JP2022150047A - チャック付き紙容器 - Google Patents

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一平 武本
Ippei Takemoto
満 武士田
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Abstract

【課題】チャック付き紙容器において、天部がわ突出部を、チャック付き紙容器の胴部の方向に折り曲げて胴部に接合する際に、天部と天部がわ突出部との間に介在する、天部がわ突出部74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることが少ないチャック付き紙容器90を提供する。【課題を解決するための手段】ブランク板10には、上縁部21から順次に、第一横折り曲げ線22、第二横折り曲げ線23、第三横折り曲げ線24、第四横折り曲げ線25が設けられており、さらに、ブランク板10には、両がわの側縁部11からそれぞれ順次に、第一縦折り曲げ線12、第二縦折り曲げ線13が設けられており、少なくとも表がわブランク板10bにおける前記第二縦折り曲げ線13は、前記第二横折り曲げ線23から下縁部26までの間のみに設けられているチャック付き紙容器90。【選択図】図9

Description

本開示は、チャック付き紙容器に関し、特に立体形状を有し、自立性を備えた紙容器の分野において、その天部がわ突出部の折り曲げ部の積層シートに損傷が生じることが少なく、美観性を保つことができるチャック付き紙容器に関する。
従来、チャック付き紙容器として、特許文献1のような技術が開示されている。すなわち、直方体形状の紙容器の上部にチャックを設けており、内容物を取り出す際にはチャックを開けて、内容物の取り出しが終了したらチャックを閉じることができる。
上記の技術により、内容物の保護や、紙容器転倒時の内容物の零れを防止できる。また、紙容器であることから、内容物を消費後の容器の減容化や、廃棄が容易である。図1に、従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81を、図2に従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図を、図3に平面図を示す。
チャック付き紙容器80の上縁部がわから順次、チャック付き紙容器80の天部871を開封する易開封加工線851、開封されたチャック付き紙容器80の天部871を開閉自在なチャックテープ861がある。
なお、今後特段の説明がない場合は、図2を参照に、表がわ壁面板831bを表がわとして、チャック付き紙容器80の表がわ、裏がわ、左がわ、右がわ、上がわ、下がわを示すものとする。本開示のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
また、従来技術の説明を行う際に使用する符号は、本開示と区別するために、80番代又は800番代としている。
ブランク板81の積層シート88は、紙を基材層として、少なくともその裏面に合成樹脂層を備えたものである。また、それらの合成樹脂層は、単層であってもよく、多層であってもよい。
図1の図面の表面がわが、チャック付き紙容器90を組み立てた際の外面がわとなり、裏面がわが内面がわとなる。内面がわは、内容物に触れる面である。
一例として、三層構成からなる積層シート88を図5Aに示す。なお、本開示のチャック付き紙容器90の積層シート78も、従来技術のチャック付き紙容器80と同様なため、同じ図を用いて説明する。その層構成は、以下の通りであり、「/」は互いに隣接する層同士の境界を意味する。
(外面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層881 / 紙基材層882 /
最内層の熱可塑性樹脂層883 (内面がわ)
また一例として、二層構成からなる積層シート88を図5Bに示す。その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 紙基材層882 / 最内層の熱可塑性樹脂層883 (内面がわ)
図5Aに示した3層からなるブランク板10から、最外層の熱可塑性樹脂層781を除外した層構成である。
また、積層シート88にバリア性(水蒸気、酸素、保香性など)を要する場合は、バリア層885を備えることができる。図5Cは、5層ならなる積層シート88の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層881 / 紙基材層882 /
中間の接着層884 / バリア層885 / 最内層の熱可塑性樹脂層883
(内面がわ)
図5Dは、4層からなる積層シート88の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 紙基材層882 / 中間の接着層884 / バリア層885 / 最内層の熱可塑性樹脂層883 (内面がわ)
図5Cに示した5層からなる積層シート88から、最外層の熱可塑性樹脂層881を除外した層構成である。
上記の各積層シート88の各層間の接合は、公知のドライラミネート、押出コーティング、接着剤などにより行われる。なお、各層間の接合のための層は、厚さが薄いため、示していない。
最外層の熱可塑性樹脂層881、最内層の熱可塑性樹脂層883は、一例として低密度ポリエチレン(LDPE)である。中間の接着層884は、一例としてエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)である。バリア層885は、一例としてシリカ蒸着PETである。
しかしながら、天部がわ突出部874を胴部872の方向に強く折り曲げる(略直角に折り曲げる)と、天部がわ突出部874と、上部重ね合わせ板834と天面板833との間に介在する、天部がわ突出部874の折り曲げ部876の外面がわとなる面が強く引き伸ばされる状態となり、図4のように、従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート88に損傷(亀裂)879が生じることがある。
なお、図4は、図3に示した断面位置A-Aでの断面の一部の拡大図である。その断面にはチャックテープ861を含んでいる。
なお、図示した損傷(亀裂)は、損傷の一例を示したものであり、損傷の態様はこれらに囚われるものではない。
これは、従来技術のチャック付き紙容器80の上部が、上部重ね合わせ板834の内面同士が接合されて容器が封止されているため、当該部分の積層数は多くなり、厚さが厚くなるからである。
さらに上部重ね合わせ板834にはチャックテープ861も接合されているため、当該部分の積層数は多くなり、当該部分の厚さがさらに厚くなるからである。
なお、図4では、従来技術のチャック付き紙容器80のブランク板81の積層シート88の断面を一層にて記載しているが、ブランク板81の積層シート88の層構成は多層である積層シート88である。しかしながら本図では、図を見やすくするため一層にて記載している。
上記の天部がわ突出部874の折り曲げ部876では、積層シート88が4枚とチャックテープ861とが重なっている。図1のブランク板81に記載された各構成要素を参考に、外がわから順次、表がわ上部重ね合わせ板834bと表がわ天部の側部板843bの接続部、チャックテープ861、裏がわ上部重ね合わせ板834aと裏がわ天部の側部板843aの接続部、裏がわ天面板833aと裏がわ天部がわ突出部代838aの接続部、裏がわ側面板832aと裏がわ天部がわ突出部代838aの接続部となっている。
従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート88の多くは、紙基材層882と合成樹脂フィルム層が積層されており、その構成要素のうちで引張強度の劣る紙基材層882に亀裂が生じやすい。引き伸ばしが特に強い場合には、紙基材層882の亀裂と共に、内がわの合成樹脂フィルム層にも亀裂が生じることがある。
上記の合成樹脂フィルム層に亀裂が生じた場合は、積層シート88のバリア性(酸素、水蒸気、保香性など)が低下することがある。特に上記の合成樹脂フィルム層自身にバリア性を有する場合や、上記の合成樹脂フィルム層に蒸着加工を施した場合に、バリア性の低下が見られることがある。
また、積層シート88の損傷(亀裂)879は不規則に生じ、その損傷(亀裂)879の断面の紙基材層882は引き裂かれており、醜くなっている。そのため、チャック付き紙容器80の美観性の低下が生じ、積層シート88の当該部分に印刷があれば、その印刷により表示される文字や絵柄が損傷することがある。
特開2005-178833号公報
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、チャック付き紙容器90において、天部がわ突出部74を、紙容器90の胴部72の方向に折り曲げて胴部72に接合する際に、天部がわ突出部74と、表がわ天面板33b及び表がわ上部重ね合わせ板34bとの間に介在する、天部がわ突出部74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることが少ないチャック付き紙容器90を提供することである。
上記の課題は、本開示の以下の実施形態により解決することができる。
すなわち、本開示のチャック付き紙容器90は、
