JP2014117737A - ソルダペースト及びはんだ付け実装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)粉末状の鉛フリーSn系合金はんだと(B)液状又はペースト状のフラックスとを含むソルダペーストであって、該フラックスが、下記の活性剤(a):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族もしくは脂環族モノカルボン酸又は6員環の芳香族もしくは脂環族ジカルボン、活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物又はそのカルボン酸塩、又は、活性剤(c):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族もしくは脂環族モノカルボン酸又は6員環の芳香族もしくは脂環族ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物又はそのカルボン酸塩であるソルダペースト、及び当該ソルダペーストを使用する。
【選択図】図1
Description
[1] (A)粉末状のPbフリーSn系合金はんだと(B)液状またはペースト状のフラックスとを含むソルダペーストであって、該フラックスが、下記の活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)を含むものであり、該活性剤の含有量が該フラックスに対して1.1〜33.0質量%であることを特徴とする、ソルダペースト。
活性剤(a):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸
活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩
活性剤(c):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩
[1-1] 該活性剤の含有量が該フラックスに対して4.0〜25.0質量%であることを特徴とする、[1]に記載のソルダペースト。
[2] 該PbフリーSn系合金はんだが、Sn-Ag、Sn-Ag-Cu、Sn-Ag-Bi-Cu、Sn-Ag-Bi-In、Sn-Sb、Sn-Cu、Sn-Cu-Ni、Sn-Ag-Cu-In、Sn-Ag-In、Sn-InおよびSn-Bi-Inの群から選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載のソルダペースト。
[3] 6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸が、式(1):
Ar−(O)m−(R)n−COOH (1)
(式中、Arは1個のヒドロキシル基または炭素原子数1−6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、シクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基を表し、Rは1個のヒドロキシル基で置換されていても良い炭素原子数1−6のアルキレン基を表し、ArとRは同一化合物内で共にヒドロキシル基で置換されることがない。mは0または1であり、nは0または1である)で示されることを特徴とする、[1]または[2]に記載のソルダペースト。
[4] 6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸が、式(2):
HOOC−Ar−(O)m−(R)n−COOH (2)
(式中、Arは1個のヒドロキシル基または炭素原子数1−6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、シクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基を表し、Rは1個のヒドロキシル基で置換されていても良い炭素原子数1−6のアルキレン基を表し、ArとRは同一化合物内で共にヒドロキシル基で置換されることがない。mは0または1であり、nは0または1である)で示されることを特徴とする、[1]または[2]に記載のソルダペースト。
[5] 該有機アミンが脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ジフェニルグアニジンまたは環状アミンであり、イミダゾール系化合物が、イミダゾール化合物またはベンゾイミダゾール化合物であり、イミダゾール系化合物のカルボン酸塩が、イミダゾール化合物のカルボン酸塩またはベンゾイミダゾール化合物のカルボン酸塩であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のソルダペースト。
[5-1] 該有機アミンが脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ジフェニルグアニジンまたは環状アミンであり、イミダゾール系化合物が、イミダゾール化合物またはベンゾイミダゾール化合物であり、イミダゾール系化合物のカルボン酸塩が、イミダゾール化合物のカルボン酸塩またはベンゾイミダゾール化合物のカルボン酸塩であることを特徴とする、[3]または[4]に記載のソルダペースト。
[6] (k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩は、該活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)中にフラックスに対して0.1−3.0質量%含まれ、(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸は、該活性剤(a)または活性剤(c)中にフラックスに対して1.0−10.0質量%含まれ、(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩は、該活性剤(b)または活性剤(c)中にフラックスに対して1.0−20.0質量%含まれることを特徴とする、[1]または[2]に記載のソルダペースト。
[6-1] 該活性剤の含有量が該フラックスに対して4.0〜25.0質量%であることを特徴とする、[6]に記載のソルダペースト。
