JP7081580B2 - チャック付き紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は、チャック付き紙容器に関し、特に立体形状を有し、自立性を備えた紙容器の分野において、その天部がわ突出部(耳部)の積層シートに損傷が生じることが少ないので、美麗性を保つことができるチャック付き紙容器に関する。
従来、チャック付き紙容器として、特許文献1のような技術が開示されている。すなわち、直方体形状の紙容器の上部にチャックを設けており、内容物を取り出す際にはチャックを開けて、内容物の取り出しが終了したらチャックを閉じることができる。
上記の技術により、内容物の保護や、紙容器転倒時の内容物の零れを防止できる。また、紙容器であることから、内容物を消費後の容器の減容化や、廃棄が容易である。図1に、従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81を示し、図2に従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図を示す。
なお、今後特段の説明がない場合は、図2を参照に、表がわ壁面板831bを表面として、チャック付き紙容器80の表がわ、裏がわ、左がわ、右がわ、上がわ、下がわを示すものとする。本発明のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
また、従来技術の説明を行う際に使用する符号は、本発明と区別するために、80番代又は800番代としている。
しかしながら、特許文献1に記載されたチャック付き紙容器80においては、天部がわ突出部(耳部)874を、下方向(胴部方向)に折り曲げて胴部872に接合すると、天部がわ突出部(耳部)874と、表がわ天面板833b及び表がわ上部重ね合わせ板834bの間に介在する天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876に損傷(亀裂)879が発生することがある。(図3、4、5参照)。
これは、従来技術のチャック付き紙容器80の上部が、上部重ね合わせ板834a、834bの内面同士が接合されて容器が密封されているため、当該部分の積層数は多くなり、厚さが厚くなるからである。
さらに上部重ね合わせ板834a、834bにはチャックテープ861も接合されているため、当該部分の積層数は多くなり、当該部分の厚さがさらに厚くなるからである。
なお、図4、図5では、従来技術のチャック付き紙容器80のブランク板81の断面を一層にて記載しているが、ブランク板81の層構成は多層である積層シート88である。しかしながら本明細書では、図を見やすくするため一層にて記載している。以降の断面図についても同様である。
天部がわ突出部(耳部)874を胴部872の方向に強く折り曲げる(略直角に折り曲げる)と、天部がわ突出部(耳部)874と、表がわ上部重ね合わせ板834b及び表がわ天面板833bの間に介在する、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の外面がわとなる面が強く引き伸ばされる状態となり、図4、図5のように、従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート88(図中符号省略)に損傷(亀裂)879が生じることがある。
なお、図示した損傷(亀裂)は、損傷の一例を示したものであり、損傷の態様はこれらに囚われるものではない。
積層シート88は、紙を基材層として、その表面及び/又は裏面に合成樹脂層を備えたものである。また、それらの合成樹脂層は、単層であってもよく、複層であってもよい。
一例として、三層構成からなる積層シート88を図6(a)に示す。
層構成は、
(表面がわ) 低密度ポリエチレン(LDPE)層881 / 紙基材層882 /
低密度ポリエチレン(LDPE)層883 (裏面がわ)、
からなる。
また、酸素バリア性を要求される場合の積層シート88としては、一例として、五層構成からなる積層シート88を図6(b)に示す。
層構成は、
(表面がわ) 低密度ポリエチレン(LDPE)層881 / 紙基材層882 /
エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)層884 /
シリカ蒸着PET層885 / 低密度ポリエチレン(LDPE)層883
(裏面がわ)、
からなる。
なお、積層シート88の材質、層構成は、上記に記載の例示に囚われるものではなく、用途に応じて適宜選定される。
図3は、従来技術のチャック付き紙容器80の平面図であり、図4、図5の断面の位置の説明をしている。図4は従来技術のチャック付き紙容器80の奥行方向の中央部付近であり、上部重ね合わせ板834a、834bが倒された位置の横断方向の断面図であり、切断面を図3に記載の断面の位置A-Aで示している。また図4は、横断方向の断面図の天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の拡大図である。従来技術のチャック付き紙容器80の最外層である表がわ上部重ね合わせ板834bに亀裂が生じている。さらに内がわとなる裏がわ上部重ね合わせ板834aにまで損傷(亀裂)879が及ぶことがある。
図5は、従来技術のチャック付き紙容器80に備えられたチャックテープ861の位置での、チャックテープ861の長手方向の横断方向の断面図である。また図5は、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の拡大図であり、切断面を図3に記載の断面の位置B-Bで示している。従来技術のチャック付き紙容器80の最外層の積層シート88である表がわ上部重ね合わせ板834bに亀裂が生じている。
図4、図5の図中に示す角度θは、従来技術のチャック付き紙容器80の天部871を構成する表がわ上部重ね合わせ板834bと、天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度を示しており、それぞれの外面同士が成す角度を示している。本発明のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート88の多くは、紙基材層と合成樹脂フィルム層が積層されており、その構成要素のうちで引張強度の劣る紙基材層に亀裂が生じやすい。特に、引き伸ばしが強い場合には、内がわの合成樹脂フィルム層にも亀裂が生じることがある。
前記合成樹脂フィルム層に亀裂が生じた場合は、積層シート88のバリア性(酸素、水蒸気など)が低下することがある。特に前記合成樹脂フィルム層自身にバリア性を有する場合や、前記合成樹脂フィルム層に蒸着加工を施した場合に、バリア性の低下が見られることがある。
また、積層シート88が損傷することにより、美麗性の低下が生じ、積層シート88に印刷があれば、その印刷により表示される文字や絵柄が損傷することがある。
特開2005-178833号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、チャック付き紙容器90において、天部がわ突出部(耳部)74を、紙容器90の胴部72の方向に折り曲げて胴部72に接合する際に、天部がわ突出部(耳部)74と、表がわ天面板33b及び/又は表がわ上部重ね合わせ板34bとの間に介在する、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることが少ないチャック付き紙容器90を提供する。
上記の課題は、本発明の以下の実施形態により解決することができる。
すなわち、紙を基材とする積層シート78からなる2枚のブランク板93を接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、
前記チャック付き紙容器90の上部に、前記ブランク板93を重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
前記上部重ね合わせ板34の左右に連設される側部板41と、
前記天部71の左右に連設される天部がわ突出部74と、
前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
前記上部重ね合わせ板34の上縁部21若しくは前記上縁部21の近傍を、横断する上部シール部53と、
前記上部シール部53の下がわ位置するチャックテープ61と、を備え、
前記チャック付き紙容器90の前記天部71の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる、前記天部がわ突出部74の折り曲げ部76の角度θが鈍角であることを特徴としている。
ここで、本発明に用いる積層シート78は、従来技術の積層シート88と同様である。
