JP2001252787A - ハンダ付けフラックス、ハンダペースト、ハンダ付け方法、接合物 - Google Patents

ハンダ付けフラックス、ハンダペースト、ハンダ付け方法、接合物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】保存安定性、リフロー特性の優れたハンダ付け
フラックス、ハンダペースト、並びにファインピッチ
化、部品の多様化に対応した信頼性の高い、ハンダ付け
方法、接合物を提供する。 【解決手段】フラックス中に還元剤として、アスコルビ
ン酸またはその誘導体の1価基の化学構造と、トコフェ
ロールまたはその誘導体の1価基の化学構造とを少なく
とも有する化合物、またはその化合物の塩を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保存安定性、リフロ
ー特性に優れたハンダ付けフラックス及びハンダペース
ト、並びに、該ハンダペーストを用いたハンダ付け方
法、及び接合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンダ付けフラックス、ハンダペースト
は、エレクトロニクス産業において電子部品を表面実装
するために用いられる。ハンダペーストはその印刷適
性、粘着性のため自動化に適しており、近年その使用量
が増大している。
【0003】エレクトロニクス産業においては、ハンダ
ペーストはプリント基板上にスクリーン印刷またはディ
スペンサーにより塗布され、電子部品が載置され、つい
でリフローして電子部品が固定化される。ここでリフロ
ーとは電子部品が載置された基板を予熱しその後ハンダ
ペーストを融解温度以上に加熱し部品の接合を行う一連
の操作を言う。
【0004】一方、最近では電子製品の小型化のためフ
ァインピッチ化が要求され、ファインピッチの部品、例
えば0.3mmピッチのQFP(Quad Flat
Package)タイプLSIの使用や、さらにはCS
P(Chip Size Package)などが多く
用いられている。このため、ハンダ付けフラックス、ハ
ンダペーストには、ファインピッチ対応の印刷性能が要
求されている。このような産業界の要望に応えるため、
ハンダ粒子の平均粒子径を下げることがなされている
が、一方ハンダ粒子全体の比表面積が増大するため、ハ
ンダ粒子とフラックスとの反応が促進され、ハンダペー
ストの保存安定性が一層悪化するという問題点があっ
た。
【0005】ハンダペーストの保存安定性低下の最大原
因は、保存中にハンダ粉末がフラックスと優先的に反応
し、ハンダ粉末の酸化が進行してフラックス中の活性剤
が消費され、フラックスの活性度が低下すると同時に、
反応生成物によりハンダペーストの粘度が増加してしま
うためである。このため、ハンダペーストの使用におい
て、適正な印刷特性が維持出来なくなる上に、リフロー
時に溶解しなくなるという問題が生ずる。
【0006】従来よりハンダペーストの保存安定性を向
上させるために、ハンダ粒子の表面を保護し、粒子金属
の反応性を下げる努力がなされてきた。
【0007】例えば、ハンダ粉末をグリセリンで被覆す
る方法(特公平5−26598号公報)、ハンダ粉末を
ハンダペーストの溶剤に対し不溶性あるいは難溶性のコ
ーティング剤によりコートする方法(特開平1−113
197号公報)が開示されている。後者のコーティング
剤の好適な例としてはシリコーンオイル、シリコーンベ
ース高分子量化合物、フッ素化シリコーンオイル、フル
オロシリコーン樹脂およびフッ素化炭化水素ベース高分
子化合物などが挙げられている。
【0008】またハンダ粉末を、常温ではフラックスと
不相溶であるが、ハンダ付け温度で相溶するロジンを主
体とする樹脂でコートする方法(特開平3−18469
8号公報、特開平4−251691号公報)が開示され
ている。
【0009】前述の方法では、比較的多量のコーティン
グ剤で被覆を行えばハンダ粉末の酸化を抑えるのに有効
であるが、多量の被覆材料はハンダペーストのリフロー
に対しむしろ不都合であって、逆にハンダボールが多発
するおそれがある。またこれらの被覆は物理的に行われ
ているだけで、付着は非常に弱いと考えられ、ハンダペ
ーストを製造する際の混練あるいは使用時の移送、印刷
等の取扱ではがれてしまう恐れが強い。また、前述のロ
ジンを主体とする樹脂のコーティング剤はそれ自身に反
応性の有機酸を多く含み粉末を保護しているとは言い難
い。
【0010】その他、ハンダ付けフラックスの添加剤と
して、フェノール系、フォスファイト系または硫黄系の
抗酸化剤を添加する方法(特公昭59−22632号公
報、特開平3−124092号公報)、分子内に第三ブ
チル基のついたフェノ−ル骨格を一つまたはそれ以上含
む酸化防止剤の一種またはそれ以上を1〜30重量%添
加する方法(特開平5−185283号公報)、ビタミ
ンA〜Y等を添加する方法(特開平11−267885
号公報)、また特定の界面活性剤を用いること(特開平
2−147194号公報)などが提案されているが、こ
れらの添加によってもハンダペーストの保存安定性を高
める効果は十分ではなく、またリフロー時におけるハン
ダ粉の酸化を防止する効果についてはほとんどない。
【0011】また最近は環境問題から、鉛を含まないP
bフリーハンダペーストやPbフリーハンダ用のフラッ
クスが推奨されており、これに対応すべく開発が進めら
れている。この中で特に有望なものとして注目されてい
