JP2007069260A - ヤニ入りはんだ用フラックス組成物及びヤニ入りはんだ - Google Patents
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Abstract
【課題】表面実装においてフラックスやはんだ飛散が無く良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、電子部品に対する熱衝撃を緩和でき、製造効率を向上できる鉛フリーヤニ入りはんだを提供する。
【解決手段】アルカノールアミンと有機酸の反応物であって、エステル結合とアミド結合を有するアルカノールエステルアミドを含有する。
【選択図】図1
【解決手段】アルカノールアミンと有機酸の反応物であって、エステル結合とアミド結合を有するアルカノールエステルアミドを含有する。
【選択図】図1
Description
本発明はヤニ入りはんだ用フラックス組成物及びヤニ入りはんだに関し、特に、プリント基板に電子部品を実装するのに有用なものである。
プリント基板に抵抗やコンデンサ、IC等の電子部品を実装するのに、はんだゴテを用いヤニ入りはんだを溶融して接合する方法が使用されることがある。
このヤニ入りはんだのフラックスには、樹脂と活性剤及びその他の添加剤を含有してなる組成物が使用されている。樹脂としては天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等が用いられ、活性剤としてはアミンハロゲン塩、アミン有機酸塩、有機酸、有機ハロゲン化物、アミン等が用いられている。更に軟化点降下剤や防錆剤や酸化防止剤や安定剤や艶消し剤等が所定の目的に応じて添加されている。
このヤニ入りはんだのフラックスには、樹脂と活性剤及びその他の添加剤を含有してなる組成物が使用されている。樹脂としては天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等が用いられ、活性剤としてはアミンハロゲン塩、アミン有機酸塩、有機酸、有機ハロゲン化物、アミン等が用いられている。更に軟化点降下剤や防錆剤や酸化防止剤や安定剤や艶消し剤等が所定の目的に応じて添加されている。
はんだのフラックスは、母材表面の酸化膜を除去して清浄にする、はんだ付け中での母材及び溶融はんだを覆って酸化を防止する、はんだの界面張力を減少して濡れを促進する等の作用を奏する。
ヤニ入りはんだにおいては、その構造に起因する飛び散り等、フロー法やリフロー法では発生し難い固有の問題がある。
この飛び散りは、ヤニ、すなわちフラックスがはんだで囲まれているために発生する現象であり、はんだが溶融するまでフラックスの熱膨張がはんだで拘束され、はんだの溶融と同時にこのフラックスの熱膨張圧力が瞬時に解放され、その爆発力でフラックス及び溶融はんだのつぶが飛散されて発生する。而して、作業上の火傷やはんだ付け後のマイグレーションによる絶縁不良が招来される。
この飛び散りは、ヤニ、すなわちフラックスがはんだで囲まれているために発生する現象であり、はんだが溶融するまでフラックスの熱膨張がはんだで拘束され、はんだの溶融と同時にこのフラックスの熱膨張圧力が瞬時に解放され、その爆発力でフラックス及び溶融はんだのつぶが飛散されて発生する。而して、作業上の火傷やはんだ付け後のマイグレーションによる絶縁不良が招来される。
近来、環境保全のためにはんだの鉛フリー化が進められている。
鉛フリーはんだは、Snを主成分としており、鉛を主成分とする旧来のはんだより融点が高いから、前記の飛び散りが顕著に発生し易い。
鉛フリーはんだは、Snを主成分としており、鉛を主成分とする旧来のはんだより融点が高いから、前記の飛び散りが顕著に発生し易い。
飛散防止を目的として特許文献1にはカルボキシル基含有固形ポリオレフィンを添加することが、特許文献2にはエチレン(−ナイロン)−アクリル共重合体やプロピレン(−ナイロン)−アクリル共重合体を添加することが開示されているが,これらの添加で飛散防止効果が得られてもはんだ濡れ阻害が著しく、表面張力が高くて濡れ性が劣る鉛フリーはんだによるはんだ付けには適さない。
そこで、特許文献3には高密度酸化型ポリエチレン及びフェノール型酸化防止剤を添加することが開示されているが、フェノール型酸化防止剤では高密度酸化型ポリエチレンの添加で損なわれた濡れ性を若干補っているに過ぎず、鉛フリーはんだに対し満足できる濡れ性を得ることは困難である。
特許文献4にはメルトフローレートが500g/10min以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体を添加することが開示されている。しかし濡れ性の低下があるので、脂肪酸アミドや脂肪酸ビスアミドを添加して濡れ性を補償している。
特開平7−164183号公報
特開平9−122975号公報
特開2004−283905号公報
特開2001−170796号公報
そこで、特許文献3には高密度酸化型ポリエチレン及びフェノール型酸化防止剤を添加することが開示されているが、フェノール型酸化防止剤では高密度酸化型ポリエチレンの添加で損なわれた濡れ性を若干補っているに過ぎず、鉛フリーはんだに対し満足できる濡れ性を得ることは困難である。
特許文献4にはメルトフローレートが500g/10min以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体を添加することが開示されている。しかし濡れ性の低下があるので、脂肪酸アミドや脂肪酸ビスアミドを添加して濡れ性を補償している。
