JP5276553B2 - 水田作業機 - Google Patents
水田作業機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5276553B2 JP5276553B2 JP2009202848A JP2009202848A JP5276553B2 JP 5276553 B2 JP5276553 B2 JP 5276553B2 JP 2009202848 A JP2009202848 A JP 2009202848A JP 2009202848 A JP2009202848 A JP 2009202848A JP 5276553 B2 JP5276553 B2 JP 5276553B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- marker
- predetermined height
- height position
- seedling planting
- lowering
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Transplanting Machines (AREA)
- Lifting Devices For Agricultural Implements (AREA)
- Guiding Agricultural Machines (AREA)
Description
[1]走行機体に対して昇降可能に連結された植播系作業装置としての苗植付け装置の位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に、かつ、その下降作業位置と上昇限界位置との間における任意の高さ位置に植播系作業装置を停止させることも可能にするとともに、マーカを、前記植播系作業装置の昇降に関連して作動する状態と関連作動しないようにする状態とに切り換え可能に構成したもの(特許文献1参照)。
しかしながら、この構造のものでは、苗植付け装置の昇降操作に連動してマーカの出退操作が自動的に行われるようにしてあると、操作具に運転者の身体や衣服の一部が触れてしまった場合などに、実際にはマーカの出退操作を行う必要がない状況で、不要な操作が行われてしまうことがあり、マーカが圃場の端部の畦や立木等の障害物に触れて損傷するなどの不具合を招く虞がある。
しかしながら、この構造ものでは、苗植付け装置が前記所定高さ以下の低い位置から高い位置に移行する際には、苗植付け装置の昇降作動に関連して、マーカも格納姿勢となるように操作されるので、この所定高さ以下の低い位置で、前記[1]の場合と同様な不具合、つまり、操作具に運転者の身体や衣服の一部が触れてしまった場合などに、実際にはマーカの出退操作を行う必要がない状況で、不要な操作が行われてしまう虞がある。
本発明にかかる水田作業機は、播種又は苗植付けを行う植播系作業装置を、走行機体に対して昇降操作自在に装備し、この植播系作業装置の対機体高さ位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に構成するとともに、前記植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された田面に指標を形成するためのマーカを備え、このマーカを植播系作業装置の上昇作動に際して作用姿勢から格納姿勢に姿勢変更されるように構成し、前記下降作業位置と上昇限界位置との間における前記植播系作業装置の昇降作動行程の途中に所定高さ位置を設定し、前記植播系作業装置の昇降作動方向、及び前記植播系作業装置が前記所定高さ位置の上側または下側の何れの側に位置するかの判別結果に基づいて、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動を停止し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われ、かつ前記所定高さ位置の下側における前記マーカの姿勢が、前記昇降作動行程の上昇行程でも下降行程でも同じ作用姿勢に維持されるように構成してあり、さらに、前記所定高さ位置を設定変更可能に構成してある点に構成上の特徴がある。
上記解決手段1で示した本発明の構成によると、田面に指標を形成するためのマーカの作動状態を、植播系作業装置の昇降作動行程中における所定高さ位置の上側と下側とで作動状態が異なるように設定してあるので、植播系作業装置が昇降作動行程中の所定高さ位置に達するまでは無用な作動を行わせず、所定高さ位置に達してから必要な作動が行われるように構成することができる。したがって、必要な作動状態を必要な範囲で的確に働かせることができ、作動状態とする必要のない範囲で作動することによる無駄や弊害を少なくすることができる。
また、田面に指標を形成するためのマーカにおいて、植播系作業装置の昇降作動行程中における所定高さ位置の下側における作動状態は、上昇行程でも下降行程でも同じ作動状態に維持されるように構成してあるので、所定高さ位置の下側で昇降方向を変化させても作動状態は変化しない。したがって、例えば誤操作が行われても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作が実行される前に正しい操作状態に修正することが容易である。
そして、前記所定高さ位置は設定変更可能に構成されているので、所定高さ位置を設定する際に、対象となる作業内容や操縦者の感覚に応じて適正な高さに設定することができ、操作感覚の良い状態での作業を行い易いという利点がある。
したがって、前記下降作業位置にある植播系作業装置を誤って上昇側に操作しても、そのことに気付いてから所定高さ位置を越えるまでに操作をやり直せば、誤操作が実行される前に正しい操作状態に修正し、無用なマーカの格納操作や、それに伴う、左右マーカの切り換え作用などが生じることを回避できる利点がある。
したがって、例えば機体を後進させるときに、植播系作業装置を下降作業位置から所定高さ位置を少し越えた高さ位置にまで上昇させてから後進を行うと、植播系作業装置は所定高さ位置を少し越える位置まで上昇しているので、後進に際して整地フロートを浮かしぎみにして泥波の発生を回避し得るとともに、その状態でマーカは格納姿勢に操作される。
このように、植播系作業装置を所定高さ位置を少し越えた高さ位置という、比較的低い高さ位置にまで上昇させての後進を支障なく行えるので、植播系作業装置を上限まで大きく上昇させた場合のような後方視界の妨げを招いたり、植播系作業装置の昇降動作に無用な時間を費やす必要がないという利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、上昇限界位置と所定高さ位置とを設定変更可能に構成してあり、かつ、これらの両位置のうち一方を設定変更すると他方も連動して設定変更されるように構成してある。
