JP2003311469A - ソルダペースト、電子部品およびステップ・ソルダリング方法 - Google Patents

ソルダペースト、電子部品およびステップ・ソルダリング方法

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JP2003311469A
JP2003311469A JP2002125770A JP2002125770A JP2003311469A JP 2003311469 A JP2003311469 A JP 2003311469A JP 2002125770 A JP2002125770 A JP 2002125770A JP 2002125770 A JP2002125770 A JP 2002125770A JP 2003311469 A JP2003311469 A JP 2003311469A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント基板の両面に片面ずつはんだ付けを行
うステップ・ソルダリングでは、固相線温度の高いPbフ
リーはんだがなかったために最初のはんだ付けにPbフリ
ーはんだを使用することができなかった。本発明は二度
目のはんだ付けでも電子部品が落下したり移動したりし
ないという高温安定性のあるPbフリーのソルダペース
ト、電子部品、ステップ・ソルダリング方法を提供する
ことにある。 【解決手段】ソルダペーストの金属粉はSnの金属間化合
物粉が30〜90質量%、残部がSn粉またはSn主成分のPbフ
リーはんだ粉からなり、電子部品のはんだ付け部が該ソ
ルダペーストではんだ付けされている。またステップ・
ソルダリングでは最初のはんだ付けに該ソルダペースト
を用い、二度目のはんだ付けにPbフリーはんだを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板と電
子部品のはんだ付けに使用するソルダペースト、特に高
温状態において高信頼性が発揮できるソルダペースト、
耐熱性に優れた電子部品およびプリント基板の両面に電
子部品をはんだ付けするステップ・ソルダリング方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品とプリント基板のはんだ付け方
法としては、脂入り線はんだをはんだ鏝ではんだ付けす
る鏝付け法と、電子部品が搭載されたプリント基板を溶
融はんだに接触させてはんだ付けするフロー法と、はん
だ粉とペースト状フラックスからなるソルダペーストを
プリント基板のはんだ付け部に塗布し、該塗布部に電子
部品を搭載してからリフロー炉で加熱してはんだ付けす
るリフロー法、等がある。
【0003】鏝付け法は、作業者やロボットがはんだ付
け部一箇所毎にはんだ付けを行うため大量生産には向か
ないが、他のはんだ付け方法で発生したはんだ付け不良
の修正や熱に弱い電子部品を他のはんだ付け方法ではん
だ付けした後にはんだ付けするという「後付け」に適し
ている。フロー法は、一度に多数箇所のはんだ付けを行
うことができるため大量生産が可能であるが、プリント
基板の片面全面に溶融はんだを接触させるため、はんだ
付け部に表面実装部品が搭載されているようなプリント
基板には適していない。リフロー法は、多数のはんだ付
け部にソルダペーストを塗布するため大量生産ができる
とともに必要箇所だけにソルダペーストを塗布するた
め、同一面に表面実装部品が搭載されていても表面実装
部品に対して影響を及ぼすことがない。しかしながらリ
フロー法は、微細で均一なはんだ粉を得るのに多大な手
間がかかるため材料コストが高価となることから、信頼
性が要求される高級電子機器向きである。このようにそ
れぞれのはんだ付け方法には一長一短があるため、電子
業界では用途によって使い分けている。
【0004】ところで近時の電子機器は所謂、軽薄短小
の傾向から、この電子機器に組み込まれるプリント基板
