JP5824056B2 - ケトン、特に大環状ケトンを調製する方法 - Google Patents

ケトン、特に大環状ケトンを調製する方法 Download PDF

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Description

14〜18員環を有する飽和大環状ケトン、たとえばムスコン(3-メチルシクロペンタデカノン)は、需要が高い芳香剤又は風味剤である。天然源からのこれらの化合物は少量のみでしか得られず、これらを合成することは幅広い研究の対象であった。
14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]からムスコンを調製することは、以前から公知である。すなわち、CH-503 680及びUS-A 3,778,483には、ムスコンを調製する方法について記述されている。14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]をオゾンによって酸化して中央の二重結合を開裂し、得られたジケトンのケト基を還元してアルコールとし、水の脱離後に得られる不飽和大環状ケトンを水素添加してムスコンとする。
V. Rautenstrauchらは、Helv. Chim. Acta 73巻、(1990)、896ページに、2-(2'-メチルプロパ-2'-エニル)シクロドデカン-1-オンから出発し、(3aRS,13aSR)-3a,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,13a-ドデカヒドロ-2-メチル-1H-シクロペンタシクロドデセン13a-オールを経て進行するムスコンの合成について記述している。ムスコンのさらなる合成はDE 1 668 054及びHelv. Chim. Acta 62巻、(1979)、2657ページに記載されている。
CH-503 680 US-A 3,778,483 DE 1 668 054 GB 649,680 WO 2008/000756
Helv. Chim. Acta 73巻、(1990)、896ページ Helv. Chim. Acta 62巻、(1979)、2657ページ Adv. Synth. Catal. 2004、346、268-274 JCS (1951)、3009
しかしながら、使用される試薬、試薬の複雑さ、及び/又は、達成される収率のために、既知の方法では不十分である。本発明の目的は、特定の飽和ケトン、特に、ムスコン等の大環状ケトンを、産業上簡便な方法で得ることができる方法を提供することである。
N2Oによりオレフィンを酸化してアルデヒド又はケトンを形成することは、以前から公知であり、たとえば、GB 649,680に記載されている反応である。WO 2008/000756には、7〜16個の炭素原子を有する環状ケトンを調製する方法について記載されており、7〜16個の炭素原子及び少なくとも一つのC=C二重結合を有する環式アルケンを一酸化二窒素によって酸化する。
この反応においてC=C二重結合の開裂は通常起こらないか、又は起こってもわずかに過ぎない。この例外は、ビシクロヘプテン又はインデン等のいくつかのひずんだ環状系である。E.V. Starokon、Adv. Synth. Catal. 2004、346、268-274を参照のこと。N2Oによる四置換オレフィンの酸化は、これまでテトラメチルエテンの例しか記載報告されていなかった。そこでは、C=C二重結合の開裂は観測されなかった。Bridson-Jonesら、JCS (1951)、3009を参照のこと。
本発明は、式IIのケトンを調製する方法であって、
Figure 0005824056
[式中、
Aは、1〜5個のC1〜C6アルキル基によって置換されていてもよいC2〜C12アルカンジイルであり、
R1とR2は、それぞれ互いに独立してC1〜C6アルキルであるか、又はR1とR2が一緒になって1〜5個のC1〜C6アルキル基によって置換されていてもよいC3〜C10アルカンジイルを形成し、
R3は、水素又はC1〜C-アルキルである]
(a)式Iの環状オレフィンを
Figure 0005824056
一酸化二窒素(N2O)と反応させて式IIのケトンを得る方法を提供する。
本発明は、さらに、
(b)式IIのケトンを水素添加して式IIIの飽和ケトンにする方法をさらに提供する。
Figure 0005824056
本特許出願の目的にとって、アルカンジイルにはアルカン-(α,ω)-ジイルが好適である。
式I、II及びIIIの中で、Aは、C2〜C12アルカンジイルであり、好ましくはC2〜C9アルカンジイル、例えばエタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ヘキサン-1,6-ジイル、ヘプタン-1,7-ジイル、オクタン-1,8-ジイル又はノナン-1,9-ジイルである。Aは、C3〜C9アルカンジイルが好適である。アルカンジイルは、1〜5個のC1〜C6アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシル、特にメチルによって置換されていてもよい。
