JP7074869B2 - 環状エノールエーテル化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
下記一般式(II)で表される化合物を、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムおよびサマリウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒及び一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下において反応させて一般式(I)で表される化合物を得る工程を含む、製造方法に関する。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキル基である。]
前記得られた一般式(I)で表される化合物を、開環して、一般式(III)で表される化合物を得る工程を含む、一般式(III)で表される化合物の製造方法に関する。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキレン基である。]
マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムおよびサマリウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒の使用であって、
前記触媒は、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下での下記一般式(II)で表される化合物の下記一般式(I)で表される化合物への反応を触媒する使用に関する。
下記一般式(II)で表される化合物を、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムおよびサマリウムからなる群より選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒及び一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下において反応させて一般式(I)で表される化合物を得る工程を含む、一般式(I)で表される化合物の製造方法である。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキル基である。
前記得られた一般式(I)で表される化合物を、開環して、一般式(III)で表される化合物を得る工程を含む、一般式(III)で表される化合物の製造方法である。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキル基である。
前記触媒は、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下での下記一般式(II)で表される化合物の下記一般式(I)で表される化合物への反応を触媒する使用である。
前記式(I)、式(II)および式(III)において、基-A1-の「任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基」の「炭素数4以上16以下のアルキレン基」は、例えば、基-(CH2)4-、基-(CH2)5-、基-(CH2)6-、基-(CH2)7-、基-(CH2)8-、基-(CH2)9-、基-(CH2)10-、基-(CH2)11-、基-(CH2)12-、基-(CH2)13-、基-(CH2)14-、基-(CH2)15-、および基-(CH2)16-で表される。得られる一般式(I)の化合物を香料化合物の前駆体として利用する観点から、前記「炭素数4以上16以下のアルキレン基」としては、基-(CH2)4-、基-(CH2)6-、基-(CH2)8-、基-(CH2)10-、基-(CH2)12-、基-(CH2)14-、基-(CH2)16-が好ましく、基-(CH2)6-、基-(CH2)8-、基-(CH2)10-、基-(CH2)12-がより好ましい。
本発明において、前記金属触媒は、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムおよびサマリウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒である。前記金属触媒は、アルミニウム、ジルコニウム、およびチタニウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含むのが好ましい。前記金属触媒としては、アルミニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド、酸化ジルコニウム等が挙げられる。前記アルミニウムアルコキシドとしては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn-ブトキシド、アルミニウムsec-ブトキシド、アルミニウムtert-ブトキシド等が挙げられる。前記ジルコニウムを含む触媒としては、ジルコニア(二酸化ジルコニム)およびジルコニウムアルコキシドが挙げられる。前記ジルコニウムアルコキシドとしては、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウム(IV)イソプロポキシド、ジルコニウム(IV)n-プロポキシド、ジルコニウム(IV)n-ブトキシド、ジルコニウム(IV)sec-ブトキシド、ジルコニウム(IV)tert-ブトキシド等が挙げられる。触媒活性が高い(すなわち、反応速度が大きい、反応収率が高い)ため、前記金属触媒は、アルミニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドおよびチタニウムアルコキシドが好ましく、アルミニウムアルコキシドおよびジルコニウムアルコキシドがより好ましい。使用量が触媒量に低減できるため、前記金属触媒は、ジルコニウムアルコキシドが好ましく、ジルコニウム(IV)n-ブトキシド、ジルコニウムsec-ブトキシド、ジルコニウムtert-ブトキシドがより好ましい。工業的に入手が容易であるため、前記金属触媒は、ジルコニウム(IV)n-ブトキシドが好ましい。