も小さくなってきており、小さなプリント基板に対して
は合理的な電子部品の実装が求められている。つまり従
来の電子機器に組み込まれていたプリント基板は、片面
だけに電子部品を実装すれば充分であったが、近時の電
子機器に組み込まれる小型化されたプリント基板は多数
の電子部品を一枚のプリント基板に実装しなければなら
なくなってきたため、プリント基板の両面に実装する合
理的な手段が採られている。
【0005】プリント基板の両面に電子部品を実装する
はんだ付け手段はステップ・ソルダリングと呼ばれ、プ
リント基板の片面ずつはんだ付けを行うものである。ス
テップ・ソルダリングとしては、先ずプリント基板の片
面に最初のはんだ付けをリフロー法で行い、次にもう一
方の面に二度目のはんだ付けをやはりリフロー法で行う
という「リフロー・リフロー」と、片面に最初のはんだ
付けをリフロー法ではんだ付けを行い、次にもう一方の
面に二度目のはんだ付けをフロー法で行う「リフロー・
フロー」がある。
【0006】リフロー・リフローやリフロー・フローに
限らずステップ・ソルダリングでは、最初のはんだ付け
に用いるはんだ合金は、固相線温度が二度目のはんだ付
けに用いるはんだ合金の液相線温度よりも高いものでな
ければならないとされている。なぜならばステップ・ソ
ルダリングにおいて、二度目のはんだ付けのときのはん
だ付け温度で最初にはんだ付けした部分のはんだが溶融
すると、最初のはんだ付け部の電子部品が脱落したり、
電子部品が脱落しないまでも所定のはんだ付け部からず
れて付着し、電子部品としての機能が果たせなくなった
りするからである。そこでステップ・ソルダリングで
は、最初のはんだ付けに用いるはんだ合金は、二度目の
はんだ付け温度で溶融しない所謂「高温はんだ」が使用
されていた。
【0007】従来のステップ・ソルダリングに使用され
てきたはんだ合金は、最初のはんだ付けも二度目のはん
だ付けもSn-Pb合金のはんだであった。最初のはんだ付
けに用いる高温はんだとしては、Pb-10Sn(固相線温度27
0℃、液相線温度272℃)、Pb-5Sn(固相線温度307℃、液
相線温度313℃)、Pb-5Ag(固相線温度304℃、液相線温
度365℃)等、Pb主成分のはんだ合金であり、二度目のは
んだ付けに用いるはんだ合金としてはPb-Sn合金のうち
融点が最も低く、しかもはんだ付け性に優れたPb-63Sn
(共晶温度183℃)の共晶はんだであった。従って、固
相線温度が270℃のPb-10Snの高温はんだを用いて最初の
はんだ付けを行った場合、共晶はんだを使用した二度目
のはんだ付け温度が少し高めの230℃になっても、Pb-10
Snではんだ付けしたはんだ付け部は二度目のはんだ付け
時に絶対に溶融することがなく、最初にはんだ付けした
電子部品が脱落や位置ずれを起こさない。。
【0008】このようにPbを含むはんだを用いてステッ
プ・ソルダリングによりはんだ付けされた電子機器が故
障したり、古くなって使い勝手が悪くなったりした場
合、修理や無理して使うことなく廃棄処分されていた。
電子機器を廃棄処分する場合、電子機器を構成するプラ
スチック、ガラス、金属等は回収して再使用することが
あるが、プリント基板は樹脂部に銅箔が接着され、該銅
箔にはんだが付着されており、これらを分離回収して再
使用することが困難であるため、細かく破砕して埋めた
り、そのまま埋め立て処分されたりしていたものであ
る。
【0009】近時の化石燃料の多用から地上に降り注ぐ
雨は酸性雨となっており、該酸性雨が地中に浸透して埋
め立て処分されたプリント基板に接触すると、はんだ中
のPb成分を溶出し、Pb成分を含んだ酸性雨がさらに地中
深く浸透して地下水に混入する。そしてPb成分を含んだ
地下水を長年月にわたって人類が飲用すると、Pb成分が
体内に蓄積されて、ついにはPb中毒を起こすといわれて
いる。そのため現在、世界的規模でPbの使用が規制され
