JP2022026705A - チャック付き紙容器 - Google Patents

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JP2022026705A
JP2022026705A JP2020130296A JP2020130296A JP2022026705A JP 2022026705 A JP2022026705 A JP 2022026705A JP 2020130296 A JP2020130296 A JP 2020130296A JP 2020130296 A JP2020130296 A JP 2020130296A JP 2022026705 A JP2022026705 A JP 2022026705A
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一平 武本
Ippei Takemoto
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Abstract

【課題】本開示は、立体形状を有し、自立性があり、天部71にチャックテープ61を備えるチャック付き紙容器90に関する。より詳しくは、直方体形状のチャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に、折り曲げられて生じる虞れがある、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78の損傷(亀裂)が軽減されることを目的とする。【課題を解決するための手段】チャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74を形成する易屈曲加工部39に易屈曲加工が施されており、天部がわ突出部(耳部)74が所望の形状にしやすくなるため、折り曲げ部76に過剰なストレスがかからない。また天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部が鈍角であること、もしくは曲線であることを特徴とする。【選択図】図10

Description

本開示は、チャック付き紙容器に関し、特に立体形状を有し、自立性を備えた紙容器の分野において、その天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の積層シートに損傷が生じることが少なく、美麗性を保つことができるチャック付き紙容器に関する。
従来、チャック付き紙容器として、特許文献1のような技術が開示されている。すなわち、直方体形状の紙容器の上部にチャックを設けており、内容物を取り出す際にはチャックを開けて、内容物の取り出しが終了したらチャックを閉じることができる。
上記の技術により、内容物の保護や、紙容器転倒時の内容物の零れを防止できる。また、紙容器であることから、内容物を消費後の容器の減容化や、廃棄が容易である。図1に、従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81を、図2に従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図を、図3に平面図を示す。
チャック付き紙容器80の上縁部がわから順次、チャック付き紙容器80の天部871を開封する易開封加工線851、開封されたチャック付き紙容器80の天部871を開閉自在なチャックテープ861がある。
なお、今後特段の説明がない場合は、図2を参照に、表がわ壁面板831bを表がわとして、チャック付き紙容器80の表がわ、裏がわ、左がわ、右がわ、上がわ、下がわを示すものとする。本開示のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
また、従来技術の説明を行う際に使用する符号は、本開示と区別するために、80番代又は800番代としている。
しかしながら、天部がわ突出部(耳部)874を胴部872の方向に強く折り曲げる(略直角に折り曲げる)と、天部がわ突出部(耳部)874と、上部重ね合わせ板834と天面板833との間に介在する、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の外面がわとなる面が強く引き伸ばされる状態となり、図4、図5のように、従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート88に損傷(亀裂)879が生じることがある。
なお、図示した損傷(亀裂)は、損傷の一例を示したものであり、損傷の態様はこれらに囚われるものではない。
これは、従来技術のチャック付き紙容器80の上部が、上部重ね合わせ板834の内面同士が接合されて容器が密封されているため、当該部分の積層数は多くなり、厚さが厚くなるからである。
さらに上部重ね合わせ板834にはチャックテープ861も接合されているため、当該部分の積層数は多くなり、当該部分の厚さがさらに厚くなるからである。
なお、図4、図5では、従来技術のチャック付き紙容器80のブランク板81の積層シート88の断面を一層にて記載しているが、ブランク板81の積層シート88の層構成は多層である積層シートである。しかしながら本明細書では、図を見やすくするため一層にて記載している。以降の断面図についても同様である。
積層シート88は、紙を基材層として、少なくともその裏面に合成樹脂層を備えたものである。また、それらの合成樹脂層は、単層であってもよく、多層であってもよい。
一例として、三層構成からなる積層シート88を図6(a)に示す。なお、本開示のチャック付き紙容器90の積層シート78も、従来技術のチャック付き紙容器80と同様なため、同じ図を用いて説明する。
その層構成は、
(表面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層881 / 紙基材層882 /
最内層の熱可塑性樹脂層883 (裏面がわ)
である。
また一例として、二層構成からなる積層シート88を図6(b)に示す。
その層構成は、
(表面がわ) 紙基材層882 / 最内層の熱可塑性樹脂層883 (裏面がわ)
である。
また、酸素バリア性を要求される場合の積層シート88として、一例として、五層構成からなる積層シート88を図6(c)に示す。
層構成は、
(表面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層881 / 紙基材層882 /
中間の接着層884 / バリア層885 /
最内層の熱可塑性樹脂層883 (裏面がわ)
である。
また、酸素バリア性を要求される場合の積層シート88として、一例として、四層構成からなる積層シート88を図6(d)に示す。
層構成は、
(表面がわ) 紙基材層882 / 中間の接着層884 / バリア層885 / 最内層の熱可塑性樹脂層883 (裏面がわ)
である。
上記の各積層シート88の各層間の接合は、公知のドライラミネート、押出コーティング、接着剤などにより行われる。なお、各層間の接合のための層は、厚さが薄いため、示していない。
最外層の熱可塑性樹脂層881、最内層の熱可塑性樹脂層883は、一例として低密度ポリエチレン(LDPE)である。中間の接着層884は、一例としてエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)である。バリア層885は、一例としてシリカ蒸着PETである。
図3は、従来技術のチャック付き紙容器80の平面図であり、図4、図5の断面の位置の説明もしている。
図4は従来技術のチャック付き紙容器80の奥行方向の中央部付近であり、上部重ね合わせ板834が倒された位置の横断方向の断面図であり、切断面が図3に記載の断面の位置A-Aで示されている。また図4は、横断方向の断面図の天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の拡大図である。
従来技術のチャック付き紙容器80の最も外がわの積層シート88である表がわ上部重ね合わせ板834bに損傷(亀裂)879が生じている。さらに内がわとなる裏がわ上部重ね合わせ板834aにまで損傷(亀裂)879が及ぶことがある。
上記の折り曲げ部876では、積層シート88が6枚重なっている。図1のブランク板81に記載された各構成要素を参考に、外がわから順次、表がわ上部重ね合わせ板834bと表がわ天部の側部板843bの接続部、裏がわ上部重ね合わせ板834aと裏がわ天部の側部板843aの接続部、裏がわ天面板833aと裏がわ天部がわ突出部(耳部)代838aの接続部、裏がわ側面板832aと裏がわ天部がわ突出部(耳部)代838aの接続部、裏がわ側縁部がわシール代836a、表がわ側縁部がわシール代836bとなっている。
図5は、従来技術のチャック付き紙容器80に接合されたチャックテープ861の位置での、チャックテープ861の長手方向の断面図である。また図5は、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の拡大図であり、切断面が図3に記載の断面の位置B-Bで示されている。従来技術のチャック付き紙容器80の最も外がわの積層シート88である表がわ上部重ね合わせ板834bに亀裂が生じている。
上記の折り曲げ部876では、積層シート88が4枚とチャックテープ861とが重なっている。図1のブランク板81に記載された各構成要素を参考に、外がわから順次、表がわ上部重ね合わせ板834bと表がわ天部の側部板843bの接続部、チャックテープ861、裏がわ上部重ね合わせ板834aと裏がわ天部の側部板843aの接続部、裏がわ天面板833aと裏がわ天部がわ突出部(耳部)代838aの接続部、裏がわ側面板832aと裏がわ天部がわ突出部(耳部)代838aの接続部となっている。
図4、図5の図中に示す角度θは、従来技術のチャック付き紙容器80の天部871の一部を構成する表がわ上部重ね合わせ板834bと、天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度を示しており、それぞれの外面同士が成す角度を示している。本開示のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート88の多くは、紙基材層と合成樹脂フィルム層が積層されており、その構成要素のうちで引張強度の劣る紙基材層に亀裂が生じやすい。引き伸ばしが特に強い場合には、内がわの合成樹脂フィルム層にも亀裂が生じることがある。
上記の合成樹脂フィルム層に亀裂が生じた場合は、積層シート88のバリア性(酸素、水蒸気など)が低下することがある。特に上記の合成樹脂フィルム層自身にバリア性を有する場合や、上記の合成樹脂フィルム層に蒸着加工を施した場合に、バリア性の低下が見られることがある。
また、積層シート88が損傷することにより、美麗性の低下が生じ、積層シート88に印刷があれば、その印刷により表示される文字や絵柄が損傷することがある。
特開2005-178833号公報
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、チャック付き紙容器90において、天部がわ突出部(耳部)74を、紙容器90の胴部72の方向に折り曲げて胴部72に接合する際に、天部がわ突出部(耳部)74と、表がわ天面板33b及び表がわ上部重ね合わせ板34bとの間に介在する、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることが少ないチャック付き紙容器90を提供することである。
上記の課題は、本開示の以下の実施形態により解決することができる。
すなわち、
紙を基材とする積層シート78からなる表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aとを接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、
前記チャック付き紙容器90の上部に、前記表がわブランク板10bと前記裏がわブランク板10aとが重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
前記上部重ね合わせ板34の左右に連設される天部の側部板41と、
前記天部71の左右に連設される天部がわ突出部74と、
