JP7053408B2 - 固形化粧料 - Google Patents
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Description
また、特許文献2のように粉体と油剤を特定の量含有させることで独特の使用感とパール光沢のある仕上がりを具現化する技術では、油剤自体が弾性ゲル化していないため、弾力性が不十分であり、耐衝撃性にも劣っていた。また、外観の審美性については、キャピラリー領域においては、粉と油が両方とも連続層になることから、化粧料表面において、粉体による凹凸により平滑性が低くなり、油性剤型ほどの表面の平滑性は出にくく、化粧料自体の表面の光沢や型押し時の鮮明な立体意匠を具現化することが難しかった。
特許文献3のプレス方法を用いても、粉末固形の中では化粧料表面の光沢があっても、油性剤型には及ばないものであった。
また、特許文献4のキャピラリー領域は一般に粉末固形に比べ表面が柔らかく変形しやすいため、充填成形時の表面に型押しした際に、意匠性の高い鮮明なデザインが得られないという問題があった。また、柔らかいことにより、落とした際の耐衝撃性が低く、特殊な造形を作っても変形し保持できない課題もあった。
さらに、特許文献5の弾性型を用いて柔らかい内容物に立体成型を施す方法は、溶融充填を前提としたものであり、流動性の低いキャピラリー領域には適用できないものであった。
〔1〕次の成分(A)~(C);
(A)油溶性ポリウレタン
(B)25℃で液状の油剤
(C)粉体
を含有する固形化粧料であり、前記成分(A)が、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、前記成分(A)及び(B)の質量比率(A)/(B)が0.01~0.15かつ、前記成分(B)及び(C)の質量比率(B)/(C)が0.6~1.2である固形化粧料。
〔2〕
前記成分(A)が、重量平均分子量10000~100000である、請求項1に記載の固形化粧料。
〔3〕
前記成分(B)のうち、50質量%以上がIOB値0.3未満である、請求項1又は2に記載の固形化粧料。
〔4〕
前記成分(B)が、平均エステル化度が70モル%以上であるエステル油を含むものである、請求項1~3の何れか1項に記載の固形化粧料。
〔5〕
前記成分(B)が、非揮発性シリコーン油を含むものである、請求項1~4の何れか1項に記載の固形化粧料。
〔6〕
前記成分(C)が、平均粒子径100nm以下の粉体を含むものである、請求項1~5の何れか1項に記載の固形化粧料。
〔7〕
前記成分(C)が、疎水化されていても良い煙霧状シリカを含むものである、請求項1~6の何れか1項に記載の固形化粧料。
〔8〕
前記成分(C)のうち、アスペクト比10以上の板状粉体を(C)成分中に50質量%以上含むものである、請求項1~7の何れか1項に記載の固形化粧料。
〔9〕
前記成分(B)が、イソドデカン、流動パラフィン、スクワラン、イソステアリン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシルのうち1種または2種以上含むことを特徴とする請求項1~8の何れか1項記載の固形化粧料。
〔10〕
目周り、頬、または顔全面に塗布するメイクアップ製品であることを特徴とする請求項1~9の何れか1項記載の固形化粧料。
ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
しかしながら、鋭意検討を行った結果、発明者らは、油剤存在下で、HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用してポリウレタン合成を行ったところ、新規なゲル素材を偶然にも得た。当該新規なゲル素材は、後記実施例に示すように、ツヤが高く、弾力性がある特殊な機能を有していた。このことは、本発明者らにとって予測し得ない効果であった。
なお、ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られることが知られている。しかしながら、ポリウレタンを油溶性ゲル化剤として用いている例はなく、本発明者らの新たな着想により見出されたものである。
成分(A)ポリウレタンとして、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンが挙げられる。
本技術において「末端」とは「両末端」を意味する。
nは、10~100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15~55である。
n1、n2は、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
本技術において一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(6))を構成する繰り返し単位「C4H8」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(6)で表される構造はすべて本技術に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が例示され、当該化合物を用いることは本技術の効果の観点から好適である。
一般式(2)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、R1がエチレン基、R2がヘキサメチレン基、n1=n2=1である場合に相当する。
前記(b)HO-R3-OHは、下記一般式(5)で示される化合物が示され、当該化合物は本技術の効果の観点から好適である。
弾力性の高い油性ゲルが形成されると共に、固形化粧料において良好な表面光沢、立体意匠の鮮明さ、良好な使用感及び良好な耐衝撃性が得られる。
または、本技術の油溶性ポリウレタンは、(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエン、(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコール、成分(B)油剤を仕込んで均一に混合し、(d)ジイソシアネート化合物を投入して反応させることによって製造することができる。
成分(B)25℃で液状の油剤は、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されずに用いることができる。動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、エステル油、脂肪酸類、シリコーン油、フッ素系油類等が挙げられる。
