以下、図示する例に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の移植機を適用した乗用田植機の全体側面図及び全体平面図であり、図3は、操縦部前側を示した要部斜視図である。本乗用田植機は、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2によって支持される走行機体3と、該走行機体3の後方にリンク機構4を介して昇降自在に連結された植付作業機6とを備えている。また、該植付作業機6の両側方側には、圃場面の次工程等に操向基準線を引くための車輪形状のマーカ7,7が左右一対設けられている。
該走行機体3を支持する機体フレーム8は、前方側にボンネット9で囲繞されたエンジン(図示しない)が搭載されており、該エンジンの後方側には、作業者が乗込んで操向操作等を行う操縦部11が設けられている。
前記操縦部11は、作業者が着座する座席12と、前記前輪を操向操作するステアリングハンドル13と、ステアリングハンドル13の左右一方側(図示する例では左側)に設けた主変速レバー14と、ステアリングハンドル13の左右他方側(図示する例では右側)に設けられて走行状態に応じた速度域に変速操作する副変速レバー15と、該副変速レバー15の左右外側に配置されてエンジンの回転数を操作するコントロールレバー16と、ステアリングハンドル13の真下手前側に配置された操作パネル17とが設けられている。該操作パネル17については後述する。
上記主変速レバー14は、前後揺動操作されることにより、走行HST(図示しない)を介して主変速操作をすることができるように構成されている。具体的には、該主変速レバー14は、前後中立位置から左右一方側(図示する例では右側)に傾けた状態から前方揺動操作されることにより、走行HSTを介して前進走行側への無段階の増速操作を行うことができるとともに、該主変速レバー14は、中立位置から左右他方側(図示する例では左側)に傾けた状態から後方揺動操作されることにより、走行HSTを介して後進走行側への無段階の増速操作を行うことができる。
また、該主変速レバー14上部の把持部の内側には、前記植付作業機6の昇降作動と、該植付作業機6の駆動の入切とを操作できる上下一対の昇降スイッチ18が設けられている。該昇降スイッチ18は、前記植付作業機6の上昇作動及び植付停止を操作する昇降スイッチ(上側)18Aと、前記植付作業機6の下降作動及び植付駆動の開始を操作する昇降スイッチ(下側)18Bとが上下に配置されて構成されており、オペレータが主変速レバー14を把持しながら各昇降スイッチ18を親指で押操作することができるように構成されている(図3参照)。
前記植付作業機6は、圃場に植付けられる苗が載置される苗載台21と、該苗載台21に載置された苗の圃場側への植付作業を行う植付部22と、左右側方側に設けられた左右一対の前記マーカ7,7とを備え、後述する昇降制御機構10を介して、前記走行機体3の後部側に昇降駆動可能に連結されるとともに、作業機クラッチによってエンジンからの動力が断続伝動されるように構成されている。
また、該植付作業機6は、詳しくは後述する制御部50により、植付作業機6が上昇作動する上昇状態と、植付作業機6が下降作動する下降状態(又は下端で下降停止した下降停止状態)と、植付作業機6を任意の高さ位置で固定した固定状態と、下降停止状態の前記植付部22を駆動させて植付作業を行う植付状態とに切換える作業機操作制御が実行可能に構成されている。
さらに、該植付作業機6は、詳しくは後述する制御部50により、圃場端側まで植付作業を行った後に圃場端側でUターンするにあたり、所定以上のステアリング操作が検出された場合には、前記植付作業機を自動的に作業高さから非作業高さまで自動的に上昇作動させる旋回アップ制御が実行可能に構成されている。詳しくは後述する。
前記マーカ7,7は、該植付作業機6の左右の側部側にそれぞれ配置されており、次工程の走行基準線を引くことができるように圃場面上を駆動する車輪状に形成されている。また、各マーカ7,7は、左右外側に振出されて圃場面上で回転する振出姿勢と、植付作業機に沿って立上げられた収納姿勢とに切換可能に構成されている。
また、該マーカ7は、後述するマーカ振出制御機構20によって、右側のマーカが振出姿勢で且つ左側のマーカが収納姿勢に切換えられた「右マーカ振出状態」と、左側のマーカが振出姿勢で且つ右側のマーカが収納姿勢に切換えられた「左マーカ振出状態」と、左右両側のマーカが収納姿勢に切換えられた「収納状態」とに切換えることができるように構成されている。