本発明において、アルコールは、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールである。前記一級アルコールとしては、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、2-メチルプロパノール、1-ペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、1-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、3-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-メチルヘキサノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール等が挙げられる。前記二級アルコールとしては、価数に限定はなく、2級水酸基を1つ以上有するものであれば、特に限定されない。前記二級アルコールは、直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族基、芳香族基、および両者を併せ持ってもよい。前記二級アルコールとして、例えば、イソプロピルアルコール、2-ブタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、シクロペンタノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、シクロヘキサノール、3-メチルー2-ペンタノール、4-メチルー2-ペンタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、3-メチルー2-ヘキサノール、4-メチルー2-ヘキサノール、5-メチルー2-ヘキサノール、シクロヘプタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、シクロオクタノール、2-ノナノール、3-ノナノール、4-ノナノール、5-ノナノール等が挙げられる。前記二級アルコールとしては、昇温により反応速度が増大できるため、シクロヘキサノールおよび2-オクタノールが好ましい。
本発明において、式(II)の化合物を前記金属触媒及び前記アルコールの存在下において反応させて式(I)の化合物を得る工程は、例えば、80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、例えば280℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは190℃以下で行う。
本発明において、式(II)の化合物を前記金属触媒及び前記アルコールの存在下において反応させて式(I)の化合物を得る工程の反応時間は、例えば2時間~5日、好ましくは4時間~2日、生産コスト及び生産効率の観点から、より好ましくは6時間~24時間である。
本発明において、式(II)の化合物を前記金属触媒及び前記アルコールの存在下において反応させて式(I)の化合物を得る工程において、式(II)の化合物と前記アルコールのモル比〔式(II)の化合物:アルコール〕は、例えば1:1~1:100、好ましくは1:1~1:50、生産コスト及び生産効率の観点から、より好ましくは1:1.5~1:5である。
本発明において、式(II)の化合物を前記金属触媒及び前記アルコールの存在下において反応させて式(I)の化合物を得る工程は、添加物の存在下に行ってもよい。前記添加物としては、例えば、酸、ジオール、ジアミン、アミノアルコールが挙げられる。前記酸としては、例えば、リン酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸(TFA)等が挙げられる。前記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。前記ジアミンとしては、エチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-フェニレンジアミン等が挙げられる。前記アミノアルコールとしては、2-アミノエタノール、3-アミノプロパノール、2-アミノプロパノール、1-アミノ-2-プロパノール、バリノール、フェニルアラニノール等が挙げられる。前記添加物としては、反応時間を短縮できるという観点から、酸およびジオールが好ましく、TFAおよびEGがより好ましい。前記添加物として前記酸を用いる場合、前記金属触媒と前記酸とのモル比〔金属触媒:酸〕は、例えば、1:0.05~1:5、好ましくは1:1~1:3である。前記添加物として前記ジオールを用いる場合、前記金属触媒と前記ジオールとのモル比〔金属触媒:ジオール〕は、例えば、1:0.1~1:5、好ましくは1:1~1:3である。また、前記添加物として前記酸と前記ジオールを用いる場合、前記金属触媒と前記酸と前記ジオールとのモル比〔金属触媒:酸:ジオール〕は、例えば、1:0.1~5:0.1~5、好ましくは1:1~3:1~3である。
前記得られた一般式(I)で表される化合物を、開環して、一般式(III)で表される化合物を得る工程を含む、一般式(III)で表される化合物の製造方法である。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキル基である。
前記一般式(I)で表される化合物の製造方法における同工程と同様に行うことができる。
式(I)の化合物を開環する方法としては、酸存在下に開環する方法を挙げることができる。前記酸としては、例えば、硫酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸が挙げられ、取扱性及び反応収率の観点から、リン酸が好ましい。前記酸の量は、生産効率及び反応収率の観点から、式(I)の化合物と酸のモル比〔式(I)の化合物:酸〕が、好ましくは1:0.01~1:1、より好ましくは1:0.1~1:0.5である。
前記触媒は、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下での下記一般式(II)で表される化合物の下記一般式(I)で表される化合物への反応を触媒する使用である。
前記触媒は、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下での下記一般式(II)で表される化合物の下記一般式(I)で表される化合物への反応を触媒する使用であり、
前記触媒は、前記金属触媒がジルコニウムを含む金属触媒の場合、式(II)の化合物と前記金属触媒のモル比〔式(II)の化合物:金属触媒〕が、例えば1:0.001~1:1.5、好ましくは1:0.01~1:1.2、生産コストの観点から、より好ましくは1:0.05~1:1.1になるように使用する。また、前記触媒は、前記金属触媒がマグネシウム、アルミニウム、チタニウムおよびサマリウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒の場合、前記式(II)の化合物と前記金属触媒のモル比〔式(II)の化合物:金属触媒〕は、例えば、1:0.3~1:3、好ましくは、1:0.5~1:1.5、生産コストの観点から、より好ましくは1:0.8~1:1.2になるように使用する。