前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41の、上縁部21若しくは前記上縁部21の近傍を、横断する上部シール部53と、
前記上部シール部53の下がわに位置し、前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41を横断するチャックテープ61と、を備え、
前記天部71の横方向に連設される前記天部がわ突出部74、及び/又は前記上部重ね合わせ板34の横方向に連設される前記天部の側部板41の少なくとも一部に、易屈曲加工が施されることを特徴としている。
ここで、本開示に用いる積層シート78は、従来技術の積層シート88と同様である。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記天面板33の横方向に連設される前記天部がわ突出部74を形成する天部がわ突出部代38において、前記天部がわ突出部代38に設けられた天部がわ斜め折り曲げ線17で分割される領域のうち、前記天部の側部板41に近い方の、天部の側部板がわ天部がわ突出部代381を今後は第一耳部代と呼び、前記第一耳部代381のうちで、
少なくとも1箇所の前記第一耳部代381に、第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27を、少なくとも1本は備えていてもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記天面板33の横方向に連設される前記天部がわ突出部74を形成する前記天部がわ突出部代38において、前記天部がわ突出部代38に設けられた天部がわ斜め折り曲げ線17で分割される領域のうち、前記胴部72の一部を構成する側面板32に近い方の側面板がわ天部がわ突出部代382を、今後は第二耳部代と呼び、前記第二耳部代382のうちで、
少なくとも1箇所の前記第二耳部代382に、第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28を、少なくとも1本は備えていてもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記天部の側部板41の領域のうち、少なくとも1箇所の前記天部の側部板41において、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29を、少なくとも1本は備えていてもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記チャック付き紙容器90の前記天部71の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる折り曲げ部76の角度θが、鈍角であってもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合する際に生じる折り曲げ部76の角度θが100°以上、160°以下であってもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記チャック付き紙容器90の前記天部71の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる折り曲げ部76が、曲線にて折り曲がっていてもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記天部がわ突出部74が、前記チャック付き紙容器90の前記胴部72に接合される際に生じる折り曲げ部76の曲率半径Rが、1mm以上10mm以下であってもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90では、
前記上部シール部53と前記チャックテープ61との間には、易開封加工線51が存在してもよい。
また、本開示の一実施形態のチャック付き紙容器90の製造方法では、
紙を基材とする積層シート78からなる表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aとを接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、

2枚の前記ブランク板93の左右の側縁部11には、側面がわシール代36が第一縦折り曲げ線12で形成され、
前記ブランク板93の上縁部21から下がわに向けて、上部重ね合わせ板34、天面板33、壁面板31、底面板35が順に連設され、
前記上部重ね合わせ板34と前記天面板33とは、前記ブランク板93の横方向に横断する第一横折り曲げ線22を介して連設され、
前記天面板33と前記壁面板31とは、前記ブランク板93の横方向に横断する第二横折り曲げ線23を介して連設され、
前記壁面板31と前記底面板35は、前記ブランク板93の横方向に横断する第三横折り曲げ線24を介して連設され、
前記壁面板31の左右には、前記ブランク板93の縦方向に縦断する第二縦折り曲げ線13を介して、それぞれ側面板32が連設され、
前記上部重ね合わせ板34には、前記表がわブランク板10bと是裏がわブランク板10aとが、互いに重なり合う予定の位置に、上部シール部53と、チャックテープ61が、前記上縁部21から順次に設けられており、
前記壁面板31と前記底面板35は、前記ブランク板93の横方向に横断する第三横折り曲げ線24を介して連設され、
前記底面板35と、前記ブランク板93の下がわの端縁部となる底部がわシール代37とは、前記ブランク板93の横方向に横断する第四横折り曲げ線25を介して連設され、
前記天面板33の横方向に連設される前記天部がわ突出部74を形成する天部がわ突出部代38、及び/又は前記上部重ね合わせ板34の横方向に連設される前記天部の側部板41の少なくとも1箇所に、易屈曲加工が施され、
前記底部がわシール代37が未シールで開口する中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を作製する工程と、
開口する前記中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を起函して作製された、中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部73から内容物を充填して、前記底部がわシール代37同士が合掌シール形式で接合され、接合された前記底部がわシール代37が、背面がわに折り曲げて寝かされ、左右両がわの突出する底部がわ突出部75を前記底面板35がわに折り曲げられて接合される工程とを、特徴としている。
上述した本開示の実施形態によれば、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げが緩やかになることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわとなる面が強く引き伸ばされることはなく、チャック付き紙容器90の積層シート78の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることを軽減できる。
従来技術の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 従来技術のチャック付き紙容器の斜視図である。 従来技術のチャック付き紙容器の平面図である。 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の上部重ね合わせ板の位置での折り曲げ部の拡大断面図である。(図3 断面位置A-A参照)。 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)のチャックテープ接合位置での折り曲げ部の拡大断面図である。(図3 断面位置B-B参照)。 従来技術及び本開示のブランク板の積層シートの断面図である。 本開示の第一の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 図7に示したブランク板を用いてチャック付き紙容器を作製する際の中間段階の紙容器(平面状態)の形状を示す正面図である。 図7に示したブランク板を用いてチャック付き紙容器を作製する際の中間段階の紙容器(起函状態)の形状を示す斜視図である。 本開示の第一の実施形態のチャック付き紙容器の斜視図である。 本開示の第一の実施形態のチャック付き紙容器の平面図である。 図10に示したチャック付き紙容器の天部を開口した状態の斜視図である。 本開示の第二の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 本開示の第三の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 本開示の第四の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 本開示の第五の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 本開示の第六の実施形態のチャック付き紙容器の正面図である。 本開示の第六の実施形態のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の拡大断面図である。(図11 断面位置C-C参照)。 本開示の第六の実施形態のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)のチャックテープ接合位置での折り曲げ部の拡大断面図である。(図11 断面位置D-D参照)。 本開示の第七の実施形態のチャック付き紙容器の正面図である。 本開示の第七の実施形態のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の拡大断面図である。(図11 断面位置C-C参照)。 本開示の第七の実施形態のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)のチャックテープ接合位置での折り曲げ部の拡大断面図である。(図11 断面位置D-D参照)。
以下、本開示について図面を用いながら説明する。但し、本開示はこれら具体的に示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
本開示のチャック付き紙容器90のブランク板93は、少なくとも基材の紙が積層され、また少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂が積層された積層シート78を用いて、外形を矩形状に形成するとともに、ブランク板93の中に設けられた各種の折り曲げ線により、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
≪第一の実施形態≫
<ブランク板>
本態様のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図7に示す。図7(a)は、裏がわブランク板10aを表し、図7(b)は表がわブランク板10bを表す。なお、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの2枚を、合わせてブランク板93と記述する。
また特段の説明がない限り、後述されるブランク板93の各構成要素において、各符号の添え字のaは裏がわ部分のブランク板10aの要素を示し、添え字のbは表がわ部分のブランク板10bの要素を示す。添え字のaとbの両方がある要素において、添え字がない符号は、aとbの両方を含むものとする。
図7(a)の裏がわブランク板10aの図面の下がわである、裏がわ上縁部21aが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図7(b)の表がわブランク板10bの図面の上がわである、表がわ上縁部21bが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図7(a)、(b)とも、図面の表面がわが、チャック付き紙容器90を組み立てた際の外面がわとなり、裏面がわが内面がわとなる。