紙を基材とする積層シート78からなる表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aとを接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、
前記チャック付き紙容器90の上部に、前記表がわブランク板10bと前記裏がわブランク板10aとを重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
前記上部重ね合わせ板34の左右両がわに連設される天部の側部板41と、
前記天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部74と、
前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41の上縁部21若しくは前記上縁部21の近傍を、横断する上部シール部53と、
前記上部シール部53の下がわに位置し、前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41を横断するチャックテープ61と、を備え、
前記表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aには、上縁部21から順次に、第一横折り曲げ線22、第二横折り曲げ線23、第三横折り曲げ線24、第四横折り曲げ線25が設けられており、
前記表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aには、両がわの側縁部11からそれぞれ順次に、第一縦折り曲げ線12、第二縦折り曲げ線13が設けられており、
少なくとも前記表がわブランク板10bにおける前記第二縦折り曲げ線13は、前記第二横折り曲げ線23から下縁部26までの間のみに設けられている。
ここで、本開示に用いるチャック付き紙容器90のブランク板10の積層シート78は、従来技術の積層シート88と同様である。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記表がわブランク板10b及び裏がわブランク板10aの両方の前記第二縦折り曲げ線13は、前記第二横折り曲げ線23から下縁部26までの間のみに設けられている。
上述した本開示の実施形態によれば、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部74が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が大きな曲率で折り曲がることから天部がわ突出部74の折り曲げ部76にかかる負荷が少なくなり、天部がわ突出部74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じにくくなる。
従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81の展開図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の平面図である。 従来技術のチャック付き紙容器の天面がわ突出部874のチャックテープ861の接合位置での折り曲げ部876の拡大断面図である。(図3 断面位置A-A参照)。 ブランク板10、81の積層シート78、88の一態様の断面図である。 ブランク板10、81の積層シート78、88の他の態様の断面図である。 ブランク板10、81の積層シート78、88の他の態様の断面図である。 ブランク板10、81の積層シート78、88の他の態様の断面図である。 本開示の第一の実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる裏がわブランク板10aの展開図である。 本開示の第一の実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる表がわブランク板10bの展開図である。 図6A、図6Bに示したブランク板10を用いてチャック付き紙容器90を作製する際の中間段階の紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。 図6A、図6Bに示したブランク板10を用いてチャック付き紙容器90を作製する際の中間段階の紙容器(起函状態)92の形状を示す斜視図である。 図6A、図6Bに示したブランク板10を用いて作製したチャック付き紙容器90の斜視図である。 図9に示したチャック付き紙容器90の側面図である。 図9に示したチャック付き紙容器90の平面図である。 図9に示したチャック付き紙容器90の天部71を開口した状態の斜視図である。 図9に示したチャック付き紙容器90において、天部がわ突出部74のチャックテープ61の接合位置での折り曲げ部76の拡大断面図である。(図11 断面位置B-B参照)。 ブランク板10とチャックテープ61との接合部の一態様の拡大断面図である。(図7 断面位置C-C参照)。 ブランク板10とチャックテープ61との接合部の他の態様の拡大断面図である。(図7 断面位置C-C参照)。 本開示の第二の実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる裏がわブランク板10aの展開図である。 本開示の第二の実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる表がわブランク板10bの展開図である。
以下、本開示について図面を用いながら説明する。但し、本開示はこれら具体的に示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
本開示のチャック付き紙容器90のブランク板10は、少なくとも基材の紙が積層され、また少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱可塑性樹脂が積層された積層シート78を用いて、外形を矩形状に形成するとともに、ブランク板10の中に設けられた各種の折り曲げ線により、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
<第一の実施形態>
<ブランク板>
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板10を、図6A、図6Bに示す。図6Aは裏がわブランク板10aを表し、図6Bは表がわブランク板10bを表す。なお、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの2枚を、合わせてブランク板10と記述する。
また特段の説明がない限り、後述されるブランク板10の各構成要素において、各符号の添え字のaは裏がわブランク板10aの要素を示し、添え字のbは表がわブランク板10bの要素を示す。添え字のaとbの両方がある要素において、添え字がない符号は、aとbの両方を含むものとする。
図6Aの裏がわブランク板10aの図面の下がわである裏がわ上縁部21aが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図6Bの表がわブランク板10bの図面の上がわである表がわ上縁部21bが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図6A、図6Bとも、図面の表面がわが、チャック付き紙容器90を組み立てた際の外面がわとなり、裏面がわが内面がわとなる。内面がわは、内容物に触れる面である。
図6A、図6Bは、夫々の上縁部21a、21bを基準にして、線対称となっており、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重ね合わせると、各構成要素(後述する各形成板、線、シール部、チャックテープ接合部など)は重なり合う。
なお、他の実施形態では、一部構成要素(一例として、第二縦折り曲げ線13等)が異なり、当該箇所は線対称とならない場合もある。
位置を合わせて重ねられた上述の裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが接合されて、図7のような中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製されて、さらに図8のような中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製されて、チャック付き紙容器90の完成に向けて手順が進んでいくが、この製造方法については、後述する。
今後特段の記述がない場合は、図6Bを参照として、表がわブランク板10bの上下左右を示すものとする。裏がわブランク板10aについても、その上縁部21aを上がわとして説明する。従って図6Aでは、上下が逆となる。
チャック付き紙容器90においても、その上縁部21がわを上がわとし、下縁部26がわを下がわとする。
なお、形成されたチャック付き紙容器90は、後ほど説明するが、上がわから順次、天部71、胴部72、底部73で構成されており、上述の上がわを天部がわと、下がわを底部がわと称することもある。(図9参照)。
また、天部71に設けられた各構成要素の上下方向を説明する際に、天部がわとの記載は上縁部21がわを示し、底部73に設けられた各構成要素の上下方向を説明する際に、底部がわとの記載は下縁部26がわを示すこともある。