これにより、前記制御部50は、旋回走行時に収納(収容)姿勢から振出姿勢に切換えられる前記マーカ7,7が左右交互なるように各前記マーカの姿勢を制御するオートマーカ制御を実行可能に構成されている。前記マーカ振出制御機構20と前記制御部50によるオートマーカ制御(マーカ制御)の具体的な構成については後述する。
次に、図4乃至6に基づき、前記操作パネルについて説明する。図4は、操作パネルを示した要部平面図であり、図5(A)は、ステアリングハンドル非操作時の操作パネルの見え方を示した図であり、図5(B)は、ステアリングハンドルを大きく右旋回操作した際の操作パネルの見え方を示した図であり、図6は、ステアリングハンドルを小さく右旋回操作した際の操作パネルの見え方を示した図である。
前記操作パネル17は、前記ステアリングハンドル13の直下であって、前記ステアリングハンドル13のステアリング軸の手前側に配置されている。また、該操作パネル17は、その左右方向が前記主変速レバー14と副変速レバー15との間に納まるように延設されたパネル状の部材であって、中央から右部に亘って植付作業機等の各種情報を表示する表示部が設けられ、左部には各種スイッチ操作具が設けられている(図3及び図4参照)。このとき、該操作パネル17の前後幅は、各種スイッチ操作具が配置された左部寄りがより幅広となるように構成されている。
上記表示部は、施肥装置(図示しない)による施肥条止めする状態を報知する施肥条止めランプ25と、該施肥装置内に肥料が詰まっていることを報知する肥料詰まりランプ26と、施肥装置内の肥料の残量が少ないことを報知する肥料ランプ27と、植付作業機6上のマット苗の補給が必要なことを報知する苗補給ランプ28と、前記植付作業機6が植付作業中であること(植付状態に切換えられていること)を報知する植付ランプ29とが左右方向に並べて配置されている。また該表示部の左右両側には、左右一対の前記マーカ7,7の振出姿勢を報知するマーカ表示部31,31が左右に振り分けて配置されている。
該マーカ表示部31は、左右外側を向いた矢印状に形成された報知ランプであり、上記表示部の左端側に配置されて、左側のマーカ7Lが振出姿勢に切換えられた場合に点灯する左マーカ表示部31Lと、上記表示部の右端側に配置されて、右側のマーカ7Rが振出姿勢に切換えられた場合に点灯する右マーカ表示部31Rとから構成されている(図4参照)。
前記操作パネル17は、各種スイッチ操作具として、作業準備スイッチ32と、ヘッドライトのON・OFFを操作する前照灯スイッチ33と、前記旋回アップ制御の実行を操作する旋回アップ制御スイッチ34と、前記オートマーカ制御の実行を操作するオートマーカスイッチ36と、左右一対のマーカスイッチ37,37とが設けられている。
該マーカスイッチ37は、左右一対の前記マーカ7,7にそれぞれ対応する左右一対のスイッチ操作具であって、前記オートマーカ制御によって、前記植付作業機6の下降作動に伴って振出姿勢に切換えられる前記マーカ7が、左右何れのマーカ7であるかを指定することができる。
該マーカスイッチ37は、右側のマーカ7Rを指定する右マーカスイッチ37Rと、左側のマーカ7Lを指定する左マーカスイッチ37Lとが、前記表示部の左右両側に分けて配置さている。これにより、該マーカスイッチ37と対応する前記マーカ表示部31が、前記操作パネル上で前後に並べて配置されている(図4参照)。
該構成によれば、左右の前記マーカスイッチ37L,37Rを表示部の左右両端に分けて配置し、対応するマーカ表示部31L,31Rを前後方向に並べて設けられたことにより、作業者は、前記マーカ表示部31によって左右のマーカの姿勢切換の状況を確認しながら前記マーカスイッチ37を操作することができるとともに、マーカスイッチ37の左右をより直感的に把握できるため、前記マーカスイッチ37の誤操作をより効率的に防止することができる。
ちなみに、前記マーカスイッチ37は、オートマーカスイッチによるオートマーカ制御が実行されていない状態で、左右何れかのマーカスイッチ37が操作された場合には、自動的にオートマーカ制御が実行可能な状態に切換えられるように構成されている。詳しくは後述する。
また、前記操作パネル17は、図5及び図6に示されるように、前記ステアリングハンドル13の直下のステアリング軸手前側に配置されており、該ステアリング軸側から左右方向に延設されたスポークと、リング状の把持部との間に形成される半円状の孔から視認することができるように構成されている。
