JP2007069258A - はんだ付け用フラックス組成物及びヤニ入りはんだ並びにソルダペースト - Google Patents

はんだ付け用フラックス組成物及びヤニ入りはんだ並びにソルダペースト Download PDF

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Abstract

【課題】大気中における鉛フリーはんだを用いた表面実装を対象とし、保存安定性に優れ、フラックスやはんだの飛散や不快な臭気が殆ど無い為良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、製造効率を向上出来、且つボイド等の接合不良の無い良好なはんだ付け性、更に、実装後、フラックス残渣に腐食成分が殆ど存在しない為に高信頼性が得られるようなフラックスを提供する。
【解決】2,2,2−トリブロモエタノールを活性剤として含有する。

Description

本発明は、はんだ付け用フラックス組成物及びヤニ入りはんだ並びにソルダペーストに関し、特にプリント基板に電子部品を鉛フリーはんだを使用して実装するのに有用なものである。
プリント基板に抵抗やコンデンサ,IC等の電子部品を実装するのに、通常はんだ付けが用いられている。
はんだ付け方法としてフラックスを塗布した後,溶融はんだに浸漬してはんだ付けを行うフロー法、はんだゴテ等を用いてヤニ入りはんだを溶融して接合する方法、はんだ粉末とフラックスを混合したソルダペーストを印刷し、コンベア炉などを通してこれを溶融し、はんだ付けを行うリフロー法などがある.
これらのはんだ付けにおいて、フラックスは母材表面の酸化膜を除去して清浄にする、はんだ付け中での母材及び溶融はんだを覆って酸化を防止する、はんだの界面張力を減少して濡れを促進する等の作用を奏する。
フラックスには、通常、樹脂、活性剤、溶剤及びその他の添加剤を含有してなる組成物が使用され、樹脂としては天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等が用いられ、活性剤としてはアミンハロゲン塩、アミン有機酸塩、有機酸、有機ハロゲン化物、アミン等が用いられている。更に高沸点の溶剤や軟化点降下剤、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、艶消し剤等も目的に応じて添加されている。
フラックスの前記した酸化膜除去作用を強めるには、活性を強くすることが有効である。
しかしながら、活性の強いフラックスでは、フラックス残渣の活性も強くなり、はんだ付け箇所の腐食が問題となって信頼性を担保し難い。
また、規制があるためにフロンで洗浄することはできない。
近来、環境保全上、はんだの鉛フリー化が進められ、Pbを含まずSnを主成分とする鉛フリーはんだが種々開発されている。
しかしながら、鉛フリーはんだは表面張力が大きい。また、液相線温度が高く、実装部品の耐熱上、完全な液相化のもとでは使用し難く表面張力の高い固液共存状態で使用せざるを得ないことが往々にしてある。また、鉛フリーはんだでは、In等の反応性金属元素が添加されることがあり、ソルダーペーストやヤニ入りはんだにおいては、保存中にこの金属元素とフラックスとが反応してフラックスが劣化されることもある。
従って、旧来の鉛を主成分とするはんだに使用されているフラックスでは、鉛フリーはんだに対応し難い。
窒素等の不活性雰囲気中ではんだ付けすることも知られているが、ランニングコストがかかり過ぎ、汎用的ではない。
従来、はんだ付け用フラックス中の活性剤として、有機ハロゲン化合物が用いられることが多い(例えば、特許文献1参照)。その理由としては、室温からハロゲン原子を解離して活性を示すアミンハロゲン化水素酸塩類やカルボン酸基が活性を示す有機酸類とは違い、室温付近では殆どハロゲン原子を解離せず、はんだ付けのプリヒート温度やはんだ付け温度にてハロゲンを解離して活性を呈するので、特に反応性の高い鉛フリーはんだを使用しても保存安定性に優れ、はんだ付け時に酸化物を還元して濡れが得られるからである。
特開2003−225796号公報
前述したように、表面実装に汎用されている鉛フリーはんだは、通常、錫を主成分とする合金であって、旧来の錫-鉛系はんだより融点が高いため,良好なはんだ付け性を得る為に必然的に作業温度が高くなる。このため、特にヤニ入りはんだではんだ付け作業すると、作業温度が高くなった分、はんだ付け時にフラックス成分が分解され易く、瞬間的な気化によりフラックスと溶融はんだ粒の飛散が生じ易い。飛散フラックスや飛散はんだ粒が多くなれば作業上の火傷の問題やはんだ付け後のマイグレーションによる絶縁不良問題が懸念される。また、ソルダペーストにおいても、分解・気化し易いフラックス成分が存在すれば,リフロー時に気化したガスが溶融はんだ中を抜けきれず、はんだ中でボイドが形成され、合金強度や接合強度が低下し、接合信頼性の低下が懸念される。
そこで、前記の飛散防止を目的として特許文献2には、カルボキシル基含有固形ポリオレフィンを、特許文献3にはエチレン(−ナイロン)−アクリル共重合体やプロピレン(−ナイロン)−アクリル共重合体を添加することが開示されているが,これらの添加に関しては,飛散防止効果は得られるものの活性に関与しないか非常に弱活性なので濡れ性が損なわれる。また、特許文献4には高密度酸化型ポリエチレン及びフェノール型酸化防止剤を添加することが開示されているが、高密度酸化型ポリエチレンの添加により損なわれた濡れ性をフェノール型酸化防止剤で補っているに過ぎず,鉛フリーはんだに対し充分に満足できる濡れ性は期待し難い。