上述のように、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bは、上下に線対称の形状であるので、ブランク板10の説明については、表がわブランク板10bで説明する。
また、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとは、材質(層構成)、製造方法も同じである。
本実施形態のチャック付き紙容器90の表がわブランク板10bは、少なくとも基材の紙基材層782を積層し、少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を積層した積層シート78を用いて、外形を略矩形状に形成している。図6Bを参照にして、上がわを上縁部21b、左右の両がわを表がわ側縁部11b、下がわを下縁部26bとする。
また、表がわブランク板10bは、その幅方向の中央部を通る鉛直線を対称線として左右対称な形状である。
なお、積層シート78については、後ほど説明する。
表がわブランク板10bには、表がわ上縁部21bがわから順次、横断方向に存在する表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。
それらの表がわ横折り曲げ線22b、23b、24b、25bは、各々が表がわ上縁部21b及び表がわ下縁部26bに平行であることが望ましい。
表がわブランク板10bには、両がわの側縁部11からそれぞれ順次に、縦方向に存在する表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bとが設けられている。
即ち、各々の表がわブランク板10bの側縁部11bに近い方の縦折り曲げ線が表がわ第一縦折り曲げ線12bであり、表がわブランク板10bの側縁部11bに遠い方の縦折り曲げ線が表がわ第二縦折り曲げ線13bである。
それらの表がわ縦折り曲げ線12b、13bは、各々が表がわブランク板10bの側縁部11bに略平行であることが望ましい。
各々の表がわ第二縦折り曲げ線13bは、表がわ第二横折り曲げ線23bから表がわ下縁部26bまでの間のみに設けられ、表がわ第二横折り曲げ線23bから表がわ上縁部21bに渡っては存在しない。
なお、表がわ第二縦折り曲げ線13bが、表がわ上縁部21bの方向に延長される線を、表がわ第二縦折り曲げ仮想線14bとする。表がわ第二縦折り曲げ仮想線14bは、表がわ上縁部21bと表がわ第二横折り曲げ線23bとの間に示されるが、実際には存在しない仮想線である。
さらに、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17b、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18b、が、それぞれ左右に一対で設けられており、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bの上端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第一横折り曲げ線22bとの交点である、表がわ第一天部交点Ebと同じ位置である。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bの下端部は、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第二横折り曲げ線23bとの交点である、表がわ第二天部交点Fbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bの上端部は、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第三横折り曲げ線24bとの交点である、表がわ第二底部交点Hbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bの下端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第四横折り曲げ線25bとの交点である、表がわ第一底部交点Gbと同じ位置である。
なお、上述のそれぞれの表がわ斜め折り曲げ線17bは、上述の各々の交点Eb、Fbとは接せずに、近傍に位置してもよい。さらに、それぞれの表がわ斜め折り曲げ線18bは、上述の各々の交点Gb、Hb、とは接せずに、近傍に位置してもよい。
上記の各々の表がわ斜め折り曲げ線と各々の交点とが、接せずに近傍に位置することにより、充分な折り曲げ性能を有しつつ、なおかつ特定な箇所に折り曲げ線の過度な集中がなく、表がわブランク板10bの積層シートの強度の低下を防ぐことができる。
表がわブランク板10bの左右の両がわの側縁部11bには、表がわ側縁部がわシール代36bが表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して形成されている。
また表がわブランク板10bの下がわに位置する表がわ下縁部26bには、表がわ底部がわシール代37bが、表がわ第四横折り曲げ線25bを介して形成されている。
また、表がわブランク板10bには、その最も上がわに位置する表がわ上縁部21bより下がわ方向に順次、各部の形成板が設けられている。
主要部について説明すると、表がわ上縁部21bの中央領域の下がわに、表がわ上部重ね合わせ板34bが設けられている。その表がわ上部重ね合わせ板34bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天面板33bが連設されている。その表がわ天面板33bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ壁面板31bが連設されている。その表がわ壁面板31bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底面板35bが連設されている。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ仮想線14bを境界として、表がわ天部の側部板41bが連設されている。
なお、チャック付き紙容器90が作製される際に、天部がわ突出部74が胴部72の方向に折り曲げられる。その際に、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が生じるが、その折り曲げ部76は細い線状ではなく、詳細は後述するが、表がわ第二縦折り曲げ仮想線14bに沿って湾曲して折り曲がる。そのために、表がわ上部重ね合わせ板34bと表がわ天部の側部板41bとの境界は、必ずしも明確とはならないが、存在している。
また、表がわ天面板33bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ仮想線14bを境界として、表がわ天部がわ突出部代38bが連設されている。
なお、上記の表がわ天部の側部板41bと同様に、表がわ上部重ね合わせ板34bと表がわ天部がわ突出部代38bとの境界は、必ずしも明確とはらないが、存在している。
また、表がわ壁面板31bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ側面板32bが連設されている。
また、表がわ底面板35bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ底部がわ突出部代43bが連設されている。
また、それぞれの表がわ天部の側部板41bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天部がわ突出部代38bが連設されている。その表がわ天部がわ突出部代38bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ側面板32bが連設されている。その表がわ側面板32bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底部がわ突出部代43bが連設されている。
上記の表がわ底面板35bと、その左右両がわの表がわ底部がわ突出部代43bの下がわに、底部がわシール代37bが連設されている。
上記の表がわ天部の側部板41bと、表がわ天部がわ突出部代38bと、表がわ側面板32bと、表がわ底部がわ突出部代43bとの左右の外がわには、表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して、表がわ側縁部がわシール代36bが連設されている。
本実施形態のブランク板10への折り曲げ線を付与する加工(罫線加工)は、積層シート78が完成してから罫線加工して、その後にチャック付き紙容器90を製造する機械に積層シートを供給する。あるいは、罫線加工はチャック付き紙容器90を製造する機械にて実施してもよい。
罫線加工の方法としては、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が採用される。
また、罫線加工を実施する前に、積層シート78をシート断ちしてもよい。あるいは、積層シート78はロール状で罫線加工の工程に供給されてもよい。
また、積層シート78を打ち抜いて、ブランク板10を製造する打ち抜き工程について説明する。前記打ち抜き工程は、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が選択される。ロール状の積層シート78から直接にブランク板10を形成してもよく、一度枚葉にシート断ちしてから、打ち抜いてもよい。
