JP6688267B2 - フラックスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水を含有するフラックスの製造方法に関する。
基板上にはんだバンプを作る方法としては種々の方法がある。近年のはんだボールの小型化に伴い、はんだボールにフラックスを転写して、フラックスの付いたはんだボールを電極上に搭載する方法が採られるようになってきた。はんだボールが搭載された基板をリフローし、冷却することで、はんだバンプが形成する。
フラックスは、はんだ合金およびはんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面に存在する金属酸化膜を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、はんだ合金と接合対象物の金属表面との間に金属間化合物が形成され、強固な接合が得られる。フラックスには、有機酸、溶剤等を含有するものがある。有機酸は金属酸化膜を除去するための活性剤成分として添加され、溶剤はフラックス中の固形成分を溶解する役割がある。水を含有するフラックスもあり、例えば、特許文献1には、水を総量に対して0.1〜0.4重量%含有するフラックスが開示されている。
特開2005−74449号公報
フラックスには、はんだ付け後に洗浄を前提としてフラックス残渣が多く残るものがある。フラックス残渣は、はんだの接合不良、導電不良等、はんだ付け性の低下に繋がる。そこで、洗浄の必要のないフラックス又は水洗浄可能なフラックスの組成を構築するために、フラックス残渣が少なくなるように試みた。有機酸との反応性が乏しくリフロー時に揮発しにくいベース剤の一部または全てを、揮発性の高い溶剤などに置換することで低残渣フラックスを設計できる。しかしながら有機酸が、従来よりも多く含まれる溶剤中のアルコールのヒドロキシ基(−OH基)と徐々に反応して、フラックス作製後から使用時までの間の経時変化において、エステル化しやすくなった。
有機酸がエステルを形成すると、有機酸が有していた金属酸化膜の除去に作用する活性が失活してしまう。金属酸化膜の除去が不十分だと、はんだ合金と接合対象物が強固に接合できないという問題がある。上述した特許文献1に開示されるフラックスも、このような問題について何等考慮していなかった。
そこで、本発明はこのような課題を解決したものであって、有機酸と、溶剤に含まれるアルコールのヒドロキシ基とが反応してエステルを形成することを抑制して活性を維持するとともに、はんだ付け性を良好にするフラックスの製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために採った本発明の技術手段は、次の通りである。
(1)水を40質量%以上90質量%以下、有機酸(アスコルビン酸を除く)を2質量%以上15質量%以下(2質量%以上3.2質量%以下は除く)、ヒドロキシ基を有する溶剤を0質量%超48質量%以下、を混合し、有機酸が、グルタル酸、フェニルコハク酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、プロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルブタン酸、リンゴ酸、酒石酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、トリマー酸のうち、少なくとも1種を含有するものであり、溶剤に含まれるヒドロキシ基と有機酸との反応で有機酸エステルが形成されるエステル化と、有機酸エステルと水との反応による加水分解の両方が起こることにより、平衡状態になるものであって、上記混合の時に、有機酸が有する有機酸カルボキシル基ユニットのモル質量%を100ユニットモル%としたときに、上記平衡状態では、溶剤に含まれるヒドロキシ基と有機酸とによってエステル化したカルボン酸エステルユニットの含有割合が0ユニットモル%以上50ユニットモル%以下となることを特徴とするフラックスの製造方法
(2)上記混合の時に、水の含有割合が40質量%以上80質量%以下であることを特徴とする前記(1)に記載のフラックスの製造方法
(3)上記混合の時に、溶剤の含有割合が8質量%以上48質量%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のフラックスの製造方法
(4)上記混合の時に、活性補助成分としてアミンを0質量%超10質量%以下含有し、アミンは、イミダゾール類、脂肪族アミン、芳香族アミン、アミノアルコール、ポリオキシアルキレン型アルキルアミン、末端アミンポリオキシアルキレン、アミンハロゲン化水素酸塩のうち、少なくとも1種を含有することを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載のフラックスの製造方法
本発明のフラックスの製造方法は、水の含有により加水分解が起きるため、有機酸と、溶剤に含まれるヒドロキシ基とが反応してエステルを形成することを抑制できる。そのため、本発明のフラックスの製造方法で製造されたフラックスは、金属酸化膜を十分に除去できる。また、はんだ付け性が良好である。
以下、本発明に係る実施の形態としてのフラックスの製造方法について説明する。本実施の形態のフラックスは、水を40質量%以上90質量%以下、有機酸を2質量%以上15質量%以下、ヒドロキシ基を有する溶剤を0質量%超48質量%以下、を混合する。水には純水が使用でき、水の含有割合は、40質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。溶剤の含有割合は、8質量%以上48質量%以下であることがより好ましい。
