JP6502884B2 - 3−メチルシクロアルケノン類の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば香料中間体等として有用な3−メチルシクロアルケノン類の製造方法に関する。
従来、3−メチルシクロアルケノン類としては、香料として有用なムスコンの合成中間体である3−メチルシクロペンタデセノンが知られている。
このような香料の合成中間体の製造方法としては、シクロドデカトリエンを過酸化物によるエポキシ化、および、それに続く転位反応によって12員環の環状不飽和エノンである(E,E)−4,8−シクロドデカジエン−1−オンを製造する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、8から16員環の環状アルケンを原料とし、一酸化二窒素を用いて酸化反応を行うことによって、環状不飽和ケトンを製造する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、触媒として酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムのいずれかを用いて2,15−ヘキサデカンジオンを分子内環化させて、3−メチルシクロペンタデセノン類を製造する方法がある(例えば、特許文献3参照。)。
特表2014−520130号公報 特表2012−516301号公報 国際公開第2010/109650号
ここで、大環状アルカノン類は環の炭素数が異なるとその香気も変化するため、ムスコン合成中間体である3−メチルシクロペンタデセノンと環の炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン類は、産業上有用な新たな香料の合成中間体として期待されている。
しかしながら、上述の特許文献1ないし3では、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノンについて記載されておらず不明である。
具体的には、特許文献1の方法では、ブタジエン3量体である(E,E,E)−1,4,8−シクロドデカトリエンという12員環化合物を予め原料に用いることから、12員環化合物以外を製造できない。また、m−クロロ過安息香酸という一般的に高価な過酸化物を化学量論量使用することから、コストが上昇し経済的ではない。
特許文献2の方法では、8から16員環の環状アルケンを原料に用い、日本で指定薬物である特殊な一酸化二窒素を酸化剤に用いており、工業的ではない。
また、原料である環状アルケンの製造方法として、シクロオクテンやシクロヘプテンの複分解によって得られることが例示されているが、酸化レニウム等を担持した触媒を使用する必要がある。このレニウムは、レアメタルの一種であり、非常に高価である。そのため、コストが上昇し経済的ではない。
特許文献3の方法は、2,15−ヘキサデカンジオンのみを原料に用いた気相分子内縮合反応であり、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン化合物については不明である。
そして、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン化合物に関する技術については、あまり明らかにされていないのが現状である。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン類を経済的に製造できる3−メチルシクロアルケノン類の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載された3−メチルシクロアルケノン類の製造方法は、BET比表面積が10m /g以下の酸化亜鉛を触媒として用いて、
CHCO(CHCOCHの化学式で示され、nが7ないし11、13および14の整数である脂肪族ジケトンの原料分圧を50mmH O以上500mmH O以下とした状態で行う気相での分子内縮合反応により、化学式(1)で示され、nが7ないし11、13および14の整数である3−メチルシクロアルケノン類を製造するものである。
Figure 0006502884
