以下、図示する例に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の移植機を適用した乗用田植機の全体側面図及び全体平面図であり、図3は、操縦部前側を示した要部斜視図であり、図4は、操作パネルを示した要部平面図であり、図5は、昇降装置の具体的構成を示した図である。本乗用田植機は、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2によって支持される走行機体3と、該走行機体3の後方にリンク機構4を介して昇降自在に連結された植付作業機6とを備えている。
該走行機体3を支持する機体フレーム7は、前方側にボンネット8で囲繞されたエンジン(図示しない)が搭載されており、該エンジンの後方側には、作業者が乗込んで操向操作を行う操縦部9が設けられている。
前記操縦部9は、作業者が着座する座席11と、該座席11の前方側に配置されたステアリングハンドル12と、該ステアリングハンドル12の左右一方(図示する例では左)側に設けた主変速レバー13と、該ステアリングハンドル12の左右他方(図示する例では右)側に設けられた副変速レバー14と、該副変速レバーの左右外側に配置されたコントロールレバー16と、該ステアリングハンドル12の真下側に配置された操作パネル17とが設けられている。
上記主変速レバー13は、前後揺動操作されることにより、走行HST(図示しない)を介して主変速操作をすることができるように構成されている。具体的には、該主変速レバー13は、前後方向中立位置から左右一方側(図示する例では右側)に傾けた状態から前方揺動操作されることにより、走行HSTを介して前進走行側への無段階の増速操作を行うことができるとともに、該主変速レバー13は、中立位置から左右他方側(図示する例では左側)に傾けた状態から後方揺動操作されることにより、走行HSTを介して後進走行側への無段階の増速操作を行うことができる。
また、該主変速レバー13上部の把持部の左右内側には、前記植付作業機6の昇降操作を行うことのできるスイッチ操作具が設けられている。具体的には、前記主変速レバー13の把持部側に、前記植付作業機6の上昇作動及び植付停止を操作する作業機上昇スイッチ18Aと、前記植付作業機6の下降作動及び植付駆動の開始を操作する作業機下降スイッチ18Bとが上下に並べて配置されている。これにより、作業者は、前記主変速レバー13を把持した状態で各スイッチ操作具を親指で押操作することができるように構成されている(図3参照)。
上記操作パネル17は、前記ステアリングハンドル12の真下側で且つ、該ステアリングハンドル12の回動軸となるステアリングシャフト19の手前側に配置された左右方向のパネル体であり、各種スイッチ操作具が設けられている(図3及び図4参照)。
該操作パネル17上のスイッチ操作具として、具体的には、作業準備スイッチ21と、ヘッドライトのON・OFFを操作する前照灯スイッチ22と、後述する旋回アップ制御の実行を操作する旋回アップスイッチ23と、後述するオートマーカ制御の実行を操作するオートマーカスイッチ24と、左右一対のマーカスイッチ26L,26Rと、各種情報が表示される左右方向の表示部27とが設けられている(図3及び図4参照)。
該表示部27は、前記植付作業機6や施肥装置(図示しない)の各種状態を示す複数の報知ランプが左右方向に並べて設けられている。このとき、該表示部27の左右端側には、右左折時に点灯する矢印状の方向指示部28L,28Rが左右に分けて配置されている。さらに、前記マーカスイッチ26L,26Rは、上記方向支持部28と同様に、表示部27の左右両側に振分けて配置されている(図4参照)。
前記植付作業機6は、圃場に植付けられる苗が載置される苗載台31と、該苗載台31に載置された苗を圃場側に植付ける植付部32と、左右側方側に設けられて圃場面に次工程の印を形成するマーカ装置(マーカ)33とを備え、前記走行機体3の後部側に、昇降装置34を介して昇降駆動可能に連結され、作業機クラッチ(図示しない)によってエンジンからの動力が断続伝動されるように構成されている。
上記昇降装置34は、油圧式アクチュエータである昇降シリンダ36と、該昇降シリンダ36の伸縮作動を制御するコントロールバルブ40と、該コントロールバルブ40を操作する側面視方形状の作動アーム37と、植付クラッチの入切を操作する操作アーム38と、上記作動アーム37及び操作アーム38と当接して操作する作業機操作カム39と、該作業機操作カム39の回動位置を操作する作業機操作カムモータ41と、該作業機操作カムモータ41によって駆動される出力ギヤ41aと、該作業機操作カム39の操作位置を検出する作業機操作カムポテンショ42とを備えている(図5参照)。