これに伴い、前記操作パネル17は、肥料補給ランプ27や、苗補給ランプ28や、植付ランプ29や、作業準備スイッチ32等、比較的使用頻度の高い表示ランプや操作スイッチは、ステアリングハンドル13が大きく操向操作されても見え易い左右中央側に配置され(図5(B)参照)、一度押し操作をすれば暫くは確認する必要のない旋回アップ制御スイッチ34や、マーカスイッチ37R等は、ステアリングハンドル13が若干操向操作されても確認できる左右端側に配置され(図6参照)、あまり操作される機会の多くない前照灯スイッチ33や警報停止スイッチ等は、前記ステアリングハンドル13が直進状態でも見えにくい左上に配置されている(図5(A)参照)。
すなわち、前記操作パネル17は、該操作パネル17上に配置される各種ランプや操作スイッチを限られたスペース内でより効率的に配置されている。
上述の構成によれば、前記マーカ7の姿勢切換を操作する一対の前記マーカスイッチ37,37と、前記オートマーカ制御の実行を操作するオートマーカスイッチ36とが、前記操作パネル17上に設けられ、前記植付作業機6の駆動の入切や昇降作動を操作する一対の昇降スイッチ18が、前記主変速レバー14の把持部側に設けられたことにより、前記植付作業機6の駆動や昇降作動の他、前記マーカ7の制御を操作する操作具がすべてステアリングハンドル13回りに集中配置されるため、旋回操作中の植付作業機6の昇降操作やマーカ7の操作をスムーズ且つ容易に行うことができる。
また、前記マーカ7を制御する操作具や表示部を前記ステアリングハンドル13直下の前記操作パネル17に設けたことにより、ステアリングハンドル13回りに植付作業機6の昇降操作やマーカを操作する作業機レバーを設置する必要がなくなるため、より小型の走行機体にもスペース効率良く設置できる。
次に、図7に基づき、前記昇降制御機構について説明する。図7は、昇降制御機構の具体的構成を示した図である。前記植付作業機6は、油圧式アクチュエータである昇降シリンダの伸縮作動よって昇降駆動され、該昇降シリンダの伸縮作動は、コントロールバルブ41の開閉及び切換作動によって制御される。また、走行機体3と植付作業機6とを連結するリンク機構4の前端部には、植付作業機6の昇降高さ、及び動作を検出するリフト角ポテンショ42が設けられている。
上記コントロールバルブ41には、該コントロールバルブ41を開閉及び切換作動させる側面略正方形状の作動アーム43と、植付クラッチの入切操作を行う操作アーム44と、上記作動アーム43と操作アーム44とを係合する側面視略扇形状のリフタカム46と、該リフタカム46の回動位置を検出するリフタカムポテンショ47とがそれぞれ設けられている。
該構成によれば、前記リフタカムモータ48よって、前記リフタカム46を回動駆動させることにより、前記作動アーム43及び操作アーム44が操作されるように構成されている。これにより、該リフタカム46の回動位置を前記リフタカムポテンショ47によって検出することによって、前記植付作業機6の各状態(上昇状態、固定状態、下降状態、下降停止状態)を検出することができるように構成されている。
次に、図8及び図9に基づき、前記マーカ振出制御機構について説明する。図8は、マーカ振出制御機構の平面図であり、図9(A)は、マーカが収納された状態のマーカ振出制御機構の側面図であり、図9(B)は、マーカが振出された状態のマーカ振出制御機構の側面図である。前記マーカ7は、植付作業機の左右外側に振出される振出姿勢と、植付作業機の側部に沿って起立して収納される収納姿勢との何れかに姿勢切換可能に構成されている。
前記マーカ振出制御機構20は、前後回動可能支持された左右の作動アーム51,51と、連係ロッド52を介して前述した植付作業機のリンク機構4と連結されるローラアーム53と、対応する作動アーム51の回動をロックする左右のロックアーム54とを備えている。
上記各作動アーム51,51は、ワイヤ56を介して対応するマーカ7に連結されており、マーカの振出姿勢時において最後方位置に回動する。
上記ローラアーム53は、左右の作動アーム51とそれぞれ当接する2つのローラを有し、植付作業機6の上昇時に前方位置に回動して各作動アーム51を前方に押し上げ、植付作業機6の下降時に後方に回動して各作動アーム51の後方回動を許容する。後方回動が許容された作動アーム51は、マーカ7が振出方向に付勢されているため、自動的に最後方位置まで回動する。