また、本発明の一実施形態のチャック付き紙容器は、前記天部がわ突出部74の折り曲げ部76の角度θが100°以上、160°以下であってもよい。
また、本発明の一実施形態のチャック付き紙容器は、紙を基材とする積層シート78からなる2枚のブランク板93を接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、
前記チャック付き紙容器90の上部に、前記ブランク板93を重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
前記上部重ね合わせ板34の左右に連設される側部板41と、
前記天部71の左右に連設される天部がわ突出部74と、
前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
前記上部重ね合わせ板34の上縁部21若しくは前記上縁部21の近傍を、横断する上部シール部53と、
前記上部シール部53の下がわ位置するチャックテープ61と、を備え、
前記チャック付き紙容器90の前記天部71の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる、前記天部がわ突出部74の折り曲げ部76が曲線にて折り曲がることを特徴としている。
また、本発明の一実施形態のチャック付き紙容器は、前記天部がわ突出部74が前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる、前記天部がわ突出部74の折り曲げ部76の曲率半径Rが1mm以上10mm以下であってもよい。
また、本発明の一実施形態のチャック付き紙容器は、前記上部重ね合わせ板34の上縁部21若しくは上縁部21の近傍を、横断方向に渡る上部シール部53と、前記上部シール部53の下がわに、横断方向の易開封加工線51と、前記易開封加工線51の下がわにチャックテープとを、備えていてもよい。
上述した本発明の実施形態によれば、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げが緩やかになることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわとなる面が強く引き伸ばされることはなく、チャック付き紙容器90の積層シート78の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることを軽減できる。
従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81の展開図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の平面図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の天部がわ突出部(耳部)874の上部重ね合わせ板834の位置での折り曲げ部876の拡大断面図である。(図3 断面A-A参照)。 従来技術のチャック付き紙容器80の天部がわ突出部(耳部)874のチャックテープ接合位置852での折り曲げ部876の拡大断面図である。(図3 断面B-B参照)。 従来技術及び本発明のチャック付き紙容器80、90のブランク板81、93の積層シート88、78の断面図である。 本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いるブランク板93の展開図である。 図7に示したブランク板93を用いてチャック付き紙容器90を作製する際の中間段階の紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。 図7に示したブランク板93を用いてチャック付き紙容器90を作製する際の中間段階の紙容器(起函状態)92の形状を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器90の斜視図である。 図10に示したチャック付き紙容器90の側面図である。 図10に示したチャック付き紙容器90の平面図である。 本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器90の正面図である。 本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の拡大断面図である。(図12 断面A-A参照)。 本発明の第三の実施形態のチャック付き紙容器90の正面図である。 本発明の第三の実施形態のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の拡大断面図である。(図12 断面A-A参照)。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。但し、本発明はこれら具体的に示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また特段の説明がない限り、ブランク板93の各構成要素において、各符号の添え字のaは、裏がわ部分のブランク板10aの要素を示し、添え字のbは表がわ部分のブランク板10bの要素を示す。添え字のaとbとがある要素において、添え字がない符号は、aとbの両方を含むものとする。
≪第一の実施形態≫
本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図7に示す。図7(a)は、裏がわブランク板10aを表し、図7(b)は表がわブランク板10bを表す。
図7(a)の裏がわブランク板10aの図面の下がわである、裏がわ上縁部21aが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図7(b)の表がわブランク板10bの図面の上がわである、表がわ上縁部21bが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図7(a)、(b)とも、図面の表面がわが、チャック付き紙容器90を組み立てた際の外面がわとなり、裏面がわが内面がわとなる。
図7(a)、(b)は、夫々の上縁部21a、21bを基準にして、線対称となっており、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重ね合わせると、各構成要素(後述する各形成板、線、シール部、チャックテープ接合部など)は重なり合う。
上述のように、位置を合わせて重ねられた裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが接合されて、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製されて、チャック付き紙容器90の完成に向けて手順が進んでいくが、この製造方法については、後述する。
なお、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの2枚を、合わせてブランク板93と記述する。
今後特段の記述がない場合は、図7(b)を参照として、表がわブランク板10bの上下左右を示すものとする。裏がわブランク板10aについても、その上縁部21aを上がわとして説明する。従って図7(a)では、上下が逆となる。
上述のように、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bは、上下に線対称の形状であるので、ブランク板93の説明については、表がわブランク板10bで説明する。
また、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとは、材質(層構成)、製造方法も同じである。
本発明のチャック付き紙容器90の表がわブランク板10bは、少なくとも中間層に基材の紙を積層し、少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂を積層した積層シート78を用いて、外形を略矩形状に形成し、上がわを上縁部21b、左右両がわを側縁部11b、下がわを下縁部26bとする。
表がわブランク板10bには、縦断方向に存在する表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bが設けられている。また、横断方向に存在する表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。また、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16b、および表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bが設けられており、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