該構成によれば、前記作業機操作カム39は、作業機操作カムモータ41によって回動駆動可能に構成されており、該作業機操作カムモータ41によって前記作動アーム37と操作アーム38とを操作することができる。これにより、前記植付作業機6は、該作業機操作カム39の回動位置を前記作業機操作カムポテンショ42によって検出することにより、前記植付作業機6の各状態(上昇状態、固定状態、下降状態、下降停止状態)を検出することができるように構成されている。
これにより、前記植付作業機6は、後述する制御部50により、前記主変速レバー13側のスイッチ操作具18A,18B等の操作に応じて、前記植付作業機6が上昇する上昇状態と、前記植付作業機6が下降作動する下降状態(又は下端で下降停止した下降停止状態)と、前記植付作業機6を任意の高さ位置で固定した固定状態と、下降停止状態の前記植付部32に駆動させて植付作業を行う植付状態とに切換える作業機操作制御が実行可能に構成されている。
また、該植付作業機6は、前記制御部50により、圃場端側まで植付作業を行った後に圃場端側でUターン(旋回走行)するにあたり、所定以上のステアリング操作が検出された場合には、前記植付作業機6を自動的に非作業高さまで上昇作動させる旋回アップ制御が実行可能に構成されている。
さらに、該植付作業機6は、前記制御部50により、前記マーカを圃場側に振出す振出姿勢への切換えと、圃場での植付作業時に、圃場端側でのUターン(旋回走行時)に圃場側に振出される前記マーカを左右で自動的に入替えるオートマーカ(マーカ)制御が実行可能に構成されている。
次に、図6乃至図10に基づき、前記マーカ装置の第1実施例について説明する。図6は、マーカ装置を示した要部平面図であり、図7及び図8は、マーカ切換機構を示した要部平面図及び要部斜視図であり、図9及び図10は、収納姿勢時と振出姿勢時のマーカ切換機構を示した要部側面図である。
前記マーカ装置33は、前記植付作業機6の左右側方にそれぞれ配置されて次工程の走行基準線を引くことができるように車輪(風車)状に形成された左右一対のマーカ46,46と、各マーカ46を上下揺動可能に支持するマーカアーム47と、該マーカアーム47を介して前記マーカ46の姿勢を切換えるマーカ切換機構48と、前記制御部50とを備えている。
前記マーカアーム47は、その先端側に前記マーカ46が軸回転可能に軸支される棒状部材であり、該マーカアーム47の基端側は、前記植付作業機6の下部側で左右方向に延設されたフレーム部材55の左右端部側に設けた回動支持部51を介して、植付作業機6側に上下回動可能に取付けられている。
該構成により、該マーカ装置33は、前記マーカアーム47を前記植付作業機6の左右端側で起立させた姿勢によって前記マーカ46を収容する収容姿勢と、前記マーカアーム47を前記植付作業機6の左右外側に振出すことにより前記マーカ46を圃場面上に作用させる振出姿勢とに切換えることができるように構成されている。このとき、該マーカ装置33は、前記マーカ46の振出姿勢として、右マーカ46Rのみが振出される右マーカ振出姿勢と、左マーカ46Lのみが振出される左マーカ振出姿勢とに切換えることができるように構成されている。
前記マーカ切換機構48は、前記植付作業機6側に取付けられた板状のベース部材52と、前記マーカアーム47の姿勢切換を操作するマーカモータ53と、該マーカモータ53を介して前記マーカアーム47を押引き操作するワイヤ54と、前記マーカ46の操作位置を検出するマーカ用ポテンショメータ56と、前記マーカアーム47を振出姿勢側に付勢する弾性部材である引張スプリング57と、前記ベース部材52側に設けられて前記マーカモータ53の駆動と左右一対の前記ワイヤ54とを連動させる連動機構58とを備えている。
前記引張スプリング57は、その一端を、前記回動支持部51の回動支点から前記マーカアーム47の延設方向と反対側に突設された取付片59に係止し、その他端側を、前記植付作業機6側のフレーム部材55の左右内側位置に係止することによって、前記マーカアーム47(マーカ46)を左右外側に向けて下方回動する側(振出姿勢に切換える側)に付勢するように構成されている。
前記ワイヤ54は、前記植付作業機6側に取付けられるアウタ54Aと、該アウタ54A内に挿通されて押引き操作されるインナワイヤ54Bとから構成されており、該インナワイヤ54Bの一端側は前記回動支持部51の回動支点より前記マーカアーム47側に連結され、該インナワイヤ54Bの他端側は前記連動機構58側に連結されている(図6等参照)。