るSn−Zn系のハンダペーストは、通常のPbベース
のハンダペーストより更に保存安定性が悪く、ハンダ粉
末中の、Znの酸化の進行やZnとフラックスとの反応
により、経時的に粘度が上昇する。特にZnが常温にお
いてフラックス中の有機ハロゲン化合物の分解物である
臭素等と反応し、ハンダペーストの保存安定性を悪化さ
せている。
【0012】また、リフロー時においてもZnの酸化が
進行することにより、リフロー特性が低下し、ハンダボ
ールの発生により接合物の信頼性が低下する。更に、フ
ラックス中のハロゲン化合物と、ハンダ粉末中のZnが
反応して微量の水素ガスを発生し、この発生した水素ガ
スが部品接合後もハンダフィレット内に内蔵されるた
め、信頼性に重大な影響をもたらすことも明かになって
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みなされたもので、保存安定性、リフロー特性に
優れたハンダ付けフラックス、ハンダペーストを提供
し、更にこのハンダペーストを用いることにより、信頼
性の高いハンダ付け方法、及び接合物を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するベく鋭意努力し検討した結果、従来より酸化
防止剤として化粧品、医薬品等に用いられているトコフ
ェロールとアスコルビン酸の化合物(特開昭59−21
9295号公報、特開昭62−187470号公報、特
開昭63−139972号公報、特公平1−27044
号公報、特開平5−331166号公報)をハンダ付け
フラックスに添加したところ、常温でのハンダペースト
の保存安定性が高められると共に、特にリフロー温度で
のハンダ粉の酸化が防止され、飛躍的にリフロー特性が
高められるという格別な効果が得られることを発見し本
発明を完成させた。即ち、本発明は、[1]フラックス
中に、アスコルビン酸またはその誘導体の1価基の化学
構造とトコフェロールまたはその誘導体の1価基の化学
構造とを少なくとも有する化合物を含むことを特徴とす
るハンダ付けフラックス、[2]フラックス中に、アス
コルビン酸またはその誘導体の1価基の化学構造とトコ
フェロールまたはその誘導体の1価基の化学構造とを少
なくとも有する化合物の塩を含むことを特徴とするハン
ダ付けフラックス、[3]前記化合物が、アスコルビン
酸またはその誘導体の1価基の化学構造とトコフェロー
ルまたはその誘導体の1価基の化学構造とが、リン酸に
ジエステル結合した化合物であることを特徴とする
[1]または[2]に記載のハンダ付けフラックス、
[4]前記化合物が、アスコルビン酸またはその誘導体
の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその誘導体
の1価基の化学構造とが、グリセリン成分にエーテル結
合した化合物であることを特徴とする[1]または
[2]に記載のハンダ付けフラックス、[5]前記化合
物が、アスコルビン酸またはその誘導体の1価基の化学
構造とトコフェロールまたはその誘導体の1価基の化学
構造とが、ジカルボン酸にジエステル結合した化合物で
あることを特徴とする[1]または[2]に記載のハン
ダ付けフラックス、[6][1]〜[5]の何れか1項
に記載のハンダ付けフラックスとハンダ粉末とからなる
ハンダペースト、[7]前記ハンダ粉末が、Snおよび
Zn、又はSnおよびAgの元素を含有することを特徴
とする[6]に記載のハンダペースト、[8][6]ま
たは[7]に記載のハンダペーストを、回路板上に塗布
する工程と、該ハンダペーストをリフローする工程とを
含むことを特徴とする回路板のハンダ付け方法、[9]
[8]に記載の回路板のハンダ付け方法により製造した
接合物に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】ハンダ付けフラックスは、ロジン
または合成樹脂系の樹脂成分、活性剤として有機ハロゲ
ン化合物、溶剤、チクソトロピック剤、酸化防止剤等を
配合したものである。本発明では酸化防止剤(還元剤)
として、1分子中にアスコルビン酸またはその誘導体の
1価基の化学構造とトコフェロールまたはその誘導体の
1価基の化学構造構造とを少なくとの有する化合物、ま
たはその化合物の塩を添加することを特徴とする。
【0016】1分子中にアスコルビン酸またはその誘導
体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその誘導
体の1価基の化学構造構造とを少なくとも有する化合物
とは、化合物の安定性を考慮すると、例えば、アスコル
ビン酸またはその誘導体の2位水酸基、3位水酸基また
は6位水酸基と、トコフェロールまたはその誘導体の6
位水酸基とが反応した構造を持つものが好ましい。ま
た、アスコルビン酸またはその誘導体とトコフェロール
またはその誘導体の結合様式としては、リン酸またはジ
カルボン酸のジエステル結合またはグリセリンのエーテ
ル結合が含まれるようにするのが好ましい。
【0017】このような結合様式の化合物が、ハンダペ
ーストの保存安定性や、特にハンダ付けフラックスのリ
フロー特性を改善させる理由は、おそらく常温でのハン
ダペーストの保存時においては、これらの化合物は安定
で、ハンダ粉に対し比較的低い還元作用を有するのに対
し、高温に加熱されるリフロー時においては、本発明の
化合物がフラックス中に含まれる有機ハロゲン化合物と
の相互作用により、ハンダ粉末に対する高い還元作用を
示すからと考えられる。
