JP5272166B2 - はんだペースト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、電気、電子分野において、電子部品などをプリント基板へはんだ付けする際に好適に用いられるはんだペースト組成物に関する。
従来から、回路基板に電子回路部品などをはんだ接続するために、種々のはんだペーストが用いられている。はんだペーストは、一般に、はんだ粉末とフラックスとから構成されており、フラックスは、通常、ベース樹脂、活性剤、チキソ剤、溶剤などの主成分と防錆剤、酸化防止剤、安定化剤などが必要に応じて添加される。また近年、はんだ付け部の微細化に伴い、印刷性の向上を目的とした種々の成分が添加されている。これら印刷性向上のための添加剤の一つとして、滑剤が挙げられる。これは印刷マスク開口部の壁面とはんだペーストとの滑り性を高め、はんだペーストを回路基板などに印刷する際に印刷性(メタルマスクからの転写性)を向上させること、連続印刷時のペーストがマスク裏面に回り込むことによって発生するにじみを防止することなどの目的で添加されるものであり、はんだ印刷工程の作業性を大きく左右する成分として注目されている。
近年、電子機器の小型化に対する電子部品の高密度実装技術が望まれており、これに伴い、安定性、信頼性、粘着性、はんだ付け性などが良好であるのは勿論のこと、優れた印刷性(転写性)を持ちつつ、印刷後のにじみが少ないはんだペーストが要求されている。
これまで、一般的に微細部の印刷性を向上させるためには、使用するはんだ粉末の微細化が最も効果的な手段であるといわれていた。また印刷性を向上させながら、にじみ防止に関する性能向上を実現するため、(a)ポリイミドやポリ尿素、ベンゾグアナミンなどの高融点樹脂の微粒子を一定量含有させる、(b)高級脂肪族モノカルボン酸、多塩基酸およびジアミンからの脱水反応によって得られるワックス状物を含有させる、(c)乳化型ポリエチレンを含有させる、(d)フッ素樹脂化合物、あるいはフッ素系界面活性剤を添加する、などの手段が提案されてきた。なお前記(a)の具体例としては、融点260℃を超え、直径が1μmのポリイミド樹脂を含有させたクリームはんだ(特許文献1参照)が、前記(b)の具体例としては、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸とアジピン酸などの二塩基酸エチレンジアミンなどのジアミンとを反応させた高融点ポリアミド化合物をチキソ剤として含有させたクリームはんだ(特許文献2参照)が、前記(c)の具体例としては、分子量500〜1000の酸化タイプの乳化型ポリエチレン(ヤスハラケミカル社製、ネオワックスE)を添加したクリームはんだ(特許文献3参照)が、前記(d)の具体例としては、詳細な商品名は明示されていないが、旭硝子社製のフッ素樹脂化合物「アサヒガード」あるいは住友化学社製のフッ素系界面活性剤「スミフルノン」を添加したソルダーペースト(特許文献4参照)がある。
特開2008−110380号公報 特開平7−75894号公報 特開平1−228696号公報 特開平6−7989号公報
これまで微細部への印刷性(転写性)を向上させるために検討されてきた、はんだ粉末の微細化は、はんだ粉末の単位重量あたりの表面積が増加するため、表面酸化やフラックスとの反応性が増加する。その結果、はんだ粉末の未溶融による微細なはんだボールの多発や、保存時における、粉末とフラックスの反応により、粘度の著しい上昇、という不具合が発生しやすくなる。
上記特許文献1において、粉末状で添加されている合成樹脂は、保存時において、樹脂がフラックスへ溶解し、効果が得られなくなることを防止するために、高分子量化を行う必要がある。そのため、同文献でも述べられているように、はんだの融点より高融点の樹脂を添加することとなる。しかしながら、はんだの融点より高い融点を有する樹脂粉末をはんだペースト中に添加した場合、はんだ溶融時に固体の樹脂がはんだ表面に存在することで、はんだと電子部品との接合を阻害してしまう現象が認められた。またはんだ溶融後の残渣中に、未溶融の樹脂粉末が残留することで残渣の透明性が失われ、外観検査時の誤判定が増加してしまうという不具合も認められた。