すなわち、該ワイヤ54は、前記マーカモータ53によって前記インナワイヤ54Bが前記引張スプリング57の付勢力に抗して上方回動側に引っ張ることにより、前記マーカアーム47(マーカ46)を前記植付作業機6の側方側で起立する収納姿勢に切換えることができるように構成されている。
前記連動機構58は、クランク状に屈曲形成されて前記ベース部材52側にボルト固定された第1支持部材61と、前記マーカモータ53によって揺動操作される操作体62と、該操作体62の揺動作動に応じて押引き操作される左右一対の操作ロッド63と、各操作ロッド63によって揺動操作される左右一対の揺動プレート64と、一対の揺動プレート64を前記ベース部材52側に揺動可能に支持するコ字状の第2支持部材66と、前記植付作業機6側に固定された揺動軸67を軸に揺動可能に支持されるとともに前記ワイヤ54が連結された切換プレート68とから構成されている(図9及び図10参照)。
上記操作体62は、アンクル状に屈曲形成された板状部材であり、前記ベース部材52と、クランク状に形成された前記第1支持部材66との間に形成されるスペースに配置されている。また、該操作体62は、前記マーカモータ53の出力ギヤ53aと噛合う減速ギヤ69と同一軸芯上で一体回転する操作軸71に取付固定されている。これにより、該操作体62は、前記マーカモータ53の駆動に応じて揺動操作されるように構成されている(図8等参照)。
該操作体62は、前記第1支持部材66側に向けて突設した検出ピン72が設けられており、該検出ピン72に、前記マーカ用ポテンショメータ56の検出アーム56aが付勢された状態で当接するように構成されている。これにより、前記マーカ用ポテンショメータ56により前記操作体62の揺動位置を検出することができる。
すなわち、前記制御部50に、前記マーカが収納姿勢や各振出姿勢に切換えらえた状態における前記操作体62の揺動位置を予め記憶させることにより、前記マーカ用ポテンショメータ56によって前記マーカ装置33の姿勢を検出することができる。
また、上記操作体62は、前記マーカ用ポテンショメータ56に各姿勢切換時の操作体62のより正確な揺動位置を記憶させるための目印が形成されている。具体的には、上記目印として、該操作体62には、左右一方側を延設したアーム部62aと、該アーム部62aに穿設された確認孔62bが形成されるとともに、前記ベース部材52側には、左振出確認マーク52aと、収納確認マーク52bと、右振出確認マーク52cとが形成されている。
このとき、該操作体62は、前記マーカ装置33が収納姿勢に切換えられた場合には、前記アーム部62aの確認孔62bと前記ベース部材52側の収納確認マーク52bとがラップし、前記マーカ装置33が右振出姿勢に切換えられた場合には、前記確認孔62bと、右振出確認マーク52cとがラップし、前記マーカ装置33が左振出姿勢に切換えられた場合には、前記確認孔62bと、前記左振出確認マーク52aとがラップするように構成されている。
該構成によれば、前記マーカ装置33が姿勢切換された状態における前記操作体62の揺動位置を、前記マーカ用ポテンショメータ56で予めセットし、前記制御部50に記憶させることができる。これにより、前記マーカ装置33の組付作業をよりスムーズに行うことができるとともに、前記制御部50によるマーカ装置33の姿勢切換もより正確に制御することができる。
ちなみに、前記マーカモータ53は、出力ギヤ53aのみが前記ベース部材52と第1支持部材61との間のスペースに配置され、該マーカモータ53本体は、前記ベース部材52を出力ギヤ53aで挟んだ反対側の面に取付固定されている。
該構成によれば、前記マーカモータ53と、前記マーカ用ポテンショメータ56とが、前記操作体62(ベース部材52及び第1支持部材61との間のスペース)を挟むようにして配置されるため、前記連動機構58(マーカ切換機構48)をよりコンパクトに構成することができる。
上記操作ロッド63,63は、その一端(前端)側が操作体62側にボルト固定され、その他端(後端)側が前記揺動プレート64側に連結されるように揺動プレート64側に向けて直角方向に屈曲形成されている。また、該操作ロッド63は、前記操作体62側に操作軸71を挟んで一対設けられており、それぞれ対応する前記揺動プレート64,64に連結されている。
上記揺動プレート64,64は、コ字状に形成された前記第2支持部材66の内側に左右一対設けられた長方形状の部材であり、揺動軸65を介して前記第2支持部材66側に揺動可能に支持されている。また、各揺動プレート64には、前記操作ロッド63が連結されており、前記操作体62(マーカモータ53)を介して揺動位置を操作することができるように構成されている。