表がわ第二縦折り曲げ線13bは、表がわ上縁部21bがわから順次、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1、表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3からなる。前記表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1、表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2、前記表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3は、1本の直線上にあり、なおかつ順次に繋がっている。
表がわ第二縦折り曲げ線13bは、表がわ第一縦折り曲げ線12bの内がわに位置し、かつ表がわ第一縦折り曲げ線12bに略平行である。
表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1は、表がわ上縁部21bと表がわ第二横折り曲げ線23bを結んでいる。
また、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1の下端部には、表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2が繋がっている。
表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2は、ブランク板93を組み立てて形成されるチャック付き紙容器90の胴部72の稜部72dの稜折り曲げ線72eの役割を果たす。チャック付き紙容器90の組み立て手順、及び稜部72d、稜折り曲げ線72eについては、後ほど説明する。
また、表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2は、表がわ第二横折り曲げ線23bと表がわ第三横折り曲げ線24bを結んでいる。
また、前記表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2の下端部に、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3が繋がっており、その表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3の下端部は、表がわ下縁部26bに至っている。
つぎに、横折り曲げ線について説明する。表がわブランク板10bの表がわ上縁部21bから下方向に順次、表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。
上述の表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bは、各々が略平行であることが望ましい。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bについて説明する。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bの上端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第一横折り曲げ線22bとの交点である、表がわ第一天部交点Ebと同じ位置である。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bの下端部は、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1と、表がわ胴部第二横折り曲げ線13a-2と、表がわ第二横折り曲げ線23bとの交点である、表がわ第二天部交点Fbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bについて説明する。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bの上端部は、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3と、表がわ胴部第二横折り曲げ線13a-2と、表がわ第三横折り曲げ線24bとの交点である、表がわ第二底部交点Hbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bの下端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第四横折り曲げ線25bとの交点である、表がわ第一底部交点Gbと同じ位置である。
なお、上述の2種の斜め折り曲げ線16b、17bは、上述の4種の交点Eb、Fb、Gb、Hbとは接せずに、近傍に位置してもよい。近傍に設置することにより、充分な折り曲げ性能を有しつつ、なおかつ特定な箇所に折り曲げ線の過度な集中がなく、表がわブランク板10bの積層シート78の強度の低下を防ぐことができる。
表がわブランク板10bの左右の側縁部11bには、表がわ側面がわシール代37bが表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して形成され、また表がわブランク板10bの下がわに位置する表がわ下縁部26bには、表がわ底部がわシール代38bが表がわ第四横折り曲げ線25bを介して形成されている。
また、表がわブランク板10bには、その最も上がわに位置する表がわ上縁部21bより下がわ方向に、各部の形成板が設けられている。
主要部について説明すると、表がわ上縁部21bの下がわに、表がわ上部重ね合わせ板34bが設けられている。その表がわ上部重ね合わせ板34bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天面板33bが連設されている。その表がわ天面板33bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ壁面板31bが連設されている。その表がわ壁面板31bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底面板35bが連設されている。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1を介して、表がわ上部重ね合わせ板の側部板41bが連設されている。
また、表がわ天面板33bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1を介して、表がわ天部がわ突出部(耳部)代39bが連設されている。
また、表がわ壁面板31bの左右の外方には、それぞれ表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2を介して、表がわ側面板32bが連設されている。
また、表がわ底面板35bの左右の外方には、それぞれ表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3を介して、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bが連設されている。
また、裏がわブランク板10aは、表がわブランク板10bと線対称で同形状である。言い替えれば、ブランク板の層構成が逆になっている同形状のブランク板である。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重なり合わせた際に、表がわ上部重ね合わせ板34bには、上述の2枚のブランク板が互いに重なり合う所定の位置に、横断方向の密封手段としての表がわ上部シール部53bと、横断方向の開封手段としての表がわ易開封加工線51bと、表がわチャックテープ接合部52bとが、表がわ上縁部21bから順次に設けられている。
表がわ上部シール部53bは、表がわ上部重ね合わせ板34bの上縁部21b、若しくは上縁部21bの近傍に設けられる。
横断方向の密封手段としての表がわ上部シール部53bは、相対することになる裏がわ上部シール部53aと接合される。その接合は、チャック付き紙容器90の表がわ上縁部21bの近傍を、横断するように接合されるため、チャック付き紙容器90の密閉が保たれる。
また、表がわ上部シール部53bと、表がわ易開封加工線51bと、表がわチャックテープ接合部52bとは、表がわ上縁部21bに略平行であることが望ましい。
表がわ上部シール部53bが、表がわ上縁部21bに略平行であると、表がわ上部シール部53bの長さを短くすることができ、かつ表がわブランク板10bに無駄が生じない。
表がわ易開封加工線51bが、表がわ上縁部21bに略平行であると、チャック付き紙容器90の横断方向の切断が容易である。