従来では、飛散防止効果を得るために濡れ性が少なからずとも犠牲にされており、特に、融点の高い鉛フリーはんだを用いる場合に、濡れ速度(濡れ始めるまでの時間)を早くしてはんだゴテの接触時間を短縮し、電子部品に対する熱衝撃緩和と作業性向上が求められている。
上記のような背景から、表面実装においてフラックスやはんだ飛散が無く良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、電子部品に対する熱衝撃を緩和でき、製造効率を向上できる鉛フリーヤニ入りはんだを得るべく、本発明者が鋭意検討した結果、鉛フリーヤニ入りはんだのフラックスにアルカノールエステルアミドを含有させることが有効であることを知った。
本発明の目的は、上記知見に基づき、表面実装においてフラックスやはんだの飛散が無く良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、電子部品に対する熱衝撃を緩和でき、製造効率を向上できる鉛フリーヤニ入りはんだを提供することにある。
本発明に係るヤニ入りはんだ用フラックス組成物は、アルカノールアミンと有機酸の反応物であって、エステル結合とアミド結合を有するアルカノールエステルアミドを含有することを特徴とする。
アルカノールアミンはエタノールアミン、特にモノエタノールアミンとすることができる。
有機酸は脂肪酸、特に、ステアリン酸もしくはオレイン酸とすることができる。
前記アルカノールエステルアミドとして好ましいものは、モノエタノールアミンジステアレートである。
溶剤は使用しないことが好ましい。
フラックス全量に対するアルカノールエステルアミドの含有量は、1質量%〜20質量%とされる。
線状はんだは、SnとAg、Cu、Bi、In、Zn、Sb、Ni、Au、Pt、Ga、Ge、Co、Al、Fe、Pからなる群より選択される1種または2種以上を含有するはんだを使用できる。
アルカノールアミンはエタノールアミン、特にモノエタノールアミンとすることができる。
有機酸は脂肪酸、特に、ステアリン酸もしくはオレイン酸とすることができる。
前記アルカノールエステルアミドとして好ましいものは、モノエタノールアミンジステアレートである。
溶剤は使用しないことが好ましい。
フラックス全量に対するアルカノールエステルアミドの含有量は、1質量%〜20質量%とされる。
線状はんだは、SnとAg、Cu、Bi、In、Zn、Sb、Ni、Au、Pt、Ga、Ge、Co、Al、Fe、Pからなる群より選択される1種または2種以上を含有するはんだを使用できる。
アルカノールアミンと有機酸の反応物であって、エステル結合とアミド結合を有するアルカノールエステルアミドにおいては、融点が低い割には高い温度域でも重量減少率が低いために、高温下での分解が少なく、はんだゴテによる急加熱でも瞬間的な揮発が抑えられ、フラックスやはんだ飛散がよく抑えられる。また、融点が低いので(エタノールアミンジステアレートの融点は約82℃)、軟化点降下剤としても作用し、濡れ速度が向上される。
本発明に係るフラックスは、樹脂と活性剤及び軟化点降下剤等の添加剤から構成される。
樹脂としては天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等のロジン系樹脂、ロジンマグネシウム塩等の金属塩、アクリル樹脂類やアミド樹脂類等が挙げられる。
活性剤としてはジイソブチルアミン臭化水素酸塩やシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等で代表されるアミン類のハロゲン化水素酸塩、n−ヘキシルアミンアジピン酸塩やモノエチルアミンアジピン酸塩、ジイソブチルアミンマロン酸塩等で代表されるアミン有機酸塩、アジピン酸やベンジル酸、無水グルタル酸等で代表される有機酸、ベンゾグアナミンやジフェニルグアニジン等で代表される水に不溶であるアミンなどが挙げられる。
また補助活性剤として1,1,2,2−テトラブロモエタンや2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,2−トリブロモエタノールなどの有機ハロゲン化合物を添加することもできる。
軟化点降下剤としては、水添ヒマシ油や硬化ヒマシ油等のワックス類や12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。
更に、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、艶消し剤等を必要に応じ添加することができる。
溶剤は飛び散りを助長するので添加されない。
樹脂としては天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等のロジン系樹脂、ロジンマグネシウム塩等の金属塩、アクリル樹脂類やアミド樹脂類等が挙げられる。
活性剤としてはジイソブチルアミン臭化水素酸塩やシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等で代表されるアミン類のハロゲン化水素酸塩、n−ヘキシルアミンアジピン酸塩やモノエチルアミンアジピン酸塩、ジイソブチルアミンマロン酸塩等で代表されるアミン有機酸塩、アジピン酸やベンジル酸、無水グルタル酸等で代表される有機酸、ベンゾグアナミンやジフェニルグアニジン等で代表される水に不溶であるアミンなどが挙げられる。
また補助活性剤として1,1,2,2−テトラブロモエタンや2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,2−トリブロモエタノールなどの有機ハロゲン化合物を添加することもできる。