また、該揺動プレート64は、長方形状の板状部材の一部(上部側)を山型に突出又は切欠くことにより、前記切換プレート68側と当接可能な係止部64aが形成されている(図9及び図10等参照)。
上記切換プレート68,68は、前記揺動プレート64の後方側に配置されて前記植付作業機6側に固定された揺動軸67に揺動可能に軸支され、前記揺動プレート64(前方)側に向かって延設された三角形状の板状部材であって、一対の揺動プレート64,64に対応して一対設けられている。
該切換プレート68は、前記揺動軸67と、該揺動軸67の前方側に設けられて前記揺動プレート64側の係止部64aに係止される係止ピン73と、該係止ピン73の下方側に配置されて前記ワイヤ54が連結されるワイヤ連結部74と、前記揺動軸67の真下近傍に配置された当接板76とを有している。
該当接板76は、前記植付作業機6の昇降作動に応じて上下動する前記昇降リンク4の前端側に設けられた当接軸77と当接するように構成されており、該当接板76が前記当接軸77に押されることによって、前記切換プレート68を押し上げる方向に回動作動させることができるように構成されている(図9及び図10参照)。
言い換えると、前記植付作業機6が非作業高さまで上昇作動されると、前記当接軸77が前記切換プレート68の揺動軸76下方に近接し、該当接軸77が前記当接板76を押し上げることによって、前記切換プレート68を上方回動させることができる。これにより、該切換プレート68の係止ピン73が前記揺動プレート64を押し返し、該係止ピン73が揺動プレート64の係止部64a側に係止された状態に切換えることができる(図9及び図10参照)。
このとき、前記植付作業機6が非作業位置に上昇作動されることによって、前記当接軸77によって前記切換プレート68の揺動作動が規制されるため、前記マーカ装置33の収納姿勢から振出姿勢への切換作動も規制される。
該構成によれば、前記マーカ装置33(マーカ切換機構48)は、前記植付作業機6が所定の高さ位置まで上昇作動されると、左右のマーカ46,46を前記植付作業機6の側方側に起立収納した収納姿勢に切換えられるとともに該収納姿勢が保持(振出姿勢への切換えが規制)される。また、前記植付作業機6が所定高さ或いは植付作業を行う作業高さ(下端)まで下降作動されると、左右何れか一方のマーカ46を圃場面側に振出した振出姿勢(右振出姿勢又は左振出姿勢)に切換え操作可能な状態になる。
すなわち、該マーカ装置33は、前記植付作業機6が所定高さよりも下降した状態で、前記マーカスイッチ26L,26Rの操作や、前記制御部50によるマーカ制御が実行されることにより、収納姿勢の前記マーカを右振出姿勢又は左振出姿勢に姿勢切換することができる。
次に、図11及び図12に基づき、前記マーカ装置の第2実施例について上記と異なる点について説明する。図11は、第2実施例のマーカ切換機構を示した図であり、図12は、第2実施例のマーカ切換機構によるマーカ姿勢検出スイッチの作動状態を示した図である。
前記マーカ切換機構48は、前記マーカ用ポテンショメータ56に代えて、前記マーカ装置33が収納姿勢時の前記揺動体62の揺動位置(中立位置)を検出する収納位置検出スイッチ81と、該収納位置検出スイッチ81を押操作する検出アーム82とを設け、前記マーカモータ53として、前記出力ギヤ53aの駆動量を検出することができるパルス検出モータを使用した構成としても良い(図11及び図12参照)。
上記検出アーム82は、前記揺動体62と一体的に揺動作動するように取付けられており、該揺動体62の左右一方側に設けた前記収納位置検出スイッチ81側に向けて延設されている。また、該検出アーム82の揺動端側は、所定の位置に操作された場合にのみ、該収納位置検出スイッチ81を押操作できるように山型に突出形成された押部82aが形成されて、該検出アーム82(揺動体62)の揺動軸67から押部82aに向かって補強用のリブ83が形成されている。(図12参照)。
上記マーカモータ(パルス検出モータ)53は、収納姿勢時の前記マーカアーム47をどれだけ左右外側に向けて回動させると各振出姿勢に切換えることができるかについて、予め前記制御部50に記憶させることにより、前記マーカ46の収納姿勢から右振出姿勢又は左振出姿勢への切換作動をスムーズ且つ正確に実行することができる。
該構成によれば、前記マーカ装置33のマーカ46の姿勢切換制御を、収納姿勢を検出するスイッチ81と、パルス検出モータとによって構成することができるため、前記マーカ切換機構48をよりコンパクト且つ低コストで構成することができる。
