JP2005169495A - プリフラックス、フラックス、ソルダーペースト及び鉛フリーはんだ付け体の製造方法 - Google Patents

プリフラックス、フラックス、ソルダーペースト及び鉛フリーはんだ付け体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉛フリーのはんだを用いたはんだ付けは被はんだ付け体の金属に対する濡れ性が悪く、その接合強度が弱くなり易い点をフラックスの組成の点から改善する。
【解決手段】 錫を主成分とし鉛及び亜鉛を配合しない鉛及び亜鉛フリーのはんだを用いて表面が銅系金属及びニッケル系金属(但し、無電解ニッケルめっきは除く)の少なくとも一方からなるはんだ付け部に対するはんだ付けに使用できるフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、同金属の無機塩、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(但し、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するフラックス。このフラックスを用いた鉛フリーはんだ付け体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に鉛を含まない、いわゆる鉛フリーのはんだを用いたはんだ付けを行う際に使用するものであって、例えばプリント配線板の銅箔ランドに対する鉛フリーのはんだの濡れ性及びその接合強度を改善したプリフラックス、フラックス、ソルダーペースト及び鉛フリーはんだ付け体の製造方法に関する。
最近の電気・電子機器類や通信機器類あるいは電気・電子部品類や自動車のラジエーターなどにおいては、Sn/Pb系はんだを用いた接合が行われており、その方法としては、フラックスを中空はんだ線の中心に入れた、いわゆるやに入りはんだを用いた鏝付け方法、電子部品を仮り付けしたプリント配線板にフラックスを塗布した後、溶融はんだに浸漬したり、噴出する溶融はんだに浸漬する浸漬はんだ付け方法、噴流はんだ付け方法、さらにははんだ粉とフラックスを混合してペースト状にしたいわゆるソルダーペーストをスクリーンやメタルマスクあるいはデスペンサーを用いて塗布した後にはんだをリフローさせるリフローはんだ付け方法が用いられている。
これらのはんだ付け方法に用いられるフラックスとしては、一般電子機器における電子部品のはんだ付けに用いる場合、はんだ付け後のフラックス残さが被塗布物である金属面に対して非腐食性、絶縁性に優れ、そのフラックス残さを洗浄しないで残留させてもよいようにする点からは、ロジン系樹脂を主成分にするフラックスが用いられている。すなわち、ロジン系樹脂をベースとしてこれに有機酸やアミンハロゲン化水素酸塩を活性剤として添加し、必要に応じてアルコール系溶剤で溶解させたものである。電子機器の信頼性がより高度に求められる高密度実装プリント配線板や、製品の使用環境を考慮した場合には、フラックス残さは必要に応じて洗浄除去される。また、電子部品リードの予備はんだ付けやプリント配線板回路へのはんだコートには、フラックス残さが水溶性で水で洗浄除去できる電子部品予備はんだ付け用水溶性フラックスやホットエアレベラーはんだ付け用フラックスが用いられる。これらのフラックスは、水溶性の高級アルコール系樹脂をベースとしこれに有機系活性剤を添加した物で、必要に応じて水やアルコール系溶剤に溶解したものである。また、はんだの付き難い金属のはんだ付けやラジエターのはんだ付けには強活性力を持つ塩化亜鉛や塩化アンモニウム、塩酸などはベースとしたいわゆる無機系フラックスが用いられる。
ところで、近年、Sn−Pb系はんだを使用したはんだ付けを行って得られた電子機器類が廃棄されるときに、解体してその部品が地中に埋め立てられるような場合には、その部品にはんだ付け部分が存在すると、はんだの鉛(Pb)が水、特に酸性雨にもとづく地下水に溶けだし、自然界を汚染する、いわゆる環境汚染を引き起こすという問題を生じる。そのため、世界各国でその規制が検討されている。その対策としては、鉛フリーのはんだ、例えばSn−Ag−Bi、Sn−Bi、Sn−Ag−Bi−Cu、Sn−Ag−Cu−In、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、 Sn−Cu−Ni、Sn−Sb、Sn−In、Sn−Zn等を用いることが検討され、一部ではその採用がなされている。
