの荷重値に関しては、荷重測定機(FUDOH社製)を用いて、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件にて測定した。これによりゲル強度を評価した。試験例1~4の結果、分子中の水酸基数が少ない油剤ほど、荷重値が高い傾向にあることを確認した。これは、ポリウレタンゲルの親水基会合性増粘機構における、親水基部分に、油剤中の水酸基が影響を与え、増粘低下をもたらしたと考えられる。
[透明性の測定及び評価]
表1に記載の各種ゲル(試験例1~6)に対する透明性は、透過度測定機(島津製作所社製)を用いて、700nmにおける透過率を測定した。その結果、試験例1~6全てのゲルにおいて、90%以上と、良好な透明性(◎)を示した。
[自己復元力の測定及び評価]
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物、及び製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルを用いて、自己復元力の評価を実施した。測定サンプルは、各々、純分が10.5質量%になる様に2-エチルヘキサン酸セチルで希釈し、85℃にて加熱後、ジャー容器に流し込み、30℃に冷却することで弾力性のあるゲルを調製した。調製したサンプルに対し、テクスチュアアナライザー(英栄精機社製)を用いて、2cmφ球状アダプターにて5gの荷重をかけた時点から、1mm/minの速度、5mm針入する条件にて、7回、同じ動作を繰り返すことで、荷重によりゲル構造が破壊されず、復元力があるか確認した。測定の模式図を図1に示す。
その結果、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルは、繰り返しの荷重で、ゲル構造が破壊し、同じ曲線にならないのに対し、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物は、繰り返しの荷重でゲルが崩壊することなく、同じ曲線を辿ることから、ゲルの復元性が高いことが分かった。また、荷重値自体の値も、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルと比較して高いことから、弾力性に優れることが分かった。
前記検討により、本発明で用いられる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、透明性、高い弾力性に優れ、また、自己復元力に優れる新規性の高いゲルであることが分かった。
実施例1~13及び比較例1~5:ファンデーション(固形)
表2に示すファンデーションを調製し、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさについて下記の評価を実施し、下記判定基準により判定した。その結果も併せて表2に示す。
Figure 0007098384000009
(製造方法)
A.1~18をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.17~25をで均一溶解する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.Cを粉砕処理する。
E.Dを容器に充填し、プレス後、固形粉末状のパウダーファンデーションを得た。
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.小道具への均一な取れ
ロ.しっとり感
ハ.化粧膜の均一性
ニ.経時での乾燥感のなさ
(評価方法:小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさ)
前記ファンデーションについて専門評価パネル20名による使用テストを行い、パフなどの小道具を使用した際の「小道具への均一な取れ」、塗布時の「しっとり感」、化粧の仕上がりとしての「化粧膜の均一性」、時間経過後の「経時での乾燥感のなさ」の其々の項目について、パネル各人が下記絶対評価にて6段階に評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。なお「経時での乾燥感のなさ」は、肌上に塗布した3時間後に評価を行った。

<評価基準>
(評価結果):(評点)
非常に良好 :6点
良好 :6点
やや良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点

<4段階判定基準>
(判定):(評価基準)
◎ :5.0点を超える
○ :3.5点を超える5.0点以下
△ :2.0点を超える3.5点以下
× :2.0点以下
表2の結果から明らかなように、実施例1~13は、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさ優れた化粧料(ファンデーション)であった。
一方、成分(A)を含有しない比較例1は、金属酸化物に由来するきしみ感が抑制できず、しっとり感や経時での乾燥感も劣るものであった。成分(A)の代わりに、パルミチン酸デキストリンや、ポリエチレンワックスを用いた比較例2、4は粉体の凝集を促進し、小道具への均一なとれや、化粧膜の均一性に劣るものであった。成分(A)の代わりに、架橋型シリコーンゲルやトリメチルシロキシケイ酸を用いた比較例3,5では、しっとり感や、経時での乾燥感のなさに劣るものであった。さらに比較例5に関しては、小道具への均一な取れ、化粧膜の均一性にも劣るものであった。
実施例14:白粉(非固形)
(成分) (質量%)
1.製造実施例7のポリウレタンゲル表面処理タルク 40
2.酸化チタン(平均粒子径:0.035μm) *1 7
3.窒化ホウ素 *13 5
4.タルク 残量
5.雲母チタン 15
6.ラウロイルリシン板状粉体 *14 3
7.メタクリル酸メチルクロスポリマー *15 10
8.ベンガラ 1
9.黄酸化鉄 2
10.黒酸化鉄 0.3
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.コハク酸ジ2-エチルヘキシル 0.2
13.テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 0.2
14.ジメチルポリシロキサン(6mPa・s) 0.2
15.スクワラン 0.2
*13:BORON NITRADE POWDER CCS-102(モメンティブ社製)
*14:アミホープLL(味の素社製)
*15:マツモトマイクロスフェアM-305(松本油脂製薬社製)
(製造方法)
A.1~11をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.12~15を均一溶解する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.Cを粉砕処理する。
E.Dを容器に充填し、粉末状の白粉を得た。
本実施例で得られた白粉について、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさ優れた白粉であった。
実施例15:頬紅(固形)
(成分) (質量%)
1.酸化チタン(平均粒子径:0.08μm) *16 2
2.酸化亜鉛(平均粒径:0.1μμm)*17 2
3.窒化ホウ素 *4 5
4.マイカ 15
5.赤色226号 0.5
6.オクチルトリエトキシシラン(3%)処理セリサイト 35
7.ナイロンパウダー(平均粒径10μm) 5
8.スチレンパウダー(平均粒径6μm) 5
