JP2021066497A - チャック付き紙容器 - Google Patents

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一平 武本
怜子 清水
Reiko Shimizu
怜子 清水
文 井浦
Fumi Iura
文 井浦
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Abstract

【課題】特に立体形状を有し、自立性を備えた紙容器の分野において、その天部がわ突出部(耳部)の積層シートに損傷が生じることが少なく、美麗性を保つことができるチャック付き紙容器を提供する。【解決手段】チャック付き紙容器90の胴部を形成する縦方向の稜部のうち、少なくとも1つの稜部において、その稜部の上がわを形成する稜折り曲げ線72e-1は一対(2本)であり、その稜部の下がわを形成する稜折り曲げ線72e-3は1本であることを特徴としている。このようにすることにより、胴部の上がわに胴部凹み板が形成され、それにより胴部の側面の上がわが外方向に膨らむ。そのため、天部がわ突出部(耳部)が胴部に接合される際に、天部がわ突出部(耳部)の折り曲げが緩くなることから、その折り曲げ部の外がわとなる面が強く引き伸ばされることはなく、折り曲げ部の損傷(亀裂)を軽減できる。【選択図】図17

Description

本発明は、チャック付き紙容器に関し、特に立体形状を有し、自立性を備えた紙容器の分野において、その天部がわ突出部(耳部)の積層シートに損傷が生じることが少ないので、美麗性を保つことができるチャック付き紙容器に関する。
従来、チャック付き紙容器として、特許文献1のような技術が開示されている。すなわち、直方体形状の紙容器の上部にチャックを設けており、内容物を取り出す際にはチャックを開けて、内容物の取り出しが終了したらチャックを閉じることができる。
上記の技術により、内容物の保護や、紙容器転倒時の内容物の零れを防止できる。また、紙容器であることから、内容物を消費後の容器の減容化や、廃棄が容易である。図1に、従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81を示し、図2に従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図を示す。
なお、今後特段の説明がない場合は、図2を参照に、表がわ壁面板831bを表面として、チャック付き紙容器80の表がわ、裏がわ、左がわ、右がわ、上がわ、下がわを示すものとする。本発明のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
また、従来技術の説明を行う際に使用する符号は、本発明と区別するために、80番代又は800番代としている。
しかしながら、特許文献1に記載されたチャック付き紙容器80においては、天部がわ突出部(耳部)874を、下方向(胴部方向)に折り曲げて胴部872に接合すると、天部がわ突出部(耳部)874と、表がわ天面板833b及び表がわ上部重ね合わせ板834bの間に介在する天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876に損傷(亀裂)879が発生することがある。(図3、4、5参照)。
これは、従来技術のチャック付き紙容器80の上部が、上部重ね合わせ板834a、834bの内面同士が接合されて容器が密封されているため、当該部分の積層数は多くなり、厚さが厚くなるからである。
さらに上部重ね合わせ板834a、834bにはチャックテープ861も接合されているため、当該部分の積層数は多くなり、当該部分の厚さがさらに厚くなるからである。
なお、図4、図5では、従来技術のチャック付き紙容器80のブランク板81の断面を一層にて記載しているが、ブランク板81の層構成は多層である積層体である。しかしながら本明細書では、図を見やすくするため一層にて記載している。以降の断面図についても同様である。
天部がわ突出部(耳部)874を胴部872の方向に強く折り曲げる(略直角に折り曲げる)と、天部がわ突出部(耳部)874と、表がわ上部重ね合わせ板834b及び表がわ天面板833bの間に介在する、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の外面がわとなる面が強く引き伸ばされる状態となり、図4、図5のように、従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート82(図中符号省略)に損傷(亀裂)879が生じることがある。
なお、図示した損傷(亀裂)は、損傷の一例を示したものであり、損傷の態様はこれらに囚われるものではない。
図3は、従来技術のチャック付き紙容器80の平面図であり、図4、図5の断面の位置の説明をしている。図4は従来技術のチャック付き紙容器80の奥行方向の中央部付近であり、上部重ね合わせ板834a、834bが倒された位置の横断方向の断面図であり、切断面を図3に記載の断面の位置A−Aで示している。また図4は、横断方向の断面図の天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の拡大図である。従来技術のチャック付き紙容器80の最外層である表がわ上部重ね合わせ板834bに亀裂が生じている。さらに内がわとなる裏がわ上部重ね合わせ板834aにまで損傷(亀裂)879が及ぶことがある。
図5は、従来技術のチャック付き紙容器80に備えられたチャックテープ861の位置での、チャックテープ861の長手方向の横断方向の断面図である。また図5は、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876の拡大図であり、切断面を図3に記載の断面の位置B−Bで示している。従来技術のチャック付き紙容器80の最外層の積層シート82である表がわ上部重ね合わせ板834bに亀裂が生じている。
図4、図5の図中に示す角度θは、従来技術のチャック付き紙容器80の天部871を構成する表がわ上部重ね合わせ板834bと、天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度を示しており、それぞれの外面同士が成す角度を示している。本発明のチャック付き紙容器90においても、同様とする。
従来技術のチャック付き紙容器80の積層シート82の多くは、紙基材層と合成樹脂フィルム層が積層されており、その構成要素のうちで引張強度の劣る紙基材層に亀裂が生じやすい。特に、引き伸ばしが強い場合には、内側の合成樹脂フィルム層にも亀裂が生じることがある。
前記合成樹脂フィルム層に亀裂が生じた場合は、積層シート82のバリア性(酸素、水蒸気など)が低下することがある。特に前記合成樹脂フィルム層自身にバリア性を有する場合や、前記合成樹脂フィルム層に蒸着加工を施した場合に、バリア性の低下が見られることがある。
また、積層シート82が損傷することにより、美麗性の低下が生じ、積層シート82に印刷があれば、その印刷により表示される文字や絵柄が損傷することがある。
特開2005-178833号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、チャック付き紙容器90において、天部がわ突出部(耳部)74を、紙容器90の胴部72の方向に折り曲げて胴部72に接合する際に、天部がわ突出部(耳部)74と、表がわ天面板33b及び表がわ上部重ね合わせ板34bとの間に介在する、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることが少ないチャック付き紙容器90を提供する。
上記の課題は、以下の本発明の実施形態により解決することができる。
すなわち、紙を基材とする積層シート78からなる2枚のブランク板93を接合して組み上げられるチャック付き紙容器90において、
前記チャック付き紙容器90の上部に、前記ブランク板93を重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
前記上部重ね合わせ板34の左右に連設される側部板41と、
前記天部71の左右に連設される突出部74と、
前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
前記上部重ね合わせ板34の上縁部21、若しくは前記上縁部21の近傍を横断する上部シール部53と、
前記上部シール部53の下がわ位置するチャックテープ61と、
前記胴部72を形成する縦方向の稜部72dのうち、少なくとも1つの前記稜部72dの上部において、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2が対向しており、
前記一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2の下端部は、前記稜部72dの上部及び下部の近傍以外の中間部に位置し、
前記稜部72dの下部において、下がわ稜折り曲げ線72e−3が1本あり、
前記下がわ稜折り曲げ線72e−3の上端部は、前記稜部72dの上部及び下部の近傍以外の中間部に位置することを特徴としている。
本発明の一実施形態の紙容器において、少なくとも1つの前記天部71の角部71dで、前記一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2が接していてもよい。
本発明の一実施形態の紙容器において、少なくとも1つの前記胴部72の側面板32a、32bの位置が、前記天部71と前記突出部(耳部)74の間に介在する折り曲げ部76の位置よりも、左右方向の外方にあってもよい。
本発明の一実施形態の紙容器において、少なくとも1つの前記突出部(耳部)74の折り曲げ部76の角度θが鈍角にて、前記突出部(耳部)74が前記胴部72に接合されてもよい。
本発明の一実施形態の紙容器において、少なくとも1つの前記突出部(耳部)74の折り曲げ部76が曲線にて、前記突出部(耳部)74が前記胴部72に接合されておいてもよい。
本発明の一実施形態の紙容器において、前記上部重ね合わせ板34の上縁部21、若しくは上縁部21の近傍を横断方向に渡る上部シール部53と、前記上部シール部53の下がわに、横断方向の易開封加工線51と、前記易開封加工線51の下がわにチャックテープとを、備えていてもよい。
上述した本発明の実施形態によれば、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合される際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げが緩くなることから、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわとなる面が強く引き伸ばされることはなく、チャック付き紙容器90の積層シート78の折り曲げ部76に損傷(亀裂)が生じることを軽減できる。
