JP2009137876A - カルボニル基含有化合物及び大環状ケトンの製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大環状ケトンの原料等として有用なカルボニル基含有化合物を、入手しやすい原料から温和な条件下で効率よく製造できる方法を提供する。
【解決手段】周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、R1R2CH−CO−Y(式中、R1、R2、Yは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。R1、R2及びYのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるカルボニル基含有化合物と、HOCH2(CH2)nCH2OH(式中、nは5以上の整数を示す)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
(式中、R1、R2、Y、nは前記に同じ)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を生成させる。
【選択図】なし
【解決手段】周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、R1R2CH−CO−Y(式中、R1、R2、Yは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。R1、R2及びYのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるカルボニル基含有化合物と、HOCH2(CH2)nCH2OH(式中、nは5以上の整数を示す)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
(式中、R1、R2、Y、nは前記に同じ)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を生成させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、周期表7〜9族元素化合物触媒を用いたカルボニル基含有化合物の製造法及び大環状ケトンの製造法に関する。より詳細には、周期表7〜9族元素化合物触媒を用いて、α位に水素原子を有するカルボニル基含有化合物と炭素数7以上のアルキレングリコールから、アルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を製造する方法、及びこのようにして得られたカルボニル基含有化合物をさらに大環状ケトンに誘導する大環状ケトンの製造法に関する。
炭素数の多いアルキレン鎖の両末端部位にアセチル基、シアノ基、エステル基等を有する化合物は、分子内縮合反応を利用することにより環化し、さらに水素添加反応、加水分解反応等の適宜な反応に付すことにより、香料等として有用な大環状ケトンに導くことができる(非特許文献1、2、3参照)。しかし、上記炭素数の多いアルキレン鎖の両末端部位にアセチル基やシアノ基、エステル基等を有する化合物を、安価な原料から温和な条件下で効率よく製造する方法は少ない。また、従来、入手しやすい原料からワンポットで大環状ケトンを得ることは困難であった。
Tetrahedron Letters, No.24, 2257(1979)
Synthesis, 1999, No.10, 1707
Tetrahedron, 58, (2002), 8269
本発明の目的は、香料等として利用される大環状ケトンの原料等として有用なカルボニル基含有化合物を、入手しやすい原料から温和な条件下で効率よく製造できる方法を提供することにある。本発明の他の目的は、香料等として利用される大環状ケトンを、入手しやすい原料から短い工程で効率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の触媒を用いてα位に水素原子を有するカルボニル基含有化合物と炭素数7以上のアルキレングリコールとを反応させると、前記カルボニル基含有化合物のα位がアルキル化され、長鎖アルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物が温和な条件下で簡易に得られること、及びこの反応を利用することにより香料等に利用される大環状ケトンを短い工程で工業的に効率よく製造できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、下記式(1)
(式中、R1、R2、Yは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。R1、R2及びYのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい)
で表されるカルボニル基含有化合物と、下記式(2)
(式中、nは5以上の整数を示す)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
(式中、R1、R2、Y、nは前記に同じ)
で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を生成させることを特徴とするカルボニル基含有化合物の製造法を提供する。
で表されるカルボニル基含有化合物と、下記式(2)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を生成させることを特徴とするカルボニル基含有化合物の製造法を提供する。
前記式(1)で表されるカルボニル基含有化合物として、下記式(1a)
で表されるアセトンを用いることにより、下記式(3a)
(式中、nは5以上の整数を示す)
で表されるジケトン化合物を生成させることができる。
で表されるジケトン化合物を生成させることができる。
また、前記式(1)で表されるカルボニル基含有化合物として、下記式(1b)
(式中、R3は炭化水素基を示す。Xはシアノ基又は−CO2R4を示す。前記R4は炭化水素基を示す)
で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルを用いることにより、下記式(3b)
(式中、nは5以上の整数を示す。R3、Xは前記に同じ)
で表される化合物を生成させることができる。
で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルを用いることにより、下記式(3b)
で表される化合物を生成させることができる。
本発明は、また、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、下記式(1)
(式中、R1、R2、Yは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。R1、R2及びYのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい)
で表されるカルボニル基含有化合物と、下記式(2)
(式中、nは5以上の整数を示す)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
(式中、R1、R2、Y、nは前記に同じ)
で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を得、該式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体を分子内縮合反応に付す工程を含む大環状ケトンの製造法を提供する。
で表されるカルボニル基含有化合物と、下記式(2)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を得、該式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体を分子内縮合反応に付す工程を含む大環状ケトンの製造法を提供する。
この大環状ケトンの製造法において、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、下記式(1a)
で表されるアセトンと、下記式(2)
(式中、nは5以上の整数を示す)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3a)
(式中、nは前記に同じ)
で表されるジケトン化合物を得、該ジケトン化合物を分子内縮合反応、次いで水素添加反応に付して、下記式(4a)
(式中、nは前記に同じ)
で表される大環状ケトンを得ることができる。
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3a)
で表されるジケトン化合物を得、該ジケトン化合物を分子内縮合反応、次いで水素添加反応に付して、下記式(4a)
で表される大環状ケトンを得ることができる。