成分(B)の具体的なより好ましい油剤は、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、イソトリデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、流動イソパラフィン、スクワラン、水添ポリデセン、水添ポリイソブテン等の炭化水素類の内25℃における粘度が100mPa以下のもの、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソノイソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチリル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソステアリル、ラウリン酸ヘキシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸エチル、エルカ酸オクチルドデシル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、ステアロイルオキシステアリン酸イソステアリル、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ヤシ油、オリーブ油、パーム油、マカデミアンナッツ油、メドウフォーム油、ホホバ油、菜種油、コメヌカ油、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ホホバアルコール、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステリン酸デカグリセリル、デカ2-エチルヘキサン酸デカグリセリル、ジメチコン、カプリリルメチコン、メチルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン等が挙げられる。
さらに好ましくは、イソドデカン(IOB=0)、イソヘキサデカン(IOB=0)、流動パラフィン(IOB=0)、スクワラン(IOB=0)、イソステアリン酸オクチルドデシル(IOB=0.08)、パルミチン酸セチル(IOB=0.09)、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(IOB=0.11)、2-エチルヘキサン酸セチル(IOB=0.13)、イソノナン酸イソトリデシル(IOB=0.15)、テトライソステアリン酸ジグリセリル(IOB=0.17)、トリイソステアリン酸ジグリセリル(IOB=0.26)、トリメリト酸トリトリデシル(IOB=0.28)等が挙げられる。
本技術で用いる(A)成分の油溶性ポリウレタンと(B)成分は、弾力性と表面の光沢がある油性ゲルを形成するのが好ましい 。なお、当該油溶性ポリウレタンはより好適には30℃にて2-エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1質量%以上溶解できるものである。
本発明における使用時の弾力性とは、成型された化粧料の表面を指で軽く押したときに、沈み込んで 変形しさらに押し返す応力によるものである。ここで弾力性を示す測定方法は、特に限定されないが、テクスチャーアナライザーによるTPA(texture profile analysis)測定における弾力性(L2/L1)で表すことができる。
本発明において、テクスチャーアナライザーによるTPA測定における弾力性(L2/L1)とは、固形化粧料を厚さ4mmの金型に充填したものを試料とし、英弘精機株式会社製の「テクスチャーアナライザー」を測定機器として使用し、TPA測定条件として、2mmΦシリンダープローブ、プローブ速度を0.5mm/secとし、試料に対して完全破壊しないように(非破壊領域で)、歪みを25%与えるように調整し、前記プローブにより試料に対して2回力を加え、1回目と2回目の時間差を3sec保持し、1回目の歪みによる高さ変化をL1、2回目の歪みによる高さ変化をL2とし、L2/L1によって求められる値をいい、外力による変形が力を取り去ったときに戻る割合を意味する(種谷真一,林弘通,川端晶子共著「食品物性用語辞典」(養賢堂)参照)。
本発明の固形化粧料は、特に限定されないが、テクスチャーアナライザーによるTPA測定における弾力性(L2/L1)が0.50~0.99であることが好ましく、より好ましくは0.60~0.99であり、特に好ましくは0.70~0.99である。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、トルエン1200部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で5時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させ、減圧により溶媒を除去し、油溶性ポリウレタンを得た。
得られた油溶性ポリウレタンの重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)にて40000であった。また、得られた油溶性ポリウレタン10部を、流動パラフィン90部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5.4Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、ジメチルスルホキシド1200部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させ減圧により溶媒を除去し、油溶性ポリウレタンを得た。
得られた油溶性ポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて20000であった。また、得られた油溶性ポリウレタン10部を、流動パラフィン90部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、3.4Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、トルエン1200部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で10時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させ減圧により溶媒を除去し、油溶性ポリウレタンを得た。