下記一般式(II)で表される化合物を、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムおよびサマリウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒及び一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下において反応させて一般式(I)で表される化合物を得る、製造方法。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキル基である。]
前記得られた一般式(I)で表される化合物を、開環して、一般式(III)で表される化合物を得る工程を含む、一般式(III)で表される化合物の製造方法。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキレン基である。]
前記触媒は、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下での下記一般式(II)で表される化合物の下記一般式(I)で表される化合物への反応を触媒する使用。
GC装置:Agilent Technologies社製、型式:GC-6850
カラム:J&W社製、DB-1(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)
キャリアガス:He、1.5mL/min
注入条件:300℃、スプリット比100/1
打込み量:1μL
検出条件:FID方式、300℃
カラム温度条件:80℃→10℃/分昇温→300℃10分間保持
以下の実施例、実験例等で得られた各化合物は、別途製造した化合物とGC(ガスクロマトグラフィー)により同一化合物であることを確認した。別途製造した化合物は、特公昭56-46881に記載の方法に従い、製造した。
実施例1~9における原料転化率は、次の式に従って算出した。なお、原料は3-メチルシクロペンタデカ-1,5-ジオン(II-1)である。
原料転化率=
(反応開始時の原料純度〔GC面積%〕-反応終点の原料純度〔GC面積%〕)÷
(反応開始時の原料純度〔GC面積%〕)×100
実施例1~9における原料選択率は、次の式に従って算出した。なお、原料は3-メチルシクロペンタデカ-1,5-ジオン(II-1)であり、エノールエーテルは、14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)である。
反応選択率=(エノールエーテルの純度〔GC面積%〕)÷(100-原料純度〔GC面積%〕)×100
実施例10~11における原料転化率は、次の式に従って算出した。なお、ジケトンは3-メチルシクロペンタデカ-1,5-ジオン(II-1)である。
原料転化率=
(仕込みジケトン量〔mol〕―蒸留後得られたジケトン量〔mol〕)÷(仕込みジケトン量〔mol〕)×100
*(蒸留後得られたジケトン量〔mol〕)=(留分重量〔g〕)×(純度〔GC面積%〕)÷分子量〔g/mol〕
実施例10~11における原料選択率は、次の式に従って算出した。なお、ジケトンは3-メチルシクロペンタデカ-1,5-ジオン(II-1)であり、得られたエノールエーテルは、14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)である。
反応選択率=
(蒸留後得られたエノールエーテル量〔mol〕)÷(転化ジケトン量〔mol〕)×100
*(蒸留後得られたエノールエーテル量〔mol〕)=(留分重量〔g〕)×(純度〔GC面積%〕)÷分子量〔g/mol〕
3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)の合成
メカニカルスターラー、温度計、セプタム、および窒素ラインを取り付けた1L四口フラスコに、オルトタングステン酸(5.20g、20.8mmol,0.05eq.)および60質量%過酸化水素水(59.0g、1.04mol,2.50eq.)を加え、室温で反応混合物を20分間撹拌した。前記混合物へ、t-ブチルアルコール(350g)および14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン(100g、41.6mmol)を加え、40℃にて24時間反応を行った。反応終了後、氷冷下10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液(150ml)を反応混合物へ加えてクエンチし、そこへ水(100ml)およびヘキサン(100ml)を加え分層した。水層をヘキサン(100ml)で抽出し、合わせた有機層を10質量%水酸化カリウム水溶液(50ml)で2回洗浄したのち、減圧下溶媒を留去することで、3-メチルシクロペンタデカンー1,5-ジオン(II-1)を主成分とする粗生成物99.0gを得た。生成物中の化合物質量をガスクロマトグラフィー内標定量分析法により測定した結果、3-メチルシクロペンタデカンー1,5-ジオン(II-1)の純度は51.8%であった。
30ml二口フラスコに、3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(252mg、純度100%、1mmol)、アルミニウムイソプロポキシド(306mg、1.05mmol,1.05eq.)及びイソプロパノール(1.5ml)を加えた。前記フラスコにジムロート冷却管、およびセプタムキャップを装着した。ジムロート冷却管上部にて、窒素ブローを行った。前記フラスコをオイルバスにより110℃まで加熱し、8時間加熱還流下で反応を行い14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)を含む反応混合物を得た。反応混合物のGC測定により原料の消失を確認後、反応混合物を室温まで冷却した。GC分析の結果、原料転化率は100%、反応選択率は20%であった。