また、前記大環状ケトンの製造法において、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、下記式(1b)
(式中、R3は炭化水素基を示す。Xはシアノ基又は−CO2R4を示す。前記R4は炭化水素基を示す)
で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルと、下記式(2)
(式中、nは5以上の整数を示す)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3b)
(式中、R3、X、nは前記に同じ)
で表される化合物を得、該化合物を加水分解反応、次いで脱炭酸反応に付して、下記式(5)
(式中、X、nは前記に同じ)
で表されるジニトリル化合物又はジエステル化合物を得、さらに該ジニトリル化合物又はジエステル化合物を分子内縮合反応、加水分解反応、脱炭酸反応に順次付して、下記式(4b)
(式中、nは前記に同じ)
で表される大環状ケトンを得ることができる。
で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルと、下記式(2)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3b)
で表される化合物を得、該化合物を加水分解反応、次いで脱炭酸反応に付して、下記式(5)
で表されるジニトリル化合物又はジエステル化合物を得、さらに該ジニトリル化合物又はジエステル化合物を分子内縮合反応、加水分解反応、脱炭酸反応に順次付して、下記式(4b)
で表される大環状ケトンを得ることができる。
なお、本明細書において、「カルボニル基含有化合物」は、ケトン及びアルデヒドのほか、エステル、ラクトン、アミド、ラクタム、カルボン酸、カルボン酸塩等の−(C=O)−基を有する広範な化合物を含む意味に用いられる。また、「有機基」は、炭素原子含有基だけでなく、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、スルホン酸基などの非金属原子含有基を含む広い意味に用いられる。
本発明の製造法によれば、入手しやすい原料である炭素数7以上のアルキレングリコールとα位に水素原子を有するカルボニル基含有化合物との反応により、長鎖アルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を、温和な条件下で簡易に製造することができる。また、この反応を利用することにより、香料等として有用な大環状ケトンを短い工程で工業的に効率よく製造することができる。特に、本発明によれば、何れも入手しやすい炭素数7以上のアルキレングリコールとα位に水素原子を有するカルボニル基含有化合物とから、中間反応生成物を単離精製することなく、ワンポットで大環状ケトンを得ることができる。
[カルボニル基含有化合物の製造]
本発明のカルボニル基含有化合物の製造法では、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、前記式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と、前記式(2)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、前記式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を生成させる。
本発明のカルボニル基含有化合物の製造法では、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、前記式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と、前記式(2)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、前記式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を生成させる。
[周期表7〜9族元素化合物]
本発明では周期表7〜9族元素化合物(金属単体を含む)を触媒として用いる。周期表7〜9族元素(金属)には、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウムが含まれる。周期表7〜9族元素化合物には、周期表7〜9族元素を含む広範な無機及び有機化合物が含まれる。無機化合物としては、例えば、金属単体、酸化物、硫化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、周期表7〜9族元素を含むオキソ酸又はその塩、無機錯体などが挙げられる。有機化合物としては、例えば、シアン化物、有機酸塩(酢酸塩など)、有機錯体などが挙げられる。これらの中でも有機錯体などの有機化合物が好ましい。錯体の配位子には公知の配位子が含まれる。周期表7〜9族元素化合物における7〜9族元素の価数は0〜6程度、好ましくは0〜3である。特にイリジウム化合物などの場合には1価又は3価が好ましい。周期表7〜9族元素化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。周期表7〜9族元素化合物の中でも周期表9族元素が好ましく、特にイリジウム元素が好ましい。
本発明では周期表7〜9族元素化合物(金属単体を含む)を触媒として用いる。周期表7〜9族元素(金属)には、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウムが含まれる。周期表7〜9族元素化合物には、周期表7〜9族元素を含む広範な無機及び有機化合物が含まれる。無機化合物としては、例えば、金属単体、酸化物、硫化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、周期表7〜9族元素を含むオキソ酸又はその塩、無機錯体などが挙げられる。有機化合物としては、例えば、シアン化物、有機酸塩(酢酸塩など)、有機錯体などが挙げられる。これらの中でも有機錯体などの有機化合物が好ましい。錯体の配位子には公知の配位子が含まれる。周期表7〜9族元素化合物における7〜9族元素の価数は0〜6程度、好ましくは0〜3である。特にイリジウム化合物などの場合には1価又は3価が好ましい。周期表7〜9族元素化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。周期表7〜9族元素化合物の中でも周期表9族元素が好ましく、特にイリジウム元素が好ましい。
周期表7〜9族元素化合物の代表的な例をイリジウムを例にとって示すと、例えば、金属イリジウム、酸化イリジウム、硫化イリジウム、水酸化イリジウム、フッ化イリジウム、塩化イリジウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム、硫酸イリジウム、イリジウム酸又はその塩(例えば、イリジウム酸カリウムなど)、無機イリジウム錯体[例えば、ヘキサアンミンイリジウム(III)塩、クロロペンタアンミンイリジウム(III)塩等]などが挙げられる。
有機のイリジウム化合物としては、例えば、シアン化イリジウムのほか、有機イリジウム錯体を用いることができる。該有機イリジウム錯体として、例えば、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム、ドデカカルボニル四イリジウム(0)、クロロトリカルボニルイリジウム(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(エチレン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2、ジ−μ−クロロジクロロビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)二イリジウム(III)、トリクロロトリス(トリエチルホスフィン)イリジウム(III)、ペンタヒドリドビス(トリメチルホスフィン)イリジウム(V)、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、クロロエチレンビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジカルボニルイリジウム(I)、ビス{1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン}イリジウム(I)塩化物、ペンタメチルシクロペンタジエニルビス(エチレン)イリジウム(I)、カルボニルメチルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、(1,5−シクロオクタジエン)(ジホスフィン)イリジウム(I)ハロゲン化物、1,5−シクロオクタジエン(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)イリジウム(I)ヘキサフルオロリン酸塩、(1,5−シクロオクタジエン)ビス(トリアルキルホスフィン)イリジウム(I)ハロゲン化物、ビス(1,5−シクロオクタジエン)イリジウムテトラフルオロボレート、(1,5−シクロオクタジエン)(アセトニトリル)イリジウムテトラフルオロボレート等]などが挙げられる。