また、上記特許文献2のように高融点ポリアミド系のチキソ剤を用いた場合、印刷性向上やにじみ低減に対しての効果はある程度認められるが、今後さらに電子機器などの小型化が加速すると推測されるなか、実装の高密度化がさらに進んだ場合の微細ピッチ部において充分に満足しうるだけの印刷性向上とにじみ低減を実現するには程遠いレベルであった。更に、通常フラックスに用いられる他の成分に対する溶解性が乏しくなるため、長期保存時の増粘が発生しやすくなる可能性が高い。
上記特許文献3において添加されている乳化型ポリエチレンについても、高い乳化、分散度合いが保たれている、製造初期においては、印刷性向上やにじみ低減に対しての効果がある程度認められたが、微細ピッチ部における印刷性向上効果は充分なレベルではなかった。更に保存後においては、乳化、分散していたポリエチレンが凝集し、未添加のはんだペーストより印刷性能が低下してしまうという不具合も認められた。
上記特許文献4において添加されているフッ素含有化合物は、その構造や物性が特定されていないため、ペースト性能向上効果が得られているかは不明であった。上記特許文献4に記載の化合物数種を試験した結果、充分な性能向上効果は得られなかった。
またはんだペーストを大型部品(たとえばシールドや3216チップ部品など)と微小部品(0402チップ、0.3mmピッチCSPなど)が混載している基板のランドに供給するためには、微小部品に相対する部分のメタルマスクを薄くしたハーフエッチングマスクを使用しなければ安定した印刷品質を維持できなかった。このハーフエッチングした周囲は印刷品質を考慮すると基板設計時に電子部品未搭載部を設けるなどの設計制約が生じ、その結果、電子機器の小型化への支障をきたす一因となっていた。
このように、これまでのはんだペーストでは、電子機器などの小型化に起因する電子部品実装の高密度化に対応するのは困難であり、高密度実装に対応できる、すなわちハーフエッチングマスクを必要とせず高膜厚メタルマスク(たとえば100μm以上)においても、安定した印刷性確保およびにじみの低減が実現できるはんだペーストが強く望まれていた。
そこで、本発明は、今後の高密度実装にも対応可能な、高レベルの印刷性および連続印刷時のにじみ低減を可能とする、はんだペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、はんだペースト印刷時の転写現象と連続印刷時のにじみの発生について鋭意研究を重ねた結果、はんだペースト中のフラックスに、常温ではフラックスに溶解しないが、はんだの融点以下の融点を有する物質の粉末を含有させることにより、印刷工程時では、当該粉末が、はんだペーストとメタルマスクの貫通開口部の側壁との滑り性を変化させ、基板ランドパターンへの転写性と連続印刷時のにじみ特性が改善されることを究明した。
また、はんだ溶融工程では、当該粉末がフラックス中に溶融後、分散するため、電子部品接合不良や外観検査異常の不具合は認められなかった。すなわち、フラックス中に滑剤を溶解させた場合には、充分な潤滑性能が発揮されないため、メタルマスクの開口部に充填されたはんだペーストと開口部の壁面との滑りが悪くなり、良好に基板ランドパターンに転写されにくくなる。また転写しきれなかったペーストがマスク開口部の下部に残留することで、連続印刷時のにじみの原因となり、基板ランドパターンからはみ出したペーストが、はんだボールなどの不良になることが判った。また高融点の粉末を添加した場合は、はんだ溶融時および溶融後に、固体の粉末が残留するために、はんだ接合性や外観検査性に悪影響を及ぼすことが判明した。
粉末材料について各種検討を重ねた。その結果、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂粉末を用いることで、はんだペーストとマスクとの滑り性が顕著に向上すること、それに伴い、基板ランドへのはんだペーストの転写率が向上し、マスク開口部への残留も減少することで、連続印刷時のにじみ発生が抑制されることを見出した。さらに、常温でのフラックスへの溶解性も認められず、かつはんだ溶融時には樹脂粉末が全て溶解し、フラックス中に均一に分散するため、保存安定性の劣化やはんだ接合不良、外観検査不良が低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、はんだ合金粉末と、前記はんだ合金より低融点の熱可塑性樹脂粉末と、フラックスとを含有することを特徴とするはんだペースト組成物である。