有機酸は、水溶性のある有機酸を使用することが好ましく、フラックス中で、活性剤成分として添加される。この活性剤成分により、はんだ付け時に、はんだ合金およびはんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面に存在する金属酸化物が、化学的に除去される。有機酸には、グルタル酸、フェニルコハク酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、プロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルブタン酸、リンゴ酸、酒石酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、トリマー酸等のうち、少なくとも1種が使用される。これらの有機酸はカルボキシル基を有している。有機酸の一例として、1官能の有機酸は、カルボキシル基を1つ有しており、下記の化学式で表される。
Figure 0006688267
但し、式中のR1は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、アルキルエーテル基等である。また、R1には、芳香環を含んでもよい。2官能の有機酸はカルボキシル基を2つ有し、3官能以上の有機酸はカルボキシル基を3つ以上有する。フラックス中で、有機酸としての活性を有するカルボキシル基の官能基モル(以下で、「有機酸カルボキシル基ユニット」という)が多いほど、金属酸化膜の除去に作用する活性が強い。例えば、有機酸1モルに対して、1官能の有機酸は有機酸カルボキシル基ユニットが1モルであり、2官能の有機酸は有機酸カルボキシル基ユニットが2モルであり、3官能の有機酸は有機酸カルボキシル基ユニットが3モルである。
溶剤には、ヒドロキシ基を有するものを使用する。溶剤は、水溶性を有していることが好ましく、活性剤の作用を効率よくもたらすために、120℃〜150℃の低温域において揮発しないことが好ましい。溶剤が揮発してしまうとフラックスが乾固してしまい、フラックスが接合箇所に濡れ広がることが難しくなる。そのため、溶剤の沸点は200℃以上であることが好ましい。また、リフロー温度で揮発する溶剤を使用することが好ましく、溶剤の沸点は、280℃以下であることが好ましい。溶剤には、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチルヘキシルジグリコール、フェニルグリコール、ブチルトリグリコール、ターピネオール等のうち、少なくとも1種が使用されることが好ましい。これらの溶剤は、下記の化学式で表される。
Figure 0006688267
但し、式中のR2は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、アルキルエーテル基等であり、また、R2には、芳香環を含んでもよい。
本実施の形態のフラックスに対して、例えば下に記す、イミダゾール類、脂肪族アミン、芳香族アミン、アミノアルコール、ポリオキシアルキレン型アルキルアミン、末端アミンポリオキシアルキレン、アミンハロゲン化水素酸塩等のアミンのうち、少なくとも1種を含有してもよい。アミンは、フラックスにおける活性補助成分として添加される。アミンは、有機酸と反応すると、塩を形成し、耐熱性を高くする。アミンを多く添加すると、フラックス残渣が多くなるため、0質量%以上10質量%以下で含有することが好ましい。本実施の形態のアミンは、分子量700以下のアミンであることが好ましく、分子量600以下であることがより好ましい。
イミダゾール類には、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。脂肪族アミンには、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、1−アミノプロパン、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、n−エチルメチルアミン、アリルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、イソブチルアミン、ピロリジン、3−ピロリン、n−ペンチルアミン、ジメチルアミノプロパン、1−アミノヘキサン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ヘキサメチレンイミン、1−メチルピペリジン、2−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、ジアリルアミン、n−オクチルアミン、アミノメチル、シクロヘキサン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、1,1,3,3−テトラメチルブチルアミン、1−シクロヘキシルエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。芳香族アミンには、アニリン、ジエチルアニリン、ピリジン、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。