次に、図13乃至15に基づき、前記制御部の具体的な構成について説明する。図13は、制御部のブロック図である。前記制御部50の入力側には、前記作業準備スイッチ21と、前記オートマーカスイッチ(マーカ自動スイッチ)23と、前記植付作業機6の上昇スイッチである前記昇降スイッチ(上側)18Aと、植付作業機6の下降スイッチである前記昇降スイッチ(下側)18Bと、前記右マーカスイッチ26Rと、前記左マーカスイッチ26Lと、前記作業機操作カムポテンショ(リフタカムポテンショ)42と、前記植付作業機6の昇降高さを検出するリフト角ポテンショ86と、前記マーカ装置33が収納姿勢に切換えられたことを検出する検出手段(前記マーカ用ポテンショメータ56又は、収納位置検出スイッチ81)とが接続されている。
前記制御部50の出力側には、前記作業機操作カムモータ(リフタカムモータ)41と、前記マーカモータ53とが接続されている。
図14は、作業機操作制御の処理フロー図である。前記制御部50によって作業機操作制御が実行されると、ステップS11に進む。ステップS11では、昇降スイッチ(下側)18Bの押操作による植付作業機の下降操作が検出されているか否かが確認され、前記植付作業機6の下降操作が検出された場合には、ステップS12に進む。
前記ステップS12では、前記作業準備スイッチ21のON・OFF状態を確認し、作業準備スイッチのON状態が検出された場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が上昇状態であるか否かを検出し、上昇状態以外であることが検出された場合には、ステップS14に進む。
ステップS14では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が下降状態であるか否かを検出し、下降状態以外の状態(具体的には固定状態又は植付状態)が検出された場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が固定状態か否かを検出し、固定状態であることが検出された場合には、ステップS16に進む。
ステップS16では、前記植付作業機6を固定状態から下降状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS15において、固定状態でないことが検出された場合、すなわち、前記植付作業機6の植付状態が検出された場合には、そのままリターンする。
また、ステップS14において、前記植付作業機6の下降状態が検出された場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、前記リフト角ポテンショ86により前記植付作業機6が作業高さ(下端側)に到達して下降作動が停止しているか否かを検出し、前記植付作業機6が植付高さで停止していることが検出された場合には、ステップS18に進む。ステップS18では、前記植付作業機6を植付状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS17において、前記植付作業機6の下降作動が停止しておらず、下降作動中であることが検出された場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、前記植付作業機6を植付クラッチ入り待ち状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS13において、前記植付作業機6の上昇状態が検出された場合には、ステップS20に進む。ステップS20では、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS12において、作業準備スイッチ21のOFF状態が検出された場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が上昇状態であるか否かを検出し、上昇状態が検出された場合には、ステップS20に進み、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS21において、上昇状態以外の状態が検出された場合には、ステップS22に進む。