好ましいイリジウム化合物にはイリジウム錯体が含まれる。これらの中でも、有機イリジウム錯体、特に、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、エチレン、ペンタメチルシクロペンタジエン、ベンゼン、トルエンなどの不飽和炭化水素;アセトニトリルなどのニトリル類;テトラヒドロフランなどのエーテル類を配位子として有する有機イリジウム錯体[例えば、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(エチレン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)イリジウムテトラフルオロボレート、(1,5−シクロオクタジエン)(アセトニトリル)イリジウムテトラフルオロボレート等]が好ましい。
イリジウム化合物以外の周期表7〜9族元素化合物の例としては、上記イリジウム化合物に対応する化合物[例えば、ジクロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二ロジウム等]や、文献等(例えば、日本化学会編、第4版実験化学講座17及び18、丸善株式会社発行など)に記載の公知の化合物などが挙げられる。イリジウム以外の周期表7〜9族元素化合物においても、例えば、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、エチレン、ペンタメチルシクロペンタジエン、ベンゼン、トルエンなどの不飽和炭化水素;アセトニトリルなどのニトリル類;テトラヒドロフランなどのエーテル類を配位子として有する有機錯体が特に好ましい。
周期表7〜9族元素化合物は、そのままで又は担体に担持した形態で使用できる。前記担体としては、触媒担持用の慣用の担体、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、チタニア、マグネシアなどの金属酸化物や活性炭などが挙げられる。担体担持型触媒において、周期表7〜9族元素化合物の担持量は、担体に対して、例えば0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%程度である。触媒の担持は、慣用の方法、例えば、含浸法、沈殿法、イオン交換法などにより行うことができる。
周期表7〜9族元素化合物の使用量は、原料の種類や触媒の種類等によって適宜選択できるが、一般には、原料として用いるカルボニル基含有化合物及びアルキレングリコールのうち少ない方の成分(特に、アルキレングリコール)1モルに対して、例えば0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.005〜0.1モル程度である。
本発明では、有機錯体等の周期表7〜9族元素化合物は適当な配位子と組み合わせて使用することもできる。配位子としては、例えば、リン原子含有配位子、酸素原子含有配位子、窒素原子含有配位子、炭素−炭素二重結合含有配位子などが挙げられる。配位子としては、リン原子含有配位子を好適に用いることができる。リン原子含有配位子としては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン、トリメチルホスフィンやトリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン、トリメトキシホスフィン等のトリアルコキシホスフィン、トリフェノキシホスフィン等のトリス(アリールオキシ)ホスフィンなどの単座配位子;1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等のビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、BINAP[2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]などの二座配位子などが挙げられる。これらのなかでも、トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンが特に好ましい。
配位子の使用量は、反応を阻害しない範囲内で適宜選択できるが、一般には、前記周期表7〜9族元素化合物1モルに対して、0.5〜10モル程度、好ましくは1〜5モル程度である。
また、配位子の使用量は、例えば、原料として用いるカルボニル基含有化合物及びアルキレングリコールのうち少ない方の成分(特に、アルキレングリコール)1モルに対して、0.001〜1モル程度、好ましくは0.01〜0.5モル程度、さらに好ましくは0.05〜0.3モル程度の範囲である。
[塩基]
本発明では、前記周期表7〜9族元素化合物と共に塩基を用いる。塩基は、無機塩基、有機塩基、ルイス塩基等の何れであってもよく、アルドール縮合に通常用いられる塩基が好適である。
本発明では、前記周期表7〜9族元素化合物と共に塩基を用いる。塩基は、無機塩基、有機塩基、ルイス塩基等の何れであってもよく、アルドール縮合に通常用いられる塩基が好適である。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられる。
有機塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属有機酸塩;トリエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピリジンなどのアミン類(第3級アミンなど)や含窒素複素環化合物などが挙げられる。
これらの中でも、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属有機酸塩などのアルカリ金属元素含有塩基が好ましい。
塩基の添加量は、原料の種類や周期表7〜9族元素化合物等によっても異なるが、通常、原料として用いるカルボニル基含有化合物及びアルコールのうち少ない方の成分(特に、アルキレングリコール)1モルに対して、0.01〜1.0モル程度、好ましくは0.1〜0.7モル程度である。
[式(1)で表されるカルボニル基含有化合物]
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物において、R1、R2、Yは、それぞれ、水素原子又は有機基を示す。有機基としては、本反応を阻害しないような基(例えば、本方法における反応条件下で非反応性の基)であればよく、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、炭化水素基、複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基など)、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基など)、置換オキシ基(メトキシ基、エトキシ基等のC1-6アルコキシ基などのアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等のC2-6アルケニルオキシ基などのアルケニルオキシ基;シクロヘキシルオキシ基などのシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;アセトキシ基などのアシルオキシ基など)、ヒドロキシル基、置換又は無置換アミノ基(アミノ基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基などのモノ又はジC1-6アルキル置換アミノ基;1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基などの環状アミノ基)など、及びこれらが2以上結合した基などが挙げられる。前記カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基などは有機合成の分野で公知乃至慣用の保護基で保護されていてもよく、金属で置換されていてもよい。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物において、R1、R2、Yは、それぞれ、水素原子又は有機基を示す。有機基としては、本反応を阻害しないような基(例えば、本方法における反応条件下で非反応性の基)であればよく、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、炭化水素基、複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基など)、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基など)、置換オキシ基(メトキシ基、エトキシ基等のC1-6アルコキシ基などのアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等のC2-6アルケニルオキシ基などのアルケニルオキシ基;シクロヘキシルオキシ基などのシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;アセトキシ基などのアシルオキシ基など)、ヒドロキシル基、置換又は無置換アミノ基(アミノ基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基などのモノ又はジC1-6アルキル置換アミノ基;1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基などの環状アミノ基)など、及びこれらが2以上結合した基などが挙げられる。前記カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基などは有機合成の分野で公知乃至慣用の保護基で保護されていてもよく、金属で置換されていてもよい。
