JP2019155465A - チップ部品接合用ソルダペースト - Google Patents

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野村 光
Hikari Nomura
光 野村
尚子 泉田
Naoko Izumida
尚子 泉田
岳 齋藤
Takeshi Saito
岳 齋藤
貴大 横山
Takahiro Yokoyama
貴大 横山
俊策 吉川
Shunsaku Yoshikawa
俊策 吉川
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Abstract

【課題】鉛フリーはんだ合金を用いても微小チップ部品にチップ立ちを起こさせないソルダペーストを提供する。【解決手段】Ag0.2〜1.1質量%添加した鉛フリーのSn基はんだ合金の粉末とペースト状または液状フラックスとを混和してソルダペーストとする。【選択図】図1

Description

本発明は、添加するはんだ合金が鉛を含まず、しかもチップ部品の接合時にチップ立ちの起こらないチップ部品接合用ソルダペーストに関する。
テレビ、ビデオ、コンピュータ、複写機等の電子機器は、今日大量に生産され使用されている。そのような、電子機器は、例えば故障したり性能が悪くなったりした場合には、修理をしてもそれ以上に性能が向上するわけでなく、また修理費も高価なことから、ユーザは修理するよりも新しく購入した方が性能的にも経済的にも得策であると考えている。そのため完全に故障したものは勿論、まだ使用できる電子機器でも古くなったものは捨てられている状況である。
捨てられた電子機器は、ケースやプリント基板が樹脂であり、またフレームやブラケット、配線等が金属であるため、焼却処分ができず、ほとんどが埋め立て処分されている。
ところで、近年ガソリンや重油のような化石燃料が非常に多く使用されてきていることから、大気中に硫黄酸化物や窒素酸化物が大量に放出されるようになってきた。このように酸性成分の多い大気中に雨が降ると、雨は酸性雨となり、それが地中に染み込むようになる。地中に染み込んだ酸性雨は、地中に埋められた電子機器のはんだ付け部を濡らし、鉛・錫合金のはんだ合金から鉛を溶出させる。そして鉛を溶出させた酸性雨は、さらに地中に浸透して地下水となる。
このように鉛成分を含んだ地下水が、井戸水や水道水に混入して、それを人が飲料に使用する可能性もあり、そして、永年月にわたりそのような地下水を飲用していると鉛中毒を起こす恐れがあるとも言われている。
このように最近では、錫・鉛系合金のはんだ合金が地下水を汚染するという環境問題を引き起こす可能性があることから、電子機器業界からは鉛を含まないはんだ合金、即ち「鉛フリーはんだ合金」の要望がつよくなってきている。
鉛フリーはんだ合金とは、Snを主成分とし、これにAg、Cu、Sb、In、Bi,Zn等の添加物を添加したものである。一般に使われている鉛フリーはんだ合金としては、Sn−3.5Ag(融点:221℃)、Sn−5Sb(溶融温度:235〜240℃)、Sn−0.75Cu(融点:227℃)、Sn−2In(溶融温度:224〜229℃)、Sn−58Bi(融点:139℃),Sn−9Zn(融点:199℃)等の二元合金の他、さらに添加物を組み合わせて三元合金以上にしたものがある。
ところで最近の電子部品は非常に小型化されてきていることから、この電子機器に用いる電子部品も小さくなってきている。例えばチップコンデンサーやチップ抵抗と呼ばれるチップ部品では、縦の長さが1mm、横幅が0.5mmという「1005」型のものから最近では縦の長さが0.6mm、横幅が0.3mmという「0603」型のようにさらに微小な部品となっている。
このように微小なチップ部品をプリント基板にはんだ付けするには、はんだ合金の粉末とペースト状フラックスまたは液状フラックスとを混和して粘調性のあるペースト状にしたソルダペーストを用い、リフロー法で行う。
リフロー法でのプリント基板とチップ部品のはんだ付けは、先ずプリント基板のはんだ付け部と同一箇所に穴が穿設されたマスクをプリント基板に載置し、該マスクの上にソルダペーストを置いてからソルダペーストをスキージで掻きならす。するとソルダペーストはマスクの穴からプリント基板に印刷塗布される。このソルダペースト塗布部にチップ部品を搭載し、ソルダペーストの粘着力によりチップ部品を仮固定する。チップ部品が仮固定されたプリント基板をリフロー炉のような加熱装置で加熱してソルダペーストを溶融させることにより、チップ部品がプリント基板のはんだ付け部にはんだ付けされる。