本発明によれば、脂肪族ジケトンの分子内縮合反応を行うため、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン類を経済的に製造できる。
以下、本発明に係る一実施の形態の3−メチルシクロアルケノン類の製造方法を説明する。
3−メチルシクロアルケノン類は、触媒を充填した反応管へ、原料である脂肪族ジケトン類を導入し、分子内縮合反応を行うことにより得られる。
3−メチルシクロアルケノン類は、化学式(1)で示される。なお、この化学式におけるnは、7ないし11、13および14の整数である。
Figure 0006502884
原料である脂肪族ジケトン類は、CHCO(CHCOCHの化学式で示される。なお、この化学式におけるnは、7ないし11、13および14の整数である。
なお、脂肪族ジケトン類としては、例えば脂肪族ジヨウ化物とケトン類とを無機アルカリ化合物の存在下にて反応させる脂肪族ジケトンの製造方法にて製造される脂肪族ジケトンを用いてもよい。
また、上述のような脂肪族ジケトン類を用いて分子内縮合反応により3−メチルシクロアルケノン類を製造する際には、原料である脂肪族ジケトン類は、触媒を充填した反応管へ気相であるガス状に導入して、気相で分子内縮合反応を行うことが好ましい。
触媒は、元素周期律表第2族の金属酸化物であり、特に、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化亜鉛が好ましい。
これらの触媒としての金属酸化物は、単独で用いても混合物を用いてもよく、さらに、反応に不活性な成型剤とともに用いてもよい。
なお、触媒の形状は、通常はペレットまたは錠剤であるが、これらには限定されず、適宜変更可能である。
このような触媒は、BET比表面積が10m/gより大きいと、原料である脂肪族ジケトン類が触媒上で分子間縮合反応しやすくなり、収率の低下を招く可能性がある。したがって、触媒は、BET比表面積が10m/g以下であると、工業的に十分な収率を確保できるとともに、触媒の劣化を抑制できるので好ましい。
分子内縮合反応では、副反応として生じる分子間縮合反応を抑制するために、溶媒または不活性ガスが用いられ、原料の脂肪族ジケトン類は、溶媒に溶解し、不活性ガスのキャリア下にて、蒸発管または蒸発缶等の蒸発部にて気化させた後、触媒を充填した反応管へ導入されることが好ましい。
溶媒としては、通常では炭化水素類が用いられ、特に、炭素数6〜14の炭化水素類が好適であるが、反応に不活性なものであれば適宜用いることができる。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、デカリン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンおよびテトラデカン等を溶媒として用いることができる。なお、溶媒の使用量は、多過ぎると経済的ではなく、少な過ぎると副反応を抑制できなくなる。
不活性ガスとしては、例えば二酸化炭素および窒素等が用いられるが、反応に不活性なものであれば適宜用いることができる。なお、不活性ガスの使用量は、多過ぎると経済的ではなく、少な過ぎると副反応を抑制できなくなるので、通常は、原料の脂肪族ジケトン類1gに対して、0.2L以上20L以下で不活性ガスが用いられる。
分子内縮合反応では、原料である脂肪族ジケトン類の原料分圧が500mmHOを超えると、原料である脂肪族ジケトンの触媒上での分子間縮合反応が多くなり収率低下を招く。一方、脂肪族ジケトン類の原料分圧が50mmHO未満であると、原料である脂肪族ジケトンの濃度が薄くなり、収量が低下して経済的ではない。したがって、分子内縮合反応では、原料である脂肪族ジケトン類の原料分圧が50mmHO以上500mmHO以下であると好ましい。
蒸発部の温度は、通常は200℃以上350℃以下の範囲で調整されるが、この範囲に限定されず、原料である肪族ジケトン類が全量気化する温度であればよい。
反応温度は、低過ぎると反応が進行しにくく、高過ぎると分解反応が生じるので、通常は300℃以上400℃以下の範囲で管理するが、350℃以上380℃以下の範囲で管理するとより好ましい。
