JP2000135592A - はんだ用フラックス - Google Patents

はんだ用フラックス

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JP2000135592A
JP2000135592A JP10324488A JP32448898A JP2000135592A JP 2000135592 A JP2000135592 A JP 2000135592A JP 10324488 A JP10324488 A JP 10324488A JP 32448898 A JP32448898 A JP 32448898A JP 2000135592 A JP2000135592 A JP 2000135592A
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flux
solder
iodide
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quaternary ammonium
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Naotaka Igawa
直孝 井川
Yoshiaki Tanaka
嘉明 田中
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Uchihashi Estec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉛フリ−はんだを用いたはんだ付けの優れた作
業性や耐腐食性を保証する。 【解決手段】第4級アンモニウムのヨウ素塩、3箇のハ
ロゲン原子のうち少なくとも一箇がヨウ素原子である第
4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウ
ムのヨウ素塩をSnを主成分とする鉛フリ−はんだのフ
ラックスの活性剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソルダペ−スト、
やに入りはんだ、ポストフラックスに使用するはんだ用
フラックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】はんだ付けにおいて、フラックスの使用
は不可欠であり、母材の酸化膜の除去、母材や溶融
はんだ表面への酸化防止膜の被覆、溶融はんだの界面
張力の減少による濡れ促進、はんだ付け性の改善等の
機能を奏する。上記の機能をロジンの単一成分で充足さ
せることは難しく、通常一種または二種以上の活性剤を
添加している。従来、はんだには伝統的にSn−Pbは
んだが使用され、そのフラックスにはジエチルアミン塩
酸塩やシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等の第1級ア
ミン及び第2級アミンの塩酸塩や臭化水素酸塩が用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近来、廃棄した電子機
器からの溶出鉛が生態系に及ぼす悪影響や環境汚染が重
視され、従来のPb系はんだからPbフリ−はんだへの
転換が進められている。而るに、上記Sn−Pbはんだ
用フラックスは鉛フリ−はんだには適さず、鉛フリ−は
んだ用フラックスの開発が要請されている。
【0004】かかる現況下、本発明者等が鋭意検討した
結果、第4級アンモニウムや第4級ホスホニウムのヨウ
素塩をフラックスの活性剤とすれば、Snを主成分とす
る鉛フリ−はんだに対し優れた濡れ性、広がり性、耐腐
食性を保証できることを知った。従来、はんだ用フラッ
クスの活性剤として第4級アンモニウムの塩素塩や臭素
塩を使用することが提示されており(特開平3−180
296号、特開平4−251692号、特開平10−9
9991号)、特に、特開平10−99991号には、
Sn−Ag系やSn−Zn系の鉛フリ−はんだに対する
有効性が開示されている。
【0005】しかしながら、本発明者等のこれら活性剤
についての検討結果によれば、耐腐食性が不充分であ
る。はんだ用フラックスの耐腐食性は、フラックス残渣
の活性のためにはんだ付け部が腐食する程度を評価する
特性であり、耐腐食性に劣るフラックスでははんだ付け
後での洗浄をそれだけ厳重に行う必要があり、かかる重
洗浄のもとではフロンや揮発性有機物によるオゾン層破
壊や大気汚染等の環境破壊が招来され、はんだの鉛フリ
−化による環境保全の意義が相殺されてしまう。
【0006】而して、第4級アンモニウムのハロゲン塩
のうち、特にヨウ素塩を活性剤とするフラックスがSn