【0018】本発明の化合物に用いられるアスコルビン
酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸−6−パル
ミテート、アスコルビン酸−6−ステアレート、アスコ
ルビン酸−6−ミリスチレート、アスコルビン酸−5,
6−O−イソプロピリデン、アスコルビン酸−5,6−
O−ベンジリデン、アスコルビン酸−2−パルミテー
ト、アスコルビン酸−2−ステアレート、アスコルビン
酸−2−ミリスチレート、アスコルビン酸−2,6−ジ
パルミテート、アスコルビン酸−2,6−ジステアレー
ト、アスコルビン酸−2,6−ジミリスチレート、ウリ
ジン等が挙げられる。また、本発明の化合物に用いられ
るトコフェロール誘導体としては、α−トコフェロー
ル、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、トコー
ル、5,7−ジメチルトコール、5,7−ジエチルトコ
ール、5,7−ジイソプロピルトコール、7−ターシャ
リーブチル−5−メチルトコール、8−ターシャリーブ
チル−5−メチルトコール、7−ターシャリーブチル−
5−イソプロピルトコ−ル、5,7−ジエチル−8−メ
チルトコール、8−メチル−5,7−ジイソプロピルト
コール等が挙げられる。
【0019】本発明の、アスコルビン酸またはその誘導
体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその誘導
体の1価基の化学構造とがリン酸とジエステル結合して
いる化合物には、アスコルビン酸またはその誘導体の2
位水酸基とトコフェロールまたはその誘導体の6位水酸
基がジエステル結合しているものが好適であり、例え
ば、DL−α−トコフェロールリン酸ジエステル、DL
−α−トコフェロール−ウリジンリン酸ジエステル等が
挙げられる。これらの化合物の製造方法は、例えば、特
開昭59−219295公報に開示されているが、トコ
フェロールまたはその誘導体にハロリン酸エステル化剤
を反応させて得られる反応生成物に、5位及び6位の水
酸基に保護基を有するアスコルビン酸またはその誘導体
を反応させ、ついで上記の保護基を離脱させることによ
り得ることができる。
【0020】また、アスコルビン酸またはその誘導体の
1価基の化学構造とトコフェロールまたはその誘導体の
1価基の化学構造とが、リン酸とジエステル結合してい
る化合物の塩は、上記のようにして得られた遊離酸を、
アルカリ水酸化物で中和しアルカリ塩とすればよい。具
体的には、有機アミン塩や無機塩等があり、目的に応じ
て塩の種類を選択すればよい。この中で、例えば、DL
−α−トコフェロールリン酸ジエステルのナトリウム塩
またはカリウム塩は水に溶けるので水溶性フラックス
に、カルシウム塩は水に不溶なので非水溶性フラックス
に適している。
【0021】本発明の、アスコルビン酸またはその誘導
体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその誘導
体の1価基の化学構造とが、グリセリンとエーテル結合
している化合物としては、例えばアスコルビン酸または
その誘導体の3位水酸基とトコフェロールまたはその誘
導体の6位水酸基がグリセリンの両端とエーテル結合し
ているものが好適であり、例えば、3−O−(3’−D
L−α−トコフェニルグリセリン)−L−アスコルビン
酸、3−O−(3’−DL−α−トコフェニルグリセリ
ン)−5,6−O−イソプロピリデン−L−アスコルビ
ン酸等が挙げられる。これらの製造方法は、例えば、特
開平5−331166公報に開示されているが、トコフ
ェロールとエピハロヒドリンを反応させて得たトコフェ
ロールグリシジルエーテルと、アスコルビン酸をアセト
ン中でアセチルクロライドと反応させて得た5,6−O
−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸を有機溶剤
中、塩基性触媒存在下、50〜150℃で5〜150時
間反応させることによって得られる。また必要に応じ
て、イソプロピリデン基等の保護基を離脱させることが
好ましい。
【0022】アスコルビン酸またはその誘導体の1価基
の化学構造とトコフェロールまたはその誘導体の1価基
の化学構造とが、ジカルボン酸とジエステル結合してい
る化合物は、アスコルビン酸またはその誘導体の6位水
酸基とトコフェロールまたはその誘導体の6位水酸基が
カルボン酸によってジエステル結合しているものが好適
である。ジカルボン酸をHOOC−Y−COOHとする
と、Yは、−(CH2L−基(但しLは2〜20の整数
である)、−(CH2M−X−(CH2M基(但しMは
1〜4の整数であり、Xは−S−、−O−、−NR−
(但しRは低級アルキル基、脂肪族低級アルキル基、脂
肪族低級アシル基もしくは芳香族アシル基である)であ
る)、または−(CH(OCOCH3))N−基(但し、
Nは2〜4の整数である)等が挙げられる。例えば、コ
ハク酸、グルタル酸、チオグリコール酸、酒石酸等と、
これらの無水物等が挙げられる。
【0023】具体的には、DL−α−トコフェロール−
L−アスコルビン酸−6−コハク酸ジエステル、DL−
α−トコフェロール−L−アスコルビン酸−6−グルタ
ル酸ジエステル、DL−α−トコフェロール−L−アス
コルビン酸−6−チオジグリコール酸ジエステル、DL
−α−トコフェロール−L−アスコルビン酸−6−ジア
セチル−L−酒石酸ジエステル等が挙げられる。製造方
