JP2013126671A - はんだ付け用フラックス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のはんだ付け用フラックスは、ロジン系樹脂と、活性剤と、溶剤とを含有するフラックスであって、前記活性剤が、(A)アミンの酸塩と、(B)脂環式多価カルボン酸またはその無水物と、(C)脂環構造を有しないハロゲン化カルボン酸無水物と、(D)ピラゾール化合物と、(E)ピペリジン錯塩とを含有することを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
そして、はんだ粉末の主成分をPbからSnに代えることで、はんだの濡れ性が低下するとともに、はんだの溶融性が低下する。また、フローはんだ付けの前にはんだペーストによるはんだ付け時の熱により、基板の銅箔ランドが酸化する。その結果、はんだ付けの際に、ディウェッティング(はんだはじき)やはんだブリッジが発生しやすくなるという問題がある。
上記のような問題を解決するための技術としては、例えば、ピラゾール化合物を含有するフラックスが提案されている(特許文献1)。また、ピペリジンなどの揮発性塩基性剤を含有するフラックスが提案されている(特許文献2)。
すなわち、本発明のはんだ付け用フラックスは、ロジン系樹脂と、活性剤と、溶剤とを含有するフラックスであって、前記活性剤が、(A)アミンの酸塩と、(B)脂環式多価カルボン酸またはその無水物と、(C)脂環構造を有しないハロゲン化カルボン酸無水物と、(D)ピラゾール化合物と、(E)ピペリジン錯塩とを含有することを特徴とするものである。
本発明に用いるロジン系樹脂としては、ロジンおよびロジン誘導体が挙げられる。ロジン誘導体としては、変性ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジンなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂の中でも、フラックス残渣の淡色化の観点から、水添ロジンが好ましい。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)〜(E)のうちのいずれか一つの成分が欠ける場合には、はんだ付けの際のディウェッティングおよびはんだブリッジの両方を十分に抑制することができなくなる。
前記(E)ピペリジン錯塩としては、例えば、3フッ化ホウ素ピペリジン錯塩、ボランピペリジン錯塩が挙げられる。
他の活性剤としては、例えば、有機酸類(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など)、ハロゲン化物(ハロゲン化アルコールなど)、アミン類、アミノ酸類、アミド系化合物が挙げられる。
これら他の活性剤を用いる場合には、その含有量は、前記フラックス100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
前記溶剤は、前記フラックス中の前記ロジン系樹脂および前記活性剤などを除いた残部である。前記溶剤の含有量は、前記フラックス100質量%に対して、70質量%以上92質量%以下であることが好ましく、80質量%以上89質量%以下であることがより好ましい。
また、一般的なフラックスでは、はんだの濡れ性、フラックス残さのこびり付きなどを考慮して、はんだ付け工法(フローはんだ付け、部分はんだ付け、小手はんだ付けなど)に応じて異なるフラックスを用いている。これに対し、本発明のフラックスは、上記のように優れた諸特性を有するため、はんだ付け工法によって、フラックスを使い分けなくてもよく、汎用性が高い。
ロジン系樹脂A:商品名「RHR−301M」、丸善油化商事社製
ロジン系樹脂B:商品名「KE−604」、荒川化学工業社製
活性剤A:エチルアミン塩酸塩
活性剤B:無水クロレンド酸
活性剤C:2,3−ジブロモコハク酸無水物
活性剤D:3,5−ジメチルピラゾール
活性剤E:3フッ化ホウ素ピペリジン錯塩
活性剤F1:コハク酸
活性剤F2:2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール
つや消し剤:パルミチン酸
溶剤:エタノール
ロジン系樹脂A6.6質量%、ロジン系樹脂B5.2質量%、活性剤A0.04質量%、活性剤B1質量%、活性剤C0.4質量%、活性剤D0.1質量%、活性剤E0.2質量%、活性剤F10.3質量%、活性剤F20.5質量%、つや消し剤1質量%および溶剤84.66質量%を容器に投入し、らいかい機を用いて混合してフラックスを得た。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックスを得た。
[比較例1〜8]
表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックスを得た。
フラックスの特性(絶縁性、はんだの濡れ性、はんだブリッジ性)を以下のような方法で評価した。実施例について得られた結果を表1に示し、比較例について得られた結果を表2に示す。
(1)絶縁性
洗浄した櫛形電極基板(導体幅:0.318mm、導体間隔:0.318mm、大きさ:30mm×30mm)に、基板一枚当たり0.15mLのフラックスを塗布して試験片を得た。この試験片を、直ちに絶縁抵抗計にセットし、測定電圧10V、測定秒数60秒、測定温度10〜30℃、測定湿度40〜80%の条件下にて、絶縁抵抗値を測定する。なお、絶縁抵抗値の測定はそれぞれ数回(例えば3回)行い、その平均値を測定値とする。測定は、測定開始直後(0分後)、5分後、10分後、30分後、60分後、90分後、120分後に行い、その結果をプロットして、経過時間と絶縁抵抗値との関係を示すグラフを作成する。得られたグラフから、下記の基準に従って、絶縁性を評価した。
○:絶縁抵抗値が1×108Ω以上に回復するまでの時間が60分未満である。
×:絶縁抵抗値が1×108Ω以上に回復するまでの時間が60分以上である。
(2)はんだの濡れ性
JIS Z 3197(1999)ウェッティングバランス法に準拠した方法により、はんだの濡れ性を評価した。すなわち、130℃20分間酸化処理した銅版に、それぞれのフラックスを浸漬法により塗布して試験片を得た。この試験片を温度250℃の溶融はんだ(Sn/Ag/Cu=99/0.3/0.7(質量比))に接触させ、ぬれ作用力がゼロになるまでの時間(ゼロクロス時間)を評価した。そして、この測定値から、下記の基準に従って、はんだの濡れ性を評価した。
○:ゼロクロス時間が2秒以下である。
△:ゼロクロス時間が2秒超2.3秒未満である。
×:ゼロクロス時間が2.3秒以上である。
(3)はんだブリッジ性
洗浄したテスト基板(大きさ:150mm×200mm)に、スプレーフラクサー(製品名「TAF40−12PV」、タムラ製作所社製)にて、厚みが7μmとなるように、フラックスを塗布し、噴流式自動はんだ付装置(製品名「HC33−36NF」、タムラ製作所社製)にてはんだ付けを行い、試験片を得た。なお、試験片は各例につき10枚ずつ作製した。また、はんだ温度は255℃であり、はんだ組成はSn/Ag/Cu=99/0.3/0.7(質量比)である。得られた試験片について、不具合(ブリッジ、つらら)件数を数え、その数値から、下記の基準に従って、はんだブリッジ性を評価した。
○:基板一枚当たりの不具合件数が30以下である。
△:基板一枚当たりの不具合件数が30以上40以下である。
×:基板一枚当たりの不具合件数が40以上である。
これに対し、活性剤A〜活性剤Eのうちのいずれか一つの成分が欠けるフラックスを用いた場合(比較例1〜8)には、はんだ付けの際のディウェッティングおよびはんだブリッジの両方を抑制することができなかった。
Claims (2)
- ロジン系樹脂と、活性剤と、溶剤とを含有するフラックスであって、
前記活性剤が、(A)アミンの酸塩と、(B)脂環式多価カルボン酸またはその無水物と、(C)脂環構造を有しないハロゲン化カルボン酸無水物と、(D)ピラゾール化合物と、(E)ピペリジン錯塩とを含有する
ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。 - 請求項1に記載のはんだ付け用フラックスにおいて、
前記(E)ピペリジン錯塩が、3フッ化ホウ素ピペリジン錯塩である
ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。
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