を主成分とする鉛フリ−はんだに対し優れた耐腐食性を
発現する事実の技術的意義は極めて大である。
【0007】本発明の目的は、上記の知見に基づき、第
4級アンモニウムのヨウ素塩、3箇のハロゲン原子のう
ち少なくとも一箇がヨウ素原子である第4級アンモニウ
ムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩を
Snを主成分とする鉛フリ−はんだのフラックスの主に
活性剤として使用することにより、当該鉛フリ−はんだ
を用いたはんだ付けの優れた作業性や耐腐食性を保証す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るはんだ用フ
ラックスは、Snを主成分とするPbフリ−はんだのは
んだ付けに使用するフラックスであり、第4級アンモニ
ウムモノヨ−ジド、3箇のハロゲン原子のうち少なくと
も1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハラ
イドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドを含有する
ことを特徴とする構成であり、第4級アンモニウムモノ
ヨ−ジドとしてはテトラプロピルアンモニウムヨ−ジ
ド、テトラブチルアンモニウムヨ−ジド、テトラペンチ
ルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘキシルアンモニウム
ヨ−ジド、テトラヘプチルアンモニウムヨ−ジド、エチ
ルトリプロピルアンモニウムヨ−ジド、トリメチルベン
ジルアンモニウムヨ−ジド、トリエチルベンジルアンモ
ニウムヨ−ジド、レピジンイソアミルヨ−ジドの何れか
一種または二種以上を使用でき、3箇のハロゲン原子の
うち少なくとも一箇がヨウ素原子である第4級アンモニ
ウムトリハライドとしてはテトラブチルアンモニウムト
リヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨ−ジ
ド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨ−ジドの何れ
か一種または二種以上を使用でき、第4級ホスホニウム
モノヨ−ジドとしてはメチルトリフェニルホスホニウム
ヨ−ジドを使用できる。
【0009】本発明に係る他のはんだ用フラックスは、
Snを主成分とするPbフリ−はんだのはんだ付けに使
用するフラックスであり、第1級〜第3級アミンのヨウ
化水素酸塩、例えばシクロヘキシルアミンヨウ化水素酸
塩、ジエチルアミンヨウ化水素酸塩、トリエチルアミン
ヨウ化水素酸塩の何れか一種または二種以上を含有する
ことを特徴とする構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るはんだ用フラックス
は、Snを主成分とし鉛が0.1重量%以下の鉛フリ−
はんだ、例えばSn−Ag系はんだを使用してのはんだ
付けに使用され、ソルダペ−スト(クリ−ムはんだ)の
フラックス、やに入りはんだのフラックス、フロ−法や
鏝はんだ付けに使用されるポストフラックスとして用い
ることができる。
【0011】本発明に係るはんだ用フラックスの組成
は、重合ロジン,水添ロジン,天然ロジン,不均化ロジ
ン等の有機樹脂と上記第4級アンモニウムモノヨ−ジ
ド,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも一箇がヨウ素
原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4
級ホスホニウムモノヨ−ジドの何れか一種または二種以
上からなる活性剤(以下、主活性剤と称することがあ
る)を基本成分とし、上記した用途に応じチキソ剤例え
ば水添ヒマシ油,高級脂肪酸アミドや有機溶剤例えばヘ
キシレングリコ−ル,オクチレングリコ−ル,ブチルカ
ルビト−ル,ブチルセロソルブ,ヘキシルセロソルブ,
ジブチルカルビト−ル,ベンジルセルソルブ,プロピレ
ングリコ−ル,ジプロピレングリコ−ル,プロピレング
リコ−ルモノフェニルエ−テル,ブチルカルビト−ルア
セテ−ト等のグリコ−ル系溶剤やイソプロピルアルコ−
ル,α・テレピネオ−ル,ベンジルアルコ−ル等のアル
コ−ル系溶剤等が添加される。
【0012】また、汎用の活性剤、例えばアジピン酸,
セバシン酸,コハク酸,パルミチン酸,ミリスチン酸,
カプリン酸,ベンジル酸,アントラニル酸,ジグリコ−
ル酸等の有機酸、シクロヘキシルアミン,ヘキシルアミ
ン,ジエタノ−ルアミン,ジエタノ−ル,トリエタノ−
ルアミン,ジフェニルグアニジン,ピコリン,ルチジ