また本発明は、熱可塑性樹脂粉末が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂からなる群より選ばれる、少なくとも1種であることを特徴とするはんだペースト組成物である。
また本発明は、前記熱可塑性樹脂粉末の形状が球形であり、平均粒子径が20μm以下であるはんだペースト組成物であることを特徴とする。
本発明によれば、保管時の安定性劣化やはんだ接合不良、外観検査不良を伴うことなく、非常に高いレベルの印刷性および連続印刷時のにじみ抑制効果を発現させることができるという効果が得られる。本発明において得られる印刷性およびにじみ抑制効果は、従来よりもはるかに高いレベルにあり、電子部品を高密度で実装する場合にも良好な性能を実現することができる。これらの効果に伴い、本発明によれば、大型部品と微小部品が混載している基板においても、ハーフエッチングマスクを使用する必然性がなくなることにより、微小部品周囲の基板設計制約が緩和され自由度が向上する。さらに最終的に基板小型化を図ることが可能となり、今後のさらなる電子機器などの小型化に伴う高密度実装にも対応可能であり、その貢献が大いに期待される。
また本発明によれば、熱可塑性樹脂粉末としてポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種をはんだペースト組成物に含有させることによって、はんだペーストとマスクとの滑り性が顕著に向上すること、それに伴い、基板ランドへのはんだペーストの転写率が向上し、マスク開口部への残留も減少することで、連続印刷時のにじみ発生が抑制されるという優れた効果を奏する。
また本発明によれば、前記熱可塑性樹脂粉末の形状が球形であり、平均粒子径が20μm以下であることによって、はんだペーストとマスクとの滑り性がより顕著に向上するので、基板ランドへのはんだペーストの転写率が向上し、マスク開口部への残留も減少することで、連続印刷時のにじみ発生がより抑制されるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本発明のはんだペースト組成物は、はんだ合金粉末と、前記はんだ合金より低融点の熱可塑性樹脂粉末と、フラックスとを含有する。
本発明においてペースト組成物中に含有されるはんだ合金粉末としては、鉛に錫または銀の1種または2種を適宜混合したはんだ合金のほか、錫単体または錫に銀、銅、亜鉛、アンチモン、ニッケル、ゲルマニウム、インジウムおよびビスマスなど、はんだ合金材料として知られている金属の1種または2種以上を適宜混合した鉛フリーはんだ合金などがあげられ、これらは一般金属用のものであってもよく、また電気配線用、プリント基板用などであっても好適に使用することができる。
かかるはんだ合金としては、たとえば90Pb−10Snなどの鉛―錫(Pb−Sn)系はんだ、96.5Sn−3.5Ag合金、95.8Sn−3.5Ag―0.7Cu合金、96.5Sn−3Ag―0.5Cu合金、91.4Sn−3.2Ag―2.7Bi−2.7In合金、96Sn−2.5Ag―1Bi−0.5Cu合金、91.7Sn−3.5Ag―4.8Bi合金、90Sn−2Ag―7.5Bi−0.5Cu合金、88.5Sn−3.5Ag−8In合金、92Sn−3.5Ag−4In−0.5Bi合金、93.5Sn−3Ag−3In−0.5Cu合金などの錫―銀(Sn−Ag)系はんだ、89Snー8Zn−3Bi合金、91Sn−9Zn合金などの錫―亜鉛(Sn−Zn)、錫―銀―銅(Sn−Ag−Cu)、錫―銀―ビスマス(Sn−Ag−Bi)系はんだ、41Sn−58Bi−1Ag合金、42Sn−58Bi合金、76Sn−22Bi−2Ag合金などの錫―ビスマス(Sn−Bi)系はんだなどが挙げられる。
また融点から本発明で使用可能なはんだ合金をみた場合、現在実用化されている42Sn−58Bi(共晶)はんだ(融点138℃)などの低融点はんだから、90Pb−10Snはんだ(融点約300℃)などの高融点はんだまで、好適に使用することができる。
本発明においては、融点の差という極めて明確な基準があることから、使用するはんだ合金さえ決定すればそれと組み合わせることができる樹脂も極めて容易に決定することができる。この意味で、本発明のペースト組成物中に含まれるはんだ合金としては実用化されているはんだ合金にとどまらず、はんだ合金を構成する前記の各金属あるいはそれ以外の金属を任意の割合で配合した種々の新しいはんだ合金であっても本発明のペースト組成物に用いることができる。