図7(a)、(b)は、夫々の上縁部21a、21bを基準にして、後述する一部構成要素(易屈曲加工部39など)を除いて、線対称となっており、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重ね合わせると、各構成要素(後述する各形成板、線、シール部、チャックテープ接合部など)は重なり合う。
位置を合わせて重ねられた上述の裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが接合されて、図8のような中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製されて、チャック付き紙容器90の完成に向けて手順が進んでいくが、この製造方法については後述する。
今後特段の記述がない場合は、図7(b)を参照として、表がわブランク板10bの上下左右を示すものとする。裏がわブランク板10aについても、その上縁部21aを上がわとして説明する。従って図7(a)では、上下が逆となる。
チャック付き紙容器90においても、その上縁部21がわを上がわとし、下縁部26がわを下がわとする。
なお、形成されたチャック付き紙容器90は、後ほど説明するが、上がわから順次、天部71、胴部72、底部73で構成されており、上述の上がわを天部がわと、下がわを底部がわと称することもある。(図10参照)。
また、天部71に設けられた各構成要素の上下方向を説明する際に、天部がわとの記載は上縁部21がわを示し、底部73に設けられた各構成要素の上下方向を説明する際に、底部がわとの記載は下縁部26がわを示すこともある。
上述のように、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bは、上下にほぼ線対称の形状であるので、ブランク板93の説明については、表がわブランク板10bで説明する。
また、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとは、材質(層構成)、製造方法も同じである。
本実施形態のチャック付き紙容器90の表がわブランク板10bは、少なくとも基材の紙を積層し、少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂を積層した積層シート78を用いて、外形を略矩形状に形成しており、上がわを表がわ上縁部21b、左右の両がわを表がわブランク板10bの側縁部11b、下がわを表がわ下縁部26bとする。
また、表がわブランク板10bは、その幅方向の中央部を通る鉛直線を対称軸として左右対称な形状である。
なお、積層シート78については、後ほど説明する。
表がわブランク板10bには、左がわから順次、縦断方向に存在する表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第一縦折り曲げ線12bが設けられている。
即ち、おのおの表がわブランク板10bの側縁部11bに近い方の縦折り曲げ線が表がわ第一縦折り曲げ線12bであり、表がわブランク板10bの側縁部11bに遠い方の縦折り曲げ線が表がわ第二縦折り曲げ線13bである。
それらの表がわ縦折り曲げ線12b、13bは、おのおのが表がわブランク板10bの側縁部11bに略平行であることが望ましい。
また、表がわブランク板10bには、表がわ上縁部21bがわから順次、横断方向に存在する表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。
それらの表がわ横折り曲げ線22b、23b、24b、25bは、おのおのが表がわ上縁部21b及び表がわ下縁部26bに平行であることが望ましい。
さらに、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17b、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18b、が、それぞれ左右に一対で設けられており、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bの上端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第一横折り曲げ線22bとの交点である、表がわ第一天部交点Ebと同じ位置である。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bの下端部は、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第二横折り曲げ線23bとの交点である、表がわ第二天部交点Fbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bの上端部は、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第三横折り曲げ線24bとの交点である、表がわ第二底部交点Hbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bの下端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第四横折り曲げ線25bとの交点である、表がわ第一底部交点Gbと同じ位置である。
なお、上述のそれぞれの表がわ斜め折り曲げ線17bは、上述の各々の交点Eb、Fbとは接せずに、近傍に位置してもよい。さらに、それぞれの表がわ斜め折り曲げ線18bは、上述の各々の交点Gb、Hb、とは接せずに、近傍に位置してもよい。
上記の各々の表がわ斜め折り曲げ線と各々の交点とが、接せずに近傍に位置することにより、充分な折り曲げ性能を有しつつ、なおかつ特定な箇所に折り曲げ線の過度な集中がなく、表がわブランク板10bの積層シートの強度の低下を防ぐことができる。
表がわブランク板10bの左右の両がわの側縁部11bには、表がわ側縁部がわシール代36bが表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して形成されている。
また表がわブランク板10bの下がわに位置する表がわ下縁部26bには、表がわ底部がわシール代37bが、表がわ第四横折り曲げ線25bを介して形成されている。
また、表がわブランク板10bには、その最も上がわに位置する表がわ上縁部21bより下がわ方向に順次、各部の形成板が設けられている。
主要部について説明すると、表がわ上縁部21bの下がわに、表がわ上部重ね合わせ板34bが設けられている。その表がわ上部重ね合わせ板34bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天面板33bが連設されている。その表がわ天面板33bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ壁面板31bが連設されている。その表がわ壁面板31bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底面板35bが連設されている。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ天部の側部板41bが連設されている。
また、表がわ天面板33bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ天部がわ突出部(耳部)代38bが連設されている。
また、表がわ壁面板31bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ側面板32bが連設されている。
また、表がわ底面板35bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bが連設されている。
また、それぞれの表がわ天部の側部板41bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天部がわ突出部(耳部)代38bが連設されている。その表がわ天部がわ突出部(耳部)代38bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ側面板32bが連設されている。その表がわ側面板32bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bが連設されている。
上記の表がわ底面板35bと、その左右両がわの表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bの下がわに、底部がわシール代37bが連設されている。
上記の表がわ天部の側部板41bと、表がわ天部がわ突出部(耳部)代38bと、表がわ側面板32bと、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bとの左右の外がわには、表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して、表がわ側縁部がわシール代36bが連設されている。
易屈曲加工部39について説明する。
天部がわ突出部(耳部)74を容易に折り曲げ、所望の形状にしやすくするために、易屈曲加工部39の少なくとも1箇所に、易屈曲加工を行っている。
易屈曲加工部39は、天面板33のブランク板93の横方向(左右方向)に連設される天部がわ突出部(耳部)代38、及び/又は上部重ね合わせ板34の横方向(左右方向)に連設される天部の側部板41のうち少なくとも1箇所に設けられる。
上記の易屈曲加工とは、例えばエンボス加工や、プレス加工、ハーフカット加工、ミシン目加工、罫線(折り曲げ線)加工などがある。
上記に説明した易屈曲加工部39を、図7の網掛けにて示す。
本実施形態のブランク板93への折り曲げ線を付与する加工(罫線加工)は、積層シートが完成してから罫線加工して、その後にチャック付き紙容器90を製造する機械に積層シートを供給する。あるいは、罫線加工はチャック付き紙容器90を製造する機械にて実施してもよい。
罫線加工の方法としては、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が採用される。
また、罫線加工を実施する前に、積層シートをシート断ちしてもよい。あるいは、積層シートはロール状で罫線加工の工程に供給されてもよい。
また、積層シートを打ち抜いて、ブランク板93を製造する打ち抜き工程について説明する。前記打ち抜き工程は、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が選択される。ロール状の積層シートから直接にブランク板93を形成してもよく、一度枚葉にシート断ちしてから、打ち抜いてもよい。
また、罫線加工と打ち抜き加工の順番は問わない。同時に加工してもよい。
また、所定のロール幅にスリットしたロール状の積層シートを、チャック付き紙容器90を製造する機械に供給し、ロール状の積層シートの横断方向に切断し、ブランク板93を作製してもよい。
また、裏がわブランク板10aは、表がわブランク板10bと、一部構成要素(易屈曲加工領域を部分的に設けた場合など)を除いて、線対称で同一形状である。言い替えれば、ブランク板の層構成が逆になっているほぼ同一形状のブランク板である。
表がわ上部重ね合わせ板34b及びそれぞれの表がわ天部の側部板41bには、開封手段として、連なった線である表がわ易開封加工線51bが設けられている。
表がわ易開封加工線51bが設けられることで、鋏などの道具を使用しなくても、チャック付き紙容器90を開封できる。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重なり合わせた際に、表がわ上部重ね合わせ板34b及びそれぞれの表がわ天部の側部板41bには、上述の2枚のブランク板が互いに重なり合う所定の位置に、後述するように横断方向の密封手段としての表がわ上部シール部53bと、表がわチャックテープ接合部52b(図8に表示)とが、表がわ上縁部21bがわから順次に設けられている。
そして、表がわ易開封加工線51bは、表がわ上部シール部53bと、表がわチャックテープ接合部52bとの間に存在する。
表がわ上部シール部53bと、表がわチャックテープ接合部52bとの間に存在する表がわ易開封加工線51bが開封されることにより、チャックテープ61が露出する。なお、切断される際は、表がわ易開封加工線51bと裏がわ易開封加工線51aは、一体として切断されてもよい。
その露出したチャックテープ61を開口することにより、内容物を取り出すことができる。