30ml二口フラスコに、アルミニウムイソプロポキシド(428mg、2.10mmol,1.05eq.)、トリフルオロ酢酸(46ml、0.60mmol,0.30eq.)及びイソプロパノール(1.5ml)を加えた。前記フラスコにジムロート冷却管、およびセプタムキャップを装着した。ジムロート冷却管上部にて、窒素ブローを行った。1時間室温で反応混合物を撹拌後、そこへ3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(504mg、純度100%、2.00mmol)を加えた。前記フラスコをオイルバスにより110℃まで加熱し、加熱還流下で反応を行い14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)を含む反応混合物を得た。GC測定により原料の消失を確認後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は100%、反応選択率は83%であった。
窒素ライン付きのジムロートとセプタムをつけた30ml二口フラスコに、3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(1.0g、純度100%、3.96mmol)、酸化ジルコニウム(ZRO-5)(第一希元素科学工業(株)製、500mg、4.1mmol,1.02eq.)、トリフルオロ酢酸(0.045g、0.40mmol,0.10eq.)及びイソプロパノール5gを加えた。その後、前記フラスコをオイルバスにより110℃まで加熱し、120時間加熱還流下で反応を行い14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)を含む反応混合物を得た。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は31%、反応選択率は24%であった。
イソプロパノールをシクロヘキサノールに変更し、温度110℃を180℃に変更し、反応時間120時間を72時間に変更した以外は、実施例3と同様に行った。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は92%、反応選択率は72%であった。
セプタムとジムロートつきのDean-Stark管を取り付けた30ml二口フラスコに、85%ジルコニウムn-ブトキシド(536mg、1.19mmol,0.10eq.)、トリフルオロ酢酸(136mg、1.19mmol,0.10eq.)及びイソプロパノール(10ml)を加えた。前記フラスコ内の混合物を室温下で5分撹拌した後に、3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(3.0g、純度100%、11.9mmol)を加えた。前記フラスコをオイルバスにより100℃まで加熱し、6時間加熱還流下で反応を行い14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)を含む反応混合物を得た。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は6%、反応選択率は100%であった。
イソプロパノールを2-ブタノールに変更し、温度100℃を120℃に変更した以外は、実施例5と同様にして行った。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は20%、反応選択率は99%であった。
イソプロパノールをシクロヘキサノールに変更し、温度100℃を180℃にした以外は、実施例5と同様にして行った。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は55%、反応選択率は99%であった。
セプタムとジムロートつきのDean-Stark管を取り付けた30ml二口フラスコに、85%ジルコニウムn-ブトキシド(536mg、1.19mmol,0.10eq.)、エチレングリコール(74mg、1.19mmol,0.10eq.)、トリフルオロ酢酸(272mg、1.19mmol,0.20eq.)及びシクロヘキサノール(10g、9.98mmol,8.40eq.)を加えた。前記フラスコ内の混合物を室温下で30分撹拌した後に、3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(3.0g、純度100%、11.9mmol)を加えた。前記フラスコをオイルバスにより180℃まで加熱し、7時間加熱還流下で反応を行い14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)を含む反応混合物を得た。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は92%、反応選択率は97%であった。
セプタムと窒素導入口および精留塔(10段スルーザーパッキンラボカラム)を取り付けた500ml三口フラスコに、シクロヘキサノール(60g、595mmol,1.00eq.)を加え、85%ジルコニウムn-ブトキシド(13.4g、29mmol,0.05eq.)、エチレングリコール(1.85g、29mmol,0.05eq.)、トリフルオロ酢酸(3.40g、29mmol,0.05eq)の順に添加した。前記フラスコ内の混合物を室温下5分撹拌した後に、3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(150g、純度100%、595mmol)を加えた。前記フラスコをオイルバスにより180℃まで加熱し、還流比40:1に設定して反応させた。反応開始後5時間後、反応混合物へシクロヘキサノール(30g、298mmol)を添加し、さらに4時間反応を行い14-メチル-16-オキサビシクロ[10.3.1]ヘキサデカ-12-エン(I-1)を含む反応混合物を得た。反応混合物のGC分析の結果、原料転化率は95%、反応選択率は99%であった。
温度計、セプタム、kiriyama pac(FR64-4-C、塔内径16mm、理論段数10段)、桐山小型分留ヘッド、分留器、および留分受器を取り付けた200ml三口フラスコに、シクロヘキサノール(30.9g、和光純薬工業株式会社、308mmol、5.00eq.)、85%ジルコニウムn-ブトキシド(2.78g、Wako、6.16mmol、0.10eq.)、製造例1記載の方法により調製した3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(30.0g、純度51.8%、61.6mmol)を加えた。窒素雰囲気下、前記フラスコをオイルバスにより加熱し、槽内温度を175℃、還流比80:2に設定して16時間反応を行った。反応終了後冷却し、反応混合物を200ml三口ヘルツに移し、キャピラリー管、温度計、kiriyama pac(FR64-4-C,塔内径16mm,理論段数10段)、桐山小型分留ヘッド、分留器、および留分受器を前記フラスコに取り付けた。窒素をキャピラリー管から吹き込みながら、真空ポンプおよび圧力調節機を用いて前記フラスコ内を減圧し、1.0torrまで減圧した。その後還流比を20:1に設定し、オイルバスを用いて内温を室温から180℃まで段階的に昇温しながら前記反応混合物の精留を行った。留分は数フラクションに分けて回収し、各フラクションをガスクロマトグラフィーで分析した。留出が止まった後、冷却後減圧を解除し操作を停止した。各フラクションのGC分析の結果、原料転化率は90%、反応選択率は95%であった。