なお、表がわブランク板10bの積層シート78の材質、層構成、易開封処理の状況などによっては、易開封加工線51bを設けなくてもよい。易開封加工線51bが無くても、開封可能な場合がある。さらに、鋏などの刃物で開封してもよい。
表がわチャックテープ接合部52bが、表がわ上縁部21bに略平行であることが望ましい。そのような形態では、チャックの開閉及び、内容物の取り出しが容易となる。また、チャックの長さを短くすることができる。
表がわチャックテープ接合部52bは、この場合、チャック付き紙容器90を組み立てる際のチャックテープ61の接合予定部である。
チャック付き紙容器90の組み立ての手順は後ほど説明するが、その手順のうち、ここではチャックテープ61の接合手順を説明する。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとが重ね合わされて、側面がわシール代37a、37b同士、及び上部重ね合わせ板34a、34bの上部シール部53a、53b同士がヒートシールされる。
その際に、予め雄型テープ体62と雌型テープ体63とが、それらの嵌合部で嵌合されたチャックテープ61がこの部分に挿入され、同時に2枚のブランク板93の外面がわからチャックテープ接合部52a、52bが加熱、加圧されヒートシールされる方法で行う。
なお、チャックテープ61の接合は、上記のようなヒートシールに限らず、接着剤や接着テープなど、その他の方法にて接合されてもよい。
このような方法でチャックテープ61がヒートシールされることにより、雄型テープ体62と雌型テープ体63とを別々にチャックテープ接合部52a、52bにヒートシールする方法と比較して、ヒートシールの位置ずれがなくなり、また、取り付け工程が簡略化されるので、生産効率よくチャックテープ61を取り付けることができる。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとを重ね合わせて接合する際に、上部シール部53a、53bを、重なり合う表裏の易開封加工線51a、51b(本実施形態ではミシン目線とする。)の上がわの近傍までの領域でヒートシールすることにより、上部重ね合わせ板34a、34bの表裏の易開封加工線51a、51b同士を近接させることができるので、開封の際の易開封加工線51a、51bの切り取りを一層容易に行えるようになる。
開封手段の易開封加工線51a、51bに、断続的なハーフカット線または直線状のハーフカット線を使用する場合は、通常の刃物による方法で形成してもよいが、レーザ光照射による方法、超音波を利用する方法、ダイヤモンドカットと呼ばれる方法を使用することにより、より精度と安定性に優れたハーフカット線を形成することができる。
また、易開封加工線51a、51bは、幅を有する帯状であってもよい。また、易開封加工線51a、51bは複数設けられてもよい。
ブランク板93に用いる積層シート78は、前述したように、少なくとも中間層に紙基材層を積層し、その最内層及び/又は最外層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂を積層した積層シート78を用いるが、中間層には必要に応じて、水蒸気や酸素やその他のガスバリア層や、強度向上層などを設けることができる。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90に絵柄等の印刷層を設ける場合、通常は紙基材層の表面に印刷するが、仮に紙基材層の印刷適性が良くない場合は、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどに絵柄等の印刷層を設け、そのフィルムを最外層の熱接着性樹脂層と紙基材層との間に積層することもできる。
紙基材層は、剛性があり、且つ、折り曲げ線などで折り曲げた時、割れの生じにくい紙が好ましいが、特に限定はされずチャック付き紙容器90に充填される内容物に応じて、耐水性(サイズ度)なども考慮して適するものを適宜に選定して使用することができる。
具体例として、上質紙、晒クラフト紙、カップ原紙、ミルクカートン原紙などを好適に使用することができ、その坪量は、90~320g/m2の範囲が適切である。
最内層及び/又は最外層の熱接着性樹脂層(シーラント層)の樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー、そして、ポリプロピレンおよびその共重合体、ポリエステル系樹脂などを使用することができ、これらの中から、充填される内容物や、保管及び使用される条件に応じて、適するものを適宜に選定して使用することができる。
上記の熱接着性樹脂のうち、特にエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)は、押し出しコートなどの加工時の熱安定性、各種の基材に対する接着性、低温ヒートシール性などに優れると共に、薄膜形成性にも優れているので、厚みをそれほど必要としない最外層の熱接着性樹脂層を、例えば、6~10μmのような比較的薄い厚さで押し出しコートして積層することも容易であり、プラスチック材料の使用比率を低減できると同時に、コスト面でもメリットを得ることができる。
以上のような最内層及び/又は最外層の熱接着性樹脂層は、その積層面に必要に応じてアンカーコート、コロナ処理、フレーム(火炎)処理などの易接着性処理を施した後、その上に樹脂を押し出しコートして積層できるほか、熱接着性樹脂を予めフィルム状に製膜しておいて、そのフィルムを公知のドライラミネートまたは押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などで貼り合わせて積層することができる。
積層シート78の中間層にガスバリア層を積層する場合、ガスバリア層としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの金属または無機酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)、二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)などの基材フィルムに、厚み20~100nmに蒸着した蒸着フィルムなどを使用することができる。あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム(以下、EVOHフィルム)、ナイロンMXD6の二軸延伸フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、そして、ポリ塩化ビニリデンの塗膜層を設けたPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなどを使用することができる。
このようなガスバリア層は、通常、中間層の紙基材層の内がわの面に積層することが、そのガスバリア性を効果的に利用できる点で好ましいが、ガスバリア層にアルミニウムなどの金属箔や金属蒸着フィルムを使用した場合は、そのメタリック感をデザインにも利用するため、紙基材層の外がわの面に積層することもできる。ガスバリア層の積層は、公知のドライラミネートまたは押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などにより容易に積層することができる。
本実施形態のブランク板93への折り曲げ線を付与する加工(罫線加工)は、積層シート78が完成してから罫線加工して、その後にチャック付き紙容器90を製造する機械に積層シート78を供給する。あるいは、罫線加工はチャック付き紙容器90を製造する機械にて実施してもよい。
罫線加工の方法としては、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が採用される。
また、罫線加工を実施する前に、積層シート78をシート断ちしてもよい。あるいは、積層シート78はロール状で罫線加工の工程に供給されてもよい。
また、積層シート78を打ち抜いて、ブランク板93を製造する打ち抜き工程について説明する。前記打ち抜き工程は、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が選択される。ロール状の積層シート78から直接にブランク板93を形成してもよく、一度枚葉にシート断ちしてから、打ち抜いてもよい。
また、罫線加工と打ち抜き加工の順番は問わない。同時に加工してもよい。
また、所定のロール幅にスリットしたロール状の積層シート78を、チャック付き紙容器90を製造する機械に供給し、ロール状の積層シート78の横断方向に切断し、ブランク板93を作製してもよい。