図8は、図7に示したブランク板93を用いてチャック付き紙容器90を製造する際の、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。最上部が図5(b)に示した表がわブランク板10bの上縁部21bであり、その裏がわには、裏がわブランク板10aが重ね合されている。裏がわブランク板10aは目視できないが、透視とすると、表がわブランク板10bと一部構成要素(易屈曲加工部39など)を除くと同一形状となる。
なお、図8では、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが重なっており、各構成要素(上記の一部構成要素を除く。)は、製造上のバラツキの範囲で、図面を透視すると同じ位置関係であるので、表がわの表記及び添え字を、説明の際に割愛することがある。
上部重ね合わせ板34及びそれぞれの天部の側部板41には、上述の2枚のブランク板が互いに重なり合う所定の位置に、後述するように横断方向の密封手段としての上部シール部53と、チャックテープ接合部52とが、上縁部21がわから順次に設けられている。
上部シール部53は、上部重ね合わせ板34及びそれぞれの天部の側部板41の上縁部21、若しくは上縁部21の近傍に設けられる。
上部シール部53が上縁部21に略平行であると、上部シール部53の長さを短くすることができ、かつブランク板93に無駄が生じない。
横断方向の密封手段としての上部シール部53は、相対することになる表がわ上部シール部53bと裏がわ上部シール部53aとが接合されて形成される。その接合は、チャック付き紙容器90の上縁部21、若しくは上縁部21の近傍を、全幅に渡って横断するように接合されるため、チャック付き紙容器90の密閉が保たれる。
また、上部シール部53は、上縁部21に略平行であることが望ましい。さらに、チャックテープ接合部52は、上縁部21に略平行であることが望ましい。
そのような形態では、チャックテープ61の開閉及び、内容物の取り出しが容易となる。また、チャックテープ61の長さを短くすることができる。
<易開封加工線>
易開封加工線51について説明する。
図8では、易開封加工線51は、ブランク板93の一方の側縁部11から他方の側縁部11まで繋がっており、上部シール部53とチャックテープ61の間に存在する。
易開封加工線51の少なくともどちらか端部に、ノッチ77を設けてもよく、本実施形態では右がわの側縁部11にノッチ77が設けられている。ノッチ77は左がわの側縁部11に設けられてもよい。ノッチ77を設けることにより、初期の開封が容易になる。
易開封加工線51を一方の側縁部(ここでは右がわ)11がわから切断し、他方の側縁部(ここでは左がわ)11まで至ることで、上部重ね合わせ板34が横断的に切除されて、チャックテープ61が露出する。
なお、開封手段の易開封加工線51に、断続的なハーフカット線又は直線状のハーフカット線を使用する場合は、通常の刃物による方法で形成してもよいが、レーザ光照射による方法、超音波を利用する方法、ダイヤモンドカットと呼ばれる方法を使用することにより、より精度と安定性に優れたハーフカット線を形成することができる。
また、易開封加工線51は、幅を有する帯状であってもよい。また、易開封加工線51は複数設けられてもよい。
なお、表がわブランク板10bの積層シート78の材質、層構成、易開封処理の状況などによっては、表がわ易開封加工線51bを設けなくてもよい。表がわ易開封加工線51bが無くても、人の手にて開封可能な場合がある。
さらに、表がわ易開封加工線51bは、鋏などの刃物で開封されてもよい。その場合は、開封予定線が印刷によって表示されてもよい。また、図7に示された表がわ易開封加工線51bの位置に印刷されてもよい。また、チャック付き紙容器90には開封予定線を明示せずに、添付する説明書などに記載してもよい。
<チャックテープの接合手順>
チャック付き紙容器90の組み立ての手順は後ほど説明するが、その手順のうち、ここではチャックテープ61の接合手順を説明する。
チャックテープ接合部52は、この場合、チャック付き紙容器90が組み立てられる際のチャックテープ61の接合予定部である。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとが重ね合わされて、側縁部がわシール代36同士、及び上部シール部53同士がヒートシールされる。
その際に、予め雄型チャックテープと雌型チャックテープとが、それらの嵌合部で嵌合されたチャックテープ61がこの部分に挿入され、同時に2枚のブランク板93の外面がわからチャックテープ接合部52が加熱、加圧されヒートシールされる方法で行う。
なお、チャックテープ61の接合は、上記のようなヒートシールに限らず、接着剤や接着テープなど、その他の方法にて接合されてもよい。
このような方法でチャックテープ61がヒートシールされることにより、雄型チャックテープと雌型チャックテープとが別々にチャックテープ接合部52にヒートシールされる方法と比較して、ヒートシールの位置ずれが少なくなり、また、取り付け工程が簡略化されるので、生産効率よくチャックテープ61を取り付けることができる。
<ブランク板の積層シート>
ブランク板93に用いる積層シート78は、前述したように、少なくとも紙基材層782を積層し、少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂を積層した積層シート78を用いるが、中間層には必要に応じて、水蒸気や酸素やその他のバリア層785や、強度向上層などを設けることができる。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90に絵柄等の印刷層を設ける場合、通常は紙基材層782の表面に印刷するが、仮に紙基材層782の印刷適性が良くない場合は、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどに絵柄等の印刷層を設け、そのフィルムを紙基材層782の外がわのいずれかの層に積層することもできる。
紙基材層782は、剛性があり、且つ、折り曲げ線などで折り曲げた時、割れの生じにくい紙が好ましいが、特に限定はされずチャック付き紙容器90に充填される内容物に応じて、耐水性(サイズ度)なども考慮して適するものを適宜に選定して使用することができる。
具体例として、上質紙、晒クラフト紙、カップ原紙、ミルクカートン原紙などを好適に使用することができ、その坪量は、80~320g/m2の範囲が適切である。
最内層、及び必要に応じて最外層、中間層の熱接着性樹脂層(シーラント層)の樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー、そして、ポリプロピレン及びその共重合体、ポリエステル系樹脂などを使用することができ、これらの中から、充填される内容物や、保管及び使用される条件に応じて、適するものを適宜に選定して使用することができる。
上記の熱接着性樹脂のうち、特にエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)及びエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)は、押し出しコートなどの加工時の熱安定性、各種の基材に対する接着性、低温ヒートシール性などに優れると共に、薄膜形成性にも優れているので、厚みをそれほど必要としない最外層の熱接着性樹脂層を、例えば、6~10μmのような比較的薄い厚さで押し出しコートして積層することも容易であり、プラスチック材料の使用比率を低減できると同時に、コスト面でもメリットを得ることができる。
以上のような最内層、及び必要に応じて最外層の熱接着性樹脂層は、その積層面に必要に応じてアンカーコート、コロナ処理、フレーム(火炎)処理などの易接着性処理を施した後、その上に樹脂を押し出しコートして積層できるほか、熱接着性樹脂を予めフィルム状に製膜しておいて、そのフィルムを公知のドライラミネート又は押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などで貼り合わせて積層することができる。
積層シート78の中間層にバリア層785を積層する場合、バリア層785としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの金属又は無機酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)、二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)などの基材フィルムに、厚み20~100nmに蒸着した蒸着フィルムなどを使用することができる。あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム(以下、EVOHフィルム)、ナイロンMXD6の二軸延伸フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、そして、ポリ塩化ビニリデンの塗膜層を設けたPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなどを使用することができる。
このようなバリア層785は、通常、紙基材層782の内がわの面に積層することが、そのバリア性を効果的に利用できる点で好ましいが、バリア層785にアルミニウムなどの金属箔や金属蒸着フィルムを使用した場合は、そのメタリック感をデザインにも利用するため、紙基材層782の外がわの面に積層することもできる。バリア層785の積層は、公知のドライラミネート又は押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などにより容易に積層することができる。
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93の積層シート78の層構成を例示する。
図6(a)は、3層からなるブランク板93の積層シート78の断面図であり、その層構成は、
最外層の熱可塑性樹脂層781 / 紙基材層782 /
最内層の熱可塑性樹脂層783
からなる。
図6(b)は、2層からなるブランク板93の積層シート78の断面図であり、その層構成は、
紙基材層782 / 最内層の熱可塑性樹脂層783
からなる。図6(a)に示した3層からなるブランク板93から、最外層の熱可塑性樹脂層781を削除した層構成である。
また、ブランク板93にバリア性(水蒸気、酸素、保香性など)を要する場合は、バリア層785を備えることができる。図6(c)は、5層ならなるブランク板93の積層シート78の断面図であり、その層構成は、
最外層の熱可塑性樹脂層781 / 紙基材層782 / 中間の接着層 784 /
バリア層785 / 最内層の熱可塑性樹脂層783
からなる。
図6(d)は、4層からなるブランク板93の積層シート78の断面図であり、その層構成は、
紙基材層782 / 中間の接着層 784 / バリア層785 /
最内層の熱可塑性樹脂層783
からなる。
図6(c)に示した5層からなるブランク板93から、最外層の熱可塑性樹脂層781を削除した層構成である。
上記の各積層シート78の各層間の接合は、公知のドライラミネート、押出コーティング、接着剤などにより行われる。なお、各層間の接合のための層は、厚さが薄いため、示していない。
<チャック付き紙容器の作製>
以下に、チャック付き紙容器90のブランク板93から、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、さらに中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製され、そして内容物が充填されたチャック付き紙容器90の包装体が完成させられるまでの手順の概要を説明する。
<中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)の作製>
上述の2枚のブランク板10a、10bが重ね合された際に、チャックテープ接合部52同士が重なる位置に、予め雄型チャックテープと雌型チャックテープとが嵌合されたチャックテープ61が挿入され、2枚のブランク板10a、10bのそれぞれの外面がわからチャックテープ接合部52が加熱、加圧されヒートシールされる。