各ロックアーム54は、前後揺動可能に支持され、スプリング(図示しない)で後方に付勢されている。作動アーム51が前方位置に回動されている状態で対応するロックアーム54を後方位置に回動させると、該作動アーム51とロックアーム54が係合し、作動アーム51が前方回動位置で固定され、これにともない対応するマーカ7の動作が収納状態でロックされる。
上記構成の左右のロックアーム54,54は、左右方向の単一の切換アーム57によって切換操作される。該切換アーム57は、長手方向中心側を回動支点として左右回動し、左端部にロッドを介して左側マーカ用の左側ロックアーム54Lが、右端部にロッドを介して右側マーカ用の右側ロックアーム54Rがそれぞれ連結されている。
そして、該切換アーム57は、左端側が前方に傾いて左側ロックアーム54を前方揺動させて左側マーカ7Lのロックを解除し且つ右端側が後方に傾いて右側ロックアーム54を後方揺動させて右側マーカ7Rをロックする「左マーカ振出姿勢」と、右端側が前方に傾いて右側ロックアーム54を前方揺動させて右側マーカ7Rのロックを解除し且つ左端側が後方に傾いて左側ロックアーム54を後方揺動させて左側マーカ7Lをロックする「右マーカ振出姿勢」と、左端部から右端部の全体が略左右方向を向いて両ロックアーム54,54を後方揺動させて両マーカを収納姿勢でロックする「両マーカ収納姿勢」とに姿勢切換えするように構成されている。
上記構成の切換アーム57は、マーカモータ58によって姿勢切換駆動され、該切換アーム57の姿勢を検出スイッチ59によって検出する。
次に、図10乃至13に基づき、前記制御部の具体的な構成について説明する。図10は、制御部のブロック図である。前記制御部の入力側には、前記作業準備スイッチ32と、前記オートマーカスイッチ(マーカ自動スイッチ)36と、植付作業機の上昇スイッチである前記昇降スイッチ(上側)18Aと、植付作業機の下降スイッチである前記昇降スイッチ(下側)18Bと、前記右マーカスイッチ37Rと、前記左マーカスイッチ37Lと、前記リフタカムポテンショ(作業機操作カムポテンショ)47と、前記植付作業機6の昇降高さを検出するリフト角ポテンショ42と、前記検出スイッチ59とが接続されている。
また、前記制御部50の出力側には、前記リフタカムモータ(作業機操作カムモータ)48と、前記マーカモータ58とが接続されている。
図11は、作業機操作制御の処理フロー図である。前記制御部50によって作業機操作制御が実行されると、ステップS11に進む。ステップS11では、昇降スイッチ(下側)18Bの押操作による植付作業機6の下降操作が検出されているか否かが確認され、植付作業機6の下降操作が検出された場合には、ステップS12に進む。
ステップS12では、前記作業準備スイッチ32のON・OFF状態を確認し、作業準備スイッチ32のON状態が検出された場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、前記リフタカムポテンショ47により前記植付作業機6が上昇状態であるか否かを検出し、上昇状態以外であることが検出された場合には、ステップS14に進む。
ステップS14では、前記リフタカムポテンショ47により前記植付作業機6が下降状態であるか否かを検出し、下降状態以外の状態(具体的には固定状態か植付状態)が検出された場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、前記リフタカムポテンショ47により前記植付作業機6が固定状態か否かを検出し、固定状態であることが検出された場合には、ステップS16に進む。
ステップS16では、前記植付作業機6を固定状態から下降状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS15において、固定状態でない場合、すなわち、前記植付作業機6の植付状態が検出された場合には、そのままリターンする。