図8は、図7に示したブランク板93を用いてチャック付き紙容器90を製造する際の、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。最上部が図7(b)に示した表がわブランク板10bの上縁部21bであり、その裏がわには、裏がわブランク板10aが備えられている。裏がわブランク板10aは目視できないが、透視とすると表がわブランク板10bと同形状となる。
以下に、チャック付き紙容器90のブランク板93から、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、そして内容物が充填されたチャック付き紙容器90の包装体が完成させられるまでの手順の概要を説明する。
上記の2枚のブランク板10a、10bが重ね合された際に、チャックテープ接合部52a、52bが重なる位置に、予め雄型テープ体62と雌型テープ体63とが嵌合されたチャックテープ61が挿入され、ブランク板93の外面がわからチャックテープ接合部52a、52bが加熱、加圧されヒートシールされる。
次いで上部シール部53a、53bの内面同士がヒートシールされ、左右の側縁部11a、11bの側面がわシール代37a、37bの内面同士がヒートシールされる。
また、下部(底部)が開口する袋状に形成し、また、チャックテープ接合部52a、52bの上がわで重なり合う易開封加工線51a、51bの両端にノッチ77を設けて構成したものである。なお、ノッチ77は、どちらか一方の端に設けてもよい。
なお、チャックテープ61の折り曲げ部に、折り曲げを容易にする潰し部を設ける場合について説明する。図には示していないが、チャックテープ接合部52a、52bにヒートシールされたチャックテープ61が、上部第二縦折り曲げ線13a-1、13b-1と直交する位置に、それぞれ2mm幅程度の大きさに、チャック付き紙容器90の積層シート78の外面がわから熱プレスなどで加圧してチャックテープ61を押し潰し、厚みが薄くなるように変形させることにより前記潰し部を設けることができる。
チャック付き紙容器90は、実際の製造の際には特に限定はされないが、生産性をよくするため、紙容器の組み立てと、内容物の充填と、各接合箇所のシールとをインラインで行う装置を用いてもよい。その装置において、ロール状に巻き上げられた長尺の印刷済み積層シート78を繰り出して、紙容器が横につながった形式で、折り曲げ線の加工、およびチャックテープ61の挿入及びヒートシール、側面がわシール代37a、37bのヒートシール、上部シール部53a、53bのヒートシール、ノッチ77の打ち抜きなどを行ってもよい。
なお、所望のチャック付き紙容器90が得られるならば、上記工程の順番以外でも構わない。
次いで、個々の紙容器に切断する方法によって、図8に示した形状の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、続いて、立体形状への成形がなされ、図9のような中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製される。
中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製された後、上部重ね合わせ板34a、34bが背面がわへ折り曲げられ、および両がわの天部がわ突出部(耳部)74がチャック付き紙容器90の胴部72へ接合され、チャック付き紙容器90の開口する底部73を上にして、その底部73から内容物が充填される。
つぎに、底部がわシール代38a、38bのヒートシールと折り曲げが行われる。
その後、チャック付き紙容器90の底部73の両がわに突出する底部がわ突出部(耳部)75が底面板35a、35bへの折り曲げとヒートシールが行われ、チャック付き紙容器90の包装体が完成させられる。
図10は、本発明のチャック付き紙容器90の第一の実施形態を示す斜視図である。図11は、図10に示したチャック付き紙容器の側面図である。図12は、図10に示したチャック付き紙容器の平面図である。
図10に示したチャック付き紙容器90は、外形を略直方体形状に形成したものであり、その胴部72の稜部72dの稜折り曲げ線72eを備えている。
なお、設計では直方体形状のチャック付き紙容器90を想定しているが、紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な直方体形状とならない場合を含め、略直方体形状としている。
このようなチャック付き紙容器90は、以下の手順にて作成することができる。
例えば、図7に示した構成のブランク板93を用いて、図8に示すように2枚のブランク板10a、10bの内面同士を、位置が合わせてから重ね合わされて、チャックテープ接合部52a、52bが重なり合う位置に、予め雄型テープ体62と雌型テープ体63とを嵌合させたチャックテープ61が挿入され、ブランク板93の外がわからチャックテープ接合部52a、52bが加熱、加圧されてヒートシールされる。
続いて、対向する表裏の側面がわシール代37a、37bがヒートシールされ、また、上部シール部53a、53bがヒートシールされる。また、表裏で重なり合う易開封加工線51a、51bの両端にはノッチ77が設けられ、底部がわシール代38a、38bが未シールで開口する折り畳まれた形状の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製される。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の底部73の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34a、34bが残されて、その下がわの天面板33a、33bが、第一横折り曲げ線22a、22bにより前後に広げられて、上部重ね合わせ板34a、34bが上方向に起立させられる。胴部72の稜部72dの稜折り曲げ線72eの折り曲げ加工を確実に行うために、胴部72の内がわ及び/又は外がわから、稜折り曲げ線72eの近傍(当接を含む)に補助部材を接触させてもよい。
上部重ね合わせ板34a、34bの下がわに天面板33a、33bによる天部71と、さらに水平断面の形状が略矩形状である胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成される。
なお、設計では胴部72の水平断面の形状及び底部73の開口の形状は、矩形状を想定しているが、紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な矩形状とならない場合を含め、略矩形状としている。
この段階では図9のように、上部重ね合わせ板34a、34bは、上方向に起立している。
次に、上方向に起立する上部重ね合わせ板34a、34bが、背面がわ(裏がわ天面板33aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわに突出する天部がわ突出部(耳部)74が、側面板32a、32bの方向に折り曲げられて、胴部72に接合される。
接合する方法は、接着剤(ホットメルト等)を使用する方法、接着テープを使用する方法、機械的に接合する方法(係合させるもの、接合具を用いるもの)などでもよい。また、ブランク板93の最外層に熱可塑性樹脂層(シーラント層)が備えられる場合は、その熱可塑性樹脂層がヒートシールされる方法がある。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の先端部が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されてもよい。
また、天部がわ突出部(耳部)74の先端部以外の箇所が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合してもよい。その場合は、天部がわ突出部(耳部)74の先端部は、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されなくてもよい。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74と天部71との間に介在する、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが鈍角である。(図13参照)。図14は、図13の折り曲げ部76の拡大断面図である。その断面位置は、図12の断面A-Aである。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわの引き伸ばされる量(長さ)が、折り曲げ部76の折り曲げ角度θが略直角の場合と比較して少なくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が発生しにくくなる。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが鈍角であり、なおかつ天部がわ突出部(耳部)74が胴部72に接合されるには、天部がわ突出部(耳部)74の先端がわが、胴部72の方向に曲げられる。この加工の工程は、天部がわ突出部(耳部)74を金具で挟み込んで形成することができ、その加工の工程は天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる以前もしくは、折り曲げと同時でもよい。