特開平7−164183号公報 特開平9−122975号公報 特開2004−283905号公報
前記のボイド防止を目的として特許文献5には有機酸多価アルコールエステルの添加を、特許文献6にはアクリル系樹脂と共に酸価,軟化点の両方において低水準と高水準であって当該両方に一致点の無い2種類のロジン系樹脂を樹脂成分として使用することが開示されているが,活性に関与しないか非常に弱活性なので濡れ性が損なわれることになる。また、特許文献7には、ピリジン系化合物及びビピリジン系化合物を添加することが開示されている。これらは活性力が非常に強いために濡れ性が良く,ボイドが抜けやすいと想像されるが,水溶性なので多湿環境に対する電気的信頼性や耐腐食性が劣り、ピリジン系独特の刺激臭気の問題もある。
特開2000−42786号公報 特開2003−264367号公報 特開2004−322139号公報
上記のような背景から、本発明者において、大気中における鉛フリーはんだを用いた表面実装を対象とし、保存安定性に優れ、フラックスやはんだの飛散や不快な臭気が殆ど無い為良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、製造効率を向上出来、且つボイド等の接合不良の無い良好なはんだ付け性、更に、実装後、フラックス残渣に腐食成分が殆ど存在しない為に高信頼性が得られるようなフラックスを鋭意探求した結果、2,2,2−トリブロモエタノールを含有するフラックス組成物を用いると、大気中での鉛フリーはんだ実装において、保存安定性、作業性、濡れ性及び実装後の信頼性に優れる実装が可能であることを見出した。
特許文献8には、前記2,2,2−トリブロモエタノールが属するハロゲン化アルコールをはんだフラックスの活性剤として使用することが開示されている。
特開平3−106594号公報
特許文献8の表1に、ハロゲン化アルコールとして、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1−ブロモ−2−ブタノール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、2,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4ジオールが列挙されている。
特許文献8の表1によれば、これらのハロゲン化アルコールでは、耐腐食性がエチルアミン・HBr等の有機アミンハロゲン化水素酸塩やアジピン酸等の有機酸よりも優れているが、はんだ付け性についてはほぼ同等である。
しかしながら、本発明書の前記2,2,2−トリブロモエタノールについての鋭意検証結果によれば、腐食性が有機ハロゲン化合物や有機酸よりも優れているばかりか、はんだ付け温度240℃程度でもフラックスや溶融はんだの飛散を防止して頗る良好なはんだ付け性を保証できることが判明した。その理由は、約170℃近傍まで殆ど臭素を解離せず,180℃を超えると徐々に臭素を解離してはんだ付け温度の240℃以上では濡れ性の劣る鉛フリーはんだにおいても充分に良好な濡れが得られるほどの活性を呈するからである。
2,2,2−トリブロモエタノールは,温度に対する分解が急激でなく,瞬間的な気化が抑制され,活性剤として分解物が全て濡れ反応に関与するため、特にヤニ入りはんだでのはんだ付け時においてフラックスや溶融はんだ粒の飛散も抑えられるという利点も判明した。
今まで濡れ性を損なう傾向が主であった飛散防止剤の効果を活性剤が併せ持つことで、作業性を損なうこと無く飛散防止効果が得られる。また、瞬間的な気化が抑制されるので、作業性を損なうこと無くボイド抑制効果も得られるのでソルダペーストとしても有用である。
本発明の目的は、上記の知見に基づき、大気中における鉛フリーはんだを用いた表面実装を対象とし、保存安定性に優れ、フラックスやはんだの飛散や不快な臭気が殆ど無い為良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、製造効率を向上出来、且つボイド等の接合不良の無い良好なはんだ付け性、更に、実装後、フラックス残渣に腐食成分が殆ど存在しない為に高信頼性が得られるようなフラックスを提供することにある。
請求項1に係るはんだ付け用フラックス組成物は、2,2,2−トリブロモエタノールを活性剤として含有することを特徴とする。
請求項2に係るはんだ付け用フラックス組成物は、2,2,2−トリブロモエタノールのみを活性剤として含有することを特徴とする。
請求項3に係るはんだ付け用フラックス組成物は、請求項1または2のはんだ付け用フラックス組成物において、ヤニ入りはんだ用であり、溶剤を含まないことを特徴とする。
請求項4に係るはんだ付け用フラックス組成物は、請求項1〜3何れかのはんだ付け用フラックス組成物において、フラックス全量に対し,2,2,2−トリブロモエタノールが0.5質量%〜10質量%含有することを特徴とする。
請求項5に係るヤニ入りはんだは、請求項1〜4何れかのはんだ付け用フラックス組成物を線状はんだ内部に含有することを特徴とする。
