JP2023117564A - 紙容器 - Google Patents

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一平 武本
Ippei Takemoto
満 武士田
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Abstract

【課題】本開示の紙容器95において、その天部71を密封するために上部シール部53が設けられている。使用者が内容物を取り出すために、上部シール部53を切除する際に、切除しやすい紙容器95を提供する。【解決手段】紙基材層782を含む積層シート78からなる表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aとが組み上げられる紙容器95において、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の上縁部21に横方向に設けられる上部シール部53と、上縁部21、及び又は前記天部の側部板41の側縁部11に備わる滑り止め凹部77と、前記滑り止め凹部77若しくは前記滑り止め凹部77の近傍を起端とし、前記滑り止め凹部77が設けられる前記上縁部21若しくは前記側縁部11以外の、前記上縁部21若しくは前記側縁部11を終端とする開封指示線51と、を備える紙容器95。【選択図】図16

Description

本開示は、紙容器に関し、特に立体形状を有し、自立性を備えた紙容器の分野において、紙容器の天部の開口部の初期開封しやすい紙容器に関する。
従来、チャック付き紙容器として、特許文献1のような技術が開示されている。すなわち、直方体形状の紙容器の上部に初期開封のための易開封加工線851とのチャックテープ861が設けられており、内容物を取り出す際には、まずは、易開封加工線851を切断する。そして、チャックテープ861が開けられて内容物が取り出され、内容物の取り出しが終了したらチャックテープ861を閉じることができる。
上記の技術により、内容物の保護や、紙容器転倒時の内容物の零れを防止できる。また、紙容器であることから、内容物を消費後の容器の減容化や、廃棄が容易である。図18に、従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81を示し、図19に従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図を、図20に天部を開口した状態の斜視図を示す。
なお、今後特段の説明がない場合は、図16を参照に、表がわ壁面板831bを正面として、チャック付き紙容器80の表がわ、裏がわ、左がわ、右がわ、上がわ、下がわを示すものとする。
また、従来技術の説明を行う際に使用する符号は、本開示と区別するために、80番代又は800番代としている。
また、符号の添え字のaは、チャック付き紙容器80の裏がわ部分の要素を示し、添え字のbは表がわ部分の要素を示す。添え字のaとbとの両方がある要素において、添え字がない符号は、aとbの両方を含むことがある。
特許文献1に記載されたチャック付き紙容器80においては、その天部871を開口し、内容物を取り出す際には、まず天面がわ突出部874が胴部872から取り外され、次に易開封加工線851が切断されたのち、チャックテープ861の雄型と雌型の嵌合部が解離されて、取り出し用開口部856が開口される。(図20参照)。そして、取り出し用開口部856を通して、内容物が取り出される。
チャック付き紙容器を切断する易開封加工線851は、切断しやすくするために、紙基材層の厚さを薄くする部分を設けており、例えば貫通する不連続な孔、あるいは貫通しないハーフカットが設けられる。ここで、上記の加工を易開封加工と呼ぶ。
易開封加工は、加工工程が増加するのでコストアップ要因である。また、チャック付き紙容器が組み立てられる際に、易開封加工線851が誤って折り曲げられる虞れがあった。易開封加工線851は、ブランク板81の強度が弱い部分であり、誤って易開封加工線851が折り曲げられると、チャック付き紙容器80の作製が難しくなり、ブランク板81が不良品となり廃棄されることがあった。
なお、先行文献1では、チャック付き紙容器80について説明しているが、チャックテープを有しない紙容器の易開封加工線851でも、同様である。
特開2005-178833号公報
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、紙容器において、その初期開封の手段として易開封加工線に代わる開封手段を用いている。その開封手段により、易開封加工の加工工程を削減できる。また、易開封加工線を加工する際に、ブランク板の積層シートが貫通して、チャック付き紙容器80のバリア性が低下することを低減できる。さらに、紙容器が製造される際に失敗が少なくなり、ブランク板の損失が少なくなる紙容器を提供する。
上記の課題は、本開示の以下の実施形態により解決することができる。
すなわち、本開示の紙容器95は、
紙基材層782を含む積層シート78からなるブランク板10が組み上げられる紙容器95において、
前記ブランク板10は、少なくとも表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aを含み、
前記紙容器95の上部に、前記表がわブランク板10bと前記裏がわブランク板10aとが重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板34、及び前記上部重ね合わせ板34の下がわに連設される天面板33とからなる天部71と、
前記上部重ね合わせ板34の左右両がわに連設される天部の側部板41と、
前記天部71の左右両がわに連設される天部がわ突出部74と、
前記天部71の下がわに備わる胴部72と、
前記胴部72の下がわに備わる底部73と、
前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41の上縁部21若しくは前記上縁部21の近傍に横方向に設けられる上部シール部53と、
前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41の上縁部21、及び又は前記天部の側部板41の側縁部11に備わる滑り止め凹部77と、
前記滑り止め凹部77若しくは前記滑り止め凹部77の近傍を起端とし、前記滑り止め凹部77が設けられる前記上縁部21若しくは前記側縁部11以外の、前記上縁部21若しくは前記側縁部11を終端とする開封指示線51と、を備えている。
また、本開示の紙容器95において、
前記開封指示線51が設けられる箇所の積層シート78の紙基材層782の表面が平坦であってもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77は、一方の前記側縁部11に設けられる側縁滑り止め凹部771であり、
前記開封指示線51は、前記側縁滑り止め凹部771を起端とし、前記上縁部21を終端としてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記開封指示線51は、前記側縁滑り止め凹部771を起端とし、上部重ね合わせ板34の領域に終端を備える第一開封指示線511と、
前記第一開封指示線511の終端を起端とし、前記上縁部21を終端とする第二開封指示線512と、を備えていてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記第一開封指示線511の途中を起端とし、前記上縁部21を終端とする第二開封指示線512と、を備えていてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77は、一方の前記側縁部11に設けられる側縁滑り止め凹部771であり、
前記開封指示線51は、前記側縁滑り止め凹部771を起端とし、他方の前記側縁部11を終端としてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77は、一方の前記側縁部11に設けられる側縁滑り止め凹部771であり、
前記開封指示線51は、前記側縁滑り止め凹部771を起端とし、他方の前記側縁部11を終端とする第一開封指示線511と、
前記第一開封指示線511の途中を起端とし、前記上縁部21を終端する第二開封指示線512とを含んでもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77は、前記上縁部21に設けられる上縁滑り止め凹部772であり、
前記開封指示線51は、前記上縁滑り止め凹部772を起端とし、どちらか一方の前記側縁部11を終端としてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記開封指示線51は、前記上縁滑り止め凹部772を起端とし、上部重ね合わせ板34の領域に終端を備える第二開封指示線512と、
前記第二開封指示線512の終端を起端とし、前記側縁部11を終端とする第一開封指示線511と、を備えていてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記上縁滑り止め凹部712を起端とし、一方の前記側縁部11を終端とする前記開封指示線51と、他方の前記側縁部11を終端とする前記開封指示線51の少なくとも2本を備えていてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記第一開封指示線511は直線であり、
前記第二開封指示線512は、前記第一開封指示線511と接する曲線部を有し、前記曲線部の曲率半径は2mm以上であってもよい。
また、本開示の紙容器95において、
2つ以上の前記上縁滑り止め凹部772を備えていてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記開封指示線51の少なくとも1本の起端と終端の双方に、滑り止め凹部77を備えていてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77は、前記ブランク板10の内方に向かって凸状となる曲線を含んでいてもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77の前記曲線の曲率半径が1mm以上であってもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77は矩形状であり、前記ブランク板10の内方の2つの角部は曲線であってもよい。
また、本開示の紙容器95において、
前記滑り止め凹部77の前記曲線の曲率半径が0.5mm以上であってもよい。
また、本開示のチャック付き紙容器90において、
前記上部シール部53の下がわに、前記上部重ね合わせ板34及び前記天部の側部板41に、横方向に延びるチャックテープ61を備えていてもよい。
また、本開示のチャック付き紙容器90において、
前記チャックテープ61の上がわに、開封指示線51を備えていてもよい。
また、本開示のチャック付き紙容器90において、
前記チャックテープ61の下がわに、
一方の天部の側部板41の側縁部11を起端として、他方の天部の側部板41の側縁部11を終端とする第三開封指示線513を備えていてもよい。
上述した本開示の実施形態により、以下の紙容器を提供する。
すなわち、加工工程を削減できコストダウンした紙容器、バリア性が低下する虞れが低い紙容器、さらに紙容器が製造される際に失敗が少なくなり、ブランク板の損失が少なくなる紙容器を提供する。
第一実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる裏がわブランク板10aの展開図である。 第一実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる表がわブランク板10bの展開図である。 図1A、図1Bに示したブランク板10を用いてチャック付き紙容器90を作製する際の中間段階の紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。 図1A、図1Bに示したブランク板10を用いてチャック付き紙容器90を作製する際の中間段階の紙容器(起函状態)92の形状を示す斜視図である。 図1A、図1Bに示したブランク板10を用いて作製したチャック付き紙容器90の斜視図である。 図4に示したチャック付き紙容器90の側面図である。 図4に示したチャック付き紙容器90の平面図である。 図4に示したチャック付き紙容器90の正面図である。 上部シール部53が切除されたチャック付き紙容器93の斜視図である。 天部71が開口されたチャック付き紙容器94の斜視図である。 ブランク板10の一態様の積層シート78の断面図である。 ブランク板10の他の態様の積層シート78の断面図である。 ブランク板10のさらに他の態様の積層シート78の断面図である。 ブランク板10のさらに他の態様の積層シート78の断面図である。 ブランク板10とチャックテープ61との接合部の一態様の拡大断面図ある。(図2 断面位置A-A参照)。 ブランク板10とチャックテープ61との接合部の他の態様の拡大断面図である。(図2 断面位置A-A参照)。 第二実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる裏がわブランク板10aの展開図である。 第二実施形態のチャック付き紙容器90の製造に用いる表がわブランク板10bの展開図である。 