JP4352866B2 - はんだ付け用フラックス - Google Patents

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本発明は、プリント基板のフローソルダリングに有用な、無洗浄で使用可能で、揮発性有機物質の排出が少ない、水系のはんだ付け用フラックスに関する。
電子機器への電子部品の接合・組立てには、はんだを使用したはんだ付けがコスト面および信頼性の面で一番有利であり、最も普通に行われている。
はんだ付けの方法としては、やに入りはんだをはんだ鏝を使用してはんだ付けするマニュアルソルダリング法、ソルダペースト、ソルダプリフォーム、ソルダボールなどをリフロー炉で再溶解してはんだ付けを行うリフローソルダリング法、溶融はんだにプリント基板および電子部品を接触させてはんだ付けを行うフローソルダリング法がある。
フローソルダリング法では、プリント基板および電子部品に溶融はんだが付着し易くなるようにする補助剤としてフラックスが使用される。はんだ付けにおけるフラックスは、プリント基板および電子部品の金属表面の酸化膜を化学的に除去してはんだ付け可能な清浄面を作る表面浄化作用、はんだ付けを行うときにプリント基板および電子部品の金属表面を覆い、酸素との接触を遮断して加熱による再酸化を防止する再酸化防止作用、そして溶融したはんだの表面張力を小さくして、はんだの濡れを助ける界面張力の低下作用の効果などがあるため、フローソルダリングには必ず使用される。
フローソルダリング法に使用されるはんだ付け用フラックスは、樹脂系フラックスと水溶性フラックスの2種類に大別される。
樹脂系フラックスは、主成分の松脂(ロジン)を有機酸や活性剤と一緒にアルコールに溶解したもので、フラックス残渣が残っても絶縁性で、はんだ付け部への悪影響が少ないため、はんだ付け後は無洗浄で使用可能である。ロジンは、アビエチン酸を主成分とする樹脂酸とコロフォン酸とからなる天然の酸性樹脂、つまり、酸価を有する樹脂である。
一方、水溶性フラックスは、水溶性の有機酸や活性剤を水に溶解したものであるが、飛散防止のためにアルコールを加えているものもある。
水溶性フラックスでははんだ付け後に洗浄が必要となるので、フローソルダリング法や他のはんだ付け法でも、樹脂系フラックスの使用が一般的である。
フローソルダリング法で使用するはんだ付け用の樹脂系フラックスは、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどの揮発し安いアルコールを70〜90質量%の量で含んでいる。これらのアルコールは、溶剤として松脂、有機酸、活性剤の各成分を溶解する作用の他に、フラックスの粘度を適度に低下させて、発泡またはスプレーによるフラックス塗布を容易にする作用も果たすが、プリヒート(はんだ付け前の予備加熱)時やはんだ付け時に全量が蒸発して、大気中に拡散する。
近年、エタノール、メタノール、イソプロパノールを含む揮発しやすい有機化学物質を揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、略してVOC)と呼んで、規制する動きが広がっている。これは揮発性有機化合物が、自動車の排気ガスとして排出された窒素酸化物および粉塵とともに、光化学スモッグの発生原因とされているためである。即ち、大気中に放出された揮発性有機化合物は、紫外線により分解してオゾンなどの過酸化物質を発生し、光化学スモッグ発生の原因になる。また、揮発性有機化合物から発生したオゾンがオゾンホールの原因となるばかりでなく、揮発性有機化合物が分解するときに発生するCO2 が地球温暖化の原因ともなる。以上の理由で、揮発性有機化合物(VOC)の規制が始まっている。
揮発性有機化合物をほとんど含まないフラックスをVOCフリーフラックス、少量の揮発性有機化合物を含むフラックスを低VOCフラックスと呼び、またこれら2つをまとめてVOC対策フラックスと呼んでいる。VOC対策フラックスにおける揮発性有機化合物の量は、ISO、JIS、ANSIなどの工業規格では決まっていないが、一般にVOCフリーフラックスとは揮発性有機化合物の含有量が1質量%以下であり、低VOCフラックスとは10〜20質量%またはそれ以下のものを指している場合が多い。
無洗浄で使用可能なVOC対策フラックスとして、下記特許文献1には、酸価を有するロジンまたは変性ロジンにアンモニアまたはアミンを添加して、水に可溶なロジンアミン塩またはアンモニウム塩とし、これを水に溶解させた、水系のはんだ付け用フラックスが開示されている。このはんだ付け用フラックスでは、ロジンまたは変性ロジンがカルボキシル基を含んでいて酸性であるので、信頼性を高めるためにロジン量を増やすと、アンモニアまたはアミンの添加量も多くする必要がある。しかし、そうすると、アンモニア臭がきつくなり、作業現場に大きな負担となる。