また、ステップS14において、前記植付作業機6の下降状態が検出された場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、前記リフト角ポテンショ42により、前記植付作業機6が作業高さ(下端側)に到達して下降作動が停止しているか否かを検出し、前記植付作業機6が植付高さで停止していることが検出された場合には、ステップS18に進む。ステップS18では、前記植付作業機6を植付状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS17において、前記植付作業機6の下降作動が停止しておらず、下降作動中であることが検出された場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、植付クラッチ入り待ち状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS13において、前記植付作業機6の上昇状態が検出された場合には、ステップS20に進む。ステップS20では、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS12において、作業準備スイッチ32のOFF状態が検出された場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、リフタカムポテンショ47により、前記植付作業機6が上昇状態であるか否かを検出し、上昇状態が検出された場合には、ステップS20に進み、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS21において、上昇状態以外の状態が検出された場合には、ステップS22に進む。
ステップS22では、前記リフタカムポテンショ47により、前記植付作業機6が固定状態であるか否かを検出し、前記植付作業機6の固定状態が検出された場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、前記植付作業機6が自重によって下降作動する自動(下降)状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS22において、前記植付作業機6が固定状態以外であることが検出された場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記昇降スイッチ(下側)18Bによる前記植付作業機6の下降操作が検出された際に、前記植付作業機6が植付状態であった場合には、植付状態が維持され、前記植付作業機6が任意の高さ位置で固定された固定状態であった場合には、下降状態に切換えられ、前記作業準備スイッチ32が入状態で且つ前記植付作業機6が下降作動中であった場合には、前記植付作業機6が下端側(作業高さ)に到達すると同時に植付状態に切換えられる植付クラッチ入待ち状態に切換えられ、前記植付作業機6が上昇状態であった場合には、前記植付作業機の上昇作動を停止させて固定状態に切換えられるように構成されている。
上記ステップS11において、前記昇降スイッチ(下側)18Bによる前記植付作業機6の下降操作が検出されなかった場合には、ステップS24に進む。ステップS24では、昇降スイッチ(上側)18Aにより、前記植付作業機6の上昇操作がされたか否かが確認され、前記植付作業機6の上昇操作が確認された場合には、ステップS25に進む。
ステップS25では、前記リフタカムポテンショ47により、前記植付作業機6が上昇状態であるか否かを検出し、前記植付作業機6が上昇状態以外の状態であることが検出された場合には、ステップS26に進む。ステップS26では、前記リフタカムポテンショ47により前記植付作業機6が下降状態であるか否かを検出し、下降状態以外の状態(具体的には固定状態又は植付状態)が検出された場合には、ステップS27に進む。ステップS27では、前記植付作業機6を上昇状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS26において、前記植付作業機6の下降状態が検出された場合には、ステップS28に進む。
ステップS28では、リフト角ポテンショ42により、前記植付作業機6の下降作動が停止しているか否か(具体的には作業高さであるか否か)を検出し、前記植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、ステップS29に進む。ステップS29では、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。