前記炭化水素基及び複素環式基には、置換基を有する炭化水素基及び複素環式基も含まれる。前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜3)程度のアルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)程度のアルケニル基;エチニル、プロピニル基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)程度のアルキニル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロへキセニル基などの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル、アダマンチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基などの橋かけ環式炭化水素基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基などのシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基など)などが含まれる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基など)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基など)などが含まれる。
好ましい炭化水素基には、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-15シクロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基等が含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基などを有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
前記R1等における複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、テトラヒドロフラン、オキサゾール、イソオキサゾール、γ−ブチロラクトン環などの5員環、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリン環などの6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン、イソクロマン環などの縮合環、3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環などの橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール環などの5員環、4−オキソ−4H−チオピラン環などの6員環、ベンゾチオフェン環などの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール環などの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン環などの6員環、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリン環などの縮合環など)などが挙げられる。上記複素環式基には、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えば、メチル、エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)などの置換基を有していてもよい。
式(1)において、R1、R2及びYのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい。このような環として、炭化水素環及び複素環が挙げられる。炭化水素環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環などの3〜20員程度のシクロアルカン環;シクロペンテン環、シクロヘキセン環などの3〜20員程度のシクロアルケン環;アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環などの橋かけ炭化水素環などが例示される。複素環としては、ペルヒドロアゾール環、ペルヒドロアジン環、ペルヒドロアゼピン環、オキソラン環、オキサン環、オキセパン環、チオラン環、チアン環、チエパン環などの4〜20員程度の複素環(窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む複素環)が挙げられる。
好ましいR1には、水素原子及び炭化水素基(例えば、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-12シクロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基など)などが含まれる。R1としては、特に水素原子が好ましい。
好ましいR2には、水素原子、炭化水素基(例えば、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-12シクロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基など)、置換オキシカルボニル基(C1-6アルコキシ−カルボニル基、C6-14アリールオキシ−カルボニル基、C7-15アラルキルオキシカルボニル基、3〜8員のシクロアルキルオキシカルボニル基など)、シアノ基などが含まれる。
好ましいYには、水素原子、炭化水素基(例えば、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-12シクロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基など)、置換オキシ基(例えば、C1-6アルコキシ基などのアルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基などのアルケニルオキシ基、3〜8員のシクロアルキルオキシ基、C6-14アリールオキシ基、C7-15アラルキルオキシ基など)、置換アミノ基(モノ又はジC1-6アルキル置換アミノ基;環状アミノ基)などが含まれる。
また、R2とYとが、隣接する2つの炭素原子と共に、3〜20員程度の炭化水素環又は4〜20員程度の複素環を形成しているのも好ましい。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物は、特に、ケトン(鎖状ケトン、環状ケトン、β−ケトエステル等)、アルデヒド、エステル、ラクトン、アミド又はラクタムであるのが好ましく、特にケトン又はエステルが好ましい。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物のうち、ケトンの代表的な例として、アセトン、エチルメチルケトン、3−メチル−2−ブタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、2−ドデカノン、シクロヘキシルメチルケトン、3−フェニル−2−プロパノン、4−フェニル−2−ブタノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、アセチルアセトンなどの鎖状ケトン;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、シクロオクタノンなどの5〜15員程度の環状ケトン;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸フェニル、プロピオニル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチル、シクロペンタノン−2−カルボン酸メチルなどのβ−ケトエステルなどが挙げられる。