[7] (A)粉末状のPbフリーSn系合金はんだと(B)液状またはペースト状のフラックスを含むソルダペーストを使用して基板に電子部品をはんだ付けにより実装する方法であって、該フラックスが、下記の活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)を含むものであり、該活性剤の含有量が該フラックスに対して1.1−33.0質量%であることを特徴とする、はんだ付け実装方法。
活性剤(a):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸;
活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩;
活性剤(c):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環系の芳香族もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩。
[7-1] 該活性剤の含有量が該フラックスに対して4.0〜25.0質量%であることを特徴とする、[7]に記載のはんだ付け実装方法。
[8] 該PbフリーSn系合金はんだが、Sn-Ag、Sn-Ag-Cu、Sn-Ag-Bi-Cu、Sn-Ag-Bi-In、Sn-Sb、Sn-Cu、Sn-Cu-Ni、Sn-Ag-Cu-In、Sn-Ag-In、Sn-InおよびSn-Bi-Inの群から選ばれる少なくとも1種である、[7]に記載のはんだ付け実装方法。
[9] 該はんだ付けの接合面積が1mm2以上であることを特徴とする、[7]または[8]に記載のはんだ付け実装方法。
[10] 該はんだ付けのリフローピーク温度が220−250℃の範囲にあることを特徴とする、[7]または[8]に記載のはんだ付け実装方法。
[10-1] 該はんだ付けのリフローピーク温度が220−250℃の範囲にあることを特徴とする、[9]に記載のはんだ付け実装方法。
[11] 該はんだ付けによってSnと接合層を形成する該電子部品の表面材料が、Mo、Fe、Ni、Ag、Cuの金属およびCu-Zn、Fe-Niの合金の群から選ばれる1種であることを特徴とする、[7]−[10]のいずれかに記載のはんだ付け実装方法。
[11-1] 該はんだ付けによってSnと接合層を形成する該電子部品の表面材料が、Mo、Fe、Ni、Ag、Cuの金属およびCu-Zn、Fe-Niの合金の群から選ばれる1種であることを特徴とする、[10-1]に記載のはんだ付け実装方法。
本発明のはんだ付け実装方法によると、ヒートシンクやシリコンチップ、LSIチップ、パワーデバイス素子などの電子部品、特には平面状電子部品と絶縁基板、回路基板、プリント基板などの基板とのはんだ付けにおいて、はんだ内部にフラックス揮発成分および加熱分解により発生するガスが残留したまま凝固することに起因するボイドの発生を大幅に抑制することができる。
活性剤(a):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸;
活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩;
活性剤(c);(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩。
該活性剤の含有量は、ボイド低減効果の点で、該フラックスに対して4.0−25.0質量%であることが好ましい。
Ar−(O)m−(R)n−COOH (1)
(式中、Arは1個のヒドロキシル基または炭素原子数1−6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、シクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基を表し、Rは1個のヒドロキシル基で置換されていても良い炭素原子数1−6のアルキレン基を表し、ArとRは同一化合物内で共にヒドロキシル基で置換されることがない。mは0または1であり、nは0または1である)で示されるものが好ましい。このモノカルボン酸は式Ar−COOH,式Ar−R−COOHおよび式Ar−O−R−COOHで示されるものがある。炭素原子数1−6のアルキル基としてメチル基,エチル基,プロピル基,ヘキシル基が例示され、炭素原子数1−6のアルキレン基としてメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ヘキシレン基が例示される。
6員環の脂環族系モノカルボン酸として、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸が例示される。
HOOC−Ar−(O)m−(R)n−COOH (2)
(式中、Arは1個のヒドロキシル基または炭素原子数1−6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、シクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基を表し、Rは1個のヒドロキシル基で置換されていても良い炭素原子数1−6のアルキレン基を表し、ArとRは同一化合物内で共にヒドロキシル基で置換されることがない。mは0または1であり、nは0または1である)で示されるものが好ましい。このジカルボン酸は、式HOOC−Ar−COOH,HOOC−Ar−R−COOH,HOOC−Ar−O−R−COOHで示されるものがある。炭素原子数1−6のアルキル基としてメチル基,エチル基,プロピル基,ヘキシル基が例示され、炭素原子数1−6のアルキレン基としてメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ヘキシレン基が例示される。
前記式(2)で示される6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、2-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸が例示される。
(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩は、該活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)中にフラックスに対して好ましくは0.1−3.0質量%含まれる。この含有量がフラックスに対して0.1質量%より少ないと活性力が不足して濡れ性が悪くなることがあり、フラックスに対して3.0質量%より多いと熱による分解ガスが発生し、いずれの場合もボイド低減効果が得られにくくなることがある。より好ましい含有量はフラックスに対して0.5−2.5質量%である。