次いで上部シール部53の内面同士がヒートシールされ、ブランク板93の側縁部11に隣接したそれぞれの側縁部がわシール代36の内面同士がヒートシールされる。そのようにして、下縁部26が開口する袋状に形成される。
また、易開封加工線51の各端部(両がわの側縁部と接する箇所)にノッチ77が設けられてもよい。なお、ノッチ77は、どちらか一箇所の端部に設けてもよい。
チャック付き紙容器90は、実際の製造の際には特に限定はされないが、生産性をよくするため、紙容器の組み立てと、内容物の充填と、各接合箇所のシールとをインラインで行う装置を用いてもよい。
その装置において、ロール状に巻き上げられた長尺の印刷済み積層シート78を繰り出して、紙容器が横につながった形式で、折り曲げ線の加工、及びチャックテープ61の挿入及びヒートシール、側縁部がわシール代36のヒートシール、上部シール部53のヒートシール、ノッチ77の打ち抜きなどを行ってもよい。
なお、所望のチャック付き紙容器90が得られるならば、上記工程の順番以外でも構わない。
次いで、個々の紙容器に切断する方法によって、図8に示した形状の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、続いて、立体形状への成形がなされ、図9のような中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製される。
<中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)の作製>
この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の底部73の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34が残されて、その下がわの天面板33が、第一横折り曲げ線22により前後に広げられて、上部重ね合わせ板34が上方向に起立させられる。
ここで、胴部72の稜部72dの折り曲げ加工を確実に行うために、胴部72の内がわ及び/又は外がわから、稜部72dの近傍(当接を含む)に補助部材を接触させてもよい。
上部重ね合わせ板34の下がわに天面板33による天部71と、さらに水平断面の形状が略矩形状である胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成される。
この段階では図9のように、上部重ね合わせ板34は、上方向に起立している。
なお、設計では胴部72の水平断面の形状及び底部73の開口の形状は、矩形状を想定しているが、紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な矩形状とならない場合を含め、略矩形状としている。
<チャック付き紙容器の成形・充填>
次に、上方向に起立する上部重ね合わせ板34が、背面がわ(裏がわ天面板33aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわに突出する天部がわ突出部(耳部)74が、側面板32の方向に折り曲げられて、胴部72に接合される。
接合する方法は、接着剤(ホットメルト等)を使用する方法、接着テープを使用する方法、機械的に接合する方法(係合させるもの、接合具を用いるもの)などでもよい。また、ブランク板93の最外層に熱可塑性樹脂層(シーラント層)が備えられる場合は、その熱可塑性樹脂層がヒートシールされる方法がある。
後述する底部がわ突出部(耳部)75の接合も、同様な方法が用いられる。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の先端部が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されてもよい。
また、天部がわ突出部(耳部)74の先端部以外の箇所が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合してもよい。その場合は、天部がわ突出部(耳部)74の先端部は、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されなくてもよい。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76は、その折り曲げが緩くなっている。
また、天部がわ突出部(耳部)74の先端部が、胴部72と接触若しくは近傍に位置させるために、天部がわ突出部(耳部)74は、内がわに向けて折り曲げられるか、屈曲されてもよい。
天部がわ突出部(耳部)74が易屈曲加工を施されているので、それらの折り曲げの加工等は、容易である。
上記のように形成された中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部73が上に向けられて、開口する底部73から内容物が充填され、次いで、底部73が折り曲げられて、底部がわシール代37同士が合掌シール形式でヒートシールされる。
その後、接合された底部がわシール代37が、背面がわ(裏がわ底面板35aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわの突出する底部がわ突出部(耳部)75が底面板35がわに折り曲げられて接合されることにより、略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が完成される。
図10は、本開示のチャック付き紙容器90の第一の実施形態を示す斜視図である。図11は、図10に示したチャック付き紙容器90の平面図である。
図10に示したチャック付き紙容器90は、外形を略直方体形状に形成したものであり、その胴部72の稜部72dを備えている。
なお、設計では直方体形状のチャック付き紙容器90を想定しているが、紙を主体とした柔軟性がある積層シートからなるチャック付き紙容器90であるため、完全な直方体形状とならない場合を含め、略直方体形状としている。
<チャック付き紙容器の振り出しのための開口動作>
完成した内容物入りチャック付き紙容器90の包装体の天部71を、内容物を取り出すために開口した状態を図12に示す。
易開封加工線51が、一方(ここでは右がわ)のブランク板93の側縁部11がわに設けられたノッチ77より、人の手により開封が開始されて、他方(ここでは左がわ)のブランク板93の側縁部11に至るまで切断される。
次に、表がわ易開封加工線51bとチャックテープ61の間の表がわ開封掴み代57bと、裏がわ易開封加工線51aとチャックテープ61の間の裏がわ開封掴み代57aとを、それぞれ人の手で掴み、チャック付き紙容器90の外がわ方向に拡げることにより、易開封加工線51にて露出したチャックテープ61が開口させられる。
このチャックテープ61の開口動作の際に、チャックテープ61のそれぞれのブランク板93の側縁部11がわの端部は、それぞれの側縁部がわシール代37まで略全幅に渡って開口する。
上記のようにチャックテープ61の雄型チャックテープと雌型チャックテープが解離することで、取り出し用開口部56が形成される。
本実施形態のブランク板93により形成されるチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になり、天部がわ突出部(耳部)74の形状が安定し、胴部72への接合が安定する。それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れることによる不良品を削減できる。
また、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ加工が所望の形状となるために、折り曲げ部76の外面が必要以上に伸ばされることがない。それゆえ折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じにくくなる。
≪第二の実施形態≫
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図13を示す。
天面板33の横方向に連設される、天部がわ突出部74を形成する天部がわ突出部代38において、天部がわ斜め折り曲げ線17で分割される領域のうち、天部の側部板41に近い方の、天部の側部板がわ天部がわ突出部代381を第一耳部代と呼んでいる。その第一耳部代381のうちで、少なくとも1箇所の第一耳部代381に、第二縦折り曲げ線13に略平行な易屈曲折り曲げ線27を、少なくとも1本は備えている。
また、上記の天部がわ斜め折り曲げ線17は、第一縦折り曲げ線12と第一横折り曲げ線22との交点からなる第一天部交点Eと、第二縦折り曲げ線13と第二横折り曲げ線23との交点からなる裏がわ第二天部交点Fとを結ぶ直線である。その他の構成は第一の実施形態と同じである
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になり、天部がわ突出部(耳部)74の形状が安定し、胴部72への接合が安定する。それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れる不良品を削減できる。
また、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ加工が所望の形状となるために、折り曲げ部76の外面が必要以上に伸ばされることがない。それゆえ折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じにくくなる。
図13では、4箇所の第一耳部代381に易屈曲折り曲げ線27を設けている。
但し、上記の4箇所の第一耳部代381のうち少なくとも1箇所に、第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27を設けることにより、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の少なくとも1箇所の損傷(亀裂)を低減できる。
≪第三の実施形態≫
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図14を示す。
天面板33の横方向に連設される、天部がわ突出部74を形成する天部がわ突出部代38において、天部がわ斜め折り曲げ線17で分割される領域のうち、胴部72の一部を構成する側面板32に近い方の、側面板がわ天部がわ突出部代382を、第二耳部代と呼んでいる。その第二耳部代382のうちで、少なくとも1箇所の第二耳部代382に、第二横折り曲げ線23に略平行な第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28を、少なくとも1本は備えている。
また、上記の天部がわ斜め折り曲げ線17は、第一縦折り曲げ線12と第一横折り曲げ線22との交点からなる第一天部交点Eと、第二縦折り曲げ線13と第二横折り曲げ線23との交点からなる裏がわ第二天部交点Fとを結ぶ直線である。その他の構成は第一の実施形態と同じである
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になり、天部がわ突出部(耳部)74耳部の形状が安定し、胴部72への接合が安定する。それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れることによる不良品を削減できる。
また、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ加工が所望の形状となるために、折り曲げ部76の外面が必要以上に伸ばされることがない。それゆえ折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じにくくなる。
図14では、4箇所の第二耳部代382に、第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28を設けている。
但し、上記の4箇所の第二耳部代382のうち少なくとも1箇所に、第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28を設けることにより、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の少なくとも1箇所の損傷(亀裂)を低減できる。