請求項6に係るヤニ入りはんだは、請求項5のヤニ入りはんだにおいて、線状はんだがSnにAg,Cu,Bi,In,Zn,Sb,Ni,Au,Pt,Ga,Ge,Co,Al,Fe及びPからなる群より選択される1種または2種以上を添加したはんだであることを特徴とする。
請求項7に係るソルダペーストは、請求項1〜2の何れか、または4のはんだ付けフラックス組成物及びはんだ粉末を含有することを特徴とする。
請求項8に係るソルダペーストは、はんだ粉末がSnにAg,Cu,Bi,In,Zn,Sb,Ni,Au,Pt,Ga,Ge,Co,Al,Fe及びPからなる群より選択される1種または2種以上を添加したはんだであることを特徴とする。
2,2,2−トリブロモエタノールでは、約170℃近傍まで殆ど臭素を解離せず、180℃を超えると徐々に臭素を解離し、はんだ付け温度が240℃以上で濡れ性の劣る鉛フリーはんだにおいても、充分に良好な濡れが得られるほどの活性を呈する。従って、良好な活性と良好な保存性とを共に保証できる。
2,2,2−トリブロモエタノールにおいては,温度に対する分解が急激でなく、瞬間的な気化が抑制され、活性剤として分解物が全て濡れ反応に関与するため、特にヤニ入りはんだでのはんだ付け時においてフラックスや溶融はんだ粒の飛散がよく抑えられる。
而して、飛散防止剤の効果を活性剤が併せ持つことで、作業性を損なうこと無く飛散防止効果が得られる。
また、瞬間的な気化が抑制されるので、作業性を損なうこと無くボイド抑制効果も得られるのでソルダペーストとしても有用である。
2,2,2−トリブロモエタノールのみを活性剤としても,銅に鉛フリーはんだを良好に濡らすことができるほどの活性を呈する。
しかしながら、Niメッキなどはんだ付けが困難な部材に対しては補助的役割としてジイソブチルアミン臭化水素酸塩やシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等で代表されるアミン類のハロゲン化水素酸塩やn−ヘキシルアミンアジピン酸塩やモノエチルアミンアジピン酸塩、ジイソブチルアミンマロン酸塩等で代表されるアミン有機酸塩、アジピン酸やベンジル酸、無水グルタル酸等で代表される有機酸,ベンゾグアナミンやジフェニルグアニジン等の水に不溶であるアミンなどの活性剤を添加することが可能である。
本発明に係るフラックスの構成材料として他に,樹脂や軟化点降下剤等の添加剤があり、樹脂としては天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等ロジン系樹脂やロジンマグネシウム塩等の金属塩、アクリル樹脂類やアミド樹脂類、エチレン−酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。
水添ヒマシ油や硬化ヒマシ油等のワックス類や12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド類で代表される軟化点降下剤及び溶剤、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、艶消し剤等を必要に応じ添加することができる。
本発明に用いられるはんだ合金は主にSnをベースとする合金であり、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Zn系等を基軸に、必要に応じてAg、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P,Pt,Sb、Znの1種以上をを添加することもできる。
例えば、Sn95Sb5(固相線温度238℃、液相線温度241℃)、Sn99.3Cu0.7(固相線温度227℃、液相線温度228℃)、Sn97Cu3(固相線温度227℃、液相線温度309℃)、Sn92Cu6Ag2(固相線温度217℃、液相線温度373℃)、Sn99Cu0.7Ag0.3(固相線温度217℃、液相線温度226℃)、Sn95Cu4Ag1(固相線温度217℃、液相線温度335℃)、Sn97Ag3(固相線温度221℃、液相線温度222℃)、Sn96.3Ag3.7(固相線温度221℃、液相線温度221℃)等を列挙できる。
勿論、標準的なSn−Pb系に用いても同様の有用性は得られる。
本発明における2,2,2−トリブロモエタノールの含有量は好ましくは0.5質量%〜10質量%であって,更に好適には1.0質量%〜10.0質量%である。0.5質量%以下では濡れ性が劣り,飛散防止効果が薄くなり、10質量%を超えて含有させても効果の向上は期待し難い。
次に、本発明の実施例を説明し、比較例と対比する。%表示は全て質量%である。
フラックス組成は水添ロジン93.5%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン91.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール3.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した.
フラックス組成は水添ロジン89.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール5.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン87.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール7.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン84.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール10.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン93.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール0.5%/ジイブチルアミン臭化水素酸塩0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン92.5%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,2,2−トリブロモエタノール0.5%/ベンジル酸1.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例1〕
フラックス組成は水添ロジン92.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/ジイブチルアミン臭化水素酸塩2.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例2〕
フラックス組成は水添ロジン92.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/ベンジル酸2.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例3〕
フラックス組成は水添ロジン90.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/ジイブチルアミン臭化水素酸塩1.0%/1,1,2,2−テトラブロモエタン3.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例4〕
フラックス組成は水添ロジン90.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/ジイブチルアミン臭化水素酸塩1.0%/2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール3.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
これらの実施例品及び比較例品のヤニ入りはんだについて、次の広がり率、フラックス飛び散り試験、銅板腐食試験、銅鏡腐食試験、はんだ付け性試験及び塩素含有量試験を行ったところ、表1及び表2の通りであった。
〔広がり率〕JIS Z 3197:1999に準じて行い、はんだバス温度は270℃とした。
〔フラックス飛び散り試験〕JIS Z 3197:1999に準じ、ヤニ入りはんだの一定量を計りとり、400℃に維持されたはんだゴテ上で溶融し、飛び散ったフラックス量を測定し、ヤニ入りはんだに含まれるフラックス総量に対する割合を算出した。〔銅板腐食試験〕JIS Z 3197:1999に準じて行い、40倍顕微鏡で観察し、腐食なしの場合を合格、変色乃至は腐食の発生が見られる場合を不合格と判定した。
〔銅鏡腐食試験〕JIS Z 3197:1999に準じて行い、銅箔の抜けの全くないものを合格、一部にでも抜けが見られるものを不合格と判定した。
〔はんだ付け性試験〕2.5mmピッチ,18ピン,Snメッキコネクターを5個片面紙フェノール基板に挿入し、コテ先温度約380℃のはんだコテを使用して1ヶ所当たり5秒間はんだ付けを行い、はんだ未濡れや銅ランド露出の濡れ不足等の不良数を調べた。
〔塩素含有量試験〕初期としてヤニ入りはんだそのもの,及び実装後を想定してコテ先温度を350℃に設定したはんだコテに同量のはんだを当てて全て溶融させた後に2−プロパノールにてはんだと分離したフラックスをJIS Z 3197:1999はんだ付け用フラックス試験方法のハライド系活性剤含有量試験の電位差滴定法により塩素含有量を測定した。
Figure 2007069258
Figure 2007069258
試験結果からも確認できるように、2,2,2−トリブロモエタノールを添加した実施例品ははんだ付け不良が極端に少なく,フラックス飛散もかなり少ない(勿論、溶融はんだ飛散も皆無であった)。また、加熱後塩素含有量も初期塩素含有量に比べ殆ど増加しておらず,実装後におけるフラックス残さの高信頼性が得られることが確認できる。更に、初期塩素含有量が非常に低いことから、合金中の成分との反応が殆ど無く、保存安定性にも優れていると言える。
比較例1、3に示すように有機アミンハロゲン化水素酸塩や解離し易い有機ハロゲン化合物等はフラックス飛散も多く、はんだ付け性試験結果も悪い。更に塩素含有量がかなり増加し、銅板腐食試験や銅鏡腐食試験で不合格になる等、実装後におけるフラックス残渣の信頼性が乏しい。また、比較例2に示すように有機酸のみでは広がり率も悪いので良好なはんだ濡れ性を得難く、はんだ付け性試験結果も非常に悪い。しかも、有機酸の吸湿性によって銅板腐食試験が不合格となっている。比較例4に示すように解離し難い有機ハロゲン化合物は実装後におけるフラックス残さの信頼性に影響を与えないが、濡れ性向上にも結びつかず、はんだ付け性試験結果も悪い。