原料である脂肪族ジケトン類の触媒への導入速度は、速過ぎると脂肪族ジケトン類の転化率が低下し、遅過ぎると副反応が多くなって、3−メチルシクロアルケノン類の選択率の低下および触媒活性の低下が生じる。そのため、通常は、原料の脂肪族ジケトン類のLHSVが0.002以上0.10以下の範囲で調整する。
分子内縮合反応での原料の脂肪族ジケトン類の転化率は、高いほど目的物である3−メチルシクロアルケノン類の選択率が低下し、低いほど目的物である3−メチルシクロアルケノン類の選択率は向上するものの、低過ぎると経済的ではないので、40%以上80%以下とすることが好ましい。
反応中は、反応時間の経過とともに触媒活性が徐々に低下するが、反応温度を徐々に上昇させることにより、触媒再賦活化までの触媒使用時間を長くすることができるので好ましい。
なお、反応温度を380℃まで上昇させても3−メチルシクロアルケノン類の選択率が上がらなくなり、触媒活性が低下してきた時点で原料の供給を停止し、触媒の再賦活化を行う。
触媒の再賦活化は、触媒層への空気または酸素を導入し、触媒層に蓄積した高沸点副生成物を焼却除去するものである。なお、触媒層への空気の導入速度は適宜設定できる。また、再賦活化の温度は400℃以上であり、好ましくは450℃以上500℃以下である。
反応生成物は、20℃以上60℃以下の範囲で捕集することにより液状で得られる。なお、この反応生成物の主組成物は、使用した溶媒、3−メチルシクロアルケノン類および未反応脂肪族ジケトン類である。
また、得られた液状の反応生成物(反応生成液)を更に冷却することにより、未反応脂肪族ジケトン類の大部分を晶出分離できる。なお、回収した未反応脂肪族ジケトン類は循環利用可能である。
未反応ジケトン類の大部分を分離した後の3−メチルシクロアルケノン類含有液からは、蒸留等での分離により、容易に3−メチルシクロアルケノン類を取得できる。
このように、脂肪族ジケトンの分子内縮合反応で得られる3−メチルシクロアルケノン類とは、(E)−3−メチル−2−シクロアルケノン、(Z)−3−メチル−2−シクロアルケノン、(E)−3−メチル−3−シクロアルケノン、(Z)−3−メチル−3−シクロアルケノン、および、3−メチレン−シクロアルカノンであり、少なくとも(E)−3−メチル−2−シクロアルケノンおよび(Z)−3−メチル−2−シクロアルケノンを含有している。
そして、上記3−メチルシクロアルケノン類の製造方法によれば、脂肪族ジケトン類を分子内縮合反応により3−メチルシクロアルケノン類にするため、出発原料として2,15−ヘキサデカンジオンとは炭素鎖の数が異なる脂肪族ジケトンを用いて、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン類を製造できる。すなわち、例えば特殊な溶媒や設備等を用いず、特殊な処理等行わなくても、3−メチルシクロペンタデセノンとは炭素数が異なる3−メチルシクロアルケノン類を経済的に製造できる。
特に、気相縮合反応により3−メチルシクロアルケノン類を製造することにより、特殊な溶媒を使用する必要がなく、また、分子間縮合反応を抑制するために大希釈にする必要等がないので、容易かつ経済的に3−メチルシクロアルケノン類を製造できる。
また、触媒として、元素周期律表第2族の単成分の金属酸化物である酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化亜鉛のうちの少なくとも1種を用いることにより、これらの化合物は一般的に入手しやすく、分子内縮合反応を安定して進行できるので、経済的に3−メチルシクロアルケノン類を製造できる。
さらに、BET比表面積が10m/g以下の触媒を用いることにより、触媒上での分子間縮合反応の増加による収率の低下を抑制できるとともに、触媒の劣化を抑制できるので、分子内縮合反応により3−メチルシクロアルケノン類を効率的に製造できる。
また、原料である脂肪族ジケトン類の原料分圧が50mmHO以上500mmHO以下であることにより、触媒上での分子間縮合反応の増加による収率の低下を抑制できるとともに、脂肪族ジケトンの濃度低下による収量の低下を抑制できる。