R1とR2は、それぞれ互いに独立してC1〜C6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシルである。
代替として、R1とR2が一緒になって、C3〜C10アルカンジイル、例えばプロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ヘキサン-1,6-ジイル、ヘプタン-1,7-ジイル、オクタン-1,8-ジイル、ノナン-1,9-ジイル又はデカン-1-10-ジイルを形成する。好ましくはR1とR2が一緒になってC3アルカンジイル又はC4アルカンジイルを形成する。R1とR2が一緒になってアルカンジイルを形成する場合、環状オレフィンは、二つの環が共通のC=C二重結合を有する二環式化合物である。アルカンジイルは、1〜5個のC1〜C6アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシル、特にメチルによって置換されていてもよい。
R3は、水素、又はC1〜C6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル若しくはヘキシルである。
本発明の方法によって得ることができる式IIIの好ましい飽和ケトンは、式IIIaの(±)-3-メチルシクロペンタデカノン(ムスコン、ラセミムスコンすなわちrac-ムスコン)である。
Figure 0005824056
この目的のために、式Iaの14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)](2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13-ドデカヒドロ-2-メチル-1H-シクロペンタシクロドデセン)を、式Iの環状オレフィンとして使用する。
Figure 0005824056
化合物Ia及びその調製が知られている。Iaは、以下の方法で有利に得ることができる。DE 29 16 418に記載されているような方法における相間移動反応の条件下、シクロドデカノンをハロゲン化メタリルと反応させる。得られた2-(2'-メチレン-1'-プロピル)シクロドデカノンは、US 4,967,033に記載されているような気相中で酸性条件下で環化することができる。これにより、様々な二重結合異性体の形態でメチルビシクロ[10.3.0]ペンタデカジエンを得る。この混合物は、その後、本質的に一つの二重結合だけが水素添加され、同時に二重結合異性化が起こるパラジウム触媒水素添加をされ、その結果、本質的にIaが選択的に得られる。Helvetica Chimica Acta 92 (9)、2009、1782-1799、及びDE 29 16 418 C2参照。
本発明の方法によって調製することができる他の飽和ケトンは、たとえばシクロペンタデカノン(エキサルトン)及びシクロヘキサデカノンである。
本発明の方法のステップ(a)では、一酸化二窒素の環化付加によって式IVの付加物を形成すると推定されており、この付加物は次いで、窒素を脱離しながら転位して式IIのケトンを形成する。
Figure 0005824056
Figure 0005824056
式IIのケトンは、望ましくない二次反応で、一酸化二窒素と再び反応してジケトンを形成することがある二重結合を有する。したがって、ステップ(a)の転化率は好ましくは低く保持する、つまり、式Iの環状オレフィンの一酸化二窒素との反応は、部分的に転化させるだけで行う。部分転化率は、(不連続工程の場合)式Iの環状オレフィンの初期量に対し、又は(連続工程の場合)供給原料中の式Iの環状オレフィンに対し、好ましくは20モル%以下、特に5〜18モル%である。これにより、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIのケトンを含む第一の混合物を得る。この第一の混合物は、様々な方法で後処理することができる。
第一の混合物は、有利なことに、前もって分離しないまま水素添加することができる。
したがって、好ましい実施形態は
(i)式Iの環状オレフィンを、部分転化するまで一酸化二窒素と反応させて、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIのケトンを含む第一の混合物を得、
(ii)式IIのケトンが水素添加されて式IIIの飽和ケトンになり、式Iの環状オレフィンが実質的に水素添加されない条件下で、第一の混合物を水素添加して、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIIの飽和ケトンを含む第二の混合物を得る方法を提供する。
式IIの不飽和ケトンのC=C二重結合は、二置換(R3がHの場合)、又は三置換(R3がC1〜C6アルキルの場合)であり、したがって、式Iの環状オレフィンの四置換C=C二重結合よりも通常、反応的である。したがって、式IIの不飽和ケトンの本質的に選択的な水素添加が、通常適切な反応条件下で問題なく起こる。本発明の方法の目的にとって、通常、式IIの不飽和ケトンのC=C二重結合の90モル%超及び式Iの環状オレフィンの四置換C=C二重結合の10モル%未満が水素添加されれば十分である。式Iの環状オレフィンの水素添加生成物は、一酸化二窒素に対して反応せず、蒸留によって所望の反応生成物から容易に分離できるので、原則的には望ましくない式Iの少量の環状オレフィンの水素添加を、許容することができる。
好ましくは、水素添加で得られた第二の混合物の少なくとも一部をステップ(i)に再循環させ、一酸化二窒素と新たに反応させ、得られた混合物を再び水素添加する。この手順を、式Iの環状オレフィンの所望の総転化率が達成されるまで、又は、生成物混合物中の式IIIの飽和ケトンの所望の含有量が獲得されるまで繰り返す。生成物混合物を最後に後処理する。
代替として、本発明の方法は、第二の混合物の一部を式Iの新たな環状オレフィンと混合してステップ(i)に再循環させ、第二の混合物の一部を取り出してそこから式IIIの飽和ケトンを単離することで、連続的に実施することもできる。
別の有利な実施形態は、
(i)式Iの環状オレフィンを、部分転化するまで一酸化二窒素と反応させて、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIのケトンを含む、第一の混合物を得、
(ii)未反応の式Iの環状オレフィンを第一の混合物から分離して、式IIの不飽和ケトンを含む残渣を得、この残渣を水素添加して式IIIの飽和ケトンを含む水素添加した残渣を得る方法を提供する。
未反応の式Iの環状オレフィンは、好ましくは蒸留によって分離し、残渣には底部残渣として得られる式IIの不飽和ケトンが含まれる。分離した未反応の環状オレフィンを好ましくは少なくとも一部、場合によって式Iの新たな環状オレフィンと一緒に、ステップ(i)に再循環させる。その後、式IIIの飽和ケトンは、水素添加された残渣から単離することができる。
通常、溶媒又は希釈剤を添加することは、本発明による一酸化二窒素との反応では必要ない。したがって、ステップ(a)及びステップ(b)は、好都合なことに外部溶媒のない状態で行う。外部溶媒は、本発明の方法の出発物質、生成物又は副生成物でない溶媒である。
式Iの環状オレフィンと一酸化二窒素との反応における温度は、通常140〜350℃の範囲、好ましくは160〜275℃の範囲、又は200〜310℃の範囲、特に好ましくは180〜250℃の範囲、又は250〜300℃の範囲である。
本発明による方法において、いずれの場合であっても、上に示した限度内にある二つ以上の温度で、又は二つ以上の温度範囲で反応を行うことができる。反応過程における温度変化は、連続的に又は断続的に実施できる。
式Iの環状オレフィンと一酸化二窒素との反応における圧力は、選択された一つの反応温度又は選択された複数の反応温度で出発混合物又は生成物混合物の自己生成圧力より高いことが好適である。この反応は、一酸化二窒素が凝縮相、つまり液相又は超臨界相で存在する圧力の下で行うことが好ましい。その圧力は、好ましくは1〜1000barの範囲にあり、さらに好ましくは40〜325barの範囲にあり、特に好ましくは50〜200barの範囲にある。
本発明による方法において、いずれの場合であっても、上に示された限度内にある二つ以上の圧力で、又は二つ以上の圧力範囲で反応を行うことができる。反応過程における圧力変化は、連続的に又は断続的に実施できる。
反応のために使用できる反応器に関しては、特に制限は存在しない。特に、この反応は、回分式に又は連続式に行うことができる。したがって、たとえば反応器として、少なくとも一つの内部熱交換器及び/若しくは少なくとも一つの外部熱交換器を有する少なくとも一つのCSTR(連続式撹拌槽反応器)、少なくとも一つの管形反応器、又は少なくとも一つのループ式反応器を使用することができる。同様に、前記の反応器の少なくとも一つが、少なくとも二つの異なる領域を有するように構成することが可能である。このような領域は、たとえば反応条件の点で、たとえば温度若しくは圧力の点で、及び/又は領域の形状の点で、たとえば容量若しくは断面積の点で異なってよい。反応を二つ以上の反応器中で実施する場合に、二つ以上の同じ型の反応器又は少なくとも二つの異なる型の反応器を使用することができる。
一酸化二窒素は、好都合なことに定量ポンプによって液体として反応器へ導入する。しかしながら、ガス状の一酸化二窒素を、感知できる反応が起こらない、特に、十分に低温の条件下で、式Iの環状オレフィン又はこのオレフィンを含む供給混合物に予め溶解させ、この混合物を、たとえば、定量ポンプによって反応器に送り込むことも考えることができる。
好ましい実施形態では、一酸化二窒素との反応は単一の反応器中で実施する。さらに好ましい実施形態では、一酸化二窒素との反応は単一の管形反応器中で実施する。
少なくとも一つの反応器中での反応混合物の滞留時間は、通常、20時間以下の範囲にあり、好ましくは0.1〜20時間の範囲にあり、さらに好ましくは0.2〜15時間の範囲にあり、特に好ましくは0.25〜10時間の範囲にある。
一酸化二窒素と式Iの環状オレフィンとのモル比は、通常、0.05〜4の範囲にあり、好ましくは0.06〜1の範囲にあり、さらに好ましくは0.07〜0.5の範囲にあり、特に好ましくは0.1〜0.4の範囲にある。
式IIのケトンの水素添加は、任意の適切な触媒を使用して実施することができる。特に、均一系、及び/又は、不均一系触媒を使用することができる。しかしながら、水素添加は、不均一系水素添加触媒の存在下で実施することが好ましい。
好ましく使用可能な触媒は、元素の周期律表の第VII族、第VIII族、第IX族、第X族又は第XI族の少なくとも一つの遷移金属を含む。さらに好ましく使用可能な触媒は、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu及びAuからなる群から選択される、少なくとも一つの元素を含む。
特に使用可能な触媒は、Fe、Ni、Pd、Pt及びCuからなる群から選択される、少なくとも一つの元素を含む。特に好ましく使用される触媒はPdを含む。
本発明による方法において好ましく使用される均一系触媒は、第VIII族、第IX族、第X族の少なくとも一つの遷移元素を含む。Ru、Rh、Ir及び/又はNiを含む均一系触媒がより好ましい。ここで挙げられる例は、RhCl(TTP)3(TTP = Ph2P(CH2)2PPh(CH2)2PPh2)又はRu4H4(CO)12である。特に、Ruを含む均一系触媒が好ましい。たとえば、参照によって全体として組み込まれる、US 5,180,870、US 5,321,176、US 5,177,278、US 3,804,914、US 5,210,349、US 5,128,296、US B 316,917、及びJ. Org. Chem. 38 (1973)、80〜87ページでD.R. Faheyに記載されるような均一系触媒が使用される。このような触媒は、たとえば(TPP)2(CO)3Ru、[Ru(CO)4]3、(TPP)2Ru(CO)2Cl2、(TPP)3(CO)RuH2、(TPP)2(CO)2RuH2、(TPP)2(CO)2RuClH又は(TPP)3(CO)RuCl2(TPPはトリフェニルホスフィン)である。
本発明による方法において、特に、少なくとも一つの不均一系触媒を使用することが好ましく、上述の金属の少なくとも一つを、金属としてそのままで、ラネー触媒として及び/又は通常の担体に塗布して使用できる。好ましい担体材料は、たとえば活性炭又は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン若しくは酸化ジルコニウム等の酸化物である。同様に、とりわけ担体材料としては、ベントナイトが挙げられる。二つ以上の金属が使用される場合には、これらは、別々に又は合金として存在してよい。この場合、少なくとも一つの金属をそのままで、かつ少なくとも一つの別の金属をラネー触媒として、又は少なくとも一つの金属をそのままで、かつ少なくとも一つの別の金属を少なくとも一つの担体に塗布して、又は少なくとも一つの金属をラネー触媒として、かつ少なくとも一つの別の金属を少なくとも一つの担体に塗布して、又は少なくとも一つの金属をそのままで、かつ少なくとも一つの他の金属をラネー触媒として、かつ少なくとも一つの他の金属を少なくとも一つの担体に塗布して使用することができる。
本発明による方法において使用される触媒は、たとえばまた、沈殿触媒であってよい。このような触媒は、その触媒活性成分を、その塩溶液から、特にその硝酸塩及び/又は酢酸塩の溶液から、たとえばアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物及び/又は炭酸塩の溶液を添加することによって、たとえば難溶性の水酸化物、酸化水和物、塩基性の塩若しくは炭酸塩として沈殿させ、引き続き得られた沈殿物を乾燥させ、次いでこれを通常300〜700℃、特に400〜600℃での焼成によって変換させて対応する酸化物、混合酸化物及び/又は混合価数型の酸化物を得て、それらを水素又は水素含有ガスを用いた通常50〜700℃、特に100〜400℃での処理によって還元することで、より低い酸化状態の対応する金属及び/又は酸化化合物を得て、本来の触媒活性形に変換することによって製造することができる。ここで、通常、水がもはや形成されなくなるまで還元させる。担体材料を含む沈殿触媒の製造に際して、触媒活性成分の沈殿は、当該担体材料の存在下で行うことができる。触媒活性成分は、好都合なことには、担体材料と同時に、適切な塩溶液から沈殿させることができる。
好ましくは、本発明による方法において担体材料上に堆積させた水素添加を触媒する金属又は金属化合物を含む水素添加触媒が使用される。
触媒活性成分に加えてさらに担体材料を含む上述の沈殿触媒とは別に、本発明による方法のためには、一般に、触媒的な水素添加作用を有する成分が、たとえば含浸によって担体材料に塗布されている担体材料が適している。
触媒活性金属を担体に塗布する様式は、一般に重要ではなく、塗布は種々の様式で行ってよい。触媒活性金属を、たとえば当該元素の塩又は酸化物の溶液又は懸濁液で含浸させ、乾燥させ、そしてこの金属化合物を還元剤、好ましくは水素又は錯体水素化物によって還元してより低い酸化状態のそれぞれの金属又は化合物を得ることにより、担体材料に、塗布することができる。前記の担体に触媒活性金属を塗布する他の可能な方法は、担体を、触媒活性金属の容易に熱分解可能な塩、たとえば硝酸塩、又は容易に熱分解可能な錯体、たとえばカルボニル錯体若しくはヒドリド錯体で含浸させ、こうして含浸された担体を300〜600℃の範囲の温度に加熱して、吸着された金属化合物を熱分解させることである。この熱分解は、好ましくは保護ガス雰囲気下で行われる。好適な保護ガスは、たとえば窒素、二酸化炭素、水素又は希ガスである。さらに、触媒活性金属は、触媒担体上に蒸着又は火炎溶射によって堆積させることができる。前記の担持触媒中の触媒活性金属の含有率は、原則的には本発明による方法の成功には、重要ではない。通常、前記の担持触媒の触媒活性金属の含有率は高いほうが、含有率が低い場合よりも空時収率は高くなる。通常、担持触媒であって、その触媒活性金属の含有率が触媒の全重量に対して0.1〜90重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜40重量%の範囲であるものが使用される。前記の表示された含有率は、担体材料を含む全触媒に対するものであるが、種々の担体材料は非常に様々な密度及び比表面積を有するので、本発明による方法の結果に悪影響を及ぼすことなく、含有率を前記の数値より下又は上にすることが可能である。当然のように、複数の触媒活性金属をそれぞれの担体材料に塗布することもできる。さらに、触媒活性金属は、たとえばDE-A 25 19 817又はEP 0 285 420 A1の方法によって、担体に塗布することができる。
上述の文献に記載された触媒において、触媒活性金属は、たとえば上述の金属の塩又は錯体を含浸させた担体の、熱処理及び/又は還元によって製造される合金として存在する。
沈殿触媒の活性化と担持触媒の活性化はどちらも、反応の開始時に、存在する水素によってその場で行うこともできる。これらの触媒はその使用前に別個に活性化されることが好ましい。
担体材料としては、一般に、アルミニウムの酸化物及びチタンの酸化物、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、モンモリロナイト等の粘土鉱物、ケイ酸マグネシウム若しくはケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、構造型ZSM-5若しくはZSM-10等のゼオライト、又は活性炭を使用することができる。好ましい担体材料は、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム及び活性炭である。当然のように、種々の担体材料の混合物も、本発明による方法において使用可能な触媒用担体として用いることもできる。
少なくとも一つの不均一系触媒は、たとえば懸濁触媒として及び/又は固定床触媒として使用することができる。
たとえば本発明による方法において、水素添加を少なくとも一つの懸濁触媒を用いて実施する場合には、水素添加は好ましくは少なくとも一つの撹拌型反応器又は少なくとも一つの気泡塔又は少なくとも一つの充填気泡塔又は同一若しくは異なる二つ以上の反応器の組合せにおいて実施する。
本願の目的に関し、用語「異なる反応器」は、異なる反応器の種類と、同じ種類の反応器であって、たとえばその形状の点で、たとえば容量及び/若しくは断面積の点で、並びに/又は反応器中の水素添加条件の点で異なる反応器との、どちらも指す。
たとえば本発明による方法において、水素添加を、少なくとも一つの固定床触媒を用いて実施する場合に、好ましくは少なくとも一つの管形反応器、たとえば少なくとも一つのシャフト反応器(shaft reactor)及び/又は少なくとも一つのシェルチューブ反応器(shell-and-tube reactor)を使用し、その際、個々の反応器は上方流モード又は下方流モードで操作することができる。二つ以上の反応器を使用する場合に、少なくとも一つを上方流モードで、かつ少なくとも一つを下方流モードで操作することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態では、水素添加に使用された少なくとも一つの触媒は、水素添加で得られた生成物混合物から分離される。この分離は、使用された触媒に応じて、任意の適切な方法によって実施される。
均一系の水素添加触媒が存在しても式Iの環状オレフィンと一酸化二窒素との反応に悪影響を及ぼさないので、リサイクル流からの触媒の除去も省略できる。
たとえば不均一系触媒を水素添加において懸濁触媒として使用する場合に、この触媒は、本発明の目的のために、好ましくは少なくとも一つの濾過ステップによって分離される。このように分離された触媒は、水素添加に再循環するか、又は少なくとも一つの別の方法に供給することができる。同様に、たとえば触媒に含まれる金属を回収するために、触媒を後処理することができる。
たとえば均一系触媒を水素添加における触媒として使用する場合に、この触媒は、本発明の目的のために、好ましくは少なくとも一つの蒸留ステップによって分離される。一つ又は二つ以上の蒸留塔を、この蒸留に使用することができる。このように分離された触媒は、水素添加に再循環するか、又は任意の他の方法に供給することができる。同様に、たとえば触媒に含まれる金属を回収するために、触媒を後処理することができる。
任意の方法で使用する前に、たとえば本発明による方法に再循環する前に、少なくとも一つの均一系触媒も、少なくとも一つの不均一系触媒も、必要な場合には、少なくとも一つの好適な方法によって再生することができる。
本発明により使用される反応器からの熱の除去は、内部的にたとえば冷却コイルによって、及び/又は外部的にたとえば少なくとも一つの熱交換器によって行うことができる。たとえば好ましくは、少なくとも一つの管形反応器を水素添加のために使用する場合には、好ましくは熱除去が組み込まれている外部流路を用いて反応が行われる。
本発明の方法の好ましい一実施形態で水素添加を連続的に実施する場合には、好ましくは少なくとも二つの反応器が、さらに好ましくは少なくとも二つの管形反応器が、さらに好ましくは少なくとも二つの直列接続された管形反応器が、特に好ましくは二つの直列接続された管形反応器が使用される。使用される反応器における水素添加条件は、それぞれ同一又は異なっていてよく、それぞれ上述の範囲にある。
水素添加を少なくとも一つの懸濁された触媒上で実施する場合に、滞留時間は、通常0.5〜50時間の範囲であり、好ましくは1〜30時間の範囲であり、特に好ましくは1.5〜25時間の範囲である。ここでは、本発明の目的のために一つの反応器又は少なくとも二つの直列接続された反応器が使用されるかどうかは重要ではない。これらの実施形態の全てについて、全滞留時間は、上述の範囲にある。
本発明による方法において水素添加を連続式に少なくとも一つの固定床触媒上で実施する場合に、滞留時間は、通常0.1〜20時間の範囲であり、好ましくは0.2〜15時間の範囲であり、特に好ましくは0.3〜10時間の範囲である。本発明の目的のために一つの反応器又は少なくとも二つの直列接続された反応器が使用されるかどうかは重要ではない。これらの実施形態の全てについて、全滞留時間は、上述の範囲にある。
水素添加における水素圧は、通常1〜325barの範囲であり、好ましくは1.5〜200barの範囲であり、さらに好ましくは2〜100barの範囲であり、特に好ましくは2.5〜50barの範囲である。
水素添加の温度は、通常0〜250℃の範囲であり、好ましくは20〜200℃の範囲、たとえば30〜180℃の範囲であり、さらに好ましくは30〜150℃の範囲であり、特に好ましくは40〜170℃の範囲、特に40〜140℃の範囲である。
式IIIの飽和ケトンは、水素添加で得られた生成物混合物から適切な方法で、たとえば蒸留によって単離する。ここで、式IIIの飽和ケトンを、ジケトン及び分解生成物から本質的になる高沸点物質、並びに未反応の式Iの環状オレフィンから本質的になる低沸点物質から分離する。式IIIの飽和ケトンの単離及び精製は、一つのカラム又は二つのカラム又は三つのカラムで実施することができる。さらに、より多くのカラムを使用することは可能であるが、これは通常必要ではない。
生成物混合物を、好ましくはまず内装部品を有する(第一)蒸留塔の中央領域に、導入する。この目的のために、任意の蒸留塔を使用できる。本願の目的に関し、蒸留塔の「中央領域」は頂部と底部の間の領域、すなわち蒸留塔の側面注入口である。
内装部品として、当業者に公知の任意の内装部品を使用できる。好ましい内装部品は、ポールリング及びラシヒリング等の充填要素、金属シートからなる構造化された充填物、たとえばSulzer Ltd.(Winterthur/スイス)のMellapak 250、Montz(Hilden/ドイツ)及びKoch-Glitsch(Wichita、KS/アメリカ)、並びに金属メッシュからなる構造化された充填物、たとえばSulzer Ltd.(Winterthur/スイス)のSulzer BX (X3)、Montz(Hilden/ドイツ)及びKoch-Glitsch(Wichita、KS/アメリカ)からなる群から選択される。
分別蒸留を一つのカラムのみで実施する場合は、好ましくは隔壁カラムを使用する。ここで、低沸点不純物をカラムの頂部で取り出し、高沸点不純物をカラムの底部で取り出す。底部で取り出される流れを、まず蒸発器によって蒸発させる。次いで、蒸発可能な成分をカラムに再循環させ、不揮発性成分、つまり低沸点不純物を排出する。頂部で取り出される流れを、同様に処理する。この流れをまず凝縮器で凝縮させ、さらに分留するために一部分カラムに再循環させる。所望の生成物は、注入口の反対側の隔壁側のカラムの上方領域、すなわち頂部の下で取り出す。
二つのカラムを互いに接続する場合に、低沸点不純物を第一カラム及び/又は第二カラムの頂部で分離し、高沸点不純物を第一カラム及び/又は第二カラムの底部で分離する。第一カラムの頂部で低沸点不純物を分離することが有利であることを見出した。
低沸点不純物を除去した流れを、第一カラムの底部で排出する。次いで底部で排出した流れを、第二カラムの中央領域に導入する。高沸点不純物をカラムの底部で取り出し排出する。所望の生成物を、第二カラムの頂部で取り出す。
未反応の式Iの環状オレフィンから本質的になる低沸点物は、有利なことに、本発明の方法のステップ(a)に少なくとも部分的に再循環することができる。
本発明は以下の実施例によって例示される。
[実施例1]
14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]の合成
ステップa):メタリルクロライドを使用するシクロドデカノンのアルキル化
1458.4gのシクロドデカノンを、1440gのトルエンに溶解し、30.4gのテトラブチルアンモニウムヨージドと混合する。1920gの水酸化ナトリウム溶液(50%の濃度)を添加して、この二相混合物を激しく撹拌しながら、90℃まで加熱する。次いで、1087.2gのメタリルクロライドを、1時間にわたって滴下する。添加が完了した後、この混合物を90℃で5時間撹拌する。その混合物を60℃まで冷却し、1500mlの水を加える。相を分離して、有機相を、まず2000mlの水で洗浄し、次いで2000mlの10%の濃度のH2SO4で洗浄し、次いで10%の濃度の水酸化ナトリウム溶液2000mlで洗浄する。
全ての低沸点物を留去し、引き続いて生成物を精留によって精製する。2-(2-メタリル)シクロドデカノンが、10mbar、164〜165℃で留出する。73%の収率が得られる。
ステップb):気相環化
70ml(42.4g)の酸化アルミニウム触媒(1.5mmの押出品、窒素下で、500℃において5時間焼成したD10-10、BASF SE、ドイツ)を、直径1cm、長さ30cmの気相装置に設置し、電熱コイルによって加熱する。280℃〜330℃の反応温度で、ガス流として、10g/hの2-(2-メタリル)シクロドデカノン(揮発温度:290℃)及び標準流速20l/hの窒素を、装置へ導入する。190時間にわたって、導入した1905gの出発物質から、主異性体(14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデカ-1,(12),13-ジエン)72.3%及び副異性体13.8%を含有する1755gの環化生成物を得る。この物質はそれ以上の精製せずに次のステップで使用する。
ステップc):ジエンの水素添加
気相環化して得られた150gの粗排出物及び1.3gのPd/C触媒(約5%のPd、約50%の湿気(水))を、傾斜羽根撹拌機を備える300mlのオートクレーブの中に配置する。オートクレーブをH2で置換し、反応混合物を引き続き100℃まで加熱する。温度がここまでに達すると、オートクレーブを5barのH2で加圧し、反応を開始する。H2の圧力を、反応の間5barで一定に保つ。反応が完了すると、オートクレーブを冷却し、減圧して、触媒を濾過する。この触媒は、新たな水素添加に対する活性が低下することなく再循環できる。8時間の反応時間の後、ジエンの転化率は99.8%である。また、生成物の主異性体である14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)](Ia)に対する選択性は94.9%である。こうして得られる粗生成物は、83.3%の主異性体と7.8%の副成分を含有しており、それ以上の精製をせずに次のステップで使用する。
[実施例2]
N2Oによる(Ia)の酸化:
反応は、直径1.7mm、全容積210mlの管形反応器の中で行った。その管には、反応器の温度を調節するために、熱伝導油の温度が外部サーモスタットによって280℃に調整されている熱伝導油が循環する二重壁を設けた。反応圧力は圧力調節弁により反応器出口で270barに設定した。出発物質を、二つの定量ポンプにより反応器に連続的に計量しながら供給した。液体のN2O(Linde、2.5、25g/h)を第一ポンプによって導入し、オレフィン(Ia)(150g/h)を第二ポンプによって導入した。実験を合計で4時間実施した。反応器排出物は、減圧の後に、冷却し、集めて、GCによって分析した。Iaの転化率は10.3%であった。所望の生成物(3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン及び3-メチルシクロペンタデカ-4-エノン、いずれの場合もシス異性体とトランス異性体の混合物としてであって、この混合物はまたムスセノンとも言われる)に関する選択性は、50.5%であった。
[実施例3]
酸化排出物の水素添加:
