JP7071686B1 - フラックス及び接合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだ付け後のフラックス残渣において、活性剤の析出をより抑制できる、フラックス及び接合体の製造方法を提供する。【解決手段】ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤とを含有するフラックスを採用する。テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超である。活性剤は、溶解パラメータ(SP値)が11.00以上の有機酸、又は一般式(1)で表される有機酸を含む。式(1)中、R1は、炭素数2~15の鎖状炭化水素基、炭素数3~15の脂環式炭化水素基、芳香族基、又はカルボキシ基を表す。ただし、前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、それぞれ、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する。R1-COOH ・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス及び接合体の製造方法に関する。
基板に対する部品の固定、及び、基板に対する部品の電気的な接続は、一般に、はんだ付けにより行われる。はんだ付けにおいては、フラックス、はんだ、並びに、フラックス及びはんだを混合したソルダペーストが用いられる。
フラックスは、はんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面及びはんだに存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、両者の間に金属間化合物が形成されるようになり、強固な接合が得られる。
はんだ付けにおいては、接合対象物のサイズ等に応じて、リフローはんだ付け、フローはんだ付け等の方法が採用されている。
リフローはんだ付けにおいては、まず、基板にソルダペーストが印刷される。次いで、部品が搭載され、リフロー炉と称される加熱炉で、部品が搭載された基板を加熱することにより、はんだ付けを行う。
フローはんだ付けにおいては、まず、部品を搭載した基板にフラックスが塗布される。次いで、部品が搭載された基板を搬送しつつ、下方から噴流させた溶融はんだをはんだ付け面に接触させることにより、はんだ付けを行う。
はんだ付けに用いられるフラックスには、一般に、樹脂成分、溶剤、活性剤等が含まれる。例えば、特許文献1の実施例には、樹脂成分としてロジンと、活性剤として、有機酸、有機ハロゲン化合物、又はアミンハロゲン化水素酸塩を含有するフローはんだ付けに用いられるフラックスが記載されている。
特許第6617848号公報
フラックスに含まれる樹脂成分及び活性剤は、はんだ付け後に、部品と基板との接合部において、フラックス残渣として残存する。フラックスに含まれる活性剤によっては、はんだ付け後のフラックス残渣に析出しやすいものがある。このようにフラックス残渣に析出した活性剤は、空気中の水分を吸収し、イオン化する。イオン化した活性剤は、金属を腐食し、マイグレーションを引き起こすおそれがある。
そこで、本発明は、はんだ付け後のフラックス残渣において、活性剤の析出をより抑制できる、フラックス及び接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1の態様は、ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤とを含有し、前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超であり、前記活性剤は、溶解パラメータ(SP値)が11.00以上である有機酸(A1)を含むフラックスである。
前記第1の態様にかかるフラックスにおいて、前記有機酸(A1)の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
前記第1の態様にかかるフラックスにおいて、前記有機酸(A1)の含有量の割合(質量比)は、前記テルペンフェノール樹脂の含有量(100質量部)に対して、1質量部以上600質量部以下であることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤とを含有し、前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超であり、前記活性剤は、下記一般式(1)で表される有機酸(A2)を含むフラックスである。
-COOH ・・・(1)
[式中、Rは、炭素数2~15の鎖状炭化水素基、炭素数3~15の脂環式炭化水素基、芳香族基、又はカルボキシ基を表す。ただし、前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、それぞれ、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する。]
前記第2の態様にかかるフラックスにおいて、前記有機酸(A2)の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
前記第2の態様にかかるフラックスにおいて、前記有機酸(A2)の含有量の割合(質量比)は、前記テルペンフェノール樹脂の含有量(100質量部)に対して、1質量部以上600質量部以下であることが好ましい。
前記第1の態様又は前記第2の態様にかかるフラックスにおいて、前記テルペンフェノール樹脂の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の第3の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様にかかるフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む、接合体の製造方法である。
本発明によれば、はんだ付け後のフラックス残渣において、活性剤の析出をより抑制できる、フラックス及び接合体の製造方法を提供することができる。
(フラックス)
第1の態様及び第2の態様にかかるフラックスは、フローはんだ付け及びリフローはんだ付けのいずれにも用いることができるが、フローはんだ付けに好適に用いられる。
フローはんだ付けに用いられる基板は、安価であり、濡れにくい材質で形成されており、酸化されやすいという特徴がある。また、フローはんだ付けは、はんだ付けの時間が短い。これらの理由により、フローはんだ付けにおいては、活性の強い活性剤が用いられ活性の強い活性剤は、はんだ付け後、樹脂等を含むフラックス残渣中に溶解しにくくなり、フラックス残渣に析出する場合がある。活性の強い活性剤としては、後述する特定有機酸が用いられる場合がある。
第1の態様及び第2の態様にかかるフラックスにおいては、特定有機酸に対して、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を採用する。これにより、活性剤がフラックス残渣に析出することを抑制することが可能となる。
以下、第1の態様及び第2の態様にかかるフラックスについて、詳細に説明する。
本明細書において、フラックスの固形分とは、フラックスから溶剤のみを除いた残りの全ての成分を意味する。
また、本明細書において、テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、JISK0070「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」の7.2電位差滴定法に従って測定される水酸基価を意味する。
この方法により測定される水酸基価は、フラックスに含まれる全ての種類のテルペンフェノール樹脂の水酸基価を加重平均したものである。
[第1の態様]
第1の態様にかかるフラックスの一実施形態は次のようなものである。本実施形態にかかるフラックスは、ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤と、溶剤と、必要に応じてその他成分とを含有する。
前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超である。前記活性剤は、溶解パラメータ(SP値)が11.00以上である有機酸(A1)を含む。本実施形態にかかるフラックスは、フローはんだ付け用フラックスとして好適なものである。
<ロジン>
本発明において「ロジン」とは、アビエチン酸を主成分とする、アビエチン酸とこの異性体との混合物を含む天然樹脂、及び天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体と呼ぶ場合がある)を包含する。
天然樹脂中のアビエチン酸含有量は、一例として、天然樹脂に対して、40質量%以上80質量%以下である。
本明細書において「主成分」とは、化合物を構成する成分のうち、その化合物中の含有量が40質量%以上の成分をいう。
アビエチン酸の異性体の代表的なものとしては、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸等が挙げられる。アビエチン酸の構造を以下に示す。
Figure 0007071686000001
前記「天然樹脂」としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等が挙げられる。
本発明において「天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体)」とは、前記「天然樹脂」に対して水素化、脱水素化、中和、アルキレンオキシド付加、アミド化、二量化及び多量化、エステル化並びにDiels-Alder環化付加からなる群より選択される1つ以上の処理を施したものを包含する。
ロジン誘導体としては、例えば、精製ロジン、変性ロジン等が挙げられる。
変性ロジンとしては、例えば、水添ロジン、重合ロジン、重合水添ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン、ロジンエステル、酸変性水添ロジン、無水酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、無水酸変性不均化ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物、ロジンアルコール、ロジンアミン、水添ロジンアルコール、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジン石鹸、水添ロジン石鹸、酸変性ロジン石鹸等が挙げられる。
ロジンアミンとしては、例えば、デヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミン等が挙げられる。ロジンアミンは、いわゆる不均化ロジンアミンを意味する。デヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミンの各構造を以下に示す。
Figure 0007071686000002
ロジンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ロジンとしては、ロジン誘導体を用いることが好ましい。
ロジン誘導体としては、酸変性水添ロジン、酸変性ロジン、水添ロジン、重合ロジン、及びロジンエステルからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。
酸変性水添ロジンとしては、アクリル酸変性水添ロジンを用いることが好ましい。
酸変性ロジンとしては、アクリル酸変性ロジンを用いることが好ましい。
前記フラックス中の、前記ロジンの含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、前記ロジンの含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上75質量%以下であることが更に好ましい。
<テルペンフェノール樹脂>
本明細書において、テルペンフェノール樹脂とは、テルペンモノマーとフェノール類との共重合体及びその共重合体の水添化物、並びに、テルペンモノマーとテルペンモノマー以外のモノマーとフェノール類との共重合体及びその共重合体の水添化物を意味する。
テルペンフェノール樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
変性テルペン樹脂としては、例えば、水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。
変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
テルペンモノマーとしては、例えば、イソプレン等の炭素数5のヘミテルペン類、炭素数10のモノテルペン類、炭素数15のセスキテルペン類、炭素数20のジテルペン類、炭素数25のセスタテルペン類、炭素数30のトリテルペン類、炭素数40のテトラテルペン類等が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超であり、90mgKOH/g以上であってもよく、110mgKOH/g以上であることが好ましく、130mgKOH/g以上であることがより好ましく、140mgKOH/g以上であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上であることが特に好ましく、190mgKOH/g以上であることが最も好ましい。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価の上限値は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、300mgKOH/g以下であってもよいし、250mgKOH/g以下であってもよいし、230mgKOH/g以下であってもよい。
例えば、テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超300mgKOH/g以下であってもよく、90mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であってもよく、110mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、130mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることがより好ましく、140mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが特に好ましく、190mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であってもよい。
あるいは、テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超250mgKOH/g以下であってもよく、90mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であってもよく、110mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましく、130mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがより好ましく、140mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが特に好ましく、190mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であってもよい。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価が前記下限値超であることにより、極性の高い有機酸(A1)がフラックス残渣に析出することを抑制する効果がより高められる。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価が前記上限値以下であることにより、吸湿をより低減することができる。これにより、フラックスの絶縁抵抗値の低下をより抑制し、マイグレーションの発生をより抑制することが可能となる。
テルペンフェノール樹脂としては、例えば、YSポリスター(テルペンフェノール樹脂:ヤスハラケミカル社製)、タマノル(テルペンフェノール樹脂:荒川化学工業社製)、テルタック80(テルペンフェノール樹脂:日本テルペン化学社製)、SylvaresTP(テルペンフェノール樹脂:エア・ブラウン社製)等が容易に入手できるものとして挙げられる。テルペンフェノール樹脂は、これらの中から、所望の水酸基価となるように選択すればよい。
テルペンフェノール樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態にかかるフラックスは、水酸基価が70mgKOH/g超である、1種類のテルペンフェノール樹脂を含有してもよい。あるいは、本実施形態にかかるフラックスは、水酸基価が異なる2種以上のテルペンフェノール樹脂を含有し、それらの水酸基価を加重平均した水酸基価が70mgKOH/g超であってもよい。
前記フラックス中の、テルペンフェノール樹脂の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、前記テルペンフェノール樹脂の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、3質量%以上50質量%以下であることが好ましく、4質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
テルペンフェノール樹脂の含有量が前記下限値以上であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣において、有機酸(A1)の析出をより抑制することが可能となる。
テルペンフェノール樹脂の含有量が前記上限値以下であることにより、フラックスの粘度が高くなり過ぎるおそれを低減することが可能となる。
ロジンとテルペンフェノール樹脂との混合比は、ロジン/テルペンフェノール樹脂で表される質量比、すなわち、テルペンフェノール樹脂の含有量に対するロジンの含有量の割合として、0.5以上20以下であることが好ましく、1以上10以下であることがより好ましく、1.5以上8以下であることが更に好ましい。
<活性剤>
《特定活性剤》
本実施形態のフラックスは、特定活性剤として、溶解パラメータ(SP値)が11以上である有機酸(A1)を含む。
[溶解パラメータ(SP値)]
本明細書において、溶解パラメータ(SP値)とは、Fedors法に基づき分子構造から算出された値を意味する。SP値(δ)は、下記式(sp)から求めることができる。
δ=(ΔE/ΔV)1/2 (cal/cm1/2・・・(sp)
式(sp)中、ΔEは、有機酸(A1)の分子が有する原子及び原子団の、蒸発エネルギー(cal/mol)の総和を表す。
ΔVは、有機酸(A1)の分子が有する原子及び原子団の、25℃におけるモル体積(cm/mol)の総和を表す。
蒸発エネルギー及びモル体積は、Robert F. Fedors, A method for estimating both the solubility parameters and molar volumes of liquids. Polymer Engineering and Science, 14, 147-154 (1974). に記載の数値を用いることができる。
有機酸(A1)のSP値は、11.00以上であり、11.50以上であることが好ましく、11.70以上であることがより好ましく、12.00以上であることが更に好ましく、12.50以上が特に好ましく、13.00以上が最も好ましい。
有機酸(A1)のSP値の上限値は、特に限定されないが、例えば、25であってもよく、23以下であってもよい。
例えば、有機酸(A1)のSP値は、11.00以上25.00以下であってもよく、11.50以上25.00以下であってもよく、11.70以上25.00以下であってもよく、12.00以上25.00以下であってもよく、12.50以上25.00以下であってもよく、13.00以上25.00以下であってもよい。
あるいは、有機酸(A1)のSP値は、11.00以上23.00以下であってもよく、11.50以上23.00以下であってもよく、11.70以上23.00以下であってもよく、12.00以上23.00以下であってもよく、12.50以上23.00以下であってもよく、13.00以上23.00以下であってもよい。
SP値が前記下限値以上である有機酸(A1)は、極性が高いため、はんだ付け後、樹脂等を含むフラックス残渣に析出しやすくなる。
本実施形態のフラックスは、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を採用する。これにより、SP値が前記下限値以上である有機酸(A1)の、フラックス残渣における析出が抑制される。
有機酸(A1)は、ジカルボン酸であってもよい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸(15.22)、マロン酸(14.03)、コハク酸(13.21)、グルタル酸(12.61)、アジピン酸(12.15)、ピメリン酸、スベリン酸(11.49)、アゼライン酸(11.25)、セバシン酸(11.04)、2,4-ジエチルグルタル酸(14.89)、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸(12.80)等が挙げられる。
かっこ内の数値は、各ジカルボン酸のSP値を表す。
あるいは、有機酸(A1)は、ヒドロキシカルボン酸であってもよい。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(16.12)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(18.31)等があげられる。
かっこ内の数値は、各ヒドロキシカルボン酸のSP値を表す。
あるいは、有機酸(A1)は、芳香族カルボン酸であってもよい。
前記芳香族カルボン酸としては、例えば、ピコリン酸(12.78)、ジピコリン酸(13.37)が挙げられる。
有機酸(A1)は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸又は2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸であることが好ましく、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸又は2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸であることがより好ましく、コハク酸又は2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸であることが更に好ましい。
有機酸(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フラックス中の、前記有機酸(A1)の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上4質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、前記有機酸(A1)の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
前記有機酸(A1)の含有量が前記下限値以上であることにより、フラックスの濡れ性をより高めることが可能となる。
前記有機酸(A1)の含有量が前記上限値以下であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣における、有機酸(A1)の析出をより抑制することが可能となる。
有機酸(A1)とテルペンフェノール樹脂との混合比は、有機酸(A1)/テルペンフェノール樹脂で表される質量比、すなわち、前記テルペンフェノール樹脂の含有量(100質量部)に対する有機酸(A1)の割合として、1質量部以上600質量部以下であってもよく、2質量部以上600質量部以下であることが好ましく、1質量部以上400質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上200質量部以下であることが更に好ましく、1質量部以上100質量部以下であることが特に好ましく、1質量部以上50質量部以下であることが最も好ましい。
前記有機酸(A1)の含有量の割合が前記下限値以上であることにより、はんだ付け性を高めることが可能となる。
前記有機酸(A1)の含有量の割合が前記上限値以下であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣における、有機酸(A1)の析出をより抑制することが可能となる。
《その他の活性剤》
本実施形態のフラックスに含まれる活性剤は、有機酸(A1)に加えて、その他の活性剤を含んでもよい。
その他の活性剤としては、例えば、有機酸(A1)以外の、その他の有機酸系活性剤、アミン系活性剤、ハロゲン系活性剤等が挙げられる。
[その他の有機酸系活性剤]
有機酸系活性剤としては、例えば、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、4-tert-ブチル安息香酸、パルミチン酸、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシル、ダイマー酸、トリマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
ダイマー酸、トリマー酸としては、例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸の水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸の水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸は、炭素数が36の2量体である。また、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸は、炭素数が54の3量体である。
その他の有機酸系活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[アミン系活性剤]
アミン系活性剤としては、例えば、ロジンアミン、アゾール類、グアニジン類、アルキルアミン化合物、アミノアルコール化合物等が挙げられる。
ロジンアミンとしては、<ロジン>において上述したものが挙げられる。
アゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン、エポキシ-イミダゾールアダクト、2-メチルベンゾイミダゾール、2-オクチルベンゾイミダゾール、2-ペンチルベンゾイミダゾール、2-(1-エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2-ノニルベンゾイミダゾール、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,4-トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6’-tert-ブチル-4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1’,2’-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-フェニルテトラゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。
アルキルアミン化合物としては、例えば、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。
アミノアルコール化合物としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノイソプロパノールアミン等が挙げられる。
アミン系活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[ハロゲン系活性剤]
ハロゲン系活性剤としては、例えば、アミンハロゲン化水素酸塩、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素とを反応させた化合物である。
ここでのアミンとしては、《アミン系活性剤》において例示されるアミンが挙げられる。ハロゲン化水素としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素の水素化物が挙げられる。
より具体的には、アミンハロゲン化水素酸塩としては、例えば、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ヘキサデシルアミン臭化水素酸塩、ステアリルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、エチルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、ジエチルアニリン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、2-エチルヘキシルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、イソプロピルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2-エチルヘキシルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、2-ピペコリン臭化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジン塩酸塩、ジメチルベンジルアミン塩酸塩、ヒドラジンヒドラート臭化水素酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、トリノニルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアニリン臭化水素酸塩、2-ジエチルアミノエタノール臭化水素酸塩、2-ジエチルアミノエタノール塩酸塩、塩化アンモニウム、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン臭化水素酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン二臭化水素酸塩、ピリジン塩酸塩、アニリン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩酸塩、へキシルアミン塩酸塩、n-オクチルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチレンジアミン二臭化水素酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2-フェニルイミダゾール臭化水素酸塩、4-ベンジルピリジン臭化水素酸塩、L-グルタミン酸塩酸塩、N-メチルモルホリン塩酸塩、ベタイン塩酸塩、2-ピペコリンヨウ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジンフッ化水素酸塩、ジエチルアミンフッ化水素酸塩、2-エチルヘキシルアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンフッ化水素酸塩、エチルアミンフッ化水素酸塩、ロジンアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩、及びジシクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩等が挙げられる。
また、ハロゲン系活性剤としては、例えば、アミンとテトラフルオロホウ酸(HBF)とを反応させた塩、アミンと三フッ化ホウ素(BF)とを反応させた錯体も用いることができる。前記錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素ピぺリジン等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化脂肪族化合物が挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものをいう。
ハロゲン化脂肪族化合物としては、ハロゲン化脂肪族アルコール、ハロゲン化複素環式化合物が挙げられる。
ハロゲン化脂肪族アルコールとしては、例えば、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1-ブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等が挙げられる。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
11-(R12 (2)
[式中、R11は、n価の複素環式基を表す。R12は、ハロゲン化脂肪族炭化水素基を表す。]
11における、n価の複素環式基の複素環としては、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された環構造が挙げられる。この複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。この複素環は、3~10員環であることが好ましく、5~7員環であることがより好ましい。この複素環としては、例えば、イソシアヌレート環などが挙げられる。
12における、ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、炭素数1~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数3~5がさらに好ましい。また、R12は、臭素化脂肪族炭化水素基、塩素化脂肪族炭化水素基が好ましく、臭素化脂肪族炭化水素基がより好ましく、臭素化飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物としては、例えば、2-ヨード安息香酸、3-ヨード安息香酸、2-ヨードプロピオン酸、5-ヨードサリチル酸、5-ヨードアントラニル酸等のヨウ化カルボキシル化合物;2-クロロ安息香酸、3-クロロプロピオン酸等の塩化カルボキシル化合物;2,3-ジブロモプロピオン酸、2,3-ジブロモコハク酸、2-ブロモ安息香酸等の臭素化カルボキシル化合物等のハロゲン化カルボキシル化合物、臭化水素酸、四臭化炭素、脂肪酸メチルエステル塩素化物(塩素化パラフィン)、テトラブロモエタン等が挙げられる。
ハロゲン系活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1,2-ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,2′-オキシビス(メチレン)ビス(2-エチル-1,3-プロパンジオール)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレントリグルコール、ブチルプロピレントリグルコール、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記溶剤は、予備加熱での揮発性を高める観点から、沸点が100℃以下の溶剤を含むことが好ましい。前記沸点が100℃以下の溶剤は、特定活性剤の溶解性の観点から、アルコール系溶剤であることが好ましい。
前記アルコール系溶剤は、2-プロパノールを含むことが好ましい。
前記フラックス中の、前記溶剤の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、40質量%以上98質量%以下であることが好ましく、60質量%以上98質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上98質量%以下であることが更に好ましい。
<その他成分>
本実施形態にかかるフラックスは、ロジン、テルペンフェノール樹脂、活性剤及び溶剤以外に、必要に応じてその他成分を含んでもよい。
その他成分としては、チキソ剤、ロジン及びテルペンフェノール樹脂以外の樹脂成分、金属不活性化剤、界面活性剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、着色剤等が挙げられる。
《ロジン及びテルペンフェノール樹脂以外の樹脂成分》
ロジン系樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル-ポリエチレン共重合樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等が挙げられる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等が挙げられる。
《金属不活性化剤》
金属不活性化剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、窒素化合物等が挙げられる。ここでいう「金属不活性化剤」とは、ある種の化合物との接触により金属が劣化することを防止する性能を有する化合物をいう。
ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノールのオルト位の少なくとも一方に嵩高い置換基(例えばt-ブチル基等の分岐状又は環状アルキル基)を有するフェノール系化合物をいう。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されず、例えば、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、N,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド、下記化学式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007071686000003
(式中、Zは、置換されてもよいアルキレン基である。R101及びR102は、それぞれ独立して、置換されてもよい、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基である。R103及びR104は、それぞれ独立して、置換されてもよいアルキル基である。)
金属不活性化剤における窒素化合物としては、例えば、ヒドラジド系窒素化合物、アミド系窒素化合物、トリアゾール系窒素化合物、メラミン系窒素化合物等が挙げられる。
ヒドラジド系窒素化合物としては、ヒドラジド骨格を有する窒素化合物であればよく、ドデカン二酸ビス[N2-(2ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、デカンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N-サリチリデン-N’-サリチルヒドラジド、m-ニトロベンズヒドラジド、3-アミノフタルヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、オキザロビス(2-ヒドロキシ-5-オクチルベンジリデンヒドラジド)、N’-ベンゾイルピロリドンカルボン酸ヒドラジド、N,N’-ビス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン等が挙げられる。
アミド系窒素化合物としては、アミド骨格を有する窒素化合物であればよく、N,N’-ビス{2-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミド等が挙げられる。
トリアゾール系窒素化合物としては、トリアゾール骨格を有する窒素化合物であればよく、N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。
メラミン系窒素化合物としては、メラミン骨格を有する窒素化合物であればよく、メラミン、メラミン誘導体等が挙げられる。より具体的には、例えば、トリスアミノトリアジン、アルキル化トリスアミノトリアジン、アルコキシアルキル化トリスアミノトリアジン、メラミン、アルキル化メラミン、アルコキシアルキル化メラミン、N2-ブチルメラミン、N2,N2-ジエチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン等が挙げられる。
金属不活性化剤は、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]を含むことが好ましい。
《界面活性剤》
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、弱カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アルコールポリオキシエチレン付加体、芳香族アルコールポリオキシエチレン付加体、多価アルコールポリオキシエチレン付加体が挙げられる。
弱カチオン系界面活性剤としては、例えば、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アミンポリオキシエチレン付加体、芳香族アミンポリオキシエチレン付加体、多価アミンポリオキシエチレン付加体が挙げられる。
上記以外の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール類、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド等が挙げられる。
以上説明した第1の態様のフラックスの一実施形態は、ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、SP値が11.00以上である有機酸(A1)と、溶剤とを含有し、フローはんだ付けに好適なものである。
特定有機酸(A1)は、活性が高く、フラックス残渣において析出しやすい。しかしながら、本実施形態のフラックスは、有機酸(A1)を含有しても、ロジンに加えて、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を含有することにより、はんだ付け後のフラックス残渣において、有機酸(A1)の析出をより抑制することが可能となる。
かかる効果が得られる理由は定かではないが、本実施形態のフラックスに含まれる水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂により、フラックス残渣中の樹脂成分に対する、有機酸(A1)の相溶性が高められるため、と推測される。
[第2の態様]
第2の態様にかかるフラックスの一実施形態は次のようなものである。本実施形態にかかるフラックスは、ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤と、溶剤と、必要に応じてその他成分とを含有する。
前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超である。前記活性剤は、下記一般式(1)で表される有機酸(A2)を含む。本実施形態にかかるフラックスは、フローはんだ付け用フラックスとして好適なものである。
-COOH ・・・(1)
[式中、Rは、炭素数2~15の鎖状炭化水素基、炭素数3~15の脂環式炭化水素基、芳香族基、又はカルボキシ基を表す。ただし、前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、それぞれ、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する。]
<ロジン>
ロジンとしては、第1の態様において上述したものが挙げられる。
ロジンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ロジンとしては、ロジン誘導体を用いることが好ましい。
ロジン誘導体としては、酸変性水添ロジン、酸変性ロジン、水添ロジン、重合ロジン、及びロジンエステルからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。
酸変性水添ロジンとしては、アクリル酸変性水添ロジンを用いることが好ましい。
酸変性ロジンとしては、アクリル酸変性ロジンを用いることが好ましい。
前記フラックス中の、前記ロジンの含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、前記ロジンの含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上75質量%以下であることが更に好ましい。
<テルペンフェノール樹脂>
テルペンフェノール樹脂としては、第1の態様において上述したものが挙げられる。
テルペンフェノール樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超であり、90mgKOH/g以上であってもよく、110mgKOH/g以上であることが好ましく、130mgKOH/g以上であることがより好ましく、140mgKOH/g以上であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上であることが特に好ましく、190mgKOH/g以上であることが最も好ましい。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価の上限値は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、300mgKOH/g以下であってもよいし、250mgKOH/g以下であってもよいし、230mgKOH/g以下であってもよい。
例えば、テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超300mgKOH/g以下であってもよく、90mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であってもよく、110mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、130mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることがより好ましく、140mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが特に好ましく、190mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であってもよい。
あるいは、テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、70mgKOH/g超250mgKOH/g以下であってもよく、90mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であってもよく、110mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましく、130mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがより好ましく、140mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが特に好ましく、190mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であってもよい。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価が前記下限値以上であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣において、有機酸(A1)の析出をより抑制することが可能となる。
テルペンフェノール樹脂の水酸基価が前記上限値以下であることにより、吸湿をより低減することができる。これにより、フラックスの絶縁抵抗値の低下をより抑制し、マイグレーションの発生をより抑制することが可能となる。
前記フラックス中の、テルペンフェノール樹脂の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、前記テルペンフェノール樹脂の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、3質量%以上50質量%以下であることが好ましく、4質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
テルペンフェノール樹脂の含有量が前記下限値以上であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣において、活性剤の析出をより抑制することが可能となる。
テルペンフェノール樹脂の含有量が前記上限値以下であることにより、フラックスの粘度が高くなり過ぎるおそれを低減することが可能となる。
ロジンとテルペンフェノール樹脂との混合比は、ロジン/テルペンフェノール樹脂で表される質量比、すなわち、テルペンフェノール樹脂の含有量に対するロジンの含有量の割合として、0.5以上20以下であることが好ましく、1以上10以下であることがより好ましく、1.5以上8以下であることが更に好ましい。
<活性剤>
《特定活性剤》
本実施形態のフラックスは、特定活性剤として、下記一般式(1)で表される有機酸(A2)を含む。
-COOH ・・・(1)
[式中、Rは、炭素数2~15の鎖状炭化水素基、炭素数3~15の脂環式炭化水素基、芳香族基、又はカルボキシ基を表す。ただし、前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、それぞれ、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する。]
における前記鎖状炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよく、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記鎖状炭化水素基の炭素数は、2~12であることが好ましく、3~9であることがより好ましく、3~7であることが特に好ましく、3~5であることが最も好ましい。
前記鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基の炭素数は、3~12であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、4~8であることが更に好ましい。
前記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基等が挙げられる。
における前記芳香族基は、芳香環を少なくとも1個有する基であり、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環、芳香族炭化水素環と芳香族複素環が縮合した縮合環等が挙げられる。
における前記芳香族基が置換基を有する場合、前記置換基としては、炭素数1~20の炭化水素基、芳香族炭化水素基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、カルボキシ基又はヒドロキシ基が好ましい。
上記一般式(1)で表される有機酸(A2)としては、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、2,4-ジエチルグルタル酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等があげられる。
芳香族カルボン酸としては、例えば、ピコリン酸、ジピコリン酸等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される有機酸(A2)の中でも、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸又は2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸であることが好ましく、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸又は2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸であることがより好ましく、コハク酸又は2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸であることが更に好ましい。
上記一般式(1)で表される有機酸(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フラックス中の、前記有機酸(A2)の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上4質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、前記有機酸(A2)の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
前記有機酸(A2)の含有量が前記下限値以上であることにより、フラックスの濡れ性をより高めることが可能となる。
前記有機酸(A2)の含有量が前記上限値以下であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣における、活性剤の析出をより抑制することが可能となる。
有機酸(A2)とテルペンフェノール樹脂との混合比は、有機酸(A2)/テルペンフェノール樹脂で表される質量比、すなわち、前記テルペンフェノール樹脂の含有量(100質量部)に対する有機酸(A2)の割合として、1質量部以上600質量部以下であってもよく、2質量部以上600質量部以下であることが好ましく、1質量部以上400質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上200質量部以下であることが更に好ましく、1質量部以上100質量部以下であることが特に好ましく、1質量部以上50質量部以下であることが最も好ましい。
有機酸(A2)の含有量の割合が前記下限値以上であることにより、はんだ付け性を高めることが可能となる。
有機酸(A2)の含有量の割合が前記上限値以下であることにより、はんだ付け後のフラックス残渣における、有機酸(A2)の析出をより抑制することが可能となる。
《その他の活性剤》
その他の活性剤としては、第1の態様において上述したものが挙げられる。
<溶剤>
溶剤としては、第1の態様において上述したものが挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記溶剤は、予備加熱での揮発性を高める観点から、沸点が100℃以下の溶剤を含むことが好ましい。前記沸点が100℃以下の溶剤は、特定活性剤の溶解性の観点から、アルコール系溶剤であることが好ましい。
前記アルコール系溶剤は、2-プロパノールを含むことが好ましい。
前記フラックス中の、前記溶剤の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、40質量%以上98質量%以下であることが好ましく、60質量%以上98質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上98質量%以下であることが更に好ましい。
<その他成分>
その他成分としては、第1の態様において上述したものが挙げられる。
以上説明した第2の態様のフラックスの一実施形態は、ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、上記一般式(1)で表される有機酸(A2)と、溶剤とを含有し、フローはんだ付けに好適なものである。
特定有機酸(A2)は、活性が高く、フラックス残渣において析出しやすい。しかしながら、本実施形態のフラックスは、有機酸(A2)を含有しても、ロジンに加えて、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を含有することにより、はんだ付け後のフラックス残渣において、有機酸(A2)の析出をより抑制することが可能となる。
かかる効果が得られる理由は定かではないが、本実施形態のフラックスに含まれる水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂により、フラックス残渣中の樹脂成分に対する、有機酸(A2)の相溶性が高められるため、と推測される。
(接合体の製造方法)
第3の態様にかかる接合体の製造方法は、上記の第1の態様又は第2の態様にかかるフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む。
以下、第3の態様にかかる接合体の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる接合体の製造方法は、部品取付け工程、フラックス塗布工程、予備加熱工程及びはんだ付け工程を、この順に有する方法である。
部品取付け工程においては、部品を基板に取り付ける。
基板としては、例えば、プリント配線基板などが挙げられる。
部品としては、例えば、集積回路、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、及びコンデンサ等が挙げられる。
フラックス塗布工程においては、部品を搭載した基板のはんだ付け面に、上記実施形態のフラックスを塗布する。
フラックスの塗布装置としては、スプレーフラクサー、および発泡式フラクサー等が挙げられる。これらの中でも、塗布量の安定性の観点から、スプレーフラクサーが好ましい。
フラックスの塗布量は、はんだ付け性の観点から、30~180mL/mであることが好ましく、40~150mL/mであることがより好ましく、50~120mL/mであることが特に好ましい。
はんだ付け工程においては、部品を搭載した基板のはんだ付け面を、はんだ合金を溶融させた溶融はんだに接触させる。
はんだ付け面に溶融はんだを接触させる方法としては、溶融はんだを基板に接触できる方法であればよく、特に限定されない。このような方法としては、例えば、噴流方式、浸漬方式等が挙げられる。
噴流方式は、噴流する溶融はんだに、部品を搭載した基板のはんだ付け面を接触させる方法である。浸漬方式は、静止した溶融はんだの液面に、部品を搭載した基板のはんだ付け面を接触させる方法である。
はんだ合金としては、公知の組成のはんだ合金を使用することができる。
はんだ合金は、Sn単体のはんだ、又は、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系、Sn-In系等、あるいは、これらの合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金であってもよい。
はんだ合金は、Sn-Pb系、あるいは、Sn-Pb系にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金であってもよい。
はんだ合金は、Pbを含まないはんだであることが好ましい。
はんだ付け工程における、はんだ付けの条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn-Ag-Cu系のはんだ合金を用いる場合には、溶融はんだの温度は、230~280℃であることが好ましく、250~270℃であることがより好ましい。
予備加熱工程においては、部品を搭載した基板を予め加熱する。予備加熱工程における、基板を加熱する温度としては、80~130℃であることが好ましく、90~120℃であることがより好ましい。
以上説明した本実施形態にかかる接合体の製造方法によれば、得られる接合体上のフラックス残渣において活性剤が析出することをより抑制することが可能となる。これにより、得られる接合体においてマイグレーションが発生するおそれを低減することが可能となる。
その他実施形態:
上記実施形態にかかるフラックスは、フローはんだ付け用に好適なものであるが、第1の態様及び第2の態様にかかるフラックスはこれに限定されず、リフローはんだ付けに用いることもできる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<混合液の調製>
(試験例1~35)
表1~7に示す組成で試験例の混合液を調合した。表1~7中、数値は各成分の重量(g)を表す。
使用した原料を以下に示した。
活性剤:
2,2-ビスヒドロキシメチルプロピオン酸(SP値:16.12)
コハク酸(SP値:13.21)
グルタル酸(SP値:12.61)
アジピン酸(SP値:12.15)
スベリン酸(SP値:11.49)
セバシン酸(SP値:11.04)
4-tert-ブチル安息香酸(SP値:10.52)
テルペンフェノール樹脂:
樹脂A 200±10mgKOH/g
樹脂B 150±10mgKOH/g
樹脂C 120±10mgKOH/g
樹脂D 100±10mgKOH/g
樹脂E 60±10mgKOH/g
<評価>
《活性剤の溶解性の評価》
樹脂A~Eに、活性剤を加えて、混合液を作製した。混合液を、樹脂の軟化点以上まで加熱した後、室温まで冷却した。加熱中、及び冷却後の混合液における、析出物の有無を確認し、以下の判定基準に基づいて評価を行った。結果を表1~7に示した。
判定基準:
A:加熱により活性剤が混合液中で溶解し、冷却後に析出物が認められなかった。
B:加熱しても、活性剤は混合液中で溶解せず、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000004
表1に示すように、コハク酸と、樹脂A又は樹脂Bのいずれかとを含む試験例1~2は、冷却後に析出物が認められなかった。
これに対し、コハク酸と、樹脂C~Eのいずれかとを含む試験例3~5は、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000005
表2に示すように、グルタル酸と樹脂Aとを含む試験例6は、冷却後に析出物が認められなかった。
これに対し、グルタル酸と、樹脂B~Eのいずれかとを含む試験例7~10は、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000006
表3に示すように、アジピン酸と樹脂Aとを含む試験例11は、冷却後に析出物が認められなかった。
これに対し、アジピン酸と、樹脂B~Eのいずれかとを含む試験例12~15は、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000007
表4に示すように、スベリン酸と、樹脂A~Dのいずれかとを含む試験例16~19は、冷却後に析出物が認められなかった。
これに対し、スベリン酸と樹脂Eとを含む試験例20は、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000008
表5に示すように、セバシン酸と、樹脂A~Dのいずれかとを含む試験例21~24は、冷却後に析出物が認められなかった。
これに対し、セバシン酸と樹脂Eとを含む試験例25は、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000009
表6に示すように、2,2-ビスヒドロキシメチルプロピオン酸と、樹脂A又は樹脂Bのいずれかとを含む試験例26~27は、冷却後に析出物が認められなかった。
これに対し、2,2-ビスヒドロキシメチルプロピオン酸と、樹脂C~Eのいずれかとを含む試験例28~30は、冷却後に析出物が認められた。
Figure 0007071686000010
表7に示すように、4-tert-ブチル安息香酸と、樹脂A~Eのいずれかとを含むを含む試験例31~35は、冷却後に析出物が認められなかった。
以上の結果から、SP値が11.00以上である有機酸(A1)、及び、上記一般式(1)で表される有機酸(A2)は、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を選択することにより、溶解することが明らかになった。
また、SP値が11.00以上である有機酸(A1)、及び、上記一般式(1)で表される有機酸(A2)は、水酸基価が70mgKOH/g以下であるテルペンフェノール樹脂に対して、溶解できないことが明らかになった。
<フラックスの調製>
(実施例1~23、比較例1~2、参考例1~2)
以下の表8~10に示す組成で実施例及び比較例のフラックスを調合した。表8~10における組成は、フラックスの全量を100質量%とした場合の質量%である。ただし、実施例6、実施例8については参考例扱いとする。
特定活性剤:
2,2-ビスヒドロキシメチルプロピオン酸(SP値:16.12)
コハク酸(SP値:13.21)
グルタル酸(SP値:12.61)
アジピン酸(SP値:12.15)
スベリン酸(SP値:11.49)
セバシン酸(SP値:11.04)
その他活性剤:4-tert-ブチル安息香酸(SP値:10.52)
テルペンフェノール樹脂:
樹脂A 200±10mgKOH/g
樹脂B 150±10mgKOH/g
樹脂C 120±10mgKOH/g
樹脂D 100±10mgKOH/g
樹脂E 60±10mgKOH/g
ロジン:アクリル酸変性水添ロジン、アクリル酸変性ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジンエステル
溶剤:2-プロパノール
その他の樹脂成分:シリコーン
酸化防止剤:キノリン化合物
<溶融はんだの調製>
母合金として、Agが3質量%、Cuが0.5質量%、残部がSnの合金からなるインゴットを用意した。
このインゴットを溶解して、溶融はんだを調製した。
<評価>
《フラックス残渣の表面における析出》
検証方法:
各例のフラックスを、基板に噴霧することにより、前処理した基板を得た。
次いで、前処理した基板に対し、窒素雰囲気下で、溶融はんだを接触させることにより、フローはんだ付けを行った。
基板上のフラックス残渣の表面における析出の有無を確認し、以下の判定基準に基づいて評価を行った。結果を表8~10に示す。
判定基準:
A:フラックス残渣の表面に、析出物が認められなかった。
B:フラックス残渣の表面に、少量の析出物が認められた。
C:フラックス残渣の表面に、大量の析出物が認められた。
評価結果においては、AからCの順に、フラックス残渣の表面における析出物の量が増加する。評価結果が、A~Bであったフラックスは合格であり、Cであったフラックスは不合格であるとした。
Figure 0007071686000011
Figure 0007071686000012
Figure 0007071686000013
活性の高い特定有機酸、及び、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を含有する実施例1~23のフラックスは、フラックス残渣の表面における析出の評価が、A又はBであった。
これに対し、活性の高い特定有機酸、及び、水酸基価が70mgKOH/g以下であるテルペンフェノール樹脂を含有する比較例1~2のフラックスは、フラックス残渣の表面における析出の評価が、Cであった。
また、活性が高くない有機酸及びテルペンフェノール樹脂を含有する参考例2のフラックスは、テルペンフェノール樹脂の水酸基価が70mgKOH/g以下であっても、フラックス残渣の表面における析出の評価が、Aであった。
すなわち、本発明によれば、活性の高い特定有機酸を含有する場合であっても、水酸基価が70mgKOH/g超であるテルペンフェノール樹脂を含有することにより、フラックス残渣における析出を抑制することができる。
本発明によれば、はんだ付け後のフラックス残渣において、活性剤の析出をより抑制できる、フラックス及び接合体の製造方法を提供することができる。このフラックスは、フローはんだ付けに好適である。加えて、このフラックスは、高温多湿環境下で用いられる電子基板のはんだ付けの用途に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤とを含有し、
    前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、140mgKOH/g以上であり、
    前記活性剤は、溶解パラメータ(SP値)が12.00以上である有機酸(A1)を含む、フラックス。
  2. 前記有機酸(A1)の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上6質量%以下である、請求項1に記載のフラックス。
  3. 前記有機酸(A1)の含有量の割合(質量比)は、前記テルペンフェノール樹脂の含有量(100質量部)に対して、1質量部以上600質量部以下である、請求項1又は2に記載のフラックス。
  4. ロジンと、テルペンフェノール樹脂と、活性剤とを含有し、
    前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価は、140mgKOH/g以上であり、
    前記活性剤は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2,4-ジエチルグルタル酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、ピコリン酸及びジピコリン酸からなる群より選択される一種以上の有機酸(A2)を含む、フラックス。
  5. 前記有機酸(A2)の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上6質量%以下である、請求項4に記載のフラックス。
  6. 前記有機酸(A2)の含有量の割合(質量比)は、前記テルペンフェノール樹脂の含有量(100質量部)に対して、1質量部以上600質量部以下である、請求項4又は5に記載のフラックス。
  7. 前記テルペンフェノール樹脂の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上20質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のフラックス。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む、接合体の製造方法。
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