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物のうち、アルデヒドの代表的な例として、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、デカナール、2−メチルプロパナール、2−メチルブタナール、2−フェニルアセトアルデヒド、3−フェニルプロパナールなどが挙げられる。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物のうち、エステルの代表的な例として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ペンタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸エチル、デカン酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、3−フェニルプロピオン酸エチル、シクロヘキサン酸エチル、マロン酸ジメチルやマロン酸ジエチル等のマロン酸エステル、シアノ酢酸メチルやシアノ酢酸エチル等のシアノ酢酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、酢酸エステル、プロピオン酸エステルなどの炭素数2〜10程度の脂肪族カルボン酸のエステル、フェニル酢酸エチルなどのフェニル酢酸エステル、マロン酸ジエチルなどのマロン酸エステル、シアノ酢酸エチルなどのシアノ酢酸エステルなどがより好ましく、特に、シアノ酢酸エステル、マロン酸エステルが好ましい。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物のうち、ラクトンの代表的な例として、γ−ブチロラクトン、γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの5〜16員のラクトンなどが挙げられる。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物のうち、アミドの代表的な例として、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1−アセチルピロリジン、1−アセチルピペリジンなどが挙げられる。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物のうち、ラクタムの代表的な例として、N−メチル−α−ピロリドン、N−メチル−α−ピリドンなどが挙げられる。
[式(2)で表されるアルキレングリコール]
式(2)で表されるアルキレングリコールにおいて、nは5以上の整数を示す。nとしては、好ましくは5〜20の整数、より好ましくは5〜15の整数であり、特に6〜12の整数が好ましく、なかでも8又は10が好ましい。なお、nが4以下の整数の場合には、目的化合物の収率が急激に低下するので好ましくない。
式(2)で表されるアルキレングリコールにおいて、nは5以上の整数を示す。nとしては、好ましくは5〜20の整数、より好ましくは5〜15の整数であり、特に6〜12の整数が好ましく、なかでも8又は10が好ましい。なお、nが4以下の整数の場合には、目的化合物の収率が急激に低下するので好ましくない。
式(2)で表されるアルキレングリコールの代表的な例として、例えば、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
[反応]
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と式(2)で表されるアルキレングリコールとの反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と式(2)で表されるアルキレングリコールとの反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。
式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と式(2)で表されるアルキレングリコールとの割合は、反応性及び原料コスト等を考慮して適宜選択できる。通常、式(1)で表されるカルボニル基含有化合物の使用量は、式(2)で表されるアルキレングリコール1モルに対して、2〜100モル程度であり、好ましくは3.5〜50モル程度、さらに好ましくは4〜20モル程度である。カルボニル基含有化合物の使用量が少ないと(例えば、アルキレングリコール1モルに対して2モル未満であると)、目的化合物の収率が低下しやすい。一方、カルボニル基含有化合物の使用量が多すぎると、コスト面で不利となる。
なお、反応系に、式(2)で表されるアルキレングリコールに対応するジアルデヒド[OHC−(CH2)n−CHO]を少量添加してもよい。該ジアルデヒドの添加により、反応速度が向上する場合がある。
反応は重合禁止剤の存在下で行ってもよい。反応温度は、反応成分や触媒の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、20〜200℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃程度である。反応は常圧で行ってもよく、減圧又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行うこともできる。
本発明の方法では、反応により、温和な条件下で、対応する式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物が生成する。反応機構としては、必ずしも明らかではないが、まず式(2)で表されるアルキレングリコールが周期表7〜9族元素化合物により酸化脱水素されてジカルボニル化合物となり(この時、周期表7〜9族元素化合物は水素化される)、これが2分子の式(1)で表されるカルボニル基含有化合物とアルドール型の縮合反応を起こしてα,β−不飽和カルボニル化合物が生成し、この生成物が上記水素化された周期表7〜9族元素化合物により水素添加されて式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物が生成する(この時、元の周期表7〜9族元素化合物が再生する)ものと推測される。
この製造法によれば、例えば、式(1)で表されるカルボニル基含有化合物として、前記式(1a)で表されるアセトンを用いた場合には、前記式(3a)で表されるジケトン化合物が生成する。より具体的には、式(1)で表されるカルボニル基含有化合物としてアセトンを用いた場合において、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,7−ヘプタンジオール(n=5)を用いると2,12−トリデカジオンが、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,8−オクタンジオール(n=6)を用いると2,13−テトラデカジオンが、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,9−ノナンジオール(n=7)を用いると2,14−ペンタデカジオンが、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,10−デカンジオール(n=8)を用いると2,15−ヘキサデカジオンが生成する。
また、式(1)で表されるカルボニル基含有化合物として、前記式(1b)で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルを用いた場合には、前記式(3b)で表される化合物が生成する。式中のR3は炭化水素基を示す。Xはシアノ基又は−CO2R4を示し、R4は炭化水素基を示す。
R3、R4における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル基などの炭素数1〜10(好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4)程度のアルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル基などの炭素数2〜10(好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4)程度のアルケニル基;エチニル、プロピニル基などの炭素数2〜10(好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4)程度のアルキニル基などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などの3〜15員(好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基などのシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基など)などが含まれる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基など)などが含まれる。好ましい炭化水素基には、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C5-8シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C7-14アラルキル基等が含まれる。