ステップS22では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が固定状態であるか否かを検出し、前記植付作業機6の固定状態が検出された場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、前記植付作業機6を自重によって下降作動する自動(下降)状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS22において、前記植付作業機6が固定状態以外であることが検出された場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記昇降スイッチ(下側)18Bによる前記植付作業機6の下降操作が検出された際に、前記植付作業機6が植付状態であった場合には、該植付状態が維持され、前記植付作業機6が任意の高さ位置で固定された固定状態であった場合には、下降状態に切換えられ、前記作業準備スイッチ21が入状態で且つ前記植付作業機6が下降作動中であった場合には、前記植付作業機6が下端側(作業高さ)に到達すると同時に植付状態に自動的に切換えられる植付クラッチ入待ち状態に切換えられ、前記植付作業機6が上昇状態であった場合には、前記植付作業機6の上昇作動を停止させて固定状態に切換えられるように構成されている。
上記ステップS11において、前記昇降スイッチ(下側)18Bによる前記植付作業機6の下降操作が検出されなかった場合には、ステップS24に進む。ステップS24では、昇降スイッチ(上側)18Aにより、前記植付作業機6の上昇操作がされたか否かが確認され、前記植付作業機6の上昇操作が確認された場合には、ステップS25に進む。
ステップS25では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が上昇状態であるか否かを検出し、前記植付作業機6が上昇状態以外の状態であることが検出された場合には、ステップS26に進む。ステップS26では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が下降状態であるか否かを検出し、下降状態以外の状態(具体的には固定状態又は植付状態)が検出された場合には、ステップS27に進む。ステップS27では、前記植付作業機6を上昇状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS26において、前記植付作業機6の下降状態が検出された場合には、ステップS28に進む。
ステップS28では、リフト角ポテンショ86により前記植付作業機6の下降作動が停止しているか否か(具体的は作業高さであるか否か)を検出し、前記植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、ステップS29に進む。ステップS29では、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。
その一方で、ステップS28において、前記植付作業機6の下降作動が停止していること(作業高さであること)が検出された場合には、ステップS27に進み、ステップS27では、前記植付作業機6を上昇状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS25において、前記植付作業機6の上昇状態が検出された場合には、該上昇状態を維持したまま、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記植付作業機6の上昇操作が検出された際、前記植付作業機6が下降状態で且つ下端(作業高さ)で下降作動が停止している場合、若しくは、該植付作業機6が任意の高さ位置で固定状態となっている場合には、前記植付作業機6は上昇状態に切換えられ、前記植付作業機6が下降作動中となっていた場合には、前記植付作業機6が固定状態に切換えられ、前記植付作業機6が上昇状態であった場合には、前記植付作業機の上昇状態が維持されるように構成されている。
上記ステップS24において、前記植付作業機6の上昇操作が検出されなかった場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、前記植付作業機6が植付クラッチ入り待ち状態にセットされているか否かを検出し、植付クラッチ入り待ち状態がセットされていることが検出された場合には、ステップS31に進む。ステップS31では、前記リフト角ポテンショ86により前記植付作業機6の下降作動が作業高さで停止しているか否かを検出し、前記植付作業機6が作業高さで下降停止していることが検出された場合には、ステップS32に進む。
ステップS32では、前記植付作業機6を植付状態にセットし、その後、リターンする。なお、ステップS31において、前記植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、その後、リターンする。
また、ステップS30において、前記植付作業機6に植付クラッチ入り待ち状態がセットされていなかった場合には、ステップS33に進む。