るようになってきており、当然、従来ステップ・ソルダ
リングで使用されてきたPb-Snの高温はんだやPb-Snの共
晶はんだも規制の対象になってきている。
【0010】このようにPb-Snはんだの使用が規制され
るようになっていることから、現在ではPbを全く含まな
いPbフリーはんだの使用が推奨されるようになってき
た。Pbフリーはんだとは、SnにAg、Sb、Cu、Zn、Bi、I
n、Ni、Cr、Fe、P、Ge、Ga等の元素を一種以上添加した
ものである。二元系のPbフリーはんだとしては、Sn-3.5
Ag(共晶温度221℃)、Sn-5Sb(包晶温度240℃)、Sn-0.7
5Cu(共晶温度227℃)、Sn-58Bi(共晶温度139℃)、Sn-52I
n(共晶温度117℃)等があり、三元系、或いはそれ以上の
多元系としては上記元素を組み合わせて融点や機械的特
性の改善を図ったものがある。現在、多く使用されてい
るPbフリーはんだとしてはSn-3Ag-0.5Cu(固相線温度
217℃、液相線温度220℃)、Sn-8Zn-3Bi(固相線温度190
℃、液相線温度197℃)、Sn-2.5Ag-0.5Cu-1Bi(固相線温
度214℃、液相線温度221℃)等(以下、多用Pbフリーは
んだという)である。
【0011】一般にプリント基板と電子部品をはんだ付
けする場合、はんだ付け温度は、はんだ合金の液相線温
度+20〜40℃が適当と言われている。例えばPb規制を考
慮してPbフリーはんだを使用する場合、多用Pbフリーは
んだのSn-3Ag-0.5Cu(固相線温度217℃、液相線温度220
℃)は、はんだ付け温度が240〜260℃となる。ステップ
・ソルダリングで、このSn-3Ag-0.5Cuを二度目のはんだ
付けに使用する場合、最初のはんだ付けに使用するPbフ
リーはんだは固相線温度が少なくとも260℃以上のもの
でなければならないものであった。
【0012】従来のPb-Snはんだ合金では、固相線温度
が260℃以上のものとしてPb-10Sn、Pb-5Sn、Pb-5Agのよ
うな高温はんだがあり、これらの高温はんだはステップ
・ソルダリングの最初のはんだ付け用として前述多用Pb
フリーはんだを使用した場合にも充分対応可能であっ
た。しかしながらPb規制によりステップ・ソルダリング
で最初のはんだ付けに高温のPbフリーはんだを使おう
と思っても、Sn主成分で固相線温度が260℃以上の高温
はんだはなかった。例えば固相線温度(共晶温度)が22
1℃のSn-Ag系において、Agを増やしていっても液相線温
度は上がるが、固相線温度は上がらない。またSn-Cu系
やSn-Sb系でも同様にCuやSbを増やしても液相線温度は
上がるが、固相線温度は上がらない。これらに他の元素
を添加しても固相線温度を上げることはできず、Pbフリ
ーはんだはステップソルダリングの高温はんだとして使
用不可能なものと考えられていた。
【0013】ステップ・ソルダリングの最初のはんだ付
け用として開発されたものではないが、高温で耐熱特性
を有するPbフリーはんだがUSP5520752(752特許という)
に提案されている。752特許はPbフリーはんだ中に金属
間化合物を添加したものであり、固相線温度はステップ
・ソルダリングに適した高い温度ではない。また、やは
りステップ・ソルダリング用ではないが、非晶質の金属
粉同士を混合したPbフリーはんだが特許第3074649号(64
9特許という)で提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】752特許のPbフリーは
んだは、Sn-Ag主成分の合金中にInおよび/またはBiを
含有させたSn-Ag-(In、Bi)系合金であり、Sn-Ag-In、Sn
-Ag-In-Bi、Sn-Ag-Bi、Sn-Ag-Bi-Cu等である。ここでは
Sn-AgにInやBiのような温度降下作用のある元素を添加
したため、これらの合金の固相線温度は二元のSn-Ag合
金の固相線温度(221℃)よりも低くくなっている。そ
こで752特許では、該合金中にSn合金の金属間化合物を
点在させることにより高温特性を向上させている。しか
しながら、該合金ではんだ付けしたはんだ付け部は、は
んだ付け部周囲の温度が210℃以上になると、電子部品
を支えることができなくなって、電子部品が脱落したり
移動したりしてしまう。つまり752特許は、単にはんだ
付け部の機械的特性を改善することを目的としたもので
あり、ステップ・ソルダリングの最初のはんだ付け用に
は適していない。
【0015】649特許は、未反応相および非晶質相のS
n、Ag、Cu、Bi、Zn、In、Au、Ni、Sb、Pd、Pt、Ge金属
粉を一種以上混合してはんだ付けするものであり、はん
だ付け後にはんだ付け部のはんだが金属間化合物を形成
するようになっている。このように、はんだ中に金属間
化合物が形成されると、はんだ付け部は脆くなり、はん
だ付け部に衝撃が加わると容易に剥離してしまう。また
649特許は、微小金属粉を用いることにより融点降下を
ねらったものであり、ステップ・ソルダリングの最初の
はんだ付け用には適していない。
【0016】ステップ・ソルダリングでは、二度目のは
んだ付けにPbフリーはんだを用いることはできるが、前
述のようにPbフリーはんだでは固相線温度の高いものが
なかったため、Pb規制を知りながらもPb-Snの高温はん
だを使わざるを得なかった。従って、ステップ・ソルダ
リングではんだ付けされた従来の電子部品はPb公害の問
題を有しているばかりでなく、機械的強度に弱いPb主成
分の高温はんだではんだ付けされていたため、信頼性に
も問題があった。
【0017】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、固相線温
度が210℃以上のPbフリーはんだ中に高温の粉が存在し
ていると、多用Pbフリーはんだのはんだ付け温度では粉
の周囲のはんだが半溶融状態や溶融状態になってもはん
だは流動しないこと、そして電子部品のはんだ付け部に
はんだと高温の粉が共存するとはんだが溶融しても電子
部品を脱落させたり移動させたりすることがないこと、
等を見出し本発明を完成させた。
【0018】本発明のソルダペーストは、金属粉とペー
スト状フラックスを混和したソルダペーストにおいて、
金属粉はSnの金属間化合物粉が30〜90質量%と、残部が
Sn粉またはSn主成分のPbフリーはんだ粉からなる混合粉
のソルダペーストである。
【0019】本発明の電子部品は、Snの金属間化合物が
30〜90質量%と、残部がSnまたはSn主成分のPbフリーは
んだの混合物ではんだ付けされている電子部品である。
【0020】本発明のステップ・ソルダリング方法は、
プリント基板の片面に最初のはんだ付けを行い、もう一
方の面に二度目のはんだ付けを行うステップ・ソルダリ
ングにおいて、最初のはんだ付けはSnの金属間化合物粉
が30〜90質量%と、残部がSn粉またはSn主成分のPbフリ
ーはんだ粉からなる混合粉のソルダペーストを用いてリ
フロー法で行い、二度目のはんだ付けはPbフリーはんだ
粉のソルダペーストを用いてリフロー法で行うか、或い
はPbフリーはんだを用いてフロー法で行うステップ・ソ
ルダリング方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に使用するSn合金粉或いは
Sn合金は、固相線温度が210℃以上でなければならな
い。Sn合金粉の固相線温度が210℃よりも低いと、ステ
ップ・ソルダリングの二度目のはんだ付けを多用Pbフリ
ーはんだで行った場合、電子部品が脱落したり移動した
りするからである。つまり多用Pbフリーはんだを用いた
二度目のはんだ付け温度は最高で260℃になるが、この2
60℃で金属間化合物を混合したはんだ付け部のはんだが
流出したり電子部品の脱落や移動が起こったりしないた
めには、Sn合金粉の固相線温度は210℃以上であること
が望ましい。つまり固相線温度が210℃よりも低いPbフ
リーはんだは、260℃以上の温度になると、周囲に多数
の金属間化合物が存在していても、保持力が弱くなって
金属間化合物をはんだ付け部に保持できなくなり、電子
部品の脱落や移動が起こってしまう。
【0022】本発明に使用するSn合金粉或いはSn合金
は、Sn主成分にAg、Cu、Sb、Ni、Cr、Fe、P、Geの一種
以上が添加されているものである。Sn合金に添加する元
素の添加量は、はんだ付け性、機械的特性等を考慮する
と、Agは8.0質量%以下、Cuは2.0質量%以下、Sbは15質
量%以下、Niは0.5質量%以下、Crは0.2質量%以下、Fe
は0.2質量%以下、Pは0.3質量%以下、Geは0.3質量%以
下である。また本発明ではPbフリーはんだばかりでな
く、融点が232℃のSnを単体で用いることもできる。
【0023】本発明の電子部品では、はんだ付け部がSn
またはSn主成分のPbフリーはんだで接合されているもの
であるが、該はんだ付け部のはんだにはBiやInが添加さ
れていないものでなければならない。なぜならばSn主成
分のPbフリーはんだ中にBiやInが添加されていると、固
相線温度が本発明が目的とする210℃以下に下がってし
まうからである。またPbフリーはんだにBiが添加される
とはんだ付け部が脆くなり、またInが添加されるとソル
ダペーストにした場合、経時変化が起こりやすくなって
しまう。
【0024】また本発明に使用するSnの金属間化合物
は、Sn-Ag、Sn-Cu、Sn-Ni、Sn-Fe合金の金属間化合物が
適している。さらに詳細にはSn-Ag合金の金属間化合物
としてはAg3Sn、Sn-Cu合金の金属間化合物としてはCu3S
n、Cu6Sn5、Sn-Ni合金の金属間化合物としてはNi3Sn2
Ni3Sn4、Sn-Fe合金の金属間化合物としてはFeSn、FeS
n2、等である。また本発明では、金属間化合物は前述Sn
の二元系に限らず、Snを含む三元系以上の合金の金属間
化合物でもよいし、異なる二種以上の金属間化合物を添
加してもよい。これらの金属間化合物は脆性を有してい
るためボールミルのような破砕装置で容易に微粉末にす
ることができる。SnやSn主成分のPbフリーはんだ中に金
属間化合物が30質量%よりも少ないと、はんだ付け周囲
が高温となってSnやPbフリーはんだが半溶融したり溶融
したりしたときに流出してしまう。しかるに金属間化合
物が90質量%よりも多くなると、はんだの接合力が弱く
なってしまう。
【0025】本発明のステップ・ソルダリング方法で
は、リフロー・リフローやリフロー・フローのどちらで
も採用できる。つまりリフロー・リフローでは最初のは
んだ付けに金属間化合物粉が混入されたソルダペースト
を用い、二度目のはんだ付けにPbフリーはんだのソルダ
ペーストを用いる。そしてリフロー・フローでは最初の
はんだ付けに金属間化合物粉が混入されたソルダペース
トを用い、二度目のはんだ付けにPbフリーはんだを溶融
させたはんだ槽ではんだ付けを行う。
【0026】図1は本発明のソルダペーストではんだ付
けした電子部品の部分拡大断面図である。プリント基板
1のパッド2と電子部品3の電極4は、Pbフリーはんだ
5ではんだ付けされており、該Pbフリーはんだ中には大
量のSn合金の金属間化合物の粉6…が混在している。該
金属間化合物はSn合金の金属間化合物であるため、Pbフ
リーはんだとの濡れ性が良好であり、完全にPbフリーは
んだと金属的に接合している。このようにPbフリーはん
だ中に大量の金属間化合物が金属的に接合した状態で混
入していると、はんだ付け部の周囲の温度がPbフリーは
んだの固相線温度以上になってPbフリーはんだが半溶融
状態や溶融状態になっても、Pbフリーはんだは金属間化
合物の粉を保持する。そしてそれが結果的にはPbフリー
はんだが電子部品をプリント基板に保持するようにな
る。
【0027】
【実施例】本発明のソルダペーストおよび比較例に使用
する混合粉を表1に示す。
【表1】
【0028】次に本発明のソルダペーストおよび比較例
のソルダペーストを記す。 (実施例1) ○混合粉:90質量% Ag3Sn 粉(25μm) 60質量% Sn粉(15μm) 40質量% ○フラックス:10質量% 重合ロジン 65質量% 水素添加ヒマシ油 7質量% ジエタノールアミンHBr 2質量% ジエチレングリコールブチルエーテル 26質量%
【0029】(実施例2) ○混合粉:90質量% Ag3Sn粉(10μm) 50質量% Sn-3Ag粉(30μm) 50質量% ○フラックス:10質量% 実施例1と同一成分
【0030】(実施例3) ○混合粉:90質量% Ag3Sn粉(15μm) 50質量% Sn-3.5Ag-0.75Cu粉(15μm) 50質量% ○フラックス:10質量% 実施例1と同一成分
【0031】(実施例4) ○混合粉:90質量% Cu3Sn粉(10μm) 70質量% Sn-0.75Cu粉(10μm) 30質量% ○フラックス:10質量% 実施例1と同一成分
【0032】(実施例5) ○混合粉:90質量% Ag3Sn粉(25μm) 40質量% Sn-3Ag-0.75Cu粉(10μm) 60質量% ○フラックス:10質量% 実施例1と同一成分
【0033】(比較例1) ○混合粉:90質量% Cu非晶質粉粉(10μm) 40質量% Sn非晶質粉(5μm) 60質量% ○フラックス:10質量% 実施例と同一組成
【0034】(比較例2) ○混合粉:90質量% Ag3Sn粉(25μm) 30質量% Sn-2Ag-0.5Cu-7.5Bi粉(10μm) 70質量% ○フラックス:10質量% 実施例1と同一成分
【0035】(比較例3) ○混合粉:90質量% Cu粉(200μm) 10質量% Pb-63Sn粉(10μm) 90質量% ○フラックス:10質量% 実施例1と同一成分
【0036】上記実施例と比較例のソルダペーストを両
面実装プリント基板の片面に印刷塗布し、ピーク温度が
Pbフリーはんだの液相線温度+20℃のリフロー炉で加熱
して最初のはんだ付けを行った。その後、該プリント基
板のもう一方の面にSn-3Ag-0.5Cuとペースト状フラック
スからなるソルダペーストを印刷塗布し、ピーク温度が
240℃のリフロー炉で加熱して二度目のはんだ付けを行
った。その後、最初のはんだ付け部を観察したところ、
実施例では電子部品の落下や位置ずれは皆無であった
が、比較例は二度目のはんだ付け時に電子部品の落下や
位置ずれが起きていた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のソルダペ
ーストはステップ・ソルダリングの最初のはんだ付けに
使用したときに、リフロー温度をSn粉やPbフリーはんだ
粉の液相線温度+20〜40℃ではんだ付けが行えるため、
電子部品に対する熱影響が少なくてすみ、しかもはんだ
付け後には二度目のはんだ付け温度が最初のはんだ付け
に使用したSn粉やPbフリーはんだ粉の固相線温度より高
くなっても該はんだ付け部に実装された電子部品を落下
させたり位置ずれさせたりすることがない。また本発明
の電子部品は、はんだ付け部周辺の温度が電子部品を接
続しているPbフリーはんだの固相線温度以上に曝されて
も電子部品が落下したり位置ずれしたりしないという信
頼性に富むものである。さらに本発明のステップ・ソル
ダリングは、最初のリフローはんだ付け時に、ソルダペ
ースト中のSn粉やPbフリーはんだ粉の液相線温度+20〜
40℃という低い温度ではんだ付けできるため電子部品に
対する熱影響を少なくできるという従来にない優れた効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ソルダペーストではんだ付けした電子部
品のはんだ付け部の部分拡大断面図
【符号の説明】