より具体的には、式(1)で表されるカルボニル基含有化合物として、前記式(1b)で表される化合物のうちシアノ酢酸エステル(例えば、シアノ酢酸エチル)を用いた場合において、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,10−デカンジオール(n=8)を用いると、2,13−ジシアノ−テトラデカン二酸ジエステル(例えば、2,13−ジシアノ−テトラデカン二酸ジエチルエステル)が生成し、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,12−ドデカンジオール(n=10)を用いると、2,15−ジシアノ−ヘキサデカン二酸ジエステル(例えば、2,15−ジシアノ−ヘキサデカン二酸ジエチルエステル)が生成する。
また、式(1)で表されるカルボニル基含有化合物として、前記式(1b)で表される化合物のうちマロン酸エステル(例えば、マロン酸ジエチル)を用いた場合において、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,10−デカンジオール(n=8)を用いると、2,13−ビス(エトキシカルボニル)−テトラデカン二酸ジエステル(例えば、2,13−ビス(炭化水素基置換オキシカルボニル)−テトラデカン二酸ジエチルエステル)が生成し、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,12−ドデカンジオール(n=10)を用いると、2,15−ビス(炭化水素基置換オキシカルボニル)−ヘキサデカン二酸ジエステル(例えば、2,15−ビス(エトキシカルボニル)−ヘキサデカン二酸ジエチルエステル)が生成する。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
[大環状ケトンの製造]
本発明の大環状ケトンの製造法は、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、前記式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と、前記式(2)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、前記式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を得、該式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体を分子内縮合反応に付す工程を含む。
本発明の大環状ケトンの製造法は、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、前記式(1)で表されるカルボニル基含有化合物と、前記式(2)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、前記式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を得、該式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体を分子内縮合反応に付す工程を含む。
式(3)で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を得るまでは、前記カルボニル基含有化合物の製造法と同じである。式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体を分子内縮合反応に付す工程において、式(3)で表されるカルボニル基含有化合物の誘導体としては、加水分解生成物やこの加水分解生成物を脱炭酸して得られる生成物などが挙げられる。例えば、式(3)で表されるカルボニル基含有化合物がジエステルである場合、その誘導体としては、対応するジカルボン酸やその脱炭酸生成物などが挙げられる。分子内縮合反応に付す式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体としては、アルキレン基の両末端部位に活性水素を有するのが好ましい。
式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体の分子内縮合反応としては、公知の反応、例えばアルドール縮合反応などを利用できる。式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体は、前の工程終了後、生成物を単離精製することなく分子内縮合反応に付すことが可能である。分子内縮合反応により環化生成物が生成する。分子内縮合反応の後、必要に応じて、水素添加反応、加水分解反応、脱炭酸反応などに付すことにより大環状ケトンを得ることができる。分子内縮合反応以降の反応も、該反応の前の工程で得られた反応生成物を単離精製することなく行うことができる。式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体から大環状ケトンを得る工程については、前記非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3等の大環状ケトンの製造に関する公知の文献を参照できる。
得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の大環状ケトンの製造法の1つの態様では、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、前記式(1a)で表されるアセトンと、前記式(2)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、前記式(3a)で表されるジケトン化合物を得、該ジケトン化合物を分子内縮合反応(分子内アルドール縮合)、次いで水素添加反応に付して、前記式(4a)で表される大環状ケトンを得る。
式(3a)で表されるジケトン化合物を得る工程は上記カルボニル基含有化合物の製造法と同じである。式(3a)で表されるジケトン化合物の分子内アルドール縮合は、公知の方法(例えば、前記非特許文献1、非特許文献3記載の方法)又は公知の方法を応用することにより行うことができる。より具体的には、前記ジケトン化合物に、ヘキサン−テトラヒドロフランなどの溶媒中、アルドール縮合触媒(例えば、ジイソブチルアルミニウムフェノキシドとピリジン;塩基)を作用させたり、或いは塩化メチレンやエーテルなどの溶媒中、四塩化チタンとアミンからなる反応試剤及びテトラアルコキシチタン[Ti(Oi−Bu)4など]等(脱水剤)を順次作用させることにより行われる。このジケトン化合物の分子内縮合反応により、下記式(6)
(式中、nは5以上の整数を示す)
で表されるカルボニル基のβ位にメチル基を有し且つ二重結合を有する環状ケトンが得られる。
で表されるカルボニル基のβ位にメチル基を有し且つ二重結合を有する環状ケトンが得られる。
式(6)で表される化合物を水素添加反応に付すことにより式(4a)で表される大環状ケトンが得られる。水素添加反応としては一般的な方法を採用できる。例えば、分子内縮合反応により得られた生成物を、エタノールなどの適宜な溶媒中、パラジウム−炭素等の水素化触媒の存在下、水素と反応させることにより行われる。なお、光学活性体の大環状ケトンは、公知の方法(例えば、前記非特許文献3の方法)により、或いはラセミ体の式(4a)で表される化合物を光学分割カラムにより光学分割する方法により得ることができる。
この方法によれば、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,10−デカンジオール(n=8)を用いることにより、2,15−ヘキサデカジオンを経由して、ムスコン[式(4a)において、n=8である化合物]を得ることができる。
得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の大環状ケトンの製造法の他の態様では、周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、前記式(1b)で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルと、前記式(2)で表されるアルキレングリコールとを反応させて、前記式(3b)で表される化合物を得、該化合物を加水分解反応、次いで脱炭酸反応に付して、前記式(5)で表されるジニトリル化合物又はジエステル化合物を得、さらに該ジニトリル化合物又はジエステル化合物を分子内縮合反応、加水分解反応、脱炭酸反応に順次付して、前記式(4b)で表される大環状ケトンを得る。