また、はんだ合金粉末は、約5〜50μm程度の粒径を有するのが好ましい。
本発明のはんだペースト組成物におけるはんだ合金の含有量は、必要とされるはんだペーストの用途や機能、さらにははんだ合金の種類、溶接対象の種類などに応じて、適宜決定すればよく、特に制限はないが、樹脂粉末部を除いたフラックスとはんだ合金粉末との重量比(フラックス:はんだ合金粉末)は、たとえば5:95〜20:80程度であるのが好ましい。
本発明において、はんだ合金とともにペースト組成物に含有される熱可塑性樹脂としては、加熱により溶融するかまたは軟化し、冷却すれば固化する合成樹脂であって、その融点が共に使用されるはんだ合金の融点よりも低いものであれば好適に使用できる。
本発明における熱可塑性樹脂としては、とりわけ溶接時の加熱によって、フラックス中に溶解・分散するものが好ましい。
かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂など、公知の熱可塑性樹脂があげられる。これらのうち、好ましい熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂があげられる。これらの熱可塑性樹脂は、共に使用するはんだ合金より低融点のものでさえあれば、公知または市販されているものを好適に使用することができる。さらには、種々の新しい熱可塑性樹脂であっても、はんだ合金よりも低融点の熱可塑性樹脂であれば本発明のペースト組成物に使用することができる。
また、これらの熱可塑性樹脂は、1種類のみを使用してもよく、2種類以上を適宜、任意の比率で組み合わせて使用してもよい。
本発明に使用する樹脂は、粉末であっても、粒子状であっても、好適に使用することができるが、滑り性がよいことから粒子状のものがより好ましい。
その粒径などについては特に制限はないが、たとえば平均粒径が20μm以下のものが好ましい。とりわけ15μm以下の平均粒子径を有するものは、はんだペーストとメタルマスクの貫通開口部側面との滑り性向上の一因と考えられるベアリング効果がより強く発現されるので好ましい。
本発明において、はんだ合金の融点と熱可塑性樹脂の融点における温度差は、特に制限されないが、たとえば150〜10℃程度あればよく、100〜20℃程度が好ましく、90℃〜25℃程度がもっとも好ましい。
上記のとおり、本発明のペースト組成物においては、はんだ合金の融点よりも熱可塑性樹脂の融点が低ければよいので、はんだ合金と熱可塑性樹脂の組合せは多数存在するが、その組み合わせの一例をあげるとすれば、たとえば、低融点はんだに対しては、融点が60〜120℃程度の熱可塑性樹脂が好ましく、また中間的な融点を持つ96.5Sn―3Ag―0.5Cuはんだ(融点219℃)に対しては120〜200℃程度の熱可塑性樹脂を組合せるのが好ましく、高融点はんだに対しては200〜280℃程度の熱可塑性樹脂を組合せるのが好ましい。
かかるはんだ合金と熱可塑性樹脂の好ましい組み合わせの一例をあげるとすれば、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂およびアミド変成ポリエチレン樹脂のいずれかと96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金または42Sn−58Biはんだ合金のいずれかとの組み合わせが好ましい。
さらには、96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金とポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂およびアミド変成ポリエチレン樹脂のいずれかの組合せが好ましく、96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金とアミド変成ポリエチレン樹脂の組合せが最も好ましい。
あるいはポリエチレン樹脂と、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂およびアミド変性ポリエチレン樹脂の1種以上と96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金または42Sn−58Biはんだ合金の組み合わせが好ましく、さらにはポリエチレン樹脂と、ポリプロピレン樹脂およびポリアミド樹脂の1種以上と96.5Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金の組み合わせが好ましい。