上記解決手段2で示した本発明の構成によると、上昇限界位置と所定高さ位置とのうち一方を設定変更すると他方も連動して設定変更されるものであるから、上昇限界位置と所定高さ位置とのうちのいずれか一方の高さ位置を設定変更するだけで他方の高さ位置も設定変更できるので、変更調節操作を楽に行える利点がある。
また、上昇限界位置と所定高さ位置との高さの差を維持したままで設定変更できるので、この差を適正な範囲に維持しての高さ位置の設定変更を容易に行える利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、所定高さ位置に対して上昇限界位置を独立して設定変更可能に構成してあることである。
上記の解決手段3にかかる本発明の水田作業機では、所定高さ位置に対して上昇限界位置を独立して設定変更可能であるから、所定高さ位置を所定どおりに設定しておきながら、上昇限界位置の高さを自由に設定変更させられることにより、上昇限界位置と所定高さ位置との高さの差を所望の範囲に設定変更することができる。
これによって、植播系作業装置の上昇限界位置をあまり高くしたくない条件下での作業を行う場合は上昇限界位置を低くすることができ、また、植播系作業装置の上昇限界位置を極力高くして前方側へ寄せて位置させたい場合などには、逆に上昇限界位置を高くすることができ、上昇限界位置の設定を任意に行える利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項4に記載のように、走行機体における走行形態を判別し、所定の走行形態のときに、植播系作業装置の上昇限界位置又は所定高さ位置を設定変更するように構成してあることである。
上記のように、解決手段4にかかる本発明の水田作業機では、走行機体における走行形態の判別結果から、所定の走行形態のときに、植播系作業装置の上昇限界位置又は所定高さ位置を設定変更するようにしたものであるから、走行形態に適した上昇限界位置又は所定高さ位置を設定することができる。
すなわち、例えば走行形態が圃場での植え付け作業時における圃場端での旋回時の走行形態であれば、植播系作業装置の上昇限界位置を比較的低くして、上限までの植播系作業装置の昇降に要する時間を短縮し、また、路上での走行形態であれば、植播系作業装置の上昇限界位置も所定高さ位置も高くして他物との接触を回避し易くするなど、走行形態に適した状態に設定変更することができる。
〔水田作業機の全体構成〕
図1に示すように、水田作業機の一例である乗用型田植機は、左右一対の操向操作自在な前車輪11、及び、左右一対の後車輪12を備えた走行機体1の前部にエンジン10を搭載し、エンジン10の後方側で走行機体1の前後方向中央部にステアリングハンドル13及び運転座席14を有した搭乗型運転部を備え、走行機体1の後部にリフトシリンダ15を有したリンク機構16を介して植播系作業装置の一例である苗植え付け装置2を連結してある。水田は一般に下方の硬い耕盤G1の上に泥や水の層が形成されて、泥や水の層の最上面が田面G2となっており、右及び左の前車輪11、右及び左の後車輪12は耕盤G1に接地して走行する。
この苗植え付け装置2の走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18が備えられており、このポテンショメータ18の検出値、及び搭乗運転部に設けたメインスイッチ75の検出信号が後述する制御装置100に入力されている。
また、前記苗植え付け装置2は、前記リンク機構16に対して、前後方向軸心P周りで左右揺動自在に枢支連結されているとともに、ローリング駆動機構4により走行機体に対して所定の水平方向姿勢を保つようにローリング制御されるように構成してある。
これとともに、施肥装置3の肥料タンク31の下部に連結している繰り出し機構32が肥料タンク31から粉粒状の肥料を設定量ずつ繰り出し、繰り出し機構32からの肥料を電動モータで駆動される施肥ブロワ33からの搬送風によって施肥ホース34に供給し、接地フロート22に設けた作溝器35が植付け機構23による植付け苗の横側近くで田面G2に施肥溝を形成し、この施肥溝に施肥ホース34からの肥料を供給していく。
苗植え付け装置2は、図1乃至図3に示すように、横方向に沿う角形鋼管材で成るメインフレーム25、このメインフレーム25の中央部に連結された前記フィードケース21、前記メインフレーム25の複数箇所から後方向きに延出された4個の植付け駆動ケース26などによって構成される植付け枠体20を備えている。
そして、前記各植付け駆動ケース26の後端部における両横側に、それぞれ植付け機構23を回転駆動自在に設け、植付け枠体20の前記各植付け機構23よりも前方に、前端側ほど高く位置する前上がり傾斜姿勢の苗のせ台24を設け、前記植付け枠体20の下部に前記各接地フロート22を支持させて、8条植型式に構成してある。
図2に示すように、前記植付け駆動ケース26には、その各植付け駆動ケース26の左右に備えられた植付け機構23への動力伝達を、各植付け駆動ケース26毎に断続するための少数条クラッチ27が内装されており、この少数条クラッチ27は、図示しない電動モータにより各別に入り切り操作されるように、後述する制御装置100に連係されている。
これにより、ローリング駆動機構4は、ローリングモータ40が正回転方向や逆回転方向に駆動操作されることにより、ローリングモータ40によって駆動揺動されるローリング操作アーム44によって一方の連結スプリング46を介して植付け枠体20の横方向での一端側を引っ張り操作したり、他方の連結スプリング46を介して植付け枠体20の他端側を引っ張り操作したりすることにより、苗植え付け装置2をローリング軸芯Pまわりで走行機体1に対してローリング操作する。尚、図3,4に示す符号47は、前記支持体43の上端部と、その左右両側の前記苗載せ台支持枠29の適所とを連結するバランススプリングであり、苗植え付け装置2の前記ローリング軸芯Pまわりでの自由揺動にある程度の抵抗を与えるためのものである。
前記下降使用姿勢に操作されたマーカ5は、マーカ輪体5Cが車体走行のために田面G2で転動してマーカ輪体5Cの輪体周方向に並んでいるマーカ爪5Dが泥土を持ち上げて田面G2に盛り上げていき、進行方向に点在していく盛り上げ泥土によって走行目標線を田面G2に形成するものである。
前記マーカモータ52は、メインフレーム25に設けた操作ケース53に内装され、このマーカモータ52の動力は、マーカモータ52の出力を、ウォームギヤを内装する減速ギヤボックス52Aからの出力用ピニオンギヤ55を介して、前記クランク操作体58の駆動ギヤ56に伝達されるように構成してある。