法は、例えば、特開昭62−187470公報に開示さ
れているが、トコフェロールと無水カルボン酸とをエス
テル化反応させて得た化合物と、アスコルビン酸を有機
溶剤中、塩基性触媒、脱水剤存在下で縮合させることに
よって得られる。これらの化合物は、水にほとんど溶け
ないので非水溶性フラックスに適している。
【0024】本発明の化合物の添加量は、フラックス全
量に対し0.005質量%以上20質量%以下であり、
さらに好ましくは0.01質量%以上10質量%以下で
ある。添加量が少なすぎると安定化効果が無く、20質
量%以上添加しても高濃度添加に見合うだけの効果の向
上が認められないので好ましくない。また、他の抗酸化
剤、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ブチル化ヒ
ドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2,
6−ジ−ターシャリーブチル−p−クレゾール、トリフ
ェニルフォスファイト、ジラウリル−3,3’−チオジ
プロピオネート等と併用してもよい。
【0025】ハンダペーストに含まれる活性剤は、リフ
ロー時にハンダ金属の表面酸化物を除去し良好な結合を
得るために使われる。このような物質として有機ハロゲ
ン化合物等が用いられる。
【0026】有機ハロゲン化合物としては、例えばイソ
プロピルアミン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩化水素酸
塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等のハロゲン化
水素酸アミン塩、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水
素酸塩等が挙げられる。
【0027】また、1−ブロモ−2−ブタノール、1−
ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノ
ール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4
−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−
プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、
1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−
ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1−ブロモ
−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、
1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペ
ン、ブロモ酢酸エチル、α−ブロモカプリル酸エチル、
α−ブロモプロピオン酸エチル、β−ブロモプロピオン
酸エチル、α−ブロモ−酢酸エチル、2,3−ジブロモ
コハク酸、2−ブロモコハク酸、2,2−ジブロモアジ
ピン酸、2,4−ジブロモアセトフェノン、1,1−ジ
ブロモテトラクロロエタン、1,2−ジブロモ−1−フ
ェニルエタン、1,2−ジブロモスチレン、4−ステア
ロイルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルオキ
シベンジルブロマイド、4−ステアリルベンジルブロマ
イド、4−ブロモメチルベンジルステアレート、4−ス
テアロイルアミノベンジルブロマイド、2,4−ビスブ
ロモメチルべンジルステアレート、4−パルミトイルオ
キシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベン
ジルブロマイド、4−ラウロイルオキシべンジルブロマ
イド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド、
9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステ
アリン酸、9,10,12,13,15,16−へキサ
ブロモステアリン酸メチルエステル、同エチルエステ
ル、9,10,12,13−テトラブロモステアリン
酸、同メチルエステル、同エチルエステル、9,10,
12,13,15,16−へキサブロモステアリルアル
コール、9,10,12,13−テトラブロモステアリ
ルアルコール、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロ
モシクロドデカン等の臭化物が挙げられるが、これらの
例示に限定されるものではない。また臭素の代わりに、
塩素、ヨウ素を含む有機ハロゲン化合物を用いても良
い。また上記の有機ハロゲン化合物は、1種またはそれ
以上を添加してもよい。
【0028】本発明における有機酸成分としては、従来
周知のコハク酸、フタル酸、ステアリン酸、セバシン酸
等が挙げられ、リフロー温度に達した時に有機酸を発生
する化合物である有機酸誘導体は好適に用いられる。そ
の例としては、各種脂肪族カルボン酸エステル、芳香族
カルボン酸エステル、脂肪族スルホン酸エステル、芳香
族スルホン酸エステル等が挙げられる。具体的な例とし
ては、パラトルエンスルホン酸−n−プロピル、パラト
ルエンスルホン酸イソプロピル、パラトルエンスルホン