第三実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第四実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第五実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第六実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第七実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第八実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第九実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十一実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十二実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十三実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十四実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十五実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 第十六実施形態のチャック付き紙容器90の中間段階の紙容器(平面状態)91の部分拡大図である。 上部シール部53の一部が切除された、第四実施形態のチャック付き紙容器94の斜視図である。 第三開封指示線513で切除された、第十三実施形態のチャック付き紙容器96の斜視図である。 第十七実施形態のチャックテープを有さない紙容器95の斜視図である。 滑り止め凹部71の一態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 滑り止め凹部71の他の態様の説明図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の製造に用いるブランク板81の展開図である。 従来技術のチャック付き紙容器80の斜視図である。 図19に示したチャック付き紙容器80の天部871を開口した状態の斜視図である。
以下、本開示について図面を用いながら説明する。但し、本開示はこれら具体的に示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
本開示の実施形態の説明を進めるにあたり、チャックテープ61を備えたチャック付き紙容器90にて説明するが、チャックテープを有しない紙容器95では、チャックテープ61、及びチャックテープ61を接合する工程を省けば、同様である。
本開示のチャック付き紙容器90のブランク板10は、紙基材層782が積層され、また少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱可塑性樹脂が積層された積層シート78を用いて、外形を矩形状に形成するとともに、ブランク板10の中に設けられた各種の折り曲げ線により、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
<本開示の第一実施形態>
<ブランク板>
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板10を、図1A、図1Bに示す。図1Aは裏がわブランク板10aを表し、図1Bは表がわブランク板10bを表す。なお、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの2枚を、合わせてブランク板10と記述する。
また特段の説明がない限り、後述されるブランク板10の各構成要素において、各符号の添え字のaは裏がわブランク板10aの要素を示し、添え字のbは表がわブランク板10bの要素を示す。添え字のaとbの両方がある要素において、添え字がない符号は、aとbの両方を含むことがある。
ここで、図1Aの裏がわブランク板10aの図面の下がわである裏がわ上縁部21aが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。また、図1Bの表がわブランク板10bの図面の上がわである表がわ上縁部21bが、チャック付き紙容器90の上がわとなる。
図1A、図1Bとも、図面の表面がわが、チャック付き紙容器90を組み立てた際の外面がわとなり、裏面がわが内面がわとなる。
図1A、図1Bは、夫々の上縁部21a、21bを基準にして、線対称となっており、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bの内面同士を、位置を合わせて重ね合わせると、各構成要素(後述する各形成板、線、シール部、チャックテープ接合部など)は重なり合う。
位置を合わせて重ねられた上述の裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが接合されて、図2のような中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製されて、さらに図3のような中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製されて、チャック付き紙容器90の完成に向けて手順が進んでいくが、この製造方法については、後述する。
今後特段の記述がない場合は、図1Bを参照として、表がわブランク板10bの上下左右を示すものとする。裏がわブランク板10aについても、その上縁部21aを上がわとして説明する。従って図1Aでは、上下が逆となる。チャック付き紙容器90においても、その上縁部21がわを上がわとし、下縁部26がわを下がわとする。
なお、図4に、形成されたチャック付き紙容器90が示されており、上がわから順次、天部71、胴部72、底部73で構成されており、上述の上がわを天部がわと、下がわを底部がわと称することもある。また、天部71に設けられた各構成要素の上下方向を説明する際に、天部がわとの記載は上縁部21がわを示し、底部73に設けられた各構成要素の上下方向を説明する際に、底部がわとの記載は下縁部26がわを示すこともある。なお、今後特段の説明がない場合は、図4を参照に、表がわ壁面板31bを正面として、チャック付き紙容器90の表がわ、裏がわ、左がわ、右がわ、上がわ、下がわを示すものとする。本開示以外、例えば比較例のチャック付き紙容器80においても同様とし、詳しくは後述する。
上述のように、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bは、上下にほぼ線対称の形状であるので、ブランク板10の説明については、表がわブランク板10bで説明する。また、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとは、材質(層構成)、製造方法も同じである。
本実施形態のチャック付き紙容器90の表がわブランク板10bは、少なくとも基材の紙を積層し、少なくとも最内層としてポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を積層した積層シート78を用いて、外形を略矩形状に形成している。図1Bを参照にして、上がわを表がわ上縁部21b、左右の両がわを表がわ側縁部11b、下がわを表がわ下縁部26bとする。また、表がわブランク板10bは、その幅方向の中央部を通る鉛直線を対称線として左右対称な形状である。なお、積層シート78については、後ほど説明する。
表がわブランク板10bには、表がわ上縁部21bがわから順次、横断方向に存在する表がわ第一横折り曲げ線22b、表がわ第二横折り曲げ線23b、表がわ第三横折り曲げ線24b、表がわ第四横折り曲げ線25bが設けられている。それらの表がわ横折り曲げ線22b、23b、24b、25bは、おのおのが表がわ上縁部21b及び表がわ下縁部26bに平行であることが望ましい。
表がわブランク板10bには、左がわから順次、縦断する表がわ第一縦折り曲げ線12bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第一縦折り曲げ線12bが設けられている。すなわち、各々の表がわブランク板10bの側縁部11bに近い方の縦折り曲げ線が表がわ第一縦折り曲げ線12bであり、表がわブランク板10bの側縁部11bに遠い方の縦折り曲げ線が表がわ第二縦折り曲げ線13bである。それらの表がわ縦折り曲げ線12b、13bは、表がわブランク板10bの側縁部11bに略平行であることが望ましい。
さらに、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17b、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18b、が、それぞれ左右に一対で設けられており、チャック付き紙容器90の形成に必要な各部の形成板が区画されて構成されている。
表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bは、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第二横折り曲げ線23bとの交点である、表がわ第二天部交点Fbを起点としている。さらに、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bは、上記の表がわ第二天部交点Fbと、表がわ第一縦折り曲げ線12bと表がわ第一横折り曲げ線22bとの交点である表がわ第一天部交点Ebとを結び、さらに表がわ側縁部11bまで延伸している。そして、表がわ側縁部11bと表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bの交点が、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bの終点である。
表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bは、表がわ第二縦折り曲げ線13bと、表がわ第三横折り曲げ線24bとの交点である、表がわ第二底部交点Hbを起点としている。さらに、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bは、上記の表がわ第二底部交点Hbと、表がわ第一縦折り曲げ線12bと表がわ第四横折り曲げ線25bとの交点である表がわ第一底部交点Gbとを結び、さらに表がわ側縁部11bまで延伸している。そして、表がわ側縁部11bと表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bの交点が、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bの終点である。
なお、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bは、表がわ第二天部交点Fbとは接せずに、近傍に位置してもよい。さらに、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bは、表がわ第二底部交点Hbとは接せずに、近傍に位置してもよい。
また、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bは、表がわ第一天部交点Ebとは接せず、その近傍は存在しなくてもよい。あるいは、表がわ天部がわ斜め折り曲げ線17bは、表がわ第一天部交点Ebと表がわ側縁部11bとの間は、存在しなくてもよい。さらに、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bは、表がわ第一底部交点Gbとは接せず、その近傍は存在しなくてもよい。あるいは、表がわ底部がわ斜め折り曲げ線18bは、表がわ第一底部交点Gbと表がわ側縁部11bとの間は、存在しなくてもよい。
上記の各々の表がわの斜め折り曲げ線と各々の交点とが、接せずに近傍に位置することにより、充分な折り曲げ性能を有しつつ、なおかつ特定な箇所に折り曲げ線の過度な集中がなく、表がわブランク板10bの積層シートの強度の低下を防ぐことができる。
表がわブランク板10bの左右の両がわの表がわ側縁部11bには、表がわ側縁部がわシール代36bが表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して形成されている。
また、表がわブランク板10bの下がわに位置する表がわ下縁部26bには、表がわ底部がわシール代37bが、表がわ第四横折り曲げ線25bを介して形成されている。
さらに、表がわブランク板10bには、その最も上がわに位置する表がわ上縁部21bより下がわ方向に順次、各部の形成板が設けられている。
主要部について説明すると、表がわ上縁部21bの中央領域の下がわに、表がわ上部重ね合わせ板34bが設けられている。その表がわ上部重ね合わせ板34bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天面板33bが連設されている。その表がわ天面板33bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ壁面板31bが連設されている。その表がわ壁面板31bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底面板35bが連設されている。