はんだペースト中に占める前記樹脂粉末の含有量は、はんだペーストの構成成分や組成、フラックスの構成成分や組成比などに応じて種々選択でき、そのときどきの最適量を容易に決定できる。
熱可塑性樹脂含有量の一例をあげるとすれば、はんだペースト総量に対して0.1〜10重量%であることが好ましい。樹脂粉末が0.1重量%未満であると、はんだペーストとマスク開口部壁面との滑り性が次第に低下していく傾向があり、一方10重量%を超えると、滑り性が高くなり過ぎることで、ペースト状の形状から次第に容易に形状が変化しやすくなる傾向が認められ、逆にローリング性など印刷時の作業性に好ましくない影響が生じることがあり、実用性はあるものの、いずれも好ましいとは言い難くなる。
本発明のはんだペースト組成物におけるフラックスは、その組成について限定されるものではないが、通常、ベース樹脂、活性剤、チキソ剤、有機溶剤などを含有することが好ましい。
ベース樹脂としては、フラックスに溶解する樹脂であれば、ロジン系、合成樹脂系を問わず従来公知の樹脂を用いることができる。たとえば、WWロジン、重合ロジン、水添ロジンはもちろん、ロジンエステル、マレイン酸変性ロジン、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂などが好ましく挙げられる。ベース樹脂の含有量は、特に制限されないが、たとえば、フラックス総量に対して20〜80重量%とするのがよい。
活性剤としては、たとえば、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、アニリンなどのハロゲン化水素酸塩、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸などの有機カルボン酸など、従来公知のものが挙げられる。活性剤の含有量は、適宜設定すればよいが、フラックス総量に対して0.1〜20重量%とするのがよい。
チキソ剤としては、たとえば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドなどが挙げられる。チキソ剤の含有量は、特に限定されないが、フラックス総量に対して0.5〜25重量%であるのがよい。
有機溶剤としては、たとえば、テルピネオール、ヘキシレングリコール、ブチルカルビトール、ベンジルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどのアルコール類、ジイソブチルアジペート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレートなどのエステル類、ヘキサデカン、ドデシルベンゼンなどの炭化水素類などが好ましく挙げられる。有機溶剤の含有量は、適宜設定すればよいが、フラックス総量に対して5〜80重量%とするのがよい。
本発明のはんだペースト組成物には、前述した各成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに、酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤などを添加してもよい。なお、これらは、フラックス含有成分としてフラックス調製時に添加してもよいし、フラックスとはんだ合金粉末とを混合する際に添加するようにしてもよい。
本発明のはんだペースト組成物は、電子機器部品などをはんだ接続する際に、主にスクリーン印刷により基板上に塗布される。そして、塗布後、たとえば150〜200℃程度でプリヒートを行い、最高温度170〜250℃程度でリフローを行う。基板上への塗布およびリフローは、大気中で行ってもよく、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気中で行ってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜8および比較例1〜4)
表1に示す樹脂粉末とはんだ合金粉末と、表2に示す各成分を同表記載の配合組成で容器に仕込み、加熱溶解後、冷却して得られたフラックスとを、混合して、はんだペースト組成物をそれぞれ得た。なお表中の数字は、重量比で示している。
