JP4043620B2 - はんだ用フラックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソルダペ−スト、やに入りはんだ、ポストフラックスに使用するはんだ用フラックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
はんだ付けにおいて、フラックスの使用は不可欠であり、▲1▼母材の酸化膜の除去、▲2▼母材や溶融はんだ表面への酸化防止膜の被覆、▲3▼溶融はんだの界面張力の減少による濡れ促進、▲4▼はんだ付け性の改善等の機能を奏する。
上記の機能をロジンの単一成分で充足させることは難しく、通常一種または二種以上の活性剤を添加している。
従来、はんだには伝統的にSn−Pbはんだが使用され、そのフラックスにはジエチルアミン塩酸塩やシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等の第1級アミン及び第2級アミンの塩酸塩や臭化水素酸塩が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近来、廃棄した電子機器からの溶出鉛が生態系に及ぼす悪影響や環境汚染が重視され、従来のPb系はんだからPbフリ−はんだへの転換が進められている。
而るに、上記Sn−Pbはんだ用フラックスは鉛フリ−はんだには適さず、鉛フリ−はんだ用フラックスの開発が要請されている。
【0004】
かかる現況下、本発明者等が鋭意検討した結果、第4級アンモニウムや第4級ホスホニウムのヨウ素塩をフラックスの活性剤とすれば、Snを主成分とする鉛フリ−はんだに対し優れた濡れ性、広がり性、耐腐食性を保証できることを知った。
従来、はんだ用フラックスの活性剤として第4級アンモニウムの塩素塩や臭素塩を使用することが提示されており(特開平3−180296号、特開平4−251692号、特開平10−99991号)、特に、特開平10−99991号には、Sn−Ag系やSn−Zn系の鉛フリ−はんだに対する有効性が開示されている。
【0005】
しかしながら、本発明者等のこれら活性剤についての検討結果によれば、耐腐食性が不充分である。
はんだ用フラックスの耐腐食性は、フラックス残渣の活性のためにはんだ付け部が腐食する程度を評価する特性であり、耐腐食性に劣るフラックスでははんだ付け後での洗浄をそれだけ厳重に行う必要があり、かかる重洗浄のもとではフロンや揮発性有機物によるオゾン層破壊や大気汚染等の環境破壊が招来され、はんだの鉛フリ−化による環境保全の意義が相殺されてしまう。
【0006】
而して、第4級アンモニウムのハロゲン塩のうち、特にヨウ素塩を活性剤とするフラックスがSnを主成分とする鉛フリ−はんだに対し優れた耐腐食性を発現する事実の技術的意義は極めて大である。
【0007】
本発明の目的は、上記の知見に基づき、第4級アンモニウムのヨウ素塩、3箇のハロゲン原子のうち少なくとも一箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩をSnを主成分とする鉛フリ−はんだのフラックスの主に活性剤として使用することにより、当該鉛フリ−はんだを用いたはんだ付けの優れた作業性や耐腐食性を保証することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るはんだ用フラックスは、Snを主成分とするPbフリ−はんだのはんだ付けに使用するフラックスであり、第4級アンモニウムモノヨ−ジド、3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドを含有することを特徴とする構成であり、第4級アンモニウムモノヨ−ジドとしてはテトラプロピルアンモニウムヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムヨ−ジド、テトラペンチルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘキシルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘプチルアンモニウムヨ−ジド、エチルトリプロピルアンモニウムヨ−ジド、トリメチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、トリエチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、レピジンイソアミルヨ−ジドの何れか一種または二種以上を使用でき、3箇のハロゲン原子のうち少なくとも一箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドとしてはテトラブチルアンモニウムトリヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨ−ジドの何れか一種または二種以上を使用でき、第4級ホスホニウムモノヨ−ジドとしてはメチルトリフェニルホスホニウムヨ−ジドを使用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るはんだ用フラックスは、Snを主成分とし鉛が0.1重量%以下の鉛フリ−はんだ、例えばSn−Ag系はんだを使用してのはんだ付けに使用され、ソルダペ−スト(クリ−ムはんだ)のフラックス、やに入りはんだのフラックス、フロ−法や鏝はんだ付けに使用されるポストフラックスとして用いることができる。