また、罫線加工と打ち抜き加工の順番は問わない。同時に加工してもよい。
また、所定のロール幅にスリットしたロール状の積層シート78を、チャック付き紙容器90を製造する機械に供給し、ロール状の積層シート78の横断方向に切断し、ブランク板10が作製されてもよい。
また、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとは、線対称で同一形状である。言い替えれば、ブランク板の層構成が逆になっているほぼ同一形状のブランク板である。
図7は、図6A、図6Bに示したブランク板10を用いてチャック付き紙容器90を製造する際の、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。最上部が図6Bに示した表がわブランク板10bの上縁部21bであり、その裏がわには、裏がわブランク板10aが備えられている。裏がわブランク板10aは目視できないが、透視とすると表がわブランク板10bと同形状となる。
なお、図7では、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが重なっており、各構成要素は、製造上のバラツキの範囲で、図面を透視すると同じ位置関係であるので、表がわの表記及び添え字を、説明の際に割愛することがある。
上部重ね合わせ板34及び表がわ天部の側部板41には、上述の2枚のブランク板が互いに重なり合う所定の位置に、横断方向の封止手段としての上部シール部53と、チャックテープ接合部52とが、上縁部21がわから順次に設けられている。
上部シール部53は、上部重ね合わせ板34及びそれぞれの天部の側部板41の上縁部21、若しくは上縁部21の近傍に設けられる。
上部シール部53が上縁部21に略平行であると、上部シール部53の長さを短くすることができ、かつブランク板10に無駄が生じない。
横断方向の封止手段としての上部シール部53は、相対することになる表がわ上部シール部53bと裏がわ上部シール部53aとが接合されて形成される。その接合は、チャック付き紙容器90の上縁部21、若しくは上縁部21の近傍を、全幅に渡って横断するように接合されるため、チャック付き紙容器90の閉鎖が保たれる。
また、上部シール部53は、上縁部21に略平行であることが望ましい。さらに、チャックテープ接合部52は、上縁部21に略平行であることが望ましい。
そのような形態では、チャックテープ61の開閉及び、内容物の取り出しが容易となる。また、チャックテープ61の長さを短くすることができる。
<易開封加工線>
易開封加工線51について説明する。
表がわ上部重ね合わせ板34b及び表がわ天部の側部板41bには、開封手段としての表がわ易開封加工線51bが設けられてもよい。
易開封加工線51bが設けられることで、鋏などの道具を使用しなくても、チャック付き紙容器90を開封できる。
図7に示したように、易開封加工線51は、ブランク板10の一方の側縁部11から他方の側縁部11まで繋がっており、上部シール部53とチャックテープ61の間に存在する。
易開封加工線51の端部のどちらかにノッチ77が設けられてもよく、本実施形態では右がわの側縁部11にノッチ77が設けられている。また、ノッチ77は左がわの側縁部11に設けられてもよい。あるいは左右の両方の側縁部11にノッチ77が設けられてもよい。ノッチ77が設けられることにより、初期の開封が容易になる。
易開封加工線51を一方の側縁部(ここでは右がわ)11がわから切断し、他方の側縁部(ここでは左がわ)11まで至ることで、上部重ね合わせ板34及び表がわ天部の側部板41が横断的に切除されて、あわせて上部シール部53が切除されて、チャックテープ61が露出する。
なお、開封手段の易開封加工線51に、断続的なハーフカット線又は直線状のハーフカット線を使用する場合は、通常の刃物による方法で形成してもよいが、レーザ光照射による方法、超音波を利用する方法、ダイヤモンドカットと呼ばれる方法を使用することにより、より精度と安定性に優れたハーフカット線を形成することができる。
また、易開封加工線51は、幅を有する帯状であってもよい。また、易開封加工線51は複数設けられてもよい。複数設けることにより、易開封加工線51の切断が逸脱することを防ぐことができる。
なお、表がわブランク板10bの積層シート78の材質、層構成、易開封処理の状況などによっては、易開封加工線51bを設けなくてもよい。易開封加工線51bが無くても、人の手にて開封可能な場合がある。
さらに、上記のように易開封加工線51bが設けられない場合は、鋏などの刃物で開封されてもよい。その場合は、開封予定線が印刷によって表示されてもよい。また、その印刷の位置は、図6Bに示された易開封加工線51bの位置に印刷されてもよい。また、チャック付き紙容器90には開封予定線を明示せずに、添付する説明書などに記載してもよい。
<チャックテープ>
チャックテープ61は、雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとが、それぞれ押出成形にて成形されており、雄型チャックテープ嵌合部63mと、雌型チャックテープ嵌合部63fとが嵌合されている。
<チャックテープの接合手順>
チャック付き紙容器90の組み立ての手順は後ほど説明するが、その手順のうち、ここではチャックテープ61の接合手順を説明する。
チャックテープ接合部52は、この場合、チャック付き紙容器90を組み立てる際のチャックテープ61の接合予定部である。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとが重ね合わされて、側縁部がわシール代36同士、及び上部シール部53同士がヒートシールされる。
その際に、予め雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとが、雄型チャックテープ嵌合部63mと、雌型チャックテープ嵌合部63fとで嵌合されたチャックテープ61がこの部分に挿入される。そして、同時に2枚のブランク板10の外面がわからチャックテープ接合部52が加熱、加圧される。そして、ブランク板10とチャックテープ61とが、ヒートシールされる。(図14A、図14B参照)。
なお、チャックテープ61のブランク板10への接合は、上記のようなヒートシールに限らず、接着剤や接着テープなど、その他の方法にて接合されてもよい。
このような方法でチャックテープ61がヒートシールされることにより、雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとを別々にチャックテープ接合部52にヒートシールする方法と比較して、ヒートシールの位置ずれが少なくなり、また、取り付け工程が簡略化されるので、生産効率よくチャックテープ61を取り付けることができる。
<ブランク板の積層シート>
ブランク板10に用いる積層シート78は、前述したように、少なくとも紙基材層782を積層し、少なくとも最内層の熱可塑性樹脂層783としてポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を積層した積層シート78を用いるが、中間層には必要に応じて、水蒸気や酸素やその他の物質のバリア層785や、強度向上層などを設けることができる。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90に絵柄等の印刷層を設ける場合、通常は紙基材層782の表面に印刷するが、仮に紙基材層782の印刷適性が良くない場合は、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどに絵柄等の印刷層を設け、そのフィルムを紙基材層782の外がわのいずれかの層に積層することもできる。
紙基材層782は、剛性があり、且つ、折り曲げ線などで折り曲げた時、割れの生じにくい紙が好ましいが、特に限定はされずチャック付き紙容器90に充填される内容物に応じて、耐水性(サイズ度)なども考慮して適するものを適宜に選定して使用することができる。
具体例として、上質紙、晒クラフト紙、カップ原紙、ミルクカートン原紙などを好適に使用することができ、その坪量は、80~320g/m2の範囲が適切である。
最内層、及び必要に応じて最外層、中間層の熱可塑性樹脂層(シーラント層)の樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー、そして、ポリプロピレン及びその共重合体、ポリエステル系樹脂などを使用することができ、これらの中から、充填される内容物や、保管及び使用される条件に応じて、適するものを適宜に選定して使用することができる。
上記の熱可塑性樹脂のうち、特にエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)及びエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)は、押し出しコートなどの加工時の熱安定性、各種の基材に対する接着性、低温ヒートシール性などに優れると共に、薄膜形成性にも優れているので、厚みをそれほど必要としない最外層の熱可塑性樹脂層(シーラント層)を、例えば、6~10μmのような比較的薄い厚さで押し出しコートして積層することも容易であり、プラスチック材料の使用比率を低減できると同時に、コスト面でもメリットを得ることができる。
