JP7212298B1 - フラックス及びソルダペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだ付けの際にボイドの発生をより抑制することができるフラックス、及びこのフラックスを用いたソルダペーストを提供する。【解決手段】本発明のフラックスは、ロジンと、溶剤と、チキソ剤と、アミンヨウ化水素酸塩と、活性剤(ただし、アミンヨウ化水素酸塩を除く)とを含有し、アミンヨウ化水素酸塩が、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含むことを特徴とする。この複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩としては、ピペリジンヨウ化水素酸塩及びピペコリンヨウ化水素酸塩からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス及びソルダペーストに関する。
基板に対する部品の固定、及び基板に対する部品の電気的な接続は、一般に、はんだ付けにより行われる。はんだ付けにおいては、フラックス、はんだ粉末、並びに、フラックス及びはんだ粉末を混合したソルダペーストが用いられる。
フラックスは、はんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面及びはんだに存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、両者の間に金属間化合物が形成されるようになり強固な接合が得られる。
ソルダペーストを使用したはんだ付けでは、まず、基板にソルダペーストが印刷された後、部品が搭載され、リフロー炉と称される加熱炉で、部品が搭載された基板が加熱される。これにより、ソルダペーストに含まれるはんだ粉末が溶融して、部品が基板にはんだ付けされる。
フラックスの配合成分は、はんだの種類、又は接合対象物表面の金属種に応じて、適宜選択される。例えば、特許文献1の実施例には、特定のはんだ合金粉末に対して、ベース樹脂、溶剤、チキソ剤、活性剤(アミン臭化水素酸塩、有機モノカルボン酸)、酸化防止剤及び防錆剤を含有するフラックスを用いたソルダペーストが提案されている。
特開2002-361484号公報
近年、QFN(Quad Flat Non-Leaded Package)等の小型化した部品が用いられている。QFNは、パッケージの周辺にリードを有さず、パッケージの背面にリードフレームの露出面及び電極端子を有するため、基板にQFNをはんだ付けする場合には、QFNの背面と、基板の表面との間をソルダペーストで接合する。
このような、パッケージ背面のリードフレームの露出面及び電極端子を、基板に対してはんだ付けする場合において、従来のソルダペーストでは、ボイドの発生を充分に抑制することが難しい。
そこで、本発明は、はんだ付けの際にボイドの発生をより抑制することができるフラックス、及びこれを用いたソルダペーストを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] ロジンと、溶剤と、チキソ剤と、アミンヨウ化水素酸塩と、活性剤(ただし、前記アミンヨウ化水素酸塩を除く)とを含有し、前記アミンヨウ化水素酸塩が、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含む、フラックス。
[2] 前記複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩が、ピペリジンヨウ化水素酸塩及びピペコリンヨウ化水素酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である、[1]に記載のフラックス。
[3] 前記溶剤は、沸点250℃以上の溶剤(S1)と、沸点220℃以下の溶剤(S3)とを併用する、[1]又は[2]に記載のフラックス。
[4] 前記溶剤(S1)と前記溶剤(S3)との比率が、溶剤(S1)/溶剤(S3)で表される質量比で、50/50以上85/15以下である、[3]に記載のフラックス。
[5] さらに、硫黄含有化合物を含有する、[1]~[4]のいずれか一つに記載のフラックス。
[6] 前記活性剤が、下記一般式(A0)で表されるジカルボン酸を含む、[1]~[5]のいずれか一つに記載のフラックス。
Figure 0007212298000001
[式中、nは、0~8の整数である。]
[7] 前記活性剤が、トリアゾール化合物を含む、[1]~[6]のいずれか一つに記載のフラックス。
[8] はんだ合金粉末と、[1]~[7]のいずれか一つに記載のフラックスと、を含有するソルダペースト。
本発明によれば、はんだ付けの際にボイドの発生をより抑制することができるフラックス、及びこれを用いたソルダペーストを提供することができる。
本実施例での[ボイド発生の抑制の効果]の評価における、リフロープロファイルを示す図である。
(フラックス)
本実施形態のフラックスは、ロジンと、溶剤と、チキソ剤と、アミンヨウ化水素酸塩と、活性剤(ただし、前記アミンヨウ化水素酸塩を除く)とを含有する。前記アミンヨウ化水素酸塩は、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含む。
<ロジン>
ロジンとしては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の原料ロジン、並びに該原料ロジンから得られる誘導体が挙げられる。
該誘導体としては、例えば、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、酸変性水添ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物等が挙げられる。
ロジンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
ロジンとしては、上記の中でも、重合ロジン、酸変性水添ロジン及び水添ロジンからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
酸変性水添ロジンとしては、アクリル酸変性水添ロジンを用いることが好ましい。
水添ロジンとしては、アビエチン酸とこの異性体との混合物を含む天然樹脂を水素化したもの、例えば、ジヒドロアビエチン酸とテトラヒドロアビエチン酸とを主成分とするロジン等が挙げられる。「主成分」とは、化合物を構成する成分のうち、その化合物中の含有量が40質量%以上の成分をいう。