その一方で、ステップS28において、前記植付作業機6の下降作動が停止していること(作業高さであること)が検出された場合には、ステップS27に進み、ステップS27では、前記植付作業機6を上昇状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS25において、前記植付作業機6の上昇状態が検出された場合には、該上昇状態を維持したまま、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記植付作業機6の上昇操作が検出された際、前記植付作業機6が下降状態で且つ下端(作業高さ)にあった下降作動が停止している場合、若しくは、任意の高さ位置で固定状態となっている場合には、前記植付作業機6が上昇状態に切換えられ、前記植付作業機6が下降作動中となっていた場合には、前記植付作業機6が固定状態に切換えられ、前記植付作業機6が上昇状態であった場合には、前記植付作業機6の上昇状態が維持されるように構成されている。
上記ステップS24において、前記植付作業機6の上昇操作が検出されなかった場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、植付クラッチ入り待ち状態がセットされているか否かを検出し、植付クラッチ入り待ち状態がセットされている場合には、ステップS31に進む。ステップS31では、前記リフト角ポテンショ42により、前記植付作業機6の下降作動が作業高さで停止しているか否かを検出し、前記植付作業機6が作業高さで下降停止していることが検出された場合には、ステップS32に進む。
ステップS32では、前記植付作業機6を植付状態にセットし、その後、リターンする。なお、ステップS31において、前記植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、その後、リターンする。
また、ステップS30において、植付クラッチ入り待ち状態がセットされていなかった場合には、ステップS33に進む。
ステップS33では、前記リフタカムポテンショ47により、前記植付作業機6が上昇状態か否かを検出し、植付作業機6が上昇状態であることが検出された場合には、ステップS34に進む。ステップS34では、前記リフト角ポテンショ42により、前記植付作業機6の昇降高さが所定高さ以上であるか否かが確認され、前記植付作業機6が所定高さ(最上昇位置)以上であることが検出された場合には、ステップS35に進む。ステップS35では、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS34において、前記植付作業機6の昇降高さが所定高さ(最上昇位置)よりも低い場合には、前記植付作業機6の上昇状態が維持され、その後、リターンする。
また、ステップS33において、前記植付作業機6が上昇状態以外の状態(具体的には、固定状態、下降状態、植付状態)であることが検出された場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記植付作業機6の昇降操作が検出されていない場合には、前記植付作業機6の植付状態と、固定状態はそのまま維持されるように構成されている。また、該制御部50は、前記植付作業機6が植付クラッチ入り待ち状態で且つ植付作業機が下端(作業高さ)で停止していることが検出された場合には、前記植付作業機が自動的に植付状態に切換えられ、前記植付作業機6が上昇状態で且つ最上昇位置まで上昇したことが検出された場合には、前記植付作業機6が固定状態に切換えられて植付作業機の上昇作動が自動的に停止されるように構成されている。
図12は、オートマーカ制御の処理フロー図である。前記制御部によってオートマーカ制御が実行されると、ステップS41に進む。ステップS41では、作業準備スイッチ32のON状態が検出されているか否かが確認され、作業準備スイッチ32のON状態が検出された場合には、ステップS42に進む。その一方で、前記作業準備スイッチ32のOFF状態が検出された場合には、その後、リターンする。
ステップ42では、前記リフト角ポテンショ42によって、前記植付作業機6が下降作動しているか否かが確認され、前記植付作業機6が下降作動していない場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、両落ち操作タイマがセットされ、ステップS44に進む。