ところが、これらの鉛フリーのはんだは、はんだ付けにおける生産性、信頼性において従来のSn−Pb系はんだと同等の性能が得られない。例えば生産性においては、自動はんだ付け装置を用いた浸漬及び噴流はんだ付け方法では、はんだドロスの発生、はんだ付け部におけるはんだ濡れ不良、はんだ付け部に垂れ下がるツララの発生、隣接電子部品間に形成される橋状のブリッジ等の不良品が生じて歩留まりが悪く、また、ホットエアーレベラーによるはんだ付けでは、プリント基板の銅箔ランドに対するはんだ濡れが悪い。ソルダーペーストを用いたリフローはんだ付けでは、そのソルダーペーストの粘度変化が起こり易いことによる印刷性の低下にも原因があるが、はんだボールの発生、はんだ濡れ不良、銅箔ランドからのはんだの剥離が生じやすい。
また、鉛フリーはんだは、一般にSn−Pb共晶はんだに比べて、はんだ融点が高く、それに伴いはんだ付け温度を高く設定する必要があるが、熱に弱い半導体等の部品のことを考慮すると、それにも制限がある。融点の低いはんだとして、例えはBiやZn、In入り鉛フリーのはんだも知られているが、これについても後述する比較的低融点の鉛フリーはんだと同様な問題がある。さらには、はんだ付け時あるいははんだ付け後に、はんだ合金層(金属間化合物)が過度に成長してはんだ接続強度が低下するという問題や、被はんだ付け部がメッキされている場合にはそのメッキ材質によってはんだ濡れの不良が発生することが指摘されている。これ以外にも問題点は多数あるが、これらの問題点は大別すると次の2つの点に原因を集約される。
その一つは、プリント配線板の銅箔ランドに対する濡れ性の問題であり、他の一つははんだ合金による問題である。
前者の問題は、特にはんだ拡がり及びはんだ濡れスピードに問題がある。例えば現在一般に用いられているプリント配線板用ロジン系ポストフラックスを用いてJIS−Z−3197によるはんだ拡がりテストをすると、Sn−Pb系はんだで93%程度の拡がり率が、鉛フリーはんだ(例えばAg3.0、Cu0.5、残部Snのはんだ(特許第3027441号)あるいはAg3.0、Cu0.5、残部Snのはんだ、Bi57、残部Snのはんだ、Ag3.4、Cu1.0、Bi3.0、残部Snのはんだその他の上記した鉛フリーのはんだ)を用いると拡がり率は80%程度でしかなく、はんだ濡れ性が著しく劣る。そのため、はんだ付け条件について例えばプリヒート温度を強くしたり、はんだ付け温度を上げたり、あるいは窒素雰囲気中ではんだ付けを行なったり、活性度の強い活性剤を含有するフラックスを使用したりする等のことが試みられているが、いずれもその問題を解決することができない。また、はんだの溶融温度を下げたSn−Zn、Sn−Ag等の鉛フリーはんだによっても十分なはんだ濡れ性を確保できず、部品リードにSnメッキ、Sn−Agメッキ、Sn−Biメッキ、Sn−Pbメッキ、Auメッキ、Agメッキなどを施し、そのリードをプリント配線板のスルーホール等に鉛フリーはんだではんだ付けする場合には、そのリードに対するはんだ濡れ性は向上するが、コスト高となり実用的でないだけでなく、浸漬あるいは噴流はんだ付けを行う場合等には、これらのメッキ金属がはんだ槽の溶融はんだ経溶け込み、はんだに不純物が増加するするという問題もある。
後者のはんだ合金による問題は、鉛フリーのはんだについても、Sn−Pbはんだと同等の作業性、はんだ濡れ性、はんだ接続信頼性を得るためには、SnをべースとしてSn−PbのPbの代わりに、各種の金属を添加したはんだを調製し、はんだの溶融温度を下げたり、はんだ自身の強度を高める工夫がされている。しかし、添加する金属は、JIS規格では不純物として規定されるものが多く、はんだ付けの際にはんだの濡れを阻害したり、例えばプリント配線板の銅箔ランド等の母材金属の銅との間に生成された金属間化合物が特にはんだ付け後高温におかれた場合に過剰に生成して接合部を脆くし、接合強度を低下させ、甚だしい場合にははんだ接合部分からはんだの剥離が生じることがある。この問題を解決するには、はんだのSnやZnと銅との金属間化合物の過度の成長を抑える必要があり、はんだ組成について各種研究が進められているが、まだ有効なものは見出されていない。
なお、上記の2つの問題のほかに、スルホールを有する基板においては、はんだ付けランドからのはんだの剥離、すなわちリフトオフ現象や、はんだ凝固の際にはんだ上に起こる凝固割れ現象が問題となっている。