アミノアルコールには、2−エチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、N,N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン等が挙げられる。ポリオキシアルキレン型アルキルアミンには、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンエチレンジアミン、ポリオキシアルキレンジエチレントリアミンが挙げられる。末端アミンポリオキシアルキレンには、末端アミノポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマー(末端アミノPEG−PPGコポリマー)等が挙げられる。アミンハロゲン化水素酸塩として、前述の各種アミンのハロゲン化水素酸塩(フッ化水素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩)には、エチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン塩化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等が挙げられる。
本実施の形態のフラックスに対して、例えば、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、2,2,2−トリブロモエタノール、1,1,2,2−テトラブロモエタン等のうち、少なくとも1種のハロゲン化合物を本フラックスの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
本実施の形態のフラックスに対して、例えば、ポリオキシエチレンエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンエチレンジアミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチレンジアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンアルキルプロピルジアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピルジアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪族アルコールエチレンオキシド付加体等のうち、少なくとも1種の界面活性剤を本フラックスの性能を損なわない範囲で含有してもよい。界面活性剤は、フラックスの表面張力を調整する。本実施の形態の界面活性剤は、分子量700超であることが好ましい。
更に、本実施の形態のフラックスに対して、色素、顔料、染料等の着色剤、消泡剤、チキソ剤等をフラックスの性能を損なわない範囲で適宜添加してもよい。
有機酸と、溶剤に含まれるヒドロキシ基とが反応すると、有機酸がエステル化した有機酸エステルを形成し、水が生成される。有機酸の一例として、1官能の有機酸を用い、溶剤の一例として、1官能のアルコールを用いて説明すると、有機酸と溶剤中のヒドロキシ基の反応は、下記の反応式(1)で示される。2官能や3官能以上の有機酸、アルコールの反応も、各カルボキシル基に対して、ヒドロキシ基との反応が起きるため、その説明を省略する。
Figure 0006688267
有機酸エステル(R1COOR2)は、金属酸化膜を除去するという、有機酸が有していたフラックスとしての活性を有していない。そのため、有機酸とヒドロキシ基を有する溶剤とを含有するフラックスは、金属酸化膜を除去するというフラックスとしての活性を失ってしまうことがある。
反応式(1)のエステル化反応は、可逆的な平衡反応であり、有機酸エステルと水が混在する環境下では、下記の反応式(2)に示す加水分解もおきる。
Figure 0006688267
すなわち、有機酸とヒドロキシ基を有する溶剤をフラックス中で混ぜると、反応式(1)、(2)の反応が両方起こり、所定時間経過後に、それぞれの反応速度が一緒になった状態で平衡状態になる。
ここで、反応式(1)、(2)の反応が平衡状態になったときの、有機酸のエステル化による官能基ユニットのモル数について説明をする。有機酸カルボキシル基ユニットのモル数が多いほど有機酸の活性が強く、有機酸カルボキシル基ユニットのモル数が少ないほど有機酸の活性が弱い。
まず、1官能の有機酸がエステル化する反応を反応式(3)に示す。有機酸とヒドロキシ基が反応すると、反応式(1)で述べた通り脱水反応がおきて有機酸エステルが形成される。なお、以下で、カルボキシル基がエステル化した状態の官能基を「カルボン酸エステルユニット」といい、官能基モル質量%を「ユニットモル%」という。
Figure 0006688267
反応式(1)、(2)の反応が平衡状態であり、フラックス中の有機酸と有機酸エステルの存在するモル数が同じとき、有機酸と有機酸エステルとの合計を100モル%とすると、有機酸が50モル%、有機酸エステルが50モル%である。1つの有機酸が有するカルボキシル基は1つ、1つの有機酸エステルが有するエステル基も1つなので、フラックス中に投入した有機酸の有機酸カルボキシル基ユニットを100ユニットモル%としたときに、有機酸カルボキシル基ユニットが50ユニットモル%、カルボン酸エステルユニットが50ユニットモル%である。すなわち、カルボキシル基のユニットモル%とエステル基のユニットモル%が同じ値となる。
次に、2官能の有機酸がエステル化する反応を反応式(4)に示す。
Figure 0006688267
反応式(4)の最も左に示す2官能の有機酸がエステル化するとき、まず2つのカルボキシル基のうち1つのカルボキシル基がエステル化した、反応式(4)の中央に示す有機酸モノエステルが形成される。更にエステル化が進むと、2つのカルボキシル基がエステル化した、反応式(4)の最も右に示す有機酸ジエステルが形成される。
平衡状態に達して、有機酸モノエステルが形成された場合、フラックス中の有機酸と有機酸モノエステルのモル数が同じとき、有機酸と有機酸モノエステルの合計を100モル%とすると、有機酸が50モル%、有機酸モノエステルが50モル%である。1つの有機酸が有するカルボキシル基は2つ、1つの有機酸モノエステルが有するカルボキシル基が1つ、エステル基が1つなので、有機酸カルボキシル基ユニットとカルボン酸エステルユニットの存在比は、3:1である。よって、フラックス中に投入した有機酸の有機酸カルボキシル基ユニットを100ユニットモル%としたときに、有機酸カルボキシル基ユニットが75ユニットモル%で、カルボン酸エステルユニットが25ユニットモル%である。
平衡状態に達して、有機酸ジエステルが形成された場合、有機酸が有するカルボキシル基も、有機酸ジエステルが有するエステル基も2つなので、有機酸と有機酸ジエステルが同数存在する場合、有機酸カルボキシル基ユニットと、カルボン酸エステルユニットの存在比は1:1となる。フラックス中に投入した有機酸の有機酸カルボキシル基ユニットを100ユニットモル%とした場合、カルボキシル基ユニットが50ユニットモル%で、カルボン酸エステルユニットが50ユニットモル%となる。
フラックス中に投入した有機酸の有機酸カルボキシル基ユニットを100ユニットモル%としたときに、カルボン酸エステルユニットの含有割合が0ユニットモル%以上50ユニットモル%以下であれば、有機酸カルボキシル基ユニットが50モル%以上100モル%以下存在する状態であるので、有機酸の活性が十分に存在する状態である。
次に、反応式(1)、(2)の反応が平衡状態であるときの、有機酸と有機酸エステルの濃度の関係について説明をする。有機酸と溶剤の種類、フラックス温度を固定した場合、下記の平衡定数式(5)によって、フラックス中のエステル濃度が決定される。
Figure 0006688267
但し、K1:平衡定数
[R1COOR2]:有機酸エステルの濃度
[HO]:水の濃度
[R1COOH]:有機酸の濃度
[R2OH]:アルコールの濃度
ここで、アルコールは溶剤中に過剰量存在するため、変動はないとみなしてよい。そのため、平衡定数式(5)は、平衡定数式(6)と近似できる。
Figure 0006688267
但し、K2:平衡定数
平衡定数式(6)を参照すると、平衡定数は一定値を保つため水の濃度[HO]を高くすることで、反応式(2)の反応を促進させ、エステル化していない有機酸の濃度[R1COOH]を高くすることができると考えられる。一方、フラックス中に水を多く含む場合、リフロー時に加熱された水が突沸すると、はんだが電極から外れた状態(ボールミッシング)が発生する。ボールミッシングは、はんだの接合不良や導電不良の原因となる。そこで発明者らは、エステルの形成を抑制するとともに、はんだ付け性を良好にするフラックスに含まれる組成の割合を見極めるため、表1、表2に示す組成で各実施例および各比較例のフラックスを用意し、各フラックスについて、次のように、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証を行った。
以下、実施例で本発明に係るフラックスの具体例を示すが、本発明は、以下の具体例に限定されるものではない。また、以下の表中で単位のない数値は、質量%を示す。
(I)エステル化抑制検証について
(A)評価方法
各実施例および比較例の各フラックスの酸価を、水酸化カリウムを用いてJIS K0070に準じて計測した。フラックスを40℃で4週間保管した後、各フラックスの酸価を計測した。各フラックスの酸価の低下率を算出した。
(B)判定基準
○:酸価の低下率が50%以内だった
×:酸価の低下率が50%を超えた
酸価は、フラックス1g中に含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価が高いフラックスほど、フラックス中の有機酸カルボキシル基ユニットのモル数が大きく、酸価が低いフラックスほど、フラックス中の有機酸カルボキシル基ユニットのモル数が小さい。
つまり、有機酸が、溶剤に含まれるヒドロキシ基と反応して有機酸エステルを形成すると、フラックス中の有機酸カルボキシル基ユニットのモル数が減るため、酸価が低下する。そのため、4週間後の酸価の低下率が高いフラックスほど、有機酸がエステル化した割合が高いフラックスであるといえ、酸価の低下率が低いフラックスほど、有機酸のエステル化が抑制されたフラックスであるといえる。
有機酸がエステル化すると、金属酸化膜を除去するという活性が失われる。有機酸のエステル化が抑制されたフラックスは、金属表面に存在する金属酸化膜を十分に除去することができるため、はんだ合金と接合対象物とを、強固に接合できる。酸価の低下率が50%以内となったフラックスは、フラックス中に投入した有機酸カルボキシル基ユニットを100ユニットモル%としたときに、エステル化したカルボン酸エステルユニットの含有割合が0ユニットモル%以上50ユニットモル%以下であるといえ、有機酸が有する金属酸化膜除去の性質を十分に有した状態といえる。そのため、発明者らは、酸価の低下率が50%以内となったフラックスが、有機酸のエステル化を抑制できるフラックスであることを見出だした。
(II)ボールミッシング抑制検証について
ボールミッシング抑制検証では、各実施例および比較例のフラックスについて、下記の条件1と条件2の2つの条件で検証を行った。
(A)評価方法:条件1
Sn−3Ag−0.5Cuの組成で、直径600μmのはんだボールを用意した。用意したはんだボールに、各実施例および比較例のフラックスをそれぞれ塗布した後、フラックスが塗布された各はんだボールを基板の電極に搭載した。そして、ハイスピードヒータを用いて基板を100℃設定で1分加熱した後、250℃で5秒加熱した。その後、室温で冷却した。室温まで冷却した後の電極の様子を目視で確認した。
(B)評価方法:条件2
Sn−3Ag−0.5Cuの組成で、直径600μmのはんだボールを用意した。用意したはんだボールに、各実施例および比較例のフラックスをそれぞれ塗布した後、フラックスが塗布された各はんだボールを基板の電極に搭載した。そして、ハイスピードヒータを用いて基板を110℃設定で1分加熱した後、250℃で5秒加熱した。その後、室温で冷却した。室温まで冷却した後の電極の様子を目視で確認した。
(C)判定基準
○○:条件1および条件2による検証で、はんだが、電極から外れずに残った。
○:条件1による検証で、はんだが、電極から外れずに残った。
×:条件1および条件2による検証で、はんだが電極から外れてボールミッシングが発生した。
ボールミッシングは、はんだの接合不良や導電不良の原因となる。加熱後に電極上にはんだが残ると、接合不良や導電不良を抑制したはんだバンプを形成できる。なお、条件2は、条件1よりも温度条件が厳しいため、条件1による検証でボールミッシングが見られなかったフラックスは、はんだ付け性が十分に良好なフラックスであると判断できる。条件1および条件2による検証でボールミッシングが見られなかったフラックスは、はんだ付け性が更に良好なフラックスであると判断する。
Figure 0006688267
Figure 0006688267
実施例1のフラックスは、純水を40質量%、有機酸としてリンゴ酸を15質量%、溶剤として1,3−プロパンジオールを45質量%含有する。実施例1のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例2のフラックスは、純水を40質量%、リンゴ酸を15質量%、アミンとしてイミダゾールを10質量%、1,3−プロパンジオールを35質量%含有する。実施例2のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例3のフラックスは、純水を50質量%、有機酸としてマロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを48質量%含有する。実施例3のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例4のフラックスは、純水を50質量%、リンゴ酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを48質量%含有する。実施例4のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例5のフラックスは、純水を60質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを38質量%含有する。実施例5のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例6のフラックスは、純水を70質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを28質量%含有する。実施例6のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例7のフラックスは、純水を80質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを18質量%含有する。実施例7のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
実施例8のフラックスは、純水を90質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを8質量%含有する。実施例8のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1でボールミッシングも発生しなかった。
実施例9のフラックスは、純水を40質量%、リンゴ酸を15質量%、イミダゾールを1質量%、1,3−プロパンジオールを44質量%含有する。実施例9のフラックスは、エステル化を抑制できた上に、条件1および条件2でボールミッシングも発生しなかった。
比較例1のフラックスは、純水を含有せず、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを98質量%含有する。比較例1のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例2のフラックスは、純水を含有せず、リンゴ酸を5質量%、イミダゾールを1質量%、1,3−プロパンジオールを94質量%含有する。比較例2のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例3のフラックスは、純水を0.1質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを97.9質量%含有する。比較例3のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例4のフラックスは、純水を5質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを93質量%含有する。条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例5のフラックスは、純水を10質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを88質量%含有する。比較例5のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例6のフラックスは、純水を10質量%、リンゴ酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを88質量%含有する。比較例6のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例7のフラックスは、純水を20質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを78質量%含有する。比較例7のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例8のフラックスは、純水を30質量%、マロン酸を2質量%、1,3−プロパンジオールを68質量%含有する。比較例8のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングは発生しなかったが、酸価の低下が50%を超えたため、エステル化の抑制が不十分であった。
比較例9のフラックスは、純水を98質量%、マロン酸を2質量%含有する。比較例9のフラックスは、条件1および条件2でボールミッシングが発生した。比較例9のフラックスは、溶剤を含有しないため、有機酸がエステル化しなかった。
実施例7、実施例8、比較例9のフラックスは、含有する成分が同じだが、実施例7では条件1および条件2でボールミッシングが発生せず、実施例8では条件1でボールミッシングが発生せず、比較例9では条件1および2でボールミッシングが発生した。これは、実施例7、8、比較例9のフラックスが含有する水の割合がそれぞれ違うからであるといえ、水の含有割合が多いとボールミッシングの原因になるといえる。これらの結果から、水の含有割合は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましいといえる。
水の含有割合が40質量%の実施例1のフラックスではエステル化を抑制できたが、水の含有割合が30質量%の比較例8のフラックスでは、酸価の低下が50%を超え、フラックスのエステル化を十分に抑制できなかった。実施例1と比較例8の結果から、水の含有割合が少ないとエステル化の抑制が不十分になるといえ、水の含有割合は、40質量%以上であることが好ましく、水の含有割合が多いほど、有機酸のエステル化が抑制されるといえる。
実施例1〜9のフラックスは、いずれも水を40質量%以上90質量%以下含有する。いずれの実施例も、エステル化を抑制できた上に、条件1でボールミッシングが発生しなかった。よって、水の含有割合は40質量%以上90質量%以下であることが好ましいといえる。更に、水の含有割合が40質量%以上80質量%以下の実施例1〜7、9のフラックスは、条件2でもボールミッシングが発生しなかった。このことから、水の含有割合は40質量%以上80質量%以下であることがより好ましいといえる。なお、本例では純水を用いて各検証を行ったが、蒸留水やイオン交換水等、各種純水を用いても同じ結果となった。
従来のフラックスでは、フラックス中の水が極力少量となるように含有されていた。それは、上述の通り、フラックス中に水を多く含む場合、水が加熱されて突沸すると、はんだが電極から外れてボールミッシングに繋がり、はんだの接合不良や導電不良を引き起こしていたからである。本例のフラックスでは、40質量%以上90質量%と、従来のフラックスに比べて多くの水を含有していてもボールミッシングを抑制できた。これは、フラックス中の水が反応式(2)に示すように、有機酸エステルの分解に使用されたからだと考えられる。
実施例1〜9のフラックスは、有機酸を2質量%以上15質量%以下含有し、いずれの実施例においてもエステル化が抑制された上に、条件1でボールミッシングが発生しなかった。このことから、有機酸の含有割合は2質量%以上15質量%以下が好ましいといえる。
実施例1、4と、他の実施例とでは、異なる有機酸を使用したが、どちらの有機酸も、いずれの検証でも良好な結果を得られた。他にも本明細書の段落[0016]に記載した有機酸を2質量%以上15質量%以下含有するフラックスも、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られたため、あらゆる有機酸を使用して好ましいといえる。
実施例2、9は、イミダゾールを10質量%、1質量%含有し、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られた。よって、イミダゾールを0質量%超10質量%以下含有しても、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られるといえる。