図5に示すように、このマーカ操作機構50のスプリング59は、基端側マーカアーム5Aの前記連結ピン22の位置と、スプリング59のメインフレーム25側の係止孔25aによって構成される係止点とを結ぶ仮想線分xよりも上方側で、前記基端側マーカアーム5Aにスプリング59の一端側が連結されているので、そのスプリング59の付勢力がマーカ5を上昇格納姿勢側に付勢する方向で作用するように構成されている。
マーカモータ52が下降側に駆動操作されてクランク操作体58をマーカ下げ側に回動駆動すると、操作ロッド51がスプリング59の付勢力に抗してマーカ5を押し下げ操作することにより、マーカ操作機構50は、マーカモータ52の駆動力とマーカ5の自重とによってマーカ5を下降使用姿勢に切り換え操作する。
図2,7に示すように、搭乗運転部のステアリングハンドル13の付近に、植播系作業装置としての苗植え付け装置2の昇降操作、及びマーカ5を出退操作するための人為操作具として、1本の操作レバー6を備えている。またこの操作レバー6とは別に、運転座席14の右横側部箇所に植播系作業装置としての苗植え付け装置2を昇降操作するための昇降レバー36を配設している。
この昇降レバー36は、「自動」位置、「上昇」位置、「中立」位置、「下降」位置、及び「植付」位置に操作自在に構成されており、昇降レバー36の操作位置を検出するポテンショメータからなるレバー位置検出センサ37の検出信号、及び搭乗運転部に設けたメインスイッチ75の検出信号が制御装置100に入力されている。
この操作レバー6は、上下方向に並ぶ一組の指令スイッチ60,61,62,63の組み合わせで、苗植え付け装置2の昇降作動を司る昇降指令手段6Aを構成し、前後方向に並ぶ一対の指令スイッチ64,65の組み合わせでマーカ5の出し入れ操作を司るマーカ作動指令手段6Bを構成している。
そして、操作レバー6が中立位置Nから車体上方側に揺動操作されると、他方の指令スイッチ60,61が操作レバー6によって切り換え操作されて苗植え付け装置2を上昇非作業状態に上昇操作させるとともに作業クラッチ70を切り状態に切り換え操作させるべき作業解除指令を電気信号にして制御装置100に出力する。
この条選択操作具73は、プッシュオン・プッシュオフ型式の押しボタン式に構成されていて、各押しボタンスイッチのボタン部分にランプまたはLEDなどの光源が内装されている。したがって、何れの押しボタンスイッチが入りまたは切り操作されているのかの表示が可能であるとともに、その何れの押しボタンスイッチが押し操作されたかの検出信号が制御装置100に入力されるように構成してある。
この警報装置74は、苗植え付け装置2の苗のせ台24上での搭載苗が不足する状態であることを検出する苗切れ検出センサ76、施肥装置3の肥料切れ状態を検出するための肥料切れ検出センサ77、苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出するためのクラッチセンサ72などの検出信号が制御装置100の警報制御手段106に入力され、前記各センサ76,77,72の何れかが植付け不能状態を検出したときに、警報制御手段106が警報装置74に対して警報作動のための指令を出力するように構成してある。
制御装置100はマイクロコンピュータを利用して構成してある。この制御装置100は、リフトシリンダ昇降制御手段101,ローリング制御手段102、少数条クラッチ制御手段103、マーカ出し入れ制御手段104、施肥ブロア制御手段105、及び警報制御手段106を制御用プログラミングとして記憶保持しているとともに、植播系作業装置としての苗植え付け装置2の上昇限界位置と下降作業位置との間の所定高さ位置を設定するために備えてある所定高さ設定器38で設定された所定高さ位置の値、並びに左右各マーカ5の作動状態などをその都度記憶する不揮発性メモリーからなる記憶手段107を備えている。
前記所定高さ設定器38の操作信号を受けて設定される所定高さ位置H2は、所定高さ設定器38の操作によって任意の値に設定変更可能であり、設定された所定高さ位置H2は、最も新しく設定された所定高さ位置H2が記憶手段107に記憶保持されるように構成されている。
この記憶手段107に記憶された所定高さ位置H2が前述の各制御手段、すなわち、ローリング制御手段102、少数条クラッチ制御手段103、マーカ出し入れ制御手段104、施肥ブロア制御手段105、警報制御手段106における制御を行う際の基準となる所定高さ位置H2として利用される。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程で、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、マーカ5を作用姿勢に維持した状態で上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎるとマーカ5を格納姿勢に姿勢変更しながら上昇させるように制御する。
したがって、前記所定高さ位置H2を境にして、これよりも高い領域での作動行程hHと、低い領域での作動行程lHとでは、同じ下降行程中では、マーカ5の姿勢が格納姿勢から作用姿勢に変化し、上昇行程中では作用姿勢から格納姿勢に変化している。しかし、同じ領域内での作動行程、つまり、低い領域での作動行程lHでは、下降行程でも上昇行程でもマーカ5の姿勢は作用姿勢であり、高い領域での作動行程hHでは、下降行程でも上昇行程でもマーカ5の姿勢は格納姿勢となるように制御される。
このとき、前記所定高さ位置H2の値を、前記所定高さ設定器38の操作によって設定変更すると、所定高さ位置H2の田面G2からの値が変化するので、作業環境や使用目的などによって、前記所定高さ位置H2の値を任意の値に設定することができる。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、苗植え付け装置2をローリング制御状態に維持して上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎると苗植え付け装置2をローリングロック状態に制御形態を変更しながら上昇させるように制御する。
したがって、前記所定高さ位置H2を境にして、これよりも高い領域での作動行程hHと、低い領域での作動行程lHとでは、同じ下降行程中では、ローリング制御状態がローリングロック状態からローリング制御状態に変化し、上昇行程中ではローリング制御状態からローリングロック状態に変化している。しかし、同じ領域内での作動行程、つまり、低い領域での作動行程lHでは、下降行程でも上昇行程でもローリング制御状態であり、高い領域での作動行程hHでは、下降行程でも上昇行程でもローリングロック状態となるように制御される。