従来技術の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 従来技術のチャック付き紙容器の斜視図である。 従来技術のチャック付き紙容器の平面図である。 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の上部重ね合わせ板の位置での折り曲げ部の拡大断面図である。(図3 断面A−A参照)。 従来技術のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)のチャックテープ接合位置での折り曲げ部の拡大断面図である。(図3 断面B−B参照)。 本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 本発明の第二の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の展開図である。 図7に示したブランク板を用いてチャック付き紙容器を作製する際の中間段階の紙容器(平面状態)の形状を示す正面図である。 図7に示したブランク板を用いてチャック付き紙容器を作製する際の中間段階の紙容器(起函状態)の形状を示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態のチャック付き紙容器の斜視図である。 図10に示したチャック付き紙容器の側面図である。 図10に示したチャック付き紙容器の平面図である。 本発明の第二の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の変形例1の展開図である。 本発明の第二の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の変形例2の展開図である。 本発明の第二の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の変形例3の展開図である。 本発明の第二の実施形態のチャック付き紙容器の製造に用いるブランク板の変形例4の展開図である。 本発明の第四の実施形態のチャック付き紙容器の正面図である。 本発明の第四の実施形態のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の拡大断面図である。(図12 断面A−A参照)。 本発明の第五の実施形態のチャック付き紙容器の正面図である。 本発明の第五の実施形態のチャック付き紙容器の天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部の拡大断面図である。(図12 断面A−A参照)。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。但し、本発明はこれら具体的に示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図6に、本発明の第一の実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板93を示す。図6(a)は、裏がわブランク板10aを表し、図6(b)は表がわブランク板10bを表す。
図6(a)の裏がわブランク板10aの図面の下がわである、裏がわ上縁部21aが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図6(b)の表がわブランク板10bの図面の上がわである、表がわ上縁部21bが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図6(a)、(b)とも、図面の表面がわが、チャック付き紙容器90を組み立てた際の外面がわとなり、裏面がわが内面がわとなる。
図6(a)、(b)は、夫々の上縁部21a、21bを基準にして、線対称となっており、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重ね合わせると、各構成要素(後述する各板、線、シール部、チャックテープ接合部など)は重なり合う。
上述のように、位置を合わせて重ねられた裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが接合されて、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製されて、チャック付き紙容器90の完成に向けて手順が進んでいくが、この製造方法については、後述する。
なお、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの2枚を、合わせてブランク板93と記述する。
今後特段の記述がない場合は、図6(b)を参照として、表がわブランク板10bの上下左右を示すものとする。裏がわブランク板10aについても、その上縁部21aを上がわとして説明する。従って図6(a)では、上下が逆となる。
上述のように、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bは、上下に線対称の形状であるので、ブランク板93の説明については、表がわブランク板10bで説明する。
また、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとは、材質(層構成)、製造方法も同じである。
本発明のチャック付き紙容器90の表がわブランク板10bは、少なくとも中間層に基材の紙を積層し、少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂を積層した積層シート78を用いて、外形を矩形状に形成し、上がわを上縁部21b、左右の側縁部を11b、下側を下縁部26bとする。
表がわブランク板10bには、縦断方向に存在する表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bが設けられている。また、横断方向に存在する表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。また、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16b、および表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bが設けられており、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
表がわ第二縦折り曲げ線13bは、表がわ上縁部21bから順次、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2及び平行に並ぶ表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3、表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5からなる。
表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1は、表がわ第一縦折り曲げ線12bの内側に位置し、かつ表がわ第一縦折り曲げ線12bに略平行で、上縁部21bと表がわ第二横折り曲げ線23bを結んでいる。
表がわ第二縦折り曲げ線13b−1の下方向には、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3が平行に並んで存在する。また、一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3は、表がわ第一縦折り曲げ線12bの内側に位置し、かつ表がわ第一縦折り曲げ線12bに略平行であり、それらの上端部は、表がわ第二横折り曲げ線23bからは離間している。その離間している距離は2mm以上あってもよい。
一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の少なくともどちらかが、表がわ第二横折り曲げ線23bに接している(交差を含む。)若しくは近傍であると、当該部分のチャック付き紙容器90の天部71の角部71dの形成が難しくなる。
一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の下端部には、接続される線はない。
上述の表がわ胴部外がわ第二縦折り曲げ線13b−2と、表がわ胴部内がわ第二縦折り曲げ線13b−3は一対で、ブランク板93を組み立てて形成されるチャック付き紙容器90の胴部72の稜部72dの稜折り曲げ線72eの上がわ部分の役割を果たす。チャック付き紙容器90の組み立て手順については、後ほど説明する。
胴部72の稜部72dの稜折り曲げ線72eの下がわ部分には、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の下方への延長線の上に、1本の表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4がある。その線の上端部に接続される線はなく、表がわ第一縦折り曲げ線12bと略平行な線となっている。その下端部は、表がわ第三横折り曲げ線24bに接しているが、近傍であってもよい。
また、上記の表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4は、胴部外がわ第二縦折り曲げ線13b−2若しくはその下方への延長線と、表がわ胴部内がわ第二縦折り曲げ線13b−3若しくはその延長線との間に位置させることが望ましく、それら2本の延長線の間の中間位置に存在することは、より望ましい。
上述の一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3は、少なくとも1箇所の胴部72の稜部72dに設けられていてもよい。一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3は、チャック付き紙容器90の胴部72の稜部72dの少なくとも1箇所に設けられていてもよい。そのため、裏がわブランク板10a若しくは表がわブランク板10bのどちらかにのみ、上述の一対の胴部上がわ縦折り曲げ線13a−2、13a−3、13b−2、13b−3が設けられていてもよい。
また、上述の表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4の下端部に、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5が繋がっており、その表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5の下端は、表がわ下縁部26bに至っている。
表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5は、表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4の下方への延長線の上にある。
なお、上述の一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の下端部の位置(チャック付き紙容器90の上下方向の高さ)は、略同一であってもよい。
また、上述の一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の下端部の位置(チャック付き紙容器90の上下方向の高さ)と、表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4の上端部の位置(チャック付き紙容器90の上下方向の高さ)は、略同一であってもよい。また、稜折り曲げ線72eの機能を満足する範囲で離れていてもよい。あるいは、チャック付き紙容器90の高さ方向にて、オーバーラップしてもよい。
横折り曲げ線について説明する。表がわブランク板10bの表がわ上縁部21bから下方向に順次、表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。
上述の表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bは、各々が略平行であることが望ましい。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bについて説明する。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bの上端部は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第一横折り曲げ線22bとの交点である、表がわ第一天部交点Ebと同じ位置である。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bの下端は、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1と、表がわ第二横折り曲げ線23bとの交点である、表がわ第二天部交点Fbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bについて説明する。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bの上端部は、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5と、表がわ第三横折り曲げ線24bとの交点である、表がわ第二底部交点Hbと同じ位置である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bの下端は、表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第四横折り曲げ線25bとの交点である、表がわ第一底部交点Gbと同じ位置である。
