JP2002134886A - ハンダ付けフラックス - Google Patents

ハンダ付けフラックス

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JP2002134886A
JP2002134886A JP2000322169A JP2000322169A JP2002134886A JP 2002134886 A JP2002134886 A JP 2002134886A JP 2000322169 A JP2000322169 A JP 2000322169A JP 2000322169 A JP2000322169 A JP 2000322169A JP 2002134886 A JP2002134886 A JP 2002134886A
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resin
solder
petroleum resin
solder paste
hydrocarbon
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JP2000322169A
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English (en)
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Tadatoshi Kurozumi
忠利 黒住
Hitoshi Amita
仁 網田
Yoshinori Shibuya
義則 渋谷
Ayako Nishioka
綾子 西岡
Takashi Shoji
孝志 荘司
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンダペースト面の粘着力を向上させ、仮止
めの確実性と部品搭載時の保持作用、粘着性を長時間持
続でき、実装操作の安定性の向上、リフロー持の金属面
への濡れ性、ソルダボールの発生がが改善された信頼性
の高いハンダペーストの提供。 【解決手段】 脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、
テルペン系樹脂、クマロン系樹脂のいずれかでまたはそ
の一部または完全に水素添加した樹脂である炭化水素系
石油樹脂をハンダ付けフラックスに対し配合することを
特徴とするハンダ付けフラックス、該フラックスを用い
たハンダペースト、該ハンダペーストを用いた回路接続
方法及び該回路接続方法により製造した回路板接合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】回路基板等の製造では、プリ
ント配線基板等にハンダペーストをプリントした後、こ
れに電子部品などを仮止めしてからリフローしてハンダ
付けすることが行われている。本発明は、プリント面に
電子部品仮止め時の保持作用が高く、ハンダ付けにおい
てソルダボールの発生が極めて少ない、接合信頼性に優
れたハンダ付けができ、かつ長時間連続印刷、印刷後放
置しても接合信頼性の低下のないハンダ付けフラックス
及びハンダペースト、並びに該ハンダペーストを用いた
ハンダ付け方法、及び接合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンダペーストはエレクトニクス産業に
おいて電子部品をプリント配線基板等に表面実装するた
めに用いられている。そしてこれらの電子部品を実装し
た回路基板は、テレビ、ビデオ、ラジオ、エアコン、D
VD、8mmビデオ、携帯用のテープレコーダまたはM
Dレコーダあるいは洗濯機、電子レンジなどの家電器
具、自動車、電子玩具等、ワープロ、パソコン、電子複
写機等のOA機器、携帯電話その他の電子化装置、機
械、器具などに等に広く用いられており、それらの電子
化率の増大、普及率の増加による電子用機器の需要の急
激な増大に伴い、回路基板の使用量は激増している。
【0003】この場合、プリント配線基板等へ電子部品
を実装するために使用されるハンダペーストは、目的に
応じて多くの要望事項を克服することが要求される。中
でも基本的なものとしては、ハンダペーストとしての保
存安定性、プリント配線基板への印刷適性、プリント面
への電子部品の載置性(仮止め安定性)、回路、部品、
部品のリードなどの金属表面へのハンダ濡れ性、ハンダ
付け後のフラックス洗浄が不要であること等の性能が要
求される。
【0004】ハンダペーストに使用するフラックス(本
発明ではハンダペーストからハンダ粉末を除いた成分を
いう。)は、一般にロジンまたは合成樹脂系の樹脂成
分、有機ハロゲン化物および/または有機酸等の活性
剤、溶剤、チクソトロピック剤等からなっており、さら
に金属ハンダの酸化防止、有機ハロゲン化物の分解防止
のための還元剤等が添加されることが多い。最近、電子
製品の小型化、高密度化、高集積化に伴い、部品の小型
化、部品間距離の狭小化、基板回路のファインピッチ
化、部品数増加が進んでいる。例えば0.3mmピッチ
のQFP(Quad Flat Package)タイ
プLSIの使用や、さらにはCSP(Chip Siz
e Package)などが多く用いられており、これ
に伴いハンダペーストにおいても、ファインピッチ化へ
の対応が要求されている。
【0005】部品の表面実装操作においては、一般にプ
リント配線基板等へハンダペーストの印刷、搭載する電
子部品の仮止め、ハンダリフローの順で行われる。この
ため基板回路のファインピッチ化に伴い、印刷したペー