以上のように本発明のフラックス組成物を鉛フリーはんだに使用することで、大気中での表面実装において、保存安定性に優れ、フラックスやはんだ飛散や不快な臭気が殆ど無い為に良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて製造効率を向上でき、且つボイド等の接合不良の無い良好なはんだ付け性、また、実装後、フラックス残渣に腐食成分が殆ど存在しない為に高信頼性が得られ、良好な実装環境が得られる。
前記した通り、特許文献8の表1に、ハロゲン化アルコールとして、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1−ブロモ−2−ブタノール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、2,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4ジオールが列挙されており、腐食性がエチルアミン・HBr等の有機アミンハロゲン化水素酸塩やアジピン酸等の有機酸よりも優れている。
次の比較例5〜9はこれらのハロゲン化アルコールと2,2,2−トリブロモエタノールとを比較するためのものである。
〔比較例5〕
フラックス組成は水添ロジン89.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,3−ジブロモ−1−プロパノール5.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例6〕
フラックス組成は水添ロジン89.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/1−ブロモ−2−ブタノール5.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例7〕
フラックス組成は水添ロジン89.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/1,4−ジブロモ−2−ブタノール5.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例8〕
フラックス組成は水添ロジン89.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/2,3−ジブロモ−2−プロパノール5.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例9〕
フラックス組成は水添ロジン89.0%/12−ヒドロキシステアリン酸6.0%/1,4−ジブロモ−2−ブタンジオール5.0%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
比較例5〜9のヤニ入りはんだについて、前記のはんだ付け性試験を行った結果は表3の通りであった。
Figure 2007069258
表3と表1の実施例との対比から確認できる通り、実施例の方がはんだ付け性に優れている。
その理由は、比較評価したハロゲン化アルコールについて、ハロゲンを解離して活性を示す温度が2,2,2−トリブロモエタノールに較べて高く、はんだ付け作業温度である380℃では充分な活性が得られなかったものと推測できる。

Claims (8)

  1. 2,2,2−トリブロモエタノールを活性剤として含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  2. 2,2,2−トリブロモエタノールのみを活性剤として含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  3. ヤニ入りはんだ用であり、溶剤を含まないことを特徴とする請求項1または2記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  4. フラックス全量に対し,2,2,2−トリブロモエタノールが0.5質量%〜10質量%含有することを特徴とする請求項1〜3何れか記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  5. 請求項1〜4何れか記載のはんだ付け用フラックス組成物を線状はんだ内部に含有することを特徴とするヤニ入りはんだ。
  6. 線状はんだがSnにAg,Cu,Bi,In,Zn,Sb,Ni,Au,Pt,Ga,Ge,Co,Al,Fe及びPからなる群より選択される1種または2種以上を添加したはんだである請求項5記載のヤニ入りはんだ。
  7. 請求項1〜2の何れか、または4記載のはんだ付けフラックス組成物及びはんだ粉末を含有することを特徴とするソルダペースト。
  8. はんだ粉末がSnにAg,Cu,Bi,In,Zn,Sb,Ni,Au,Pt,Ga,Ge,Co,Al,Fe及びPからなる群より選択される1種または2種以上を添加したはんだである請求項7記載のソルダペースト。
JP2005261420A 2005-09-09 2005-09-09 はんだ付け用フラックス組成物及びヤニ入りはんだ並びにソルダペースト Pending JP2007069258A (ja)

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