なお、上述の2種の斜め折り曲げ線16b、17bは、上述の4種の交点Eb、Fb、Gb、Hbとは接せずに、近傍に位置してもよい。近傍に設置することにより、充分な折り曲げ性能を有し、かつ、特定な箇所に折り曲げ線の過度な集中がなく、表がわブランク板10bの積層シート78の強度の低下を防ぐことができる。
表がわブランク板10bの左右の側縁部11bには、表がわ側面がわシール代37bが表がわ第一縦折り曲げ線12bで形成され、表がわブランク板10bの下がわに位置する表がわ下縁部26bには、表がわ底部がわシール代38bが表がわ第四横折り曲げ線25bで形成されている。
また、表がわブランク板10bには、その最も上がわに位置する表がわ上縁部21bより下がわ方向に、各部の形成板が設けられている。
主要部について説明すると、表がわ上縁部21bの下がわに、表がわ上部重ね合わせ板34bが連接されている。その表がわ上部重ね合わせ板34bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天面板33bが連設されている。その表がわ天面板33bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ壁面板31bが連設されている。その表がわ壁面板31bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底面板35bが連設されている。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1を介して、表がわ上部重ね合わせ板の側部板41bが連設されている。
また、表がわ天面板33bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1を介して、表がわ天部がわ突出部(耳部)代39bが連設されている。
また、表がわ壁面板31bの上がわの左右の外方には、それぞれ表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3を介して、表がわ胴部凹み板36bが連設されている。さらに、その表がわ胴部凹み板36bの左右の外方には、それぞれ表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2を介して表がわ側面板32bが、順次に連設されている。
表がわ壁面板31bの下がわの左右の外方には、それぞれ表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4を介して、表がわ側面板32bが、順次に連設されている。
上記の表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3及び/又は表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2と、表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4が接続していないので、表がわ壁面板31bと、表がわ胴部凹み板36bと、表がわ側面板32bは、各々、折り曲げ線にて明確には画定されておらず、表がわブランク板10bでは、閉じられた形成板にはなっていない。
しかしながら、後に説明するチャック付き紙容器90を組み立てる際には、その胴部72の稜部72dは、その折り曲げ線72eが曲げられるとともに、折り曲げ線が無い領域も併せて適宜折れ曲がるので、稜部72dを適切に形成することができる。
本実施形態のブランク板93を用いたチャック付き紙容器90では、一対の表がわ胴部第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3が、それぞれ上端部及び下端部で接触して閉じられた面を形成し、そして表がわ胴部凹み板36bが画定されているチャック付き紙容器90と比較して、折り曲げ線の合計の長さを減少させることができる。
また、稜部72dの形状のバリエーションを増やすことができて、意匠的に趣がある。さらに、チャック付き紙容器90の表がわ第二底部交点Hbに集合する折り曲げ線が本数を減らすことができて、その箇所の強度低下を低減できる。
また、表がわ底面板35bの左右の外方には、それぞれ表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5を介して、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bが連設されている。
また、裏がわブランク板10aは、表がわブランク板10bと線対称で同形状である。言い替えれば、ブランク板の層構成が逆になっている同形状のブランク板である。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重なり合わせた際に、表がわ上部重ね合わせ板34bには、上述の2枚のブランク板が互いに重なり合う所定の位置に、横断方向の密封手段としての表がわ上部シール部53bと、横断方向の開封手段としての表がわ易開封加工線51bと、表がわチャックテープ接合部52bとが、表がわ上縁部21bから順次に設けられている。
横断方向の密封手段としての表がわ上部シール部53bは、相対することになる裏がわ上部シール部53aと接合される。その接合は、チャック付き紙容器90の表がわ上縁部21bの近傍を、横断するように接合されるため、チャック付き紙容器90の密閉が保たれる。
また、表がわ上部シール部53bと、表がわ易開封加工線51bと、表がわチャックテープ接合部52bとは、表がわ上縁部21bに略平行であることが望ましい。
表がわ上部シール部53bが、表がわ上縁部21bに略平行であると、表がわ上部シール部53bの長さを短くすることができ、かつ表がわブランク板10bに無駄が生じない。
表がわ易開封加工線51bが、表がわ上縁部21bに略平行であると、チャック付き紙容器90の横断方向の切断が容易である。
なお、表がわブランク板10bの積層シート78の材質、層構成、易開封処理の状況などによっては、易開封加工線51bを設けなくてもよい。易開封加工線51bが無くても、開封可能な場合がある。さらに、ハサミなどの刃物で開封してもよい。
表がわチャックテープ接合部52bが、表がわ上縁部21bに略平行であることが望ましい。そのような形態では、チャックの開閉及び、内容物の取り出しが容易となる。また、チャックの長さを短くすることができる。
表がわチャックテープ接合部52bは、この場合、チャック付き紙容器90を組み立てる際のチャックテープ61の接合予定部である。
チャック付き紙容器90の組み立ての手順は後ほど説明するが、その手順のうち、ここではチャックテープ61の接合手順を説明する。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとが重ね合わされて、側面がわシール代37a、37b同士、及び上部重ね合わせ板34a、34bの上部シール部53a、53b同士がヒートシールされる。
その際に、予め雄型テープ体62と雌型テープ体63とが、それらの嵌合部で嵌合されたチャックテープ61がこの部分に挿入され、同時に2枚のブランク板93の外面がわからチャックテープ接合部52a、52bが加熱、加圧されヒートシールされる方法で行う。
なお、チャックテープ61の接合は、上記のようなヒートシールに限らず、接着剤や接着テープなど、その他の方法にて接合されてもよい。
ここで、ブランク板93の外面とは、チャック付き紙容器90を組み立てた際に、チャック付き紙容器90の外面になる予定のブランク板93の面を言う。
このような方法でチャックテープ61をヒートシールすることにより、雄型テープ体62と雌型テープ体63とを別々にチャックテープ接合部52a、52bにヒートシールする方法と比較して、ヒートシールの位置ずれがなくなり、また、取り付け工程が簡略化されるので、生産効率よくチャックテープ61を取り付けることができる。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとを重ね合わせて接合する際に、上部重ね合わせ板34a、34bを、例えば、重ね合わされた2枚のブランク板93の上縁部21a、21bの近傍から、重なり合う表裏の易開封加工線51a、51b(本実施形態ではミシン目線とする。)の上がわの近傍までの領域でヒートシールすることにより、上部重ね合わせ板34a、34bの表裏の易開封加工線51a、51b同士を近接させることができるので、開封の際の易開封加工線51a、51bの切り取りを一層容易に行えるようになる。
開封手段の易開封加工線51a、51bに、断続的なハーフカット線または直線状のハーフカット線を使用する場合は、通常の刃物による方法で形成してもよいが、レーザ光照射による方法、超音波を利用する方法、ダイヤモンドカットと呼ばれる方法を使用することにより、より精度と安定性に優れたハーフカット線を形成することができる。
また、易開封加工線51a、51bは、幅を有する帯状であってもよい。また、易開封加工線51a、51bは複数設けられてもよい。
ブランク板93に用いる積層シート78は、前述したように、少なくとも中間層に紙基材層を積層し、その最内層及び/又は最外層としてポリエチレンなどの熱接着性樹脂を積層した積層シート78を用いるが、中間層には必要に応じて、水蒸気や酸素やその他のガスバリア層や、強度向上層などを設けることができる。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90に絵柄等の印刷層を設ける場合、通常は紙基材層の表面に印刷するが、仮に紙基材層の印刷適性が良くない場合は、例えば、強度向上層を兼ねて二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどに絵柄等の印刷層を設け、そのフィルムを最外層の熱接着性樹脂層と紙基材層との間に積層することもできる。
紙基材層は、剛性があり、且つ、折り曲げ線などで折り曲げた時、割れの生じにくい紙が好ましいが、特に限定はされずチャック付き紙容器90に充填される内容物に応じて、耐水性(サイズ度)なども考慮して適するものを適宜に選定して使用することができる。
具体例として、上質紙、晒クラフト紙、カップ原紙、ミルクカートン原紙などを好適に使用することができ、その坪量は、90〜320g/m2の範囲が適切である。
最内層及び/又は最外層の熱接着性樹脂層(シーラント層)の樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー、そして、ポリプロピレンおよびその共重合体、ポリエステル系樹脂などを使用することができ、これらの中から、充填される内容物や、保管及び使用される条件に応じて、適するものを適宜に選定して使用することができる。
上記の熱接着性樹脂のうち、特にエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)およびエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)は、押し出しコートなどの加工時の熱安定性、各種の基材に対する接着性、低温ヒートシール性などに優れると共に、薄膜形成性にも優れているので、厚みをそれほど必要としない最外層の熱接着性樹脂層を、例えば、6〜10μmのような比較的薄い厚さで押し出しコートして積層することも容易であり、プラスチック材料の使用比率を低減できると同時に、コスト面でもメリットを得ることができる。
以上のような最内層及び/又は最外層の熱接着性樹脂層は、その積層面に必要に応じてアンカーコート、コロナ処理、フレーム(火炎)処理などの易接着性処理を施した後、その上に樹脂を押し出しコートして積層できるほか、熱接着性樹脂を予めフィルム状に製膜しておいて、そのフィルムを公知のドライラミネートまたは押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などで貼り合わせて積層することができる。