≪第四の実施形態≫
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図15を示す。
天部の側部板41の領域のうち、少なくとも1箇所の天部の側部板41において、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29を、少なくとも1本は備えている。その他の構成は第一の実施形態と同じである
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になり、天部がわ突出部(耳部)74耳部の形状が安定し、胴部72への接合が安定する。それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れることによる不良品を削減できる。
また、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ加工が所望の形状となるために、折り曲げ部76の外面が必要以上に伸ばされることがない。それゆえ折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じにくくなる。
図15では、4箇所の天部の側部板41に、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29を設けている。
但し、上記の4箇所の上部重ね合わせ板の側部板41のうち少なくとも1枚に、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29を設けることにより、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の少なくとも1箇所の損傷(亀裂)を低減できる。
≪第五の実施形態≫
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図16を示す。
なお、上記に記述した第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態のうち、2つ以上を同時に実施してもよい。
図16は、第二の実施形態の第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27、第三の実施形態の第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28、第四の実施形態の天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29をすべて実施されて、該当するすべての形成板に易屈曲折り曲げ線を施したものである。
ただし、上述のように、全ての形成板にすべての易屈曲折り曲げ線を設けなくてもよく、必要な箇所に適宜設けてもよい。
なお、上記に記述した第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態のうち、少なくとも2つの実施形態を同時に実施してもよい。
この実施形態は、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ易さが顕著になるため、天部がわ突出部(耳部)74の所望の形状への加工がしやすくなり、胴部72への接合が安定する。
また、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ加工が容易になることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ加工が所望の形状となるために、折り曲げ部76の外面が必要以上に伸ばされることがない。それゆえ折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じにくくなる。
≪第六の実施形態≫
図17に本実施形態のチャック付き紙容器90の正面図を示す。
第六の実施形態のチャック付き紙容器90は、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に生じる、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の角度θが、鈍角である。
図18に、図10に記載のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の拡大断面図を示しており、その切断面は、図11に記載の断面位置C-Cである。断面位置C-Cは、側面がわシール代36を含む位置での切断面である。
また、図19に図10に記載のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の拡大断面図を示しており、その切断面は、図11に記載の断面位置D-Dである。断面位置D-Dは、チャックテープ61を含む位置での切断面である。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわが引き伸ばされる量(長さ)が、折り曲げ部76の折り曲げ角度θが略直角の場合と比較して小さくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が発生しにくくなる。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74がチャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に生じる、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の角度θが100°以上、160°以下でもよい。
天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが100°未満であると、折り曲げ部76の外面がわの損傷(亀裂)が生じやすくなり、折り曲げ部76の折り曲げ角度θが160°を超えると、天部がわ突出部(耳部)74が胴部72に接合されにくくなる。
さらに、天部がわ突出部(耳部)74の飛び出し量が大きくなることから、使用時や輸送時に障害物などに接触する虞れがあり、それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れやすくなる。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θを120°以上、150°以下とすることが、さらに望ましい。
≪第七の実施形態≫
図20に本実施形態のチャック付き紙容器90の正面図を示す。
本実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74が、胴部72に接合される際に生じる天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76が、曲線にて折り曲がっている。
図21に、図10に記載のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の拡大断面図を示しており、その切断面は、図11に記載の断面位置C-Cである。断面位置C-Cは、側面がわシール代36を含む位置での切断面である。
また、図22に図10に記載のチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の拡大断面図を示しており、その切断面は、図11に記載の断面位置D-Dである。断面位置D-Dは、チャックテープ61を含む位置での切断面である。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわが引き伸ばされる量(長さ)が、折り曲げ部76が曲線ではなく角を有する場合(曲率半径が極めて小さい場合)と比較して小さくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が生じにくくなる。
なお、本実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74がチャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に生じる、折り曲げ部76の曲率半径Rが1mm以上10mm以下としてもよい。
天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の曲率半径Rが1mm未満であると、折り曲げ部76の外面がわの損傷(亀裂)が生じやすくなる。
また、折り曲げ部76の曲率半径Rが10mmを超えると、天部がわ突出部(耳部)74を胴部72が接合されにくくなる。さらに、天部がわ突出部(耳部)74の飛び出し量が大きくなることから、使用時や輸送時に障害物などに接触する虞れがあり、それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れやすくなる。
以下に、実施例を挙げて本開示の実施形態を更に具体的に説明する。
≪実施例1≫
実施例1では、第一の実施形態に相当する図7のブランク板93を用いて、図10に示した構成のチャック付き紙容器90を作製した。
図7の2枚のブランク板10a、10bを準備して、その内面同士が位置を合わされて重ね合され、図8のように、対向する両がわの側縁部がわシール代36がヒートシールされ、また、上部シール部53もヒートシールされた。あわせてチャックテープ61もヒートシールされた。そのようにして、底部がわシール代37が未シールである中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。
ブランク板93の積層シート78は、下記の構成とした。
(外面がわ)
絵柄等印刷層(グラビア印刷) /
最外層の熱可塑性樹脂層781(LDPE 20μm 日本ポリエチレン
LC520) /
紙基材層782(日本製紙 液体紙容器用原紙150g/m2) /
中間の接着層784(EMAA 20μm 三井・ダウポリケミカル
N0908N) /
バリア層785(シリカ蒸着PET 12μm 大日本印刷
IB-PET-UBP) /
最内層の熱可塑性樹脂層783(LDPE 40μm 日本ポリエチレン
LC520)
(内面がわ)
上記の積層シート78の製造方法について説明する。
まず、ロール状の紙基材層782が繰り出され、その外面がわに、押出ラミネートにより最外層の熱可塑性樹脂層781(LDPE 20μm)が形成された。
次に、紙基材層782の内面がわに、バリア層785(シリカ蒸着PET 12μm)が、溶融した中間の接着層784(EMAA 20μm)を中間に介在させて、押出ラミネート(サンドイッチラミネート)により積層された。
次に、バリア層785の紙基材層782の反対がわ(内面がわ)に、押出ラミネートにより、最内面の熱可塑性樹脂層783(LDPE 40μm)が形成された。
次に、紙基材層782の外面がわに形成された最外層の熱可塑性樹脂層781(LDPE 20μm)の外面がわに、グラビア印刷機にて、絵柄が印刷された。
なお、先に紙基材層782が印刷された後、紙基材層782の外面がわに押出ラミネートにより最外層の熱可塑性樹脂層(LDPE 20μm)が形成されてもよい。また、紙基材層782が印刷された後に、外がわへの押出ラミネートをしなくてもよい。
また、各接合層間には接合力を向上させるための、必要に応じてアンカーコート処理、コロナ処理、フレーム処理(火炎処理)などを実施してもよい。あるいは、溶融した樹脂にオゾン処理などをしてもよい。
つぎに、積層シート78に、罫線加工、及び打ち抜き加工、及び易屈曲加工などを施し、ブランク板93が完成した。
チャック付き紙容器90の上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の内面に、ヒートシールされて取り付けられるチャックテープ61は、雄型チャックテープ及び雌型チャックテープとも、ヒートシールされるチャックテープ体部が二層の層構成である。そのチャックテープ61は、チャック付き紙容器90にヒートシールされる面の樹脂層がLLDPEで形成され、その反対がわの面の樹脂層がMDPEで形成され、また、雄型及び雌型の嵌合部はいずれもLLDPEで形成されたもので、チャックテープ体部の幅がいずれも10mmのものを用いた。