やはり無洗浄で使用可能なVOC対策フラックスとして、ロジンと、ロジンを鹸化するアミンと、活性剤と、水および少量の有機有機溶剤とを含む水系のはんだ付け用フラックスに、共有結合性有機ハロゲン化物とフッ素系界面活性剤とを添加したフラックスが下記特許文献2に開示されている。これも、上記と同様の問題がある。
特開平8−132282号公報 特開2002−120089号公報
無洗浄で使用できる樹脂系 (即ち、ロジン系) はんだ付け用フラックスでは、信頼性を高めるには絶縁物であるロジンの量は多いほど良い。しかし、従来のVOC対策フラックスでは、ロジンまたは変性ロジンがカルボキシル基を含む酸性の樹脂であるため、ロジン量を増やすには、中和のためにアンモニアまたはアミンの添加量を多くする必要がある。そのため、アンモニア臭がきつくなり、作業現場に大きな負担となっていた。
本発明は、フローソルダリングに使用するのに適した、無洗浄で使用可能で、アンモニア臭が抑制された、使い勝手のよい、VOC対策はんだ付け用フラックスを提供することを課題とする。
本発明によれば、ロジンまたは変性ロジンのような水不溶性の樹脂成分をアンモニアまたはアミンとの塩として水に溶解させて調製される、無洗浄で使用できる樹脂系のVOC対策フラックスに、ある種のアセチレンアルコールを添加することにより、特有のアンモニア臭を低減または解消することができる。
ここに、本発明は、ロジン系樹脂および脂肪族有機酸から選ばれた1種または2種以上の酸成分がアンモニウム塩および/またはアミン塩として水に溶解しているはんだ付け用フラックス、下記(1)式で表される炭素数5〜13のアセチレンアルコールを含有することを特徴とするフローソルダリンング用フラックスである。
Figure 0004352866
式中、R1 はHまたはアルキル基であり、R2 はアルキル基である。
アセチレンアルコールを含有する本発明のはんだ付け用フラックスは、無洗浄で使用できる樹脂系の従来のVOC対策フラックスの問題であったアンモニア臭を著しく抑制ないし解消することができ、はんだ付けの作業現場の環境を改善する。また、フラックスの基板上での広がり性にも優れているので、Sn−Pb系はんだより濡れ性がよくない鉛フリーはんだに組合わせて使用する場合でも、良好な濡れ性を確保することができる。
一般のはんだ付け用フラックスと同じように、VOC対策フラックスでも、ロジン等の樹脂を使用する樹脂系フラックスと、水溶性フラックスとに分類される。水溶性フラックスは水との相性が良いのでVOCの量の削減は容易であるが、必ず洗浄が必要である。従って、無洗浄化を目的とする場合には、フラックス残渣が残っても絶縁性を確保できる、樹脂系のVOC対策フラックスとする必要がある。
従って、本発明のはんだ付けフラックスは、好ましくはロジンおよびその誘導体からならロジン系樹脂を含有し、これを水溶性にするために、アンモニアおよび/またはアミンで中和して、アンモニウム塩および/またはアミン塩として、水に溶解させる。
ロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよび変性ロジンから選んだ1種または2種以上を使用できる。変性ロジンの例は、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、フェノール (石炭酸) といった酸成分との反応により変性したロジンが挙げられる。このような酸で変性した変性ロジンは、より多くの酸基を含むため、アンモニアまたはアミンで中和した場合に、水に対する溶解度をより大きくすることができる。
ロジン系樹脂の一部または全部に代えて、脂肪族有機酸を使用することができる。好ましい脂肪族有機酸は、フラックス残渣が残っても絶縁性への悪影響が少ないものであり、その例としてダイマー酸が挙げられる。ダイマー酸はオレイン酸、リノリン酸などの不飽和脂肪酸を二量化したものである。この脂肪族有機酸も、ロジン系樹脂と同様に、アンモニアおよび/またはアミンで中和して、アンモニウム塩および/またはアミン塩の形で水に溶解させる。
本発明に使用できる他の脂肪族有機酸の例として、ステアリン酸、ハロゲン化ステアリン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、ジエッチンググルタル酸、セバチン酸、アゼライン酸などが挙げられるが、これ以外の脂肪族有機酸も使用可能である。
脂肪族有機酸は、ロジン系樹脂と併用してもよい。例えば、ロジン系樹脂にダイマー酸または他の脂肪族有機酸を併用すると、ロジン系樹脂の軟化点が下がるという効果が得られる。
ロジン系樹脂または脂肪族有機酸のアンモニウム塩またはアミン塩は、はんだ付けの時にはんだの熱で加熱されると、分解して、元のロジン系樹脂または脂肪族有機酸に戻って、そのフラックスとしての清浄化作用を発揮し、残留しても絶縁性には悪影響がないため、無洗浄での使用が可能となる。