このローリング制御手段102においても、前記所定高さ位置H2の値を、前記所定高さ設定器38の操作によって設定変更することができる。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、警報装置74を作動状態に維持して上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎると警報装置74の作動を停止させた状態に制御形態を変更しながら上昇させるように制御する。
この警報装置74においても、前記所定高さ位置H2の値を、前記所定高さ設定器38の操作によって設定変更することができる。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、条選択操作具73で選択されてクラッチ切り状態にある一部の少数条クラッチ27のクラッチ切り状態を維持したままで上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎてから、クラッチ切り状態に操作されていた少数条クラッチ27の全部をクラッチ入り状態に戻して(全条植え可能な状態)上昇させるように制御する。
逆に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に位置する状態から上昇する上昇行程では、その途中に設定された所定高さ位置H2に達するまでは、施肥ブロワ33の作動状態を維持したままで上昇させ、所定高さ位置H2を過ぎてから、施肥ブロワ33の作動を停止するように変更しながら上昇させるように制御する。
昇降レバー36の操作位置は「自動」位置であることがポテンショメータからなるレバー位置検出センサ37によって検出されると、操作レバー6による苗植え付け装置2の昇降作動を司る昇降指令手段6Aでの昇降操作が可能となる。
つまり、操作レバー6を中立位置Nから上方の第1上昇位置U1、第2上昇位置U2,下方の第1下降位置D1、第2下降位置D2へ操作するに伴って、油圧シリンダ15が伸縮作動され、苗植え付け装置2が昇降操作される。
前述したように昇降レバー36を「自動」位置に操作した状態では、操作レバー6の昇降指令手段6Aとしての昇降操作の機能が働き、これとともに制御装置100に備えた各制御手段101〜107を作動させ、以下のような制御機能が発揮される。
さらに、上記のように操作レバー6を第2下降位置D2に操作した後、操作レバー6を再び第2下降位置D2に操作すると(再び第2下降位置D2に操作して手を離し中立位置Nに戻ると)、自動昇降制御が作動した状態で、作業クラッチ70が同時に伝動状態に操作される。
図9乃至図16に示すように、制御装置100は、上記リフトシリンダ15の昇降制御、苗植え付け装置2のローリング制御に加えて、メインスイッチ75からの情報、昇降指令手段6Aによる昇降指令、ポテンショメータ18による苗植え付け装置2の対機体高さの検出結果、及び各センサ22a,66,67,76,77による検出情報を基に左右のマーカ操作機構50を操作、及び、少数条クラッチ27、施肥ブロア33、警報装置74などを操作する。
リフトシリンダ昇降制御を行うサブルーチンでのリフトシリンダ15の昇降制御は、図10に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#10で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を読み込み、ステップ#11〜#13で、人為操作具としての操作レバー6で操作される昇降指令手段6Aでの操作状態を判断している。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であれば、ステップ#14,#15,#22に示すように、その操作が終了するまで苗植え付け装置2を上昇作動させて停止し、第1上昇位置U1でなければ、ステップ#12に示すように第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
その判別結果、第2上昇位置U2であれば、ステップ#16,#17,#22に示すように、苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に達するまで苗植え付け装置2を上昇作動させて停止し、第2上昇位置U2でなければ、ステップ#13に示すように第1下降位置D1であるのか否かを判別する。
判別結果が第1下降位置D1であれば、ステップ#18,#19,#22に示すように、その操作が終了するまで苗植え付け装置2を下降作動させて停止し、第1下降位置D1でなければ、必然的に第2下降位置D2であるから、ステップ#20,#21,#22に示すように、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達するまで苗植え付け装置2を下降作動させて停止する。
ローリング制御を行うサブルーチンでのローリング駆動機構40の作動は、図11に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#23で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報を読み込み、ステップ#24で苗植え付け装置2の現在の左右傾斜角度の情報を、傾斜センサ41、及び苗植え付け装置2のローリング軸心Pまわりの回転角を検出するストロークセンサ42の検出信号に基づいて読み込み、ステップ#25で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していなければ、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#28及びステップ#29に示すように、ローリングモータ40を駆動して、苗植え付け装置2の左右傾斜角度がローリング制御目標に達するように、ローリング制御する。
少数条クラッチ制御を行うサブルーチンでの少数条クラッチ27の入り制御は、図12に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#90で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報、及び条選択操作具73での少数条クラッチ27の選択結果の情報を読み込み、ステップ#91で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体1に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