本例のアミンには、イミダゾールを使用したが、あらゆるアミンを使用することができ、他にも例えば本明細書の段落[0021]に記載したアミンを0質量%超10質量%以下含有するフラックスも、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られた。
実施例1〜9のフラックスは、いずれも溶剤を8質量%以上48質量%以下含有する。なお、表に示さないが、各実施例における溶剤の含有割合を0質量%超48質量%以下としても、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られた。これらの結果から、溶剤の含有割合は、0質量%超48質量%以下が好ましく、8質量%以上48質量%以下がより好ましいといえる。本例の溶剤には、1,3−プロパンジオールを使用したが、溶剤の種類はこれに限られず、本明細書の段落[0018]に記載した溶剤を使用してもエステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られた。
なお、本実施例において、各組成の含有割合は、上に記載した割合に限られない。また、上述した実施例に、本明細書の段落[0023]に記載した界面活性剤、段落[0022]に記載したハロゲン化合物、色素・顔料・染料等の着色剤、および消泡剤のいずれか、またはこれらの組み合わせを、本フラックスの性能を損なわない範囲で含有したフラックスも、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られた。
なお、上述したボールミッシング抑制検証の後、各基板の電極の様子を目視で確認したところ、各実施例のフラックスを塗布した基板の電極は、フラックス残渣が少なく、洗浄の必要がなかった。また、残渣が残っていても、水洗浄可能なものであった。このことからも、各実施例のフラックスは、はんだ付け性の良好なフラックスであるといえる。
本実施例では、水の含有割合を従来よりも多くして有機酸エステルを加水分解させることにより有機酸のエステル化を抑制したが、これに限られない。濃度式(4)を参照すると、有機酸エステルの濃度[R1COOR2]を高くすることでも、有機酸[R1COOH]の濃度を高くできると考えられる。そのため、事前に有機酸エステルを形成しておき、本実施例のフラックスに添加することで、有機酸のエステル化を抑制してもよい。添加する有機酸エステルとしては、添加する有機酸と溶剤から生成されるエステル化合物が好ましい。
本実施の形態では、はんだボールを用いてボールミッシング抑制検証を行ったが、これに限られない。上述の、エステル化抑制検証とボールミッシング抑制検証で良好な結果を得られたフラックスを、金属を核とする核ボールや金属核カラムの基板への実装にそれぞれ用いたところ、核ボールも金属核カラムも移動せずに安定して実装でき、所望の位置にはんだバンプを形成できた。

Claims (4)

  1. 水を40質量%以上90質量%以下、有機酸(アスコルビン酸を除く)を2質量%以上15質量%以下(2質量%以上3.2質量%以下は除く)、ヒドロキシ基を有する溶剤を0質量%超48質量%以下、を混合し、
    前記有機酸が、グルタル酸、フェニルコハク酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、プロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルブタン酸、リンゴ酸、酒石酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、トリマー酸のうち、少なくとも1種を含有するものであり
    前記溶剤に含まれるヒドロキシ基と前記有機酸との反応で有機酸エステルが形成されるエステル化と、有機酸エステルと水との反応による加水分解の両方が起こることにより、平衡状態になるものであって、
    上記混合の時に、前記有機酸が有する有機酸カルボキシル基ユニットのモル質量%を100ユニットモル%としたときに、上記平衡状態では、溶剤に含まれるヒドロキシ基と有機酸とによってエステル化したカルボン酸エステルユニットの含有割合が0ユニットモル%以上50ユニットモル%以下となることを特徴とするフラックスの製造方法
  2. 上記混合の時に、前記水の含有割合が40質量%以上80質量%以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のフラックスの製造方法
  3. 上記混合の時に、前記溶剤の含有割合が8質量%以上48質量%以下であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のフラックスの製造方法
  4. 上記混合の時に、活性補助成分としてアミンを0質量%超10質量%以下含有し、
    前記アミンは、イミダゾール類、脂肪族アミン、芳香族アミン、アミノアルコール、ポリオキシアルキレン型アルキルアミン、末端アミンポリオキシアルキレン、アミンハロゲン化水素酸塩のうち、少なくとも1種を含有することを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフラックスの製造方法
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