イミダゾール化合物として、イミダゾール、アルキルイミダゾール、アリールイミダゾール、アラルキルイミダゾールが例示される。アルキルイミダゾール、アリールイミダゾール、アラルキルイミダゾールは、分子環中に窒素原子を2個有するが、そのうちの少なくとも1個は非置換である必要がある。
アラルキルイミダゾールの具体例として、1−ベンジルイミダゾール、2−ベンジル−4−メチルイミダゾール(Poly Organix社製)がある。
アルキルベンズイミダゾール、アリールベンズイミダゾール、アラルキルベンズイミダゾールは、分子環中に窒素原子を2個有するが、そのうちの少なくとも1個は非置換である必要がある。
アリールベンズイミダゾールの具体例として、1−フェニルベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2−(1−ナフチル)メチルベンズイミダゾール(「Biochemical Pharmacology、第36巻、463頁(1987年)」に記載の方法に準拠して合成可能)がある。アラルキルベンズイミダゾールの具体例として、1−ベンジルベンズイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、2−ベンジル−4−メチルイミダゾールがある。
イミダゾール系化合物とそのカルボン酸塩を併用してもよい。
ロジン系樹脂は、フラックスの主成分である。そのロジン系樹脂として、ガムロジン、ウッドロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、変性ロジン(例えば、フェノール変性ロジン、アクリル変性ロジン)が例示される。これらは2種以上を併用してもよい。ロジン系樹脂の好ましい含有量は、フラックス全重量の30〜70質量%である。
それらの好ましい含有量は、フラックス全重量の0.5−5重量%である。
本発明のソルダーペースト中に、(A)粉末状のPbフリーのSn系合金はんだは通常85〜92質量%含まれ、(B)液状またはペースト状のフラックスは通常15〜8質量%含まれるが、これら含有量に限定されるものではない。
活性剤(a):有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸;
活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩;
活性剤(c):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩。
該活性剤の含有量は、該フラックスに対して4.0〜25.0質量%であることが好ましい。
なお、特に詳述しないが、本発明のはんだ付け実装方法において、通常はんだ付けの実装方法で行われる操作が、必要に応じて行われても良い。
(1)フラックスの調製
重合ロジン15.0質量部、水素添加ロジン26.0質量部、テルペン系溶剤50.0質量部、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩1.0質量部、安息香酸5.0質量部、水素添加ヒマシ油3.0質量部を容器に仕込み、150℃で約5分間加熱し溶解させて、ペースト状のフラックスを得た。
あらかじめ用意しておいた粒子径25〜45μmのSn/Ag/Cu(96.5質量%/3.0質量%/0.5質量%)のはんだ粉末89.0質量部および上記(1)項で調製したペースト状フラックス11.0質量部を容器にとり、ヘラを用いて室温で約5分間混和してソルダペースト(粘度200Pa・s)を得た。
図1に示されるように、上記の(2)項で得たソルダペーストを、銅を焼成して導体を形成したセラミック基板1および銀を焼成して導体を形成したセラミック基板1に100μmの厚さで印刷し、図1に示されるようなMoにNiめっきを施した7mm×7mm×0.5mmのヒートシンク部品3を搭載して、予備加熱(150℃で約1分間)の後、ピーク温度230〜240℃で、融点以上の時間が20秒以上、酸素濃度が約500ppmの窒素ガス雰囲気中でリフロー処理を行った。
実施例1のシクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩1.0質量部をモノエチルアミンヨウ化水素酸塩2.0質量部に代えることと、安息香酸5.0質量部をシクロヘキサンジカルボン酸8.0質量部に代え、水素添加ロジン26.0質量部を22.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表1に併せて示す。
実施例1のシクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩1.0質量部を2.0質量部に代えることと、安息香酸5.0質量部をウンデシルイミダゾール8.0質量部に代えることと、水素添加ロジン26.0質量部を22.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表1に併せて示す。
実施例1の安息香酸5.0質量部を2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸3.0質量部に代えることと、2−エチルイミダゾール5.0質量部を添加し、水素添加ロジン26.0質量部を23.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表1に併せて示す。
実施例1の安息香酸5.0質量部をウンデシルイミダゾール・アジピン酸塩12.0質量部に代え、水素添加ロジン26.0質量部を19.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表1に併せて示す。
実施例1にウンデシルイミダゾール・アジピン酸塩5質量部を添加し、水素添加ロジン26.0質量部を21.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表1に併せて示す。
実施例1のはんだ粉末をSn/Ag/Bi/In(88.0質量%/3.5質量%/0.5質量%/8.0質量%)に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表2に併せて示す。
実施例1のはんだ粉末をSn/Ag/Bi/Cu(93.3質量%/3.2質量%/2.8質量%/0.7質量%)に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表2に併せて示す。
実施例1の安息香酸5.0質量部をサリチル酸5.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表2に併せて示す。
実施例1の安息香酸5.0質量部を2-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸5.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表2に併せて示す。
実施例1の安息香酸5.0質量部をフタル酸3.0質量部に代え、水素添加ロジン26.0質量部を28.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表2に併せて示す。
実施例1の安息香酸5.0質量部をシクロヘキサンカルボン酸5.0質量部に代えること以外は実施例1と同様にして、ソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行った。ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であり、ボイドは非常に少なく良好であった。ボイド面積率を、後記の表2に併せて示す。
実施例1においてシクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩1.0質量部をシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩1.0質量部に代えたこと以外は、実施例1と同様にソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行ったところ、ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であるが、ボイドが多量に発生した。そのボイド面積率は、後記の表3に併せて示す。
実施例1においてシクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩1.0質量部を添加せず、水素添加ロジン26.0質量部を27.0質量部に代えること以外は、実施例1と同様にソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行ったところ、ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であるが、ボイドが多量に発生した。そのボイド面積率は、後記の表3に併せて示す。
実施例3において、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩3.0質量部を添加せず、水素添加ロジン22.0質量部を25.0質量部に代えること以外は、実施例3と同様にソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行ったところ、ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であるが、ボイドが多量に発生した。そのボイド面積率は、後記の表3に併せて示す。
実施例1において、安息香酸を添加せず、水素添加ロジン26.0質量部を31.0質量部に代えること以外は、実施例1と同様にソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行ったところ、ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であるが、ボイドが多量に発生した。そのボイド面積率は、後記の表3に併せて示す。
実施例9において、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩1.0質量部を添加せず、水素添加ロジン26.0質量部を27.0質量部に代えること以外は、実施例9と同様にソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行ったところ、ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であるが、ボイドが多量に発生した。そのボイド面積率は、後記の表3に併せて示す。
実施例10において、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩を添加せず、水素添加ロジン26.0質量部を27.0質量部に代えること以外は、実施例10と同様にソルダペースト(粘度200Pa・s)を調製し、評価を行ったところ、ヒートシンク部品側面へのはんだの濡れ上がりは良好であるが、ボイドが多量に発生した。そのボイド面積率は、後記の表3に併せて示す。
実施例1〜実施例8で調製したソルダペーストを使った、具体的なはんだ付け実装方法を示す。アルミナセラミック基板上に配線(Cu、Ag、Ni)が形成された電極上に、実施例1〜実施例8のソルダペーストを印刷法にて供給した。そのソルダペースト上に、MoにNiめっきを施した6×6mmサイズのヒートシンク付きパワーデバイス素子及び裏面電極がTi/Ni/Auめっきである5×5mmサイズのパワー素子デバイスを搭載した。その後、リフローピーク温度が240℃にて溶融しはんだ付けした。このようにしてはんだ付けで搭載された素子について、実際の実装工程と同様な非破壊の軟X線透過法によるボイド検査を行い、ボイドの有無を区別して2値化処理することによって、ボイドの占める面積率を測定した。このようにして搭載された各々の素子のボイド面積率は、前記の表1に示した値と同程度であることが分かった。
本発明のはんだ付け実装方法は、絶縁基板、回路基板、プリント基板などの基板にヒートシンクやシリコンチップ、LSIチップ、パワーデバイス素子などの電子部品をはんだ付けにより実装するのに有用である。
B 半導体実装装置
1 基板
2 ソルダペースト
3 ヒートシンク部品
4 高温はんだ
5 パワーデバイス素子
6 Siチップ
7 Ti層
8 Ni層
9 Auめっき
Claims (11)
- (A)粉末状のPbフリーSn系合金はんだと(B)液状またはペースト状のフラックスとを含むソルダペーストであって、該フラックスが、下記の活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)を含むものであり、該活性剤の含有量が該フラックスに対して1.1〜33.0質量%であることを特徴とする、ソルダペースト。