積層シート78の中間層にガスバリア層を積層する場合、ガスバリア層としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの金属または無機酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)、二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)などの基材フィルムに、厚み20〜100nmに蒸着した蒸着フィルムなどを使用することができる。あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム(以下、EVOHフィルム)、ナイロンMXD6の二軸延伸フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、そして、ポリ塩化ビニリデンの塗膜層を設けたPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなどを使用することができる。
このようなガスバリア層は、通常、中間層の紙基材層の内側の面に積層することが、そのガスバリア性を効果的に利用できる点で好ましいが、ガスバリア層にアルミニウムなどの金属箔や金属蒸着フィルムを使用した場合は、そのメタリック感をデザインにも利用するため、紙基材層の外側の面に積層することもできる。ガスバリア層の積層は、公知のドライラミネートまたは押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などにより容易に積層することができる。
ここで、チャック付き紙容器90の上部重ね合わせ板34a、34bに接合されるチャックテープ61の上下両側またはいずれか一方の側に、剥離可能な弱シール部を設けられる場合について説明する。
図6には示されていないが、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとが、重ね合されて接合される際に、互いに接する上部重ね合わせ板34a、34bのうち、左右両端の側面がわシール代37a、37bを除く領域で、弱シール部が設けられてもよい。
例えば、チャックテープ61の下がわ、即ちブランク板93のチャックテープ接合部52a、52bの下がわに弱シール部が設けられる場合は、裏がわチャックテープ接合部52aと裏がわ第一横折り曲げ線22aとの間のスペースと、表がわチャックテープ接合部52bと表がわ第一横折り曲げ線22bとの間のスペースの両方の面、またはいずれか一方の面に設けられてもよい。
例えば、チャックテープ接合部52a、52bに沿って、グラビア印刷またはフレキソ印刷など手段でパターン状に、イージーピール性の熱接着性樹脂や、抗ヒートシール剤と呼ばれる樹脂の塗布液を塗布、乾燥しておいて、その部分をヒートシールする方法で形成させることができる。
剥離可能な前記弱シール部は、密封性を有すると同時に適度な力で剥離できることが好ましく、そのヒートシールの剥離強度は、1〜16N/15mm幅の範囲が好ましい。
また、前記弱シール部をイージーピール性の熱接着性樹脂で形成する場合は、そのイージーピール性の熱接着性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂に、ポリスチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリブテン−1、無機または有機の充填剤、ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイドなどを、添加剤として適宜に混合した樹脂組成物などを使用することができる。
前記無機または有機の充填剤は、無機の充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの粉末を使用することができ、特にシリカの粉末が好ましい。また、有機の充填剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、フッ化エチレン系樹脂、シリコーン樹脂などの粉末を使用することができる。
前記樹脂組成物中の前記添加剤の含有量は、4〜40質量%の範囲が好ましく、添加剤の含有量が4質量%未満の場合は、ヒートシール強度が強くなり、良好な弱シール部(イージーピール性)を得られず、また、添加剤の含有量が40質量%を超える場合は、ヒートシール強度が弱くなりすぎるため好ましくない。
上記のようなイージーピール性の熱接着性樹脂の塗布量は、乾燥時の塗布量で2〜8g/m2が好ましく、3〜5g/m2が更に好ましい。
本実施形態のブランク板93への折り曲げ線を付与する加工(罫線加工)は、積層シート78が完成してから罫線加工して、その後にチャック付き紙容器90を製造する機械に積層シート78を供給する。あるいは、罫線加工はチャック付き紙容器90を製造する機械にて実施してもよい。
罫線加工の方法としては、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が採用される。
また、罫線加工を実施する前に、積層シート78をシート断ちしてもよい。あるいは、積層シート78はロール状で罫線加工の工程に供給されてもよい。
また、積層シート78を打ち抜いて、ブランク板93を製造する打ち抜き工程について説明する。前記打ち抜き工程は、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が選択される。ロール状の積層シート78から直接にブランク板93を形成してもよく、一度枚葉にシート断ちしてから、打ち抜いてもよい。
また、罫線加工と打ち抜き加工の順番は問わない。同時に加工してもよい。
また、所定のロール幅にスリットしたロール状の積層シート78を、チャック付き紙容器90を製造する機械に供給し、ロール状の積層シート78の横断方向に切断し、ブランク板93を作製してもよい。
第二の実施形態のチャック付き紙容器90に用いるブランク板93について、図7にて説明する。
第一の実施形態のブランク板93と異なる箇所は、一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の形状である。それらの折り曲げ線13b−2、13b−3に隣接する形成板である、表がわ壁面板31b、表がわ側面板32b、表がわ胴部凹み板36bの形状も異なる。
その他の折り曲げ線、形成板は、第一の実施形態のブランク板93と同様である。
表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3のそれぞれの上端部は、表がわ第二縦折り曲げ線13b−1の下端部と繋がっていてもよい。
また、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2は、上端部より外向きに凸となる円弧から開始し、その後、表がわ第一縦折り曲げ線12bと略平行な線となり、下端に至る。その下端部に、接続される線はない。
また、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3は、上端部より内向きに凸となる円弧から開始し、その後、表がわ第一縦折り曲げ線12bと略平行な線となり、下端に至る。その下端部に、接続される線はない。
図8は、図7に示したブランク板93を用いてチャック付き紙容器90を製造する際の、中間段階(平面状態)のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。最上部が図7(b)に示した表がわブランク板10bの上縁部21bであり、その裏がわには、裏がわブランク板10aが備えられている。裏がわブランク板10aは目視できないが、透視とすると表がわブランク板10bと同形状となる。
以下に、チャック付き紙容器90のブランク板93から、中間段階(平面状態)のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、そして内容物が充填されたチャック付き紙容器90の包装体が完成させられる手順の概要を説明する。
上記の2枚のブランク板10a、10bが重ね合された際に、チャックテープ接合部52a、52bが重なる位置に、予め雄型テープ体62と雌型テープ体63とが嵌合されたチャックテープ61が挿入されブランク板93の外面がわからチャックテープ接合部52a、52bが加熱、加圧されヒートシールされる。
次いで上部シール部53a、53bの内面同士がヒートシールされ、左右の側縁部11a、11bの側面がわシール代37a、37bの内面同士がヒートシールされる。
また、下部(底部)が開口する袋状に形成し、また、チャックテープ接合部52a、52bの上がわで重なり合う易開封加工線51a、51bの両端にノッチ77を設けて構成したものである。なお、ノッチ77は、どちらか一方の端に設けてもよい。
なお、チャックテープ61の折り曲げ部に、折り曲げを容易にする潰し部を設ける場合について説明する。図には示していないが、チャックテープ接合部52a、52bにヒートシールされたチャックテープ61が、上部第二縦折り曲げ線13a−1、13b−1と直交する位置に、それぞれ2mm幅程度の大きさに、チャック付き紙容器90の積層シート78の外面がわから熱プレスなどで加圧してチャックテープ61を押し潰し、厚みが薄くなるように変形させることにより前記潰し部を設けることができる。
チャック付き紙容器90は、実際の製造の際には特に限定はされないが、生産性をよくするため、紙容器の組み立てと、内容物の充填と、各接合箇所シールとをインラインで行う装置を用いて、ロール状に巻き上げられた長尺の印刷済み積層シート78を繰り出して、紙容器が横につながった形式で、折り曲げ線の加工、およびチャックテープ61の挿入及びヒートシール、側面がわシール代37a、37bのヒートシール、上部シール部53a、53bのヒートシール、ノッチ77の打ち抜きなどを行ってもよい。
なお、所望のチャック付き紙容器90が得られるならば、上記工程の順番以外でも構わない。
次いで、個々の紙容器に切断する方法によって、図8に示した形状の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、続いて、立体形状への成形がなされ、図9のような中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製される。
中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製された後、上部重ね合わせ板34a、34bが背面がわへ折り曲げられ、および両側の天部がわ突出部(耳部)74がチャック付き紙容器90の胴部72へ接合され、開口するチャック付き紙容器90の底部73を上にして、その底部73から内容物が充填される。
つぎに、底部がわシール代38a、38bのヒートシールと折り曲げが行われる。
その後、チャック付き紙容器90の底部73の両側に突出する底部がわ突出部(耳部)75が底面板35a、35bへの折り曲げとヒートシールが行われ、チャック付き紙容器90の包装体が完成させられる。
図10は、本発明のチャック付き紙容器90の第二の実施形態を示す斜視図である。
図10に示したチャック付き紙容器90は、外形を胴部72の稜部72dの上がわが凹まされた略直方体形状に形成したものであり、その胴部72の稜部72dの上がわにある上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2を一対として、胴部凹み板36を設けている。このようなチャック付き紙容器90は、以下の手順にて作成することができる。
例えば、図7に示した構成のブランク板93を用いて、図8に示すように2枚のブランク板10a、10bの内面同士を、位置が合わせてから重ね合わされて、チャックテープ接合部52a、52bが重なり合う位置に、予め雄型テープ体62と雌型テープ体63とを嵌合させたチャックテープ61を挿入され、ブランク板93の外側がわからチャックテープ接合部52a、52bが加熱、加圧されてヒートシールされる。
続いて、対向する表裏の側面がわシール代37a、37bがヒートシールされ、また、上部シール部53a、53bがヒートシールされる。また、表裏で重なり合う易開封加工線51a、51bの両端にはノッチ77が設けられ、底部がわシール代38a、38bが未シールで開口する折り畳まれた形状の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製される。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を底部73の開口部からマンドレルを差し込まれて、上部重ね合わせ板34a、34bが残されて、その下部を第二横折り曲げ線23a、23bにより前後に広げられて、上部重ね合わせ板34a、34bが上方向に起立させられる。胴部72の稜部72dの上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2が一対であるので、その折り曲げ加工を確実に行うために、胴部72の内がわ及び/又外がわから、上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2の近傍(当接を含む)に補助部材を接触させてもよい。
さらに、胴部72の稜部72dの下がわ稜折り曲げ線72e−3の近傍(当接を含む。)に補助部材を接触さてもよい。
上部重ね合わせ板34a、34bの下に天面板33a、33bによるフラットな天部71と、さらに水平断面の形状において胴部72の稜部72dの上がわが凹まされた略矩形状の胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が成形される。
この段階では図9のように、上部重ね合わせ板34a、34bは、上方向に起立している。
次に、上方向に起立する上部重ね合わせ板34a、34bが、背面がわ(裏がわ天面板33aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわに突出する天部がわ突出部(耳部)74が、側面板32a、32bの方向に折り曲げられてヒートシールなどにより、胴部72に接合される。
接合する方法は、接着剤(ホットメルト等)を使用する方法、接着テープを使用する方法、機械的に接合する方法(係合させるもの、接合具を用いるもの)などでもよい。また、ブランク板93の最外層に熱可塑性樹脂層(シーラント層)が備えられる場合は、その熱可塑性樹脂層がヒートシールされる方法がある。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の先端部が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合されてもよい。
また、天部がわ突出部(耳部)74の先端部以外の箇所が、チャック付き紙容器90の胴部72に接合してもよい。その場合は、天部がわ突出部(耳部)74の先端部は、チャック付き紙容器90の胴部72に接合しなくてもよい。
上記のように成形された中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部が73上に向けられて、開口する底部73から内容物が充填され、次いで、底部73が折り曲げられて、底部がわシール代38a、38b同士が合掌シール形式でヒートシールされる。
その後、底部がわシール代38a、38bが、背面がわ(底面板35aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわに突出する底部がわ突出部(耳部)75が底面板35a、35bがわに折り曲げられて接合されることにより、略直方体形状のチャック付き紙容器90の包装体が完成される。
なお、図10に示したチャック付き紙容器90の構成において、裏がわ上部重ね合わせ板34aには裏がわ易開封加工線51aが、上部重ね合わせ板34a、34bの易開封加工線51a、51bの底部がわの内面には、前述したようにチャックテープ61がヒートシールされているが、外側からは見えない位置であるため省略して示している。
また、主に表がわブランク板10bについて説明してきたが、裏がわブランク板10aについては、その形状は同一で、それぞれの上縁部21a、21bを対称線として線対称であるので、説明は割愛する。
第二の実施形態のチャック付き紙容器90(図10参照)は、図7に記載のブランク板93が組み立てられて、形成されている。
なお、これからの説明において、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bは線対称の同形状であるため、共通の項目については表がわブランク板10bにて説明する。
チャック付き紙容器90の胴部72の稜部72dは、その稜部72dの上がわは、上がわ外がわ稜折り曲げ線72e−1と上がわ内がわ稜折り曲げ線72e−2の一対からなる。その稜部72dの下がわは下がわ稜折り曲げ線72e−3の1本からなる。
一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2により、表がわ胴部凹み板36bが形成される。その表がわ胴部凹み板36bにより、胴部72の水平方向の断面(底面と略平行な平面)で観察した際に、胴部72の高さ方向の中央部付近では、表がわ側面板32bがチャック付き紙容器90の外方に膨らんでいる。
より詳しく説明すると、上記の胴部72の上がわの側面の水平方向の断面(底面に略平行な平面)は、表がわから裏がわに向って、表がわ胴部凹み板36b、表がわ側面板32b、裏がわ側面板32a、裏がわ胴部凹み板36aが順次に連なっている。なお、ここで上がわの側面とは、一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3が存在する位置である。
なお、実際には表がわ側面板32bと裏がわ側面板32aの間には、表がわ側面がわシール代37bと裏がわ側面がわシール代37aが介在するが、この説明では省略する。
胴部72の上部近傍での水平方向の断面(底面に略平行な平面)では、表がわ胴部凹み板36bの幅、すなわち上がわ外がわ稜折り曲げ線72e−1と上がわ内がわ稜折り曲げ線72e−2との間隔が小さい。それゆえ天部がわから見た場合、表がわ天面板33bと表がわ天部がわ突出部(耳部)代39bの間に介在する、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の位置(天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の位置)が、表がわ側面板32bの位置とは大きくは変わらない。
しかし、胴部72の上部から下方向に移るにつれて表がわ胴部凹み板36bの幅が大きくなり、上がわ外がわ稜折り曲げ線72e−1と上がわ内がわ稜折り曲げ線72e−2と略平行になったところで、表がわ胴部凹み板36bの幅が最大になる。そこでは、天部がわから見た場合、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の位置(天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の位置)より、表がわ側面板32bの位置が外がわになる。それゆえ、正面から見ると、表がわ側面板32bは左右の外方に向って膨らんだ曲線となる。(図16、図18参照)。
そのような状況で、天部がわ突出部(耳部)74を胴部72に方向に折り曲げると、強く折り曲げても表がわ側面板32bに沿うところまでである。それゆえ、天部がわ突出部(耳部)74が大きく(略直角)曲げられることがなく、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76に過度の変形(伸長)が生じないため、損傷(亀裂)が生じにくい。
さらに、胴部72の下方向に移るにつれて、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2は消失し、下がわ稜折り曲げ線72e−3が出現する。
一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2は、下がわ稜折り曲げ線72e−3には接していないが、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2の下端部と、下がわ稜折り曲げ線72e−3の上端部とは、繋がっておらず、近傍(20mm以内の離間)に位置している。そのため、表がわ胴部凹み板36bの下がわは折り曲げ線が無く、その領域は画定していない。
また、表がわ胴部凹み板36bの下がわと、下がわ稜折り曲げ線72e−3(表がわブランク板10bでは、表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4となる。)が接している。
下がわ稜折り曲げ線72e−3の上端部の近傍の左右の形成板である、表がわ壁面板31bと表がわ側面板32bの領域、及び表がわ胴部凹み板36bの下がわが適切に変形して連なることにより、胴部72の稜部72dがスムーズに形成される。
さらに、胴部72の下方向に移ると、胴部72の稜部72dは下がわ稜折り曲げ線72e−3にて形成される。そして、下がわ稜折り曲げ線72e−3がチャック付き紙容器90の底部73に達する(近傍でもよい)ことで、胴部72の稜部72dは、胴部の高さ全体にわたって形成される。(図16、図18参照)。
なお、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2の下端部、すなわち下がわ稜折り曲げ線72e−3の上端部の位置(高さ)について説明する。
一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2の下端部、すなわち下がわ稜折り曲げ線72e−3の上端部の位置を、ここでは遷移部と呼び、その遷移部の位置(高さ)は、胴部72の上方(天部71との接合部)から胴部全体高さの10%の距離の下方から、90%の距離の上方の間にあることが望ましい。
前記遷移部の位置が、胴部72の上方から10%未満の高い位置であると、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2同士の間隔を充分に得ることができないため、表がわ胴部凹み板36bの幅を充分にとることができない。したがって、表がわ側面板32bが、左右の外がわに大きく膨らむことができない。そのため、上がわから見た表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の位置(天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の位置)と、表がわ側面板32bの位置とは大きくは変わらないので、天部がわ突出部(耳部)74を胴部72に接合する際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介した天部71と天部がわ突出部(耳部)74とが成す角度が大きくなる。そのため、折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)が生じる虞れがある。
前記遷移部の位置が、胴部72の上方から90%を未満の低い位置であると、下がわ稜折り曲げ線72e−3の長さが短くなり、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2の長さが長くなる。そのため、稜折り曲げ線の合計の長さを削減する効果が小さくなる。
また、表がわ胴部凹み板36bの下がわに適切に変形して連なることになる、表がわ壁面板31bと表がわ側面板32bの領域が小さくなることにより、胴部72の稜部72dの下部がスムーズに形成されずに、意図しないシワが発生する虞れがある。
第二の実施形態のチャック付き紙容器90(図10参照)は、図7に記載のブランク板93が組み立てられて、形成されている。
少なくとも1つの天部71の角部71dで、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2が接している。
なお、天部71の角部71dと、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2は、接していなくて、近傍であってもよい。また、一対の上がわ稜折り曲げ線72e−1、72e−2は交差してもよい。
角部71dは、表がわブランク板10bでは、表がわ第二天部交点Fbである。表がわ第二天部交点Fbには、表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線16bの、合計6本の折り曲げ線が集まっている。なお、表がわ第二横折り曲げ線23bは、表がわ第二天部交点Fbを通過するので、その左右を別の線と見なして2本と数えている。
上記の6本の折り曲げ線は、お互いに接していなくて近傍であってもよい。また、お互いに交差していてもよい。
上記のような構成であるので、胴部72の稜部72dの上部近傍の表がわ壁面板31b及び表がわ側面板32bは、円滑な外がわ方向に膨らんだ曲面で形成される。また、各折り曲げ線の接点(交点を含む。)及び端点の数が少なくなり、外観がシンプルである。また、チャック付き紙容器90の胴部72の側面に、意図しないシワなどの発生が少なくなるため、美観に優れ、なおかつ組立が容易である。
なお、上記では表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3が、表がわ第二天部交点Fbにて接する例を説明した。しかし、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2と表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3との接点(交点を含む。)は、表がわ第二天部交点Fbは一致しないで、表がわ第二天部交点Fbの下がわ近傍に位置してもよい。
この場合は、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2と表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3との上がわの接点(交点を含む。)は、表がわ第二天部交点Fbより下がわに、かつ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の延長線の上にあってもよい。
上記のような形態にすることにより、表がわ第二天部交点Fbに折り曲げ線が集中しないので、表がわブランク板10bの積層シート78の局所的な強度低下を低減できる。
また、少なくとも1つの底部73の角部73dで、一本の下がわ稜折り曲げ線72e−3が接している。なお、底部73の角部73dと、一本の下がわ稜折り曲げ線72e−3は、接していなくて、近傍であってもよい。
角部73dは、表がわブランク板10bでは、表がわ第二底部交点Hbである。表がわ第二底部交点Hbには、表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4、表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線17bの、合計5本の折り曲げ線が集まっている。なお、表がわ第三横折り曲げ線24bは、表がわ第二底部交点Hbを通過するので、その左右を別の線と見なして2本と数えている。
上記の5本の折り曲げ線は、お互いに接していなくて近傍であってもよい。また、お互いに交差していてもよい。
このような構成であるので、胴部72の稜部72dの下端部は、その近傍の折り曲げ線が適切に集合しているために、チャック付き紙容器90の底部73の角部73dの成形が容易であり、かつ綺麗である。
第二の実施形態の第一の変形例のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図13を示す。本変形例の表がわ胴部上がわ外がわ第二折り曲げ線13b−2の上端部と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3の上端部とは、1つの円弧で繋がっているため、繋ぎ部の折れ曲がり(不連続部)がない。
なお、その円弧と表がわ第二横折り曲げ線23bとは、表がわ第二天部交点Fbで接しており、その接点(交点を含む。)と表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の下端部は一致している。
表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4および、その他の構成は、第二の実施形態と同じである。
第二の実施形態の第二の変形例のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図14を示す。本変形例の表がわ胴部上がわ外がわ第二折り曲げ線13b−2の上端部と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3の上端部とは、2本の直線で接している。また、上記の2本の直線は交差していてもよい。
なお、その接点(交点を含む。)は表がわ第二天部交点Fbで接しており、その接点(交点を含む。)と表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の下端部は一致している。
表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4および、その他の構成は第二の実施形態と同じである。
第二の実施形態の第三の変形例のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図15を示す。本変形例の表がわ胴部上がわ外がわ第二折り曲げ線13b−2の上端部と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3の上端部とは、2本の直線で接している。また、その2本の直線の上がわの接点(交点を含む。)は表がわ第二天部交点Fbで接しており、その接点(交点を含む。)と表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1の下端部は一致している。また、上記の3本の直線は交差していてもよい。
さらに、表がわ胴部上がわ外がわ第二折り曲げ線13b−2と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3の、上記の2本の直線の各々の下端部には、上下方向に略鉛直な直線に繋がっている。
なお、上記の例では、一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の接点(交点を含む。)と、一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3のそれぞれの略鉛直となる直線とを2本の直線で繋いでいるが、3本以上の直線で繋いでもよい。
表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4および、その他の構成は第二の実施形態と同じである。
第二の実施形態の第四の変形例のチャック付き紙容器90のブランク板93を、図16を示す。本変形例の表がわ胴部外がわ第二折り曲げ線13b−2と、表がわ胴部内がわ第二縦折り曲げ線13b−3は、第二の実施形態(図7)と同様である。
表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2のうち、上下方向に略鉛直な直線である部分の上端部と、その上がわに繋がる線(直線、曲線)との接続点と、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3のうち、上下方向に略鉛直な直線である部分の上端部と、その上がわに繋がる線(直線、曲線)との接続点とを、表がわ胴部凹み板36bの内がわ折り曲げ線18bが、略水平方向に結んでいる。
表がわ胴部上がわ外がわ第二折り曲げ線13b−2及び表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3と、表がわ胴部凹み板36bの内がわ折り曲げ線18bとは接していてもよく、交差していてもよい。
また、表がわ胴部凹み板36bの内がわ折り曲げ線18bの始端及び終端は、表がわ胴部外がわ第二折り曲げ線13b−2及び表がわ胴部内がわ第二縦折り曲げ線13b−3とは接しないで、近傍であってもよい。
表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4および、その他の構成は、第二の実施形態と同じである。
第一から第四の変形例の作用効果は第二の実施形態と同じであり、外観のデザイン性を多様とすることができる。また、第四の変形例では、チャック付き紙容器90の組み立ての際、表がわ胴部凹み板36bの変形が強い箇所に、表がわ内がわ折り曲げ線18bが設けられるので、表がわ胴部凹み板36bがスムーズに変形する。
なお、チャック付き紙容器90の胴部72のすべての稜折り曲げ線72eが同一の形状でなくてもよい。例えば、第二の変形例と第三の変形例の稜折り曲げ線72eが混在してもよい。
また、一対の稜折り曲げ線72eをしている、上がわ外がわ稜折り曲げ線72e−1と、上がわ内がわ稜折り曲げ線72e−2とは同一の形状でなくてもよい。例えば、第二の変形例と第三の変形例が同じ稜折り曲げ線72e(表がわブランク板10bでは、一対の表がわ胴部上がわ第二折り曲げ線13b−2、13b−3となる。)に混在してもよい。
第三の実施形態のチャック付き紙容器90は、少なくとも1つの胴部72の側面板32a、32bの位置が、天部71と突出部(耳部)74の間に介在する折り曲げ部76の位置よりも、左右方向の外方にあってもよい。
第二の実施形態で説明した通り、表がわ側面板32bは、正面がわからみると、上がわから順に、外に向って膨らんだ曲線、直線、上がわから下がわに向って内側に傾斜する線で構成されており、胴部72の高さの中央部付近が、外方に膨らんだ形状をしている。従って、表がわ側面板32bは、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76より左右外方に位置することになる。(図11、図16、図18参照)。
上記の形状の表がわ側面板32bに、天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げて接合する際には、折り曲げ部76に過度の変形が生じないので、損傷(亀裂)が生じにくい。
なお、折り曲げ部76より表がわ側面板32bを左右の外方に位置させる手段の一例として、上記の手段を記述したが、その他の手段でも構わない。
第四の実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74が、胴部72に接合される際に生じる天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の角度θが、鈍角である。本実施形態のチャック付き紙容器90の正面図を図17に示す。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわが引き伸ばされる量(長さ)が、折り曲げ部76の折り曲げ角度θが略直角の場合と比較して小さくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が発生しにくくなる。図17に、本実施形態のチャック付き紙容器90の折り曲げ部76の拡大断面図を示す。断面位置は、図12の断面A−Aである。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74が胴部72に接合される際に生じる折り曲げ部76の角度θが100°以上、160°以下としてもよい。
天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが100°未満であると、折り曲げ部76の外面がわの損傷(亀裂)が生じやすくなる。
また、折り曲げ部76の折り曲げ角度θが160°を超えると、天部がわ突出部(耳部)74が胴部72に接合されにくくなる。さらに、天部がわ突出部(耳部)74の飛び出し量が大きくなることから、使用時や輸送時に障害物などに接触する虞れがあり、それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れやすくなる。
なお、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の折り曲げ角度θが120°以上、150°以下であることが、より望ましい。
第五の実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74が、胴部72に接合される際に生じる天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76が、曲線にて折り曲がっている。本実施形態のチャック付き紙容器90の正面図を図19に示す。
本実施形態のチャック付き紙容器90では、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の外面がわが引き伸ばされる量(長さ)が、折り曲げ部76が曲線ではなく、角を有する場合(曲率半径が極めて小さい場合)と比較して小さくなるので、当該部分の損傷(亀裂)が生じにくくなる。図20に、本実施形態のチャック付き紙容器90の折り曲げ部76の拡大断面図を示す。断面位置は、図12の断面A−Aである。
なお、本実施形態のチャック付き紙容器90は、天部がわ突出部(耳部)74がチャック付き紙容器90の側面板32a、32bに接合する際に生じる、折り曲げ部76の曲率半径Rが1mm以上10mm以下としてもよい。
天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の曲率半径Rが1mm未満であると、折り曲げ部76の外面がわの損傷(亀裂)が生じやすくなる。
また、折り曲げ部76の曲率半径Rが10mmを超えると、天部がわ突出部(耳部)74を胴部72が接合されにくくなる。さらに、天部がわ突出部(耳部)74の飛び出し量が大きくなることから、使用時や輸送時に障害物などに接触する虞れがあり、それゆえ天部がわ突出部(耳部)74が外れやすくなる。
第六の実施形態のチャック付き紙容器90は、上部重ね合わせ板34の上部シール部53の下がわに、易開封加工線51を備え、上部重ね合わせ板34の易開封加工線51の下がわに、横断方向のチャックテープ61を備えることを特徴とするチャック付き紙容器90である。
上記の構成にすることで、使用者が初回の使用時に、易開封加工線51にて容易に開封することができる。そのため、チャック付き紙容器90の横断方向の一部を未開封としてしまうことがなく、全面に渡って開封できるために、開口面積が充分な大きさとなる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
≪実施例1≫
実施例1では、第二の実施形態に相当する図7のブランク板93を用いて、図10に示した構成のチャック付き紙容器90を作製した。図7の2枚のブランク板10a、10bを準備して、その内面同士が位置を合わせて重ね合され、図8のように対向する両側の側面がわシール代37a、37bがヒートシールされ、また、上部シール部53a、53bもヒートシールされた。あわせてチャックテープ61もヒートシールされた。そのようにして、底部がわシール代38a、38bが未シールである中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。
次いで、図9のように立体形状に起こし、底部73が開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92を作製してから、実施例1のチャック付き紙容器90を作製した。
ブランク板93の積層シート78には、下記の構成の積層シート78を用いた。
(外面がわ) 絵柄等印刷層(グラビア印刷) /
LDPE層(厚み20μm)(日本ポリエチレン、LC520) /
紙基材層(日本製紙、液体紙容器用原紙)(150g/m2) /
EMAA(20μm)(三井・ダウ ポリケミカル、N0908N) /
シリカ蒸着PET(12μm)(大日本印刷、IB−PET−UBP) /
LDPE層(40μm)(日本ポリエチレン、LC520) (内面がわ)
上記の積層シート78の製造方法について説明する。
まず、前記紙基材層の外面がわに、押出ラミネートによりLDPE層(20μm)を形成する。
次に、前記紙基材層の内面がわに、シリカ蒸着PET(12μm)を、溶融したEMAA(20μm)を中間に介在させて、押出ラミネート(サンドイッチラミネート)により積層させる。
次に、前記シリカ蒸着PET(12μm)の紙基材層の反対側(内面がわ)に、押出ラミネートにより、LDPE層(40μm)を形成する。
次に、前記紙基材層の外面がわに形成されたLDPE層(20μm)の外面がわに、グラビア印刷機にて、絵柄等が印刷される。
なお、印刷は、紙基材層に印刷した後、前記紙基材層の外面がわに押出ラミネートによりLDPE層(20μm)を形成してもよい。また、紙基材層に印刷した後、外がわへの押出ラミネートをしなくてもよい。
また、各接合層間には接合力を向上させるための、必要に応じてアンカーコート処理、コロナ処理、フレーム処理(火炎処理)などを実施してもよい。あるいは、溶融した樹脂にオゾン処理などをしてもよい。
上記の手順にて、本実施例のブランク板93の積層シート78が製造された。
つぎに、積層シート78に、罫線加工及び打ち抜き加工を施し、ブランク板93が完成した。
チャック付き紙容器90の上部重ね合わせ板34a、34bの内面にヒートシールして取り付けられるチャックテープ61は、雄型テープ体62および雌型テープ体63とも、ヒートシールされるテープ体部が二層の積層構成で、チャック付き紙容器90にヒートシールされる面の樹脂層がLLDPEで形成され、その反対側の面の樹脂層がMDPEで形成され、また、雄型および雌型の嵌合部はいずれもLLDPEで形成されたもので、テープ体部の幅がいずれも13mmのものを用いた。
裏がわブランク板10a及び表がわブランク板10bの寸法は、縦220mm、横169mmの矩形状で、周囲の端縁部にシール代として、左右の端縁部にはそれぞれ幅7mmの側面がわシール代37a、37bが設けられ、下の端縁部にはそれぞれ幅が10mmの底部がわシール代38a、38bを設けられた。また、上部重ね合わせ板34a、34bの上縁部21a、21bの近傍には、それぞれ幅7mmの上部シール部53a、53bのシール代が設けられた。
ブランク板93の内側に、上縁部21bから下方向に順次、表がわ上部重ね合わせ板34b、表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ天面板33b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ壁面板31b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ底面板35bがこの順に設けられた。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1を介して、表がわ上部重ね合わせ板の側部板41bが設けられた。
また、表がわ天面板33bの左右の外方には、それぞれ表がわ上部第二縦折り曲げ線13b−1を介して、表がわ天部がわ突出部(耳部)代39bが設けられた。
また、表がわ壁面板31bの左右の上がわの外方には、表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−3、表がわ胴部凹み板36b、表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線13b−2、表がわ側面板32bが、順次に設けられた。
また、表がわ壁面板31bの下がわの左右の下がわの外方には、表がわ胴部下がわ内がわ第二縦折り曲げ線13b−4、表がわ側面板32bが、順次に設けられた。
一対の表がわ胴部上がわ第二縦折り曲げ線13b−2、13b−3の下端部、および表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線13b−4上端部が位置することになる、チャック付き紙容器90の高さ方向の遷移部は、チャック付き紙容器90の高さ方向の中央の位置とした。
また、表がわ底面板35bの左右の外方には、それぞれ表がわ底部第二縦折り曲げ線13b−5を介して、表がわ底部がわ突出部(耳部)代43bが設けられた。
完成後の直方体形状の紙容器の寸法が、幅が95mm、高さが120mm、奥行きが60mmとなるように形成した。
そして、上部重ね合わせ板34a、34bには、2枚のブランク板10a、10bの内面同士の位置が合わされて重ね合された際に、上縁となる上縁部21から8mm下方の位置に、容器の開封手段として易開封加工線(ミシン目線)51a、51bを横断方向に積層シート78の紙基材層に印刷と共に設け、また、その下に5mmの間隔をあけて上部重ね合わせ板34a、34bの内面にチャックテープ61(幅13mm)をヒートシールするように構成した。
また、前述した方法で、2枚のブランク板10a、10bの接合とチャックテープ61のヒートシールおよび側面がわシール代37a、37bのヒートシール、及び上部シール部53a、53bのヒートシールを行った後、重なり合う易開封加工線(ミシン目線)51a、51bの両端にノッチ77を設け、底部73が未シール状態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を作製した。(図8参照)。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が、底部73の未シール状態の開口部からマンドレルを差し込まれて、上部重ね合わせ板34a、34bを残して、その下部を第二横折り曲げ線23a、23bにより前後に広げられて、上部重ね合わせ板34a、34bが上方向に起立させられる。その下に天面板33a、33bによるフラットな天部71と、さらに水平方向の断面(底面に略平行な平面)において上がわの稜部72dが凹まされた略矩形状の胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が成形された。(図9参照)。
なお、重ね合わせた上部重ね合わせ板34a、34bを裏がわ天面板33aがわに折り曲げることにより、チャック付き紙容器90の天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部(耳部)74が、チャック付き紙容器の胴部72への接合される際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介した天部71と天部がわ突出部(耳部)74とが成す角度θを100°、135°、160°の3通りとしたチャック付き紙容器90が作製された。
前記角度θが100°である場合が、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72とが、ほぼ密着した状態である。
天部がわ突出部(耳部)74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内側方向(天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72を接合しやすくしている。
さらに、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76を介した天部71と天部がわ突出部(耳部)74とが曲線をなし、前記曲線の曲率半径Rを約2mm、5mm、10mmの3通りとしたチャック付き紙容器90が作製された。
前記曲率半径Rが2mmである場合が、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72とが、ほぼ密着した状態である。
天部がわ突出部(耳部)74の先端がわを、チャック付き紙容器90の内側方向(天部がわ突出部(耳部)74を折り曲げる前では下方向)に折り曲げて、天部がわ突出部(耳部)74と胴部72を接合しやすくしている。
上記のように、実施例1においては、合計6種類のチャック付き紙容器90を作製した。
≪実施例2≫