また、表がわ上部重ね合わせ板34bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ天部の側部板41bが連設されている。
さらに、表がわ天面板33bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ天部がわ突出部代38bが連設されている。
また、表がわ壁面板31bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ側面板32bが連設されている。
さらに、表がわ底面板35bの左右の両がわの外方には、表がわ第二縦折り曲げ線13bを介して、表がわ底部がわ突出部代43bが連設されている。
また、それぞれの表がわ天部の側部板41bの下がわに、表がわ第一横折り曲げ線22bを介して、表がわ天部がわ突出部代38bが連設されている。その表がわ天部がわ突出部代38bの下がわに、表がわ第二横折り曲げ線23bを介して、表がわ側面板32bが連設されている。その表がわ側面板32bの下がわに、表がわ第三横折り曲げ線24bを介して、表がわ底部がわ突出部代43bが連設されている。
上記の表がわ底面板35bと、その左右両がわの表がわ底部がわ突出部代43bの下がわに、底部がわシール代37bが連設されている。
上記の表がわ天部の側部板41bと、表がわ天部がわ突出部代38bと、表がわ側面板32bと、表がわ底部がわ突出部代43bとの左右の外がわには、表がわ第一縦折り曲げ線12bを介して、表がわ側縁部がわシール代36bが連設されている。
本実施形態のブランク板10への折り曲げ線を付与する加工(罫線加工)は、積層シート78が完成してから罫線加工して、その後にチャック付き紙容器90を製造する機械に積層シートを供給する。あるいは、罫線加工はチャック付き紙容器90を製造する機械にて実施してもよい。
罫線加工の方法としては、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が採用される。また、罫線加工を実施する前に、積層シート78をシート断ちしてもよい。あるいは、積層シート78はロール状で罫線加工の工程に供給されてもよい。
また、積層シート78を打ち抜いて、ブランク板10を製造する打ち抜き工程について説明する。前記打ち抜き工程は、プラテン方式、ロータリーダイ方式など公知の方法から、適切な方法が選択される。ロール状の積層シート78から直接にブランク板10を形成してもよく、一度枚葉にシート断ちしてから、打ち抜いてもよい。また、罫線加工と打ち抜き加工の順番は問わない。同時に加工してもよい。
また、所定のロール幅にスリットしたロール状の積層シート78を、チャック付き紙容器90を製造する機械に供給し、ロール状の積層シート78の横断方向に切断し、ブランク板10が作製されてもよい。
なお、裏がわブランク板10aは、表がわブランク板10bと、線対称で同一形状である。言い替えれば、ブランク板の層構成が逆になっているほぼ同一形状のブランク板である。
図2は、図1A、図1Bに示したブランク板10を用いてチャック付き紙容器90を製造する際の、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状を示す正面図である。最上部が図1Bに示した表がわブランク板10bの上縁部21bであり、その裏がわには、裏がわブランク板10aが備えられている。裏がわブランク板10aは目視できないが、透視とすると表がわブランク板10bとほぼ同一形状となる。
なお、図2では、裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bが重なっており、各構成要素は、製造上のバラツキの範囲で、図面を透視すると同じ位置関係であるので、表がわの表記及び添え字を、説明の際に省略することがある。
上部重ね合わせ板34の左右両がわには天部の側部板41が連設されている。ここではこれらの3枚の形成板を合わせて、天部フラップ45と称する。上記天部フラップ45には、上述の2枚のブランク板10が互いに重なり合う所定の位置に、横断方向の密封手段としての上部シール部53、開封指示線51、およびチャックテープ接合部52とが、上縁部21がわから順次に設けられている。
上部シール部53は、上部重ね合わせ板34及びそれぞれの天部の側部板41の上縁部21、若しくは上縁部21と間隔を保ち近傍に設けられる。なお、上部シール部53が上縁部21に略平行であると、上部シール部53の長さを短くすることができ、かつブランク板10に無駄が生じない。
横断方向の密封手段としての上部シール部53は、相対することになる表がわ上部シール部53bと裏がわ上部シール部53aとが接合されて形成される。その接合は、チャック付き紙容器90の上縁部21、若しくは上縁部21の近傍を、全幅に渡って横断するように接合されるため、チャック付き紙容器90の密閉が保たれる。
さらに、チャックテープ接合部52は、上縁部21に略平行であることが望ましい。そのような形態では、チャックテープ61の開閉及び、内容物の取り出しが容易となる。また、チャックテープ61の長さを短くすることができる。
<開封指示線>
開封指示線51について説明する。表がわ天部フラップ45bには、初期開封位置を表示する手段として、表がわ開封指示線51bが設けられてもよい。表がわ開封指示線51bが設けられることで、初期開封の望ましい切断位置を明示できる。なお、開封指示線51は、後述する第一開封指示線511、第二開封指示線512、第三開封指示線513を含む。
本実施形態の開封指示線51は、表がわブランク板10bと、裏がわブランク板10aの双方に設けられ、他の折り曲げ線と同様に、上縁部21を基準に線対称である。
また、開封指示線51が設けられる箇所のブランク板10の積層シート78の紙基材層782の表面が平坦であってもよい。表面が平坦であるとは、切り込み加工や孔加工などの、紙基材層782に強度劣化が生じる加工が無実施である状態である。紙基材層782の固有の表面の微細な凹凸やうねりはあってもよい。
開封指示線51の例示としては、グラビア印刷等の各種の印刷、箔押し加工、スタンプによる捺印、転写加工などの目視可能な手段が望ましい。開封指示線51が設けられる面は、紙基材層782の外面でもよく、積層シート78の外面でもよい。
図2に示したように、本実施形態の表がわ開封指示線51bは、天部フラップ45の横断方向に延在する表がわ第一開封指示線511bであり、表がわブランク板10bの一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bから、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bまで繋がっており、表がわ上部シール部53bとチャックテープ61の間に存在する。
なお、表がわ第一開封指示線511bの端部の左右どちらかに滑り止め凹部77が設けられてもよい。なお、滑り止め凹部71は、後述する側縁滑り止め凹部771、上縁滑り止め凹部772を含む。本実施形態では右がわの表がわ側縁部11bに側縁滑り止め凹部771が設けられている。また、側縁滑り止め凹部771は左がわの表がわ側縁部11bに設けられてもよい。
また、開封指示線51と滑り止め凹部77とは接していてもよく、接してはいないが近傍に位置してもよい。
開封指示線51は、特段に切断しやすくする加工は実施しておらず、そのため、使用者の手指のみによる切断は難しい。そのために切断工具、例えば、ハサミ、カッター、ナイフ等を使用する。これ以降、切断工具はカッターで例示する。
チャック付き紙容器90の天部71を初期開封する際に、使用者はカッターを表がわ側縁部11bの表がわ第一開封指示線511bの端部に当接させるが、その際に、側縁滑り止め凹部771にカッターが嵌るために、適切な位置から天部フラップ45の切断を開始できる。そして、目標となる表がわ第一開封指示線511bに従い、適切な初期開封ができる。
ここで、側縁滑り止め凹部771が存在しないと、カッターが側縁部11に沿って動いてしまい、適切な位置を保持できない虞れがある。また、表がわ第一開封指示線511bが存在しないと、適切な位置を切断できない虞れがある。
表がわ第一開封指示線511bを一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bがわから切断し、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bまで至ることで、天部フラップ45が横断的に切断されて、あわせて上部シール部53が切除されて、チャックテープ61が略全面に渡り露出する。
なお、開封指示線51は、絵柄印刷と同時に印刷してもよく、グラビア印刷、オフセット印刷、インキジェット印刷などを用いてもよい。
また、開封指示線51は、幅を有する帯状であってもよい。また、開封指示線51は複数設けられてもよい。そのようにすることにより、初期開封の切断位置の許容範囲を示すことができる。
<チャックテープ>
チャックテープ61は、雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとが、それぞれ押出成形にて成形されており、雄型チャックテープ嵌合部63mと、雌型チャックテープ嵌合部63fとが嵌合されている。
<チャックテープの接合手順>
チャック付き紙容器90の組み立ての手順は後ほど説明するが、その手順のうち、ここではチャックテープ61の接合手順を説明する。
チャックテープ接合部52は、この場合、チャック付き紙容器90を組み立てる際のチャックテープ61の接合予定部である。
裏がわブランク板10aと表がわブランク板10bとが重ね合わされて、側縁部がわシール代36同士、及び上部シール部53同士がヒートシールされる。
その際に、予め雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとが、雄型チャックテープ嵌合部63mと、雌型チャックテープ嵌合部63fとで嵌合されたチャックテープ61がこの部分に挿入される。そして、同時に2枚のブランク板10の外面がわからチャックテープ接合部52が加熱、加圧される。そして、ブランク板10とチャックテープ61とが、ヒートシールされる。(図11A、図11B参照)。
なお、チャックテープ61のブランク板10への接合は、上記のようなヒートシールに限らず、接着剤や接着テープなど、その他の方法にて接合されてもよい。
このような方法でチャックテープ61がヒートシールされることにより、雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとを別々にチャックテープ接合部52にヒートシールする方法と比較して、ヒートシールの位置ずれが少なくなり、また、取り付け工程が簡略化されるので、生産効率よくチャックテープ61を取り付けることができる。
<ブランク板の積層シート>
ブランク板10に用いる積層シート78は、前述したように、少なくとも紙基材層782を積層し、少なくとも最内層の熱可塑性樹脂層783としてポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を積層した積層シート78を用いる。また、中間層には必要に応じて、水蒸気や酸素やその他の物質のバリア層785や、強度向上層などを設けることができる。
また、本実施形態のチャック付き紙容器90に絵柄等の印刷層を設ける場合、通常は紙基材層782の表面に印刷するが、仮に紙基材層782の印刷適性が良くない場合は、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどに絵柄等の印刷層を設け、そのフィルムを紙基材層782の外がわのいずれかの層に積層することもできる。
紙基材層782について説明する。紙基材層782は、剛性があり、且つ、折り曲げ線などで折り曲げた時、割れの生じにくい紙が好ましいが、特に限定はされずチャック付き紙容器90に充填される内容物に応じて、耐水性(サイズ度)なども考慮して適するものを適宜に選定して使用することができる。
具体例として、上質紙、カップ原紙、ミルクカートン原紙などを好適に使用することができ、その坪量は、80g/m2以上、320g/m2以下の範囲が適切である。
最内層、及び必要に応じて最外層、中間層に用いられる熱可塑性樹脂層(シーラント層)について説明する。熱可塑性樹脂層(シーラント層)の樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー、そして、ポリプロピレン及びその共重合体、ポリエステル系樹脂などを使用することができ、これらの中から、充填される内容物や、保管及び使用される条件に応じて、適するものを適宜に選定して使用することができる。
上記の熱可塑性樹脂のうち、特にエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)及びエチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)は、押し出しコートなどの加工時の熱安定性、各種の基材に対する接着性、低温ヒートシール性などに優れると共に、薄膜形成性にも優れているので、厚みをそれほど必要としない最外層の熱可塑性樹脂層を、例えば、6μm以上、10μm以下のような比較的薄い厚さで押し出しコートして積層することも容易であり、プラスチック材料の使用比率を低減できると同時に、コスト面でもメリットを得ることができる。
以上のような最内層、及び必要に応じて最外層、中間層の熱可塑性樹脂層(シーラント層)は、その積層面に必要に応じてアンカーコート、コロナ処理、フレーム(火炎)処理などの易接着性処理を施した後、その上に樹脂を押し出しコートして積層できるほか、熱可塑性樹脂を予めフィルム状に製膜しておいて、そのフィルムを公知のドライラミネート又は押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などで貼り合わせて積層することができる。