ステップ#92で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在しているか否かを判断し、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していれば少数条クラッチ27の入り制御は行わず、切り状態にある少数条クラッチ27はそのまま切り状態に維持される。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2であれば、ステップ#94及びステップ#95に示すように、苗植え付け装置2が所定高さ位置H2を越えるまでは少数条クラッチ27の入り制御は行わず、切り状態にある少数条クラッチ27はそのまま切り状態に維持し、前記苗植え付け装置2が所定高さ位置H2を越えると全ての少数条クラッチ27を入り状態に切り換えるように制御する。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2でなければ、少数条クラッチ27の入り制御は行わず、切り状態にある少数条クラッチ27はそのまま切り状態に維持される。
マーカ出し入れ制御を行うサブルーチンでの苗植え付け装置2の昇降とマーカ5の出し入れ制御は、図13乃至図15に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#40で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報、及び、昇降レバー36の操作位置を検出するレバー位置検出センサ37と、操作レバー6の操作状態と検出する昇降指令手段6A及びマーカ作動指令手段6Bとの操作状態に基づく、右及び左の各マーカ5の最終の操作状態を記憶する前記記憶手段107に記憶されている情報を読み込み、ステップ#41で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体1に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していなければ、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#64に示すように、マーカ操作機構50を駆動して、前記記憶手段107に、最終に作用姿勢であったと記憶されている側のマーカ5とは反対側のマーカ5が作用姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御する。
昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1でなければ、ステップ#45に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2でなければ、ステップ#46に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1であるのか否かを判別する。
ステップ#54で苗植え付け装置2の対機体高さが所定高さH2に達するまでに前記昇降指令手段6Aによる操作が終了した場合には、ステップ#55,#63に示すように、苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
第1下降位置D1の操作が終了する前に、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達した場合にも、ステップ#58,#63に示すように苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
ステップ#46で、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1でないと判断した場合には、ステップ#47に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2であるのか否かを判別する。
苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達すると苗植え付け装置2の下降作動を停止して上位ルーチンへ戻る。
前記ステップ#47で、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2でないと判断した場合には、昇降指令手段6Aによる操作が中立位置Nであるから、そのまま上位ルーチンへ戻る。
この場合には、ステップ#64に示すように、マーカ操作機構50を駆動して、前記記憶手段107に、最終に作用姿勢であったと記憶されている側のマーカ5とは反対側のマーカ5が作用姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御し、その後、ステップ#65に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1であるのか否かを判別する。
上記の昇降指令手段6Aによる操作が終了するまでの間のステップ#70で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2に達したか否かを判断し、所定高さ位置H2に達した後の上昇行程ではマーカ5が格納姿勢となるように、マーカ5姿勢を制御している。ステップ#71に示すように、前記所定高さ位置H2に達する前に昇降指令手段6Aによる操作が終了すると、その終了時点で苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
ステップ#66では、昇降指令手段6Aによる操作が、第2上昇位置U2であれば、ステップ#75〜#79に示すように、昇降指令手段6Aによる操作後に苗植え付け装置2が上昇限界位置H3に達するまで上昇駆動し、上昇限界位置H3に達した後に苗植え付け装置2の上昇駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
上記の昇降指令手段6Aによる操作が終了するまでの間のステップ#76で、苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2に達したか否かを判断し、所定高さ位置H2に達した後の上昇行程ではマーカ5が格納姿勢となるように、マーカ5の姿勢を制御している。
ステップ#67では、昇降指令手段6Aによる操作が、第1下降位置D1であれば、ステップ#80,#81,#82,#85に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が終了するまで苗植え付け装置2を下降駆動し、操作終了後に苗植え付け装置2の下降駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
ステップ#68では、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2であれば、ステップ#83〜#85に示すように、昇降指令手段6Aによる操作によって苗植え付け装置2を下降駆動し、苗植え付け装置2が下降作業位置H1に達した後に苗植え付け装置2の下降駆動を停止して上位ルーチンへ戻る。