ン,ピペリジン等のアミン類のハロゲン化水素酸塩、ジ
ブロモブテンジオ−ル,1,1,2,2−テトラブロモ
エタン,2,3−ジブロモコハク酸,モノブロモプロピ
オン等の有機ハロゲン化合物等を補助的に添加すること
もできる。
【0013】上記第4級アンモニウムモノヨ−ジド,3
箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子で
ある第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホス
ホニウムモノヨ−ジドの何れか一種または二種以上から
なる活性剤の添加量は分子量と1分子中のハロゲンの箇
数に応じ有機樹脂100重量部に対し0.1〜15重量
部とされる。
【0014】上記ソルダペ−ストのフラックスの組成
は、有機樹脂30〜60重量%、チキソ剤3〜20重量
%、主活性剤0.1〜10.0重量%、補助活性剤0〜
5.0重量%、残部溶剤とすることができ、ソルダペ−
ストの組成は、Snを主成分とする鉛フリ−の粉末はん
だに対しフラックスの割合を8〜20重量%とすること
ができる。
【0015】上記やに入りはんだのフラックスの組成
は、主活性剤0.1〜15.0重量%、補助活性剤0〜
10.0重量%、残部有機樹脂とすることができ、やに
入りはんだの組成は、Snを主成分とする鉛フリ−のは
んだに対しフラックスの割合を1〜5重量%とすること
ができる。
【0016】上記ポストフラックスの組成は、有機樹脂
5〜40重量%、主活性剤0.1〜10.0重量%、補
助活性剤0〜10.0重量%、残部溶剤とすることがで
きる。
【0017】
【実施例】実施例1〜6及び比較例1〜8はソルダペ−
ストについての実施例とその比較例である。 〔実施例1〕有機樹脂として重合ロジン50重量%、チ
キソ剤として水添ヒマシ油7重量%、主活性剤としてテ
トラブチルアンモニウムヨ−ジド0.8重量%、補助活
性剤としてアジピン酸0.3重量%とジブロモブテンジ
オ−ル0.5重量%、残部のヘキシレングリコ−ルを混
合して本発明に係るフラックスを調製した。このフラッ
クスとSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径
45〜25μm)とをフラックス含有量10.7重量%
で混練してソルダペ−ストを得た。
【0018】〔実施例2〜6〕実施例1に対し、主活性
剤を表1に示すように別の第4級アンモニウムモノヨ−
ジド,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ
素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第
4級ホスホニウムモノヨ−ジドに変更した以外、実施例
1と同様にして本発明に係るフラックスを調製した。ま
た、それぞれのフラックスを用い実施例1と同様にして
ソルダペ−ストを得た。
【0019】〔比較例1及び2〕実施例1及び2のフラ
ックスの鉛系はんだに対する有効性を評価するために、
実施例1及び2に対し、はんだ粉末をSn63/Pbは
んだ粉末に変更した(はんだに対するフラックスの体積
割合は実施例1及び2に等しくしたが、はんだ粉末の比
重の相違のためにフラックスの含有重量%が実施例1及
び2とはやや異なっている)。
【0020】〔比較例3及び4〕実施例1のフラックス
の主活性剤であるテトラブチルアンモニウムのヨウ素塩
を塩素塩及び臭素塩に置換した場合の有効性を評価する
ために、主活性剤をテトラブチルアンモニウムクロリド
及びテトラブチルアンモニウムブロミドに変更して表1
に示す通りの組成のフラックスを調製し、実施例と同様
にして各フラックスとSn96.5/Agの鉛フリ−は
んだ粉末(粒径45〜25μm)とをフラックス含有量
10.7重量%で混練してソルダペ−ストを得た。
【0021】〔比較例5及び6〕実施例2のフラックス
の主活性剤であるトリメチルベンジルアンモニウムのヨ
ウ素塩を塩素塩及び臭素塩に置換した場合の有効性を評
価するために、主活性剤をトリメチルベンジルアンモニ
ウムクロリド及びトリメチルベンジルアンモニウムブロ
ミドに変更して表1に示す通りの組成のフラックスを調
製し、実施例1〜6と同様にして各フラックスとSn9
6.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径45〜25μ
m)とをフラックス含有量10.7重量%で混練してソ
ルダペ−ストを得た。
【0022】〔比較例7〕従来のSn−Pb系はんだ用
フラックスの鉛フリ−はんだに対する有効性を評価する
ために表1に示す通りの組成の通常のフラックスを調製
し、実施例1〜6と同様にしてフラックスとSn96.