積層シート78の中間層にバリア層785を積層する場合、バリア層785としては、アルミニウム箔などの金属箔のほか、アルミニウム、シリカ、アルミナなどの金属又は無機酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)、二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などの基材フィルムに、厚み20nm以上、100nm以下に蒸着した蒸着フィルムなどを使用することができる。あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと表記することがある。)フィルム、ナイロンMXD6の二軸延伸フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、そして、ポリ塩化ビニリデンの塗膜層を設けたPETフィルム、ONyフィルム、OPPフィルムなどを使用することができる。
このようなバリア層785は、通常、紙基材層782の内がわの面に積層することが、そのバリア性を効果的に利用できる点で好ましいが、バリア層785にアルミニウムなどの金属箔や金属蒸着フィルムを使用した場合は、そのメタリック感をデザインにも利用するため、紙基材層782の外がわの面に積層することもできる。バリア層785の積層は、公知のドライラミネート又は押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)などにより容易に積層することができる。
本実施形態のチャック付き紙容器90のブランク板10の積層シート78の層構成を例示する。積層シート78の断面図を、図10A、図10B、図10C、図10Dに示す。
図10Aは、3層からなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りであり、「/」は互いに隣接する層同士の境界を意味する。
(外面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層781 / 紙基材層782 /
最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図10Bは、2層からなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 紙基材層782 / 最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図10Aに示した3層からなるブランク板10から、最外層の熱可塑性樹脂層781を除外した層構成である。
また、ブランク板10にバリア性(水蒸気、酸素、保香性など)を要求する場合は、バリア層785を備えることができる。図10Cは、5層ならなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 最外層の熱可塑性樹脂層781 / 紙基材層782 / 中間の接着層 784 / バリア層785 / 最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図10Dは、4層からなるブランク板10の積層シート78の断面図であり、その層構成は、以下の通りである。
(外面がわ) 紙基材層782 / 中間の接着層 784 / バリア層785 /
最内層の熱可塑性樹脂層783 (内面がわ)
図10Cに示した5層からなるブランク板10から、最外層の熱可塑性樹脂層781を除外した層構成である。
上記のそれぞれの積層シート78の各層間の接合は、公知のドライラミネート、押出コーティング、接着剤などにより行われる。なお、各層間の接合のための層は、厚さが薄いため、示していないことがある。
<チャック付き紙容器の作製>
チャック付き紙容器90のブランク板10から、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製され、さらに中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が作製され、そして内容物が充填されたチャック付き紙容器90の包装体が完成させられるまでの手順の概要を説明する。
<中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)の作製>
上述の2枚のブランク板10が重ね合された際に、チャックテープ接合部52同士が重なる位置に、予め雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fとが嵌合されたチャックテープ61が挿入され、2枚のブランク板10のそれぞれの外面がわからチャックテープ接合部52が加熱、加圧されヒートシールされる。
次いで上部シール部53の内面同士がヒートシールされ、ブランク板10の側縁部11に隣接したそれぞれの側縁部がわシール代36の内面同士がヒートシールされる。そして、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91は、下縁部26が開口する袋状に形成される。
また、表がわ第一開封指示線511bのどちらか一方の端部に、側縁滑り止め凹部771が設けられる。なお、滑り止め凹部77は表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aとも、同じ位置に存在することが望ましいので、本工程を含む本工程以降で加工することが望ましい。
本開示の滑り止め凹部77は、カッターの滑り止め用途であり、天部フラップ45を切断する際に、使用者の手指で切断するために応力を集中させる用途は無いので、ブランク板10の内方に向かって尖った形状でなくてもよい。意図しない機会に切断が生じないように、尖った形状でないほうがよい。
図17Aから図17Fに、本開示にて用いられる滑り止め凹部77を例示する。なお、本開示の用いられる滑り止め凹部71は、この例示にとらわれずに、カッターの滑り止めの機能を有すれば、他の形状でもよい。
なおここで示されたシール領域は、側縁がわシール代36、上部シール部53のいずれでもよく、滑り止め凹部71は、側縁滑り止め凹部771、上縁滑り止め凹部772のいずれでもよい。また、開封指示線51は、第一開封指示線511,第二開封指示線512、第三開封指示線513のいずれでもよく、それらの形状は、直線にて示されているが、曲線であってもよい。
開封指示線51と滑り止め凹部71との位置関係について、図17Aから図17Dでは、両者が接している例示であり、図17Eと図17Fは両者が離れている例示である。開封指示線51と滑り止め凹部71とが離れていると、滑り止め凹部71を加工する際に、開封指示線51と位置がずれても目立たないので、外観が損なわれにくい。さらに、開封指示線51と、上部シール部53又は側縁部がわシール代36とが離れていると、ブランク板10の表面に、箔押しなどで設けられる場合に、その部分に段差が生じないので、容易に形成できる。開封指示線51が天部フラップ45と上部シール部53又は側縁部がわシール代36とを跨ぐと、段差が生じて、箔押し等が実施しにくくなる虞れがある。なお、開封指示線51と滑り止め凹部77の組み合わせは、図に例示された組み見合わせには限定されない。
図17Aに記載の滑り止め凹部77はV字形状であり、ブランク板10の内方に向かうにつれて開封指示線51に近づくので、より正確に開封指示線51の切断が開始される。
図17Bに記載の滑り止め凹部77はU字形状であり、鋭角な角部がなく、不意の損傷がしにくい。U字の曲率半径は1mm以上であってもよく、意図しない状況での天部フラップ45の切断を防止できる。
図17Cに記載の滑り止め凹部77はV字形状であり、そのブランク板10の内方の角部は曲線となっている。このため、開口の入口が広いのでカッターを嵌めやすく、さらにブランク板10の内方に向かうにつれて開封指示線51に近づくので、より正確に開封指示線51の切断が開始される。また、鋭い角部がなく、不意の損傷がしにくい。曲線の曲率半径は1mm以上であってもよく、意図しない状況での天部フラップ45の切断を防止できる。
図17Dに記載の滑り止め凹部77は半円状である。そのために、加工の際の抜き刃等の作成が容易であり、耐久性も高い。なお、半円以外にも、円弧の一部を用いた形状でも同様であり、後述する図17E、図17Fにて例示する。その円弧の曲率半径は1mm以上であってもよい。意図しない状況での天部フラップ45の切断を防止できる。
図17Eに記載の滑り止め凹部77は円弧である。この円弧の中心角は、180°より小さい例を示している。
図17Fに記載の滑り止め凹部77は円弧である。この円弧の中心角は、180°より大きい例を示している。
図17Gに記載の滑り止め凹部77は切り込みであり、本開示では、切り込みも滑り止め凹部77に含む。この切り込みにカッターを差し込むことで、滑り止め効果が得られる。
なお、滑り止め凹部77を切り込みにすることで、滑り止め凹部を形成する際に、切り屑が発生しないので、切り屑の処理をしなくて済む。
図17Hに記載の滑り止め凹部77は矩形である。ブランク板10の内方の角部は直角であり鋭角ではないので、不意の損傷がしにくい。
図17Iに記載の滑り止め凹部77は矩形であり、ブランク板10の内方の2つの角部は曲線になっている。鋭い角部がなく、不意の損傷がしにくい。その曲線の曲率半径は0.5mm以上であってもよく、意図しない状況での天部フラップ45の切断を防止できる。
チャック付き紙容器90は、実際の製造の際には特に限定はされないが、生産性をよくするため、紙容器の組み立てと、内容物の充填と、各接合箇所のシールとをインラインで行う装置を用いてもよい。
その装置において、ロール状に巻き上げられた長尺の印刷済み積層シート78を繰り出して、紙容器が横につながった形式で、折り曲げ線の加工、及びチャックテープ61の挿入及びヒートシール、側縁部がわシール代36のヒートシール、上部シール部53のヒートシール、滑り止め凹部77の打ち抜きなどを行ってもよい。
なお、所望のチャック付き紙容器90が得られるならば、上記工程の順番以外でも構わない。
ここで、本実施形態のチャック付き紙容器90の天部フラップ45の形状を、図2を参照にして説明する。
天部フラップ45には、上縁部21がわから順次に、上部シール部53、開封指示線51、チャックテープ61が設けられており、チャックテープ61の下がわには、第一横折り曲げ線22が位置している。
ところで、中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91において、チャックテープ61とブランク板10が接合された箇所である、チャックテープ61の接合箇所の拡大断面図を図11A、図11Bに示す。その切断箇所は、図2の断面位置A-Aに示されている。ここでは、ブランク板10は、図10Dの4層の積層シート78で例示する。
図11Aでは、表がわブランク板10bに表がわチャックテープ61bとして、雌型チャックテープ61fが接合されている。雌型チャックテープ61fは、ブランク板10に接合される雌型チャックテープ体部62fと、雄型チャックテープ61mと嵌合する凹部を有する雌型チャックテープ嵌合部63fを含んでいる。
また、裏がわブランク板10aに裏がわチャックテープ61aとして、雄型チャックテープ61mが接合されている。雄型チャックテープ61mは、ブランク板10に接合される雄型チャックテープ体部62mと、雌型チャックテープ61fと嵌合する凸部を有する雄型チャックテープ嵌合部63mを含んでいる。
図11Bでは、表がわブランク板10bに表がわチャックテープ61bとして、雄型チャックテープ61mが接合されている。雄型チャックテープ61mは、ブランク板10に接合される雄型チャックテープ体部62mと、雌型チャックテープ61fと嵌合する凸部を有する雄型チャックテープ嵌合部63mを含んでいる。
また、裏がわブランク板10aに裏がわチャックテープ61aとして、雌型チャックテープ61fが接合されている。雌型チャックテープ61fは、ブランク板10に接合される雌型チャックテープ体部62fと、雄型チャックテープ61mと嵌合する凹部を有する雌型チャックテープ嵌合部63fを含んでいる。
なお、表がわブランク板10bに、雄型チャックテープ61mが接合されるか、あるいは雌型チャックテープ61fが接合されるかは、チャック付き紙容器90の要求性能や、チャック付き紙容器90の製造装置の仕様などにより、適宜選定される。
<中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)の作製>
この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の底部73の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34が残されて、その下がわの天面板33が、第一横折り曲げ線22により前後に広げられて、上部重ね合わせ板34と天部の側部板41とからなる天部フラップ45が上方向に起立させられる。
ここで、胴部72の稜部72dの折り曲げ加工を確実に行うために、胴部72の内がわ及び又は外がわから、稜部72dの近傍(当接を含む)に補助部材を接触させてもよい。
上部重ね合わせ板34の下がわに天面板33を含む天部71と、さら胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成される。この段階では図3のように、上部重ね合わせ板34は、上方向に起立している。