上記のように形成された中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部73が上に向けられて、開口する底部73から内容物が充填され、次いで、底部73が折り曲げられて、底部がわシール代38a、38b同士が合掌シール形式でヒートシールされる。
その後、底部がわシール代38a、38bが、背面がわ(底面板35aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわに突出する底部がわ突出部(耳部)75が底面板35a、35bがわに折り曲げられて接合されることにより、略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が完成される。
なお、図10に示したチャック付き紙容器90の構成において、裏がわ上部重ね合わせ板34aには裏がわ易開封加工線51aが、上部重ね合わせ板34a、34bの易開封加工線51a、51bの底部がわの内面には、前述したようにチャックテープ61がヒートシールされているが、外がわからは見えない位置であるため省略して示している。
また、主に表がわブランク板10bについて説明してきたが、裏がわブランク板10aについては、その形状は同一で、それぞれの上縁部21a、21bを対称線として線対称であり、製造の方法は同一であるので、裏がわブランク板10aについての説明は割愛する。今後の説明についても、同様である。
≪第二の実施形態≫
第二の実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが100°以上、160°以下であってもよい。
天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが100°未満であると、折り曲げ部76の外面がわの損傷(亀裂)が生じやすくなる。
折り曲げ部76の折り曲げ角度θが160°を超えると、天部がわ突出部(耳部)74を胴部72に接合しにくくなる。
さらに、天部がわ突出部(耳部)74の飛び出し量が大きくなることから、使用時や輸送時に他の障害物などに接触する虞れがあり、その結果、天部がわ突出部(耳部)74が胴部72から外れやすくなる。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θを120°以上、150°以下であることが、損傷(亀裂)の軽減及び天部がわ突出部(耳部)74の固定の安定化の観点から、さらに望ましい。
≪第三の実施形態≫
第三の実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74と、表がわ天面板33b及び表がわ上部重ね合わせ板34bとの間に介在する、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げを曲線としている。(図15参照)。図16は、図15の折り曲げ部76の拡大断面図である。その断面位置は、図12の断面A-Aである。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわが引き伸ばされる量(長さ)が、折り曲げ部76の折り曲まげが曲線ではなく角を有する場合(曲率半径が極めて小さい場合)と比較して小さくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が生じにくくなる。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76が曲線であり、なおかつ天部がわ突出部(耳部)74が胴部72に接合されるためには、天部がわ突出部(耳部)74の先端がわが、胴部72の方向に曲げられる。この加工の工程は、天部がわ突出部(耳部)74を金具で挟み込んで形成することができ、その加工の工程は天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる以前もしくは、折り曲げと同時でもよい。
≪第四の実施形態≫
第四の実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の曲率半径Rが、1mm以上10mm以下となってもよい。
天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の曲率半径が1mm未満であると、折り曲げ部76の外面がわの損傷(亀裂)が生じやすくなる。
折り曲げ部76の曲率半径が10mmを超えると、天部がわ突出部(耳部)74が胴部72に接合されにくくなる。
さらに、天部がわ突出部(耳部)74の飛び出し量が大きくなることから、使用時や輸送時に他の障害物などに接触する虞れがあり、その結果、天部がわ突出部(耳部)74が外れやすくなる。
≪第五の実施形態≫
第五の実施形態のチャック付き紙容器90は、上部重ね合わせ板34の上部シール部53の下がわに、易開封加工線51を備え、さらに上部重ね合わせ板34の易開封加工線51の下がわに、横断方向のチャックテープ61を備えることを特徴とするチャック付き紙容器90である。
上記の構成にすることで、使用者が初回の使用時に、易開封加工線51にて容易に開封することができる。そのため、チャック付き紙容器90の横断方向の一部を未開封としてしまうことがなく、全面に渡って開封できるために、開口面積が充分な大きさとなる。また、使用開始後に、チャックテープ61により再封できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
≪実施例1≫
実施例1では、第一の実施形態に相当する図7のブランク板93を用いて、図10に示した構成のチャック付き紙容器90を作製した。
図7の2枚のブランク板10a、10bを準備して、その内面同士が位置を合わせて重ね合され、図8のように、対向する両がわの側面がわシール代37a、37bがヒートシールされ、また、上部シール部53a、53bもヒートシールされた。あわせてチャックテープ61もヒートシールされた。そのようにして、底部がわシール代38a、38bが未シールである中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。
次いで、図9のように立体形状に起こし、底部73が開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92を作製してから、実施例1のチャック付き紙容器90を作製した。
ブランク板93の積層シート78には、下記の構成の積層シート78を用いた。
(外面がわ) 絵柄等印刷層(グラビア印刷) /
LDPE層(厚み20μm)(日本ポリエチレン、LC520) /
紙基材層(日本製紙、液体紙容器用原紙)(150g/m2) /
EMAA(20μm)(三井・ダウポリケミカル、N0908N) /
シリカ蒸着PET(12μm)(大日本印刷、IB-PET-UBP) /
LDPE層(40μm)(日本ポリエチレン、LC520) (内面がわ)
上記の積層シート78の製造方法について説明する。
まず、前記紙基材層の外面がわに、押出ラミネートによりLDPE層(20μm)を形成された。
次に、前記紙基材層の内面がわに、シリカ蒸着PET(12μm)を、溶融したEMAA(20μm)を中間に介在させて、押出ラミネート(サンドイッチラミネート)により積層された。
次に、前記シリカ蒸着PET(12μm)の紙基材層の反対がわ(内面がわ)に、押出ラミネートにより、LDPE層(40μm)が形成された。
次に、前記紙基材層の外面がわに形成されたLDPE層(20μm)の外面がわに、グラビア印刷機にて、絵柄が印刷された。
なお、印刷は、紙基材層に印刷した後、前記紙基材層の外面がわに押出ラミネートによりLDPE層(20μm)を形成してもよい。また、紙基材層に印刷した後、外がわへの押出ラミネートをしなくてもよい。
また、各接合層間には接合力を向上させるための、必要に応じてアンカーコート処理、コロナ処理、フレーム処理(火炎処理)などを実施してもよい。あるいは、溶融した樹脂にオゾン処理などをしてもよい。
つぎに、積層シート78に、罫線加工及び打ち抜き加工を施し、ブランク板93が完成した。
チャック付き紙容器90の上部重ね合わせ板34a、34bの内面にヒートシールされて取り付けられるチャックテープ61は、雄型テープ体62および雌型テープ体63とも、ヒートシールされるテープ体部が二層の積層構成で、チャック付き紙容器90にヒートシールされる面の樹脂層がLLDPEで形成され、その反対がわの面の樹脂層がMDPEで形成され、また、雄型および雌型の嵌合部はいずれもLLDPEで形成されたもので、テープ体部の幅がいずれも13mmのものを用いた。