裏がわブランク板10a及び表がわブランク板10bの寸法は、縦220mm、横169mmの矩形状で、周囲の端縁部にシール代として、両がわの側縁部11には幅7mmの側縁部がわシール代36が設けられた。
また、下がわの下縁部26にはそれぞれ幅が10mmの底部がわシール代37を設けられた。
また、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の上縁部21の近傍には、それぞれ幅7mmの上部シール部53のシール代が設けられた。
ブランク板93には、上縁部21から下がわ方向に順次、上部重ね合わせ板34、第一横折り曲げ線22、天面板33、第二横折り曲げ線23、壁面板31、第三横折り曲げ線24、底面板35がこの順に設けられた。
また、上部重ね合わせ板34の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、天部の側部板41が設けられた。
また、天面板33の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、天部がわ突出部(耳部)代38が設けられた。
また、壁面板31の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、側面板32が設けられた。
また、底面板35の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、底部がわ突出部(耳部)代43が設けられた。
完成後の略直方体形状の紙容器の寸法が、幅が95mm、高さが120mm、奥行きが60mmとなるように形成した。
そして、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41には、2枚のブランク板10a、10bの内面同士の位置が合わされて重ね合された際に、上縁となる上縁部21から10mm下方の位置に、図8のように容器の開封手段として易開封加工線51が、チャック付き紙容器90の天部71の横断方向に、積層シート78の紙基材層782の印刷と共に設けられた。易開封加工線51は、ミシン目線として設けられた。
また、易開封加工線51の下に、5mmの間隔をあけて上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の内面にチャックテープ61が、チャック付き紙容器90の天部71を横断する方向に、ヒートシールされるように構成した。
また、上述した方法で、2枚のブランク板10a、10bの接合とチャックテープ61のヒートシール、側縁部がわシール代36のヒートシール、及び上部シール部53のヒートシールを行った後、重なり合う易開封加工線51の右がわの側縁部11がわにノッチ77が設けられ、底部がわシール代37が未シール状態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。(図8参照)。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が、未シール状態の底部がわシール代37の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34が残されて、その下がわの天面板33が第一横折り曲げ線22により前後に広げられて、上部重ね合わせ板34が上方向に起立させられた。
上部重ね合わせ板34の下に天面板33による天部71と、さらに水平方向の断面(底面に略平行な平面)が略矩形状の胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成された。(図9参照)。
そして、重ね合わされた上部重ね合わせ板34が、裏がわ天面板33aがわに折り曲げられた。その後、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設された天部がわ突出部(耳部)74が、胴部72への接合された際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介した天部71と天部がわ突出部(耳部)74とが成す角度θを100°、135°、160°の3通りとしたチャック付き紙容器90が作製された。
また、天部がわ突出部(耳部)74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内がわ方向(天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72を接合しやすくした。
さらに、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介した天部71と天部がわ突出部(耳部)74とが曲線をなし、前記曲線の曲率半径Rを約2mm、5mm、10mmの3通りとしたチャック付き紙容器90が作製された。
天部がわ突出部(耳部)74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内側方向(天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72を接合しやすくしている。
上記のように、実施例1においては、合計6種類のチャック付き紙容器90を作製した。
≪実施例2≫
実施例2では、第二の実施形態に相当する図13のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。本実施例のブランク板93は、4箇所の第一耳部代381に、それぞれの第一耳部代381当たり3本の第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27を設けた。第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27は、第二縦折り曲げ線13に略平行である。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪実施例3≫
実施例3では、第三の実施形態に相当する図14のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。本実施例のブランク板93は、4箇所の第二耳部代382に、それぞれの第二耳部代382当たり3本の第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28を設けた。第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28は、第二横折り曲げ線23に略平行である。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪実施例4≫
実施例4では、第四の実施形態に相当する図15のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。本実施例のブランク板93は、4箇所の天部の側部板41に、それぞれの天部の側部板41当たり3本の天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29を設けた。天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29は、第二縦折り曲げ線13に略平行である。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪実施例5≫
実施例5では、第五の実施形態に相当する図16のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。
本実施例は第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態の易屈曲折り曲げ線をすべて施した。本実施例のブランク板93は、第一耳部代381に第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27を備え、かつ第二耳部代382に第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28を備え、かつ天部の側部板41に、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29を備えていた。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪比較例≫
比較例では、図1に示した易屈曲加工を施さないブランク板81を用いて、図2に示した構成のチャック付き紙容器80を作製した。
なお、重ね合わせた上部重ね合わせ板834及び天部の側部板843を裏がわ天面板833aがわに折り曲げ、チャック付き紙容器80の天部871の左右両がわ端に突出する天部がわ突出部(耳部)874を、紙容器の胴部872への接合する際に、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876を介した、天部871と天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度を略直角とした。
その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じであった。
≪評価≫
実施例1~5と、比較例のサンプルを各100個作製した。
比較例では、チャック付き紙容器80の天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の積層シート88に損傷(亀裂)が生じた。
実施例1~5では、いずれもチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)が生じなかった。
実施例1から5において、天部がわ突出部(耳部)74を、胴部72がわに折り曲げて、胴部72に接合する際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を鈍角に折り曲げる加工、または曲線にて加工する作業が容易であった。それゆえ天部がわ突出部(耳部)74の形状が安定するため、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)が生じにくかった。
実施例2において、天部がわ突出部(耳部)74を、胴部72側に折り曲げて、胴部72に接合する際に、特に積層シート78の伸びが大きく、損傷(亀裂)が生じやすい場所に、第一耳部代の易屈曲折り曲げ線27が配置されるため、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)がより生じにくかった。
実施例3において、天部がわ突出部(耳部)74を、胴部72側に折り曲げて、胴部72に接合する際に、第二耳部代の易屈曲折り曲げ線28は、外がわから目視できない位置となるため、外観がシンプルであり優れていた。
実施例4において、天部がわ突出部(耳部)74を、胴部72側に折り曲げて、胴部72に接合する際に、特に積層シート78の伸びが大きく、損傷(亀裂)が生じやすい場所に、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線29が配置されるため、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)がより生じにくかった。
実施例5において、天部がわ突出部(耳部)74を、胴部72側に折り曲げて、胴部72に接合する際に、損傷(亀裂)が生じさせる要因となる多くの箇所(形成板)に、易屈曲折り曲げ線が配置されるため、チャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート88に損傷(亀裂)がより生じにくかった。
上記のように作製した実施例1~5のチャック付き紙容器90に、それぞれ底部73から内容物としてスナック菓子を充填し、次いで、底部73の折り込み、および底部がわシール代37同士のヒートシールと、そのヒートシール部を裏がわ底面板35aの方向へ寝かせた。さらに底部73の左右両がわから突出する底部がわ突出部(耳部)75を底面板35がわへ折り曲げ、表がわ底面板35b及び/又は表がわ底部がわシール代37bへのヒートシールを行って、実施例1~5の略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が作製された。