前記ステップ#68で、昇降指令手段6Aによる操作が、第2下降位置D2でないと判断した場合には、昇降指令手段6Aによる操作が中立位置Nであるから、そのまま上位ルーチンへ戻る。
施肥ブロア制御を行うサブルーチンでの施肥ブロア33の駆動停止制御は、図16に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#100で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報を読み込み、ステップ#101で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込む。
ステップ#102で、レバー位置検出センサ37の検出値から昇降レバー36が「植付」位置に操作されているか否かを判別、もしくは、クラッチセンサ72が作業クラッチ70のクラッチ入り状態を検出したか否かを判別する。、前記昇降レバー36が「植付」位置に操作された、またはクラッチセンサ72が入り操作されたと判別されると、ステップ#3で示すように施肥ブロア33を作動させる。何れも判別されない場合には、施肥ブロア33を作動させずに待機する。
前記クラッチセンサ72の検出は、昇降レバー36の「自動」位置で操作レバー6を第2下降位置D2側へ再度操作してクラッチセンサ72が入り操作されたことを検出するためである。また、前記昇降レバー36が「植付」位置に操作されたことを検出するのは、作業クラッチ70が入り操作される時点よりも前に施肥ブロア33を作動させる際の信号を得るためであり、何れか先に検出された信号に基づいて施肥ブロア33を作動させるように構成してある。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していない場合には、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#105に示すように、昇降指令手段6Aによる操作が、第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2であるのか否かを判別する。
昇降指令手段6Aによる操作が、前記第1上昇位置U1又は第2上昇位置U2でなければ、施肥ブロア33の停止制御は行わず、駆動状態にある施肥ブロア33はそのまま駆動状態に維持される。
警報制御を行うサブルーチンでの警報装置74の作動制御は、図17に示す如く行なわれる。
すなわち、ステップ#110で記憶手段107に記憶されている所定高さ位置H2の情報を読み込み、ステップ#111で苗植え付け装置2の現在の高さ位置に関する情報を、走行機体に対するリンク機構16の上下角度を検出するポテンショメータ18の検出信号から読み込み、ステップ#112で苗のせ台上での搭載苗が不足する状態であることを検出する苗切れ検出センサ76による検出信号を読み込み、ステップ#113で施肥装置3の肥料切れ状態を検出するための肥料切れ検出センサ77による検出信号を読み込み、ステップ#114で苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出するためのクラッチセンサ72の検出信号を読み込む。
苗植え付け装置2の現在の高さ位置が、所定高さ位置H2よりも高い領域での作動行程hH中に存在していない場合には、すなわち、所定高さ位置H2よりも低い領域での作動行程lH中に存在している状態であれば、ステップ#117に示すように、苗切れ検出センサ76による苗切れ状態であるのか否かを判別し、苗切れ状態であればステップ#118に示すように警報装置74を作動させる。
肥料切れ状態でなければ、次に、ステップ#121で苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出するためのクラッチセンサ72の検出信号を読み込む。
ステップ#121で苗植え付け装置2に動力を伝える作業クラッチ70が入り状態でないことを検出すると、ステップ#122に示すように警報装置74を可動させ、作業クラッチ70が入り状態であることを検出した場合には、作動停止状態にある警報装置74はそのまま作動停止状態に維持される。
接地フロート22は、進行方向後方側の揺動支点P1周りで先端側が上下揺動するように苗植え付け装置2に装着してある。そして、田面G2に対する滑走時の姿勢が、フロートセンサ22aの検出値に基づいて、図19に示すように、前記揺動支点p1周りでの予め設定された基準の所定角度θとなるように、苗植え付け装置2の全体を昇降させることにより制御されるものであり、この所定角度θが予め設定された範囲に保たれるように前記揺動支点p1の高さ位置を調節することによって苗植え付け深さを所定の値に保つように制御している。
ところが、水田作業機では、車速が早くなると接地フロート22に作用する泥面の抵抗が大きくなって、接地フロート22が押し上げられる傾向がある。このため、その押し上げられた接地フロート22の揺動角度を基準にして苗植え付け装置2の昇降調節が行われると、植付け深さが浅くなりすぎる虞がある。
このため、従来では、接地フロート22の田面G2に対する基準の滑走姿勢時の所定角度θを、図示しない感知ダイアルなどの人為的な設定操作具で設定変更できるようにしていたが、これでは、車速の変化などには対応させにくいものであった。
この実施形態では、図示しないエンジン回転数検出装置からの検出信号に基づいて、接地フロート22の田面G2に対する基準の滑走姿勢時の所定角度θを、車速に応じて自動的に変更するように構成したフロート角度変更手段(図示せず)を、前記制御装置100に設けたものである。
このフロート角度変更手段は、図20に示すように、車速が中低速度である場合の第1基準所定角度θ1から車速が高速度である場合の第2基準所定角度θ2の間で、車速に対する所定角度θの値が漸次変化するように設定してある。
また、第1基準所定角度θ1から第2基準所定角度θ2の間における、車速に対する所定角度θの値の変化は、図20に図示されたような直線的な変化ではなく、二次曲線によるより滑らかな変化となるように設定してもよい。
図21は、操作レバー6として、前述のようにステアリングハンドル13の下側近傍に設けたものの他に、走行速度変速のための変速レバー78の握り部78a近くに、変速レバー78を把持した状態で指による操作が可能であるように、補助操作レバー68を設けたものを示している。
このように、変速レバー78に補助操作レバー68を設けると、片方の手でステアリング操作を行い、他方の手で変速操作を行いながら操向するなどの操作を行っている状態でも、必要に応じて前記所定高さ位置H2を変更するなどの操作が容易となって、操作性を増すことになる。