軟化点降下剤としては、水添ヒマシ油や硬化ヒマシ油等のワックス類や12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。
更に、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、艶消し剤等を必要に応じ添加することができる。
溶剤は飛び散りを助長するので添加されない。
本発明に用いられるはんだ合金は主にSnをベースとする合金であり、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Zn系等を基軸に、必要に応じてAg、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P、Pt、Sb、Znの1種以上をを添加することもできる。
例えば、Sn95Sb5(固相線温度238℃、液相線温度241℃)、Sn99.3Cu0.7(固相線温度227℃、液相線温度228℃)、Sn97Cu3(固相線温度227℃、液相線温度309℃)、Sn92Cu6Ag2(固相線温度217℃、液相線温度373℃)、Sn99Cu0.7Ag0.3(固相線温度217℃、液相線温度226℃)、Sn95Cu4Ag1(固相線温度217℃、液相線温度335℃)、Sn97Ag3(固相線温度221℃、液相線温度222℃)、Sn96.3Ag3.7(固相線温度221℃、液相線温度221℃)等を列挙できる。
勿論、標準的なSn−Pb系に用いても同様の有用性は得られる。
例えば、Sn95Sb5(固相線温度238℃、液相線温度241℃)、Sn99.3Cu0.7(固相線温度227℃、液相線温度228℃)、Sn97Cu3(固相線温度227℃、液相線温度309℃)、Sn92Cu6Ag2(固相線温度217℃、液相線温度373℃)、Sn99Cu0.7Ag0.3(固相線温度217℃、液相線温度226℃)、Sn95Cu4Ag1(固相線温度217℃、液相線温度335℃)、Sn97Ag3(固相線温度221℃、液相線温度222℃)、Sn96.3Ag3.7(固相線温度221℃、液相線温度221℃)等を列挙できる。
勿論、標準的なSn−Pb系に用いても同様の有用性は得られる。
本発明において使用するアルカノールエステルアミドはアルカノールアミンと有機酸の反応物であって,エステル結合とアミド結合を有し,一般構造式としてR1CONHR2COR1で表される。
アルカノールアミンとしてはエタノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、モノメタノールアミン、トリメタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン,トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジブチルエタノールアミン,フェニルプロパノールアミン、ジメチル−n−プロパノールアミン、メチルジエタノールアミン等が挙げられる。
有機酸としてはステアリン酸やオレイン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸が挙げられる。
アルカノールエステルアミドの一例として、CH3(CH2 )16CH2CONHC2H5COCH2(CH2)16CH3で示されるモノエタノールアミンジステアレートがある。
図1はモノエタノールアミンジステアレートの窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析(示差熱分析)結果を示し、軟化点が約82℃と低い割には300℃と高い温度域でも重量減少率が約37.27%と低いことが特徴である。従って、高温下での分解が少なく、はんだゴテによる急加熱でも瞬間的な揮発が抑えられてフラックスやはんだの飛散が抑制される。
アルカノールアミンとしてはエタノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、モノメタノールアミン、トリメタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン,トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジブチルエタノールアミン,フェニルプロパノールアミン、ジメチル−n−プロパノールアミン、メチルジエタノールアミン等が挙げられる。
有機酸としてはステアリン酸やオレイン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸が挙げられる。
アルカノールエステルアミドの一例として、CH3(CH2 )16CH2CONHC2H5COCH2(CH2)16CH3で示されるモノエタノールアミンジステアレートがある。
図1はモノエタノールアミンジステアレートの窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析(示差熱分析)結果を示し、軟化点が約82℃と低い割には300℃と高い温度域でも重量減少率が約37.27%と低いことが特徴である。従って、高温下での分解が少なく、はんだゴテによる急加熱でも瞬間的な揮発が抑えられてフラックスやはんだの飛散が抑制される。
前記エタノールアミンジステアレートの含有量は好ましくは1質量%〜20質量%であり、更に好適には1質量%〜12.0質量%である。1質量%以下では飛散防止効果が不充分となり、20質量%を超えると飛散防止効果が飽和されてしまう。
次に本発明の実施例を列挙し、比較例と対比する。%表示は全て質量%とする。