得られた油溶性ポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られた油溶性ポリウレタン10部を、流動パラフィン90部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、2.7Nであった。。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、2-エチルヘキサン酸セチルで希釈しながら、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で15時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。本実施例では、溶媒の2-エチルヘキサン酸セチルは除去せず、そのまま油溶性ポリウレタンと2-エチルヘキサン酸セチルからなる油性ゲルとして取り出した。
得られたポリウレタンゲル中の油溶性ポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて60000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、7.5Nであった。
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2-エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながら、ヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で15時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。本実施例では、溶媒の2-エチルヘキサン酸セチルは除去せず、そのまま油溶性ポリウレタンと2-エチルヘキサン酸セチルからなる油性ゲルとして取り出した。
得られたポリウレタンゲル中の油溶性ポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
※2:PERFORMALENE 500(ニューフェーズテクノロジー社製)
※3:SH556 FLUID(東レ・ダウコーニング社製)
※4:TIMIRON STARLUSTER MP-115(メルク社製)
※5:AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
※6:CELLULOBEADS D-30(大東化成工業社製)
これに対し、油溶性ポリウレタンの代わりに別の油ゲル化剤を用いた比較例1~3では、粉体の分散性向上効果が低く、結果的に化粧料表面の光沢や立体意匠の鮮明さに劣っていた。また、油溶性ポリウレタンの代わりに界面活性剤を用いた比較例4では、化粧料表面の光沢は良好であるものの、油剤を弾性ゲル化する機能がないために、弾力性や耐衝撃性に著しく劣っていた。油溶性ポリウレタンの代わりにポリウレタン弾性球状粉体を用いた比較例5では、伸び広がりは良好であるものの、油剤を弾性ゲル化する機能がなく、さらに粉体による光拡散効果のために、弾力性や耐衝撃性に加え、化粧料表面の光沢にも劣っていた。油剤の含有量が多い比較例6では油が連続相の領域となるため、化粧料表面の光沢には優れるものの、キャピラリー領域特有の弾力性が得られなかった。また、逆に粉体の含有量が多い比較例7では、粉体が連続相となるため、化粧料表面が粉末の凹凸により平滑でなく、光沢感が弱い上、弾力性も発現していなかった。油溶性ポリウレタンの含有量が多い比較例8では、油性ゲル中での固形分濃度が高くなりすぎるため、化粧料表面の平滑性が失われ、光沢感に乏しい上に、ゲル強度が高くなりすぎ、肌に均一に伸び広がらないものであった。逆に油溶性ポリウレタンの含有量が少ない比較例9では、ゲル弾性が不足するため、弾力性と耐衝撃性が弱く、粉体の配向性も十分でないため、化粧料表面の光沢や立体意匠も劣るものであった。
(1)成分1~12を90℃に加熱し、均一に混合溶解する。
(2)室温冷却後プラネタリーミキサーで(1)に成分13~20を添加し、減圧しながら混練する。
(3)(2)をスクリューフィーダー付充填機を用いて容器に充填し、格子模様の不織布を挟んでドーム状にプレス成型し、アイシャドウを得た。
(弾力性の評価方法)
前記記載の方法にて測定を実施した。
(判定基準)
(L2/L1):(判定)
0.85を超える:◎
0.60を超えて、0.85以下:○
0.45を超えて、0.60以下:△
0.45以下:×
各試料に対して、化粧品評価専門パネル20名に、「軽い伸び広がり」、「仕上がりの光沢感」「化粧料表面の光沢」、「立体意匠(今回は格子模様)の鮮明さ」、の其々の項目について、各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
[判定基準]
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎
3.5以上~5.0未満 : ○
1.5以上~3.5未満 : △
1.5未満 : ×
前記実施例及び比較例のアイシャドウサンプルを木製硬板上へ50cm、の高さから落下させ、耐衝撃性を評価した。各サンプルの落下による変化(壊れ、剥れ、ひび、片寄り)の有無を調べ、その程度に従って下記判定基準により耐衝撃性を評価した。
[評価・判定基準]
(評価結果) :(判定)
全く変化がない :◎
使用に影響がないがごく僅かな片寄りやひびがある:〇
はっきりと目視できる片寄りやひびがある :△
化粧料全体の割れや容器からの剥れがある :×
成分) (%)
1.球状多孔質セルロースパウダー(5μm) 10
2.球状(ジフェニルジメチコン/ビニルフェニルジメチコン
/シルセスキオキサン)クロスコポリマー 5
3.赤色226号 0.4
4.赤色202号 0.2
5.黄色4号 0.2
6.ベンガラ 0.2
7.板状黄酸化鉄(平均粒径1~10μm) 0.5
8.マイカ 残量
9.セリサイト 10
10.2%ジメチコン表面処理合成金雲母 5
11.煙霧状ジメチルシリル化シリカ※7 0.5
12.雲母チタン※8 14
13.ホウケイ酸(Ca/Al)※9 2
14.酸化亜鉛(六角板状 平均粒径0.3μm) 0.5
15.製造実施例2のポリウレタン 1
16.(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー 4
17.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
18.トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 7
19.流動パラフィン(10cSt) 10
20.ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル 10
21.メチルフェニルポリシロキサン 8