この補助操作レバー68は、前記操作レバー6と同じ操作を行える機能を有したものであるが、この補助操作レバー68と前記操作レバー6とが同時に操作された場合には、操作レバー6の操作が優先されるように、制御装置100を構成してある。
図22は、接地フロート22の高さ位置変化による自動昇降制御を行う際の他の実施形態を示している。
この例では、接地フロート22を、通常は後支点P1周りでの所定の揺動角度αの範囲で揺動作動するように設けてある。つまり、接地フロート22の先端側が上方に位置する前上がり限界位置αuと、接地フロート22の先端側が自重で垂れ下がる前下がり限界位置αdとの範囲内で揺動作動する接地フロート22の姿勢をフロートセンサ22aで検出し、その検出値から田面G2に対する苗植え付け装置2の対田面G2高さを判断し、苗植え付け装置2の昇降制御を行うように構成してある。
ところが、苗植え付け装置2を圃場端の畦に極端に近付けて、畦の間際から苗植付作業を開始しようとした場合に、下降作動中の接地フロート22の後端が畦に乗り上げた状態となってしまうことがある。このような場合には、接地フロート22は前下がり姿勢であるために、通常の昇降制御では苗植え付け装置2は下降側への駆動指令を受けることになるが、畦に乗った状態であるために下降できず、接地フロート22、または苗植え付け装置2を昇降駆動するリンク機構16の取付部が損傷するなどの虞がある。
そして、接地フロート22の後端側が畦に乗り上げた場合などに、前記前下がり限界位置αdを越えてさらに前下がり姿勢になったことを前記前下がり検出スイッチ81が検出すると、苗植え付け装置2を所定量上昇側へ駆動するように制御する信号をリフトシリンダ15の制御弁15aへ出力するための畦乗り上げ回避用の制御手段(図示せず)を、前記制御装置100に備えている。
これによって、接地フロート22が単に自重で垂れ下がっている状態では、接地フロート22の後端部はのストッパーとして作用する圧縮バネ80によってそれ以上の垂れ下がりは避けられ、前下がり限界位置αdに保たれ、苗植え付け装置2は下降作動を続行する。
そして、接地フロート22の後端が畦に乗り上げるなどして、接地フロート22が前記前下がり限界位置αdを越えてさらに前下がり姿勢になると、このことを前記前下がり検出スイッチ81が検出して、苗植え付け装置2の下降作動を停止し、所定量上昇側へ駆動するように制御される。
昇降指令手段6Aを操作するための操作レバー6、及び補助操作レバー68による苗植え付け装置2の昇降作動制御としては、前述した実施形態に示すように、操作レバー6、又は補助操作レバー68による第1上昇位置U1または第1下降位置D1での作動を、操作レバー6、又は補助操作レバー68を操作している間だけ苗植え付け装置2を昇降作動させるものに限らず、操作レバー6、又は補助操作レバー68を一度操作する度に、所定量だけ昇降作動するように設定してもよい。
この場合、一回の操作での昇降作動量を僅かの値に設定しておけば、苗植え付け装置2を少しづつインチング操作で上昇、あるいは下降させることができ、苗植え付け装置2を天井の低い格納場所へ移動させる場合などに便利に用いることができる。
所定高さ設定器38としては、上述の実施形態に示したように、上昇限界位置H3と下降作業位置H1との中間の高さとして設定される所定高さ位置H2のみを設定変更する構成のものに限らず、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2とを、共に設定変更可能であるように構成したものであってもよい。
この場合、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2とのうちの何れか一方を変更すると他方も連動して変化するように、つまり、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2との間隔幅を一定に保ったまま、何れか一方を変更すると他方も連動して変化するように構成してもよいし、上昇限界位置H3と所定高さ位置H2とを、各別に任意の値に設定変更できるように複数の設定操作具を備えた構造のものとしてもよい。ただし、この場合、上昇限界位置H3が所定高さ位置H2と同じ高さ位置になることは許しても、所定高さ位置H2を下回ったり、所定高さ位置H2が上昇限界位置H3を上回ったりすることのないように、制限しておく必要がある。
上記上昇限界位置H3と下降作業位置H1との中間の高さとして設定される所定高さ位置H2を設定変更する手段としては、人為操作によって設定する構成のものに限らず、自動的に設定変更できるようにしたものであってもよい。
すなわち、例えば走行機体1に前後傾斜を検出する傾斜センサ(図示せず)を搭載し、走行機体1の前後傾斜が所定以上であるときに、所定高さ位置H2が自動的に変更されるようにしてもよい。つまり、走行機体1の前後傾斜が所定以上の前傾であるときに、所定高さ位置H2を少し低くし、逆に走行機体1の前後傾斜が所定以上の後傾であるときに、所定高さ位置H2を少し高くするなどの変更が行われるように構成してもよい。
3 施肥装置
4 ローリング駆動機構
5 マーカ
6 操作レバー
6A 昇降指令手段
6B マーカ作動指令手段
15 リフトシリンダ
16 リンク機構
18 ポテンショメータ
22 整地フロート
27 少数条クラッチ
33 施肥ブロワ
36 昇降レバー
50 マーカ操作機構
100 制御装置
H1 下降作業位置
H2 所定高さ位置
H3 上昇限界位置
Claims (4)
- 播種又は苗植付けを行う植播系作業装置を、走行機体に対して昇降操作自在に装備し、この植播系作業装置の対機体高さ位置を、下降させて作業を行うための下降作業位置と、上限まで上昇させた上昇限界位置とにわたって高さ変更可能に構成するとともに、
前記植播系作業装置の昇降に関連して作動するように構成された田面に指標を形成するためのマーカを備え、このマーカを植播系作業装置の上昇作動に際して作用姿勢から格納姿勢に姿勢変更されるように構成し、
前記下降作業位置と上昇限界位置との間における前記植播系作業装置の昇降作動行程の途中に所定高さ位置を設定し、
前記植播系作業装置の昇降作動方向、及び前記植播系作業装置が前記所定高さ位置の上側または下側の何れの側に位置するかの判別結果に基づいて、下降作業位置にある前記植播系作業装置が所定高さ位置に達するまでは、前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動を停止し、前記植播系作業装置が所定高さ位置を過ぎてから前記マーカの格納姿勢側への姿勢変更作動が行われ、かつ前記所定高さ位置の下側における前記マーカの姿勢が、前記昇降作動行程の上昇行程でも下降行程でも同じ作用姿勢に維持されるように構成してあり、さらに、前記所定高さ位置を設定変更可能に構成してある水田作業機。 - 上昇限界位置と所定高さ位置とを設定変更可能に構成してあり、かつ、これらの両位置のうち一方を設定変更すると他方も連動して設定変更されるように構成してある請求項1記載の水田作業機。