1 プリント基板 2 パッド 3 電子部品 4 電極 5 Pbフリーはんだ 6 金属間化合物粉
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 13/00 C22C 13/00 H05K 3/34 507 H05K 3/34 507C 508 508A 512 512C // B23K 101:42 B23K 101:42 Fターム(参考) 5E319 AA03 AB01 AB05 AC01 BB05 BB08 CC33 GG11 GG15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉とペースト状フラックスを混和した
    ソルダペーストにおいて、金属粉はSnの金属間化合物粉
    が30〜90質量%と、残部がSn粉またはSn主成分のPbフリ
    ーはんだ粉からなる混合粉であることを特徴とするソル
    ダペースト。
  2. 【請求項2】前記Sn主成分のPbフリーはんだは、SnにAg
    8.0質量%以下、Cu2.0質量%以下、Sb15質量%以下、Ni
    0.5質量%以下、Cr0.2質量%以下、Fe0.2質量%以下、P
    0.3質量%以下、Ge0.3質量%以下の一種以上が添加され
    ており、しかも固相線温度が210℃以上であることを特
    徴とする請求項1記載のソルダペースト。
  3. 【請求項3】前記Snの金属間化合物は、Sn-Ag、Sn-Cu、
    Sn-Ni、Sn-Fe合金の金属間化合物であることを特徴とす
    る請求項1記載のソルダペースト。
  4. 【請求項4】Snの金属間化合物が30〜90質量%と、残部
    がSnまたはSn主成分のPbフリーはんだの混合物ではんだ
    付けされていることを特徴とする電子部品。
  5. 【請求項5】前記Sn主成分のPbフリーはんだは、SnにAg
    8.0質量%以下、Cu2.0質量%以下、Sb15質量%以下、Ni
    0.5質量%以下、Cr0.2質量%以下、Fe0.2質量%以下、P
    0.3質量%以下、Ge0.3質量%以下の一種以上が添加され
    ており、しかも固相線温度が210℃以上であることを特
    徴とする請求項4記載の電子部品。
  6. 【請求項6】前記Sn合金の金属間化合物は、Sn-Ag、Sn-
    Cu、Sn-Ni、Sn-Fe合金の金属間化合物であることを特徴
    とする請求項4記載の電子部品。
  7. 【請求項7】プリント基板の片面に最初のはんだ付けを
    行い、もう一方の面に二度目のはんだ付けを行うステッ
    プ・ソルダリングにおいて、最初のはんだ付けはSnの金
    属間化合物粉が30〜90質量%と、残部がSn粉またはSn主
    成分のPbフリーはんだ粉からなる混合粉のソルダペース
    トを用いてリフロー法で行い、二度目のはんだ付けはPb
    フリーはんだ粉のソルダペーストを用いてリフロー法で
    行うか、或いはPbフリーはんだを用いてフロー法で行う
    ことを特徴とするステップ・ソルダリング方法。
  8. 【請求項8】前記Sn主成分のPbフリーはんだは、SnにAg
    8.0質量%以下、Cu2.0質量%以下、Sb15質量%以下、Ni
    0.5質量%以下、Cr0.2質量%以下、Fe0.2質量%以下、P
    0.3質量%以下、Ge0.3質量%以下の一種以上が添加され
    ており、しかも固相線温度が210℃以上であることを特
    徴とする請求項7記載のステップ・ソルダリング方法。
  9. 【請求項9】前記Snの金属間化合物は、Sn-Ag、Sn-Cu、
    Sn-Ni、Sn-Fe合金の金属間化合物であることを特徴とす
    る請求項7記載のステップ・ソルダリング方法。
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