なお、設計では胴部72の水平断面の形状及び底部73の開口の形状は、矩形状を想定しているが、紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な矩形状とならない場合を含め、略矩形状としている。
<チャック付き紙容器の成形・充填>
次に、上方向に起立する上部重ね合わせ板34が、背面がわ(裏がわ天面板33aがわ)に折り曲げて寝かされて、左右両がわに突出する天部がわ突出部74が、側面板32の方向に折り曲げられて、胴部72に接合される。
この際に、天部がわ突出部74の折り曲げ部76が折り曲げられるが、そのために折り曲げ部76の折り曲げ加工を確実に行うために、天部71の内がわ及び又は外がわから、折り曲げ部76の近傍(当接を含む)に補助部材を接触させてもよい。
天部がわ突出部74が胴部72に接合される方法は、接着剤(ホットメルト等)を使用する方法、接着テープを使用する方法、機械的に接合する方法(係合させるもの、接合具を用いるもの)などでもよい。また、ブランク板10の最外層に熱可塑性樹脂層(シーラント層)が備えられる場合は、その熱可塑性樹脂層(シーラント層)がヒートシールされる方法がある。後述する底部がわ突出部の接合も、同様な方法が用いられる。
<チャック付き紙容器の底部の形成>
上記のように形成された中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部73が上に向けられて、開口する底部73から内容物が充填される。次いで、表裏両がわの壁面板31の下がわの部分の第三横折り曲げ線24が、外がわから見て山折りされる。なお、これ以降の折り曲げ線の折り方の説明では、「外がわから見て」の記述は省略することがある。
同時に表裏かつ左右両がわの側面板32の下がわの部分の第三横折り曲げ線24が、谷折りされる。なお、既に表裏両がわの側縁部がわシール代36の内面同士が合わされて接合されており、裏がわ(裏がわ側面板32aがわ)に倒されているので、表裏かつ左右両がわの側面板32の下がわの部分の第三横折り曲げ線24は容易に折り曲げられる。このようにすると、表裏両がわの底面板35は、壁面板31と略垂直に折り曲げられて、略一枚の平面状となるので、安定した底部73が形成される。
そして、底面板35の左右両がわに備わる底部がわ突出部代43は、その領域に存在する底部がわ斜め折り曲げ線18が山折りされて、内面同士が対向するが接合はされずに、胴部72の下部にて下がわ方向に突出する。そして、表裏両がわの第四横折り曲げ線25が谷折りされると、底部がわシール代37は起立して、左右方向に伸びる平面の形状となる。そして、表がわ底部がわシール代37bの内面と、裏がわ底部がわシール代37aの内面とが、重ね合わされて、表裏両がわの底部がわシール代37の外がわから、加熱されたヒーターバーにより加熱、加圧されると、両者は接合されて、内容物が充填されたチャック付き紙容器90が密封される。なお、ここではヒーターバーによるヒートシールを例示したが、超音波シール、高周波シール等、その他の公知のシール方法でもよい。
接合された底部がわシール代37は、裏がわ天面板33aに近づくように、裏がわに倒される。ここで、底部がわシール代37の底部がわ突出部代43と隣接する領域と、底部がわ斜め折り曲げ線18にて折り曲げられた底部がわ斜め底部がわ突出部代43と、側縁部がわシール代36の底部がわ突出部代43と隣接する領域とが重ね合わされており、それらが底部がわ突出部75を形成している。
底部がわ突出部75に隣接する第三横折り曲げ線24が山折りされ、底部がわ突出部75に隣接する第二縦折り曲げ線13が山折りされて、底部がわ突出部75が、底面板35がわに近接するように、内がわに折り曲げられる。さらに、底部がわ突出部75と底面板35及び又は表がわ底部がわシール代37bとが接合されて底部73が形成される。そして、内容物が充填されたチャック付き紙容器90の包装体が完成する。
底部がわ突出部75と、底面板35及び又は表がわ底部がわシール代37bとの接合方法の例示として、ホットメルト、エマルジョン系接着剤、ゴム系接着剤等、各種接着剤を用いてもよい。また、ブランク板10の積層シート78の最外層に設けられる熱可塑性樹脂層同士が、ヒートシールされてもよい。
図4は、本実施形態のチャック付き紙容器90を示す斜視図である。図5は、図4に示したチャック付き紙容器90の側面図である。図6は、図4に示したチャック付き紙容器90の平面図である。図7は、図4に示したチャック付き紙容器90の正面図である。
図4に示したチャック付き紙容器90は、外形を略直方体形状に形成したものであり、その胴部72の稜部72dを備えている。なお、紙を主体とした柔軟性がある積層シート78からなるチャック付き紙容器90であるため、完全な直方体形状とならない場合を含めて、略直方体形状としている。
<チャック付き紙容器の取り出しのための開口動作>
完成した内容物入りチャック付き紙容器90の包装体の天部71を、内容物を取り出すために開口するまでの手順を説明する。
まず、胴部72に接合されている天部がわ突出部74が引き剥がされる。そして天部がわ突出部74が上方に持ち上げられることで、天部がわ側部板41が立ち上がり、それにあわせて上部重ね合わせ板34も立ち上がる。そして、天部がわ側部板41と、上部重ね合わせ板34とは、ほぼ同一面をなる。
そして、一方(ここでは右がわ)の側縁部11がわに設けられた側縁滑り止め凹部771に、使用者はカッターを押し当てる。そして、カッターを開封指示線51に沿って進めて、さらに他方(ここでは左がわ)の側縁部11に至るまで進めると、天部フラップ45が横断されて、上部シール部53が切除される。この段階では、まだチャックテープ61は解離されておらず、図9に示す形状となっており、この形状を上部シール部が切除されたチャック付き紙容器93と呼ぶ。
また、天部フラップ45が開封指示線51で切断されて、第一横折り曲げ線22の上がわに残された部分を切除後天部フラップ46と呼ぶ。
次に、表がわ開封指示線51bと表がわチャックテープ61bの間の表がわ開封掴み代57bと、裏がわ開封指示線51aと裏がわチャックテープ61aの間の裏がわ開封掴み代57aとを、それぞれ使用者の手指で掴み、チャック付き紙容器90の外がわ方向に拡げることにより、開封指示線51にて切断されて露出したチャックテープ61が開口させられる。図9に天部71が開口したチャック付き紙容器94を示す。
このチャックテープ61の開口動作の際に、チャックテープ61のそれぞれのブランク板10の側縁部11の近傍の端部は、それぞれの側縁部がわシール代36まで略全幅に渡って開口する。但し、側縁部がわシール代36は、剥離されない。このように、チャックテープ61の雄型チャックテープ61mと雌型チャックテープ61fが解離することで、取り出し用開口部56が形成される。
<第二実施形態>
本実施形態では、チャック付き紙容器90のブランク板10が図12A、図12Bに示される。表がわブランク板10bは、図12Bに示されており、第一実施形態と同様である。裏がわブランク板10aは、図12Aに示されており、第一実施形態の裏がわブランク板10aから、裏がわ開封指示線51aを削除すること以外は同様である。さらに、2枚のブランク板10が重ね合わされて接合された中間段階のチャック付き紙容器91は、図2に示され、第一実施形態と同様であり、一方(ここでは右がわ)の側縁部11に、側縁滑り止め凹部771が設けられる。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
本実施形態では、チャック付き紙容器を組み立てた際に、目視しやすい表がわブランク板10bにのみ、表がわ開封指示線51bが設けられており、裏がわ開封指示線51aは省略されてもよく、加工の手間を削減できることがある。
なお、これ以降に示される各実施形態は、開封指示線51が表がわブランク板10bと裏がわブランク板10aの両方に設けられる例示とするが、少なくとも表がわブランク板10bには設けられるとよい。説明は、表がわブランク板10bにて行う。
<第三実施形態>
図13Aは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、表がわ第一開封指示線511bの左右両端に、側縁滑り止め凹部771は設けられている。このため、左右のどちら側からも、表がわ第一開封指示線511bの切断が可能であり、使用者がチャック付き紙容器90を把持する際に、その向きを変更する労力を減らせる。
滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第四実施形態>
図13Bは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、天部フラップ45の一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bに側縁滑り止め凹部771が設けられる。そして、側縁滑り止め凹部771において、表がわブランク板10bの内がわ方向に隣接して表がわ第一開封指示線511bの起端が存在し、表がわ第一開封指示線511bは横方向に延在して、その終端は天部フラップ45の内部に存在し、表がわ上部重ね合わせ板34bの内部にある。側縁滑り止め凹部771と表がわ第一開封指示線511bとは、上部シール部53とチャックテープ61とに挟まれた領域に存在する。表がわ第一開封指示線511bの終端から表がわ第二開封指示線512bは始まり、滑らかな曲線にて開始し、上縁部21に至る。その際に、上部シール部53を横断する。
使用者がカッターを側縁滑り止め凹部771に合わせたのちに、表がわ第一開封指示線511b、及び表がわ第二開封指示線512bに沿って、天部フラップ45を切断すると、上部シール部53が部分的に残される。この残された部分を開口制限部58とする。そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。チャックテープ61が解離されて、内容物が取り出される場合は、制限された大きさの取り出し用開口部56となる。図14に、取り出し用開口部56が開口されたチャック付き紙容器94が示されている。取り出し用開口部56が適切な大きさのため、チャック付き紙容器90を傾けて内容物が振り出される際には、適切な量を取り出すことができる。開口制限部58の大きさ、すなわち表がわ第二開封指示線512bが上部シール部53を横断する位置は、内容物の性状、取り出し量など考慮して、所望の位置に設けられる。
使用者がチャック付き紙容器90を初期開封する際に、カッターを使って側縁滑り止め凹部771から切断を開始し、天部フラップ45の表がわ開封指示線51bでの切断を円滑に進めるためには、表がわ第一開封指示線511bから表がわ第二開封指示線512bへの遷移が円滑であるとよい。表がわ第一開封指示線511bは、直線状、若しくは直線に近い線状であり、表がわ第二開封指示線512bは、表がわ第一開封指示線511bに接する曲線で始まるとよく、その曲率半径は2mm以上ああってもよい。その大きさの曲率半径であると、カッターの方向変更が容易であり、表がわ第二開封指示線512bの指示に合わせて天部フラップ45が切断される。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第五実施形態>
図13Cは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、天部フラップ45の一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bに側縁滑り止め凹部771が設けられる。そして、側縁滑り止め凹部771において、表がわブランク板10bの内がわ方向に隣接して表がわ第一開封指示線511bの起端が存在し、表がわ第一開封指示線511bは横方向に延在して、その終端は他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bに至る。その終端には、側縁滑り止め凹部771が設けられる。
また、表がわ第一開封指示線511bの途中から表がわ第二開封指示線512bが滑らかに曲線で分岐している。表がわ第二開封指示線512bは、上部シール部53を横断して、上縁部21に至る。
使用者がカッターを一方(ここでは右がわ)の側縁滑り止め凹部771に合わせたのちに、表がわ第一開封指示線511b、及び表がわ第一開封指示線511bの途中から分岐する表がわ第二開封指示線512bに沿って、天部フラップ45を切断すると、上部シール部53が部分的に残される。この残された部分を開口制限部58とする。そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。この場合の効果は、第四実施形態と同様である。
内容物が少なくなり、チャック付き紙容器90の底部付近にのみ内容物が残っている場合は、残された表がわ第一開封指示線511bを、使用者が他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bに設けられた側縁滑り止め凹部771から、表がわ第二開封指示線512bに至るように、カッターで切断する。そして、上部シール部53が切り取られて、チャック付き紙容器90の天部71が、略全面に渡って開口するので、少量になった内容物を取り出しやすい。