さらに、上述の分子内縮合反応による3−メチルシクロアルケノン類の製造方法では、未反応脂肪族ジケトン類を回収しやすいため、この回収した未反応脂肪族ジケトン類を循環利用することにより、原料である脂肪族ジケトン類を無駄なくし使用でき、より経済的に3−メチルシクロアルケノン類を製造できる。
以下、本実施例および比較例について説明する。
まず、参考として、3−メチルシクロアルケノン類の製造に用いる脂肪族ジケトン類の製造について説明する。
撹拌機、温度計および還流冷却器を付した2Lの三ツ口フラスコに、1,6−ジヨードヘキサン169g(0.5モル)、アセト酢酸エチル520g(4モル)、エタノール1Lおよび炭酸カリウム89.8(0.65モル)を秤取し、全還流下にて4時間反応を行った。
反応終了後、溶媒として使用したエタノールを留去し、室温へ冷却して5%硫酸700mLを添加し分液した。
分液後、上層の有機層の減圧蒸留により過剰に用いたアセト酢酸エチルを留去し、ジエチル−2,9−ジアセチル−1,10−デカンジオエート含有油状物を204g得た。
上述のように得られた油状物の全量および10%水酸化ナトリウム水溶液800g(2モル)を、撹拌機、温度計および還流冷却器を付した2L三ツ口フラスコに加え、室温にて5時間撹拌後、50%硫酸210gを添加し3時間全還流して脱炭酸反応を行った。
脱炭酸反応終了後、室温まで冷却し、固形物を濾過および水洗後、乾燥させて微黄色の結晶97.4gを得た。得られた結晶の組成をガスクロマトグラフィにて分析した結果、1,6−ジヨードヘキサンの濃度が0質量%であり、2,11−ドデカンジオンの濃度が90質量%であった。
したがって、1,6−ジヨードヘキサンの転化率は100%で、2,11−ドデカンジオンの選択率は89%となり、仕込み1,6−ジヨードヘキサンに対する2,11−ドデカンジオンの収率は89%であった。
また、得られた粗2,11−ドデカンジオンの全量を90%エタノールを用いて再結晶精製し、純度99.5%以上の精製2,11−ドデカンジオン79gを得た。
そして、以下の各実施例のように、触媒の存在下にて、上述のように製造した2,11−ドデカンジオンを気相で分子内縮合反応を行い、3−メチルシクロウンデセノン類を製造した。
[実施例1]
22mmφ、長さ40cmカラムにおいて、3〜4mmφの磁製ラシヒ40mLを上部に充填し、触媒としてBET比表面積が5.2m/gの酸化亜鉛ペレット(3〜5mmφ)60mLを下部に充填し、ラシヒ層温度が315℃となり、触媒層温度が360℃となるように加熱した。
この加熱したカラムへ、不活性ガスとしての窒素(3L/時間)キャリア下にて、4質量%の2,11−ドデカンジオンを溶解したn−ヘプタン溶液を25g/時間の速度で導入して分子内縮合反応を行った。なお、2,11−ドデカンジオン原料分圧は130mmHOであった。また、反応生成物を30〜50℃へ冷却して捕集した。
そして、6時間の連続反応を行い、反応生成液をガスクロマトグラフィにて分析したところ、2,11−ドデカンジオンの転化率は78%であり、3−メチルシクロウンデセノン類の選択率は74%であった。
よって、仕込みの2,11−ドデカンジオンに対する3−メチルシクロウンデセノン類の収率は、58%であった。
参考例1および参考例2
触媒として元素周期律表第2族の化合物である酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして反応を行った。これら実施例1、参考例1および2の結果を表1に示す。
Figure 0006502884
[実施例ないし実施例
脂肪族ジケトン類として、2,11−ドデカンジオン以外の脂肪族ジケトンを用いたこと、および、脂肪族ジケトンを溶解した溶媒を変更した以外は、上記実施例1と同様にして反応を行った。これら実施例ないし実施例の結果を表2に示す。
Figure 0006502884
[実施例
3〜4mmφの磁製ラシヒ50mL充填管(22mmφ、長さ30cm)であるラシヒ充填管を上部に設置し、触媒としてBET比表面積6.1m/gの3〜5mmφ酸化亜鉛ペレット80mL充填管(22mφ、長さ40cm)である触媒充填管を下部に配置し、ラシヒ充填管を320℃に加熱し、触媒充填管を360℃に加熱した。