温度計、セプタム、kiriyama pac(FR64-4-C、塔内径16mm、理論段数10段)、桐山小型分留ヘッド、分留器、および留分受器を取り付けた200ml三口フラスコに、2-オクタノール(38.9g、TCI,293mmol,5.00eq.)、85%ジルコニウムn-ブトキシド(2.69g、5.97mmol,0.10eq.)、製造例1記載の方法により調製した3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオン(II-1)(29.1g、純度51.8%、59.7mmol)を加えた。窒素雰囲気下、前記フラスコをオイルバスにより加熱し、槽内温度を190℃、還流比80:2に設定して14.5時間反応を行った。反応終了後冷却し、反応混合物を200ml三口ヘルツに移し、キャピラリー管、温度計、kiriyama pac(FR64-4-C、塔内径16mm、理論段数10段)、桐山小型分留ヘッド、分留器、および留分受器を前記フラスコに取り付けた。窒素をキャピラリー管から吹き込みながら、真空ポンプおよび圧力調節機を用いて前記フラスコ内を減圧し、1.0torrまで減圧した。その後還流比を20:1に設定し、オイルバスを用いて内温を室温から180℃まで段階的に昇温しながら前記反応混合物の精留を行った。留分は数フラクションに分けて回収し、各フラクションをガスクロマトグラフィーで分析した。留出が止まった後、冷却後減圧を解除し操作を停止した。各フラクションのGC分析の結果、原料転化率は99%、反応選択率は85%であった。
Claims (14)
- 下記一般式(I)で表される化合物の製造方法であって、
下記一般式(II)で表される化合物を、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタニウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒及び一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下において反応させて一般式(I)で表される化合物を得る工程を含む、製造方法。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキル基である。] - 前記金属触媒が、アルミニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドおよびチタニウムアルコキシドからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記基-A1-は、炭素数6以上14以下のアルキレン基である請求項1または2に記載の製造方法。
- R1は、炭素数1以上3以下のアルキル基である請求項1~3いずれか一項に記載の製造方法。
- 前記アルコールが、二級アルコールを含む請求項1~4いずれか一項に記載の製造方法。
- 前記アルコールの沸点が、100℃以上である請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記二級アルコールが、シクロヘキサノールまたは2-オクタノールである請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 反応温度が100℃以上250℃以下である請求項1~7いずれか一項に記載の製造方法。
- 式(II)の化合物と前記アルコールのモル比〔式(II)の化合物:アルコール〕が、1:1~1:50である請求項1~8いずれか一項に記載の製造方法。
- 前記金属触媒がジルコニウムを含む金属触媒の場合、式(II)の化合物と前記金属触媒のモル比〔式(II)の化合物:金属触媒〕が、1:0.01~1:1.2であり、
前記金属触媒が、アルミニウムおよびチタニウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒の場合、式(II)の化合物と前記金属触媒のモル比〔式(II)の化合物:金属触媒〕が、1:0.5~1:1.5である請求項1~9いずれか一項に記載の製造方法。 - 一般式(II)の化合物を前記金属触媒及び前記アルコールの存在下において反応させて一般式(I)の化合物を得る工程を、酸およびジオールから選ばれる1種以上の添加物の存在下で行う、請求項1~10いずれか一項に記載の製造方法。
- 前記酸はトリフルオロ酢酸であり、前記ジオールはエチレングリコールである、請求項11に記載の製造方法。
- 下記一般式(II)で表される化合物を、アルミニウム、ジルコニウム、およびチタニウムからなる群より選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒及び一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下において反応させて一般式(I)で表される化合物を得る工程、
前記得られた一般式(I)で表される化合物を、開環して、一般式(III)で表される化合物を得る工程を含む、一般式(III)で表される化合物の製造方法。
基―A1―(ただし、先の結合手は炭素原子C1と結合する結合手を意味し、後の結合手は炭素原子C2と結合する結合手を意味する)は、任意にヘテロ原子を含んでもよく、任意に置換基を有していてもよい炭素数4以上16以下のアルキレン基であり、
R1は水素または、炭素数1以上6以下のアルキレン基である。] - アルミニウム、ジルコニウム、およびチタニウムからなる群から選択される1つ以上の金属元素を含む金属触媒の使用であって、
前記触媒は、一級アルコールおよび二級アルコールからなる群から選択される1つ以上を含むアルコールの存在下での下記一般式(II)で表される化合物の下記一般式(I)で表される化合物への反応を触媒する使用。
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