なお、初期開封の時から、内容物を多く取り出す場合は、表がわ第二開封指示線512bを経由しないで、一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bから、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bまで切断してもよい。なお、切断方向は上記とは逆方向でもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第六実施形態>
図13Dは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では第四実施形態の表がわ開封指示線51bに、さらに表がわ第一開封指示線511bの途中から分岐する2本の表がわ第二開封指示線512bが設けられている。したがって本実施形態では、3本の表がわ第二開封指示線512bが設けられて、内容物の振り出し量に合わせた取り出し用開口部56を得るために、適切な表がわ第二開封指示線512bが選択される、そして、使用者がカッターで天部フラップ45を切断して、適切な大きさの取り出し用開口部56を得ることができる。なお、表がわ第二開封指示線512bは、2本、若しくは4本以上であってもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第七実施形態>
図13Eは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では第六実施形態の表がわ第一開封指示線511bが、他方(ここでは左がわ)の側縁部11まで延在している。
本実施形態では、第六実施形態と同様に2本以上の表がわ第二開封指示線512bが設けられており、内容物の振り出し量に合わせた取り出し用開口部56を得るために、適切な表がわ第二開封指示線512bが選択される。そして、使用者がカッターで天部フラップ45を切断する。そして、適切な大きさの取り出し用開口部56を得ることができる。
さらに、内容物が少なくなり、チャック付き紙容器90の底部付近にのみ内容物が残っている場合は、残された表がわ第一開封指示線511bを、使用者が他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bに設けられた側縁滑り止め凹部771から、表がわ第二開封指示線512bに至るように、カッターで切断する。そして、上部シール部53が切り取られて、チャック付き紙容器の天部71が略全面に渡って開口するので、少量になった内容物を取り出しやすい。
なお、初期開封の当初から、内容物を多く取り出す場合は、初期開封の際に、表がわ第二開封指示線512bを経由しないで、一方(ここでは右がわ)の側縁部11から、他方(ここでは左がわ)の側縁部11まで切断してもよい。なお、切断方向は上記とは逆方向でもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第八実施形態>
図13Fは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では第七実施形態の表がわ第二開封指示線512bに、さらに、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bから切断を開始した際に円滑に分岐する表がわ第二開封指示線512bも設けられている。
したがって、取り出し用開口部56を、チャック付き紙容器90の左右のどちら側に設けるかを選択できる。
さらに、内容物が少なくなり、チャック付き紙容器90の底部付近にのみ内容物が残っている場合は、残された表がわ第一開封指示線511bを、使用者が他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bに設けられた側縁滑り止め凹部771から、表がわ第二開封指示線512bに至るように、カッターで切断する。そして、上部シール部53が切り取られて、チャック付き紙容器90の天部71が、略全面に渡って開口するので、少量になった内容物を取り出しやすい。
なお、初期開封の当初から、内容物を多く取り出す場合は、初期開封の際に、表がわ第二開封指示線512bを経由しないで、一方(ここでは右がわ)の側縁部11から、他方(ここでは左がわ)の側縁部11まで切断してもよい。なお、切断方向は上記とは逆方向でもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第九実施形態>
図13Gは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、第四実施形態の表がわ側縁部11bがわに設けられる側縁滑り止め凹部771が削除されて、新たに上縁部21と表がわ第二開封指示線512bとが交わる位置に、表がわ上縁滑り止め凹部772が設けられる。
使用者が、表がわ開封指示線51bをカッターで切断する際には、まずはカッターを上縁滑り止め凹部772に合わせる。そして、表がわ第二開封指示線512bに沿って切断し、引き続き表がわ第一開封指示線511bを切断して、一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bに至る。
そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。この場合の効果は、第四実施形態と同様である。
本実施形態では、使用者が表がわ第二開封指示線512bの切断を開始する際は、切断の進行する方向が下方向となるため、作業者がカッターに力を加えやすい。
また、側縁滑り止め凹部771と上縁滑り止め凹部772との双方が設けられてもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第十実施形態>
図13Hは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、第六実施形態の表がわ側縁部11bがわに設けられる側縁滑り止め凹部771が削除されて、新たに上縁部21と、それぞれの表がわ第二開封指示線512bとが交わる位置に、表がわ上縁滑り止め凹部772が設けられる。
使用者が、適切な大きさの取り出し用開口部56を得るために、3本の表がわ第二開封指示線512bから、1本の適切な表がわ第二開封指示線512bを選択する。そして、その表がわ第二開封指示線512bをカッターで切断する際には、まずはカッターを、上記に選択した表がわ第二開封指示線512bの端部に位置する表がわ上縁滑り止め凹部772に合わせる。そして、表がわ第二開封指示線512bに沿って切断し、引き続き表がわ第一開封指示線511bを切断して、一方(ここでは右がわ)の側縁部11に至る。そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。この場合の効果は、第四実施形態と同様である。
本実施形態では、表がわ第二開封指示線の切断を開始する際は、切断が進行する方向が下方向となるため、作業者がカッターに力を加えやすい。
また、側縁滑り止め凹部771と上縁滑り止め凹部772との双方が設けられてもよい。
滑り止め凹部77、及び表がわ開封指示線51b以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第十一実施形態>
図13Iは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、上縁部21に設けられる上縁滑り止め凹部772を起点とし、左右両がわに向かう一対(2本)の表がわ第二開封指示線512bが設けられている。それぞれの表がわ第二開封指示線512bは、滑からに天部フラップ45を横断する1本の表がわ第一開封指示線511bに繋がっている。表がわ第一開封指示線511bは、上部シール部53とチャックテープ61との間を、一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bから、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bまで、延在している。表がわ第一開封指示線511bのそれぞれの端部には、側縁滑り止め凹部771が設けられている。
本実施形態では、取り出し用開口部56をチャック付き紙容器90の左右どちらかの所望の側に設けることができる。
使用者が、表がわ開封指示線51bをカッターで切断する際には、上縁滑り止め凹部772から切断を開始して、左右どちらかの表がわ側縁部11bに至ってもよい。また、左右どちらかの表がわ側縁部11bから上縁滑り止め凹部772に至ってもよい。
そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。この場合の効果は、第四実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、最も小さい取り出し用開口部56が得られる表がわ第二開封指示線512bを切断して、チャック付き紙容器90の取り出し用開口部56を開口させて、内容物の振り出し具合を把握する。そして、もう少し大きい取り出し用開口部56が所望であれば、より大きな取り出し用開口部56が得られる表がわ第二開封指示線512bが、さらに切断されてもよい。このように、上縁部21に2個以上の上縁滑り止め凹部772と、その上縁滑り止め凹部772に連なる表がわ第二開封指示線512bが設けられると、内容物の振り出し具合を確認しながら、適切な表がわ第二開封指示線512bを選択することができる。
さらに、内容物が少なくなり、チャック付き紙容器90の底部付近にのみ内容物が残っている場合は、残された表がわ第一開封指示線511bを、使用者がその表がわ第一開封指示線511bの端部に備わる側縁滑り止め凹部771から、切断された表がわ第二開封指示線512bに至るように、カッターで切断する。そして、上部シール部53が切り取られて、チャック付き紙容器90の天部71が、略全面に渡って開口するので、少量になった内容物を取り出しやすい。
なお、初期開封の当初から、内容物を多く取り出す場合は、初期開封の際に、表がわ第二開封指示線512bを経由しないで、一方(ここでは右がわ)の側縁部11から、他方(ここでは左がわ)の側縁部11まで切断してもよい。なお、切断方向は上記とは逆方向でもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第十二実施形態>
図13Jは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、第十一実施形態で設けられた一対の表がわ第二開封指示線512b、及びその表がわ第二開封指示線512bの端部に設けられる上縁滑り止め凹部772が、さらに追加して2か所に設けられている。
使用者が、適切な大きさの取り出し用開口部56を得るために、さらにチャック付き紙容器90の左右いずれかに取り出し用開口部56を設けるかの選択により、三対(6本)の表がわ第二開封指示線512bから、1本の適切な表がわ第二開封指示線512bを選択する。そして、その表がわ第二開封指示線512bをカッターで切断する際には、まずはカッターを、上記に選択した表がわ第二開封指示線512bの端部に位置する表がわ上縁滑り止め凹部772に合わせる。そして、その表がわ第二開封指示線512bに沿って切断し、引き続き表がわ第一開封指示線511bを切断して、左右どちらかの表がわ側縁部11bに至る。そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。この場合の効果は、第四実施形態と同様である。
本実施形態では、表がわ第二開封指示線の切断を開始する際は、切断が進行する方向が下方向となるため、作業者がカッターに力を加えやすい。
また、側縁滑り止め凹部771と上縁滑り止め凹部772との双方が設けられてもよい。
さらに、内容物が少なくなり、チャック付き紙容器90の底部付近にのみ内容物が残っている場合は、残された表がわ第一開封指示線511bを、使用者がその表がわ第一開封指示線511bの端部に備わる側縁滑り止め凹部771から、切断された表がわ第二開封指示線512bに至るように、カッターで切断する。そして、上部シール部53が切り取られて、チャック付き紙容器90の天部71が、略全面に渡って開口するので、少量になった内容物を取り出しやすい。
なお、初期開封の当初より、内容物を多く取り出す場合は、初期開封の際に、表がわ第二開封指示線512bを経由しないで、一方(ここでは右がわ)の側縁部11から、他方(ここでは左がわ)の側縁部11まで切断してもよい。なお、切断方向は上記とは逆方向でもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第十三実施形態>
図13Kは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、第一実施形態で設けられる表がわ第一開封指示線511bに加えて、表がわ第三開封指示線513bが設けられている。表がわ第三開封指示線513bは、チャックテープ61と、表がわ第一横折り曲げ線22bとの間に、一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bから、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bまで、天部フラップ45を横断するように設けられる。
表がわ第一開封指示線511bが切断されると、チャックテープ61が露出する。内容物を繰り返して取り出す際は、チャックテープ61を開閉しながら、チャック付き紙容器90が使用される。
さらに、内容物が少なくなった際に、表がわ第三開封指示線513bが切断されると、チャック付き紙容器の天部71が略全面に渡って開口できるため、内容物が取り出しやすくなる。図15に、表がわ第三開封指示線513bで天部フラップ45が切断され、チャックテープ61が切除されたチャック付き紙容器96を示す。チャックテープ61が無いことから、チャックテープ嵌合部63の凹凸がなくなり、その凹凸に内容物が引っ掛らないので、内容物を全量取り出す際に、取り出しやすくなる。
もし、表がわ第三開封指示線513bが、ミシン目などの紙基材層782に切り込み等を設ける形状であった場合は、チャックテープ61の開封を繰り返すと、表がわ第三開封指示線513bに損傷が生じる虞れがある。しかし、本実施形態の表がわ第三開封指示線513bでは、積層シート78の強度低下が少ないために、損傷が生じる虞れが減少する。
表がわ第三開封指示線513bが設けられる以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第十四実施形態>
図13Lは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、第四実施形態で設けられる表がわ第一開封指示線511b、及び表がわ第二開封指示線512bに加えて、第十三実施形態と同様の表がわ第三開封指示線513bが設けられている。
使用者が、表がわ第一開封指示線511b、及び表がわ第二開封指示線512bに沿って、天部フラップ45を切断すると、上部シール部53が部分的に残されて、開口制限部58が生じる。そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。チャックテープ61が解離されて、内容物が取り出される場合は、制限された大きさの取り出し用開口部56となる。取り出し用開口部56が適切な大きさのため、チャック付き紙容器90を傾けて内容物が振り出され際には、適切な量を取り出すことができる。
さらに、内容物が少なくなった際に、表がわ第三開封指示線513bで天部フラップ45が切断されて、チャック付き紙容器の天部71が略全面に渡って開口できるため、内容物が全量取り出しやすくなる。その効果は、第十三実施形態と同様である。
表がわ第三開封指示線513bが設けられる以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第四実施形態と同様である。
<第十五実施形態>
図13Mは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、天部フラップ45の一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bに側縁滑り止め凹部771が設けられる。そして、側縁滑り止め凹部771において、表がわブランク板10bの内がわ方向に隣接して表がわ開封指示線51bの起端が存在し、表がわ開封指示線51bは直線状で上縁部21に至る。その際に、上部シール部53を横断する。
使用者がカッターを側縁滑り止め凹部771に合わせたのちに、表がわ開封指示線51bに沿って、天部フラップ45を切断すると、上部シール部53が部分的に残される。この残された部分を開口制限部58とする。そして、上部シール部53が切除された部分のみチャックテープ61が露出する。チャックテープ61が解離されて、内容物が取り出される場合は、制限された大きさの取り出し用開口部56となる。取り出し用開口部56が適切な大きさのため、チャック付き紙容器90を傾けて内容物が振り出される際には、適切な量を取り出すことができる。開口制限部58の大きさ、すなわち開封指示線51bが上部シール部53を横断する位置は、内容物の性状、取り出し量など考慮して、所望の位置に設けられる。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<第十六実施形態>
図13Nは、本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91を示しており、その前工程の本実施形態のブランク板10を準備する。
本実施形態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91では、天部フラップ45の一方(ここでは右がわ)の表がわ側縁部11bに側縁滑り止め凹部771が設けられる。そして、その側縁滑り止め凹部771において、表がわブランク板10bの内がわ方向に隣接して表がわ第一開封指示線511bの起端が存在し、表がわ第一開封指示線511bは横方向に延在して、その終端は天部フラップ45の内部に存在し、表がわ上部重ね合わせ板34bの内部にある。側縁滑り止め凹部771と表がわ第一開封指示線511bとは、上部シール部53とチャックテープ61とに挟まれた領域に存在する。
表がわ第一開封指示線511bの終端から表がわ第二開封指示線512bは始まり、滑らかな曲線にて開始し、上縁部21に至る。その際に、上部シール部53を横断する。上縁部21と表がわ第二開封指示線512bとの交わる位置に、上縁滑り止め凹部772が設けられている。図13Nにおいては、右がわの上縁滑り止め凹部772である。
また、他方(ここでは左がわ)の表がわ側縁部11bに側縁滑り止め凹部771が設けられる。そして、その側縁滑り止め凹部771において、表がわブランク板10bの内がわ方向に隣接して表がわ第一開封指示線511bの起端が存在し、表がわ第一開封指示線511bは横方向に延在して、その終端は天部フラップ45の内部に存在し、表がわ上部重ね合わせ板34bの内部にある。側縁滑り止め凹部771と表がわ第一開封指示線511bとは、上部シール部53とチャックテープ61とに挟まれた領域に存在する。
表がわ第一開封指示線511bの終端から表がわ第二開封指示線512bは始まり、滑らかな曲線にて開始し、上縁部21に至る。その際に、上部シール部53を横断する。上縁部21と表がわ第二開封指示線512bとの交わる位置に、上縁滑り止め凹部772が設けられている。図13Nにおいては、左がわの上縁滑り止め凹部772である。
上記の右がわ上縁滑り止め凹部772と、左がわ上縁滑り止め凹部772は、異なった位置に存在する。
右がわの上縁滑り止め凹部772に連なる表がわ開封指示線51bは右がわの表がわ側縁部11bに至っており、左がわの上縁滑り止め凹部772に連なる表がわ開封指示線51bは左がわの表がわ側縁部11bに至っており、双方の表がわ開封指示線51bは交わっていない。
本実施形態の表がわ開封指示線51bの形状は、破線である。その他の形状として、点線、実線、二重線以上の多重線等でもよい。また、線上に連なる各種図形、丸、四角、星形、その他の絵柄、模様等でもよい。なお、他の実施形態の表がわ開封指示線51bでも同様である。
取り出し用開口部56がチャック付き紙容器90の左右のどちらに設けられるかにより、適宜、左右どちらかの表がわ開封指示線51bが選択される。また、左右の取り出し用開口部56の大きさは、同じであってもよく、異なってもよい。
また、本実施形態では、表がわ開封指示線が側縁滑り止め凹部771から切断されてもよく、上縁滑り止め凹部772から切断されてもよい。
表がわ開封指示線51b、滑り止め凹部77以外の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91の形状は、第一実施形態と同様である。ブランク板10の積層シート78の層構成、チャック付き紙容器90の作製方法、チャック付き紙容器90の充填方法などは、第一実施形態と同様である。
<本開示の第十七実施形態>
本実施形態は、第一実施形態のチャック付き紙容器90からチャックテープ61を除いたチャックテープを有さない紙容器95であり、図16に示す。この紙容器95は、図4に示す第一実施形態のチャック付き紙容器90からチャックテープ61を除いたものである。
これまで記述してきた第一実施形態から第十二実施形態のチャック付き紙容器90では、天部71にチャックテープ61が備えられている。しかしながら、本開示では、チャックテープ61を備えていない紙容器でも可能である。各実施形態の開封指示線51及び滑り止め凹部77の作用効果は同様である。
本実施形態では、チャックテープ61の有無は異なるが、ブランク板10の形状、材質等は第一実施形態と同様である。作製方法は、チャックテープの接合工程を除いて、第一実施形態と同様である。
以下に、実施例を挙げて本開示の実施形態を更に具体的に説明する。
<実施例>
実施例1では、本実施形態に相当する図1A、図1Bのブランク板10を用いて、図4に示したチャック付き紙容器90を作製した。
図1A、図1Bの2枚のブランク板10を準備して、その内面同士が位置を合わされて重ね合され、図2のように、対向する両がわの側縁部がわシール代36がヒートシールされ、また、上部シール部53もヒートシールされた。あわせてチャックテープ61もヒートシールされた。そのようにして、底部がわシール代37が未シールである中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。
ブランク板10の積層シート78は、下記の構成とした。図14Dにその積層シート78の断面図を示すが、絵柄等印刷層は図示していない。
(外面がわ)
絵柄等印刷層(紙基材層782の外面にグラビア印刷) /
紙基材層782(液体紙容器用原紙150g/m2 日本製紙) /
中間の接着層784(EMAA 20μm 三井・ダウポリケミカル
N0908N) /
バリア層785(シリカ蒸着PET 12μm 大日本印刷
IB-PET-UBP) /
最内層の熱可塑性樹脂層783(LDPE 40μm 日本ポリエチレン
LC520)
(内面がわ)
上記の積層シート78の製造方法について説明する。
まず、ロール状の紙基材層782が繰り出され、所定の位置に、所定の絵柄や文字、開封指示線51がグラビア印刷されて、再びロール状に巻き上げられた。なお、本実施例では開封指示線51は、第一開封指示線511であり、表がわブランク板10bには表がわ第一開封指示線511bが、裏がわブランク板10aには裏がわ第一開封指示線511aが設けられた。
次の工程で、上記のロール状の紙基材層782が繰り出され、紙基材層782の内面がわに、バリア層785(シリカ蒸着PET 12μm)が、溶融した中間の接着層784(EMAA 20μm)を中間に介在させて、押出ラミネート(サンドイッチラミネート)により積層された。
次に、バリア層785の紙基材層782の反対がわ(内面がわ)に、押出ラミネートにより、最内層の熱可塑性樹脂層783(LDPE 40μm)が形成されて、再びロール状に巻き上げられた。
また、各接合層間には接合力を向上させるための、必要に応じてアンカーコート処理、コロナ処理、フレーム処理(火炎処理)などを実施してもよい。あるいは、溶融した樹脂にオゾン処理などをしてもよい。
次に、ロール状の積層シート78が繰り出されて、罫線加工、及び打ち抜き加工などが施されて、ブランク板10が完成した。
チャック付き紙容器90の上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の内面に、ヒートシールされて取り付けられるチャックテープ61は、雄型チャックテープ61m及び雌型チャックテープ61fとも、ヒートシールされるチャックテープ体部62が2層の層構成である。
そのチャックテープ61は、チャック付き紙容器90にヒートシールされる面の樹脂層がLLDPEで形成され、その反対がわの面の樹脂層がMDPEで形成され、また、雄型チャックテープ嵌合部63m及び雌型チャックテープ嵌合部63fの嵌合部は、いずれもLLDPEで形成されたもので、チャックテープ体部62の幅がいずれも7mmのものを用いた。
裏がわブランク板10a及び表がわブランク板10bの寸法は、縦250mm、横189mmの矩形状で、周囲の端縁部にシール代として、両がわの側縁部11には幅7mmの側縁部がわシール代36が設けられた。
また、下がわの下縁部26にはそれぞれ幅が10mmの底部がわシール代37を設けられた。
また、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41の上縁部21には、幅3mmの上部シール部53のシール代が設けられた。
ブランク板10には、上縁部21から下がわ方向に順次、上部重ね合わせ板34、第一横折り曲げ線22、天面板33、第二横折り曲げ線23、壁面板31、第三横折り曲げ線24、底面板35がこの順に設けられた。
また、上部重ね合わせ板34の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、天部の側部板41が設けられた。さらに、天面板33の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、天部がわ突出部代38が設けられた。また、壁面板31の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、側面板32が設けられた。さらに、底面板35の両がわの外方には、第二縦折り曲げ線13を介して、底部がわ突出部代43が設けられた。
そして、上部重ね合わせ板34及び天部の側部板41には、2枚のブランク板10の内面同士の位置が合わされて重ね合された際に、上縁となる上縁部21から6mm下方の位置に、図2のように容器の開封指示手段として表がわ第一開封指示線511bが、チャック付き紙容器90の横断方向に、グラビア印刷で設けられた。
また、表がわ第一開封指示線511bの下がわで、天部フラップ45の内面に、チャック付き紙容器90を横断する方向に、チャックテープ61がヒートシールされた。ここで、表がわ第一開封指示線511bとチャックテープ61との間隔は、5mmであった。