ところで前述のように、従来の鉛フリーはんだ合金のソルダペーストでチップ部品のはんだ付けを行うとチップ部品が立ち上がってしまうという所謂「チップ立ち」が起こることがあった。チップ立ちの原因はチップ部品の両端に塗布されたソルダペーストが溶融するときに、両方のソルダペーストが同時に溶融せず、時間的に間隔をおいて順次溶融するためである。つまりチップ部品の両側に塗布したソルダペーストの一方のソルダペーストが先に溶融し、もう一方のソルダペーストが未だ溶融していないと、溶融はんだがその表面張力でチップ部品の片側上端部を引っ張るため、未溶融のソルダペースト側が上方に立ち上がってしまうのである。
このようにチップ立ちが起こったプリント基板を電子機器に組み込んでしまうと、チップ立ちの部分では全く導通がないため電子機器としての機能を果たせなくなるという重大問題となる。本発明の目的は、鉛フリーはんだ合金を用いたソルダペーストにおいてチップ立ちの起こらないソルダペーストを提供することにある。
ところで、本特許出願人は、既にチップ立ち防止用のソルダペーストを発明し、特許権を得ている(特許第2682326号)。この特許発明にかかるソルダペーストは、はんだ合金の示差熱分析における熱吸収のピークが溶け始めに現れ、その後、大部分が溶ける時に再度ピークが現れるはんだ合金(以下、ツイン・ピークはんだ合金という)を粉末にし、得られた粉末と液状またはペースト状のフラックスとを混和したソルダペーストである。
しかしながら、上記特許は、もっぱら鉛含有Sn基はんだ合金について開示するものである。鉛フリーのAg含有Sn基はんだ合金の代表例であるAg:3.5%含有Sn基はんだ合金は、ツインピークはんだ合金ではない。しかも、Ag含有Sn基はんだ合金は通常高温はんだ合金と言われ、溶融点、つまり液相線温度が220℃以上と比較的高いため、チップ部品の両端電極間の温度差がわずかであってもそのときの表面張力の差が大きくなり、チップ立ち防止には十分でないと推測される。
ここに本発明者らは上述の目的達成のために、まず、チップ立ち防止の機構について種々検討を行ったところ、ツインピーク現象と関連させるとチップ防止の機構は次のように推測される。
熱吸収のピークが二箇所あるツインピークはんだ合金を用いたソルダペーストでは、リフロー炉でのソルダペーストの溶融時、チップ部品の両端に塗布されたソルダペーストがそれぞれ時間をおいて溶融を始めても、ツインピーク合金の場合、ソルダペーストが溶融するときは熱吸収のピークが二箇所であるために完全に溶け終わるまでに時間がかかる。そのため、一方の端のソルダペーストが溶融を開始しても、その溶融が徐々に行われている間に、もう一方の端のソルダペーストが溶け始めるため、チップ立ちが起こらないようになる。つまり一方のソルダペーストが先に溶け始めて半溶融状態になり小さな力の表面張力が作用するが、この小さな表面張力はもう一方のソルダペーストで仮固定したチップ部品を引っ張り上げる程の大きな表面張力ではない。先に溶け始めた一方のソルダペースト側はツインピーク合金を用いているため完全に溶け終わるまでに長い時間を要するようになり、この長い溶融時間内にもう一方のソルダペーストが溶け始め、やはり弱い表面張力が出てくる。そして後に溶け始めた側が完全に溶け終わる前に先に溶け始めたソルダペースト塗布側が完全に溶融状態となり、強い表面張力が出てくるが、後に溶け始めたソルダペースト側には弱い表面張力が働いているため、完全に溶融状態の強い表面張力でも、もう一方のソルダペースト側を立ち上がらせることができないようになる。これがツイン・ピークはんだ合金を用いたときにおけるチップ立ち阻止の原理である。
このようにチップ立ちを抑制するためには、チップ両端電極の到達温度にある程度の時間差が生じても、両端電極に作用する表面張力がある程度のレベルで釣り合うことが必要であり、表面張力あるいはぬれ応力として、両端電極に作用する力の比率が0.5以下であるときはチップ立ちは起こらない。
しかしながら、すでに述べたように、鉛フリーはんだ合金の代表例としてのAg:3.5−Snはんだ合金はツインピーク現象を示さない。しかも、Sn基の鉛フリーはんだ合金では、高温はんだ合金という性格から、たとえツインピーク現象を示す合金が見出されても例えば220℃以上の融点を有するから、そのような高温では溶解が速やかに起こるため、チップ両端電極に作用するぬれ力の不均衡を緩和できないと予想されていた。