- 所定高さ位置に対して上昇限界位置を独立して設定変更可能に構成してある請求項1項記載の水田作業機。
- 走行機体における走行形態を判別し、所定の走行形態のときに、植播系作業装置の上昇限界位置又は所定高さ位置を設定変更するように構成してある請求項2、又は3記載の水田作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009202848A JP5276553B2 (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 水田作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009202848A JP5276553B2 (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 水田作業機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011050325A JP2011050325A (ja) | 2011-03-17 |
JP5276553B2 true JP5276553B2 (ja) | 2013-08-28 |
Family
ID=43940006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009202848A Expired - Fee Related JP5276553B2 (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 水田作業機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5276553B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6700002B2 (ja) * | 2015-07-23 | 2020-05-27 | 三菱マヒンドラ農機株式会社 | 乗用型移植機 |
JP7301617B2 (ja) * | 2019-06-18 | 2023-07-03 | 株式会社クボタ | 移植機 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57113813U (ja) * | 1980-12-27 | 1982-07-14 | ||
JPS6120350Y2 (ja) * | 1981-01-17 | 1986-06-19 | ||
JPS58115918U (ja) * | 1982-02-02 | 1983-08-08 | 株式会社クボタ | 作業車の作業装置操作構造 |
JP2003079213A (ja) * | 2001-09-11 | 2003-03-18 | Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd | 移植機の苗載台構造 |
JP2005130772A (ja) * | 2003-10-30 | 2005-05-26 | Iseki & Co Ltd | 乗用型農作業機のローリング制御装置 |
JP4777789B2 (ja) * | 2006-02-06 | 2011-09-21 | ヤンマー株式会社 | 田植機 |
JP2008054649A (ja) * | 2006-09-04 | 2008-03-13 | Kubota Corp | 水田作業機 |
-
2009
- 2009-09-02 JP JP2009202848A patent/JP5276553B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011050325A (ja) | 2011-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5276553B2 (ja) | 水田作業機 | |
JP4773263B2 (ja) | 水田作業機 | |
JP2006304658A (ja) | 乗用型苗移植機 | |
JP5434409B2 (ja) | 作業車両 | |
JP5280131B2 (ja) | 移植機 | |
JP2011130736A (ja) | 乗用田植機 | |
JP5761298B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP6380599B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP5678851B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP4600996B2 (ja) | 水田作業機 | |
JP2008054649A (ja) | 水田作業機 | |
JP5751314B2 (ja) | 乗用型苗移植機 | |
JP2013066391A5 (ja) | ||
JP5957953B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP6128078B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP2011045262A (ja) | 作業車両 | |
JP5874807B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP5831659B2 (ja) | 苗移植機 | |
JP3759009B2 (ja) | 作業車の作業装置昇降構造 | |
JP5391859B2 (ja) | 作業機 | |
JP4145197B2 (ja) | 乗用型作業車 | |
JP5016283B2 (ja) | 移植機 | |
JP2007306814A (ja) | 水田作業機 | |
JP2009207361A (ja) | 田植機 | |
JP2014064541A (ja) | 苗移植機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110922 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120830 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130418 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130517 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |