JP2021133410A - 導電性接合材料および導電性接合体 - Google Patents

導電性接合材料および導電性接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性および接合強度に優れた導電性接合材料および導電性接合体を提供する。【解決手段】導電性接合材料10は、第1金属1と、第1金属1よりも融点が高く、第1金属1と反応して金属間化合物を生成する第2金属2とを含み、第1金属1は、Snを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金である。導電性接合体は、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性接合材料および導電性接合体に関する。
従来から、電子機器に組み込まれる電子部品や金属部材などを接合するための接合材料として、Sn系はんだや導電性樹脂が用いられている。しかし、それらの接合材料は、200℃以上での耐熱性に劣るため、200〜300℃のような高温下での作動も可能な化合物半導体の接合材料としては、不適である。耐熱性の高いはんだとして、高PbはんだやAu系はんだなどがあるが、Pbは環境負荷物質であり、Au系はんだはコストが高いため、汎用的に用いることができない。
耐熱性の高い導電性接合材料として、特許文献1には、第1金属と、第1金属よりも融点が高く、第1金属と反応して金属間化合物を生成する第2金属とからなる金属成分を含み、第1金属はSnまたはSnを70重量%以上含む合金であり、第2金属はCu−Mn合金またはCu−Ni合金であり、第1金属と第2金属とは、310℃以上の融点を示す金属間化合物を生成する構成の導電性接合材料が記載されている。
特許第5018978号公報
ここで、電子部品の接合部分には、外部からの衝撃応力や、使用環境下での温度サイクルによる熱応力など、様々な応力が発生する。特許文献1に記載の導電性接合材料を加熱して得られる導電性接合体は、Cu6Sn5が主相であり、耐熱性は高いが、接合強度に改善の余地がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、接合に用いたときに耐熱性および接合強度に優れた導電性接合材料、および、耐熱性および接合強度に優れた導電性接合体を提供することを目的とする。
本発明の導電性接合材料は、
第1金属と、
前記第1金属よりも融点が高く、前記第1金属と反応して金属間化合物を生成する第2金属と、
を含み、
前記第1金属は、Snを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金であることを特徴とする。
また、本発明の導電性接合体は、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性および接合強度に優れた導電性接合材料および導電性接合体を提供することができる。
本発明の導電性接合材料を用いて接合を行う場合の挙動を模式的に示す図であり、(a)は加熱前の状態を示す図、(b)は加熱が開始され、第1金属が溶融した状態を示す図、(c)はさらに加熱が継続されて、第1金属と第2金属との間で金属間化合物が形成された状態を示す図である。 表面に酸化防止膜が存在する第2金属の模式的な形状を示す図である。 落下衝撃試験用の基板を示す上面図である。 落下衝撃試験用のチップの形状を模式的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。 試料番号4の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の構成を模式的に示す図である。 主相であるCu6Sn5の中央部であって、Al4Cu9相が存在しない領域と、主相であるCu6Sn5の粒界であって、Al4Cu9相が存在する領域におけるビッカース圧痕写真である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴を具体的に説明する。
<導電性接合材料>
本発明の導電性接合材料は、第1金属と、第1金属よりも融点が高く、第1金属と反応して金属間化合物を生成する第2金属とを含み、第1金属は、Snを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金である。なお、主成分とは、最も含有量が多い成分のことである。
第2金属はCuを主成分とし、MnおよびNiの少なくとも一方を3原子%以上15原子%以下含む合金であることが好ましい。
第2金属は、Co、Pd、Pt、および、Auのうちの1つをさらに含んでいてもよい。また、第1金属は、Zn、In、および、Sbのうちの1つをさらに含んでいてもよい。
導電性接合材料中の第2金属の含有量は、46mol%以上64mol%以下であることが好ましい。
また、第1金属の平均粒径および第2金属の平均粒径は、それぞれ26.5μm以下であることが好ましい。
第2金属の表面には、酸化防止膜が存在することが好ましい。また、酸化防止膜は、AgおよびSnのうちのいずれか一方からなることが好ましい。
ここで、本発明の導電性接合材料は、フラックスを含んでいてもよい。フラックスは、接続対象物や金属の表面の酸化被膜を除去する機能を果たす。フラックスとして、例えば、ビヒクル、溶剤、チキソ剤、活性剤などからなる、公知の種々のものを用いることが可能である。
ビヒクルの具体的な例としては、ロジンおよびそれを変性した変性ロジンなどの誘導体からなるロジン系樹脂、合成樹脂、またはこれらの混合体などが挙げられる。
ロジンおよびそれを変性した変性ロジンなどの誘導体からなるロジン系樹脂の具体的な例としては、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、ホルミル化ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、その他各種ロジン誘導体などが挙げられる。
ロジンおよびそれを変性した変性ロジンなどの誘導体からなる合成樹脂の具体的な例としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。
溶剤としては、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族系、炭化水素類などが知られており、具体的な例としては、ベンジルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、α−ターピネオール、テルピネオール、2−メチル2,4−ペンタンジオール、2−エチルヘキサンジオール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルアジペート、へキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−ターピニルオキシエタノール、2−ジヒドロターピニルオキシエタノール、それらを混合したものなどが挙げられる。
チキソ剤の具体的な例としては、硬化ヒマシ油、カルナバワックス、アミド類、ヒドロキシ脂肪酸類、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール類、蜜蝋、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドなどが挙げられる。また、これらに必要に応じてカプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸のような脂肪酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸のようなヒドロキシ脂肪酸、酸化防止剤、界面活性剤、アミン類などを添加したものも、チキソ剤として用いることができる。
活性剤としては、アミンのハロゲン化水素酸塩、有機ハロゲン化合物、有機酸、有機アミン、多価アルコールなどがある。また、アミンのハロゲン化水素酸塩の具体的なものとして、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン塩酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアニリン臭化水素酸塩、ジエチルアニリン塩酸塩、トリエタノールアミン臭化水素酸塩、モノエタノールアミン臭化水素酸塩などが例示される。
また、活性剤の1つである有機ハロゲン化合物の具体的な例として、塩化パラフィン、テトラブロモエタン、ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
また、活性剤の1つである有機酸の具体的な例として、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フェニルコハク酸、マレイン酸、サルチル酸、アントラニル酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ステアリン酸、アビエチン酸、安息香酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ドデカン酸などがある。
また、活性剤の1つである有機アミンの具体的な例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン、アニリン、ジエチルアニリンなどが挙げられる。
また、活性剤の1つである多価アルコールとして、エリスリトール、ピロガロール、リビトールなどが例示される。
また、フラックスとして、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂またはその変性樹脂、アクリル樹脂からなる熱硬化性樹脂群より選ばれる少なくとも1種、あるいは、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂からなる熱可塑性樹脂群から選ばれる少なくとも1種を含むものを用いた場合にも、本発明の作用効果をさらに確実に奏させることが可能になる。
上述のように、フラックスは、接続対象物や金属の表面の酸化被膜を除去する機能を果たすことから、本発明の導電性接合材料においては、フラックスを含むことが好ましい。なお、フラックスは、導電性接合材料全体に対して7〜15重量%の割合で含むことが好ましい。
ただし、本発明の導電性接合材料は、必ずしもフラックスを含むことを要するものではなく、フラックスを必要としない接続工法にも適用することが可能である。例えば、加圧しながら加熱する方法や、強還元雰囲気で加熱する方法などによっても、接続対象物や金属の表面の酸化被膜を除去して、信頼性の高い接続が可能となる。
<導電性接合体>
本発明の導電性接合体は、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含む。主相とは、割合が最も多い相のことである。また、Al4Cu9相は、少なくともCu6Sn5の粒界に存在する。
Cu6Sn5のCuサイトの一部は、Co、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つで置換されていてもよい。また、Cu6Sn5のSnサイトの一部がZn、In、および、Sbのうちの1つで置換されていてもよい。
Sn相の含有量は、20体積%以下であることが好ましい。
また、Cu6Sn5の平均結晶粒径は20μm以下であることが好ましい。
図1は、本発明の導電性接合材料を用いて接合を行う場合の挙動を模式的に示す図である。ここでは、本発明の導電性接合材料10を用いて、一対の電極11a、11bを接合する場合について説明する。例えば、一対の電極11a、11bのうちの一方は、電子部品の電極であり、他方は、その電子部品を実装する基板上の電極である。ただし、導電性接合材料を用いて接合する対象が電極に限定されることはない。
はじめに、図1(a)に示すように、一対の電極11a、11b間に導電性接合材料10を位置させる。導電性接合材料10は、第1金属1と、第1金属1よりも融点が高く、第1金属1と反応して金属間化合物を生成する第2金属2とを含み、第1金属1は、Snを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金である。第2金属は、Cuを主成分とし、MnおよびNiの少なくとも一方を含む合金である。
次に、この状態で接続部を加熱し、導電性接合材料10の温度が第1金属1の融点以上に達すると、図1(b)に示すように、第1金属1の主成分であるSnが液相となり、その液相が一対の電極11a、11bに濡れ広がる。
さらに加熱を続けると、第1金属1と第2金属2とが反応し始め、この反応により、融点が400℃以上である金属間化合物3が生成される(図1(c)参照)。すなわち、一般的なSn系はんだと同レベルの温度での実装接合が可能であり、かつ、300℃のような高温環境下でも溶融することのない高耐熱の導電性接合体4が得られる。導電性接合体4は、本発明の導電性接合体であって、上述したように、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含む。
ここで、Cuを主成分とし、MnおよびNiの少なくとも一方を含む合金である第2金属の表面は非常に酸化しやすいため、酸化膜が形成される場合がある。第2金属の表面に酸化膜が形成されると、熱処理時に、第1金属と第2金属の反応が阻害される。したがって、第2金属2の表面には、酸化防止膜が存在することが好ましい。図2は、表面に酸化防止膜2aが存在する第2金属2の模式的な形状を示す図である。
酸化防止膜2aは、AgおよびSnのうちのいずれか一方からなることが好ましい。Agは、熱処理時に液相となる第1金属1の主成分であるSnとの反応速度が著しく速いため、瞬時に酸化防止膜2aを除く第2金属2の表面が露出して第1金属1との反応が開始される。また、Snは、第2金属2の主成分そのものであり、熱処理時にSnが溶融後、直ちに第1金属1との反応が開始される。このように、酸化防止膜2aとしてAgまたはSnを用いることにより、酸化防止膜2aを除去するための余分な熱処理時間が必要ないため、熱処理におけるプロセスコストの上昇を抑制することができる。
(実施例1)
実施例1では、粉末状の第1金属(第1金属粉末)と、粉末状の第2金属(第2金属粉末)と、フラックスとを混合することにより、ペースト状の導電性接合材料を作製した。フラックスは、樹脂、溶剤、チキソ剤、および、活性剤を含んでおり、7〜15重量%の割合で添加した。
ここでは、表1Aおよび表1Bに示すように、組成の異なる第1金属粉末と第2金属粉末とを用いて、36種類の導電性接合材料を作製した。第1金属粉末は、SnとAlの組成比が表1Aおよび表1Bに示す粉末(Alの含有量が0の場合も含む)であり、第2金属粉末は、CuとMnとNiの組成比が表1Aおよび表1Bに示す粉末(MnまたはNiの含有量が0の場合も含む)である。
Figure 2021133410
Figure 2021133410
表1Aおよび表1Bでは、試料番号1〜36の導電性接合材料における第1金属の組成比、第1金属の平均粒径D50、第2金属の組成比、第2金属の平均粒径D50、第1金属と第2金属の混合比(mol%)をそれぞれ示している。表1Aおよび表1Bにおいて、試料番号に*が付されていない試料は、本発明の導電性接合材料であり、試料番号に*が付されている試料は、比較例の導電性接合材料である。また、本発明の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体であり、比較例の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、比較例の導電性接合体である。
試料番号1〜12の導電性接合材料は、第2金属がCu90原子%とMn10原子%とを含み、第1金属に含まれるSnとAlの組成比が異なる。試料番号13〜24の導電性接合材料は、第2金属がCu90原子%とNi10原子%とを含み、第1金属に含まれるSnとAlの組成比が異なる。試料番号25〜36の導電性接合材料は、第2金属がCu90原子%と、Mn5原子%と、Ni5原子%とを含み、第1金属に含まれるSnとAlの組成比が異なる。
作製したペースト状の導電性接合材料を、厚み150μmのメタルマスクを用いて、図3に示す落下衝撃試験用の基板20の実装用電極21上に印刷した。実装用電極21は、3mm×3mmの矩形の大きさであり、銅箔の表面にNiとAuの2層めっきが施された構造を有する。そして、導電性接合材料が印刷された実装用電極21上に、落下衝撃試験用のチップを実装した。
図4は、落下衝撃試験用のチップ30の形状を模式的に示す図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。チップ30のサイズは、X軸方向Lが3mm、Y軸方向が3mm、Z軸方向が5mmであり、X軸およびY軸で規定される面が実装面である。チップ30の側面30aは、導電性接合材料との結合を防ぐために、樹脂コート膜31で覆われている。すなわち、チップ30の実装面のみが実装用電極21との接合面となるように構成されている。
チップ30が実装された基板20を160℃で5分間保持した後、1つのチップ30に対して30kgfの荷重(圧力33MPa)を加えながら260℃で5分間保持することによって、基板20の実装用電極21とチップ30とを接合した。この状態では、チップ30は、導電性接合材料が熱処理されることによって形成された導電性接合体を介して、基板20の実装用電極21と接合されている。
基板20とチップ30の接合部分の断面の組織をSEM−EDS(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)により組成分析し、導電性接合体を構成する結晶相を同定した。
図5は、試料番号4の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の構成を模式的に示す図である。図5に示すように、試料番号4の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相およびMnSn相とを含む。図5に示すように、Al4Cu9は、Cu6Sn5の粒界に存在する。なお、主相であるCu6Sn5内に均一にAl4Cu9が存在する場合もあるが、その場合も、Al4Cu9は、少なくともCu6Sn5の粒界に存在する。
このように、本発明の導電性接合体は、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含み、Al4Cu9は、少なくともCu6Sn5の粒界に存在する。
図6は、主相であるCu6Sn5の中央部であって、Al4Cu9相が存在しない領域と、主相であるCu6Sn5の粒界であって、Al4Cu9相が存在する領域におけるビッカース圧痕写真である。Cu6Sn5の中央部の圧痕端部から亀裂が進展しているが、Al4Cu9相が存在する粒界近傍でくい止められている。図6に示すように、Cu6Sn5の粒界の圧痕端部からは、亀裂の進展は認められない。
すなわち、Cu6Sn5の粒界に存在するAl4Cu9相は、衝撃応力によって亀裂が発生しても、亀裂の進展をくい止める役割を有する。したがって、主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含む本発明の導電性接合体は、接合強度に優れている。
上述したチップ30が実装された基板20に対して、「JIS C 60068−2−27」の規格に基づいて、衝撃試験を行った。ここでは、ランク1とランク2の2種類の条件で衝撃試験を行った。ランク1は、正弦波のパルス波形で、ピーク加速度が4900m2/s、作用時間1msの条件であり、ランク2は、正弦波のパルス波形で、ピーク加速度が14700m2/s、作用時間0.5msの条件であり、ランク2の方が衝撃の強い試験である。
衝撃試験は、図2に示す基板20のX軸のプラス方向とマイナス方向、Y軸のプラス方向とマイナス方向、Z軸のプラス方向とマイナス方向の6方向に対してそれぞれ3回の合計18回行った。そして、基板20に実装された15個のチップ30のうち、衝撃試験によって基板20から脱離したチップ30の数を計測した。
表2Aおよび表2Bに、試料番号1〜36の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相と、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。
Figure 2021133410
Figure 2021133410
表2Aおよび表2Bに示すように、試料番号1〜36の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、主相であるCu6Sn5が含まれており、さらに、第1金属および第2金属の組成に応じて、Al4Cu9および/またはMnSn2が含まれる。特に、試料番号2〜12、14〜24、および、26〜36の本発明の導電性接合体は、Cu6Sn5とAl4Cu9を少なくとも含む。一方、試料番号1、13、および、25の比較例の導電性接合体には、Al4Cu9が含まれない。
表2Aおよび表2Bに示すように、本発明の導電性接合体を用いてランク1の衝撃試験を行った場合、脱離したチップ30の数は0となった。一方、比較例の導電性接合体を用いてランク1の衝撃試験を行った場合、脱離したチップ30の数は15個であり、全てのチップ30が脱離した。
すなわち、本発明の導電性接合体は、耐熱性だけでなく、接合強度に優れている。また、本発明の導電性接合材料も、接合に用いたときに耐熱性および接合強度に優れた導電性接合体を形成することができる。したがって、本発明の導電性接合体を介して接合されている電子部品に外部から衝撃が加わった場合でも、電子部品が脱離し難くなり、信頼性の高い電子機器を提供することが可能となる。
ここで、表1Aおよび表1Bに示すように、本発明の導電性接合材料において、第1金属に含まれるAlの量は、2原子%以上20原子%以下である。第1金属に含まれるAlの量が2原子%未満の場合、導電性接合体に含まれるAl4Cu9相の存在量が低減し、衝撃応力により発生した亀裂の進展をくい止める効果が弱まるため、第1金属に含まれるAlの量が2原子%以上の場合と比べて、接合強度が低くなる。一方、第1金属に含まれるAlの量が20原子%を超えると、第1金属の融点以上の熱処理によって生じる液相の濡れ広がりが不十分となり、接合強度が低くなる場合がある。したがって、第1金属はSnを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金であることが好ましい。
また、第1金属に含まれるAlの量が4原子%以上16原子%以下である試料番号4〜10、16〜22、28〜34の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体では、ランク2の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数は0となった。したがって、本発明の導電性接合材料において、第1金属はSnを主成分とし、Alを4原子%以上16原子%以下含む合金であることがより好ましい。
(実施例2)
実施例2では、粉末状の第1金属(第1金属粉末)と、粉末状の第2金属(第2金属粉末)と、フラックスとを混合することにより、ペースト状の導電性接合材料を作製した。フラックスは、樹脂、溶剤、チキソ剤、および、活性剤を含んでおり、7〜15重量%の割合で添加した。
ここでは、表3に示すように、組成の異なる第1金属粉末と第2金属粉末とを用いて、試料番号41〜64の24種類の導電性接合材料を作製した。第1金属粉末は、SnとAlの組成比が表3に示す粉末であり(Alの含有量が0の場合も含む)、第2金属粉末は、CuとMnの組成比が表3に示す粉末である(Mnの含有量が0の場合も含む)。
Figure 2021133410
表3では、試料番号41〜64の導電性接合材料における第1金属の組成比、第1金属の平均粒径D50、第2金属の組成比、第2金属の平均粒径D50、および、第1金属と第2金属の混合比(mol%)をそれぞれ示している。表3において、試料番号に*が付されていない導電性接合材料は、本発明の導電性接合材料であり、試料番号に*が付されている導電性接合材料は、比較例の導電性接合材料である。また、本発明の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体であり、比較例の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、比較例の導電性接合体である。
試料番号41〜48の導電性接合材料は、第2金属がCu95原子%とMn5原子%とを含み、第1金属に含まれるSnとAlの組成比が異なる。試料番号49〜56の導電性接合材料は、第2金属がCu90原子%とMn10原子%とを含み、第1金属に含まれるSnとAlの組成比が異なる。試料番号57〜64の導電性接合材料は、第2金属がCu85原子%とMn15原子%とを含み、第1金属に含まれるSnとAlの組成比が異なる。
作製したペースト状の導電性接合材料を、実施例1で行った方法と同じ方法により、図3に示す落下衝撃試験用の基板20の実装用電極21上に印刷し、導電性接合材料が印刷された実装用電極21上に、チップ30を実装した。また、実施例1で行った方法と同じ方法により、導電性接合体を構成する結晶相を同定するとともに、実施例1と同様の衝撃試験を行った。表4に、試料番号41〜64の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相と、導電性接合体に含まれるAl4Cu9の体積率、主相であるCu6Sn5の平均結晶粒径、および、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。なお、Cu6Sn5の平均結晶粒径は、SEM観察写真から線分法により算出した。
Figure 2021133410
表4に示すように、試料番号42〜48、50〜56、および、58〜64の導電性接合材料、すなわち、本発明の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、Cu6Sn5、MnSn2、および、Al4Cu9が含まれる。一方、試料番号41、49、および、57の導電性接合材料、すなわち、比較例の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、Cu6Sn5およびMnSn2が含まれるが、Al4Cu9は含まれていない。
表4に示すように、本発明の導電性接合体を用いてランク1の衝撃試験を行った場合、脱離したチップ30の数は0となった。一方、比較例の導電性接合体を用いてランク1の衝撃試験を行った場合、脱離したチップ30の数は15個であり、全てのチップ30が脱離した。
すなわち、本発明の導電性接合体は、耐熱性だけでなく、接合強度に優れている。また、本発明の導電性接合材料も、接合に用いたときに耐熱性および接合強度に優れた導電性接合体を形成することができる。
ここで、表3に示すように、本発明の導電性接合材料において、第1金属に含まれるAlの量は、2原子%以上20原子%以下である。したがって、第1金属はSnを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金であることが好ましい。
また、第1金属に含まれるAlの量が4原子%以上16原子%以下である試料番号44〜48、52〜56、60〜64の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体では、ランク2の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数が0となった。したがって、本発明の導電性接合材料において、第1金属はSnを主成分とし、Alを4原子%以上16原子%以下含む合金であることがより好ましい。
(実施例3)
実施例3では、第1金属に含まれるSnとAlの組成比は同一とし、第2金属に含まれるCuとMnとNiとの組成比を変更して、表5Aおよび表5Bに示す試料番号71〜98の導電性接合材料を作製した。
Figure 2021133410
Figure 2021133410
表5Aおよび表5Bでは、試料番号71〜98の導電性接合材料における第1金属の組成比、第1金属の平均粒径D50、第2金属の組成比、第2金属の平均粒径D50、および、第1金属と第2金属の混合比(mol%)をそれぞれ示している。試料番号71〜98の導電性接合材料は、本発明の導電性接合材料である。
表5Aに示す試料番号5および71〜80の導電性接合材料は、第1金属がSn94原子%とAl6原子%とを含み、第2金属に含まれるCuとMnの組成比が異なる。表5Aに示す試料番号17および81〜89の導電性接合材料は、第1金属がSn94原子%とAl6原子%とを含み、第2金属に含まれるCuとNiの組成比が異なる。表5Bに示す試料番号29および90〜98の導電性接合材料は、第1金属がSn94原子%とAl6原子%とを含み、第2金属に含まれるCuとMnとNiの組成比が異なる。
試料番号71〜98の導電性接合材料を用いて導電性接合体を形成して、実施例1と同様の衝撃試験を行った。試料番号71〜98の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体である。表6Aおよび表6Bに、試料番号71〜98の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相と、導電性接合体に含まれるSnの存在量、および、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。
Figure 2021133410
Figure 2021133410
表6Aおよび表6Bに示すように、試料番号71〜98の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、Cu6Sn5およびAl4Cu9が含まれる。また、試料番号71〜98の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体において、ランク1およびランク2の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数は0となった。
ここで、導電性接合体にSn相が存在していると、導電性接合体の耐衝撃性が高くなり、その効果は、Sn相が多いほど高い。しかしながら、Sn相は200〜250℃で溶融するため、300℃のような高温環境下での接合強度を維持するためには、Sn相の存在量は少ない方が好ましく、例えば、20体積%以下であることが好ましい。
表6Aおよび表6Bに示すように、試料番号5、17、29、74〜78、83〜87、92〜96の導電性接合材料を用いた場合には、形成された導電性接合体におけるSnの存在量が20体積%以下である。試料番号5、17、29、74〜78、83〜87、92〜96の導電性接合材料は、第2金属がCuを主成分とし、MnおよびNiの少なくとも一方を3原子%以上15原子%以下含む合金である。
ここで、導電性接合材料の第2金属に含まれるMnおよび/またはNiは、第2金属の主成分であるCuと、第1金属の主成分であるSnとの反応速度を速くする働きを有し、MnとNiの合計含有量が10体積%のときに反応速度が最大となる。一方、MnとNiの合計含有量が3原子%未満であるか、または、15原子%を超えると、CuとSnとの反応速度が遅くなり、主相であるCu6Sn5の生成量が不十分になるとともに、Snが20体積%を超えて残存するため、耐熱性が低下する。
したがって、本発明の導電性接合材料は、第2金属がCuを主成分とし、MnおよびNiの少なくとも一方を3原子%以上15原子%以下含む合金であることが好ましい。また、本発明の導電性接合体において、Sn相の含有量は、20体積%以下であることが好ましい。
(実施例4)
実施例4では、表3に示す試料番号53の導電性接合材料をベースとして、第1金属に、Zn、In、または、Sbを混合させるか、または、第2金属に、Co、Ni、Pd、Pt、または、Auを混合させることによって、表7に示す試料番号100〜108の導電性接合材料を作製した。
Figure 2021133410
表7に示すように、試料番号100〜104の導電性接合材料は、表3に示す試料番号53の導電性接合材料をベースとして、第2金属に、Co、Ni、Pd、Pt、または、Auがさらに含まれる。試料番号105〜107の導電性接合材料は、表3に示す試料番号53の導電性接合材料をベースとして、第1金属に、Zn、In、または、Sbがさらに含まれる。試料番号108の導電性接合材料は、表3に示す試料番号53の導電性接合材料をベースとして、第1金属にInがさらに含まれ、かつ、第2金属にNiがさらに含まれる。表7に示す試料番号100〜108の導電性接合材料は全て、本発明の導電性接合材料である。
また、作製した導電性接合材料を用いて導電性接合体を形成して、実施例1と同様の衝撃試験を行った。試料番号100〜108の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体である。表8に、試料番号53および100〜108の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相と、主相の平均結晶粒径、および、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。
Figure 2021133410
表8に示すように、試料番号100〜108の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、主相である(Cu,X)6(Sn,Z)5と、MnSn2、および、Al4Cu9が含まれる。ただし、Xは、Co、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つであり、Zは、Zn、In、および、Sbのうちの1つである。すなわち、(Cu,X)6(Sn,Z)5は、Cu6Sn5のCuサイトの一部がCo、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つで置換され、かつ/または、Snの一部がZn、In、および、Sbのうちの1つで置換されたものである。
表8に示すように、本発明の導電性接合材料(導電性接合体)を用いてランク1の衝撃試験を行った場合、脱離したチップ30の数は0となった。すなわち、本発明の導電性接合体において、Cu6Sn5のCuサイトの一部がCo、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つで置換されており、かつ/または、Cu6Sn5のSnサイトの一部がZn、In、および、Sbのうちの1つで置換されている場合でも、耐熱性だけでなく、接合強度が優れている。
また、本発明の導電性接合材料において、第1金属は、Zn、In、および、Sbのうちの1つをさらに含み、かつ/または、第2金属は、Co、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つをさらに含んでいても、接合に用いたときに耐熱性および接合強度に優れた導電性接合体を形成することができる。
なお、試料番号108の導電性接合材料は、第1金属がInをさらに含み、かつ、第2金属がNiをさらに含む試料であるが、第1金属がZn、In、および、Sbのうちの1つをさらに含み、かつ、第2金属がCo、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つをさらに含んだ試料においても、衝撃試験の結果が試料番号108の試料と同じ結果になることを確認済みである。
(実施例5)
実施例5では、表9Aおよび表9Bに示すように、第1金属と第2金属との混合比(mol%)を変更して、試料番号111〜137の導電性接合材料を作製した。
Figure 2021133410
Figure 2021133410
表9Aおよび表9Bに示す試料番号111〜137の導電性接合材料は、本発明の導電性接合材料である。表9Aに示す試料番号5および111〜119の導電性接合材料は、第1金属がSn94原子%とAl6原子%とを含み、第2金属がCu90原子%とMn10原子%とを含む。表9Aに示す試料番号17および120〜128の導電性接合材料は、第1金属がSn94原子%とAl6原子%とを含み、第2金属がCu90原子%とNi10原子%とを含む。表9Bに示す試料番号29および129〜137の導電性接合材料は、第1金属がSn94原子%とAl6原子%とを含み、第2金属がCu90原子%と、Mn5原子%と、Ni5原子%とを含む。
また、試料番号111〜137の導電性接合材料を用いて導電性接合体を形成して、実施例1と同様の衝撃試験を行った。試料番号111〜137の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体である。表10Aおよび表10Bに、試料番号5、17、29、および、111〜137の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相と、導電性接合体に含まれるSnの存在量、および、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。
Figure 2021133410
Figure 2021133410
表10Aおよび表10Bに示すように、試料番号111〜137の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、主相であるCu6Sn5および/または(Cu,Ni)6Sn5、MnSn2、および、Al4Cu9が含まれる。(Cu,Ni)6Sn5は、Cu6Sn5のCuサイトの一部がNiで置換されたものである。
表10Aおよび表10Bに示すように、試料番号111〜137の全ての導電性接合体において、ランク1の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数は0となった。
上述したように、300℃のような高温環境下での接合強度を維持するためには、導電性接合体に存在するSnの量は少ない方が好ましく、例えば、20体積%以下であることが好ましい。表10Aおよび表10Bに示すように、試料番号113〜119、122〜128、および、131〜137の導電性接合材料を用いた場合、形成された導電性接合体におけるSnの存在量が20体積%以下である。試料番号113〜119、122〜128、および、131〜137の導電性接合材料中の第2金属の含有量は、46mol%以上64mol%以下である。
ここで、導電性接合材料中の第2金属の含有量が46mol%未満になると、第1金属の主成分であるSnが20体積%を超えて残存するようになる。また、第2金属の含有量が64mol%を超えると、第1金属の融点以上の熱処理によって生じる液相の濡れ広がりが不十分となり、接合強度が低くなる場合がある。したがって、本発明の導電性接合材料における第2金属の含有量は、46mol%以上64mol%以下であることが好ましい。また、本発明の導電性接合体において、Sn相の含有量は、20体積%以下であることが好ましい。
(実施例6)
表11に示すように、実施例6でも、第1金属と第2金属との混合比(モル比)を変更して、試料番号141〜144の導電性接合材料を作製した。
Figure 2021133410
表11に示す試料番号141〜144の導電性接合材料は、本発明の導電性接合材料である。
また、試料番号141〜144の導電性接合材料を用いて導電性接合体を形成して、実施例1と同様の衝撃試験を行った。試料番号141〜144の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体である。表12に、試料番号53および141〜144の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相、導電性接合体に含まれるSnの存在量、主相であるCu6Sn5の平均結晶粒径、および、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。
Figure 2021133410
表12に示すように、試料番号141〜144の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合材の結晶相には、主相であるCu6Sn5と、MnSn2、および、Al4Cu9などが含まれる。試料番号141〜144の全ての導電性接合材料において、ランク1およびランク2の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数は0となった。
上述したように、300℃のような高温環境下での接合強度を維持するためには、導電性接合体に存在するSnの量は少ない方が好ましく、例えば、20体積%以下であることが好ましい。表12に示すように、試料番号141〜143の導電性接合材料を用いた場合には、形成された導電性接合体におけるSnの存在量が20体積%以下である。試料番号141〜143の導電性接合材料中の第2金属の含有量は、46mol%以上64mol%以下である。
したがって、本発明の導電性接合材料における第2金属の含有量は、46mol%以上64mol%以下であることが好ましい。また、本発明の導電性接合体において、Sn相の含有量は、20体積%以下であることが好ましい。
(実施例7)
実施例7では、表13に示すように、第1金属の平均粒径および第2金属の平均粒径を変更して、試料番号151〜160の導電性接合材料を作製した。
Figure 2021133410
表13に示す試料番号151〜160の導電性接合材料は、本発明の導電性接合材料である。
また、試料番号151〜160の導電性接合材料を用いて導電性接合体を形成して、実施例1と同様の衝撃試験を行った。試料番号151〜160の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体は、本発明の導電性接合体である。表14に、試料番号151〜160の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相、主相であるCu6Sn5の平均結晶粒径、および、衝撃試験によって脱離したチップ30の数を示す。
Figure 2021133410
表14に示すように、試料番号151〜160の導電性接合材料を用いて形成された導電性接合体の結晶相には、主相であるCu6Sn5と、MnSn2、および、Al4Cu9が含まれる。試料番号151〜160の全ての導電性接合材料において、ランク1の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数は0となった。
また、導電性接合材料に含まれる第1金属および第2金属の平均粒径が大きくなると、導電性接合体の主相であるCu6Sn5の平均結晶粒径も大きくなり、ランク2の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数が増加した。表13および表14に示すように、試料番号151〜155の導電性接合材料は、第1金属および第2金属の平均粒径が16.5μm以下で、導電性接合体の主相であるCu6Sn5の平均結晶粒径が12.2μm以下であり、ランク2の衝撃試験を行ったときの脱離チップ数が0となった。これは、以下の理由による。すなわち、衝撃応力により発生する亀裂に対して、主相であるCu6Sn5の粒界に存在するAl4Cu9は障壁となってくい止める役割を有する。Cu6Sn5の平均結晶粒径が小さいと、障壁数が増加するため、亀裂の進展をくい止める効果が大きくなる。
したがって、導電性接合材料に含まれる第1金属および第2金属の平均粒径は16.5μm以下であることが好ましい。また、導電性接合体の主相であるCu6Sn5の平均結晶粒径は、12.2μm以下であることが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。例えば、上述した各実施例において説明した導電性接合材料および導電性接合体の特徴は、適宜組み合わせることができる。
1 第1金属
2 第2金属
2a 酸化防止膜
3 金属間化合物
4 導電性接合体
10 導電性接合材料
11a、11b 一対の電極
20 落下衝撃試験用の基板
21 実装用電極
30 チップ
31 樹脂コート膜

Claims (14)

  1. 第1金属と、
    前記第1金属よりも融点が高く、前記第1金属と反応して金属間化合物を生成する第2金属と、
    を含み、
    前記第1金属は、Snを主成分とし、Alを2原子%以上20原子%以下含む合金であることを特徴とする導電性接合材料。
  2. 前記第2金属は、Cuを主成分とし、MnおよびNiの少なくとも一方を3原子%以上15原子%以下含む合金であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接合材料。
  3. 前記第2金属は、Co、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の導電性接合材料。
  4. 前記第1金属は、Zn、In、および、Sbのうちの1つをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性接合材料。
  5. 前記導電性接合材料中の前記第2金属の含有量は、46mol%以上64mol%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接合材料。
  6. 前記第1金属の平均粒径および前記第2金属の平均粒径は、それぞれ26.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性接合材料。
  7. 前記第2金属の表面には、酸化防止膜が存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性接合材料。
  8. 前記酸化防止膜は、AgおよびSnのうちのいずれか一方からなることを特徴とする請求項7に記載の導電性接合材料。
  9. 主相であるCu6Sn5と、Al4Cu9相とを含むことを特徴とする導電性接合体。
  10. 前記Al4Cu9相は、少なくとも前記Cu6Sn5の粒界に存在することを特徴とする請求項9に記載の導電性接合体。
  11. 前記Cu6Sn5のCuサイトの一部がCo、Ni、Pd、Pt、および、Auのうちの1つで置換されていることを特徴とする請求項9または10に記載の導電性接合体。
  12. 前記Cu6Sn5のSnサイトの一部がZn、In、および、Sbのうちの1つで置換されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の導電性接合体。
  13. Sn相の含有量は、20体積%以下であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の導電性接合体。
  14. 前記Cu6Sn5の平均結晶粒径は20μm以下であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の導電性接合体。
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