一方、ロジン系樹脂または脂肪族有機酸のアンモニウム塩またはアミン塩の分解で、アンモニアまたはアミンが発生する。アンモニアは、沸点−33.35 ℃の気体であり、すぐに揮発するので、これが残存して絶縁抵抗値の低下を生じるといった信頼性への悪影響はない。中和にアミンを使用する場合も、はんだ付け時のはんだの熱で容易に揮発するように、沸点がはんだ付け温度より低いものを使用することが好ましい。そのようなアミンの例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミンなどが挙げられる。好ましいアミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミンなどの第三アミンである。VOC対策という意味では、有機物であるアミンより、無機物であるアンモニアを中和に使用することが好ましい。
アンモニアやアミンは、鼻につんとくる独特の刺激臭 (即ち、アンモニア臭) を持っており、悪臭防止法に該当する物質である。アンモニアやアミンがロジン系樹脂や有機酸と完全に中和反応してアンモニウム塩またはアミン塩になると、アンモニア臭は発生しなくなる。しかし、実際には、アンモニアまたはアミンを過剰に使用しないと、ロジン系樹脂や有機酸を塩として完全に水に溶解させることは難しい。そのため、ロジン系樹脂や有機酸をアンモニアまたはアミンで中和してアンモニウム塩またはアミン塩の形で水に溶解させた、無洗浄型のVOC対策フラックスでは、アンモニアまたはアミンを過剰に加えるのが普通であり、アンモニア臭がすることが問題であった。
アンモニアは、通常はアンモニア水として本発明のフラックスに添加するが、アンモニアガスの通気といった他の方法も採用できる。アミンは、通常は液状であるので、そのまま添加すればよい。アンモニアおよび/またはアミンは、予め、ロジン系樹脂および/または脂肪族有機酸と反応させて、固体のアンモニウム塩および/またはアミン塩の形で、水に溶解させることにより、本発明のフラックスを調製してもよい。予めアンモニウム塩および/またはアミン塩にしておくと、水に対する溶解性が高く、固形分を高めることができるため、絶縁抵抗などの信頼性を高めることが可能になる。
フラックス中のロジン系樹脂および/または脂肪族有機酸の含有量は特に制限されないが、通常は2〜15質量%の範囲である。アンモニアおよび/またはアミンの量は、ロジン系樹脂および/または脂肪族有機酸を水に溶解させるのに十分な量であればよいが、通常はロジン系樹脂および/または脂肪族有機酸の中和に必要な量と同量であるか、それより過剰である。
本発明の無洗浄型のVOC対策フラックスは、上記(1) 式で示される化学構造を持つ、炭素数が5〜13のアセチンレンアルコールを含有する。従って、上記(1) 式におけるR1 とR2 の炭素数の合計は2〜10となる。
このアセチレンアルコールは、比重が小さいため、フラックス上部に浮上し、下層の水層をマスキングすることにより、アンモニア臭を抑えることができると推定される。しかし、その炭素数が5より小さいとアンモニア臭のマスキング効果が現れず、13より大きいとアセチレンアルコールが分解して効果が少なくなる。
上記効果に加えて、このアセチレンアルコールは、フラックスの表面張力を低下させ、基板上でフラックスを広がり易くする性質がある。溶剤が水のみ、または水と少量の有機溶剤からなるVOC対策フラックスでは、アルコールを溶剤とした一般のはんだ付けフラックスに比べて、フラックスの表面張力が大きく、基板上で広がりにくいという欠点を持っている。本発明で使用するアセチレンアルコールをVOC対策フラックスに添加すると、フラックスの表面張力が低下し、基板上で広がって、その清浄化作用をまんべんなく発揮するため、基板のはんだ濡れ性が向上する。
上記(1) 式で示される化学構造を持つ炭素数5〜13のアセチレンアルコールの具体例としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(炭素数8、R1 =メチル基、R2 =イソブチル基)、3−メチル−1−ブチン−3−オール(炭素数5、R1 =R2 =メチル基)、および3−イソペンチル−1−オクチン−3−オール(炭素数13、R1 =イソペンチル基、R2 =ペンチル基)が例示される。中でも、炭素数8の3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールが、アンモニア臭の抑制と濡れ性改善の効果が高く、最も好ましい化合物である。
アセチレンアルコールは、本発明のはんだ付けフラックスに 0.1〜5質量%の量で添加することが好ましい。添加量が0.1 質量%より少ないとアンモニアのマスキング効果が現れず、5質量%を超えて添加すると、水に溶けづらくなって、ロジンが析出することがある。より好ましい添加量は 0.5〜3質量%である。