また、上記のように作製された実施例1~5のチャック付き紙容器90の包装体について、特に、その開封性と内容物の取り出し適性、およびチャックによる再封性をテストした。
その結果、いずれも天部の側部板41に初期開封手段として設けられたノッチ77と、上部重ね合わせ板34と天部の側部板41に設けられた易開封加工線(ミシン目線)51により、容易に易開封加工線(ミシン目線)51の上部を切り取って開封することができた。
次いで、開封された上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の開封端の近傍を摘んで両がわに引き離すことにより、チャックの嵌合を容易に解離でき、チャック付き紙容器90の上部が略全幅に渡って開口され、内部に充填されたスナック菓子を容易に取り出すことができた。
また、内容物の一部を取り出した後は、実施例1~5のチャック付き紙容器90の包装体とも、容易にチャックを再嵌合させて紙容器を再封することができ、残りの内容物を適切に保存することができた。
さらに、本実施形態のチャック付き紙容器90は、チャック付き紙容器90の全体の質量に対する紙の質量比率は約60質量%であり、紙容器としての基準である51質量%以上を充分に満たすものであった。
10a 裏がわブランク板
10b 表がわブランク板
11 ブランク板の側縁部
12 第一縦折り曲げ線
13 第二縦折り曲げ線
17 天部がわ斜め折り曲げ線
18 底部がわ斜め折り曲げ線
21 上縁部
22 第一横折り曲げ線
23 第二横折り曲げ線
24 第三横折り曲げ線
25 第四横折り曲げ線
26 下縁部
27 第一耳部代の易屈曲折り曲げ線
28 第二耳部代の易屈曲折り曲げ線
29 天部の側部板の易屈曲折り曲げ線
31 壁面板
32 側面板
33 天面板
34 上部重ね合わせ板
35 底面板
36 側部がわシール代
37 底部がわシール代
38 天部がわ突出部(耳部)代
381 上部重ね合わせ板がわ天部がわ突出部(耳部)代(第一耳部代)
382 側面板がわ天部がわ突出部(耳部)代(第二耳部代)
39 易屈曲加工部
41 天部の側部板
43 底部がわ突出部(耳部)代
51 易開封加工線(ミシン目線)
52 チャックテープ接合部
53 上部シール部
61 チャックテープ
71 チャック付き紙容器の天部
71c 天部の上縁部
72 チャック付き紙容器の胴部
72d 胴部の稜部
73 チャック付き紙容器の底部
74 天部がわ突出部(耳部)
75 底部がわ突出部(耳部)
76 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部
77 ノッチ
78 積層シート
781 最外層の熱可塑性樹脂層
782 紙基材層
783 最内層の熱可塑性樹脂層
784 中間の接着層
785 バリア層
80 従来技術のチャック付き紙容器
81 従来技術のブランク板
812 従来技術の第一縦折り曲げ線
821 従来技術の中間横折り曲げ線(半折り線)
831 従来技術の壁面板
832 従来技術の側面板
833 従来技術の天面板
834 従来技術の上部重ね合わせ板
836 従来技術の側面がわシール代
838 従来技術の天部がわ突出部(耳部)代
843 従来技術の天部の側部板
851 従来技術の易開封加工線(ミシン目線)
861 従来技術のチャックテープ
871 従来技術のチャック付き紙容器の天部
872 従来技術のチャック付き紙容器の胴部
874 従来技術の天部がわ突出部(耳部)
876 従来技術の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部
879 従来技術の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の損傷(亀裂)
88 従来技術の紙容器の積層シート
881 最外層の熱可塑性樹脂層
882 紙基材層
883 最内層の熱可塑性樹脂層
884 中間の接着層
885 バリア層
90 チャック付き紙容器
91 中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)
92 中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)
93 ブランク板

A 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部
の断面図の断面位置
B 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)のチャック
テープの位置での折り曲げ部の断面図の断面位置。
C 本開示のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の
断面図の断面位置
D 本開示のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)のチャック
テープの位置での折り曲げ部の断面図の断面位置

E 第一天部交点(第一縦折り曲げ線と第一横折り曲げ線との交点)
F 第二天部交点(第二縦折り曲げ線と第二横折り曲げ線との交点)
G 第一底部交点(第一縦折り曲げ線と第四横折り曲げ線との交点)
H 第二底部交点(第二縦折り曲げ線と第三横折り曲げ線との交点)

θ 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ角度
R 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ曲率半径

a 表がわブランク板の構成要素の添え字
b 裏がわブランク板の構成要素の添え字

Claims (10)

  1. 紙を基材とする積層シートからなる表がわブランク板と裏がわブランク板とを接合して組み上げられるチャック付き紙容器において、
    前記チャック付き紙容器の上部に、前記表がわブランク板と前記裏がわブランク板とが重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板、及び前記上部重ね合わせ板の下がわに連設される天面板とからなる天部と、
    前記上部重ね合わせ板の左右に連設される天部の側部板と、
    前記天部の左右に連設される天部がわ突出部と、
    前記天部の下がわに備わる胴部と、
    前記胴部の下がわに備わる底部と、
    前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板の、上縁部若しくは前記上縁部の近傍を、横断する上部シール部と、
    前記上部シール部の下がわに位置し、前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板を横断するチャックテープと、を備え、
    前記天部の横方向に連設される前記天部がわ突出部、及び/又は前記上部重ね合わせ板の横方向に連設される前記天部の側部板の少なくとも一部に、易屈曲加工が施されることを特徴とするチャック付き紙容器。
  2. 前記天面板の横方向に連設される前記天部がわ突出部を形成する天部がわ突出部代において、前記天部がわ突出部代に設けられた天部がわ斜め折り曲げ線で分割される領域のうち、前記天部の側部板に近い方の、天部の側部板がわ天部がわ突出部代を今後は第一耳部代と呼び、前記第一耳部代のうちで、
    少なくとも1箇所の前記第一耳部代に、第一耳部代の易屈曲折り曲げ線を、少なくとも1本は備えることを特徴とする請求項1に記載のチャック付き紙容器。
  3. 前記天面板の横方向に連設される前記天部がわ突出部を形成する前記天部がわ突出部代において、前記天部がわ突出部代に設けられた天部がわ斜め折り曲げ線で分割される領域のうち、前記胴部の一部を構成する側面板に近い方の側面板がわ天部がわ突出部代を、今後は第二耳部代と呼び、前記第二耳部代のうちで、
    少なくとも1箇所の前記第二耳部代に、第二耳部代の易屈曲折り曲げ線を、少なくとも1本は備えることを特徴とする請求項1または2に記載のチャック付き紙容器。
  4. 前記天部の側部板の領域のうち、少なくとも1箇所の前記天部の側部板において、天部の側部板の易屈曲折り曲げ線を、少なくとも1本は備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のチャック付き紙容器。
  5. 前記チャック付き紙容器の前記天部の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部が、前記チャック付き紙容器の前記胴部に接合される際に生じる折り曲げ部の角度θが、鈍角であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のチャック付き紙容器。
  6. 前記天部がわ突出部が、前記チャック付き紙容器の前記胴部に接合する際に生じる折り曲げ部の角度θが100°以上、160°以下であることを特徴とする請求項5に記載のチャック付き紙容器。
  7. 前記チャック付き紙容器の前記天部の左右両がわに連設される前記天部がわ突出部が、前記チャック付き紙容器の前記胴部に接合される際に生じる折り曲げ部が、曲線にて折り曲がることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のチャック付き紙容器。
  8. 前記天部がわ突出部が、前記チャック付き紙容器の前記胴部に接合される際に生じる折り曲げ部の曲率半径Rが、1mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項7に記載のチャック付き紙容器。
  9. 前記上部シール部と前記チャックテープとの間には、易開封加工線が存在することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のチャック付き紙容器。
  10. 紙を基材とする積層シートからなる表がわブランク板と裏がわブランク板とを接合して組み上げられるチャック付き紙容器において、
    2枚の前記ブランク板の左右の側縁部には、側面がわシール代が第一縦折り曲げ線で形成され、
    前記ブランク板の上縁部から下がわに向けて、上部重ね合わせ板、天面板、壁面板、底面板が順に連設され、
    前記上部重ね合わせ板と前記天面板とは、前記ブランク板の横方向に横断する第一横折り曲げ線を介して連設され、
    前記天面板と前記壁面板とは、前記ブランク板の横方向に横断する第二横折り曲げ線を介して連設され、
    前記壁面板と前記底面板は、前記ブランク板の横方向に横断する第三横折り曲げ線を介して連設され、
    前記壁面板の左右には、前記ブランク板の縦方向に縦断する第二縦折り曲げ線を介して、それぞれ側面板が連設され、
    前記上部重ね合わせ板には、前記表がわブランク板と前記裏がわブランク板とが、互いに重なり合う予定の位置に、上部シール部と、チャックテープが、前記上縁部から順次に設けられており、
    前記壁面板と前記底面板は、前記ブランク板の横方向に横断する第三横折り曲げ線を介して連設され、
    前記底面板と、前記ブランク板の下がわの端縁部となる底部がわシール代とは、前記ブランク板の横方向に横断する第四横折り曲げ線を介して連設され、
    前記天面板の横方向に連設される前記天部がわ突出部を形成する天部がわ突出部代、及び/又は前記上部重ね合わせ板の横方向に連設される前記天部の側部板の少なくとも1箇所に、易屈曲加工が施され、
    前記底部がわシール代が未シールで開口する中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)を作製する工程と、
    開口する前記中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)を起函して作製された、中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)の底部から内容物を充填して、前記底部がわシール代同士が合掌シール形式で接合され、接合された前記底部がわシール代が、背面がわに折り曲げて寝かされ、左右両がわの突出する底部がわ突出部を前記底面板がわに折り曲げられて接合される工程とを、特徴とするチャック付き紙容器の製造方法。
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