JP3759379B2 - 無鉛はんだ用フラックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉛を含まない無鉛はんだに用いられる無鉛はんだ用フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、従来の鉛−スズ系はんだに代わって鉛を含まない(鉛フリー)スズ−銀系はんだ、スズ−ビスマス系はんだ、スズ−亜鉛系はんだなどの無鉛はんだが開発されている。
これは、人体に有害とされる鉛を使用しないようにし、健康や環境への悪影響を避けるようにするためである。
ところが、この種の無鉛はんだにあっては、溶融時のはんだの広がりが従来の鉛−スズ系はんだに比べて劣るため、ロジン(松ヤニ)を主体とし、これにジエチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩などの活性剤を少量配合した活性効果の高いフラックスが用いられている。
【0003】
しかし、この種の活性剤を含むフラックスにあっては、塩素、臭素などのハロゲン元素が含まれており、ダイオキシンや有害ハロゲンガスの発生などの環境汚染を引き起す可能性を有している。このため、ハロゲン元素を含まない無鉛はんだ用フラックスが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、無鉛はんだに好適で、かつハロゲン元素を含まないフラックスを得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、無鉛はんだに用いられるフラックスであって、アニリドとオキシ酸および/またはカルボン酸の混合物からなる活性剤5〜20重量%と、ロジン80〜95重量%からなる無鉛はんだ用フラックスである。
請求項2にかかる発明は、無鉛はんだが、スズ−銀系はんだである請求項1記載の無鉛はんだ用フラックスである。
請求項3にかかる発明は、無鉛はんだからなる中空糸状体の内部空間に請求項1記載のフラックスを充填してなるヤニ入り糸はんだである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のフラックスは、ロジン80〜95重量%と活性剤5〜20重量%からなる組成物である。
ここでのロジンとしては、特に限定されることはなく、天然ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、精製ロジンなどが用いられ、これらの2種以上の混合物であってもよい。
【0007】
また、活性剤としては、アニリドとオキシ酸および/またはカルボン酸の混合物からなるものが用いられる。
ここでのオキシ酸としては、グリコール酸、グリセリン酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸などの1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0008】
また、カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの1種または2種以上の混合物が用いられる。
さらに、アニリドとしては、ベンズアニリド、マロンアニリド、フタルアニリド、サルチルアニリド、シトラアニリド、スクシンアニリド、パルミチンアニリド、ミリスチンアニリド、マレインアニリド、マルアニリド、ステアリンアニリドなどの1種または2種以上の混合物が用いられる。
これらのオキシ酸、カルボン酸およびアニリドには、塩素などのハロゲン元素を分子内に含まないものが選択される。
【0009】
そして、アニリドとオキシ酸および/またはカルボン酸の混合物からなるものが活性剤とされる。すなわち、カルボン酸とアニリドとの混合物、アニリドとオキシ酸との混合物、オキシ酸とカルボン酸とアニリドとの混合物のいずれかが活性剤とされる。
これら2種または3種の化合物の混合比は、重量比で、カルボン酸1部に対してアニリド0.1〜3部、アニリド1部に対してオキシ酸1〜2部、オキシ酸1部に対してカルボン酸0.1〜2部とアニリド0.1〜2部とされる。
【0010】
ロジンと活性剤との混合比は、ロジン80〜95重量%、活性剤5〜20重量%とされる。ロジンが80重量%未満では腐食が大となり、95重量%を越えると活性が小となる。
ロジンと活性剤とは、その所定量を計量、混練し、均一な組成物とすることで本発明のフラックスとされる。この混練に際しては、若干混合物を加温し、その粘度を下げて混練を容易としてもよい。
【0011】
このようなフラックスは、スズ−銀系はんだ、スズ−亜鉛系はんだ、スズ−インジウム系はんだ、スズ−ビスマス系はんだなどの無鉛はんだと組み合せて好適に用いられるが、特にスズ−銀系はんだと組み合せて用いることが好ましく、このはんだの溶融時の広がりが良好となる。
このスズ−銀系はんだとしては、スズ99.5〜95重量%、銀0.5〜5重量%の合金組成を有するものが用いられる。
【0012】
また、このようなフラックスは、図1に示すようなヤニ入り糸はんだに用いることができる。
図1において、符号1はスズ−銀系はんだなどの無鉛はんだからなる外径0.3〜3mm、内径0.05〜1.8mmの中空糸状の糸はんだ本体を示す。この糸はんだ本体1の内部の空間に上述の組成のフラックス2が充填されて、ヤニ入り糸はんだ3となっている。
【0013】
このような組成のフラックスにあっては、活性効果が高く、溶融状態の無鉛はんだを良好にフローせしめ、はんだの広がりを十分に得ることができ、従来のロジンにジエチルアミン塩酸塩などの活性剤を配合したフラックスと同等の活性効果を示し、作業性も従来のフラックスに劣らない。
また、フラックスを構成するすべての成分には塩素などのハロゲン元素が含まれておらず、このフラックスが焼却処分されてもダイオキシンや有害ハロゲンガスが発生することがない。
さらに、ハロゲン元素が含まれていないので、はんだ付けされる銅などの母材金属が腐食することがなく、はんだ付け後のフラックスの除去を省略することもできる。
【0014】
以下、具体例を示す。
表1および表2に示す配合組成のフラックスを作製し、これらのフラックスを用いてはんだ付け時のはんだの広がり率を求めた。
この広がり率は、JISZ3197にて規定されるはんだの広がり法によって測定されたものである。
また、ここで使用したはんだは、96.5スズ−3.5銀(重量比)のスズ−銀系無鉛はんだである。
広がり率の結果を表3に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
表1および表2における「ロジンWW」とは酸価が160以上の精製した松ヤニである。
表3から、本発明のフラックスにあっては、従来の比較例1〜3に示すハロゲン含有化合物の活性剤を有するフラックスと同程度のはんだの広がりを確保できることがわかる。
また、参考例1に示す従来のオキシ酸およびカルボン酸の活性剤を有するフラックスと比較して、実施例1〜 4 に示す本発明のフラックスは、はんだの広がり率が高く、特に、実施例3および4に示す、オキシ酸、カルボン酸、アニリドの混合物からなる活性剤を有するフラックスで、アニリドの添加による、はんだの広がり率向上が明確に確認される。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の無鉛はんだ用フラックスによれば、フラックス中に塩素などのハロゲン元素が含まれていないので、これを焼却処分してもダイオキシンなどの有害物質を発生することがない。
また、ハロゲン元素が含まれていないので、はんだ付けされた母材金属が腐食することがなく、長期的な信頼性が向上する。
さらに、従来のフラックスと同程度の活性効果が得られ、スズ−銀系はんだなどの無鉛はんだに対しても良好な広がりを示し、作業性も従来のものに劣ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヤニ入り糸はんだの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 糸はんだ本体
2 フラックス
3 ヤニ入り糸はんだ
Claims (3)
- 無鉛はんだに用いられるフラックスであって、アニリドとオキシ酸および/またはカルボン酸の混合物からなる活性剤5〜20重量%と、ロジン80〜95重量%からなる無鉛はんだ用フラックス。
- 無鉛はんだが、スズ−銀系はんだである請求項1記載の無鉛はんだ用フラックス。
- 無鉛はんだからなる中空糸状体の内部空間に請求項1記載のフラックスを充填してなるヤニ入り糸はんだ。
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