以上のような最内層、及び必要に応じて最外層の熱可塑性樹脂層(シーラント層)は、その積層面に必要に応じてアンカーコート、コロナ処理、フレーム(火炎)処理などの易接着性処理を施した後、その上に樹脂を押し出しコートして積層できるほか、熱可塑性樹脂を予めフィルム状に製膜しておいて、そのフィルムを公知のドライラミネート又は押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などで貼り合わせて積層することができる。
積層シート78の中間層にバリア層785を積層する場合、バリア層785としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの金属又は無機酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)、二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)などの基材フィルムに、厚み20~100nmに蒸着した蒸着フィルムなどを使用することができる。あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム(以下、EVOHフィルム)、ナイロンMXD6の二軸延伸フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、そして、ポリ塩化ビニリデンの塗膜層を設けたPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなどを使用することができる。
このようなバリア層785は、通常、紙基材層782の内がわの面に積層することが、そのバリア性を効果的に利用できる点で好ましいが、バリア層785にアルミニウムなどの金属箔や金属蒸着フィルムを使用した場合は、そのメタリック感をデザインにも利用するため、紙基材層782の外がわの面に積層することもできる。バリア層785の積層は、公知のドライラミネート又は押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などにより容易に積層することができる。
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板10の積層シート78の層構成を例示する。積層シート78の断面図を、図5A、図5B、図5C、図5Dに示す。
なお、図5A、図5B、図5C、図5Dは、従来技術のブランク板81の積層シート88の説明にも用いるが、本開示のブランク板10の積層シート78にも用いており、符号を併記している。
図5Aは、3層からなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層781 / 紙基材層782 /
最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図5Bは、2層からなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 紙基材層782 / 最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図5Aに示した3層からなるブランク板10から、最外層の熱可塑性樹脂層781を除外した層構成である。
また、ブランク板10にバリア性(水蒸気、酸素、保香性など)を要求する場合は、バリア層785を備えることができる。図5Cは、5層ならなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層781 / 紙基材層782 / 中間の接着層 784 / バリア層785 / 最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図5Dは、4層からなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 紙基材層782 / 中間の接着層 784 / バリア層785 /
最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図5Cに示した5層からなるブランク板10から、最外層の熱可塑性樹脂層781を除外した層構成である。
上記の各積層シート78の各層間の接合は、公知のドライラミネート、押出コーティング、接着剤などにより行われる。なお、各層間の接合のための層は、厚さが薄いため、示していないことがある。
<チャック付き紙容器の作製>
以下に、チャック付き紙容器90のブランク板10から、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、さらに中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製され、そして内容物が充填されたチャック付き紙容器90の包装体が完成させられるまでの手順の概要を説明する。
<中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)の作製>
上述の2枚のブランク板10が重ね合された際に、チャックテープ接合部52同士が重なる位置に、予め雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとが嵌合されたチャックテープ61が挿入され、2枚のブランク板10のそれぞれの外面がわからチャックテープ接合部52が加熱、加圧されヒートシールされる。
次いで上部シール部53の内面同士がヒートシールされ、ブランク板10の側縁部11に隣接したそれぞれの側縁部がわシール代36の内面同士がヒートシールされる。そして、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91は、下縁部26が開口する袋状に形成される。
また、易開封加工線51の各端部(両がわの側縁部と接する箇所)にノッチ77が設けられてもよい。なお、ノッチ77は、どちらか一箇所の端部に設けてもよい。
チャック付き紙容器90は、実際の製造の際には特に限定はされないが、生産性をよくするため、紙容器の組み立てと、内容物の充填と、各接合箇所のシールとをインラインで行う装置を用いてもよい。
その装置において、ロール状に巻き上げられた長尺の印刷済み積層シート78を繰り出して、紙容器が横につながった形式で、折り曲げ線の加工、及びチャックテープ61の挿入及びヒートシール、側縁部がわシール代36のヒートシール、上部シール部53のヒートシール、ノッチ77の打ち抜きなどを行ってもよい。
なお、所望のチャック付き紙容器90が得られるならば、上記工程の順番以外でも構わない。
ところで、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91において、チャックテープ61とブランク板10が接合された箇所である、チャックテープ61の接合箇所の拡大断面図を図14A、図14Bに示す。その切断箇所は、図7の断面位置C-Cに示されている。ここでは、ブランク板10は、図5Dの4層の積層シート78で例示する。
図14Aでは、表がわブランク板10bに表がわチャックテープ61bとして、雌型チャックテープ61fが接合されている。雌型チャックテープ61fは、ブランク板10に接合される雌型チャックテープ体部62fと、雄型チャックテープ61mと嵌合する凹部を有する雌型チャックテープ嵌合部63fを含んでいる。
また、裏がわブランク板10aに裏がわチャックテープ61aとして、雄型チャックテープ61mが接合されている。雄型チャックテープ61mは、ブランク板10に接合される雄型チャックテープ体部62mと、雌型チャックテープ61fと嵌合する凸部を有する雄型チャックテープ嵌合部63mを含んでいる。
図14Bでは、表がわブランク板10bに表がわチャックテープ61bとして、雄型チャックテープ61mが接合されている。雄型チャックテープ61mは、ブランク板10に接合される雄型チャックテープ体部62mと、雌型チャックテープ61fと嵌合する凸部を有する雄型チャックテープ嵌合部63mを含んでいる。
また、裏がわブランク板10aに裏がわチャックテープ61aとして、雌型チャックテープ61fが接合されている。雌型チャックテープ61fは、ブランク板10に接合される雌型チャックテープ体部62fと、雄型チャックテープ61mと嵌合する凹部を有する雌型チャックテープ嵌合部63fを含んでいる。
なお、表がわブランク板10bに、雄型チャックテープ61mが接合されるか、あるいは雌型チャックテープ61fが接合されるかは、チャック付き紙容器90の要求性能や、チャック付き紙容器90の製造装置の仕様などにより、適宜選定される。
チャックテープ61のうちで、チャックテープ嵌合部63が特に厚くなっており、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が折り曲げられる際に、ブランク板10はチャックテープ嵌合部63の位置に損傷(亀裂)が生じやすい。
<中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)の作製>
この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の底部73の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34が残されて、その下がわの天面板33が、第一横折り曲げ線22により前後に広げられて、上部重ね合わせ板34が上方向に起立させられる。