5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径45〜25μm)
とをフラックス含有量10.7重量%で混練してソルダ
ペ−ストを得た。
【0023】
【表1】
【0024】これらの実施例品1〜6及び比較例品1〜
7のフラックスを評価するために次の試験を行った。 〔ソルダペ−ストの濡れ性・ソルダボ−ル試験〕ソルダ
ペ−ストをメタルマスクを用いて印刷したのち、リフロ
−法ではんだ付けを行い、濡れの状態及びソルダボ−ル
の発生状態を観察した。非常に良好な濡れを◎、良好な
濡れを○、劣る濡れを△、非常に劣る濡れを×と評価
し、ソルダボ−ル発生の全く無いものを◎、やや発生し
たものを○、多く発生したものを△、非常に多く発生し
たものを×と評価した。
【0025】〔ソルダペ−ストの広がり試験〕JIS
Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.
10広がり試験に準拠して広がり率を測定した。ただ
し、実施例1〜6及び比較例3〜7のはんだ粉末にSn
96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末を使用したもので
は、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温度を250℃
とした。
【0026】〔ソルダペ−ストの腐食性試験〕JIS
Z 3284 付属書4 フラックス残渣の腐食性試験
に準じて試験した。ただし、実施例1〜6及び比較例3
〜7のはんだ粉末にSn96.5/Agの鉛フリ−はん
だ粉末を使用したものでは、実際のリフロ−温度を考慮
して加熱温度を250℃とした。腐食が非常に軽度のも
のを◎、軽度のものを○、やや重度のものを△、重度の
ものを×と評価した。
【0027】表2は、実施例品1〜6及び比較例品1〜
7のフラックスの評価結果を示している。
【0028】
【表2】
【0029】この評価結果から次のことが明らかであ
る。 (1)第4級アンモニウムのヨウ素塩,3箇のハロゲン
原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級ア
ンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨ
ウ素塩を主活性剤とする実施例1〜6のフラックスは鉛
フリ−はんだに対しては全ての評価試験に合格してお
り、鉛フリ−はんだに好適なフラックスである。しか
し、比較例1及び2の評価結果から鉛系はんだにはソル
ダボ−ル試験や濡れ性試験に不合格であり、前記適格性
は鉛フリ−はんだに対する固有の適性である。
【0030】(2)第4級アンモニウムのヨウ素塩,3
箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子で
ある第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホス
ホニウムのヨウ素塩を主活性剤とする実施例1〜6のフ
ラックスは鉛フリ−はんだに対して著しく優れた耐腐食
性を呈するが、そのヨウ素塩を塩素塩や臭素塩に置換し
た比較例3〜6のフラックスの鉛フリ−はんだに対する
耐腐食性が劣っている。従って、本発明に係るはんだ用
フラックスは鉛フリ−はんだに対し、優れた濡れ性や広
がり性のみならず従来の「第4級アンモニウムの塩素塩
や臭素塩を主活性剤とするフラックス」では期待できな
い優れた耐腐食性を保証できる。
【0031】実施例7と8及び比較例8〜11はやに入
りはんだについての実施例とその比較例である。 〔実施例7〕表3に示すように、主活性剤としてテトラ
ブチルアンモニウムヨ−ジド1.0重量%、補助活性剤
としてアジピン酸0.3重量%、残部が有機樹脂として
の重合ロジンを混合して本発明に係るフラックスを調製
した。Sn95.8/Ag3.5/Cu0.7の鉛フリ
−はんだの中空孔にフラックスを充填し線引きしてフラ
ックス含有量2.0重量%のやに入りはんだを作成し
た。
【0032】〔実施例8〕表3に示すように、主活性剤
としてテトラブチルアンモニウムヨ−ジド0.5重量
%、補助活性剤としてアジピン酸0.3重量%とシクロ
ヘキシルアミン臭化水素酸塩0.3重量%、残部が有機
樹脂としての重合ロジンを混合して本発明に係るフラッ