9.ポリエチレン末 *18 5
10.タルク 残量
11.シリコーンエラストマー粉末 *19 1
12.ミリスチン酸亜鉛 1
13.メタクリル酸メチルクロスポリマー 4
14.メチルパラベン 0.2
15.製造実施例1のポリウレタンゲル組成物 0.5
16.セスキステアリン酸ソルビタン 0.5
17.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー *20 0.5
18.ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル 1
19.ジメチルポリシロキサン (6mPa・s) 2
20.トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 2
21.セージ油 0.1
22.アスタキサンチン 0.001
23.香料 適量
*16:MTY-700BS(テイカ社製)
*17:XZ-100F(堺化学工業社製)
*18:ミペロンPM-200(三井化学社製)
*19:トレフィルE-506C(東レダウコーニング社製)
*20:KSG-16(信越化学工業社製)
(製造方法)
A.1~14をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.15~23を均一溶解する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.C100部に溶剤(軽質流動イソパラフィン)を60部添加して混合し、スラリー状の混合物を得る。
E.Dを丸型の金皿(直径5.5cm)に充填し、圧縮プレスし、溶剤を一部除去する。F.Eを70℃で一昼夜乾燥し、溶剤を除去して固形粉末状の頬紅を得た。
本実施例で得られた頬紅について、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさ優れた頬紅であった。
実施例16:アイシャドウ(固形)
(成分) (質量%)
1.酸化チタン(平均粒子径:0.08μm) *16 2
2.酸化チタン(平均粒径:0.145μm)ナイロン複合粉体*21 5
3.窒化ホウ素 *4 5
4.マイカ 15
5.赤色226号 0.8
6.黄色4号 0.5
7.ジメチルポリシロキサン1%処理黄酸化鉄 0.3
8.ジメチルポリシロキサン1%処理黒酸化鉄 0.3
9.グンジョウ 0.2
10.ジメチルポリシロキサン1%処理合成金雲母 11
11.合成金雲母 残量
12.タルク 20
13.ポリメチルシルセスキオキサン*22 4
14.酸化チタン被覆ガラス末 8
15.酸化鉄被覆雲母チタン 20
16.ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン 3
17.製造実施例3のポリウレタンゲル組成物 1
14.ジメチルポリシロキサン (6mPa・s) 2
15.ワセリン 1
17.トリメリト酸トリトリデシル 2
18.ホホバ種子油 0.1
19.香料 0.01
*21:MTXO-70NL(ハヤテマテリアル社製)
*22:TOSPEARL 3000A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)
(製造方法)
A.1~16をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.17~22を均一溶解する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.C100部に溶剤(軽質流動イソパラフィン)を60部添加して混合し、スラリー状の混合物を得る。
E.Dを丸型の金皿(直径5.5cm)に充填し、圧縮プレスし、溶剤を一部除去する。F.Eを70℃で一昼夜乾燥し、溶剤を除去して固形粉末状のアイシャドウを得た。
本実施例で得られたアイシャドウについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさ優れたアイシャドウであった。
実施例17:アイブロウ(固形)
(成分) (質量%)
1.酸化亜鉛(平均粒子径:0.1μm)*17 2
2.窒化ホウ素 *4 5
3.マイカ 10
4.タルク 30
5.ベンガラ 0.5
6.黄酸化鉄 5
7.黒酸化鉄 1.5
8.メタクリル酸メチルクロスポリマー *15 2
9.無水ケイ酸(平均粒径2μm) 5
10.ラウロイルリシン 1
11.合成ワックス 2
12.リン脂質(1%)処理セリサイト 残量
13.製造実施例4のポリウレタンゲル組成物 0.5
14.ジメチルポリシロキサン (6mPa・s) 1
15.イソノナン酸イソトリデシル 2
16.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.5
17.リオレイン酸PEG-20酸ソルビタン 0.2
18.ヒドロキシステアリン酸コレステリル 1.5
19.加水分解コラーゲン 0.01
20.香料 適量
(製造方法)
A.1~16をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.17~22を均一溶解する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.Cを粉砕処理する。
E.Dを容器に充填し、プレス後、固形粉末状のアイブロウを得た。
本実施例で得られたアイブロウについて、その効果を実施例1に準じて評価したところ、このものは、小道具への均一な取れ、しっとり感、化粧膜の均一性、経時での乾燥感のなさ優れたアイブロウであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び成分(B)を含む、粉末化粧料であり、
    前記成分(A)が、成分(A-1)ポリウレタン及び成分(A-2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
    当該成分(A-1)は、
    (i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
    (ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
    前記成分(B)が、平均粒子径0.01~0.2μmの酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上であり、
    前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.0002~10である、粉末化粧料。
  2. 前記成分(A-1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、請求項1に記載の粉末化粧料。
  3. 前記成分(A-1)ポリウレタンが、重量平均分子量(Mw)10000~100000である、請求項1又は2に記載の粉末化粧料。
  4. 前記成分(A-2)油剤が、25℃で液状の油剤である、請求項1~3の何れか1項に記載の粉末化粧料。
  5. さらに成分(C)窒化ホウ素を含有する、請求項1~4の何れか1項に記載の粉末化粧料。
  6. 前記成分(A-2)を含む全て油剤の含有量が、2~45質量%である請求項1~5の何れか1項に記載の粉末化粧料。
  7. 前記成分(A)が、粉体の表面を被覆している請求項1~6の何れか1項に記載の粉末化粧料。
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