そこで、本発明者らは、上述のような予想も考慮して種々検討を重ねたの結果、高温はんだ合金として考えられているAg−Snはんだ合金の場合、Ag含有量が0.2〜1.1質量%の範囲で顕著なツインピーク現象を示し、そのため高温はんだ合金であるにもかかわらず、チップ立ちの防止に有効であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、前述のように、Sn基の鉛フリーはんだ合金では、高温はんだ合金という性格から、たとえツインピーク現象を示す合金が見出されても例えば220℃以上の融点を有するから、そのような高温では溶解が速やかに起こるため、チップ両端電極に作用するぬれ力の不均衡を緩和できないと予想されていたところ、上述のツインピークはんだ合金の場合、ピーク時の熱吸収量が予想外に大きく、融点220℃近傍でもチップ両端電極に作用するぬれ力の不均衡を緩和して、そのぬれ力の比率を0.5以内に抑えることができ、チップ立ちを効果的に防止できることを知った。
しかも、前述のように、ツインピーク現象を利用してチップ立ちを防止する考えは、結局、はんだ合金に溶融温度域を設け、チップ両端電極の到達温度に時間差が生じた場合に作用するぬれ力の不均衡を緩和することである。従って溶融温度幅が十分に広ければチップ立ちは防止できるが、溶融温度幅が広い場合には、今度は、リフロー時において溶融状態に長時間保持されることによる電極の食われや化合物層の成長による接合界面の強度低下、または凝固に時間を要することによる搬送時の振動・衝撃、基板の反り等によるイニシャルクラックの発生等、接合部の信頼性に関わる懸念点が生じる恐れがある。
しかしながら、本発明の場合、溶融温度幅を約10℃とある程度の狭い範囲内に設定でき、はんだ付け作業を容易にし、接合後の信頼性も確保できるという利点がある。
本発明は、Ag:0.2〜1.1質量%を含有する鉛フリーのSn基はんだ合金であって、示差熱分析における熱吸収の第1ピークが溶け始めに現れ、その後大部分が溶けるときに第2ピークが現れるという熱的特性を示すSn−Ag系の鉛フリーはんだ合金粉末とペースト状または液状のフラックスとを混和したことを特徴とするチップ部品接合用ソルダペーストである。
本発明のソルダペーストは、鉛フリーはんだ合金を用いているため、このソルダペーストではんだ付けした電子機器が故障したり古くなったりして埋め立て処分されても、酸性雨で鉛成分が全く溶出せず、地下水を汚染することがないという環境問題に充分適合したものである。また本発明のソルダペーストによれば、チップ立ちが起こらないという信頼性に優れたはんだ付け部が得られるものである。
図1は、Sn−0.5Agの鉛フリーSn基はんだ合金の示差熱分析グラフである。 図2は、Sn−1Agの鉛フリーSn基はんだ合金の示差熱分析グラフである。 図3は、Sn−0.5Ag−0.1Niの鉛フリーSn基はんだ合金の示差熱分析グラフである。 図4は、Sn−1Ag−0.1Pの鉛フリーSn基はんだ合金の示差熱分析グラフである。 図5は、Sn−3.5Agの鉛フリーSn基はんだ合金の示差熱分析グラフである。 図6は、Sn−2Ag−0.5Cuの鉛フリーSn基はんだ合金の示差熱分析グラフである。
本発明にかかるソルダペーストに用いるはんだ合金は、溶融時、二箇所の顕著な熱吸収ピークが現れるのが特徴であるが、チップ両端電極の到達温度に時間差を生じた場合に作用するぬれ力の不均衡を緩和するという目的のためには、熱吸収の第1ピークと第2ピークの大きさがある程度の均衡を保つことが望ましく、熱吸収の第1と第2のピークがほぼ等しい大きさになる時、チップ立ち防止効果が最も大きくなる。なお、低温側の熱吸収のピークを第1ピーク、高温側のそれを第2ピークと称する。
次に、熱吸収の第1ピークと第2ピークの大きさに差が生じた場合、すなわち第1ピーク<第2ピークの場合と、第1ピーク>第2ピークの場合の例を比較すると、チップ両端電極の到達温度に時間差を生じた場合に作用するぬれ力の不均衡を緩和するためには、チップの一方の電極においてソルダペーストの溶融が開始する時点で、ぬれ力は徐々に作用し始めることが望ましい。前者の場合は、濡れ力は徐々に作用し始めるため有利である。しかし、後者の場合は、チップの一方の電極へ作用する濡れ力は第1ピークにて瞬時に大きくなり、ぬれ力の不均衡を緩和し難くなる。
以上から、第1ピーク≦第2ピークのときにチップ立ち防止効果が発揮される。もちろん、第1ピークが極微小に現われるときは所期の効果が得られない。本発明の実施態様としては、前記Sn基はんだ合金のSn含有量は、90質量%以上であってもよい。また、前記Sn基はんだ合金の融点は、220℃以上であってもよい。
本発明のソルダペーストでは、SnへのAg添加量が0.2質量%より少ないと熱吸収の第1ピークが極微小に現れ、第2ピークが主ピークとなる。従ってチップの一方の電極へ作用するぬれ力は、第1のピークではほとんど作用せず、第2ピークにて瞬時に大きくなるため、チップ立ち防止の効果はない。
しかるに1.1質量%を越えると前述とは反対に熱吸収の第1ピークが主ピークで、第2ピークが小さくなり、第1ピークにてチップの一方電極へ作用するぬれ力が瞬時に大きくなってしまうため、チップ立ち防止の効果が鈍くなってしまう。