活性剤(a):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸
活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩
活性剤(c):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩。 - 該PbフリーSn系合金はんだが、Sn-Ag、Sn-Ag-Cu、Sn-Ag-Bi-Cu、Sn-Ag-Bi-In、Sn-Sb、Sn-Cu、Sn-Cu-Ni、Sn-Ag-Cu-In、Sn-Ag-In、Sn-InおよびSn-Bi-Inの群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のソルダペースト。
- 6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸が、式(1):
Ar−(O)m−(R)n−COOH (1)
(式中、Arは1個のヒドロキシル基または炭素原子数1−6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、シクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基を表し、Rは1個のヒドロキシル基で置換されていても良い炭素原子数1−6のアルキレン基を表し、ArとRは同一化合物内で共にヒドロキシル基で置換されることがない。mは0または1であり、nは0または1である)で示されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のソルダペースト。 - 6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸が、式(2):
HOOC−Ar−(O)m−(R)n−COOH (2)
(式中、Arは1個のヒドロキシル基または炭素原子数1−6のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、シクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基を表し、Rは1個のヒドロキシル基で置換されていても良い炭素原子数1−6のアルキレン基を表し、ArとRは同一化合物内で共にヒドロキシル基で置換されることがない。mは0または1であり、nは0または1である)で示されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のソルダペースト。 - 該有機アミンが脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ジフェニルグアニジンまたは環状アミンであり、イミダゾール系化合物が、イミダゾール化合物またはベンゾイミダゾール化合物であり、イミダゾール系化合物のカルボン酸塩が、イミダゾール化合物のカルボン酸塩またはベンゾイミダゾール化合物のカルボン酸塩であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のソルダペースト。
- (k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩は、該活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)中にフラックスに対して0.1−3.0質量%含まれ、(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸は、該活性剤(a)または活性剤(c)中にフラックスに対して1.0−10.0質量%含まれ、(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩は、該活性剤(b)または活性剤(c)中にフラックスに対して1.0−20.0質量%含まれることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のソルダペースト。
- (A)粉末状のPbフリーSn系合金はんだと(B)液状またはペースト状のフラックスを含むソルダペーストを使用して基板に電子部品をはんだ付けにより実装する方法であって、該フラックスが、下記の活性剤(a)、活性剤(b)または活性剤(c)を含むものであり、該活性剤の含有量が該フラックスに対して1.1−33.0質量%であることを特徴とする、はんだ付け実装方法。
活性剤(a):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環の芳香族系もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸;
活性剤(b):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩;
活性剤(c):(k1)有機アミンのヨウ化水素酸塩と(k2)6員環系の芳香族もしくは脂環族系モノカルボン酸または6員環の芳香族系もしくは脂環族系ジカルボン酸と(k3)イミダゾール系化合物またはそのカルボン酸塩。 - 該PbフリーSn系合金はんだが、Sn-Ag、Sn-Ag-Cu、Sn-Ag-Bi-Cu、Sn-Ag-Bi-In、Sn-Sb、Sn-Cu、Sn-Cu-Ni、Sn-Ag-Cu-In、Sn-Ag-In、Sn-InおよびSn-Bi-Inの群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載のはんだ付け実装方法。
- 該はんだ付けの接合面積が1mm2以上であることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載のはんだ付け実装方法。
- 該はんだ付けのリフローピーク温度が220−250℃の範囲にあることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載のはんだ付け実装方法。
- 該はんだ付けによってSnと接合層を形成する該電子部品の表面材料が、Mo、Fe、Ni、Ag、Cuの金属およびCu-Zn、Fe-Niの合金の群から選ばれる1種であることを特徴とする、請求項7−請求項10のいずれか1項に記載のはんだ付け実装方法。
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