ステップS33では、前記作業機操作カムポテンショ42により前記植付作業機6が上昇状態か否かを検出し、前記植付作業機6が上昇状態であることが検出された場合には、ステップS34に進む。ステップS34では、前記リフト角ポテンショ86により前記植付作業機6の昇降高さが所定高さ以上であるか否かが確認され、前記植付作業機6が所定高さ(最上昇位置、非作業高さ)以上であることが検出された場合には、ステップS35に進む。ステップS35では、前記植付作業機6を固定状態にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS33において、前記植付作業機6が上昇状態以外の状態(具体的には固定状態、下降状態、植付状態の何れか)であることが検出された場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記植付作業機6の昇降操作が検出されなかった場合には、前記植付作業機6の植付状態と、固定状態とはそのまま維持されるように構成されている。また、該制御部50は、前記植付作業機6が植付クラッチ入り待ち状態で且つ植付作業機6が下端(作業高さ)で停止していることが検出された場合には、前記植付作業機6が自動的に植付状態に切換えられ、前記植付作業機6が上昇状態で且つ最上昇位置まで上昇したことが検出された場合には、前記植付作業機6が固定状態に切換えられて前記植付作業機6の上昇作動が自動的に停止されるように構成されている。
図15は、マーカ制御の処理フロー図である。前記制御部は、マーカ制御が実行されると、ステップS41に進む。ステップS41では、前記作業準備スイッチ21のON状態が検出されているか否かが確認され、前記作業準備スイッチ21のON状態が検出された場合には、ステップS42に進む。その一方で、前記作業準備スイッチ21のOFF状態が検出された場合には、その後、リターンする。
ステップS42では、前記リフト角ポテンショ86によって前記植付作業機6が下降作動しているか否かが確認され、前記植付作業機6が下降作動していない場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、両落ち操作タイマがセットされ、ステップS44に進む。
ステップS44では、前記リフト角ポテンショ86によって前記植付作業機6が最上昇位置まで上昇しているか否かが確認され、前記植付作業機6が最上昇位置にあることが検出された場合には、ステップS45に進む。なお、ステップS44において、前記植付作業機6が最上昇位置ではなかった場合には、その後、リターンする。
ステップS45では、後述のオートマーカフラグの自動ON・自動OFFが確認され、オートマーカフラグが自動ONであることが検出された場合には、ステップS46に進む。ステップS46では、植付クラッチフラグのON・OFFが確認され、植付クラッチフラグのON状態が検出された場合には、ステップS47に進む。
ステップS47では、前記マーカの振出方向がリセット状態にセットされているか否かが確認され、振出方向がリセット状態以外(具体的には、右振出、左振出)にセットされていることが検出された場合には、ステップS48に進む。
ステップS48では、前記マーカの振出方向を反転し、その後、ステップS49に進む。すなわち、ステップS48では、前記マーカの振出方向が左振出にセットされていた場合には、該マーカを右振出にセットし、前記マーカの振出方向が右振出にセットされていた場合には、該マーカを左振出にセットする。
ステップS49では、植付クラッチフラグをリセットし、その後、ステップS51に進む。
また、ステップS47において、前記マーカの振出方向がリセットされていることが検出された場合には、ステップS50に進む。ステップS50では、前記マーカの振出方向を右振出にセットし、その後、ステップS49に進む。
また、ステップS46において、植付クラッチフラグのOFF状態が検出された場合には、ステップS49に進む。さらに、ステップS45において、オートマーカフラグが自動OFFであることが検出された場合には、ステップS49に進む。
ステップS51では、前記左マーカスイッチ26Lによる左マーカの振出操作が検出されたか否かが確認され、左マーカの振出操作が検出された場合には、ステップS52に進む。
ステップS52では、前記マーカの振出方向が「左振出」にセットされているか否かが確認され、前記マーカ装置33が左振出以外の状態であることが検出された場合には、ステップS53に進む。ステップS53では、前記マーカの振出方向を左振出にセットし、ステップS54に進む。ステップS54では、オートマーカフラグを自動ONにセットし、その後、ステップS55に進む。
また、ステップS52において、前記マーカの振出方向が「左振出」にセットされていることが検出された場合には、その後、ステップS55に進む。