ステップS44では、前記リフト角ポテンショ42によって、前記植付作業機6が最上昇位置まで上昇しているか否かが確認され、前記植付作業機6が最上昇位置にあることが検出された場合には、ステップS45に進む。なお、ステップS44において、前記植付作業機6が最上昇位置ではなかった場合には、その後、リターンする。
ステップS45では、後述のオートマーカフラグの自動ON・自動OFFが確認され、オートマーカフラグが自動ONであることが検出された場合には、ステップS46に進む。ステップS46では、植付クラッチフラグのON・OFFが確認され、植付クラッチフラグのON状態が検出された場合には、ステップS47に進む。
ステップS47では、前記マーカ7の振出方向がリセット状態にセットされているか否かが確認され、振出方向がリセット状態以外(具体的には、右振出、左振出)にセットされていることが検出された場合には、ステップS48に進む。ステップS48では、前記マーカ7の振出方向を反転し、その後、ステップS49に進む。すなわち、ステップS48では、振出方向が左振出にセットされていた場合には右振出にセットし、振出方向が右振出にセットされていた場合には左振出にセットする。
ステップS49では、植付クラッチフラグをリセットし、その後、ステップS51に進む。
また、ステップS47において、前記マーカの振出方向がリセットされていることが検出された場合には、ステップS50に進む。ステップS50では、前記マーカ7の振出方向を右振出にセットし、その後、ステップS49に進む。
また、ステップS46において、植付クラッチフラグのOFF状態が検出された場合には、ステップS49に進む。さらに、ステップS45において、オートマーカフラグが自動OFFであることが検出された場合には、ステップS49に進む。
ステップS51では、前記左マーカスイッチ37Lによる左マーカ7Lの振出操作がされたか否かが確認され、左マーカ7Lの振出操作が検出された場合には、ステップS52に進む。
ステップS52では、前記マーカ7の振出方向が「左振出」にセットされているか否かが確認され、前記マーカ7が左振出以外の状態であることが検出された場合には、ステップS53に進む。ステップS53では、前記マーカ7の振出方向を左振出にセットし、ステップS54に進む。ステップS54では、オートマーカフラグを自動ONにセットし、その後、ステップS55に進む。
また、ステップS52において、前記マーカの振出方向が「左振出」にセットされていることが検出された場合には、その後、ステップS55に進む。
また、ステップ51において、左マーカスイッチ37Lによる左マーカ7Lの振出操作が検出されなかった場合には、ステップS56に進む。ステップS56では、前記右マーカスイッチ37Rによる右マーカ7Rの振出操作がされたか否かが確認され、右マーカ7Rの振出操作が検出された場合には、ステップS57に進む。
ステップS57では、前記マーカ7の振出方向が「右振出」にセットされているか否かが確認され、前記マーカ7が右振出以外の状態であることが検出された場合には、ステップS58に進む。ステップS58では、前記マーカ7の振出方向を右振出にセットし、ステップS59に進む。ステップS59では、オートマーカフラグを自動ONにセットし、その後、ステップS55に進む。
また、ステップS57において、前記マーカスイッチにより、右側の前記マーカが振出姿勢に切換えられていることが検出された場合には、ステップS55に進む。また、ステップS56において、右マーカスイッチによる右マーカの振出操作が検出されなかった場合には、ステップS55に進む。
ステップS55では、前記オートマーカスイッチ36の押操作の有無が確認され、前記オートマーカスイッチ36の押操作が検出された場合には、ステップS60に進む。ステップS60では、オートマーカフラグの自動ON又は自動OFFの状態を確認し、オートマーカフラグの自動OFFが検出された場合には、ステップS61に進む。
ステップS61では、オートマーカフラグを自動ONにセットし、その後、リターンする。
また、ステップS60において、オートマーカフラグの自動ONが検出された場合には、ステップS62に進む。ステップS62では、前記マーカ7の振出方向をリセットし、ステップS63に進む。ステップS63では、オートマーカフラグを自動OFFにセットし、その後、リターンする。