裏がわブランク板10a及び表がわブランク板10bの寸法は、縦220mm、横169mmの矩形状で、周囲の端縁部にシール代として、左右の端縁部にはそれぞれ幅7mmの側面がわシール代37a、37bが設けられ、下の端縁部にはそれぞれ幅が10mmの底部がわシール代38a、38bを設けられた。また、上部重ね合わせ板34a、34bの上縁部21a、21bの近傍には、それぞれ幅7mmの上部シール部53a、53bのシール代が設けられた。
ブランク板93には、上縁部21bから下方向に順次、表がわ上部重ね合わせ板34b、表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ天面板33b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ壁面板31b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ底面板35bがこの順に設けられた。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1を介して、表がわ上部重ね合わせ板の側部板41bが設けられた。
また、表がわ天面板33bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b-1を介して、表がわ天部がわ突出部(耳部)代39bが設けられた。
また、表がわ壁面板31bの左右の外方には、表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b-2を介して、表がわ側面板32bが設けられた。
また、表がわ底面板35bの左右の外方には、それぞれ表がわ底部第二縦折り曲げ線13b-3を介して、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bが設けられた。
完成後の略直方体形状の紙容器の寸法が、幅が95mm、高さが120mm、奥行きが60mmとなるように形成した。
そして、上部重ね合わせ板34a、34bには、2枚のブランク板10a、10bの内面同士の位置が合わされて重ね合された際に、上縁となる上縁部21から8mm下方の位置に、容器の開封手段として易開封加工線(ミシン目線)51a、51bを横断方向に積層シート78の紙基材層に印刷と共に設け、また、その下に5mmの間隔をあけて上部重ね合わせ板34a、34bの内面にチャックテープ61(幅13mm)がヒートシールされるように構成した。
また、前述した方法で、2枚のブランク板10a、10bの接合とチャックテープ61のヒートシール、側面がわシール代37a、37bのヒートシール、及び上部シール部53a、53bのヒートシールを行った後、重なり合う易開封加工線(ミシン目線)51a、51bの両端にノッチ77が設けられ、底部73が未シール状態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。(図8参照)。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が、底部73の未シール状態の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34a、34bが残されて、その下がわの天面板33a、33bが第一横折り曲げ線22a、22bにより前後に広げられて、上部重ね合わせ板34a、34bが上方向に起立させられた。その下に天面板33a、33bによる天部71と、さらに水平方向の断面(底面に略平行な平面)において、略矩形状の胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成された。(図9参照)。
そして、重ね合わせた上部重ね合わせ板34a、34bが裏がわ天面板33aがわに折り曲げられた。
なお、裏がわ天面板33aがわに折り曲げられた上部重ね合わせ板34a、34bは、天部71の構成要素の一部である。
さらに、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72への接合される際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介して、天部71と天部がわ突出部(耳部)74とが成す角度θが、100°、135°、160°の3通りであるチャック付き紙容器90が作製された。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内がわ方向(天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72とが接合されやすくしている。
≪実施例2≫
実施例1と同じブランク板93を使用して、チャック付き紙容器90が作製された。
チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72への接合される際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介して、天部71から天部がわ突出部(耳部)74に渡る部分が曲線であり、前記曲線の曲率半径Rが約2mm、5mm、10mmの3通りであるチャック付き紙容器90を作製した。
天部がわ突出部(耳部)74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内がわ方向(天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72とが接合されやすくしている。
その他の箇所の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪比較例1≫
比較例1では、図1に示した1枚のブランク板81を用いて、図2に示した構成のチャック付き紙容器80を作製した。
なお、重ね合わせた上部重ね合わせ板834a、834bが裏がわ天面板833aがわに折り曲げられ、チャック付き紙容器80の天部871の左右両がわに突出する天部がわ突出部(耳部)874を、チャック付き紙容器80の胴部872への接合する際に、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876を介して、天部871と天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度θが略直角であった。
その他の箇所の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪比較例2≫
比較例2では、図7に示した2枚のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器(不図示)を作製した。
なお、重ね合わせた上部重ね合わせ板834a、834bが裏がわ天面板833aがわに折り曲げられ、チャック付き紙容器80の天部871の左右両がわに突出する天部がわ突出部(耳部)874を、チャック付き紙容器80の胴部872への接合する際に、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876を介して、天部871と天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度θが略直角であった。外形は比較例1と同じであった。
その他の箇所の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪評価≫
実施例1と2と、比較例1と2のサンプルを各100個作製した。
比較例1と2では、チャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の積層シートに損傷(亀裂)が生じた。
実施例1と2では、いずれもチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)が生じなかった。
なお、比較例1のチャック付き紙容器80を作製する際には、そのブランク板81の中間横折り曲げ線(半折り線)821で折り曲げる工程があった。(図1参照)。その工程にて、隣接する易開封加工線(ミシン目線)851a、851bが誤って折り曲げられてしまう事象が見られた。本来ならば折り曲げられてはならない易開封加工線(ミシン目線)851a、851bが折り曲げられてしまうと、ブランク板81が不良品となり、損失が生じた。