ここで、胴部72の稜部72dの折り曲げ加工を確実に行うために、胴部72の内がわ及び/又は外がわから、稜部72dの近傍(当接を含む)に補助部材を接触させてもよい。
上部重ね合わせ板34の下がわに天面板33による天部71と、さら胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成される。この段階では図8のように、上部重ね合わせ板34は、上方向に起立している。
なお、設計では胴部72の水平断面の形状及び底部73の開口の形状は、矩形状を想定しているが、紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な矩形状とならない場合を含め、略矩形状としている。
<チャック付き紙容器の成形・充填>
次に、上方向に起立する上部重ね合わせ板34が、背面がわ(裏がわ天面板33aがわ)に折り曲げて寝かされる。そして、左右両がわに突出する天部がわ突出部74が、側面板32の方向に折り曲げられて、胴部72に接合される。
この際に、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が折り曲げられる。その際に、明確な折り曲げ線(一例として、第二縦折り曲げ仮想線14が、実存する折り曲げ線であった場合など)が存在しないため、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が、小さな曲率で折り曲げられることはなく、大きく湾曲して折り曲がる。
天部がわ突出部74が胴部72に接合される方法は、接着剤(ホットメルト等)を使用する方法、接着テープを使用する方法、機械的に接合する方法(係合させるもの、接合具を用いるもの)などでもよい。また、ブランク板10の最外層に熱可塑性樹脂層(シーラント層)が備えられる場合は、その熱可塑性樹脂層(シーラント層)がヒートシールされる方法がある。
後述する底部がわ突出部75の接合も、同様な方法が用いられる。
なお、天部がわ突出部74の先端部が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されてもよい。
また、天部がわ突出部74の先端部以外の箇所が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されてもよい。その場合は、天部がわ突出部74の先端部は、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されなくてもよい。
上記のように形成された中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部73が上に向けられて、開口する底部73から内容物が充填され、次いで、底部73が折り曲げられて、底部がわシール代37同士が合掌シール形式でヒートシールされる。
その後、接合された底部がわシール代37が、背面がわ(裏がわ底面板35aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわの突出する底部がわ突出部75が底面板35がわに折り曲げられて接合されることにより、略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が完成する。
図9は、本実施形態のチャック付き紙容器90を示す斜視図である。図10は、図9に示したチャック付き紙容器90の側面図である。図11は、図9に示したチャック付き紙容器90の平面図である。
図9に示したチャック付き紙容器90は、外形を略直方体形状に形成したものであり、その胴部72の稜部72dを備えている。
なお、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が大きく湾曲しており、かつ紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な直方体形状とならないので、略直方体形状としている。
上記のように、チャック付き紙容器90は、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が大きく湾曲しており、略直方体形状に形成できるのは、表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aの両方において、第二横折り曲げ線23から下縁部26までの間にのみ第二縦折り曲げ線13が存在し、上縁部21から第二横折り曲げ線23までの間には第二縦折り曲げ線13が存在しないためである。即ち、本実施形態では、第二縦折り曲げ仮想線14に相当する折り曲げ線が存在しないため、天部がわ突出部74の折り曲げ部76を大きく湾曲して折り曲げることができる。
そのため、チャックテープ61が接合された箇所の積層シート78は特に厚く、天部がわ突出部74の折り曲げ部76の外がわにストレス(引っ張り力)がかかるために、損傷(亀裂)が生じやすいが、本実施形態のチャック付き紙容器では、天部がわ突出部74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)は生じにくいので、外観が劣化しない。
図13に、本実施形態のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部74の折り曲げ部76の拡大断面図を示す。その断面位置は、図11の断面位置B-Bである。
天部がわ突出部74の折り曲げ部76には、曲率の小さい部分が生じないので、天部がわ突出部74の折り曲げ部76の外面がわが引き伸ばされる量(長さ)が、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が曲線ではなく、角を有するように折れる場合(曲率半径が極めて小さい場合)と比較して小さくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が生じにくくなる。
<チャック付き紙容器の取り出しのための開口動作>
完成した内容物入りチャック付き紙容器90の包装体の天部71を、内容物を取り出すために開口した状態を図12に示す。
易開封加工線51が、一方(ここでは右がわ)の側縁部11がわに設けられたノッチ77より、人の手により開封が開始されて、他方(ここでは左がわ)の側縁部11に至るまで切断される。
次に、表がわ易開封加工線51bと表がわチャックテープ61bの間の表がわ開封掴み代57bと、裏がわ易開封加工線51aと裏がわチャックテープ61aの間の裏がわ開封掴み代57aとを、それぞれ人の手で掴み、チャック付き紙容器90の外がわ方向に拡げることにより、易開封加工線51にて露出したチャックテープ61が開口させられる。
このチャックテープ61の開口動作の際に、チャックテープ61のそれぞれのブランク板10の側縁部11がわの端部は、それぞれの側縁部がわシール代36まで略全幅に渡って開口する。
上記のように、チャックテープ61の雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fが解離することで、取り出し用開口部56が形成される。
<第二の実施形態>
本実施形態のブランク板10を図15A、図15Bに示す。
本実施形態のブランク板10は、第一の実施形態のブランク板10(図6A、図6B参照)と比較して、表がわブランク板10bは同様である。裏がわブランク板10aは、裏がわ第二縦折り曲げ線13aが、裏がわ上縁部21aから裏がわ下縁部26aまで存在している。
その他のブランク板10の形状、積層シート78の層構成などは、第一の実施形態と同様である。
本実施形態のブランク板10では、裏がわブランク板10aと比較して、天部がわ突出部74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じやすい表がわブランク板10bにおいては、第二横折り曲げ線23から下縁部26までの間にのみ第二縦折り曲げ線13が設けられ、上縁部21から第二横折り曲げ線23までの間に第二縦折り曲げ線13が存在しない。
これにより、ブランク板10の積層シート78の仕様によっては、本実施形態のブランク板10の形状でも、天部がわ突出部74の折り曲げ部76の損傷(亀裂)を防ぐことができる。
一方、裏がわブランク板10aにおいて、裏がわ第二縦折り曲げ線13aが、裏がわ上縁部21aから裏がわ第二横折り曲げ線23aまでの間に折り曲げ線が存在することから、当該部分が線状に折り曲げられることで、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部74の折り曲げ部がシャープな外観となるため、天部がわ突出部74の折り曲げ部76の損傷(亀裂)を防げることと、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部74の折り曲げ部のシャープな外観とを両立させることができる。
以下に、実施例を挙げて本開示の実施形態を更に具体的に説明する。
<実施例1>
実施例1では、第一の実施形態に相当する図6A、図6Bのブランク板10を用いて、図9に示した構成のチャック付き紙容器90を作製した。