本発明で使用するアセチレンアルコールは、フラックス中において、特に脂肪族有機ハロゲン化合物と共存させると、はんだ付け性の向上効果が顕著である。脂肪族有機ハロゲン化合物の例としては、1−ブロモ−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、 2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ブロモプロペン、ブロモ酢酸エチル、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモコハク酸、5−ブロモサリチル酸、5−クロロステアリン酸、3−クロロステアリン酸などがある。
脂肪族有機ハロゲン化合物は、アセチレンアルコールとの共存下に協力して効果をもたらすものであるので、アセチレンアルコールと同様に、 0.1〜5質量%の量で添加することが好ましく、より好ましくはアセチレンアルコールとほぼ同量で使用する。
本発明のはんだ付け用フラックスの溶剤は水である。しかし、水中でロジン系樹脂および/または脂肪族有機酸をアンモニアおよび/またはアミンで中和してアンモニウム塩および/またはアミン塩にしても、アンモニアおよび/またはアミンの添加量を非常に多くしないと、ロジン系樹脂および/または脂肪族有機酸を完全に水に溶解させることは困難である。その場合、特にアンモニアを多量に添加すると、アンモニア臭が激しくなる。従って、アンモニアおよび/またはアミンの添加量をあまり増やさずに、ロジン系樹脂等を完全に溶かすために、メタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルイソブチルケトン等の低級ケトンといった水混和性で揮発性の有機溶剤を水と一緒に使用することが好ましい。そのための有機溶剤の量は、好ましくは5〜20質量%である。
上記以外の成分を本発明のはんだ付け用フラックスに添加することも、場合により可能である。
本発明のはんだ付け用フラックスは、共晶はんだで代表されるSn−Pb系はんだによるはんだ付けのみならず、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Zn系等を含む各種の鉛フリーはんだによるはんだ付けにも使用できる。一般に、鉛フリーはんだはSn−Pb系はんだに比べて濡れ性に劣るが、本発明のはんだ付け用フラックスは、それに含まれるアセチレンアルコールの作用により、鉛フリーはんだを用いた場合にも良好な濡れ性を確保することができる。本発明のフラックスはフローソルダリング法に使用することが好ましいが、リフローソルダリング法やマニュアルソルダリングにも使用可能である。
下記に示す配合割合で樹脂系フラックスを作製し、アンモニア臭の有無、はんだ付け後の絶縁抵抗値、フラックスのガラス板上での広がり具合、ゼロクロス時間を評価した。
なお、実施例における%は、特に指定しない限り、質量%である。また、実施例で使用したアンモニア水の濃度は29%であった。
フラックス組成(質量%)
実施例1
マレイン酸変性ロジン 9%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール 1%
エタノール 8%
イオン交換水 77%。
実施例2
マレイン酸変性ロジン 7%
ダイマー酸 2%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール 1%
エタノール 8%
イオン交換水 77%。
実施例3
マレイン酸変性ロジン 7%
ダイマー酸 2%
2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール 1%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール 1%
エタノール 8%
イオン交換水 76%。
実施例4
マレイン酸変性ロジン 9%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3-メチル-1-ブチン-3-オール 1%
エタノール 8%
イオン交換水 77%。
実施例5
マレイン酸変性ロジン 9%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3-イソペンチン-1-オクチン-3-オール 1%
エタノール 8%
イオン交換水 77%。
実施例6
マレイン酸変性ロジン 9%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール 1%
エタノール 8%
イオン交換水 77.9%。
実施例7
マレイン酸変性ロジン 9%
アジピン酸アンモニウム 2%
アンモニア水 3%
3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール 5%
エタノール 8%
イオン交換水 73%。
比較例1 (特許文献1)
ガムロジン・エチルアミン塩 12%
重合ロジン・エチルアミン塩 6%
パルミチン酸エチルアミン塩 1.5%
ブチルアミン臭化水素酸塩 0.2%
ブチルアミン塩化水素酸塩 0.1%