酸イソブチル、パラトルエンスルホン酸−n−ブチル、
ベンゼンスルホン酸−n−プロピル、ベンゼンスルホン
酸イソプロピル、ベンゼンスルホン酸イソブチル、サリ
チル酸−n−プロピル、サリチル酸イソプロピル、サリ
チル酸イソブチル、サリチル酸−n−ブチル、4−ニト
ロ安息香酸イソプロピル、4−ニトロ安息香酸−t−ブ
チル、メタクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−t−ブ
チル、マロン酸−t−ブチル、ブロモ酢酸−t−ブチル
などが挙げられる。添加量としてはフラックス全量に対
して0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質
量%の範囲を使用する。
【0029】上記の分解性の有機酸エステルは、単独で
はリフロー温度においても分解性が低いため、分解を促
進するためには少量のエステル分解触媒の添加が有効で
ある。エステル分解触媒としては、分解性の有機酸エス
テルがリフロー温度で分解して酸の発生を促進する作用
を有する触媒であればよいが、その中で特に有機塩基の
ハロゲン化水素酸塩が有効である。
【0030】本発明のハンダペーストに配合される樹脂
成分としては、従来フラックスに配合される周知の樹脂
を用いることができ、例えば、天然ロジン、不均化ロジ
ン、重合ロジン、変性ロジンなど、合成樹脂としてはポ
リエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂その他が用
いられる。
【0031】溶剤としては、従来のフラックスやハンダ
ペーストと同様にアルコール類、エーテル類、エステル
類、又は芳香族系の溶剤が利用でき、例えばベンジルア
ルコール、ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールヘ
キシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエ
ーテル、ジオクチルフタレート、キシレン等が一種また
は混合して用いられる。
【0032】また印刷性を改善するために添加されるチ
クソトロピック剤としては、微細なシリカ粒子、カオリ
ン粒子などの無機系のもの、または水添ヒマシ油、アマ
イド化合物などの有機系のものが使用される。
【0033】本発明のハンダペーストに用いられるフラ
ックスは、フラックス全量に対し、20〜60質量%の
樹脂成分、0.04〜20質量%のチクソトロピック
剤、0.01〜20質量%の有機酸成分、0.02〜2
0質量%の有機ハロゲン化合物、還元剤として本発明の
化合物を0.005〜20質量%添加し、残部として溶
剤その他を用いる。このフラックスを、ハンダペースト
全量に対し14〜8質量%と、ハンダ粉末86〜92質
量%とを混練して本発明のハンダペーストとする。混練
はプラネタリーミキサー等公知の装置を用いて行われ
る。
【0034】また、ハンダペーストのpHも所定の範囲
4〜9、より好ましくは6〜8の範囲にあることが、ハ
ンダ粉とフラックスとの反応を抑制する意味で好まし
い。この場合、pH調整剤として、アルカノールアミン
類、脂肪族第1〜第3アミン類、脂肪族不飽和アミン
類、脂環式アミン類、芳香族アミン類などのアミン化合
物を用いることが好ましい。
【0035】これらアミン化合物の具体的な化合物とし
ては、エタノールアミン、ブチルアミン、アミノプロパ
ノール、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキ
シエチレンラウレルアミン、ポリオキシエチレンステア
リルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メト
キシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、
ジブチルアミノプロピルアミン、エチルへキシルアミ
ン、エトキシプロピルアミン、エチルへキシルオキシプ
ロピルアミン、ビスプロピルアミン、イソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミンなどを挙げることができる。
【0036】アミン化合物の使用量は、ハンダペースト
のフラックスの全量に対し、0.05〜20質量%とす
ることが好ましい。0.05質量%未満ではpH調整剤
としての効果が十分でなく、20質量%を超えると一般
にpHが9を超え、アルカリ側に移行しハンダペースト
が吸湿しやすくなる。
【0037】更に回路の銅を防錆するためフラックス中
に、アゾール類、例えばベンゾトリアゾール、ベンズイ
ミダゾール、トリルトリアゾールなどを添加しても良
い。防錆剤の添加量は、フラックス全量に対して0.0
5〜20質量%が好ましい。
【0038】本発明のハンダペーストに使用するハンダ
粉末の金属組成としては、例えばSn−Pb系、Sn−
Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、Sn−Pb−Bi
−Ag系、Sn−Pb−Cd系が挙げられる。また最近
のPb排除の観点からPbを含まないSn−In系、S
n−Bi系、In−Ag系、In−Bi系、Sn−Zn
系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn
−Au系、Sn−Bi−Ag−Cu系、Sn−Ge系、
Sn−Bi−Cu系、Sn−Cu−Sb−Ag系、Sn
−Ag−Zn系、Sn−Cu−Ag系、Sn−Bi−S
b系、Sn−Bi−Sb−Zn系、Sn−Bi−Cu−
Zn系、Sn−Ag−Sb系、Sn−Ag−Sb−Zn
系、Sn−Ag−Cu−Zn系、Sn−Zn−Bi系等
が挙げられる。
【0039】上記の具体例としては、Snが63質量
%、Pbが37質量%の共晶ハンダ(以下63Sn/3
7Pbと表す。)を中心として、62Sn/36Pb/
2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60S
n/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70P
b、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2A
g、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/
40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、4
5Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/1
8Cd、48Sn/52In、43Sn/57Bi、9
7In/3Ag、58Sn/42In、95In/5B
i、60Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5
Sn/3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95S
n/5Sb、20Sn/80Au、90Sn/10A
g、90Sn/7.5Bi/2Ag/0.5Cu、97
Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5B
i/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.
2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5
Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3S
b、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/
10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Z
n、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、8
9Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/
1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag
/1Sb/1Zn、91.2Sn/2Ag/0.8Cu
/6Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Z
n/6Bi、89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Z
nなどが挙げられる。また本発明のハンダ粉末として、
異なる組成のハンダ粉末を2種類以上混合したものでも
よい。
【0040】上記のハンダ粉末の中でもPbフリーハン
ダ、特に好ましくはSnおよびZn、又はSnおよびA
g元素を含有するハンダから選ばれた合金組成を用いて
本発明のハンダペーストを作製した場合、Sn−Pb系
のハンダと同等レベルまでリフロー温度が下げられるた
め、実装部品の長寿命化がはかられ、また部品の多様化
にも対応できる。
【0041】なお、本発明のハンダ付けフラックスはフ
ロー用の液状フラックスや、糸ハンダのヤニにも適用で
きる。液状フラックスで使用する場合は溶剤にイソプロ
ピルアルコール等を使用して40〜70質量%程度に希
釈すればよく、また糸ハンダ用ヤニに使用する場合、溶
剤を使用せずに溶剤以外の材料をロジンの軟化点以上で
調合し、常温で固化し糸ハンダとすればよい。
【0042】本発明のフラックスおよびハンダペースト
は、基板、例えば、プリント配線板と電子部品を接合し
て接合物を製造する際に好適に使用される。本発明のフ
ラックス及びハンダペーストの使用方法、並びに電子部
品接合物の製造方法では、例えば、ハンダ付けを所望す
る部分に、印刷法等でハンダペーストを塗布し、電子部
品を載置し、その後加熱してハンダ粒子を溶融し凝固さ
せることにより電子部品を基板に接合することができ
る。
【0043】基板と電子部品の接合方法(実装方法)と
しては、例えば表面実装技術(SMT)があげられる。
この実装方法は、まずハンダペーストを印刷法により基
板、例えば配線板上の所望する箇所に塗布する。次い
で、チップ部品やQFPなどの電子部品をハンダペース
ト上に載置し、リフロー熱源により一括してハンダ付け
する。リフロー熱源には、熱風炉、赤外線炉、蒸気凝縮
ハンダ付け装置、光ビームハンダ付け装置等を使用する
ことができる。
【0044】本発明のリフローのプロセスはハンダ合金
組成で異なるが、91Sn/9Zn、89Sn/8Zn
/3Bi、86Sn/8Zn/6BiなどのSn−Zn
系の場合、プレヒートとリフローの2段工程で行うのが
好ましく、それぞれの条件は、プレヒートが温度130
〜180℃、好ましくは、130〜150℃、プレヒー
ト時間が60〜120秒、好ましくは、60〜90秒、