スト上へ部品を搭載した時の保持力増大の要求が高まっ
ており、また電子部品のサイズの小型化、ハンダ粒子の
微小化に伴い、印刷ハンダペースト表面の乾きが早くな
り、印刷後部品仮止めまでの時間が長いとき、例えば休
憩後の再開あるいは連続印刷等において、乾燥などのた
めハンダペーストの保持力の著しい低下やペーストの劣
化によるリフロー時の極端なソルダボールの増加などが
起こり易く、ハンダ接合の信頼性を低下させる原因が工
程的に数多く含まれるようになってきた。。
【0006】これらの問題を回避するため、たとえばフ
ラックスの樹脂成分として、ロジン骨格にエチレンオキ
シド類、またはプロピレンオキシド類を付加したロジン
誘導体を配合する方法(特開昭62−224491号公
報)が提案されている。しかしながらこの方法では、ロ
ジンにエチレンオキシド類またはプロピレンオキシド類
を反応させるため、樹脂成分の軟化点や溶剤に対する溶
解度が変わってくるため扱い難くなるだけでなく、ハン
ダ付けフラックスに吸湿性を与えるので水分に敏感なS
n−Zn系ハンダにおいては特に好ましくない。
【0007】また最近は環境問題から、鉛を含まないP
bフリーハンダペーストやPbフリーハンダ用のフラッ
クスが求められており、これらに対応すべくハンダ合
金、フラックスやペーストの開発が進められている。し
かしながらハンダ合金の中で特に有望なものとして注目
されているSn−Zn系のハンダペーストは、ハンダ粉
末中のZn成分が酸化し易いこと、あるいはZnとフラ
ックスとの反応により経時的に粘度が上昇する等、通常
のPbベースのハンダペーストより保存安定性が悪いこ
とが知られており、特にハンダ粉末中の金属Znが常温
での貯蔵中においても、フラックス中の有機ハロゲン化
合物の分解を促進しその分解物である臭素等と反応し、
ハンダペーストの保存安定性を悪化させている。
【0008】さらにリフロー時においてもZnの酸化が
進行し易いため、リフロー特性を低下させ、ソルダボー
ルの発生により接合物の信頼性を低下させる。更にフラ
ックス中のハロゲン化合物と、ハンダ粉末中のZnが反
応して微量の水素ガスを発生し、この発生した水素ガス
が部品接合後もハンダフィレット内に内蔵されるため、
接合の信頼性に重大な影響をもたらすことも明らかにな
っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みなされたもので、印刷したペースト面の粘着力
を向上させ、電子部品の仮止めの確実性と部品搭載時の
保持作用が高く、その粘着性を長時間にわたり持続でき
実装操作の安定性を向上させるとともに、リフローにお
ける金属面への濡れ性が優れ、ソルダボールの発生が極
めて少ない信頼性の高いハンダペーストを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すベく鋭意努力し検討した結果、脂肪族系石油
樹脂(C5留分系)、芳香族系石油樹脂(C9留分
系)、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂などの
炭化水素系石油樹脂、これらの炭化水素系石油樹脂を一
部または完全に水素添加した化合物をハンダ付けフラッ
クスに添加したところ、印刷したペースト面の粘着力を
向上させ、ペーストの乾燥を防止するとともにその粘着
力を長時間にわたり持続させ、部品搭載時の保持作用が
高く、リフローしてもソルダボールの極めて少ない濡れ
性に優れ信頼性の高い、かつハンダ付け後に洗浄不要で
あるハンダペーストを提供できることを見出し、本発明
を完成させた。
【0011】即ち、本発明は、[1] 炭化水素系石油
樹脂をハンダ付けフラックスに配合することを特徴とす
るハンダ付けフラックス、[2] 炭化水素系石油樹脂
をハンダ付けフラックスに対し、1〜20質量%配合す
ることを特徴とするハンダ付けフラックス、[3] 炭
化水素系石油樹脂が、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油
樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂のいずれかであ
る上記[1]または[2]に記載のハンダ付けフラック
ス、[4] 炭化水素系石油樹脂が、脂肪族系石油樹
脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹
脂の内のいずれか1種を、一部または完全に水素添加し
た樹脂である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のハ
ンダ付けフラックス、[5] 炭化水素系石油樹脂が、
石油類の熱分解により生成するC9留分中の重合性モノ
マーを重合して得られる芳香族系炭化水素樹脂を、一部
または完全に水素添加した脂環族飽和炭化水素樹脂であ
る上記[1]〜[4]のいずれかに記載のハンダ付けフ
ラックス、[6] 炭化水素系石油樹脂が、石油類の熱
分解により生成するC9留分中の重合性モノマーを重合
して得られる芳香族系炭化水素樹脂を、一部または完全
に水素添加した、軟化点が100℃〜250℃の脂環族
飽和炭化水素樹脂である上記[1]ないし[5]のいず
れかに記載のハンダ付けフラックス、
【0012】[7] 上記[1]〜[6]の何れかに記
載のハンダ付けフラックスとハンダ粉末とからなるハン
ダペースト、[8] ハンダ粉末が、SnおよびZn、
又はZn,SnおよびAgの元素を含有するハンダ粉末
である上記[7]に記載のハンダペースト、
【0013】[9] 上記[7]または[8]に記載の
ハンダペーストを基板上に塗布し、ついで電子部品を仮
止めする工程と、該電子部品を載置した基板のハンダペ
ーストをリフローする工程とを含むことを特徴とする回
路板のハンダ付け方法、[10] 電子部品を載置した
基板をリフローする際に、あらかじめ130〜150
℃、60〜120秒間プレヒートする上記[9]に記載
の回路板のハンダ付け方法、および[11] 炭化水素
系石油樹脂をハンダ付けフラックスに対し、1〜20質
量%配合したハンダ付けフラックスを用いたハンダペー
ストを使用し、上記[9]または[10]に記載の回路
板のハンダ付け方法により製造した電子部品を載置した
回路板接合物、を開発することにより上記の課題を解決
した。
【0014】
【発明の実施形態】本発明におけるハンダ付けフラック
スは、ロジンまたは合成樹脂からなる樹脂成分、その粘
着性を改良するための炭化水素系石油樹脂からなる粘着
性付与樹脂成分、活性剤として有機ハロゲン化合物およ
び/または有機酸成分(有機酸成分として有機酸エステ
ルを使用するときはエステル分解触媒を併用)、チクソ
トロピック剤、溶剤、その他必要に応じてpH調整剤、
防錆剤、酸化防止剤等を配合したものである。
【0015】本発明のハンダペーストに配合されるロジ
ンまたは合成樹脂系の樹脂成分としては、従来フラック
スに配合されている周知の樹脂を用いることができる。
樹脂成分ならば、たとえば天然ロジン、不均化ロジン、
重合ロジン、水添ロジン、変性ロジン、ロジンエステル
などのロジン誘導体が、合成樹脂ならばポリエステル、
ポリウレタン、アクリル系樹脂その他が用いられ、ある
いはそれらの混合物を使用することができる。
【0016】ハンダペーストに含まれる活性剤は、リフ
ロー時にハンダ金属の表面酸化物を除去し良好な結合を
得るために使われる。このような物質として有機ハロゲ
ン化合物および/または有機酸成分が用いられる。有機
ハロゲン化合物としては、例えばイソプロピルアミン臭
化水素酸塩、ブチルアミン塩化水素酸塩、シクロヘキシ
ルアミン臭化水素酸塩等のハロゲン化水素酸アミン塩、
1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等のハロゲ
ン化水素酸塩を挙げることができる。
【0017】また、1−ブロモ−2−ブタノール、1−
ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノ
ール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4
−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−
プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、
1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−
ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1−ブロモ
−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、
1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペ
ン、ブロモ酢酸エチル、α−ブロモカプリル酸エチル、
α−ブロモプロピオン酸エチル、β−ブロモプロピオン
酸エチル、α−ブロモ−酢酸エチル、2,3−ジブロモ
コハク酸、2−ブロモコハク酸、2,2−ジブロモアジ
ピン酸、2,4−ジブロモアセトフェノン、1,1−ジ
ブロモテトラクロロエタン、1,2−ジブロモ−1−フ
ェニルエタン、1,2−ジブロモスチレン等のブロム化
合物を挙げることができる。
【0018】それ以外にも4−ステアロイルオキシベン
ジルブロマイド、4−ステアリルオキシベンジルブロマ
イド、4−ステアリルベンジルブロマイド、4−ブロモ
メチルベンジルステアレート、4−ステアロイルアミノ
ベンジルブロマイド、2,4−ビスブロモメチルべンジ
ルステアレート、4−パルミトイルオキシベンジルブロ
マイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、
4−ラウロイルオキシべンジルブロマイド、4−ウンデ
カノイルオキシベンジルブロマイド、9,10,12,
13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸、9,1
0,12,13,15,16−へキサブロモステアリン
酸メチルエステル、同エチルエステル、9,10,1
2,13−テトラブロモステアリン酸、同メチルエステ
ル、同エチルエステル、9,10,12,13,15,
16−へキサブロモステアリルアルコール、9,10,
12,13−テトラブロモステアリルアルコール、1,
2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン等
の臭化物が挙げられるが、これらの例示に限定されるも
のではない。また臭素の代わりに、塩素、ヨウ素を含む
有機ハロゲン化合物を用いても良い。また上記の有機ハ
ロゲン化合物としては、1種でも良いが2種以上を併用
しても良い。
【0019】本発明における活性剤としての有機酸成分
としては、従来周知のコハク酸、フタル酸、ステアリン
酸、セバシン酸等の遊離酸が挙げられ、またリフロー温
度に達した時に有機酸を発生する化合物である有機酸誘
導体も同様に使用できる。その例としては、各種脂肪族
カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪
族スルホン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル等が
挙げられる。具体的な例としては、パラトルエンスルホ
ン酸−n−プロピル、パラトルエンスルホン酸イソプロ
ピル、パラトルエンスルホン酸イソブチル、パラトルエ
ンスルホン酸−n−ブチル、ベンゼンスルホン酸−n−
プロピル、ベンゼンスルホン酸イソプロピル、ベンゼン
スルホン酸イソブチル、サリチル酸−n−プロピル、サ
リチル酸イソプロピル、サリチル酸イソブチル、サリチ
ル酸−n−ブチル、4−ニトロ安息香酸イソプロピル、
4−ニトロ安息香酸−t−ブチル、メタクリル酸−t−
ブチル、アクリル酸−t−ブチル、マロン酸−t−ブチ
ル、ブロモ酢酸−t−ブチルなどが挙げられる。活性剤
の添加量としてはフラックス全量に対して0.01〜2
0質量%、好ましくは0.05〜5質量%の範囲を使用
する。
【0020】上記の分解性の有機酸エステルは、単独で
はリフロー温度においても分解性が低いため、分解を促
進するためには少量のエステル分解触媒の添加が有効で
ある。エステル分解触媒としては、分解性の有機酸エス
テルがリフロー温度で分解して酸の発生を促進する作用
を有する触媒であればよいが、その中で特に有機塩基の
ハロゲン化水素酸塩が有効である。また印刷性を改善す
るために添加されるチキソトロピック剤としては、微細
なシリカ粒子、カオリン粒子などの無機系のもの、また
は水添ヒマシ油、アマイド化合物などの有機系のものが
使用される。
【0021】溶剤としては、ハンダペーストとしたとき
に、印刷適性が必要であり、樹脂成分、活性剤、チクソ
トロピック剤などの溶解性が高く、リフロー後に残って
はならず、またハンダペーストとした場合に印刷性がよ
い有機溶剤が必要である。印刷時あるいは印刷後には大
気に開放されるので、吸湿が避けられないため吸湿性が
小さいことが好ましい。溶剤の沸点があまり低いと、溶
剤が蒸発してペーストの粘度が高くなり印刷を困難とし
たり、印刷後には溶剤の蒸発により電子部品等の積載時
の仮止め性を低下させるので作業性が低下する。一方沸
点があまりに高いと、リフローしても溶剤が残留して揮
発せずハンダ表面にベタベタしたフラックス残査が残り
絶縁抵抗などの信頼性の観点からも好ましくない。
【0022】溶剤としては、従来のフラックスやハンダ
ペーストと同様にアルコール類、エーテル類、エステル
類、グリコールの中級または高級アルコール、芳香族系
の溶剤が一種または混合して用いられる。例えばベンジ
ルアルコール、ブタノール、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、ブチルカルビトール、ジエチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールヘキシ
ルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエ
チレングリコールーモノ2エチルヘキシルエーテル、ジ
オクチルフタレート、キシレン、または混合溶媒が用い
られる。
【0023】また、ハンダ粉末とフラックス成分との反
応を抑制し安定性を高めるためには、ハンダペーストの
pHも所定の範囲4〜9、より好ましくは6〜8の範囲
にあることが好ましい。この場合、pH調整剤として
は、アルカノールアミン類、脂肪族第1〜第3アミン
類、脂肪族不飽和アミン類、脂環式アミン類、芳香族ア
ミン類などのアミン化合物を用いることができる。
【0024】これらアミン化合物の具体的な化合物とし
ては、エタノールアミン、ブチルアミン、アミノプロパ
ノール、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキ
シエチレンラウレルアミン、ポリオキシエチレンステア
リルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メト
キシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、
ジブチルアミノプロピルアミン、エチルへキシルアミ
ン、エトキシプロピルアミン、エチルへキシルオキシプ
ロピルアミン、ビスプロピルアミン、イソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミンなどを挙げることができる。
【0025】アミン化合物の使用量は、ハンダペースト
のフラックスの全量に対し、0.05〜20質量%とす
ることが好ましい。0.05質量%未満ではpH調整剤
としての効果が十分でなく、20質量%を超えると一般
にpHが9を超え、アルカリ側に移行しハンダペースト
が吸湿しやすくなる。更に回路の銅を防錆するためフラ
ックス中に、アゾール類、例えばベンゾトリアゾール、
ベンズイミダゾール、トリルトリアゾールなどを添加し
ても良い。防錆剤の添加量は、フラックス全量に対して
0.05〜20質量%が好ましい。
【0026】還元剤としては、通常合成樹脂などの酸化
剤として使用されている溶剤に溶解可能なフェノール系
化合物、リン酸系化合物、硫黄系化合物、トコフェロー
ル及びその誘導体またはアスコルビン酸及びその誘導体
などが挙げられる。該還元剤は単独であってもまたは混
合して使用してもよい。配合量としてはフラックス全量
に対し、0.005〜20質量%、好ましくは0.01
〜10質量%である。還元剤の作用機構は十分に解明で
きていないが、おそらくはこれらの還元剤がハンダペー
スト中の酸素あるいはこれに接する空気中の酸素に働
き、酸化され易いハンダ金属の酸化を抑制することによ
ると思われる。またこれら還元剤はハロゲン含有成分か
ら遊離してくるハロゲンのアクセプターとして働くの
で、遊離したハロゲンがハンダ金属、特にハンダ金属中
のZnと反応するのを効果的に防止しているためと考え
られる。
【0027】本発明で使用する炭化水素系石油樹脂と
は、石油類の熱分解により生成する分解油成分をイオン
重合して得られる熱可塑性樹脂であり、脂肪族系石油樹
脂(C5留分系)、芳香族系石油樹脂(C9留分系)、
テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂およびこれら
の炭化水素系石油樹脂を一部または完全に水素添加した
樹脂類を粘着付与剤として添加する。該粘着付与剤の作
用機構は明らかではないが次のように推察する。すなわ
ち通常フラックスにはロジンが含まれている。ロジンは
アビエチエン酸を多く含む物質(混合物)であり、脂環
式炭化水素グループとカルボキシル基からなっており、
カルボキシル基が相互に結合した糊の役目をし、脂環式
炭化水素グループがバネのように作用し粘着付与剤とし
て働いていると考えられる。
【0028】該炭化水素系石油樹脂(粘着付与剤)は、
ロジンとの相溶性が良好なため、該粘着付与剤とロジン
の脂環式炭化水素グループがあたかもつながったように
作用し、バネの力が強くなることでさらに粘着力が付与
でき、電子部品の仮止め性と接着性能のバランスが向上
している。本発明のフラックスは、初期の粘着力が向上
したため、印刷したペースト上へ部品を接着(仮止め)
するに必要な接着力以下になるまでの時間が長くなり、
また該粘着付与剤は溶剤等の揮発成分とも相互に作用し
あって、ペーストの乾きを抑えることもでき、ペースト
の接着力の持続性を相乗的に改善できるので長時間連続
して使用できる。
【0029】炭化水素系石油樹脂は、ナフサなどの熱分
解により生成するC4〜C5留分およびC9〜C11留
分をフリーデルクラフツ触媒などにより重合して樹脂と
するか、さらにはそれら得られた樹脂をさらに水添する
事によって得られる樹脂類である。原料留分の種類によ
って、純モノマー系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系
石油樹脂、水添石油樹脂等に分類されている。
【0030】なお芳香族系石油樹脂とは、ナフサのクラ
ッキングにより得たC9留分(たとえば、スチレン、ビ
ニルトルエン、α―メチルスチレン、インデン等)をカ
チオン重合して得られる石油樹脂をいう。脂肪族系石油
樹脂とは、ナフサのクラッキングにより得たC4〜C5
留分(たとえば、ペンテン、メチルブテン、ビベレリ
ン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等)を
カチオン重合して得られる石油樹脂をいう。スチレン系
重合体とは、スチレン、ビニルトルエン、α―メチルス
チレン等のビュアモノマーをカチオン重合して得られる
いわゆるビュアモノマー樹脂をいう。
【0031】テルペン系樹脂とは、α−ピネン、β−ピ
ネン、ジペンテン、リモネン等のテルペン類を重合させ
た樹脂をいう。クマロン−インデン樹脂とは、一般にコ
ークス炉ガス中の軽質留分であるソルベントナフサ(沸
点150〜200℃)を原料油として、これに含まれる
クマノン、インデン、スチレン等を共重合させて得られ
る熱可塑性樹脂であり、インデン、メチルインデン等の
インデン類を構成モノマーとして50質量%以上、好ま
しくはかかるインデン類とクマロン、メチルクマロン等
のクマロン類を構成モノマーとして60質量%以上含有
するものをいう。また、必要によりスチレン、メチルス
チレン等のフェノール類等により変性または重合度を調
整したものでもよい。
【0032】本発明においては特に芳香族系石油樹脂を
部分的または完全に水素添加した軟化点70〜140℃
の水添芳香族系石油樹脂が特に好ましい。この場合樹脂
中の脂環炭化水素が分子構造的にロジンに近く、そのた
めか相互作用がおおきい。また軟化点70〜140℃は
ロジンのそれとほぼ同等である。そのため、リフロー時
に粘度変化に追随し易く、加温時も相互作用が大きくソ
ルダボールを抑制する効果が大きい。
【0033】脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テ
ルペン系樹脂、クマロンーインデン樹脂またはこれらの
炭化水素系石油樹脂を一部または完全に水素添加した炭
化水素系石油樹脂(粘着付与剤)は、フラックスの1〜
20%、好ましくは2〜10%添加するとよい。この炭
化水素系石油樹脂の添加は、少量の添加であっても意外
なことにハンダ濡れ性が改善されるが、あまり添加量が
少なすぎると粘着付与剤としての電子部品仮止め時の保
持力やソルダボールの防止の効果を発揮しない。必要以
上多量添加しても粘着付与剤としての効果が飽和してコ
ストアップを招くだけである。
【0034】本発明のハンダペーストに用いられるフラ
ックスは、フラックス全量に対し、20〜60質量%、
好ましくは20〜30質量%の樹脂成分、1〜20質量
%の粘着性付与樹脂成分、0.04〜20質量%、好ま
しくは1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%のチ
クソトロピック剤、0.005〜20質量%好ましくは
0.01〜10質量%の還元剤、0.01〜20質量
%、好ましくは0.1〜10質量%の有機酸成分、0.
02〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の有
機ハロゲン化合物、残部として溶剤その他を用いる。
【0035】このフラックスをハンダペーストとするに
は、ハンダペースト全量に対しこのフラックスを14〜
8質量%と、ハンダ粉末86〜92質量%とを混練して
本発明のハンダペーストとする。混練はプラネタリーミ
キサー等公知の装置を用いて行われる。
【0036】本発明のハンダペーストに使用するハンダ
粉末の合金組成としては、例えばSn−Pb系、Sn−
Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、Sn−Pb−Bi
−Ag系、Sn−Pb−Cd系が挙げられる。また最近
のPb排除の観点からPbを含まないSn−In系、S
n−Bi系、In−Ag系、In−Bi系、Sn−Zn
系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn
−Au系、Sn−Bi−Ag−Cu系、Sn−Ge系、
Sn−Bi−Cu系、Sn−Cu−Sb−Ag系、Sn
−Ag−Zn系、Sn−Cu−Ag系、Sn−Bi−S
b系、Sn−Bi−Sb−Zn系、Sn−Bi−Cu−
Zn系、Sn−Ag−Sb系、Sn−Ag−Sb−Zn
系、Sn−Ag−Cu−Zn系、Sn−Zn−Bi系等
が挙げられる。
【0037】上記の具体例としては、Snが63質量
%、Pbが37質量%の共晶ハンダ(以下63Sn/3
7Pbと表す。)を中心として、62Sn/36Pb/
2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60S
n/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70P
b、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2A
g、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/
40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、4
5Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/1
8Cd、48Sn/52In、43Sn/57Bi、9
7In/3Ag、58Sn/42In、95In/5B
i、60Sn/40Bi、96.5Sn/3.5Ag、
99.3Sn/0.7Cu、95Sn/5Sb、20S
n/80Au、90Sn/10Ag、90Sn/7.5
Bi/2Ag/0.5Cu、97Sn/3Cu、99S
n/1Ge、92Sn/7.5Bi/0.5Cu、97
Sn/2Cu/0.8Sb/0.2Ag、95.5Sn
/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3Sb、
85Sn/10Bi/5Sb、89Sn/4Ag/7S
b、98Sn/1Ag/1Sb、およびSn−Zn系合
金が挙げられる。
【0038】特にPBフリーのSn−Zn系合金であ
る、91Sn/9Zn、95.5Sn/3.5Ag/1
Zn、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、84Sn
/10Bi/5Sb/1Zn、88.2Sn/10Bi
/0.8Cu/1Zn、88Sn/4Ag/7Sb/1
Zn、97Sn/1Ag/1Sb/1Zn、91.2S
n/2Ag/0.8Cu/6Zn、89Sn/8Zn/
3Bi、86Sn/8Zn/6Bi、89.1Sn/2
Ag/0.9Cu/8ZnなどのSn−Zn系の合金が
好ましい。また本発明のハンダ粉末として、異なる組成
のハンダ粉末を2種類以上混合したものでもよい。
【0039】上記のハンダ粉末の中でもPbフリーハン
ダ、特に好ましくはSnおよびZn、又はSn、Znお
よびAg元素を含有するハンダから選ばれた合金組成を
用いて本発明のハンダペーストを作製した場合、Sn−
Pb系のハンダと同等レベルまでリフロー温度が下げら
れるため、実装部品の長寿命化がはかられ、また部品の
多様化にも対応できる。
【0040】なお、本発明のハンダ付けフラックスはフ
ロー用の液状フラックスや、糸ハンダのヤニにも適用で
きる。液状フラックスで使用する場合は溶剤にイソプロ
ピルアルコール等を使用して40〜70質量%程度に希
釈すればよく、また糸ハンダ用ヤニに使用する場合、溶
剤を使用せずに溶剤以外の材料をロジンの軟化点以上で
調合し、常温で固化し糸ハンダとすればよい。
【0041】本発明のフラックスおよびハンダペースト
は、基板、例えば、プリント配線板にハンダペーストを
印刷し、これに電子部品を仮止めし、リフローして回路
板を製造する際に好適に使用される。本発明のフラック
ス及びハンダペーストの使用方法、並びに電子部品接合
物の製造方法では、例えば、ハンダ付けを所望する部分
に、印刷法等でハンダペーストを塗布し、電子部品を載
置、仮止めし、その後加熱してハンダ粒子を溶融し凝固
させることにより電子部品を基板に接合することができ
る。
【0042】基板と電子部品の接合方法(実装方法)と
しては、例えば表面実装技術(SMT)があげられる。
この実装方法は、まずハンダペーストを印刷法により基
板、例えば配線板上の所望する箇所に塗布する。次い
で、チップ部品やQFPなどの電子部品を該ハンダペー
スト上に載置し、リフロー熱源により一括してハンダ付
けをおこなう。リフロー熱源には、熱風炉、赤外線炉、
蒸気凝縮ハンダ付け装置、光ビームハンダ付け装置等を
使用することができる。
【0043】本発明のリフローのプロセスはハンダ合金
組成で異なるが、91Sn/9Zn、89Sn/8Zn
/3Bi、86Sn/8Zn/6BiなどのSn−Zn
系の場合、プレヒートとリフローの2段工程で行うのが
好ましく、それぞれの条件は、プレヒートが温度130
〜180℃、好ましくは、130〜150℃、プレヒー
ト時間が60〜120秒、好ましくは、60〜90秒、
リフローは温度が210〜230℃、好ましくは、21
0〜220℃、リフロー時間が30〜60秒、好ましく
は、30〜40秒である。なお他の合金系におけるリフ
ロー温度は、用いる合金の融点に対し+20〜+50
℃、好ましくは、合金の融点に対し+20〜+30℃と
し、他のプレヒート温度、プレヒート時間、リフロー時
間は上記と同様の範囲であればよい。
【0044】本発明のハンダ付けフラックスを用いるこ
とにより、従来大気中でリフローが難しかった、Pbフ
リーハンダ、特にSn−Znを含むハンダ合金系でもハ
ンダ付けを実施することが可能となり、また配線板など
の基板へのハンダの濡れ性が向上し、ソルダボールの発
生も少なくなり、リフロー特性の高い処理ができる。
【0045】その後、基板を冷却し表面実装が完了す
る。この実装方法による電子部品接合物の製造方法にお
いては、プリント配線板等の基板(被接合板)の両面に
接合を行うことも容易にできる。なお、本発明のハンダ
ペーストを使用することができる電子部品としては、例
えば、LSI、抵抗器、コンデンサ、トランス、インダ
クタンス、フィルタ、発振子・振動子等があげられる
が、これに限定されるものではない。
【0046】また本発明は、あらかじめ基板の所定の表
面、例えばプリント基板の回路金属の、所定の表面にの
み化学反応により粘着性皮膜を形成し、これにハンダ粉
末を付着させた後フラックスを塗布し、ハンダの溶融温
度まで加熱してリフローさせ、ハンダバンプを形成した
回路基板(特開平7−7244号公報)上に、本発明の
ハンダペーストを用いてSMT(表面実装技術)で実装
した場合、ハンダ中のボイドが減少する等の優れた接合
物の信頼性が得られる。
【0047】
【実施例】以下実施例をもって発明の内容をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0048】(実施例1〜4、比較例1) <フラックス及びハンダペーストの製造>樹脂成分とし
て重合ロジンと不均化ロジン、チクソトロピック剤とし
て水添ヒマシ油、活性剤としてシクロヘキシルアミン臭
化水素酸塩と有機ハロゲン化合物としてヘキサブロモシ
クロドデカン、有機酸成分としてフタル酸を、また炭化
水素系石油樹脂(粘着付与剤)として水素添加芳香族系
石油樹脂(C9留分系脂環族飽和炭化水素樹脂)、テル
ペン系樹脂および脂肪族系石油樹脂(C5留分系石油樹
脂)、更にpH調整剤としてイソプロピルアミン、防錆
剤としてベンゾトリアゾール、溶剤としてジエチレング
リコール・モノ−2−エチルヘキシルエ−テルを加えて
ハンダ付けフラックスを調製した。その配合を表1に示
した。
【0049】このハンダ付けフラックス10質量%に8
9Sn/8Zn/3BiのPbフリーハンダ粉末90質
量%を添加し、プラネタリーミルで混練し、ハンダペー
ストを製造した。なお比較例のハンダ付けフラックスと
して、炭化水素系石油樹脂(粘着付与剤)を除き、残余
は上記組成と同じ配合組成のフラックスを用いた。
【0050】[試験法] ソルダボール試験A:JIS Z−3284−199
4,付属書11「ソルダーボール試験」により試験を行
った。 粘着性試験;ハンダペーストを印刷し、25℃、60%
環境下に24時間放置した後、JIS Z−3284に
より試験を行った。 ソルダボール試験B:ハンダペーストを印刷し、25
℃、60%環境下に24時間放置した後、ソルダーボー
ル試験Aと同様に試験を行った。 その結果を表1に示した。
【0051】<電子部品接合物の製造>実装方法として
SMTを用いた。実施例1〜4、比較例1の組成のハン
ダペーストをそれぞれの回路板に印刷し、電子部品のL
SI、チップ抵抗およびチップコンデンサーをハンダペ
ーストに仮止め(載置)した後、リフロー熱源により加
熱してハンダ付けした。リフロー熱源には熱風炉を用い
た。リフロー条件は、プレヒート温度130℃、プレヒ
ート時間が80秒、リフロー温度はピーク温度が230
℃、200℃以上のリフロー時間を50秒とした。
【0052】上記の条件で作製したプリント配線板およ
び用いたハンダペーストについて上記の測定方法により
特性を測定した。結果を表1に示す。更に、ハンダ粉末
として91Sn/9Zn、86Sn/8Zn/6Biお
よび96.5Sn/3.5AgのPbフリーハンダ粉末
を使用して、実施例1〜4と同様の実験を行ったが、全
く同様の結果が得られた。
【0053】また実施例1〜5のリフロー後のハンダ合
金組織と、従来のSn−Pb系ハンダペーストのハンダ
合金組織とを比較したところ、Sn−Pb系の場合、高
温環境下での結晶の粗大化が著しいのに対し、本発明の
Sn−Zn系合金では粗大化の傾向が小さく、これによ
りハンダの機械的物性が向上し、これを用いた実装配線
板の寿命特性の向上が確認された。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の脂肪族系石油樹脂、芳香族系石
油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂などの炭化水
素系石油樹脂を一種以上含むことを特徴により、ペース
トの粘着性向上させ、さらにその粘着性を長時間にわた
り持続させ、部品搭載時の保持作用が高く、ソルダボー
ルの極めて少ない 濡れ性に優れ、信頼性の高いハンダ
ペーストができた。また本発明のハンダペーストの開発
により、実装配線板のファインピッチ化、部品の多様化
に対応した信頼性の高い回路板のハンダ付け方法、ハン
ダ付けした接合物を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 35/363 B23K 35/363 E C08K 3/08 C08K 3/08 C08L 45/00 C08L 45/00 57/02 57/02 (72)発明者 渋谷 義則 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 西岡 綾子 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 荘司 孝志 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J002 BA001 BA011 BK001 CE001 DA076 DA106 DA116 FD200 5E319 AA03 AC01 BB05 CC36 CC58 CD04 CD15 CD21 CD29 CD31 GG03 GG15

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系石油樹脂をハンダ付けフラッ
    クスに配合することを特徴とするハンダ付けフラック
    ス。
  2. 【請求項2】 炭化水素系石油樹脂をハンダ付けフラッ
    クスに対し、1〜20質量%配合することを特徴とする
    ハンダ付けフラックス。
  3. 【請求項3】 炭化水素系石油樹脂が、脂肪族系石油樹
    脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹
    脂のいずれかである請求項1または2に記載のハンダ付
    けフラックス。
  4. 【請求項4】 炭化水素系石油樹脂が、脂肪族系石油樹
    脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹
    脂の内のいずれか1種を、一部または完全に水素添加し
    た樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハン
    ダ付けフラックス。
  5. 【請求項5】 炭化水素系石油樹脂が、石油類の熱分解
    により生成するC9留分中の重合性モノマーを重合して
    得られる芳香族系炭化水素樹脂を、一部または完全に水
    素添加した脂環族飽和炭化水素樹脂である請求項1〜4
    のいずれか1項に記載のハンダ付けフラックス。
  6. 【請求項6】 炭化水素系石油樹脂が、石油類の熱分解
    により生成するC9留分中の重合性モノマーを重合して
    得られる芳香族系炭化水素樹脂を、一部または完全に水
    素添加した、軟化点が100℃〜250℃の脂環族飽和
    炭化水素樹脂である請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載のハンダ付けフラックス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載のハン
    ダ付けフラックスとハンダ粉末を含んだハンダペース
    ト。
  8. 【請求項8】 ハンダ粉末が、SnおよびZn、又はZ
    n,SnおよびAgの元素を含有するハンダ粉末である
    請求項7に記載のハンダペースト。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載のハンダペース
    トを基板上に塗布し、ついで電子部品を仮止めする工程
    と、該電子部品を載置した基板のハンダペーストをリフ
    ローする工程とを含むことを特徴とする回路板のハンダ
    付け方法。
  10. 【請求項10】 電子部品を載置した基板をリフローす
    る際に、あらかじめ130〜150℃、60〜120秒
    間プレヒートする請求項9に記載の回路板のハンダ付け
    方法。
  11. 【請求項11】 炭化水素系石油樹脂をハンダ付けフラ
    ックスに対し、1〜20質量%配合したハンダ付けフラ
    ックスを用いたハンダペーストを使用し、請求項9また
    は10に記載の回路板のハンダ付け方法により製造した
    電子部品を載置した回路板接合物。
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