【0011】
本発明に係るはんだ用フラックスの組成は、重合ロジン,水添ロジン,天然ロジン,不均化ロジン等の有機樹脂と上記第4級アンモニウムモノヨ−ジド,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも一箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドの何れか一種または二種以上からなる活性剤(以下、主活性剤と称することがある)を基本成分とし、上記した用途に応じチキソ剤例えば水添ヒマシ油,高級脂肪酸アミドや有機溶剤例えばヘキシレングリコ−ル,オクチレングリコ−ル,ブチルカルビト−ル,ブチルセロソルブ,ヘキシルセロソルブ,ジブチルカルビト−ル,ベンジルセルソルブ,プロピレングリコ−ル,ジプロピレングリコ−ル,プロピレングリコ−ルモノフェニルエ−テル,ブチルカルビト−ルアセテ−ト等のグリコ−ル系溶剤やイソプロピルアルコ−ル,α・テレピネオ−ル,ベンジルアルコ−ル等のアルコ−ル系溶剤等が添加される。
【0012】
また、汎用の活性剤、例えばアジピン酸,セバシン酸,コハク酸,パルミチン酸,ミリスチン酸,カプリン酸,ベンジル酸,アントラニル酸,ジグリコ−ル酸等の有機酸、シクロヘキシルアミン,ヘキシルアミン,ジエタノ−ルアミン,ジエタノ−ル,トリエタノ−ルアミン,ジフェニルグアニジン,ピコリン,ルチジン,ピペリジン等のアミン類のハロゲン化水素酸塩、ジブロモブテンジオ−ル,1,1,2,2−テトラブロモエタン,2,3−ジブロモコハク酸,モノブロモプロピオン等の有機ハロゲン化合物等を補助的に添加することもできる。
【0013】
上記第4級アンモニウムモノヨ−ジド,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドの何れか一種または二種以上からなる活性剤の添加量は分子量と1分子中のハロゲンの箇数に応じ有機樹脂100重量部に対し0.1〜15重量部とされる。
【0014】
上記ソルダペ−ストのフラックスの組成は、有機樹脂30〜60重量%、チキソ剤3〜20重量%、主活性剤0.1〜10.0重量%、補助活性剤0〜5.0重量%、残部溶剤とすることができ、ソルダペ−ストの組成は、Snを主成分とする鉛フリ−の粉末はんだに対しフラックスの割合を8〜20重量%とすることができる。
【0015】
上記やに入りはんだのフラックスの組成は、主活性剤0.1〜15.0重量%、補助活性剤0〜10.0重量%、残部有機樹脂とすることができ、やに入りはんだの組成は、Snを主成分とする鉛フリ−のはんだに対しフラックスの割合を1〜5重量%とすることができる。
【0016】
上記ポストフラックスの組成は、有機樹脂5〜40重量%、主活性剤0.1〜10.0重量%、補助活性剤0〜10.0重量%、残部溶剤とすることができる。
【0017】
【実施例】
実施例1〜6及び比較例1〜8はソルダペ−ストについての実施例とその比較例である。
〔実施例1〕
有機樹脂として重合ロジン50重量%、チキソ剤として水添ヒマシ油7重量%、主活性剤としてテトラブチルアンモニウムヨ−ジド0.8重量%、補助活性剤としてアジピン酸0.3重量%とジブロモブテンジオ−ル0.5重量%、残部のヘキシレングリコ−ルを混合して本発明に係るフラックスを調製した。
このフラックスとSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径45〜25μm)とをフラックス含有量10.7重量%で混練してソルダペ−ストを得た。
【0018】
〔実施例2〜6〕
実施例1に対し、主活性剤を表1に示すように別の第4級アンモニウムモノヨ−ジド,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドに変更した以外、実施例1と同様にして本発明に係るフラックスを調製した。また、それぞれのフラックスを用い実施例1と同様にしてソルダペ−ストを得た。
【0019】
〔比較例1及び2〕
実施例1及び2のフラックスの鉛系はんだに対する有効性を評価するために、実施例1及び2に対し、はんだ粉末をSn63/Pbはんだ粉末に変更した(はんだに対するフラックスの体積割合は実施例1及び2に等しくしたが、はんだ粉末の比重の相違のためにフラックスの含有重量%が実施例1及び2とはやや異なっている)。
【0020】
〔比較例3及び4〕