リフローは温度が210〜230℃、好ましくは、21
0〜220℃、リフロー時間が30〜60秒、好ましく
は、30〜40秒である。なお他の合金系におけるリフ
ロー温度は、用いる合金の融点に対し+20〜+50
℃、好ましくは、合金の融点に対し+20〜+30℃と
し、他のプレヒート温度、プレヒート時間、リフロー時
間は上記と同様の範囲であればよい。
【0045】本発明のハンダ付けフラックスを用いるこ
とにより、従来大気中でリフローが難しかった、Pbフ
リーやZnを含むハンダ合金系でもハンダ付けを実施す
ることが可能となり、また配線板などの基板へのハンダ
の濡れ性が向上し、ハンダボールの発生も少なくなり、
リフロー特性の高い処理ができる。
【0046】この後、基板を冷却し表面実装が完了す
る。この実装方法による電子部品接合物の製造方法にお
いては、プリント配線板等の基板(被接合板)の両面に
接合を行ってもよい。なお、本発明のハンダペーストを
使用することができる電子部品としては、例えば、LS
I、抵抗器、コンデンサ、トランス、インダクタンス、
フィルタ、発振子・振動子等があげられるが、これに限
定されるものではない。
【0047】また本発明は、あらかじめ基板の所定の表
面、例えばプリント基板の回路金属の、所定の表面にの
み化学反応により粘着性皮膜を形成し、これにハンダ粉
末を付着させた後フラックスを塗布し、ハンダの溶融温
度まで加熱してリフローさせ、ハンダバンプを形成した
回路基板(特開平7−7244公報)上に、本発明のハ
ンダペーストを用いてSMT(表面実装技術)で実装し
た場合、ハンダ中のボイドが減少する等の優れた接合物
の信頼性が得られる。
【0048】
【実施例】以下実施例をもって発明の内容をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0049】[試験法] ハンダペーストの保存安定性 ハンダペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試
験を行い、有機ハロゲン化合物の分解率と水素発生量を
測定した。本加速試験の条件は大略5℃で3ヶ月間の冷
蔵保管に相当する。
【0050】有機ハロゲン化合物の分解率は、ペースト
1gにクロロホルム5mlを加えて攪拌し、フラックス
分を溶解した後、純水10mlを加えてハロゲンイオン
を水に抽出し、イオンクロマトグラフで測定した。また
水素発生量は、ハンダペースト50gを100mlの試
験管に入れ、シリコンゴム製栓で密閉した状態で25℃
で7日間保存した後、ゴム栓を通して気体を採取してガ
スクロマトグラフにより気体中の水素濃度を測定した。
また、製造時および25℃7日後のハンダペーストの粘
度を、マルコム社製PCU−205型スパイラル粘度計
を用いて測定した。
【0051】ボイドの観察(リフロー特性) 60mm平方の銅板に厚さ150ミクロンのメタルマス
クを用いて、直径6mm×6個のパターンを印刷後、大
気雰囲気下でリフローし、次いでカッタでハンダと共に
銅板を切断した後、該ハンダ部分を顕微鏡により観察
し、ボイドの発生状況を観察した。6個のパターンにつ
いて大きさが10μm以上のボイドを計測し、1個のパ
ターン当たりの平均個数が2個以上であった場合を不合
格とした。
【0052】(実施例1〜5、比較例1〜3) <フラックス及びハンダペーストの製造>樹脂成分とし
て重合ロジン17.5質量%、不均化ロジン27.5質
量%、チクソトロピック剤として水添ヒマシ油6質量
%、活性剤としてシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩
0.1質量%と有機ハロゲン化合物としてヘキサブロモ
シクロドデカン3.0質量%、有機酸成分としてフタル
酸0.05%を、また還元剤として、L−アルコルビン
酸−DL−α−トコフェロールリン酸ジエステルカリウ
ム塩(実施例1)、L−アルコルビン酸−6−ステアレ
ート−DL−α−トコフェロールリン酸ジエステル(実
施例2)、DL−α−トコフェロール−ウリジンリン酸
ジエステル(実施例3)、3−O−(3’−DL−α−
トコフェニルグリセリン)−5,6−O−イソプロピリ
デン−L−アスコルビン酸(実施例4)、DL−α−ト
コフェロール−L−アスコルビン酸−6−ジグリコール
酸ジエステル(実施例5)を、比較例の還元剤としてブ
チル化ヒドロキシトルエン(比較例1)、ヒドロキノン
(比較例2)を各1質量%を、更にpH調整剤としてイ
ソプロピルアミン1質量%、防錆剤としてベンゾトリア
ゾールを1質量%加え、溶剤としてジエチレングリコー
ル モノ−2−エチルヘキシルエ−テルを加えて100
質量%とするフラックスを調製した。
【0053】このフラックス10質量%に89Sn/8
Zn/3BiのPbフリーハンダ粉末90質量%を添加
し、プラネタリーミルで混練し3kgのハンダペースト
を製造した。
【0054】<電子部品接合物の製造>実装方法として
SMTを用いた。実施例1〜5、比較例1〜2の組成の
ハンダペーストをそれぞれ1枚の回路板に印刷し、LS
I、チップ抵抗、チップコンデンサーをハンダペースト
上に載置した後、大気中でリフロー熱源により加熱して
ハンダ付けした。リフロー熱源には熱風炉を用いた。
【0055】リフロー条件は、プレヒートが温度130
℃、プレヒート時間が80秒、リフローはピーク温度が
230℃、200℃以上のリフロー時間を50秒とし
た。
【0056】作製したプリント配線板および用いたハン