また、ステップS51において、左マーカスイッチ26Lによる左マーカの振出操作が検出されなかった場合には、ステップS56に進む。ステップS56では、前記右マーカスイッチ26Rによる右マーカの振出操作がされたか否かが確認され、右マーカの振出操作が検出された場合には、ステップS57に進む。
ステップS57では、前記マーカの振出方向が「右振出」にセットされているか否かが確認され、前記マーカが右振出以外の状態が検出された場合には、ステップS58に進む。ステップS58では、前記マーカの振出し方向を「右振出」にセットし、ステップS59に進む。ステップS59では、オートマーカフラグを自動ONにセットし、その後、ステップS55に進む。
また、ステップS57において、前記検出手段により右側の前記マーカが振出姿勢に切換えられていることが検出された場合には、ステップS55に進む。また、ステップS56において、右マーカスイッチ26Rによる右マーカの振出操作が検出されなかった場合には、ステップS55に進む。
ステップS55では、前記オートマーカスイッチ23の押操作の有無が確認され、前記オートマーカスイッチ23の押操作が検出された場合には、ステップS60に進む。ステップS60では、オートマーカフラグの自動ON又は自動OFF状態を確認し、オートマーカフラグの自動OFF状態が検出された場合には、ステップS61に進む。
また、ステップS60において、オートマーカフラグの自動ONが検出された場合には、ステップS62に進む。ステップS62では、前記マーカの振出方向をリセットし、ステップS63に進む。ステップS63では、オートマーカフラグを自動OFFにセットし、その後、リターンする。
また、ステップS55において、前記オートマーカスイッチ23の押操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記オートマーカスイッチ23の押操作がされなかった場合であっても、前記植付作業機6が最上昇位置にある状態で且つ、左マーカスイッチ26L又は右マーカスイッチ26Rによる前記マーカ46の振出方向を指定する操作が検出された場合には、オートマーカ制御が実行可能な状態に自動的に切換えられるように構成されている。
また、ステップS42において、前記植付作業機6の下降作動が検出された場合には、ステップS64に進む。ステップS64では、両落ち操作タイマの設定時間が残っているか否かが確認され、両落ち操作タイマの設定時間が残っている場合には、ステップS65に進む。なお、ステップS64において、両落ち操作タイマの設定時間が0であることが検出された場合には、その後、リターンする。
ステップS65では、前記左マーカスイッチ26Lにより左マーカの振出操作がされたか否かが確認され、左マーカの振出操作が検出された場合には、ステップS66に進む。
ステップS66では、前記検出手段56,81により、前記マーカが「左マーカ振出姿勢」に切換えられているか否かが確認され、前記マーカが左マーカ振出姿勢以外の状態であることが検出された場合には、ステップS67に進む。
ステップS67では、前記マーカの振出方向を初期状態(左振出)にセットし、その後リターンする。
また、ステップS65において、左マーカの振出操作が検出されなかった場合には、ステップS68に進む。ステップS68では、前記右マーカスイッチ26Rにより右マーカの振出操作がされたか否かが確認され、右マーカの振出操作が検出された場合には、ステップ69に進む。
ステップS69において、前記検出手段56,81より前記マーカが「右マーカ振出姿勢」に切換えられているか否かが確認され、前記マーカが右マーカ振出姿勢以外の状態であることが検出された場合には、ステップS70に進む。ステップS70では、前記マーカの振出方向を「右振出」にセットし、その後、リターンする。
また、ステップS69において、前記マーカが右マーカ振出姿勢であることが検出された場合には、その後、リターンする。さらに、ステップS68において、右マーカの振出操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、前記植付作業機6の下降作動が開始してから所定時間以内(前記両落ちタイマが0になっていない状態)で、前記マーカスイッチ26R,26Lの操作が検出された場合には、前記マーカ装置33を所定の振出姿勢に切換える。その一方で、前記植付作業機6の下降作動が開始していから所定時間経過後(前記両落ちタイマが0の状態)で、前記マーカスイッチ26R,26Lの操作が検出された場合には、前記マーカ装置33の姿勢切換操作を受付けずにそのまま下降作動を実行するように構成されている。