図6A、図6Bの2枚のブランク板10を準備して、その内面同士が位置を合わされて重ね合され、図7のように、対向する両がわの側縁部がわシール代36がヒートシールされ、また、上部シール部53もヒートシールされた。あわせてチャックテープ61もヒートシールされた。そのようにして、底部がわシール代37が未シールである中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。
ブランク板10の積層シート78は、下記の構成とした。
(外面がわ)
絵柄等印刷層(紙基材層782の外面にグラビア印刷) /
紙基材層782(液体紙容器用原紙150g/m2 日本製紙) /
中間の接着層784(EMAA 20μm 三井・ダウポリケミカル
N0908N) /
バリア層785(シリカ蒸着PET 12μm 大日本印刷
IB-PET-UBP) /
最内層の熱可塑性樹脂層783(LDPE 40μm 日本ポリエチレン
LC520)
(内面がわ)
上記の積層シート78の製造方法について説明する。
まず、ロール状の紙基材層782が繰り出され、所定の位置に、所定の絵柄や文字がグラビア印刷されて、再びロール状に巻き上げられた。
次の工程で、上記のロール状の紙基材層782が繰り出され、紙基材層782の内面がわに、バリア層785(シリカ蒸着PET 12μm)が、溶融した中間の接着層784(EMAA 20μm)を中間に介在させて、押出ラミネート(サンドイッチラミネート)により積層された。
次に、バリア層785の紙基材層782の反対がわ(内面がわ)に、押出ラミネートにより、最内層の熱可塑性樹脂層783(LDPE 40μm)が形成されて、再びロール状に巻き上げられた。
また、各接合層間には接合力を向上させるための、必要に応じてアンカーコート処理、コロナ処理、フレーム処理(火炎処理)などを実施してもよい。あるいは、溶融した樹脂にオゾン処理などをしてもよい。
次に、ロール状の積層シート78が繰り出されて、罫線加工、及び打ち抜き加工などが施されて、ブランク板10が完成した。
チャック付き紙容器90の上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の内面に、ヒートシールされて取り付けられるチャックテープ61は、雄型チャックテープ61m及び雌型チャックテープ61fとも、ヒートシールされるチャックテープ体部62が二層の層構成である。
そのチャックテープ61は、チャック付き紙容器90にヒートシールされる面の樹脂層がLLDPEで形成され、その反対がわの面の樹脂層がMDPEで形成され、また、雄型チャックテープ嵌合部63m及び雌型チャックテープ嵌合部63fの嵌合部は、いずれもLLDPEで形成されたもので、チャックテープ体部62の幅がいずれも7mmのものを用いた。
裏がわブランク板10a及び表がわブランク板10bの寸法は、縦220mm、横169mmの矩形状で、周囲の端縁部にシール代として、両がわの側縁部11には幅7mmの側縁部がわシール代36が設けられた。
また、下がわの下縁部26にはそれぞれ幅が10mmの底部がわシール代37を設けられた。
また、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の上縁部21の近傍には、それぞれ幅3mmの上部シール部53のシール代が設けられた。
ブランク板10には、上縁部21から下がわ方向に順次、上部重ね合わせ板34、第一横折り曲げ線22、天面板33、第二横折り曲げ線23、壁面板31、第三横折り曲げ線24、底面板35がこの順に設けられた。
表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aの両方において、各々の第二縦折り曲げ線13は、第二横折り曲げ線23から下縁部26に渡って存在するが、第二横折り曲げ線23から表がわ上縁部21bに渡っては存在しなかった。なお、上記の折り曲げ線が存在しない箇所は、第二縦折り曲げ線13の延長線上に存在し、仮想線である第二縦折り曲げ仮想線14と想定した。
また、上部重ね合わせ板34の両がわの外方には、第二横折り曲げ仮想線14を境界として、天部の側部板41が設けられた。
また、天面板33の両がわの外方には、第二横折り曲げ仮想線14を境界として、天部がわ突出部代38が設けられた。
また、壁面板31の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、側面板32が設けられた。
また、底面板35の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、底部がわ突出部代43が設けられた。
そして、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41には、2枚のブランク板10の内面同士の位置が合わされて重ね合された際に、上縁となる上縁部21から10mm下方の位置に、図7のように容器の開封手段として易開封加工線51が、チャック付き紙容器90の天部71の横断方向に、積層シート78の紙基材層782の印刷と共に設けられた。易開封加工線51は、断続的なハーフカット線として設けられた。
また、易開封加工線51の下に、5mmの間隔をあけて上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の内面にチャックテープ61が、チャック付き紙容器90の天部71を横断する方向に、ヒートシールされるように構成した。
また、上述した方法で、2枚のブランク板10の接合とチャックテープ61のヒートシール、側縁部がわシール代36のヒートシール、及び上部シール部53のヒートシールを行った後、重なり合う易開封加工線51の右がわの側縁部11がわにノッチ77が設けられ、底部がわシール代37が未シール状態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。(図7参照)。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が、未シール状態の底部がわシール代37の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34が残されて、その下がわの天面板33が第一横折り曲げ線22により前後に広げられて、上部重ね合わせ板34が上方向に起立させられた。
上部重ね合わせ板34の下に天面板33による天部71と、さらに胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成された。(図8参照)。
そして、重ね合わされた上部重ね合わせ板34が、裏がわ天面板33aがわに折り曲げられた。その後、天部71の左右両がわに連設された天部がわ突出部74が、胴部72へ接合された。接合にはホットメルトが使用された。
また、天部がわ突出部74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内がわ方向(天部がわ突出部74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部74と胴部72を接合しやすくした。
完成後の略直方体形状の紙容器の寸法が、幅が95mm、高さが120mm、奥行きが60mmとなるように形成した。
上記のようにして、チャック付き紙容器90が作製された。
<実施例2>
本実施例では、第二の実施形態に相当する、図15A、図15Bに記載されたブランク板10を用いて、チャック付き紙容器90が作製された。本実施例の表がわブランク板10bは、実施例1と形状は同じである。本実施例の裏がわブランク板10aは、裏がわ第二縦折り曲げ線13aが、裏がわ上縁部21aから裏がわ下縁部26aまで存在していたこと以外は、実施例1と同じ形状である。その他のブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法などは、実施例1と同じであった。
<比較例>
比較例では、図1に示したような1枚のブランク板81を用いて、図2に示したチャック付き紙容器80が作製された。
なお、比較例のブランク板81では、第二縦折り曲げ線812が一方の下縁部から、中間横折り曲げ線(半折り線)821を経由して、他方の下縁部に向けての直線となっていた。
重ね合わせた上部重ね合わせ板834及び天部の側部板843を裏がわ天面板833aがわに折り曲げ、チャック付き紙容器80の天部871の左右両がわ端に突出する天部がわ突出部874を、紙容器の胴部872への接合する際に、天部がわ突出部874の折り曲げ部876を介した、天部871と天部がわ突出部874とが成す角度を略直角とした。
その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
<評価>
実施例1と2と、比較例のサンプルを各100個作製した。
なお、比較例のチャック付き紙容器80を作製する際には、そのブランク板81の中間横折り曲げ線(半折り線)821で折り曲げる工程があった。(図1参照)。その工程にて、隣接する易開封加工線851が誤って折り曲げられてしまう事象が見られた。本来ならば折り曲げられてはならない易開封加工線851が折り曲げられてしまうと、ブランク板81が不良品となり、損失が生じた。
これは、易開封加工線851は易開封性を確保するために、切断部分(ハーフカットを含む。)が多く、意図せずに折り曲げられやすくなっていることによる。
易開封加工線851の折り曲げられやすさは、中間横折り曲げ線(半折り線)821の折り曲げられやすさと同程度になることが多く、チャック付き紙容器80が製造される際には、注意深く中間横折り曲げ線(半折り線)821が折り曲げられるが、誤って隣接している易開封加工線851が折り曲げられてしまうことがある。