ダペーストについて前述した測定方法により特性を比較
した。測定結果を表1に示す。
【0057】
【表1】 更に、同様に91Sn/9Zn、86Sn/8Zn/6
Biおよび96.5Sn/3.5AgのPbフリーハン
ダ粉末を使用して同様の実験を行ったが、全く同様の結
果が得られた。
【0058】また実施例1〜5のリフロー後のハンダ合
金組織と従来のSn−Pb系ハンダペーストのハンダ合
金組織とを比較したところ、Sn−Pb系の場合、高温
環境下での結晶の粗大化が著しいのに対し、本発明のS
n−Zn系合金では粗大化の傾向が小さく、これにより
ハンダの機械的物性が向上しこれを用いた実装配線板の
寿命特性の向上が確認された。
【0059】
【発明の効果】本発明の化合物、または本発明の化合物
の塩をフラックスに添加した、ハンダ付けフラックス、
ハンダペーストを用いることにより、ハンダ合金の酸化
が大幅に抑制され、極めて優れた保存安定性が得られ
た。特にリフロー温度でのハンダ粉の酸化が防止され、
飛躍的にリフロー特性が高められた。
【0060】また本発明は、従来より保存安定性、リフ
ロー特性が悪いとされたPbフリーハンダペーストにお
いても、保存安定性、リフロー特性を格段に向上させ、
その有効性が確認できた。
【0061】本発明の化合物、または本発明の化合物の
塩は、特にリン酸ジエステル結合物、グリセリン成分の
エーテル結合物、ジカルボン酸のジエステル結合物であ
るのが好ましく、これらを用いた場合、保存安定性、リ
フロー特性が更に高められた。
【0062】また本発明のハンダ付けフラックスの開発
により、実装配線板のファインピッチ化、部品の多様化
に対応した信頼性の高い回路板のハンダ付け方法、ハン
ダ付けした接合物を提供することが可能となった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/34 512 H05K 3/34 512C // B23K 101:42 B23K 101:42 (72)発明者 荘司 孝志 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1−1 昭 和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5E319 AA03 AA07 AB05 AC04 BB01 BB05 CC33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラックス中に、アスコルビン酸またはそ
    の誘導体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはそ
    の誘導体の1価基の化学構造とを少なくとも有する化合
    物を含むことを特徴とするハンダ付けフラックス。
  2. 【請求項2】フラックス中に、アスコルビン酸またはそ
    の誘導体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはそ
    の誘導体の1価基の化学構造とを少なくとも有する化合
    物の塩を含むことを特徴とするハンダ付けフラックス。
  3. 【請求項3】前記化合物が、アスコルビン酸またはその
    誘導体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその
    誘導体の1価基の化学構造とが、リン酸にジエステル結
    合した化合物であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のハンダ付けフラックス。
  4. 【請求項4】前記化合物が、アスコルビン酸またはその
    誘導体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその
    誘導体の1価基の化学構造とが、グリセリン成分にエー
    テル結合した化合物であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のハンダ付けフラックス。
  5. 【請求項5】前記化合物が、アスコルビン酸またはその
    誘導体の1価基の化学構造とトコフェロールまたはその
    誘導体の1価基の化学構造とが、ジカルボン酸にジエス
    テル結合した化合物であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のハンダ付けフラックス。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項に記載のハンダ
    付けフラックスとハンダ粉末とからなるハンダペース
    ト。
  7. 【請求項7】前記ハンダ粉末が、SnおよびZn、又は
    SnおよびAgの元素を含有することを特徴とする請求
    項6に記載のハンダペースト。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載のハンダペースト
    を、回路板上に塗布する工程と、該ハンダペーストをリ
    フローする工程とを含むことを特徴とする回路板のハン
    ダ付け方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の回路板のハンダ付け方法
    により製造した接合物。
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