イソプロピルアルコール 10%
イオン交換水 70.2%。
比較例2 (特許文献2)
ロジン 9.5%
トリエチルアミン 4%
ブタノール 4%
2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール 1%
ジブロモコハク酸 0.1%
つや消し剤 2%
フッ素系界面活性剤 0.1%
イオン交換水 79.3%。
試験方法は、次の通りである。
(1) アンモニア臭
フラックスを50 cc の三角フラスコに取り、フラスコの口を鼻から5cmのところに近づけ臭いをかいで、アンモニア臭の有無を判定する。アンモニア臭がほとんどないものを◎、少し有るものを○、非常に強いものを×とした。
(2) 絶縁抵抗値
JIS Z3197 8.5.3 に規定する絶縁抵抗試験に準じて、絶縁抵抗値を無洗浄で測定する。恒温恒湿槽の試験条件は温度40±2℃、相対湿度90〜95%であり、放置時間は168 時間であった。絶縁抵抗値が1×108 Ω以上のものを○、1×108 Ω未満のものを×とした。
(3) ガラス板上での広がり
テルモ社製のマイクロシリンジを用いて1滴分のフラックスをスライドガラス上に滴下し、その広がり状態を目視で観察する。評価基準は図1に示す通りであった。即ち、液滴が水滴状に丸まっている場合を×、少し広がった場合を○、大きく広がった場合を◎と評価した。水系フラックスの場合、広がり性が悪いと、図1に×として示すように水滴状に丸まり、広がり性がよいほど広がって不規則な形状になる。
(4) ゼロクロス時間
レスカ社製ソルダチェッカー SAT-5100 を使用して、下記条件でゼロクロス時間を測定し、溶融はんだによるはんだ濡れ性を評価する。はんだ濡れ性は、ゼロクロス時間が3秒未満のものを◎、3〜5秒のものを○、5秒以上のものを×とした。
ゼロクロス時間の測定条件:
はんだ:Sn-3.0%Ag-0.5%Cu
はんだ温度:250 ℃
浸漬速度:15 mm/sec
浸漬深さ:2mm
Figure 0004352866
表1に示すように、比較例1の従来のVOC対策の樹脂系フラックスは、強いアンモニア臭があり、フラックスの広がり性にも劣っていた。比較例2のフラックスはアンモニア臭は抑えられていたが、フラックスの広がり性に劣っていた。これに対し、本発明に係るアセチレンアルコールを含有する樹脂系のVOC対策フラックスは、アンモニア臭が抑えれらているだけでなく、無洗浄における絶縁信頼性とフラックスの広がり性にも優れ、溶融はんだによる濡れ性も良好であった。特に、アセチレンアルコールと一緒に脂肪族有機ハロゲン化物を併用した実施例3のフラックスは、はんだ濡れ性により優れていた。
本発明のフラックスは、VOC排出の減少、光化学スモッグの発生原因の削減、オゾン層破壊の低減、CO2 の排出量の削減等、環境問題に優れた効果を奏するため、プリント基板のはんだ付けばかりでなく、電子部品リードのメッキやプリント基板の予備メッキ等の広い分野にも使用可能である。
フラックスの広がり試験の評価方法を示す説明図である。

Claims (7)

  1. ロジン系樹脂および脂肪族有機酸から選ばれた1種または2種以上の酸成分がアンモニウム塩および/またはアミン塩として水に溶解しているはんだ付け用フラックスであって、下記(1)式で表される炭素数5〜13のアセチレンアルコールを含有することを特徴とするフローソルダリンング用フラックス。
    Figure 0004352866
    式中、RはHまたはアルキル基であり、Rはアルキル基である。
  2. 前記ロジン系樹脂が、天然ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよび変性ロジンから選ばれる、請求項1に記載のはんだ付け用フラックス。
  3. 脂肪族有機ハロゲン化合物をさらに含有する、請求項1または2に記載のはんだ付け用フラックス。
  4. 前記アセチレンアルコールが3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールである、請求項1〜3のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
  5. 前記アセチレンアルコールを0.1〜5質量%の量で含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
  6. 前記脂肪族有機ハロゲン化合物を0.1〜5質量%の量で含有する、請求項3〜5のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
  7. 5〜20質量%の水混和性で揮発性の有機溶剤をさらに含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のはんだ付けフラックス。
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