22.ジプロピレングリコール 0.1
23.セージ油 0.3
24.アーモンド油 0.3
25.香料 0.2
※7:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
※8:BLONDIEE SUPER BRONZE N-2220S(CQV社製)
※9:マイクログラスシルキーフレークFTD025FY-F02(日本板硝子社製)
(1)成分1~14ををスーパーミキサーで均一に混合する。
(2)成分15~25を90℃にて均一に混合溶解する。
(3)25℃で(1)に(2)を添加し万能攪拌機で均一に混合する。
(4)(3)をスクリューフィーダー付充填機を用いて容器に充填後にドーム状にプレス成型し、チークカラーを得た。
(成分) (%)
1.ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理黄色酸化鉄 2
2.ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理赤色酸化鉄 0.8
3.ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理黒色酸化鉄 0.3
4.ラウロイルリシン 2
5.アミノ変性シリコーン1%処理合成金雲母 8
6.ラウリン酸亜鉛2%処理タルク 残量
7.酸化チタン被覆合成金雲母※10 8
8.球状シリカ※11 4
9.球状(HDI/PPG/ポリカプロラクタン)クロスポリマー 4
10.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa2%処理酸化チタン※12
8
11.酸化亜鉛※13 3
12.パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
13.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 3
14.トリプロピレングリコール 3
15.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 10
16.スクワラン 5
17.メドウフォーム油 5
18.コハク酸ジエチルヘキシル 8
19.製造実施例4のポリウレタン(純分30%) 5
20.製造実施例5のポリウレタン(純分30%) 2
21.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5
22.パルミチン酸デキストリン 1
23.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2
24.リンゴ酸ジイソステアリル 1
25.ヒアルロン酸Na 0.1
26.トコフェロール 0.1
27.1,3-ブチレングリコール 0.5
28.グリセリン 1
29.精製水 1
※10:HERIOS R10R(トピー工業社製)
※11:ゴッドボールE-90C(鈴木油脂工業社製)
※12:MP-70(テイカ社製)
※13:XZ-3000F(堺化学工業社製)
(1)成分1~11をスーパーミキサーで均一に混合する。
(2)成分12~24を80℃にて均一に混合溶解する。
(3)成分25~29を均一に混合する
(4)25℃で(1)に(2)と(3)を添加し万能攪拌機で均一に混合する。
(5)(4)をスクリューフィーダー付充填機を用いて容器に充填後に立体花形のレリーフ付きプレス成型し、ファンデーションを得た。
(成分) (%)
1.オクチルトリエトキシシラン3%処理黒酸化鉄 2
2.オクチルトリエトキシシラン3%処理群青 0.5
3.カーボンブラック 0.3
4.ナイロンパウダー 5
5.ラウリン酸亜鉛3%処理タルク 15
6.ミリスチン酸亜鉛2%処理マイカ 残量
7.製造実施例3のポリウレタン 2
8.イソドデカン 10
9.トリメチルシロキシケイ酸の50%シクロペンタシロキサン溶液※14
15
10.ポリメチルシルセスキオキサン※15 5
11.メチルトリメチコン 5
12.カプリリルメチコン 3
13.トリイソステアリン酸ジグリセリル 4
14.トリメリト酸トリトリデシル 13
15.カプリリルグリコール 0.3
16.香料 0.1
※14:KF-9021(信越化学工業社製)
※15:SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(1)成分1~6をスーパーミキサーで均一に混合する。
(2)成分7~16を80℃にて均一に混合溶解する。
(3)25℃で(1)に(2)を添加し万能攪拌機で均一に混合する。
(4)をスクリューフィーダー付充填機を用いて容器に充填後プレス成型し、アイライナーを得た。
Claims (10)
- 次の成分(A)~(C);
(A)油溶性ポリウレタン
(B)25℃で液状の油剤
(C)粉体
を含有する固形化粧料であり、前記成分(A)が、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(A)及び(B)の質量比率(A)/(B)が0.01~0.15かつ、前記成分(B)及び(C)の質量比率(B)/(C)が0.6~1.2である固形化粧料。 - 前記成分(A)が、重量平均分子量10000~100000である、請求項1に記載の固形化粧料。
- 前記成分(B)のうち、50質量%以上がIOB値0.3未満である、請求項1又は2に記載の固形化粧料。
- 前記成分(B)が、平均エステル化度が70モル%以上であるエステル油を含むものである、請求項1~3の何れか1項に記載の固形化粧料。
- 前記成分(B)が、非揮発性シリコーン油を含むものである、請求項1~4の何れか1項に記載の固形化粧料。
- 前記成分(C)が、平均粒子径100nm以下の粉体を含むものである、請求項1~5の何れか1項に記載の固形化粧料。
- 前記成分(C)が、疎水化されていても良い煙霧状シリカを含むものである、請求項1~6の何れか1項に記載の固形化粧料。
- 前記成分(C)のうち、アスペクト比10以上の板状粉体を(C)成分中に50質量%以上含むものである、請求項1~7の何れか1項に記載の固形化粧料。
- 前記成分(B)が、イソドデカン、流動パラフィン、スクワラン、イソステアリン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシルのうち1種または2種以上含むことを特徴とする請求項1~8の何れか1項記載の固形化粧料。
- 目周り、頬、または顔全面に塗布するメイクアップ製品であることを特徴とする請求項1~9の何れか1項記載の固形化粧料。
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