実施例1のフラックスの主活性剤であるテトラブチルアンモニウムのヨウ素塩を塩素塩及び臭素塩に置換した場合の有効性を評価するために、主活性剤をテトラブチルアンモニウムクロリド及びテトラブチルアンモニウムブロミドに変更して表1に示す通りの組成のフラックスを調製し、実施例と同様にして各フラックスとSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径45〜25μm)とをフラックス含有量10.7重量%で混練してソルダペ−ストを得た。
【0021】
〔比較例5及び6〕
実施例2のフラックスの主活性剤であるトリメチルベンジルアンモニウムのヨウ素塩を塩素塩及び臭素塩に置換した場合の有効性を評価するために、主活性剤をトリメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリメチルベンジルアンモニウムブロミドに変更して表1に示す通りの組成のフラックスを調製し、実施例1〜6と同様にして各フラックスとSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径45〜25μm)とをフラックス含有量10.7重量%で混練してソルダペ−ストを得た。
【0022】
〔比較例7〕
従来のSn−Pb系はんだ用フラックスの鉛フリ−はんだに対する有効性を評価するために表1に示す通りの組成の通常のフラックスを調製し、実施例1〜6と同様にしてフラックスとSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末(粒径45〜25μm)とをフラックス含有量10.7重量%で混練してソルダペ−ストを得た。
【0023】
【表1】
【0024】
これらの実施例品1〜6及び比較例品1〜7のフラックスを評価するために次の試験を行った。
〔ソルダペ−ストの濡れ性・ソルダボ−ル試験〕
ソルダペ−ストをメタルマスクを用いて印刷したのち、リフロ−法ではんだ付けを行い、濡れの状態及びソルダボ−ルの発生状態を観察した。
非常に良好な濡れを◎、良好な濡れを○、劣る濡れを△、非常に劣る濡れを×と評価し、ソルダボ−ル発生の全く無いものを◎、やや発生したものを○、多く発生したものを△、非常に多く発生したものを×と評価した。
【0025】
〔ソルダペ−ストの広がり試験〕
JIS Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.10広がり試験に準拠して広がり率を測定した。ただし、実施例1〜6及び比較例3〜7のはんだ粉末にSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末を使用したものでは、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温度を250℃とした。
【0026】
〔ソルダペ−ストの腐食性試験〕
JIS Z 3284 付属書4 フラックス残渣の腐食性試験に準じて試験した。ただし、実施例1〜6及び比較例3〜7のはんだ粉末にSn96.5/Agの鉛フリ−はんだ粉末を使用したものでは、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温度を250℃とした。
腐食が非常に軽度のものを◎、軽度のものを○、やや重度のものを△、重度のものを×と評価した。
【0027】
表2は、実施例品1〜6及び比較例品1〜7のフラックスの評価結果を示している。
【0028】
【表2】
【0029】
この評価結果から次のことが明らかである。
(1)第4級アンモニウムのヨウ素塩,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩を主活性剤とする実施例1〜6のフラックスは鉛フリ−はんだに対しては全ての評価試験に合格しており、鉛フリ−はんだに好適なフラックスである。しかし、比較例1及び2の評価結果から鉛系はんだにはソルダボ−ル試験や濡れ性試験に不合格であり、前記適格性は鉛フリ−はんだに対する固有の適性である。
【0030】
(2)第4級アンモニウムのヨウ素塩,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩を主活性剤とする実施例1〜6のフラックスは鉛フリ−はんだに対して著しく優れた耐腐食性を呈するが、そのヨウ素塩を塩素塩や臭素塩に置換した比較例3〜6のフラックスの鉛フリ−はんだに対する耐腐食性が劣っている。
従って、本発明に係るはんだ用フラックスは鉛フリ−はんだに対し、優れた濡れ性や広がり性のみならず従来の「第4級アンモニウムの塩素塩や臭素塩を主活性剤とするフラックス」では期待できない優れた耐腐食性を保証できる。
【0031】
実施例7と8及び比較例8〜11はやに入りはんだについての実施例とその比較例である。
〔実施例7〕
表3に示すように、主活性剤としてテトラブチルアンモニウムヨ−ジド1.0重量%、補助活性剤としてアジピン酸0.3重量%、残部が有機樹脂としての重合ロジンを混合して本発明に係るフラックスを調製した。
Sn95.8/Ag3.5/Cu0.7の鉛フリ−はんだの中空孔にフラックスを充填し線引きしてフラックス含有量2.0重量%のやに入りはんだを作成した。
【0032】
〔実施例8〕
表3に示すように、主活性剤としてテトラブチルアンモニウムヨ−ジド0.5重量%、補助活性剤としてアジピン酸0.3重量%とシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩0.3重量%、残部が有機樹脂としての重合ロジンを混合して本発明に係るフラックスを調製し、このフラックスを用いて実施例7と同様にしてやに入りはんだを作成した。
【0033】
〔比較例8及び9〕
実施例7のフラックスの主活性剤であるテトラブチルアンモニウムのヨウ素塩の有効性を評価するために、主活性剤をテトラブチルアンモニウムブロミド及びトリメチルベンジルアンモニウムクロリドに変更して表3に示す通りの組成のフラックスを調製し、各フラックスを用いて実施例8と同様にしてやに入りはんだを作成した。
【0034】
〔比較例10〕
従来のSn−Pb系はんだ用フラックスの鉛フリ−はんだに対する有効性を評価するために表3に示す通りの組成のフラックスを調製し、このフラックスを用いて実施例8と同様にしてやに入りはんだを作成した。
【0035】
〔比較例11〕
実施例7のフラックスの鉛系はんだに対する有効性を評価するために、表3に示す通り実施例7のフラックスとSn60/Pbの鉛系はんだを用い実施例7と同様にしてやに入りはんだを作成した。
【0036】
【表3】
【0037】
これらの実施例品7と8及び比較例品8〜11のフラックスを評価するために次の試験を行った。
【0038】
〔やに入りはんだの広がり試験〕
JIS Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.10広がり試験に準拠して広がり率を測定した。ただし、実施例7と8及び比較例8〜10のはんだにSn95.8/Ag3.5/Cu0.7の鉛フリ−はんだを使用したものでは、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温度を250℃とした。
【0039】
〔やに入りはんだの腐食性腐食性試験〕
JIS Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.6.1銅板腐食試験に準じて試験した。ただし、実施例7と8及び比較例8〜10のはんだにSn95.8/Ag3.5/Cu0.7の鉛フリ−はんだを使用したものでは、実際のリフロ−温度を考慮して加熱温度を250℃とした。
腐食が非常に軽度のものを◎、軽度のものを○、やや重度のものを△、重度のものを×と評価した。
【0040】
表4は、実施例品7と8及び比較例品8〜11のフラックスの評価結果を示している。
【0041】
【表4】
【0042】
この評価結果から次のことが明らかである。
すなわち、第4級アンモニウムのヨウ素塩を主活性剤とする実施例7と8のフラックスは鉛フリ−はんだに対しては耐腐食性及び広がりとも、比較例8と9の主活性剤が第4級アンモニウムの塩素塩及び臭素塩のものに較べて優れており、鉛フリ−のやに入りはんだのフラックスとして好適である。3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩を主活性剤とする場合にも、適格であることは前記ソルダペ−ストの適格性から類推できる。
【0043】
実施例9〜11及び比較例12はポストフラックスについての実施例とその比較例である。
〔実施例9〜11〕
活性剤に表5に示す第4級アンモニウムモノヨ−ジド,3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムモノヨ−ジドを使用し、表5に示すように樹脂と溶剤と活性剤とで本発明に係るフラックスを調製した。
広がり試験及び腐食性試験に用いるはんだはSn90/Bi7.5/Ag2.0/Cu0.5の鉛フリ−はんだとした。
【0044】
〔比較例12〕
実施例10のフラックスの主活性剤であるテトラプロピルアンモニウムのヨウ素塩を評価するために、主活性剤をテトラブチルアンモニウムブロミドに変更して表5に示す通りの組成のフラックスを調製した。
【0045】
【表5】
【0046】
これらの実施例品9〜11及び比較例品12とフラックスを評価するために次の試験を行った。
【0047】
〔ポストフラックスの広がり試験〕
JIS Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.10広がり試験に準拠して広がり率を測定した。
【0048】
〔ポストフラックスの腐食性試験〕
JIS Z 3197はんだ付用樹脂系フラックス試験方法6.6.1銅板腐食試験に準じて試験した。ただし、腐食の結果を顕著にするために試験片は研磨を行わず、ソルダペ−ストの評価方法と同様な方法でエッチングを行った。