また、上述した方法で、2枚のブランク板10の接合とチャックテープ61のヒートシール、側縁部がわシール代36のヒートシール、及び上部シール部53のヒートシールを行った後、表がわ第一開封指示線511bの右がわの表がわ側縁部11bがわに側縁滑り止め凹部771が設けられ、底部がわシール代37が未シール状態の中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が作製された。
次いで、この中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)91が、未シール状態の底部がわシール代37の開口部からマンドレルが差し込まれて、上部重ね合わせ板34が残されて、その下がわの天面板33が第一横折り曲げ線22により前後に広げられて、上部重ね合わせ板34が上方向に起立させられた。
上部重ね合わせ板34の下に天面板33による天部71と、さらに水平方向の断面(底面に略平行な平面)が略矩形状の胴部72が続き、底部73が略矩形状に開口する中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92が形成された。(図3参照)。
そして、重ね合わされた上部重ね合わせ板34が、裏がわ天面板33aがわに折り曲げられた。その後、天部71の左右両がわに連設された天部がわ突出部74が、胴部72へ接合された。その接合にはホットメルトが用いられた。
天部がわ突出部74が胴部72へ接合される際に、天部がわ突出部74の折り曲げ部76を介した、天部71と天部がわ突出部74とが成す角度を略直角に折り曲げた。但し、天部がわ突出部74が胴部72へ接合された後の折り曲げ部76は、直角に近い鈍角なることもあった。
上記のように形成された中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)92の底部73が上に向けられて、開口する底部73からスナック菓子が充填された。次いで、表裏両がわの壁面板31の下がわの部分の第三横折り曲げ線24が、山折りされた。
同時に、表裏及び左右両がわの側面板32の下がわの部分の第三横折り曲げ線24が、谷折りされた。そして、底面板35の左右両がわに備わる底部がわ突出部代43は、その内側に存在する底部がわ斜め折り曲げ線18が山折りされて、胴部72の下部にて左右の外がわ方向に突出した。そして、表裏両がわの底面板35は、壁面板31と略垂直に折り曲げられて、略一枚の平面状となった。
そして、表裏両がわの第四横折り曲げ線25が谷折りされると、底部がわシール代37は起立して、左右方向に伸びる平面の形状となった。そして、表がわ底部がわシール代37bの内面と、裏がわ底部がわシール代37aの内面とが重ね合わされて、表裏両がわの底部がわシール代37の外がわから、加熱されたヒーターバーにより加熱、加圧された。そして、両者は接合されて、内容物が充填されたチャック付き紙容器90が密封された。
次に、接合された底部がわシール代37は、裏がわ天面板33aに近づくように、後ろがわに倒された。
次に、底部がわ突出部75が、底面板35にホットメルトで接合された。そして、完成後の略直方体形状のチャック付き紙容器90の寸法が、幅が95mm、高さが120mm、奥行きが80mmとなるように形成した。このようにして、スナック菓子が充填された本実施例のチャック付き紙容器90の包装体が、200個作製された。
実施例のサンプルでは、天部の側部板41に設けられた側縁滑り止め凹部771から、使用者がカッターで表がわ第一開封指示線511bに沿って、天部フラップ45を切断すると、上部シール部53を切り取ることができた。
次に、表がわ開封指示線51bと表がわチャックテープ61bの間の表がわ開封掴み代57bと、裏がわ開封指示線51aと裏がわチャックテープ61aの間の裏がわ開封掴み代57aとを、使用者が手指で掴み、チャック付き紙容器の外がわ方向に拡げた。そして、チャックテープ61を解離することができて、そのため充分な大きさの取り出し用開口部56が確保できた。
上記のようにチャックテープ61が解離された実施例のチャック付き紙容器90の包装体について、内容物の取り出し適性、およびチャックテープ61による再封性をテストした。
チャックテープ61の嵌合が容易に解離されて、チャック付き紙容器90の上部が略全幅に渡って開口され、取り出し用開口部56が形成された。その取り出し用開口部56を経て、内部に充填されたスナック菓子を容易に取り出すことができた。
また、内容物の一部を取り出した後に、実施例のチャック付き紙容器90の包装体は、容易にチャックテープ61が再嵌合されて、再封された。そして、残りの内容物は適切に保存された。
さらに、第二実施形態から第十二実施形態のチャック付き紙容器90は、実施例と同様の積層シート78、組み立て手段でサンプルを作成できた。それらの外形は本実施例と同様であり、内容物の取り出し、保管も良好であった。
また、第十三実施形態と第十四実施形態のチャック付き紙容器90は、実施例と同様の積層シート78、組み立て手段でサンプルを作製できた。それらの外形は本実施例と同様であり、内容物の取り出し、保管も良好であった。内容物が少なくなり、全量を取り出す際には、表がわ第三開封指示線513bで天部フラップ45を切断することにより、チャックテープ61が切除されて、より大きな取り出し用開口部56が得られた。
さらに、第十五実施形態のチャックテープを有さない紙容器95は、本実施例のチャック付き紙容器90のチャックテープ61の接合工程を省略した紙容器であった。その他の積層シート78、組み立て手段等は実施例と同様の手段で、サンプルを作製できた。この形態では、第一開封指示線を切断した後に、紙容器を再封する手段がないので、比較的短期間に内容物を使い切る用途が望ましい。なお、チャックテープ61がないため、容器のコストダウンが図れる。
また、本開示のチャック付き紙容器90は、チャック付き紙容器90の全体の質量に対する紙の質量比率は、紙容器としての基準である51質量%以上を充分に満たすものであった。
10 ブランク板
10a 裏がわブランク板
10b 表がわブランク板
11 側縁部
12 第一縦折り曲げ線
13 第二縦折り曲げ線
14 第二縦折り曲げ仮想線
15 天部がわ突出部折り曲げ線
17 天部がわ斜め折り曲げ線
18 底部がわ斜め折り曲げ線
21 上縁部
22 第一横折り曲げ線
23 第二横折り曲げ線
24 第三横折り曲げ線
25 第四横折り曲げ線
26 下縁部
31 壁面板
32 側面板
33 天面板
34 上部重ね合わせ板
35 底面板
36 側縁部がわシール代
37 底部がわシール代
38 天部がわ突出部代
41 天部の側部板
43 底部がわ突出部代
45 天部フラップ
46 切除後天部フラップ
51 開封指示線
511 第一開封指示線
512 第二開封指示線
513 第三開封指示線
52 チャックテープ接合部
53 上部シール部
56 取り出し用開口部
57 開封掴み代
58 開口制限部
61 チャックテープ
63 チャックテープ嵌合部
71 チャック付き紙容器の天部
72 チャック付き紙容器の胴部
72d 胴部の稜部
73 チャック付き紙容器の底部
74 天部がわ突出部
76 天部がわ突出部の折り曲げ部
77 滑り止め凹部
771 側縁滑り止め凹部
772 上縁滑り止め凹部
78 積層シート
781 最外層の熱可塑性樹脂層
782 紙基材層
783 最内層の熱可塑性樹脂層
784 中間の接着層
785 バリア層
80 従来技術のチャック付き紙容器
81 ブランク板
81a 裏がわブランク板
81b 表がわブランク板
821 中間横折り曲げ線(半折り線)
831 壁面板
834 上部重ね合わせ板
841 天部の側部板
851 易開封加工線
856 取り出し用開口部
857 開封掴み代
861 チャックテープ
871 チャック付き紙容器の天部
872 チャック付き紙容器の胴部
874 天部がわ突出部
877 ノッチ
90 本開示のチャック付き紙容器
91 中間段階のチャック付き紙容器(平面状態)
92 中間段階のチャック付き紙容器(起函状態)
93 上部シール部が切除されたチャック付き紙容器
94 天部が開口されたチャック付き紙容器
95 紙容器
96 チャックテープが切除されたチャック付き紙容器

A チャックテープ接合箇所の拡大断面図の切断位置

E 第一天部交点(第一縦折り曲げ線と第一横折り曲げ線との交点)
F 第二天部交点(第二縦折り曲げ線と第二横折り曲げ線との交点)
G 第一底部交点(第一縦折り曲げ線と第四横折り曲げ線との交点)
H 第二底部交点(第二縦折り曲げ線と第三横折り曲げ線との交点)

Claims (20)

  1. 紙基材層を含む積層シートからなるブランク板が組み上げられる紙容器において、
    前記ブランク板は、少なくとも表がわブランク板と裏がわブランク板を含み、
    前記紙容器の上部に、前記表がわブランク板と前記裏がわブランク板とが重ね合わせて接合される上部重ね合わせ板、及び前記上部重ね合わせ板の下がわに連設される天面板とからなる天部と、
    前記上部重ね合わせ板の左右両がわに連設される天部の側部板と、
    前記天部の左右両がわに連設される天部がわ突出部と、
    前記天部の下がわに備わる胴部と、
    前記胴部の下がわに備わる底部と、
    前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板の上縁部若しくは前記上縁部の近傍に横方向に設けられる上部シール部と、
    前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板の上縁部、及び又は前記天部の側部板の側縁部に備わる滑り止め凹部と、
    前記滑り止め凹部若しくは前記滑り止め凹部の近傍を起端とし、前記滑り止め凹部が設けられる前記上縁部若しくは前記側縁部以外の、前記上縁部若しくは前記側縁部を終端とする開封指示線と、を備える
    紙容器。
  2. 前記開封指示線が設けられる箇所の積層シートの紙基材層の表面が平坦である請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記滑り止め凹部は、一方の前記側縁部に設けられる側縁滑り止め凹部であり、
    前記開封指示線は、前記側縁滑り止め凹部を起端とし、前記上縁部を終端とする請求項1または2に記載の紙容器。
  4. 前記開封指示線は、前記側縁滑り止め凹部を起端とし、上部重ね合わせ板の領域に終端を備える第一開封指示線と、
    前記第一開封指示線の終端を起端とし、前記上縁部を終端とする第二開封指示線と、を備える請求項3に記載の紙容器。
  5. 前記第一開封指示線の途中を起端とし、前記上縁部を終端とする第二開封指示線と、を備える請求項4に記載の紙容器。
  6. 前記滑り止め凹部は、一方の前記側縁部に設けられる側縁滑り止め凹部であり、
    前記開封指示線は、前記側縁滑り止め凹部を起端とし、他方の前記側縁部を終端とする請求項1または2に記載の紙容器。
  7. 前記滑り止め凹部は、一方の前記側縁部に設けられる側縁滑り止め凹部であり、
    前記開封指示線は、前記側縁滑り止め凹部を起端とし、他方の前記側縁部を終端とする第一開封指示線と、
    前記第一開封指示線の途中を起端とし、前記上縁部を終端する第二開封指示線とを含む請求項1または2に記載の紙容器。
  8. 前記滑り止め凹部は、前記上縁部に設けられる上縁滑り止め凹部であり、
    前記開封指示線は、前記上縁滑り止め凹部を起端とし、どちらか一方の前記側縁部を終端とする請求項1または2に記載の紙容器。
  9. 前記開封指示線は、前記上縁滑り止め凹部を起端とし、上部重ね合わせ板の領域に終端を備える第二開封指示線と、
    前記第二開封指示線の終端を起端とし、前記側縁部を終端とする第一開封指示線と、を備える請求項8に記載の紙容器。
  10. 前記上縁滑り止め凹部を起端とし、一方の前記側縁部を終端とする前記開封指示線と、他方の前記側縁部を終端とする前記開封指示線の少なくとも2本を備える請求項9に記載の紙容器。
  11. 前記第一開封指示線は直線であり、
    前記第二開封指示線は、前記第一開封指示線と接する曲線部を有し、前記曲線部の曲率半径は2mm以上である請求項4、5、7、9、10のいずれか一項に記載の紙容器。
  12. 2つ以上の前記上縁滑り止め凹部を備える請求項8から10のいずれか一項に記載の紙容器。
  13. 前記開封指示線の少なくとも1本の起端と終端の双方に、滑り止め凹部を備える請求項1から12のいずれか一項に記載の紙容器。
  14. 前記滑り止め凹部は、前記ブランク板の内方に向かって凸状となる曲線を含む請求項1から13のいずれか一項に記載の紙容器。
  15. 前記滑り止め凹部の前記曲線の曲率半径が1mm以上である請求項14に記載の紙容器。
  16. 前記滑り止め凹部は矩形状であり、前記ブランク板の内方の2つの角部は曲線となっている請求項1から13のいずれか一項に記載の紙容器。
  17. 前記滑り止め凹部の前記曲線の曲率半径が0.5mm以上である請求項16に記載の紙容器。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の紙容器において、
    前記上部シール部の下がわに、前記上部重ね合わせ板及び前記天部の側部板に、横方向に延びるチャックテープを備えるチャック付き紙容器。
  19. 前記チャックテープの上がわに、開封指示線を備える請求項18に記載のチャック付き紙容器。
  20. 前記チャックテープの下がわに、
    一方の天部の側部板の側縁部を起端として、他方の天部の側部板の側縁部を終端とする第三開封指示線を備える請求項19に記載のチャック付き紙容器。
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