ヤニ入りはんだははんだを管状ロッドに押し出し、吸引してフラックスを入れ、これを線径φ0.8mmに線引きすることにより製作した。
次に本発明の実施例を列挙し、比較例と対比する。%表示は全て質量%とする。
ヤニ入りはんだははんだを管状ロッドに押し出し、吸引してフラックスを入れ、これを線径φ0.8mmに線引きすることにより製作した。
フラックス組成は水添ロジン97.5%/エタノールアミンジステアレート1.0%/シ゛エチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン93.5%/エタノールアミンジステアレート5.0%/シ゛エチルアミン臭化水素酸塩1.0%/1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン88.5%/エタノールアミンジステアレート10.0%/シ゛エチルアミン臭化水素酸塩1.0%/1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン78.5%/エタノールアミンジステアレート20.0%/シ゛エチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン88.5%/エタノールアミンジステアレート5.0%/ステアリン酸アミド5.0%/シ゛エチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
〔比較例1〕
フラックス組成は水添ロジン92.5%/ステアリン酸アミド5.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
図2は使用したステアリン酸アミドについて、窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析結果を示している。
フラックス組成は水添ロジン92.5%/ステアリン酸アミド5.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
図2は使用したステアリン酸アミドについて、窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析結果を示している。
〔比較例2〕
フラックス組成は水添ロジン92.5%/N−ブチル−N'−ステアリル尿素5.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
図3は使用したN−ブチル−N'−ステアリル尿素について、窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析結果を示している。
フラックス組成は水添ロジン92.5%/N−ブチル−N'−ステアリル尿素5.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
図3は使用したN−ブチル−N'−ステアリル尿素について、窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析結果を示している。
〔比較例3〕
フラックス組成は水添ロジン88.5%/エチレン・酢酸ビニル共重合体(JIS K 7210:条件D下メルトマスフローレート=約1000g/10min)10.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
図4は使用したエチレン・酢酸ビニル共重合体について、窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析結果を示している。
フラックス組成は水添ロジン88.5%/エチレン・酢酸ビニル共重合体(JIS K 7210:条件D下メルトマスフローレート=約1000g/10min)10.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
図4は使用したエチレン・酢酸ビニル共重合体について、窒素雰囲気中10℃/minの条件で測定したTg−DTA解析結果を示している。
〔比較例4〕
フラックス組成は水添ロジン88.5%/エチレン・アクリル酸共重合体(JIS K
7210:条件D下メルトマスフローレート=約500g/10min)10.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
フラックス組成は水添ロジン88.5%/エチレン・アクリル酸共重合体(JIS K
7210:条件D下メルトマスフローレート=約500g/10min)10.0%/ジエチルアミン臭化水素酸塩1.0%/,1,1,2,2−テトラブロモエタン0.5%とし、Sn96.5%/Ag3.0%/Cu0.5%のはんだ合金を用いて線径φ0.8mm,フラックス含有量3%のヤニ入りはんだを作製した。
これらの実施例品及び比較例品のヤニ入りはんだについて広がり率、ウェッティングバランス濡れ測定、フラックス飛び散り試験及びはんだ付け性試験を行った。
〔広がり率〕JIS Z 3197:1999に準じて行い、はんだバス温度は270℃とした。
〔ウェッティングバランス濡れ測定〕JIS Z 3197:1999に準じ、ヤニ入りはんだの濡れ時間を測定した。
〔フラックス飛び散り試験〕JIS Z 3197:1999に準じ、ヤニ入りはんだの一定量を計りとり、400℃に維持されたはんだゴテ上で溶融し、飛び散ったフラックス量を測定し、ヤニ入りはんだに含まれるフラックス総量に対する割合を算出した。