ソルダペーストの合金としてSnにAgを0.2〜1.1質量%添加した鉛フリーはんだ合金はチップ立ち防止の効果があるものの機械的強度が要求される部位に対しては十分でない。このような部位をはんだ付けするような場合は、機械的特性を向上させる強度改善元素として、Sb、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo等の金属のいずれか一種または二種以上を添加することもできる。これらいずれの金属もSnに固溶あるいは金属間化合物を形成して機械的強度を向上させるが、添加量が多いと液相線温度が上昇するため、Sb、Cuについては、その合計量がはんだ合金全質量の1%以下、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Moについては、その合計量がはんだ合金全質量の0.3%以下がそれぞれ好ましい。
またプリント基板に搭載した電子部品の熱損傷や機能劣化を抑制する目的として、リフロー作業温度を低くする必要性がある場合には、融点低下元素として、Bi、In、Znのいずれか一種または二種以上を添加することもできる。これらの金属の添加量は、本発明において規定する示差熱分析における熱吸収の第1ピークが溶け始めに現れ、その後大部分が溶けるときに第2ピークが現れるという熱的特性を阻害しない範囲にとどめる必要があるため、その合計量がはんだ合金全質量の0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
さらにまたリフロー時の加熱中の酸化を防ぐ目的でP、Ga、Ge等の酸化防止元素のいずれか一種または二種以上を添加することもできる。これらの元素もまた添加量が多いと液相線温度が上昇するため、その合計量がはんだ合金全質量の0.2質量%以下が好ましい。
上述したSb、Ni、Cu、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Bi、In、Zn、P、Ga、Ge等の元素を添加した鉛フリーはんだ合金は、示差熱分析における熱吸収の第1ピークが溶け始めに現れ、その後大部分が溶けるときに第2ピークが現れるという熱的特性を阻害しないものが選ばれる。従って、これらの鉛フリーはんだ合金粉末を用いたソルダペーストは、本発明が目的とするチップ立ち防止効果を有する。
図1〜図4は本発明のソルダペーストに使用する鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフで(DSC)あり、図5および図6は、比較例としての鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフである。
先ず、図5および図6の鉛フリーはんだ合金について説明する。図5はSn−3.5Ag鉛フリーはんだ合金、図6はSn−2Ag−0.5Cu鉛フリーはんだ合金の示差熱分析の結果を示すグラフである。
図5のSn−3.5Agは二元共晶合金であり、共晶温度が221℃で、222℃に大きな熱吸収のピークが一箇所しか現れない。また図6のSn−2Ag−0.5Cuは217℃で溶け始め、その直後218℃で第1の大きな熱吸収ピークが現れ、はんだ合金の大部分が溶け始め、次いで223℃で第2の熱吸収ピークが現れて残りの部分が溶け、そして224℃で完全に溶け終わるという二つの熱吸収ピークが現れるが、第1ピークが主ピークで、第2ピークが小さくなっている。
このような鉛フリーはんだ合金を用いたソルダペーストでチップ部品のはんだ付けを行うと、前者の例(Sn−3.5Ag)では222℃の熱吸収ピークにて、後者では第1ピークにてチップの一方電極へ作用するぬれ力が瞬時に大きくなってしまうため、チップ立ちを起こしてしまうものである。
図1〜図4は、本発明のソルダペーストに使用する鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフである。図1は、Sn−0.5Ag鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフであり、221℃で溶け始め、その直後223℃で第1の大きな熱吸収のピークが現れ、次いで231℃で第2のさらに大きな熱吸収のピークが現れ、そして234℃で完全に溶け終わっている。
図2はSn−1Ag鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフであり、221℃で溶け始め、その直後223℃で第1の大きな熱吸収のピークが現れ、次いで230℃で第2の大きな熱吸収のピークが現れ、そして232℃で完全に溶け終わっている。