本実施形態のフラックス中の、ロジンの含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上50質量%以下がより好ましく、25質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、イソプロピルアルコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,2′-オキシビス(メチレン)ビス(2-エチル-1,3-プロパンジオール)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2-ヘキシル-1-デカノール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、オクタンジオール等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルグリコール)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルグリコール)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレントリグルコール、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル等が挙げられる。
テルピネオール類としては、α-ターピネオール、β-ターピネオール、γ-ターピネオール、ターピネオール混合物(すなわち、その主成分がα-ターピネオールであり、β-ターピネオール又はγ-ターピネオールを含有する混合物)等が挙げられる。
その他溶剤としては、例えば、セバシン酸ジオクチル(DOS)、流動パラフィン等が挙げられる。
溶剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のフラックスにおいて、前記溶剤は、はんだ付けの際におけるボイド発生の抑制の観点から、沸点の異なる溶剤を併用することが好ましい。その中でも、前記溶剤は、沸点250℃以上の溶剤(S1)と、沸点220℃以下の溶剤(S3)と、を併用することが好ましい。溶剤(S1)と溶剤(S3)とを併用することにより、はんだ付けの際にボイドの発生をよりいっそう抑制することができる。
本明細書において、「溶剤の沸点」とは、対象の溶剤の飽和蒸気圧が1気圧と等しくなるときの、その溶剤の温度を意味する。
以下、沸点250℃以上の溶剤を(S1)成分、沸点220℃以下の溶剤を(S3)成分ともいう。また、沸点220℃超え、250℃未満の溶剤を(S2)成分という。
≪沸点250℃以上の溶剤(S1)≫
(S1)成分としては、例えば、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル(沸点272℃)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)(沸点258℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点256℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点278℃)、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点261℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点275℃)等が挙げられる。
≪沸点220℃超え、250℃未満の溶剤(S2)≫
(S2)成分としては、例えば、1,4-ブタンジオール(沸点228℃)、フェニルグリコール(沸点237℃)、ブチルカルビトール(沸点231℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点243℃)等が挙げられる。
≪沸点220℃以下の溶剤(S3)≫
(S3)成分としては、例えば、1,3-ブタンジオール(沸点203℃)、1,2-ブタンジオール(沸点194℃)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)(沸点198℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルグリコール)(沸点208℃)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(沸点210℃)、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール(沸点215℃)、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール(沸点206℃)、α-ターピネオール(沸点218℃)(以上、沸点190℃以上220℃以下の溶剤(この溶剤を「溶剤(S31)」又は「(S31)成分」ともいう));エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルグリコール)(沸点171℃)、2,3-ブタンジオール(沸点183℃)、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール(沸点174℃)、1-エチニル-1-シクロヘキサノール(沸点180℃)(以上、沸点160℃以上190℃未満の溶剤(この溶剤を「溶剤(S32)」又は「(S32)成分」ともいう))等が挙げられる。
沸点の異なる溶剤の形態としては、上記の(S1)成分と(S3)成分との組合せが好ましく、はんだ付けの際にボイドの発生が抑制されやすいことに加え、沸点が低すぎず、ソルダペーストとした際の経時での粘度変化の割合が低いことから、(S1)成分と(S31)成分とを併用することが特に好ましい。
(S1)成分と(S3)成分とを併用する場合、前記(S1)成分と前記(S3)成分との比率は、はんだ付けの際にボイドの発生が抑制されやすい観点から、溶剤(S1)/溶剤(S3)で表される質量比で、50/50以上85/15以下であることが好ましい。さらに、ソルダペーストとした際の経時での粘度変化の割合を低く抑えられやすい観点から、溶剤(S1)/溶剤(S3)で表される質量比で、55/45以上85/15以下であることが好ましく、60/40以上85/15以下であることがより好ましい。
溶剤の総含有量は、フラックスにおける残部である。
例えば、本実施形態のフラックス中の、溶剤の総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、25質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましく、35質量%以上45質量%以下がさらに好ましい。
<チキソ剤>
チキソ剤としては、例えば、エステル系チキソ剤、アミド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。
エステル系チキソ剤としては、例えばエステル化合物が挙げられ、具体的には、硬化ひまし油、ミリスチン酸エチル等が挙げられる。
アミド系チキソ剤としては、例えば、モノアミド、ビスアミド、ポリアミドが挙げられる。
モノアミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、4-メチルベンズアミド(p-トルアミド)、p-トルエンメタンアミド、芳香族アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、置換アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールアミド、脂肪酸エステルアミド等が挙げられる。
ビスアミドとしては、例えば、エチレンビス脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、エチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、ヘキサメチレンビス脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、芳香族ビスアミド等が挙げられる。前記ビスアミドの原料である脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸(炭素数C18)、オレイン酸(炭素数C18)、ラウリン酸(炭素数C12)等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、飽和脂肪酸ポリアミド、不飽和脂肪酸ポリアミド、芳香族ポリアミド、1,2,3-プロパントリカルボン酸トリス(2-メチルシクロヘキシルアミド)、環状アミドオリゴマー、非環状アミドオリゴマー等のポリアミドが挙げられる。
前記環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー等が挙げられる。
前記非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸とモノアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマー等が挙げられる。モノカルボン酸又はモノアミンを含むアミドオリゴマーであると、モノカルボン酸、モノアミンがターミナル分子として機能し、分子量を小さくした非環状アミドオリゴマーとなる。また、非環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸と、ジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミド化合物である場合、非環状高分子系アミドポリマーとなる。さらに、非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とモノアミンとが非環状に縮合したアミドオリゴマーも含まれる。
ソルビトール系チキソ剤としては、例えば、ジベンジリデン-D-ソルビトール、ビス(4-メチルベンジリデン)-D-ソルビトール、(D-)ソルビトール、モノベンジリデン(-D-)ソルビトール、モノ(4-メチルベンジリデン)-(D-)ソルビトール等が挙げられる。
チキソ剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のフラックスが含有するチキソ剤としては、エステル系チキソ剤及びアミド系チキソ剤からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、アミド系チキソ剤を少なくとも含むことがより好ましく、エステル系チキソ剤とアミド系チキソ剤との組合せがさらに好ましい。
エステル系チキソ剤としては、硬化ひまし油が好ましい。
アミド系チキソ剤としては、ポリアミドが好ましい。
本実施形態のフラックス中の、チキソ剤の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、2質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましく、5質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
<アミンヨウ化水素酸塩>
本実施形態のフラックスにおいて、アミンヨウ化水素酸塩には、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含むものを用いる。複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩は、複素脂環式アミンとヨウ化水素とを反応させた化合物である。
複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩における、複素脂環式アミンは、6員環構造を持つ複素脂環式アミンが好ましく、その中でもピペリジン、ピペコリンが好適に挙げられ、ピペリジン、2-ピペコリンが特に好ましい。
複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩としては、ピペリジンヨウ化水素酸塩及びピペコリンヨウ化水素酸塩からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、ピペリジンヨウ化水素酸塩、及び2-ピペコリンヨウ化水素酸塩からなる群より選択される少なくとも一種を用いることがより好ましい。
本実施形態のフラックス中の、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.01質量%以上1.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.25質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以上0.9質量%以下が特に好ましい。
複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩の含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、はんだ付けの際におけるボイド発生が抑制されやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、ソルダペーストの経時での粘度増加が抑えられやすくなる。
アミンヨウ化水素酸塩には、上述の複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩以外のアミンヨウ化水素酸塩を併用してもよい。
複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩以外のアミンヨウ化水素酸塩としては、例えば、モノエチルアミンヨウ化水素酸塩(モノエチルアミン・HI)、トリエチルアミン・HI、1-ペンタンアミン・HI、2-エチルヘキシルアミン・HI、ジアリルアミン・HI等の鎖状アミンヨウ化水素酸塩;シクロヘキシルアミン・HI等の脂環式アミンヨウ化水素酸塩;アニリン・HI等の芳香族アミンヨウ化水素酸塩;1,3-ジフェニルグアニジン・HI等のグアニジンヨウ化水素酸塩が挙げられる。
<活性剤>
活性剤(ただし、前記アミンヨウ化水素酸塩を除く)としては、例えば、ハロゲン系活性剤、有機酸、アミン等が挙げられる。
≪ハロゲン系活性剤≫
ハロゲン系活性剤としては、例えば、アミンヨウ化水素酸塩以外のアミンハロゲン化水素酸塩、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物が挙げられる。
ハロゲン系活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
アミンヨウ化水素酸塩以外のアミンハロゲン化水素酸塩:
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素とを反応させた化合物である。ここでのアミンとしては、例えば、アゾール類、グアニジン類、アルキルアミン化合物、アミノアルコール化合物が挙げられ、後述の≪アミン≫についての説明の中で例示されるアミンが挙げられる。ハロゲン化水素としては、例えば、臭素、塩素、フッ素の各水素化物が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩としては、アミン臭化水素酸塩、アミン塩酸塩、アミンフッ化水素酸塩が挙げられる。
アミン臭化水素酸塩としては、例えば、2-ピペコリン臭化水素酸塩(2-ピペコリン・HBr)、ピペリジン・HBr、ジフェニルグアニジン・HBr、シクロヘキシルアミン・HBr、ヘキサデシルアミン・HBr、ステアリルアミン・HBr、エチルアミン・HBr、2-エチルヘキシルアミン・HBr、ピリジン・HBr、イソプロピルアミン・HBr、ジエチルアミン・HBr、ジメチルアミン・HBr、ロジンアミン・HBr、ヒドラジンヒドラート・HBr、トリノニルアミン・HBr、ジエチルアニリン・HBr、2-ジエチルアミノエタノール・HBr、ジアリルアミン・HBr、トリエチルアミン・HBr、アニリン・HBr、ジメチルシクロヘキシルアミン・HBr、ロジンアミン・HBr、2-フェニルイミダゾール・HBr、4-ベンジルピリジン・HBr、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン二臭化水素酸塩、エチレンジアミン二臭化水素酸塩等が挙げられる。
アミン塩酸塩としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン塩酸塩(1,3-ジフェニルグアニジン・HCl)、エチルアミン・HCl、ステアリルアミン・HCl、ジエチルアニリン・HCl、ジエタノールアミン・HCl、ジメチルアミン・HCl、2-エチルヘキシルアミン・HCl、イソプロピルアミン・HCl、シクロヘキシルアミン・HCl、1,3-ジフェニルグアニジン・HCl、ジメチルベンジルアミン・HCl、ジメチルシクロヘキシルアミン・HCl、2-ジエチルアミノエタノール・HCl、ジアリルアミン・HCl、ジエチルアミン・HCl、トリエチルアミン・HCl、ブチルアミン・HCl、へキシルアミン・HCl、n-オクチルアミン・HCl、ドデシルアミン・HCl、L-グルタミン酸・HCl、N-メチルモルホリン・HCl、ベタイン・HCl、ピリジン・HCl、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、塩化アンモニウム等が挙げられる。
アミンフッ化水素酸塩としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジンフッ化水素酸塩(1,3-ジフェニルグアニジン・HF)、ジエチルアミン・HF、2-エチルヘキシルアミン・HF、シクロヘキシルアミン・HF、エチルアミン・HF、ロジンアミン・HF等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物:
アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化脂肪族炭化水素基を有するハロゲン化脂肪族化合物が挙げられる。
ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものをいう。
ハロゲン化脂肪族化合物としては、ハロゲン化脂肪族アルコール、ハロゲン化複素環式化合物が挙げられる。
ハロゲン化脂肪族アルコールとしては、例えば、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1-ブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等が挙げられる。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
-(R ・・・(3)
は、m価の複素環式基を表す。Rは、ハロゲン化脂肪族炭化水素基を表す。
における、m価の複素環式基の複素環としては、脂肪族炭化水素環又は芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された環構造が挙げられる。この複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。この複素環は、3~10員環であることが好ましく、5~7員環であることがより好ましい。この複素環としては、例えば、イソシアヌレート環などが挙げられる。
における、ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、炭素数1~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数3~5がさらに好ましい。また、Rは、臭素化脂肪族炭化水素基、塩素化脂肪族炭化水素基が好ましく、臭素化脂肪族炭化水素基がより好ましく、臭素化飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
ハロゲン化複素環式化合物として、具体的には、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化カルボキシル化合物が挙げられ、2-ヨード安息香酸、3-ヨード安息香酸、2-ヨードプロピオン酸、5-ヨードサリチル酸、5-ヨードアントラニル酸等のヨウ化カルボキシル化合物;2-クロロ安息香酸、3-クロロプロピオン酸等の塩化カルボキシル化合物;2,3-ジブロモプロピオン酸、2,3-ジブロモコハク酸、2-ブロモ安息香酸等の臭素化カルボキシル化合物が挙げられる。
あるいは、ハロゲン系活性剤としては、例えば、アミンとテトラフルオロホウ酸(HBF)とを反応させた塩、アミンと三フッ化ホウ素(BF)とを反応させた錯体も用いることができる。前記錯体としては、三フッ化ホウ素ピぺリジン等が挙げられる。
本実施形態のフラックス中の、ハロゲン系活性剤の総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上4質量%以下がより好ましく、1質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。
ハロゲン系活性剤の総含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、はんだ付けの際におけるボイド発生が抑制されやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、ソルダペーストの経時での粘度変化を抑制する効果をより高められやすくなる。
≪有機酸≫
有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、シアヌル酸、ダイマー酸、トリマー酸などが挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、チオグリコール酸、プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、グリシン等の脂肪族モノカルボン酸;安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、ピコリン酸、p-アニス酸、m-アニス酸、o-アニス酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、2-キノリンカルボン酸等の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、2,4-ジエチルグルタル酸、フマル酸、マレイン酸、ジグリコール酸、ジチオグリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フェニルコハク酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
トリカルボン酸としては、例えば、クエン酸等が挙げられる。
シアヌル酸としては、例えば、イソシアヌル酸トリス(2-カルボキシエチル)等が挙げられる。
ダイマー酸、トリマー酸としては、例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸は、炭素数が36の2量体である。また、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸は、炭素数が54の3量体である。
有機酸は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のフラックスが含有する有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びダイマー酸からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、ジカルボン酸及びダイマー酸からなる群より選択される少なくとも一種を用いることがより好ましく、脂肪族ジカルボン酸及びダイマー酸からなる群より選択される少なくとも一種を用いることがさらに好ましく、脂肪族ジカルボン酸を少なくとも用いることが特に好ましい。
本実施形態のフラックスにおいては、はんだボールの発生を抑制する観点から、前記活性剤が、下記一般式(A0)で表されるジカルボン酸を含むことが好ましい。
Figure 0007212298000002
[式中、nは、0~8の整数である。]
前記式(A0)中、nは、0~8の整数であり、好ましくは2~6の整数であり、より好ましくは3~5の整数であり、さらに好ましくは4である。
すなわち、前記脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸及びスベリン酸からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、グルタル酸、アジピン酸及びピメリン酸からなる群より選択される少なくとも一種がさらに好ましく、アジピン酸が特に好ましい。
本実施形態のフラックス中の、有機酸の総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上25質量%以下が好ましく、2質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。
ジカルボン酸の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましく、2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
ダイマー酸(水添ダイマー酸を含む)の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、2.5質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましく、7.5質量%以上12.5質量%以下がさらに好ましい。
≪アミン≫
アミンとしては、例えば、アゾール類、グアニジン類、アルキルアミン化合物、アミノアルコール化合物等が挙げられる。
アゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン、エポキシ-イミダゾールアダクト、2-メチルベンゾイミダゾール、2-オクチルベンゾイミダゾール、2-ペンチルベンゾイミダゾール、2-(1-エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2-ノニルベンゾイミダゾール、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール化合物;1,2,4-トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6’-tert-ブチル-4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1’,2’-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール等のトリアゾール化合物;5-フェニルテトラゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。
アルキルアミン化合物としては、例えば、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。
アミノアルコール化合物としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。
アミンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のフラックスが含有するアミンとしては、アゾール類及びグアニジン類からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、トリアゾール化合物及びグアニジン類からなる群より選択される少なくとも一種を用いることがより好ましい。
本実施形態のフラックスにおいては、はんだボールの発生を抑制する観点から、前記活性剤が、トリアゾール化合物を含むことがさらに好ましい。
本実施形態のフラックス中の、アミンの総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.5質量%以上5質量%以下が好ましく、1質量%以上4.5質量%以下がより好ましく、2質量%以上4質量%以下がさらに好ましい。
トリアゾール化合物の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0質量%超え0.99質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
グアニジン類の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上5質量%以下が好ましく、2質量%以上4質量%以下がより好ましい。
また、本実施形態のフラックスにおいては、はんだボールの発生を抑制する観点から、前記活性剤として、脂肪族ジカルボン酸とトリアゾール化合物とを併用することも好ましく、上記一般式(A0)で表されるジカルボン酸とトリアゾール化合物とを併用することがより好ましい。脂肪族ジカルボン酸とトリアゾール化合物とを併用する場合、脂肪族ジカルボン酸とトリアゾール化合物との混合比率(質量比)は、脂肪族ジカルボン酸/トリアゾール化合物=90/10以上95/5以下が好ましい。
<その他成分>
本実施形態のフラックスは、ロジン、溶剤、チキソ剤、アミンヨウ化水素酸塩及び活性剤以外に、必要に応じてその他成分を含有してよい。
その他成分としては、硫黄含有化合物、ロジン以外の樹脂成分、界面活性剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
≪硫黄含有化合物≫
本実施形態のフラックスは、さらに、硫黄含有化合物を含有するものでもよい。硫黄含有化合物をさらに含有することで、ソルダペーストの経時での粘度変化を抑制する効果を高められやすくなる。
ここでの硫黄含有化合物としては、例えば、チオール化合物が好適に挙げられ、その中でも、ベンゼンチオール骨格をもつチオール化合物(Tp)がより好ましい。
「ベンゼンチオール骨格」とは、ベンゼン環上の1つ以上の水素原子をメルカプト基(-SH)で置換した構造をいう。
チオール化合物(Tp)について:
チオール化合物(Tp)としては、例えば、下記一般式(Tp-0)で表されるチオール化合物が好適に挙げられる。
Figure 0007212298000003
[式中、Rは、置換基である。xは1以上の整数であり、メルカプト基(-SH)の数を示す。yは0以上の整数であり、置換基(R)の数を示す。但し、1≦x+y≦6である。]
前記式(Tp-0)中、Rにおける置換基としては、例えば、アミノ基(-NH)、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖状でもよいし分岐鎖状でもよいし、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1~6のアルコキシ基が好ましい。
ハロゲン化アルキル基としては、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられ、このアルキル基は、直鎖状でもよいし分岐鎖状でもよいし、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
なかでも、Rにおける置換基は、ソルダペーストの経時での粘度変化を抑制する効果を高められやすいことから、アミノ基、ヒドロキシ基が好ましく、アミノ基が特に好ましい。
前記式(Tp-0)中、xは、1以上の整数であり、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
yは、0以上の整数であり、好ましくは0~3の整数であり、より好ましくは0~2の整数であり、特に好ましくは1である。
好ましいチオール化合物(Tp)として、例えば、下記化学式(Tp-10)で表されるアミノベンゼンチオールが挙げられる。
Figure 0007212298000004
前記化学式(Tp-10)中、ベンゼン環上のメルカプト基に対するアミノ基の結合位置は、オルト位(2-)、メタ位(3-)又はパラ位(4-)のいずれでもよい。
チオール化合物(Tp)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
チオール化合物(Tp)としては、前記一般式(Tp-0)で表されるチオール化合物が好ましく、ソルダペーストの経時での粘度変化を抑制する効果を高められやすいことから、アミノベンゼンチオール(xは1以上、yは1以上)、ベンゼンチオール(xは1以上、y=0)がより好ましい。
これらの中でも、ソルダペーストの経時での粘度変化を抑制する効果をいっそう高められやすいことから、2-アミノベンゼンチオール(x=y=1)、4-アミノベンゼンチオール(x=y=1)、3-アミノベンゼンチオール(x=y=1)及びベンゼンチオール(x=1、y=0)からなる群より選択されるチオール化合物が好ましく、2-アミノベンゼンチオール(x=y=1)、4-アミノベンゼンチオール(x=y=1)及び3-アミノベンゼンチオール(x=y=1)からなる群より選択されるチオール化合物がより好ましく、2-アミノベンゼンチオール(x=y=1)及び4-アミノベンゼンチオール(x=y=1)からなる群より選択されるチオール化合物がさらに好ましく、2-アミノベンゼンチオール(x=y=1)と4-アミノベンゼンチオール(x=y=1)とを併用することが特に好ましい。
2-アミノベンゼンチオール(x=y=1)と4-アミノベンゼンチオール(x=y=1)とを併用する場合、その混合比率(質量比)は、2-アミノベンゼンチオール/4-アミノベンゼンチオール=1/9~9/1が好ましく、3/7~7/3がより好ましく、4/6~6/4がさらに好ましい。
本実施形態のフラックスがチオール化合物(Tp)を含有する場合、チオール化合物(Tp)の総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.005質量%以上0.7質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上0.3質量%以下がさらに好ましい。
チオール化合物(Tp)の総含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、ソルダペーストの経時での粘度変化を抑制する効果をより高められやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、はんだ付けの際におけるボイド発生が抑制されやすくなる。
本実施形態のフラックスが、上述のアミンヨウ化水素酸塩に加えてチオール化合物(Tp)を含有する場合、アミンヨウ化水素酸塩とチオール化合物(Tp)との混合比率(質量比)は、チオール化合物(Tp)/アミンヨウ化水素酸塩=50/50超え、90/10以下が好ましく、60/40以上80/20以下がより好ましく、67/33以上75/25以下がさらに好ましい。
化合物(Tp)以外のチオール化合物について:
チオール化合物には、上述の化合物(Tp)以外のチオール化合物を用いてもよい。
化合物(Tp)以外のチオール化合物としては、例えば、2-(ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-1,3,5-トリアジン、2-メルカプトベンゾチアゾール、tert-ドデカンチオール、3-メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシル、3-メルカプトプロピオン酸トリデシル等が挙げられる。
チオール化合物以外の硫黄含有化合物について:
硫黄含有化合物には、チオール化合物以外の硫黄含有化合物を用いてもよい。
チオール化合物以外の硫黄含有化合物としては、例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、3-(2-ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸等が挙げられる。
≪ロジン以外の樹脂成分≫
ロジン以外の樹脂成分としては、例えば、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル-ポリエチレン共重合樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等が挙げられる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等が挙げられる。アクリル-ポリエチレン共重合樹脂としては、エチレンアクリル酸コポリマー等が挙げられる。
≪界面活性剤≫
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、弱カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アルコールポリオキシエチレン付加体、芳香族アルコールポリオキシエチレン付加体、多価アルコールポリオキシエチレン付加体が挙げられる。
弱カチオン系界面活性剤としては、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アミンポリオキシエチレン付加体、芳香族アミンポリオキシエチレン付加体、多価アミンポリオキシエチレン付加体が挙げられる。
上記以外の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド等が挙げられる。
以上説明した本実施形態のフラックスにおいては、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含む特定のアミンヨウ化水素酸塩を含有するため、ソルダペーストに利用した場合、はんだ付けの際におけるボイドの発生をより抑制することができる。かかる効果が得られる理由は定かではないが、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩の場合、イミノ基(-N-)が脂環の一部を構成することから、イミノ基(-N-)は分子の外側を向くため、他のフラックス成分又ははんだ合金との相互作用が高く、はんだ付けの効果が相対的に強いことが推測される。
本実施形態のフラックスにおいては、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含む特定のアミンヨウ化水素酸塩に加え、好ましくは硫黄含有化合物をさらに含有することで、当該フラックスを含有するソルダペーストは、はんだ付けの際におけるボイドの発生がいっそう抑えられやすくなり、かつ、ソルダペーストの経時での粘度変化も抑えられる。
(ソルダペースト)
本実施形態のソルダペーストは、はんだ合金粉末と、上述したフラックスと、を含有する。
はんだ合金粉末は、Sn単体のはんだの粉体;Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系又はSn-In系等のはんだ合金の粉体;あるいは、これらのはんだ合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金の粉体で構成されてもよい。
また、はんだ合金粉末は、Sn-Pb系、あるいは、Sn-Pb系にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金の粉体で構成されてもよい。
はんだ合金粉末は、Pbを含まないはんだであることが好ましい。
はんだ合金粉末としては、例えば、その溶融温度が150~250℃のものを用いることができる。
ソルダペースト中、フラックスの含有量は、ソルダペーストの総質量に対して5~30質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
以上説明した本実施形態のソルダペーストにおいては、アミンヨウ化水素酸塩を含有するフラックスを採用するため、はんだ付けの際におけるボイドの発生が抑制される。
加えて、本実施形態のソルダペーストにおいては、硫黄含有化合物をさらに併用するフラックスを含有する場合、より好ましくは特定のチオール化合物をさらに併用するフラックスを含有する場合、はんだ付けの際におけるボイドの発生が抑制され、かつ、経時での粘度変化も生じにくい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<フラックスの調製>
(実施例1~60、比較例1~12)
表1~9に示す組成のとおり、配合成分を混合して、実施例及び比較例の各フラックスを調合した。使用した配合成分を以下に示した。
ロジン:
ロジンとしてアクリル酸変性水添ロジン、水添ロジンを用いた。
溶剤:
沸点250℃以上の溶剤(S1)としてジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル(沸点272℃)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)(沸点258℃)を用いた。
沸点220℃以下の溶剤(S3)として、以下に示す沸点190℃以上220℃以下の溶剤(S31)と、沸点160℃以上190℃未満の溶剤(S32)とを用いた。
沸点190℃以上220℃以下の溶剤(S31):
1,3-ブタンジオール(沸点203℃)、1,2-ブタンジオール(沸点194℃)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)(沸点198℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルグリコール)(沸点208℃)、α-ターピネオール(沸点218℃)
沸点160℃以上190℃未満の溶剤(S32):
エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルグリコール)(沸点171℃)、2,3-ブタンジオール(沸点183℃)
チキソ剤:
チキソ剤としてポリアミド、硬化ひまし油を用いた。
アミンヨウ化水素酸塩:
複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩として、2-ピペコリン・HI、ピペリジン・HIを用いた。
その他のアミンヨウ化水素酸塩として、モノエチルアミン・HI、トリエチルアミン・HI、アニリン・HI、シクロヘキシルアミン・HI、1,3-ジフェニルグアニジン・HI、ジアリルアミン・HI、1-ペンタンアミン・HI、2-エチルヘキシルアミン・HIを用いた。
2-ピペコリン・HIは、イソプロピルアルコール(IPA)70g中に、2-ピペコリンとヨウ化水素との総量30gを等モルで添加して混合し、その後、常温(25℃)で5分間静置して析出させ、その析出物を乾燥させることにより製造した(収率は約100%)。
ピペリジン・HIは、前記の2-ピペコリン・HIの製造方法において、2-ピペコリンをピペリジンへ変更した以外は同様の方法により製造した(収率は約100%)。
その他のアミンヨウ化水素酸塩には、既製品を用いた。
硫黄含有化合物:
硫黄含有化合物として、以下に示すベンゼンチオール骨格をもつチオール化合物(Tp)を用いた。
ベンゼンチオール骨格をもつチオール化合物(Tp):
2-アミノベンゼンチオール、4-アミノベンゼンチオール
活性剤:
活性剤として、以下に示すアミン臭化水素酸塩、アミン塩酸塩、有機酸、アミンを用いた。
アミン臭化水素酸塩として2-ピペコリン・HBr、ピペリジン・HBr、1,3-ジフェニルグアニジン・HBrを用いた。
アミン塩酸塩として1,3-ジフェニルグアニジン・HClを用いた。
前記のアミン臭化水素酸塩、アミン塩酸塩には、既製品を用いた。
有機酸:
有機酸として水添ダイマー酸、アジピン酸、安息香酸、フェニルコハク酸を用いた。
アミン:
アミンとして1,3-ジ-o-トリルグアニジン、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾールを用いた。
その他成分:
アクリル樹脂としてエチレンアクリル酸コポリマーを用いた。
酸化防止剤として2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]を用いた。
<ソルダペーストの調製>
各例のフラックスと、下記のはんだ合金粉末と、をそれぞれ混合してソルダペーストを調合した。調合したソルダペーストは、いずれも、ソルダペーストの総量に対して、フラックスの含有量を11.5質量%、はんだ合金粉末の含有量を88.5質量%とした。
はんだ合金粉末:
はんだ合金粉末には、Agが3質量%、Cuが0.5質量%、残部がSnのはんだ合金からなる粉末を用いた。このはんだ合金の固相線温度は217℃であり、液相線温度は220℃であった。
はんだ合金粉末のサイズは、JIS Z 3284-1:2004における粉末サイズの分類(表2)の記号5(粒度分布)を満たすものとした。
<評価>
上記で調合したソルダペーストを用い、以下に記載した試験方法に従って[ボイド発生の抑制の効果]及び[ソルダペーストの経時での粘度変化]の各評価を行った。
[ボイド発生の抑制の効果]
(1)試験方法
メタルマスク(マスク厚0.12mm)を用いて、Cu-OSP処理された基板(基板サイズ105mm×105mm)上に、各例のソルダペーストを印刷した。
次いで、ソルダペーストを印刷した基板に対し、QFN(1辺の長さ8mm、下面電極の1辺の長さ5.80mm、Pad寸法5.80mm×5.80mm)を搭載した。
次いで、リフローを行い、はんだ付けした。
その際のリフロープロファイルを図1に示した。
リフロープロファイルは、150℃から175℃で85秒間保持してプレヒートを行い、220℃以上で40秒間保持し、ピーク温度は242℃であった。
基板とQFNとの接合体に対し、基板の鉛直方向からX線を照射して、透過X線を解析することにより、ボイド面積を測定した。ボイド面積の測定には、XD7600NT Diamond X線検査システム(Nordson DAGE社製)を用いた。
ボイド面積は、X線が少なくとも1個のボイドを通過した場合に、ボイドが存在したものとして測定した。ボイドは、直径0.1μm以上のものを検出対象とした。
次いで、下面電極の総面積(これを面積率100%とする)に対する、ボイドの総面積の割合を算出し、ボイド面積率(%)とした。接合体5個における、ボイド面積率の平均値を求め、下記の評価基準により、はんだ付けの際におけるボイド発生の抑制の効果を評価した。この評価結果を表1~9に示した。
(2)評価基準
1点:ボイド面積率が10%未満であった。
2点:ボイド面積率が10%以上15%未満であった。
3点:ボイド面積率が15%以上20%未満であった。
4点:ボイド面積率が20%以上30%未満であった。
5点:ボイド面積率が30%以上であった。
[ソルダペーストの経時での粘度変化]
(1)試験方法
調合直後のソルダペーストについて、粘度計(株式会社マルコム社製、PCU-205)を用い、回転数10rpm、温度25℃、大気中で24時間の条件で粘度の測定を続けた。そして、ソルダペーストにおける測定開始時点の粘度と、24時間後の粘度とから、24時間後の粘度変化率を求め、下記の評価基準により、ソルダペーストの経時での粘度変化を評価した。この評価結果を表5~9に示した。
(2)評価基準
1点:24時間後の粘度変化率が10%未満であった。
2点:24時間後の粘度変化率が10%以上20%未満であった。
3点:24時間後の粘度変化率が20%以上30%未満であった。
4点:24時間後の粘度変化率が30%以上40%未満であった。
5点:24時間後の粘度変化率が40%以上50%未満であった。
6点:24時間後の粘度変化率が50%以上であった。
Figure 0007212298000005
Figure 0007212298000006
Figure 0007212298000007
Figure 0007212298000008
表1~4に示す結果から、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含有する実施例のフラックスは、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩に該当しないアミンハロゲン化水素酸塩を含有する比較例のフラックスに比べて、ボイド面積率が低く、はんだ付けの際におけるボイド発生の抑制の効果がより高められていること、が確認できる(実施例2、6と比較例1~12との対比)。
Figure 0007212298000009
表5に示す結果から、チオール化合物(Tp)をさらに含有することで、はんだ付けの際におけるボイドの発生が抑制され、かつ、ソルダペーストとした際における経時での粘度変化も生じにくいこと、が確認できる。
Figure 0007212298000010
Figure 0007212298000011
Figure 0007212298000012
Figure 0007212298000013
表6~9に示す結果から、複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩とチオール化合物(Tp)とを併用する、実施例23~60のフラックスを用いた場合には、いずれも、はんだ付けの際におけるボイドの発生が抑制され、かつ、ソルダペーストとした際における経時での粘度変化も生じにくいこと、が確認できる。

Claims (7)

  1. ロジンと、溶剤と、チキソ剤と、アミンヨウ化水素酸塩と、活性剤(ただし、前記アミンヨウ化水素酸塩を除く)とを含有し、
    前記アミンヨウ化水素酸塩が、ピペリジンヨウ化水素酸塩及びピペコリンヨウ化水素酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩を含み、
    前記複素脂環式アミンヨウ化水素酸塩の含有量が、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.01質量%以上1.5質量%以下である、フラックス。
  2. 前記溶剤は、沸点250℃以上の溶剤(S1)と、沸点220℃以下の溶剤(S3)とを併用する、請求項1に記載のフラックス。
  3. 前記溶剤(S1)と前記溶剤(S3)との比率が、
    溶剤(S1)/溶剤(S3)で表される質量比で、50/50以上85/15以下である、請求項に記載のフラックス。
  4. さらに、硫黄含有化合物を含有する、請求項1に記載のフラックス。
  5. 前記活性剤が、下記一般式(A0)で表されるジカルボン酸を含む、請求項1に記載のフラックス。
    Figure 0007212298000014
    [式中、nは、0~8の整数である。]
  6. 前記活性剤が、トリアゾール化合物を含む、請求項1に記載のフラックス。
  7. はんだ合金粉末と、請求項1~のいずれか一項に記載のフラックスと、を含有するソルダペースト。
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