式(3b)で表されるジエステル化合物を得る工程は上記カルボニル基含有化合物の製造法と同じである。式(3b)で表される化合物の加水分解は一般的な方法、例えばアルカリ加水分解法、酸加水分解法等により行うことができる。また、続く脱炭酸反応も加熱等の一般的な方法により行うことができる。
式(5)で表されるジニトリル化合物又はジエステル化合物から式(4b)で表される大環状ケトンへの誘導は、公知の方法(例えば、前記非特許文献2記載の方法)又は公知の方法を応用することにより行うことができる。より具体的には、前記ジニトリル化合物又はジエステル化合物に、ジエチルエーテルなどの適宜な溶媒中、アルドール縮合触媒(例えば、リチウムアルキルアニリン等の塩基)を作用させることにより行われる。このジニトリル化合物又はジエステル化合物の分子内縮合反応により、下記式(7)
[式中、ZはNM又はOを示す。前記Mはアルドール縮合触媒(塩基)由来の金属原子(例えば、リチウム)を示す。X、nは前記に同じ]
で表される化合物が得られる。なお、式(5)で表される化合物がジニトリル化合物の場合には、上記のZはNM、Xはシアノ基であり、式(5)で表される化合物がジエステル化合物の場合には、上記のZはO(酸素原子)、Xは−CO2R4である。
で表される化合物が得られる。なお、式(5)で表される化合物がジニトリル化合物の場合には、上記のZはNM、Xはシアノ基であり、式(5)で表される化合物がジエステル化合物の場合には、上記のZはO(酸素原子)、Xは−CO2R4である。
式(7)で表される化合物を加水分解反応[イミノ基(C=NM)及びシアノ基(CN)の加水分解、又はエステル基(CO2R4)の加水分解]及び脱炭酸反応に順次付すことにより、式(4b)で表される大環状ケトンが得られる。加水分解は一般的な方法、例えばアルカリ加水分解法、酸加水分解法等により行うことができる。また、続く脱炭酸反応も加熱等の一般的な方法により行うことができる。
この方法によれば、式(2)で表されるアルキレングリコールとして1,12−ドデカンジオール(n=10)を用いると、2,15−ジシアノ−ヘキサデカン二酸ジエステルを経由して、エギザルトン[式(4b)において、n=10である化合物]を得ることができる。
得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、収率は原料として用いたアルキレングリコール基準の値である。
実施例1
反応器に、アセトン(0.1モル)、1,10−デカンジオール0.01モル、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2(1,10−デカンジオールに対して5モル%)、水酸化カリウム(1,10−デカンジオールに対して40モル%)、トリフェニルホスフィン(1,10−デカンジオールに対して15モル%)、及びトルエン5mlを入れ、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが99%の収率で生成していた。また、13−ヒドロキシ−2−トリデカノンが痕跡量生成していた。反応液から未反応アセトンと溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製したところ、純度99%の2,15−ヘキサデカジオンが収率89%で得られた。一方、同様の操作により得られた反応液を蒸留に付しても、99%純度の2,15−ヘキサデカジオンが得られた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
反応器に、アセトン(0.1モル)、1,10−デカンジオール0.01モル、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2(1,10−デカンジオールに対して5モル%)、水酸化カリウム(1,10−デカンジオールに対して40モル%)、トリフェニルホスフィン(1,10−デカンジオールに対して15モル%)、及びトルエン5mlを入れ、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが99%の収率で生成していた。また、13−ヒドロキシ−2−トリデカノンが痕跡量生成していた。反応液から未反応アセトンと溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製したところ、純度99%の2,15−ヘキサデカジオンが収率89%で得られた。一方、同様の操作により得られた反応液を蒸留に付しても、99%純度の2,15−ヘキサデカジオンが得られた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
実施例2
1,10−デカンジオールに代えて、1,9−ノナンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,14−ペンタデカジオンが98%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
1,10−デカンジオールに代えて、1,9−ノナンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,14−ペンタデカジオンが98%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
実施例3
1,10−デカンジオールに代えて、1,8−オクタンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,13−テトラデカジオンが95%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
1,10−デカンジオールに代えて、1,8−オクタンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,13−テトラデカジオンが95%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
実施例4
1,10−デカンジオールに代えて、1,7−ヘプタンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,12−トリデカジオンが90%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
1,10−デカンジオールに代えて、1,7−ヘプタンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,12−トリデカジオンが90%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが1%未満の収率で生成していた。
比較例1
1,10−デカンジオールに代えて、1,6−ヘキサンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,11−ドデカジオンが70%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが3%の収率で生成していた。
1,10−デカンジオールに代えて、1,6−ヘキサンジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,11−ドデカジオンが70%の収率で生成していた。なお、ヒドロキシケトンが3%の収率で生成していた。
実施例5
トリフェニルホスフィンの使用量を1,10−デカンジオールに対して10モル%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが75%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが2%の収率で生成していた。
トリフェニルホスフィンの使用量を1,10−デカンジオールに対して10モル%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが75%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが2%の収率で生成していた。
実施例6
トリフェニルホスフィンの使用量を1,10−デカンジオールに対して20モル%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが93%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが2%の収率で生成していた。
トリフェニルホスフィンの使用量を1,10−デカンジオールに対して20モル%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが93%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが2%の収率で生成していた。