これは、易開封加工線(ミシン目線)851a、851bは、易開封性を確保するために、切断部分(ハーフカットを含む。)が多く、意図せずに折り曲げられやすくなっていることによる。易開封加工線(ミシン目線)851a、851bの折り曲げられやすさは、中間横折り曲げ線(半折り線)821の折り曲げられやすさと同程度になることが多く、チャック付き紙容器80が製造される際には、注意深く中間横折り曲げ線(半折り線)821が折り曲げられるが、誤って隣接している易開封加工線(ミシン目線)851a、851bが折り曲げられてしまうことがある。
また、より注意深く中間横折り曲げ線(半折り線)821を折り曲げようとすると、製造に要する時間が増大する。その結果、チャック付き紙容器80の製造能力が低下することがある。
これに対して、2枚のブランク板10a、10bを接合してチャック付き紙容器90を作製する本発明では、中間横折り曲げ線が無く、したがって、中間横折り曲げ線を折り曲げる工程もないため、上記のように誤って易開封加工線(ミシン目線)851a、851bを折り曲げてしまう不良が発生しない。
このため、本発明のチャック付き紙容器90においては、その製造能力が低下することがなく、また不良の発生も少なくすることができる。
上記のように作製した実施例1と2のチャック付き紙容器90に、それぞれ底部73から内容物として粒状チョコレート菓子を充填した。次いで、底部73が折り込まれ、そして底部がわシール代38a、38bがヒートシールされて、そのヒートシールされた部分が裏がわ底面板35aの方向へ寝かされた。さらに底部73の左右両がわから突出する底部がわ突出部(耳部)75が底面板35a、35bがわへ折り曲げられ、表がわ底面板35b及び表がわ底部がわシール代38bへヒートシールされて、実施例1と2の略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が完成した。
また、上記のように作製した実施例1と2のチャック付き紙容器90の包装体について、特に、その開封性と内容物の取り出し適性、およびチャックによる再封性をテストした。
いずれのチャック付き紙容器90の包装体も、上部重ね合わせ板34a、34bの上部に開封手段として設けたノッチ77と易開封加工線(ミシン目線)51a、51bにより、容易に易開封加工線(ミシン目線)51a、51bの上部を切り取って開封することができた。
次いで、開封された上部重ね合わせ板34a、34bの上縁部21の近傍を摘んで両がわに引き離すことにより、チャックの嵌合を容易に解離でき、チャック付き紙容器90の包装体の上部が略全幅に渡って開口され、内部に充填された粒状チョコレート菓子を容易に取り出すことができた。
また、内容物の一部を取り出した後は、実施例1と2のチャック付き紙容器90の包装体とも、容易にチャックを再嵌合させて紙容器を再封することができ、残りの内容物を適切に保存することができた。
さらに、本実施形態のチャック付き紙容器90は、紙容器全体の質量に対する紙の質量比率は約60質量%であり、紙容器としての基準である51質量%以上を充分に満たすものであった。
10a 裏がわブランク板
10b 表がわブランク板
11 側縁部
12 第一縦折り曲げ線
13 第二縦折り曲げ線
13a 裏がわ第二縦折り曲げ線
13b 表がわ第二縦折り曲げ線
13a-1 裏がわ上部第二縦折り曲げ線
13b-1 表がわ上部第二縦折り曲げ線
13a-2 裏がわ胴部第二縦折り曲げ線
13b-2 表がわ胴部第二縦折り曲げ線
13a-3 裏がわ底部第二縦折り曲げ線
13b-3 表がわ底部第二縦折り曲げ線
16 天部がわ斜め折り曲げ線
17 底部がわ斜め折り曲げ線
18 胴部凹み板の内がわ折り曲げ線
21 上縁部
22 第一横折り曲げ線(上部重ね合わせ板の下がわ)
23 第二横折り曲げ線(天面板の下がわ)
24 第三横折り曲げ線(壁面板の下がわ)
25 第四横折り曲げ線(底面板の下がわ)
26 下縁部
31 壁面板
32 裏がわ側面板
33 裏がわ天面板
34 上部重ね合わせ板
35 底面板
37 側面がわシール代
38 底部がわシール代
39 裏がわ天部がわ突出部(耳部)代
41 上部重ね合わせ板の側部板
43 底部がわ突出部(耳部)代
51 易開封加工線(ミシン目線)
52 チャックテープ接合部
53 上部シール部
61 チャックテープ
62 雄型テープ体
63 雌型テープ体
71 チャック付き紙容器の天部
71d 天部の角部
72 チャック付き紙容器の胴部
72d 胴部の稜部
72e 稜折り曲げ線
73 チャック付き紙容器の底部
73d 底部の角部
74 天部がわ突出部(耳部)
75 底部がわ突出部(耳部)
76 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部
77 ノッチ
78 紙容器の積層シート
781 表がわ低密度ポリエチレン(LDPE)層
782 紙基材層
783 裏がわ低密度ポリエチレン(LDPE)層
784 エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)層
785 シリカ蒸着PET層
80 従来技術のチャック付き紙容器
81 従来技術のブランク板
821 従来技術の中間横折り曲げ線(半折り線)
831 従来技術の壁面板
833 従来技術の天面板
834 従来技術の上部重ね合わせ板
851 従来技術の易開封加工線(ミシン目線)
861 従来技術のチャックテープ
871 従来技術のチャック付き紙容器の天部
872 従来技術のチャック付き紙容器の胴部
874 従来技術の天部がわ突出部(耳部)
876 従来技術の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部
879 従来技術の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の損傷(亀裂)
88 従来技術の紙容器の積層シート
881 従来技術の表がわ低密度ポリエチレン(LDPE)層
882 従来技術の紙基材層
883 従来技術の裏がわ低密度ポリエチレン(LDPE)層
884 従来技術のエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)層
885 従来技術のシリカ蒸着PET層
90 本発明のチャック付き紙容器
91 本発明の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)
92 本発明の中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)
93 本発明のブランク板

E 第一天部交点(第一縦折り曲げ線と第一横折り曲げ線との交点)
F 第二天部交点(第二縦折り曲げ線と第二横折り曲げ線との交点)
G 第一底部交点(第一縦折り曲げ線と第四横折り曲げ線との交点)
H 第二底部交点(第二縦折り曲げ線と第三横折り曲げ線との交点)

θ 天部がわ突出部(耳部)の折り曲がり角度
R 天部がわ突出部(耳部)の折り曲がり曲率半径

Claims (3)

  1. 紙を基材とする積層シート78からなる2枚のブランク板93を接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、
    前記チャック付き紙容器90の上部に、前記ブランク板93を重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
    前記上部重ね合わせ板34の左右に連設される側部板41と、
    前記天部71の左右に連設される天部がわ突出部74と、
    前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
    前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
    前記上部重ね合わせ板34の上縁部21若しくは前記上縁部21の近傍を、横断する上部シール部53と、
    前記上部シール部53の下がわ位置するチャックテープ61と、を備え、
    前記チャック付き紙容器90の前記天部71の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる、前記天部がわ突出部74の折り曲げ部76の角度θが鈍角であることを特徴とするチャック付き紙容器90
  2. 前記天部がわ突出部(74)の折り曲げ部76の角度θが100°以上、160°以下であることを特徴とする請求項1に記載のチャック付き紙容器90
  3. 前記上部重ね合わせ板34の前記上部シール部53の下がわに、易開封加工線51を備え、
    前記易開封加工線51の下がわに、横断方向のチャックテープ61を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のチャック付き紙容器90)。
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