図6のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じである。
≪実施例3≫
図13のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じである。
≪実施例4≫
図14のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じである。
≪実施例5≫
図15のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じである。
≪実施例6≫
図16のブランク板93を用いて、チャック付き紙容器90を作製した。その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じである。
≪比較例≫
比較例では、図1に示したブランク板81を用いて、図2に示した構成のチャック付き紙容器80を作製した。第二折り曲げ線812は、各々が1本であり、途中で分岐して複数にはならない。
なお、重ね合わせた上部重ね合わせ板834a、834bを裏がわ天面板833aがわに折り曲げ、チャック付き紙容器80の天部871の左右両がわに突出する天部がわ突出部(耳部)874を、紙容器の胴部872への接合する際に、天部がわ突出部(耳部)874の折り曲げ部876を介した天部871と天部がわ突出部(耳部)874とが成す角度を略直角とした。
その他の形状、材質、加工方法などは、実施例1と同じである。
≪評価≫
実施例1から6と、比較例のサンプルを各100個作製した。
比較例においては、チャック付き紙容器80の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート82に損傷(亀裂)が生じた。
実施例1から6では、いずれもチャック付き紙容器90の天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76の積層シート78に損傷(亀裂)が生じなかった。
実施例1から6において、側面板32a、32bが左右外方に膨らんでいるので、天部がわ突出部(耳部)74が胴部72側に折り曲げられて胴部72に接合する際に、天部がわ突出部(耳部)74の折り曲げ部76は強く折られようとしても、側面板32a、32bに当接し、それ以上に強く折り込まれることがない。そのため折り曲げ部76の外がわは、強く引き伸ばされることがなく、損傷(亀裂)が生じにくい。
上記のように作製した実施例1から6のチャック付き紙容器90に、それぞれ底部73から内容物としてスナック菓子を充填し、次いで、底部73の折り込み、および底部がわシール代38a、38bのヒートシールと、そのヒートシール部を裏がわ底面板35aの方向へ寝かせた。さらに底部73の左右両がわから突出する底部がわ突出部(耳部)75を底面板35a、35bがわへ折り曲げ、表がわ底面板35b及び表がわ底部がわシール代38bへのヒートシールを行って、実施例1から6の胴部72の稜部72dが凹まされた略直方体形状のチャック付き紙容器包装体を完成させた。
また、上記のように作製した実施例1から6のチャック付き紙容器包装体について、特に、その開封性と内容物の取り出し適性、およびチャックによる再封性をテストしたところ、いずれも上部重ね合わせ板34a、34bの上部に開封手段として設けたノッチ77と易開封加工線(ミシン目線)51a、51bにより、容易に易開封加工線(ミシン目線)51a、51bの上部を切り取って開封することができた。
次いで、開封された上部重ね合わせ板34a、34bの上縁部21を摘んで両側に引き離すことにより、チャックの嵌合を容易に解離でき、チャック付き紙容器包装体の上部が略全幅に渡って開口され、内部に充填されたスナック菓子を容易に取り出すことができた。
また、内容物の一部を取り出した後は、実施例1から6のチャック付き紙容器包装体とも、容易にチャックを再嵌合させて紙容器を再封することができ、残りの内容物を適切に保存することができた。
さらに、本実施形態のチャック付き紙容器90は、紙容器全体の質量に対する紙の質量比率は約60質量%であり、紙容器としての基準である51質量%以上を充分に満たすものであった。
10a 裏がわブランク板
10b 表がわブランク板
11a 裏がわ側縁部
11b 表がわ側縁部
12 第一縦折り曲げ線
12a 裏がわ第一縦折り曲げ線
12b 表がわ第一縦折り曲げ線
13a−1 裏がわ上部第二縦折り曲げ線
13b−1 表がわ上部第二縦折り曲げ線
13a−2 裏がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線
13b−2 表がわ胴部上がわ外がわ第二縦折り曲げ線
13a−3 裏がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線
13b−3 表がわ胴部上がわ内がわ第二縦折り曲げ線
13a−4 裏がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線
13b−4 表がわ胴部下がわ第二縦折り曲げ線
13a−5 裏がわ底部第二縦折り曲げ線
13b−5 表がわ底部第二縦折り曲げ線
16a 裏がわ天部がわ斜め折り曲げ線
16b 表がわ天部がわ斜め折り曲げ線
17a 裏がわ底部がわ斜め折り曲げ線
17b 表がわ底部がわ斜め折り曲げ線
18a 裏がわ胴部凹み板の内がわ折り曲げ線
18b 表がわ胴部凹み板の内がわ折り曲げ線
21a 裏がわ上縁部
21b 表がわ上縁部
22a 裏がわ第一横折り曲げ線(上部重ね合わせ板の下がわ)
22b 表がわ第一横折り曲げ線(上部重ね合わせ板の下がわ)
23a 裏がわ第二横折り曲げ線(天面板の下がわ)
23b 表がわ第二横折り曲げ線(天面板の下がわ)
24a 裏がわ第三横折り曲げ線(壁面板の下がわ)
24b 表がわ第三横折り曲げ線(壁面板の下がわ)
25a 裏がわ第四横折り曲げ線(底面板の下がわ)
25b 表がわ第四横折り曲げ線(底面板の下がわ)
26a 裏がわ下縁部
26b 表がわ下縁部
31a 裏がわ壁面板
31b 表がわ壁面板
32a 裏がわ側面板
32b 表がわ側面板
33a 裏がわ天面板
33b 表がわ天面板
34 上部重ね合わせ板
34a 裏がわ上部重ね合わせ板
34b 表がわ上部重ね合わせ板
35a 裏がわ底面板
35b 表がわ底面板
36 胴部凹み板
36a 裏がわ胴部凹み板
36b 表がわ胴部凹み板
37 側面がわシール代
37a 裏がわ側面がわシール代
37b 表がわ側面がわシール代
38a 裏がわ底部がわシール代
38b 表がわ底部がわシール代
39a 裏がわ天部がわ突出部(耳部)代
39a−1 上部重ね合わせ板がわ裏がわ天部がわ突出部(耳部)代(第一耳部代)
39a−2 側面板がわ裏がわ天部がわ突出部(耳部)代(第三耳部代)
39b 表がわ天部がわ突出部(耳部)代
39b−1 上部重ね合わせ板がわ表がわ天部がわ突出部(耳部)代(第二耳部代)
39b―2 側面板がわ表がわ天部がわ突出部(耳部)代(第四耳部代)
41 上部重ね合わせ板の側部板
41a 裏がわ上部重ね合わせ板の側部板
41b 表がわ上部重ね合わせ板の側部板
43a 裏がわ底部がわ突出部(耳部)代
43b 表がわ底部がわ突出部(耳部)代
51 易開封加工線(ミシン目線)
51a 裏がわ易開封加工線(ミシン目線)
51b 表がわ易開封加工線(ミシン目線)
52a 裏がわチャックテープ接合部
52b 表がわチャックテープ接合部
53 上部シール部
53a 裏がわ上部シール部
53b 表がわ上部シール部
61 チャックテープ
62 雄型テープ体
63 雌型テープ体
71 チャック付き紙容器の天部
71d 天部の角部
72 チャック付き紙容器の胴部
72d 胴部の稜部
72e 稜折り曲げ線
72e−1 上がわ外がわ稜折り曲げ線
72e−2 上がわ内がわ稜折り曲げ線
72e−3 下がわ稜折り曲げ線
73 チャック付き紙容器の底部
73d 底部の角部
74 天部がわ突出部(耳部)
75 底部がわ突出部(耳部)
76 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ部
77 ノッチ
78 紙容器の積層シート
80 従来技術のチャック付き紙容器
81 従来技術のブランク板
82 従来技術の紙容器の積層シート
90 本発明のチャック付き紙容器
91 中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)
92 中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)
93 本発明のブランク板

Ea 裏がわ第一天部交点(裏がわ第一縦折り曲げ線と裏がわ第一横折り曲げ線との交点)
Fa 裏がわ第二天部交点(裏がわ上部第二縦折り曲げ線と裏がわ第二横折り曲げ線との交点)
Ga 裏がわ第一底部交点(裏がわ第一縦折り曲げ線と裏がわ第四横折り曲げ線との交点)
Ha 裏がわ第二底部交点(裏がわ底部第二縦折り曲げ線と裏がわ第三横折り曲げ線との交点)
Eb 表がわ第一天部交点(表がわ第一縦折り曲げ線と表がわ第一横折り曲げ線との交点)
Fb 表がわ第二天部交点(表がわ上部第二縦折り曲げ線と表がわ第二横折り曲げ線との交点)
Gb 表がわ第一底部交点(表がわ第一縦折り曲げ線と表がわ第四横折り曲げ線との交点)
Hb 表がわ第二底部交点(表がわ底部第二縦折り曲げ線と表がわ第三横折り曲げ線との交点)


θ 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ角度
R 天部がわ突出部(耳部)の折り曲げ曲率半径

Claims (6)

  1. 紙を基材とする積層シートからなる2枚のブランク板を接合して組み上げられるチャック付き紙容器において、
    前記チャック付き紙容器の上部に、前記ブランク板を重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板、及び前記上部重ね合わせ板の下がわに連設される天面板とからなる天部と、
    前記上部重ね合わせ板の左右に連設される側部板と、
    前記天部の左右に連設される突出部と、
    前記天部の下がわに備わる胴部と、
    前記胴部の下がわに備わる底部と、
    前記上部重ね合わせ板の上縁部、若しくは前記上縁部の近傍を横断する上部シール部と、
    前記上部シール部の下がわ位置するチャックテープと、
    前記胴部を形成する縦方向の稜部のうち、少なくとも1つの前記稜部の上部において、一対の上がわ稜折り曲げ線が対向しており、
    前記一対の上がわ稜折り曲げ線の下端部は、前記稜部の上部及び下部の近傍以外の中間部に位置し、
    前記稜部の下部において、下がわ稜折り曲げ線が1本あり、
    前記下がわ稜折り曲げ線の上端部は、前記稜部の上部及び下部の近傍以外の中間部に位置することを特徴とするチャック付き紙容器。
  2. 少なくとも1つの前記天部の角部と、前記一対の上がわ稜折り曲げ線が接することを特徴とする請求項1に記載のチャック付き紙容器。
  3. 少なくとも1つの前記胴部の側面板の位置が、前記天部と前記突出部の間に介在する折り曲げ部の位置よりも、左右方向の外方にあることを特徴とする請求項1または2に記載のチャック付き紙容器。
  4. 少なくとも1つの前記突出部の折り曲げ部の角度θが鈍角にて、前記突出部が前記胴部に接合されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のチャック付き紙容器。
  5. 少なくとも1つの前記突出部の折り曲げ部が曲線にて、前記突出部が前記胴部に接合されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のチャック付き紙容器。
  6. 前記上部重ね合わせ板の前記上部シール部の下がわに、易開封加工線を備え、
    前記易開封加工線の下がわに、横断方向のチャックテープを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のチャック付き紙容器。
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