また、ラシヒ充填管へ窒素(3L/時間)キャリア下にて、4質量%の2,11−ドデカンジオンを溶解したn−ヘプタン溶液を30g/時間の速度で導入して分子内縮合反応を行った。なお、2,11−ドデカンジオン原料分圧は150mmHOであった。また、反応生成物を30〜50℃へ冷却して捕集した。
そして、10時間の連続反応を行い、反応生成液をガスクロマトグラフィにて分析したところ、2,11−ドデカンジオンの転化率は76%であり、3−メチルシクロウンデセノン類の選択率は80%であった。
よって、仕込みの2,11−ドデカンジオンに対する3−メチルシクロウンデセノン類の収率は、61%であった。
反応終了後、ラシヒ充填層および触媒充填層を点検したところ、ラシヒ層にタール状物が付着し、触媒層は上部が白色から灰色へ変色していた。
また、ラシヒ充填層および触媒充填層を450〜500℃へ加熱し、空気を0.5L/分の速度で導入して、タール状物の焼却および触媒の再賦活化を行った後、再度上述の分子内縮合反応を行った。
そして、反応生成液をガスクロマトグラフィにて分析したところ、2,11−ドデカンジオンの転化率は、75%であり、3−メチルシクロウンデセノン類の選択率は79%であった。
よって、仕込みの2,11−ドデカンジオンに対する3−メチルシクロウンデセノン類の収率は、59%であった。
このような、再賦活化を伴う反応を繰り返し、合計5回の反応を行ったが、触媒の活性低下は認められず、5回目の反応における反応生成液をガスクロマトグラフィにて分析したところ、2,11−ドデカンジオンの転化率は76%であり、3−メチルシクロウンデセノン類の選択率は80%であった。
よって、仕込みの2,11−ドデカンジオンに対する3−メチルシクロウンデセノン類の収率は、61%であった。
[比較例1]
22mmφ、長さ40cmのカラムにおいて、3〜4mmφの磁製ラシヒ40mLを上部に充填し、触媒としてBET比表面積31.2m/gの酸化亜鉛ペレット(3〜5mmφ)60mLを下部に充填し、ラシヒ層温度が315℃となり、触媒層温度が360℃となるように加熱した。
この加熱したカラムへ、不活性ガスとしての窒素(3L/時間)キャリア下にて、4質量%2,11−ドデカンジオンを溶解したn−ヘプタン溶液を25g/時間の速度で導入して分子内縮合反応を行った。なお、2,11−ドデカンジオン原料分圧は140mmHOであった。また、反応生成物を30〜50℃へ冷却して捕集した。
そして、6時間の連続反応を行い、反応生成液をガスクロマトグラフィにて分析したところ、2,11−ドデカンジオンの転化率は89%であり、3−メチルシクロウンデセノン類の選択率は38%であった。
よって、仕込みの2,11−ドデカンジオンに対する3−メチルシクロウンデセノン類の収率は、34%であった。
[比較例2および比較例3]
触媒として元素周期律表第2族の化合物である酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムを用いたこと以外は、上記比較例1と同様にして反応を行った。これら比較例1ないし比較例3の結果を表3に示す。
Figure 0006502884
[比較例4および比較例5]
脂肪族ジケトン類として、2,11−ドデカンジオン以外の脂肪族ジケトンを用いたこと、および、脂肪族ジケトンを溶解した溶媒を変更した以外は、上記比較例1と同様にして反応を行った。これら比較例4および比較例5の結果を表4に示す。
Figure 0006502884

Claims (1)

  1. BET比表面積が10m /g以下の酸化亜鉛を触媒として用いて、CHCO(CHCOCHの化学式で示され、nが7ないし11、13および14の整数である脂肪族ジケトンの原料分圧を50mmH O以上500mmH O以下とした状態で行う気相での分子内縮合反応により、
    化学式(1)で示され、nが7ないし11、13および14の整数である3−メチルシクロアルケノン類を製造する
    Figure 0006502884
    ことを特徴とする3−メチルシクロアルケノン類の製造方法
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