また、より注意深く中間横折り曲げ線(半折り線)821を折り曲げようとすると、チャック付き紙容器80の製造に要する時間が増大する。その結果、チャック付き紙容器80の製造能力が低下することがある。
これに対して、2枚のブランク板10a、10bを接合してチャック付き紙容器90を作製する本開示のチャック付き紙容器90では、中間横折り曲げ線が無く、したがって、中間横折り曲げ線を折り曲げる工程もないため、上記のように誤って易開封加工線851を折り曲げてしまう不良が発生しない。
このため、本開示のチャック付き紙容器90においては、その製造能力が低下することがなく、また不良の発生も少なくすることができる。
比較例では、チャック付き紙容器80の天部がわ突出部874の折り曲げ部876の積層シート88に損傷(亀裂)879が生じた。
実施例1と2では、いずれもチャック付き紙容器90の天部がわ突出部74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)等による外観の劣化が生じずに、外観の美観性が保たれた。
これは、天部がわ突出部74の折り曲げ部76に折り曲げ線が存在しないため、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が大きな曲率にて湾曲するので、天部がわ突出部74が折り曲げる際の生じるストレスが減少するためであった。また、特に天部がわ突出部74の折り曲げ部76の位置での表がわブランク板10bの、チャックテープ61から外がわの層(本実施例では紙基材層782であった。)の引き延ばしが少ないためであった。
上記のように作製した実施例1と2の中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92に、それぞれ底部73から内容物としてスナック菓子を充填し、次いで、底部73の折り込み、および底部がわシール代37同士のヒートシールと、そのヒートシール部を裏がわ底面板35aの方向へ寝かせた。
さらに底部73の左右両がわから突出する底部がわ突出部75を底面板35がわへ折り曲げ、表がわ底面板35b及び/又は表がわ底部がわシール代37bへのヒートシールを行って、実施例1と2の略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が作製された。
また、上記のように作製された実施例1と2のチャック付き紙容器90の包装体について、その開封性と内容物の取り出し適性、およびチャックによる再封性をテストした。
その結果、いずれも天部の側部板41に初期開封手段として設けられたノッチ77と、上部重ね合わせ板34と天部の側部板41に設けられた易開封加工線51により、容易に易開封加工線51の上部を切り取って開封することができた。
次に、表がわ易開封加工線51bと表がわチャックテープ61bの間の表がわ開封掴み代57bと、裏がわ易開封加工線51aと裏がわチャックテープ61aの間の裏がわ開封掴み代57aとを、それぞれ人の手で掴み、チャック付き紙容器90の外がわ方向に拡げた。
そのことにより、易開封加工線51にて露出したチャックテープ61の嵌合が容易に解離されて、チャック付き紙容器90の上部が略全幅に渡って開口され、取り出し用開口部56が形成された。その取り出し用開口部56を経て、内部に充填されたスナック菓子を容易に取り出すことができた。
また、内容物の一部を取り出した後に、実施例1から3のチャック付き紙容器90の包装体は、容易にチャックテープ61が再嵌合されて、再封された。そして、残りの内容物は適切に保存された。
さらに、本開示のチャック付き紙容器90は、チャック付き紙容器90の全体の質量に対する紙の質量比率は、紙容器としての基準である51質量%以上を充分に満たすものであった。
10 ブランク板
10a 裏がわブランク板
10b 表がわブランク板
11 側縁部
12 第一縦折り曲げ線
13 第二縦折り曲げ線
14 第二縦折り曲げ仮想線
17 天部がわ斜め折り曲げ線
18 底部がわ斜め折り曲げ線
21 上縁部
22 第一横折り曲げ線
23 第二横折り曲げ線
24 第三横折り曲げ線
25 第四横折り曲げ線
26 下縁部
31 壁面板
32 側面板
33 天面板
34 上部重ね合わせ板
35 底面板
36 側縁部がわシール代
37 底部がわシール代
38 天部がわ突出部代
41 天部の側部板
43 底部がわ突出部代
51 易開封加工線
52 チャックテープ接合部
53 上部シール部
56 取り出し用開口部
57 開封掴み代
61 チャックテープ
61m 雄型チャックテープ
61f 雌型チャックテープ
62 チャックテープ体部
62m 雄型チャックテープ体部
62f 雌型チャックテープ体部
63 チャックテープ嵌合部
63m 雄型チャックテープ嵌合部
63f 雌型チャックテープ嵌合部
71 チャック付き紙容器の天部
72 チャック付き紙容器の胴部
72d 胴部の稜部
73 チャック付き紙容器の底部
74 天部がわ突出部
75 底部がわ突出部
76 天部がわ突出部の折り曲げ部
77 ノッチ
78 積層シート
781 最外層の熱可塑性樹脂層
782 紙基材層
783 最内層の熱可塑性樹脂層
784 中間の接着層
785 バリア層
80 従来技術のチャック付き紙容器
81 従来技術のブランク板
81a 従来技術の裏がわブランク板
81b 従来技術の表がわブランク板
812 従来技術の第二縦折り曲げ線
821 従来技術の中間横折り曲げ線(半折り線)
831 従来技術の壁面板
832 従来技術の側面板
833 従来技術の天面板
834 従来技術の上部重ね合わせ板
835 従来技術の底面板
836 従来技術の側縁部がわシール代
837 従来技術の底部がわシール代
838 従来技術の天部がわ突出部代
843 従来技術の天部の側部板
851 従来技術の易開封加工線
856 従来技術の取り出し用開口部
861 従来技術のチャックテープ
871 従来技術のチャック付き紙容器の天部
872 従来技術のチャック付き紙容器の胴部
873 従来技術のチャック付き紙容器の底部
874 従来技術の天部がわ突出部
876 従来技術の天部がわ突出部の折り曲げ部
879 損傷(亀裂)
88 従来技術の紙容器の積層シート
881 従来技術の最外層の熱可塑性樹脂層
882 従来技術の紙基材層
883 従来技術の最内層の熱可塑性樹脂層
884 従来技術の中間の接着層
885 従来技術のバリア層
90 本開示のチャック付き紙容器
91 本開示の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)
92 本開示の中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)

A 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部の折り曲げ部の断面図の切断位置
B 本開示のチャック付き紙容器の天部がわ突出部の折り曲げ部の断面図の切断位置
C チャックテープ接合箇所の拡大断面図の切断位置

E 第一天部交点(第一縦折り曲げ線と第一横折り曲げ線との交点)
F 第二天部交点(第二縦折り曲げ線と第二横折り曲げ線との交点)
G 第一底部交点(第一縦折り曲げ線と第四横折り曲げ線との交点)
H 第二底部交点(第二縦折り曲げ線と第三横折り曲げ線との交点)

Claims (2)

  1. 紙を基材とする積層シートからなる表がわブランク板と裏がわブランク板とを接合して組み上げられるチャック付き紙容器において、
    前記チャック付き紙容器の上部に、前記表がわブランク板と前記裏がわブランク板とを重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板、及び前記上部重ね合わせ板の下がわに連設される天面板とからなる天部と、
    前記上部重ね合わせ板の左右両がわに連設される天部の側部板と、
    前記天部の左右両がわに連設される天部がわ突出部と、
    前記天部の下がわに備わる胴部と、
    前記胴部の下がわに備わる底部と、
    前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板の上縁部若しくは前記上縁部の近傍を、横断する上部シール部と、
    前記上部シール部の下がわに位置し、前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板を横断するチャックテープと、を備え、
    前記表がわブランク板と裏がわブランク板には、上縁部から順次に、第一横折り曲げ線、第二横折り曲げ線、第三横折り曲げ線、第四横折り曲げ線が設けられており、
    前記表がわブランク板と裏がわブランク板には、両がわの側縁部からそれぞれ順次に、第一縦折り曲げ線、第二縦折り曲げ線が設けられており、
    少なくとも前記表がわブランク板における前記第二縦折り曲げ線は、前記第二横折り曲げ線から下縁部までの間のみに設けられているチャック付き紙容器。
  2. 前記表がわブランク板及び裏がわブランク板の両方の前記第二縦折り曲げ線は、前記第二横折り曲げ線から下縁部までの間のみに設けられている請求項1に記載のチャック付き紙容器。
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