また、ステップS55において、前記オートマーカスイッチ36の押操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記オートマーカスイッチ(マーカ自動スイッチ)36の操作がされなかった場合であっても、前記植付作業機6が最上昇位置にある状態で、左マーカスイッチ37L又は右マーカスイッチ37Rによる振出方向を指定する操作が検出された場合には、オートマーカ制御が実行可能な状態に自動的に切換えられるように構成されている。
また、ステップS42において、前記植付作業機6の下降作動が検出された場合には、ステップS64に進む。ステップS64では、両落ち操作タイマの設定時間が残っているか否かが確認され、両落ち操作タイマの設定時間が残っている場合には、ステップS65に進む。なお、ステップS64において、両落ち操作タイマの設定時間が0であることが検出された場合には、その後、リターンする。
ステップS65では、前記左マーカスイッチ37Lにより、左マーカ7Lの振出操作がされたか否かが確認され、左マーカ7Lの振出操作が検出された場合には、ステップS66に進む。
ステップS66では、前記検出スイッチ59により、前記マーカ7が「左マーカ振出姿勢」に切換えられているか否かが確認され、マーカ7が左マーカ振出姿勢以外の状態であることが検出された場合には、ステップS67に進む。
ステップS67では、前記マーカ7の振出方向を左振出にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS65において、左マーカ7Lの振出操作が検出されなかった場合には、ステップS68に進む。ステップS68では、前記右マーカスイッチ37Rにより、右マーカ7Rの振出操作がされたか否かが確認され、右マーカ7Rの振出操作が検出された場合には、ステップS69に進む。
ステップS69では、前記検出スイッチ59により、前記マーカ7が「右マーカ振出姿勢」に切換えられているか否かが確認され、マーカ7が右マーカ振出姿勢以外の状態であることが検出された場合には、ステップS70に進む。ステップS70では、前記マーカの振出方向を右振出にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS69において、前記マーカ7が右マーカ振出姿勢であることが検出された場合には、その後、リターンする。さらに、ステップS68において、右マーカ7Rの振出操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
図13は、旋回アップ制御の処理フロー図である。前記制御部50によって旋回アップ制御が実行されると、ステップS71に進む。ステップS71では、作業準備スイッチ32のON状態が検出されているか否かが確認され、作業準備スイッチ32のON状態が検出された場合には、ステップS72に進む。
ステップS72では、前記旋回アップ制御スイッチがON操作されているか否かが確認され、旋回アップ制御スイッチのON状態が検出された場合には、ステップS73に進む。ステップS73では、前記ステアリングハンドル13が予め定めた所定の操舵角速度ω0よりも早い角速度でステアリング操作されたか否かが確認され、検出された操舵角速度ωが所定の操舵角速度ω0よりも早いことが検出された場合には、ステップS74に進む。
ステップS74では、前記植付作業機6を最上昇位置まで上昇作動させ、その後、リターンする。
また、ステップS73において、操舵角速度ωが所定の操舵角速度ω0よりも遅かった場合と、ステップS72において、前記旋回アップ制御スイッチのOFF状態が検出された場合と、前記作業準備スイッチ32のOFF状態が検出された場合には、ステップS75に進む。
ステップS75では、前記ステアリングハンドル13の操舵角θが予め定めた所定の操舵角θ0以上であるか否かが確認され、前記ステアリングハンドル13が所定の操舵角θ0以上の旋回操作が検出された場合には、ステップS74に進む。
また、ステップS75において、前記ステアリングハンドル13の操舵角θが所定の操舵角θ0以下であった場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、旋回アップ制御スイッチ34がON操作されている場合には、前記ステアリングハンドル13を、所定以上の操舵角速度以上で旋回操作することにより、前記植付作業機6を自動的に最上昇位置まで上昇作動させることができる。また、該旋回アップ制御スイッチ34が操作されていない場合であっても、圃場での植付作業時等におけるUターン時には、前記植付作業機6が自動的に最上昇位置まで上昇作動されるように構成されている。