実施例2で得られた1380gの粗排出物(4.7%のムスセノン、74.2%の14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]、4.3%の14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]の異性体、及び1.6%のジケトンを含む)、及び11.0gのPd/C触媒(約5%のPd、約50%の湿気(水))を、三段の傾斜羽根撹拌機を備える2.5lのオートクレーブの中に配置する。オートクレーブをH2で置換し、反応混合物を引き続き100℃まで加熱する。温度がここまでに達した後、オートクレーブを10barのH2で加圧し、反応を開始する。H2の圧力を、反応の間10barで一定に保つ。反応が完了すると、オートクレーブを冷却し、減圧して、触媒を濾過する。12時間の反応時間の後、ムスセノンの転化率は94.3%であり、ムスコンへの選択性は94.1%である。こうして得られる粗生成物は、4.8%のムスコン、73.9%の14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]、4.5%の14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]の異性体、及び1.6%のジケトンから構成され、蒸留によって分離することもあり、またはこれ以上の後処理をせずに酸化へ再循環することもある。

Claims (15)

  1. 式IIのケトンを調製する方法であって、
    Figure 0005824056
    [式中、
    Aは、1〜5個のC1〜C6アルキル基によって置換されていてもよいC2〜C12アルカンジイルであり、
    R1とR2 は一緒になって1〜5個のC1〜C6アルキル基によって置換されていてもよいC3〜C10アルカンジイルを形成し、
    R3は、水素又はC1〜C6アルキルである]
    (a)式Iの環状オレフィンを
    Figure 0005824056
    一酸化二窒素と反応させて式IIのケトンを得る方法。
  2. さらに、(b)式IIのケトンを水素添加して式IIIの飽和ケトンにする、請求項1に記載の方法。
    Figure 0005824056
  3. (i)式Iの環状オレフィンを、部分転化するまで一酸化二窒素と反応させて、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIのケトンを含む第一の混合物を得、
    (ii)式IIのケトンが水素添加されて式IIIの飽和ケトンになり、式Iの環状オレフィンが実質的に水素添加されない条件下で、第一の混合物を水素添加して、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIIの飽和ケトンを含む第二の混合物を得る、請求項2に記載の方法。
  4. 第二の混合物の少なくとも一部をステップ(i)に再循環させる、請求項3に記載の方法。
  5. 式Iの環状オレフィンの所望の総転化率が達成されるまで、ステップ(i)とステップ(ii)を繰り返す、請求項4に記載の方法。
  6. 第二の混合物の一部を、式Iの新たな環状オレフィンと混合して、ステップ(i)に再循環させ、第二の混合物の一部を取り出してそこから式IIIの飽和ケトンを単離する、請求項4に記載の方法。
  7. 式IIIの飽和ケトンを蒸留によって第二の混合物から単離する、請求項3から6のいずれかに記載の方法。
  8. (i)式Iの環状オレフィンを、部分転化するまで一酸化二窒素と反応させて、未反応の式Iの環状オレフィン及び式IIのケトンを含む第一の混合物を得、
    (ii)未反応の式Iの環状オレフィンを第一の混合物から分離して、式IIの不飽和ケトンを含む残渣を得、この残渣を水素添加して式IIIの飽和ケトンを含む水素添加した残渣を得る、請求項2に記載の方法。
  9. 分離された未反応の式Iの環状オレフィンを、少なくとも一部ステップ(i)に再循環させる、請求項8に記載の方法。
  10. 部分転化率が、式Iの環状オレフィンに対し20モル%以下である、請求項3から9のいずれかに記載の方法。
  11. 一酸化二窒素との反応が外部溶媒のない状態で実施される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 水素添加が外部溶媒のない状態で実施される、請求項2から11のいずれかに記載の方法。
  13. 一酸化二窒素との反応が、一酸化二窒素が凝縮相で存在する圧力の下で行われる、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 水素添加が、不均一系水素添加触媒の存在下で行われる、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 式Iaの14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]を、式Iの環状オレフィンとして使用する、
    Figure 0005824056
    式IIIaの(±)-3-メチルシクロペンタデカノンを調製するための請求項2から14のいずれかに記載の方法。
    Figure 0005824056
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