クスを調製し、このフラックスを用いて実施例7と同様
にしてやに入りはんだを作成した。
【0033】〔比較例8及び9〕実施例7のフラックス
の主活性剤であるテトラブチルアンモニウムのヨウ素塩
の有効性を評価するために、主活性剤をテトラブチルア
ンモニウムブロミド及びトリメチルベンジルアンモニウ
ムクロリドに変更して表3に示す通りの組成のフラック
スを調製し、各フラックスを用いて実施例8と同様にし
てやに入りはんだを作成した。
【0034】〔比較例10〕従来のSn−Pb系はんだ
用フラックスの鉛フリ−はんだに対する有効性を評価す
るために表3に示す通りの組成のフラックスを調製し、
このフラックスを用いて実施例8と同様にしてやに入り
はんだを作成した。
【0035】〔比較例11〕実施例7のフラックスの鉛
系はんだに対する有効性を評価するために、表3に示す
通り実施例7のフラックスとSn60/Pbの鉛系はん
だを用い実施例7と同様にしてやに入りはんだを作成し
た。
【0036】
【表3】
【0037】これらの実施例品7と8及び比較例品8〜
11のフラックスを評価するために次の試験を行った。
【0038】〔やに入りはんだの広がり試験〕JIS
Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.
10広がり試験に準拠して広がり率を測定した。ただ
し、実施例7と8及び比較例8〜10のはんだにSn9
5.8/Ag3.5/Cu0.7の鉛フリ−はんだを使
用したものでは、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温
度を250℃とした。
【0039】〔やに入りはんだの腐食性腐食性試験〕J
IS Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方
法6.6.1銅板腐食試験に準じて試験した。ただし、
実施例7と8及び比較例8〜10のはんだにSn95.
8/Ag3.5/Cu0.7の鉛フリ−はんだを使用し
たものでは、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温度を
250℃とした。腐食が非常に軽度のものを◎、軽度の
ものを○、やや重度のものを△、重度のものを×と評価
した。
【0040】表4は、実施例品7と8及び比較例品8〜
11のフラックスの評価結果を示している。
【0041】
【表4】
【0042】この評価結果から次のことが明らかであ
る。すなわち、第4級アンモニウムのヨウ素塩を主活性
剤とする実施例7と8のフラックスは鉛フリ−はんだに
対しては耐腐食性及び広がりとも、比較例8と9の主活
性剤が第4級アンモニウムの塩素塩及び臭素塩のものに
較べて優れており、鉛フリ−のやに入りはんだのフラッ
クスとして好適である。3箇のハロゲン原子のうち少な
くとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリ
ハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩を主活性
剤とする場合にも、適格であることは前記ソルダペ−ス
トの適格性から類推できる。
【0043】実施例9〜11及び比較例12はポストフ
ラックスについての実施例とその比較例である。 〔実施例9〜11〕活性剤に表5に示す第4級アンモニ
ウムモノヨ−ジド,3箇のハロゲン原子のうち少なくと
も1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハラ
イドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドを使用し、
表5に示すように樹脂と溶剤と活性剤とで本発明に係る
フラックスを調製した。広がり試験及び腐食性試験に用
いるはんだはSn90/Bi7.5/Ag2.0/Cu
0.5の鉛フリ−はんだとした。
【0044】〔比較例12〕実施例10のフラックスの
主活性剤であるテトラプロピルアンモニウムのヨウ素塩
を評価するために、主活性剤をテトラブチルアンモニウ
ムブロミドに変更して表5に示す通りの組成のフラック
スを調製した。
【0045】
【表5】
【0046】これらの実施例品9〜11及び比較例品1
2とフラックスを評価するために次の試験を行った。
【0047】〔ポストフラックスの広がり試験〕JIS
Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法
6.10広がり試験に準拠して広がり率を測定した。
【0048】〔ポストフラックスの腐食性試験〕JIS
Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法
6.6.1銅板腐食試験に準じて試験した。ただし、腐
食の結果を顕著にするために試験片は研磨を行わず、ソ
ルダペ−ストの評価方法と同様な方法でエッチングを行
った。腐食が非常に軽度のものを◎、軽度のものを○、
やや重度のものを△、重度のものを×と評価した。
【0049】表6は、実施例品9〜11及び比較例品1
2のフラックスの評価結果を示している。
【0050】
【表6】
【0051】この評価結果から次のことが明らかであ
る。すなわち、第4級アンモニウムのヨウ素塩を主活性
剤とする実施例9〜11のフラックスは鉛フリ−はんだ
に対しては耐腐食性及び広がりとも、比較例12の主活
性剤が第4級アンモニウムの臭素塩のものに較べて優れ
ており、鉛フリ−はんだのポストフラックスとして好適
である。3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨ
ウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは
第4級ホスホニウムのヨウ素塩を主活性剤とする場合に
も、適格であることは前記ソルダペ−ストの適格性から
類推できる。
【0052】
【発明の効果】本発明に係るフラックスを使用すれば、
鉛フリ−はんだを用いる場合に従来のフラックスを用い
るときよりも、優れたはんだ付け性、作業性、耐腐食性
ではんだ付けでき、はんだの鉛フリ−化の促進に極めて
有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Snを主成分とするPbフリ−はんだのは
    んだ付けに使用するフラックスであり、窒素若しくはリ
    ン化合物のヨウ素塩を含有することを特徴とするはんだ
    用フラックス。
  2. 【請求項2】窒素化合物のヨウ素塩が第4級アンモニウ
    ムモノヨ−ジドである請求項1記載のはんだ用フラック
    ス。
  3. 【請求項3】窒素化合物のヨウ素塩が3箇のハロゲン原
    子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アン
    モニウムトリハライドである請求項1記載のはんだ用フ
    ラックス。
  4. 【請求項4】リン化合物のヨウ素塩が第4級ホスホニウ
    ムモノヨ−ジドである請求項1記載のはんだ用フラック
    ス。
  5. 【請求項5】第4級アンモニウムモノヨ−ジドが、テト
    ラプロピルアンモニウムヨ−ジド、テトラブチルアンモ
    ニウムヨ−ジド、テトラペンチルアンモニウムヨ−ジ
    ド、テトラヘキシルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘプ
    チルアンモニウムヨ−ジド、エチルトリプロピルアンモ
    ニウムヨ−ジド、トリメチルベンジルアンモニウムヨ−
    ジド、トリエチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、レピ
    ジンイソアミルヨ−ジドの何れか一種または二種以上で
    ある請求項2記載のはんだ用フラックス。
  6. 【請求項6】第4級アンモニウムトリハライドが、テト
    ラブチルアンモニウムトリヨ−ジド、テトラブチルアン
    モニウムブロモジヨ−ジド、テトラブチルアンモニウム
    ジブロモヨ−ジドの何れか一種または二種以上である請
    求項3記載のはんだ用フラックス。
  7. 【請求項7】第4級ホスホニウムモノヨ−ジドがメチル
    トリフェニルホスホニウムヨ−ジドである請求項4記載
    のはんだ用フラックス。
  8. 【請求項8】Snを主成分とするPbフリ−はんだのは
    んだ付けに使用するフラックスであり、第1級〜第3級
    アミンのヨウ化水素酸塩を含有することを特徴とするは
    んだ用フラックス。
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