実施例7
アセトンの使用量を0.1モルから0.05モルに代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが68%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが21%の収率で生成していた。
アセトンの使用量を0.1モルから0.05モルに代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが68%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが21%の収率で生成していた。
実施例8
アセトンの使用量を0.1モルから0.03モルに代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが23%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが45%の収率で生成していた。
アセトンの使用量を0.1モルから0.03モルに代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ヘキサデカジオンが23%の収率で生成していた。また、ヒドロキシケトンが45%の収率で生成していた。
実施例9
反応器に、シアノ酢酸エチル(0.05モル)、1,10−デカンジオール0.01モル、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2(1,10−デカンジオールに対して5モル%)、水酸化カリウム(1,10−デカンジオールに対して40モル%)、トリフェニルホスフィン(1,10−デカンジオールに対して15モル%)、及びトルエン5mlを入れ、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,13−ジシアノ−テトラデカン二酸ジエチルエステルが98%の収率で生成していた。
反応器に、シアノ酢酸エチル(0.05モル)、1,10−デカンジオール0.01モル、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2(1,10−デカンジオールに対して5モル%)、水酸化カリウム(1,10−デカンジオールに対して40モル%)、トリフェニルホスフィン(1,10−デカンジオールに対して15モル%)、及びトルエン5mlを入れ、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,13−ジシアノ−テトラデカン二酸ジエチルエステルが98%の収率で生成していた。
実施例10
反応器に、シアノ酢酸エチル(0.05モル)、1,12−ドデカンジオール0.01モル、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2(1,12−ドデカンジオールに対して5モル%)、水酸化カリウム(1,12−ドデカンジオールに対して40モル%)、トリフェニルホスフィン(1,12−ドデカンジオールに対して15モル%)、及びトルエン5mlを入れ、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ジシアノ−ヘキサデカン二酸ジエチルエステルが98%の収率で生成していた。
反応器に、シアノ酢酸エチル(0.05モル)、1,12−ドデカンジオール0.01モル、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[IrCl(cod)]2(1,12−ドデカンジオールに対して5モル%)、水酸化カリウム(1,12−ドデカンジオールに対して40モル%)、トリフェニルホスフィン(1,12−ドデカンジオールに対して15モル%)、及びトルエン5mlを入れ、窒素雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,15−ジシアノ−ヘキサデカン二酸ジエチルエステルが98%の収率で生成していた。
実施例11
シアノ酢酸エチル(0.05モル)に代えて、マロン酸ジエチル(0.05モル)を用いたこと以外は、実施例9と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,13−ビス(エトキシカルボニル)−テトラデカン二酸ジエチルエステルが96%の収率で生成していた。
シアノ酢酸エチル(0.05モル)に代えて、マロン酸ジエチル(0.05モル)を用いたこと以外は、実施例9と同様の操作を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2,13−ビス(エトキシカルボニル)−テトラデカン二酸ジエチルエステルが96%の収率で生成していた。
実施例12
トルエンを溶媒に用いない以外は実施例1と同様の操作で反応を行った。反応終了後、過剰のアセトンや低沸点生成物を留去し、そこに、塩化メチレン150ml、トリブチルアミン0.04モルを加えて溶液Aを得た。一方、塩化メチレン250mlにTiCl4を0.02モル加えて溶液Bを調製した。塩化メチレン600mlに、溶液Aと溶液Bを25℃で2時間かけて同時に添加し、さらに1時間反応させた。反応後、反応混合液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層(エーテル層)をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、0.005モルの3−ヒドロキシ−3−メチルシクロペンタデカノンが生成していた。
さらに、このエーテル溶液(エーテル層)を0.01モルのTi(Oi−Bu)4で処理した。反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、3−メチル−2−シクロペンタデセン−1−オンが0.005モル生成していた。
トルエンを溶媒に用いない以外は実施例1と同様の操作で反応を行った。反応終了後、過剰のアセトンや低沸点生成物を留去し、そこに、塩化メチレン150ml、トリブチルアミン0.04モルを加えて溶液Aを得た。一方、塩化メチレン250mlにTiCl4を0.02モル加えて溶液Bを調製した。塩化メチレン600mlに、溶液Aと溶液Bを25℃で2時間かけて同時に添加し、さらに1時間反応させた。反応後、反応混合液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層(エーテル層)をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、0.005モルの3−ヒドロキシ−3−メチルシクロペンタデカノンが生成していた。
さらに、このエーテル溶液(エーテル層)を0.01モルのTi(Oi−Bu)4で処理した。反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、3−メチル−2−シクロペンタデセン−1−オンが0.005モル生成していた。
Claims (6)
- 周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、下記式(1)
で表されるカルボニル基含有化合物と、下記式(2)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3)
で表されるアルキレン基の両末端部位にカルボニル基含有基を有する化合物を得、該式(3)で表されるカルボニル基含有化合物又はその誘導体を分子内縮合反応に付す工程を含む大環状ケトンの製造法。 - 周期表7〜9族元素化合物と塩基の存在下、下記式(1b)
で表されるシアノ酢酸エステル又はマロン酸エステルと、下記式(2)
で表されるアルキレングリコールとを反応させて、下記式(3b)
で表される化合物を得、該化合物を加水分解反応、次いで脱炭酸反応に付して、下記式(5)
で表されるジニトリル化合物又はジエステル化合物を得、さらに該ジニトリル化合物又はジエステル化合物を分子内縮合反応、加水分解反応、脱炭酸反応に順次付して、下記式(4b)
で表される大環状ケトンを得る請求項4記載の大環状ケトンの製造法。
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CN103922875A (zh) * | 2014-05-07 | 2014-07-16 | 江南大学 | 一种通过芳香酮和伯醇反应合成官能化酮的新方法 |
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WO2019216355A1 (ja) | 2018-05-09 | 2019-11-14 | 高砂香料工業株式会社 | アルコールの水酸基の変換方法 |
-
2007
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