得られた各はんだペースト組成物を、印刷性(印刷転写率)、にじみ(連続印刷後のにじみ)およびはんだ接合性試験の項目で評価した。
Figure 0005272166
Figure 0005272166
上記表1から明らかなように、はんだ合金粉末とそれより低融点の熱可塑性樹脂を組み合わせた本発明のペースト組成物の実施例1〜8は、いずれも、優れた印刷性(高転写率および連続印刷後のにじみ抑制)を達成し、しかもはんだ接合性不良も発生しておらず、
3項目全てにおいて優れた結果を示した。これに対し、前記特許文献1に記載の高融点アクリル系架橋樹脂粉末を含有させた場合(比較例1)の印刷性は良好であるが、はんだ接合性において不良発生が認められ、前記特許文献2に記載のポリアミド化合物を使用した場合(比較例2)、前記特許文献3に記載の乳化型ポリエチレンを使用した場合(比較例3)、および前記特許文献4に記載のフッ素含有化合物を使用した場合(比較例4)のはんだペースト組成物は、いずれも、印刷転写率が低く、にじみに関しても、本発明の実施例と比較して劣っていることがわかる。
各項目の評価方法は、以下のとおりであり、3項目すべてにおいて優れた評価結果が得られたものを総合評価で○とし、以下2項目において優れた評価結果が得られたものを▲、1項目において好ましい評価結果が得られたものを×とした。
<印刷性(印刷転写率)>
0.25mmφ、厚み130μmの開口を有するCSP(Chip Size Package )部品ランドパターンを備えたメタルマスクを用いて基板にはんだペースト組成物を印刷した。印刷開始から5枚目の基板を抜き取り、基板上に転写されたはんだペースト組成物の体積をレーザースキャン方式印刷はんだ検査機により測定し、メタルマスクの開口寸法と厚みとの積で求められる理論体積に対する実測体積の割合を百分率で示した値を転写率(%)として算出した。そして、CSP部品ランドパターン100個の平均転写率(%)を印刷転写率とした。
<にじみ(連続印刷後のにじみ)>
0.2×2.0mm、厚み130μmの開口を有する0.4mmピッチのQFP(Quad Flat Package )部品パターンを備えたメタルマスクを用いて基板にはんだペースト組成物を印刷した。印刷開始から連続印刷10枚後の基板を抜き取り、基板上に転写されたはんだペースト組成物のにじみの有無を20倍の実体顕微鏡で目視観察し、評価を行った。評価基準は以下の通り。
○:印刷されたはんだは、パターン以外の部分へのにじみ出しがない。
△:印刷されたはんだには、にじみが認められるが、隣のはんだとの短絡はない。
×:印刷されたはんだに、にじみが認められ、隣のはんだと短絡している。
<はんだ接合性試験>
100個の電極をもつ0.8mmピッチのBGA(Ball Grid Array)パターンが4箇所存在するガラスエポキシ基板に、同じパターンを有する厚み100μmのメタルマスクを用いてはんだペースト組成物を印刷した。印刷したはんだペースト上にBGA部品を4個搭載し、搭載後10分以内に、大気下において175±5℃で80±5秒間プリヒートを行い、最高温度235±5℃でリフローを行った。はんだ付けを行った基板から、BGA部品を剥離し、20倍の実体顕微鏡を用いて観察を行い、全BGAパターン(400個)に対するはんだ不ぬれの有無を判定した。はんだ不ぬれがあった場合、その数をカウントし、BGAパターン400個に対する不良発生数の割合を百分率で示した値を不良率(%)として求め、評価を行った。

Claims (3)

  1. はんだ合金粉末と、前記はんだ合金より低融点の熱可塑性樹脂粉末と、フラックスとを含有することを特徴とするはんだペースト組成物。
  2. 熱可塑性樹脂粉末が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂からなる群より選ばれる、少なくとも1種である、請求項1記載のはんだペースト組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂粉末は、形状が球形であり、平均粒子径が20μm以下である、請求項1または2記載のはんだペースト組成物。
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