〔はんだ付け性試験〕2.5mmピッチ,18ピン,Snメッキコネクターを5個片面紙フェノール基板に挿入し、コテ先温度約380℃のはんだコテを使用して,通称「引きはんだ」によりコテとヤニ入りはんだを連続して同時に移動させ、1sec/mmの一定速度にてはんだ付けを行い、はんだ未濡れや銅ランド露出の濡れ不足等の不良数を調べた。
その試験結果は、表1及び表2に示す通りである。
〔広がり率〕JIS Z 3197:1999に準じて行い、はんだバス温度は270℃とした。
〔ウェッティングバランス濡れ測定〕JIS Z 3197:1999に準じ、ヤニ入りはんだの濡れ時間を測定した。
〔フラックス飛び散り試験〕JIS Z 3197:1999に準じ、ヤニ入りはんだの一定量を計りとり、400℃に維持されたはんだゴテ上で溶融し、飛び散ったフラックス量を測定し、ヤニ入りはんだに含まれるフラックス総量に対する割合を算出した。
〔はんだ付け性試験〕2.5mmピッチ,18ピン,Snメッキコネクターを5個片面紙フェノール基板に挿入し、コテ先温度約380℃のはんだコテを使用して,通称「引きはんだ」によりコテとヤニ入りはんだを連続して同時に移動させ、1sec/mmの一定速度にてはんだ付けを行い、はんだ未濡れや銅ランド露出の濡れ不足等の不良数を調べた。
その試験結果は、表1及び表2に示す通りである。
その理由は、図1に示すTg−DTA解析(示差熱分析)結果から明らかなように、軟化点が約82℃と低い割には300℃と高い温度域でも重量減少率が約37.27%と低く、その結果、高温下での分解が少なく、はんだゴテによる急加熱でも瞬間的な揮発が抑えられてフラックスやはんだの飛散が抑制されるからである。
また、実施例では、はんだ濡れ不良が非常に少なく、濡れが阻害されることが殆どない。その理由は、エタノールアミンジステアレートは融点が約82℃と低いために軟化点降下剤としても作用し、濡れ性が向上されるからである。
しかし、比較例1や2のように,飛散防止効果のある物質が含まれていないものはフラックス及びはんだ飛散が非常に多い。すなわち、軟化点降下剤としてよく使用されているステアリン酸アミド等のアミド類や尿素化合物では、図2に示すステアリン酸アミド及び図3に示すN−ブチル−N'−ステアリル尿素のTg−DTA解析結果から理解できるように、300℃と高い温度域では重量減少率が50%超と高いので、高温下において分解が顕著であり、急加熱時には瞬間的な気化が増大し、フラックスやはんだ飛散を数多く引き起こされる。
比較例3や4のように、飛散防止剤を添加したものは、フラックス飛散が抑制されており、このことは、図4に示すエチレン・酢酸ビニル共重合体のTg−DTA解析結果からも裏付けられるが(300℃と高い温度域でも重量減少率が極めて低い)、ウェッティングバランス法での濡れ時間が2秒以上と時間がかかっているので、5秒間というはんだ付け時間では充分な濡れを得ないままではんだ付けが終了されていることになり、その結果、はんだ濡れ不良数が多く、飛散防止効果の犠牲が大きい。
上記のように、本発明に係るヤニ入りはんだによれば、鉛フリーヤニ入りはんだであっても、フラックスやはんだ飛散が無く良好な作業性を呈し、濡れ性に優れて良品率が高く、電子部品に対する熱衝撃を緩和でき、製造効率を向上が得られ、良好な実装環境が得られる。
また、エタノールアミンジステアレートは融点が約82℃と低いために軟化点降下剤としても作用し、濡れ性の向上が期待できる。
また、エタノールアミンジステアレートは融点が約82℃と低いために軟化点降下剤としても作用し、濡れ性の向上が期待できる。
Claims (10)
- アルカノールアミンと有機酸の反応物であって、エステル結合とアミド結合を有するアルカノールエステルアミドを含有することを特徴とするヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- アルカノールアミンがエタノールアミンである請求項1記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- エタノールアミンがモノエタノールアミンである請求項2記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- 有機酸が脂肪酸である請求項1〜3何れか記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- 脂肪酸がステアリン酸もしくはオレイン酸である請求項4記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- アルカノールエステルアミドがモノエタノールアミンジステアレートである請求項1記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- 溶剤を含まないことを特徴とする請求項1〜6何れか記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- フラックス全量に対し,アルカノールエステルアミドが1質量%〜20質量%含有することを特徴とする請求項1〜7記載のヤニ入りはんだ用フラックス組成物。
- 請求項1〜8に記載のはんだ付けフラックス組成物を線状はんだ内部に含有することを特徴とするヤニ入りはんだ。
- 線状はんだがSnとAg、Cu、Bi、In、Zn、Sb、Ni、Au、Pt、Ga、Ge、Co、Al、Fe、Pからなる群より選択される1種または2種以上を含有するはんだであることを特徴とする請求項9記載のヤニ入りはんだ。
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