図3はSn−0.5Ag−0.1Ni鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフであり、221℃で溶け始め、その直後223℃で第1の大きな熱吸収のピークが現れ、次いで231℃で第2のさらに大きな熱吸収のピークが現れ、そして234℃で完全に溶け終わっている。
図4はSn−1Ag−0.1P鉛フリーはんだ合金の示差熱分析グラフであり、221℃で溶け始め、その直後223℃で第1の大きな熱吸収のピークが現れ、次いで230℃で第2の大きな熱吸収のピークが現れ、そして232℃で完全に溶け終わっている。
表1〜3に示される鉛フリーはんだ合金粉末(平均粒径30μm)と通常用いられる樹脂系フラックスとを下記の配合割合で混練し、ソルダペーストを得た。
Figure 2019155465
Figure 2019155465
Figure 2019155465
鉛フリーはんだ合金粉末: 90質量%
ペースト状フラックス: 10質量%
図1は、実施例1で使用したはんだ合金の示差熱分析グラフである。
図6は、比較例2で使用したはんだ合金の示差熱分析グラフである。
上記実施例と比較例のソルダペーストを用いてチップ立ち試験を行った。チップ立ち試験は、チップ部品搭載用のプリント基板にマスクでソルダペーストを印刷塗布し、その塗布部に1005型のチップ部品を1600個搭載した。その後、リフロー炉でプリント基板を加熱してソルダペーストを溶融させることによりはんだ付けを行った。はんだ付け後にチップ立ちの起こったチップ部品の数を数えた。チップ立ちの個数が0個を「○」とし、1個以上を「×」とした。
これらの結果、実施例1〜98のソルダペーストを用いたはんだ付けではチップ立ちが皆無であったが、比較例1では13個、比較例2では6個のチップ立ちが発生していた。
以上から明らかなように、本発明によれば、溶け始めるという両端のソルダペーストの溶融状態が重なる部分ができる。従って、本発明のソルダペーストでは一方の完全に溶融はんだの表面張力が未溶融のソルダペースト塗布部に作用しないことからチップ立ちが効果的に防止される。

Claims (10)

  1. Ag:0.2〜1.1質量%を含有する鉛フリーのSn基はんだ合金であって、示差熱分析における熱吸収の第1ピークが溶け始めに現れ、その後大部分が溶けるときに第2ピークが現れるという熱的特性を示す鉛フリーのSn基はんだ合金の粉末とペースト状または液状のフラックスとを混和したことを特徴とするチップ部品接合用ソルダペースト。
  2. 前記Sn基はんだ合金のSn含有量が90質量%以上である請求項1記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  3. 前記Sn基はんだ合金の融点が220℃以上である請求項1または2記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  4. 前記Sn基はんだ合金が、さらに、強度改善元素を含有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  5. 前記強度改善元素としてSbおよび/またはCuを合計で1.0質量%以下含有する請求項4記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  6. 前記強度改善元素として、Ni、Co、Fe、Mn、CrおよびMoから成る群から選んだ1種または2種以上を合計で0.3質量%以下含有する請求項4または5記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  7. 前記Sn基はんだ合金が、さらに、融点低下元素を含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  8. 前記融点低下元素としてBi、InおよびZnから成る群から選んだ1種または2種以上を合計で0.1質量%以上3.0質量%以下含有する請求項7記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  9. 前記Sn基はんだ合金が、さらに、酸化防止元素を含有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
  10. 前記酸化防止元素としてP、GaおよびGeから成る群から選んだ1種または2種以上を合計で0.2質量%以下含有する請求項9記載のチップ部品接合用ソルダペースト。
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