腐食が非常に軽度のものを◎、軽度のものを○、やや重度のものを△、重度のものを×と評価した。
【0049】
表6は、実施例品9〜11及び比較例品12のフラックスの評価結果を示している。
【0050】
【表6】
【0051】
この評価結果から次のことが明らかである。
すなわち、第4級アンモニウムのヨウ素塩を主活性剤とする実施例9〜11のフラックスは鉛フリ−はんだに対しては耐腐食性及び広がりとも、比較例12の主活性剤が第4級アンモニウムの臭素塩のものに較べて優れており、鉛フリ−はんだのポストフラックスとして好適である。3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドまたは第4級ホスホニウムのヨウ素塩を主活性剤とする場合にも、適格であることは前記ソルダペ−ストの適格性から類推できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係るフラックスを使用すれば、鉛フリ−はんだを用いる場合に従来のフラックスを用いるときよりも、優れたはんだ付け性、作業性、耐腐食性ではんだ付けでき、はんだの鉛フリ−化の促進に極めて有用である。
Claims (8)
- Snを主成分とするPbフリ−はんだのはんだ付けに使用するフラックスであり、活性剤として第4級アンモニウムモノヨ−ジドを含有することを特徴とするはんだ用フラックス。
- Snを主成分とするPbフリ−はんだのはんだ付けに使用するフラックスであり、活性剤として、3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライドを含有することを特徴とするはんだ用フラックス。
- Snを主成分とするPbフリ−はんだのはんだ付けに使用するフラックスであり、活性剤として第4級ホスホニウムモノヨ−ジドを含有することを特徴とするはんだ用フラックス。
- 第4級アンモニウムモノヨ−ジドが、テトラプロピルアンモニウムヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムヨ−ジド、テトラペンチルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘキシルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘプチルアンモニウムヨ−ジド、エチルトリプロピルアンモニウムヨ−ジド、トリメチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、トリエチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、レピジンイソアミルヨ−ジドの何れか一種または二種以上である請求項1記載のはんだ用フラックス。
- 第4級アンモニウムトリハライドが、テトラブチルアンモニウムトリヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨ−ジドの何れか一種または二種以上である請求項2記載のはんだ用フラックス。
- 第4級ホスホニウムモノヨ−ジドがメチルトリフェニルホスホニウムヨ−ジドである請求項3記載のはんだ用フラックス。
- Snを主成分とするPbフリ−はんだのはんだ付けに使用するフラックスであり、活性剤として、第4級アンモニウムモノヨ−ジド、3箇のハロゲン原子のうち少なくとも1箇がヨウ素原子である第4級アンモニウムトリハライド、第4級ホスホニウムモノヨ−ジドの何れか一種また二種以上を含有することを特徴とするはんだ用フラックス。
- 第4級アンモニウムモノヨ−ジドが、テトラプロピルアンモニウムヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムヨ−ジド、テトラペンチルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘキシルアンモニウムヨ−ジド、テトラヘプチルアンモニウムヨ−ジド、エチルトリプロピルアンモニウムヨ−ジド、トリメチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、トリエチルベンジルアンモニウムヨ−ジド、レピジンイソアミルヨ−ジドの何れか一種または二種以上であり、第4級アンモニウムトリハライドが、テトラブチルアンモニウムトリヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨ−ジド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨ−ジドの何れか一種または二種以上であり、第4級ホスホニウムモノヨ−ジドがメチルトリフェニルホスホニウムヨ−ジドである請求項7記載のはんだ用フラックス。
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