従来のフラックスでも金属化合物を用いた例もあるが、古くはいずれもSn−Pb系の有鉛はんだについてのもので、その目的も異なる。例えば特公昭55−46798号公報に記載された艶消し半田付け用フラックスでは、はんだ付け部のはんだ表面に半球状の種として有機酸錫塩を形成し、これにより光を反射させはんだの艶消し効果が得られるとされている。同じく特開昭51−18245号公報に記載された艶消しフラックスは、はんだ表面やレジスト表面の艶消しを目的としてロジン系樹脂に対する不溶解成分として金属化合物を用いている。また、特開平9−1382号公報には、亜鉛を含む半田合金粉末のソルダーペーストにおいて、その半田粉末粒子がフラックス中の活性剤などと反応し、はんだ付け性や保存安定性を害するのを防止するためにその半田粉末粒子の表面をイミダゾール系やトリアゾール系防錆剤や、金、銀、錫等(銅やニッケルは含まれていない)でコーテングすることも示され、その半田粉末として無鉛半田粉末を用いたものでも、はんだ広がり率や粘度安定性が優れることが記載されている。また、特公昭53−41627号公報に記載された金属接合用フラックスでは、松脂とアミン、フッ化物、ホウフッ化物と金属フッ化物(フッ化銅)を混合させ、さらにフッ酸又はホウフッ酸を作用させて母液より分離させた析出物を使用する金属接合用フラックスであり、主としてアルミニウムのはんだ付けに用い、Sn−Zn−Cdはんだ、Sn−Pb−Cdはんだ、Cd−Znはんだを用いたはんだ付けに使用されるものであり、このフラックスは、従来はんだ付けが困難な鋳鉄、アルミニウム、ステンレス、ニッケル合金鋼などに使用される無機系フラックスとしても知られている塩化亜鉛、塩化第一錫、フッ化水素酸とホウフッ化水素酸及びその金属塩、アミンをロジンと組み合わせて使用するものを応用したものであるが、フッ酸又はホウフッ酸を反応させて得られる析出物を利用する面倒がある。
いずれにしても、これらからは、はんだ濡れ性の向上を目的として、フラックスに銅系金属やニッケル系金属あるいはこれらの金属化合物を添加することは窺えず、特に鉛フリーはんだを使用したはんだ付けの場合には全く窺えない。
上述したように、鉛フリーのはんだは母材金属、特に銅箔ランドに対する濡れ拡がり率が低くて濡れが悪く、また、Sn−PbはんだのPbの代わりに他の金属を添加し溶融温度を低下させた鉛フリーのはんだもはんだの濡れを阻害したり、母材金属と金属間化合物を過剰に生成して接合強度を低下させ、これはらはんだ付け温度等のはんだ付け条件を変えても改善し難いという問題がある。
この問題を解決するために、フラックスの活性剤の添加量を増やして活性度を上げることや、これと併せて各種はんだの組成を変更することも行われている。例えばSn−Ag系はんだにCuを添加した鉛フリーはんだははんだ濡れ性の向上は見られが、Sn−Pb系はんだには比較にならないほど悪い。この鉛フリーはんだを、母材金属が酸化された銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなどの場合に用いられている、無機酸、無機塩などを用いた、例えば塩化亜鉛−塩化アンモニウム混合系のような強力なフラックスとともに用いても、母材金属に対するはんだの濡れ性はあまり改善されず、Sn−Pb系はんだの濡れ性には遠く及ばない。
ところが、(i)特開平11−58065号公報には、亜鉛を含む無鉛半田合金の粉末とフラックスの混合物に、亜鉛よりイオン化傾向の小さい金属の有機酸塩や無機酸塩を添加して得たソルダーペーストを用いたはんだ付けでは、高温下放置により半田と銅基板との接合強度が経時的に低下するのを防止できることが示され、また、(ii)特開2003−236695号公報には、無電解ニッケル基板に対するはんだ付け用フラックスに、ニッケルよりイオン化傾向の小さい金属塩を含有させて、このフラックスを用いた無鉛はんだによるはんだ付けにおいてニッケルのはんだへの拡散を抑制し、リンの濃化を防止してはんだ付けの接合強度を向上することが記載されている。また、(iii)特開平11−254184号公報には、樹脂成分を主成分として活性剤を添加したフラックスに、有機酸、特に一塩基酸の金属塩を0.5〜50重量%添加して得られる無鉛はんだ用フラックスが記載されており、このフラックスを用いた無鉛はんだのソルダーペーストは銅板に対する半田濡れ性及び接合強度が優れることが示されている。特にナフテン酸ビスマスやロジン酸鉛の一塩基酸の金属塩を用いた場合は優れ、ロジン酸銅を用いた場合にはこれらに次いで優れ、酢酸ビスマスやマレイン酸ビスマスではこれらほどは良くないが、塩化ビスマスを使用したものや有機酸の金属塩を使用しないものよりは優れることが示されいる。また、(iv)特開2003−251494号公報には、錫と銀又は銅との鉛フリーの析出型はんだ組成物において、銀及び/又は銅の遊離析出を抑制するとともに、銀又は銅が還元析出するのを防止し、回路パターンの導体表面に適切な鉛フリーはんだを形成できる析出型の鉛フリーはんだ組成物として、金属錫粉末と、銀イオン及び/又は銅イオンとアリール若しくはアルキルホスフィン類又はアゾール類との錯体を含有する組成物が示されている。また、(v)特開2004−42050号公報には、無電解ニッケルめっき又はその上にさらに金めっきを施した回路にはんだ付けを行う際に使用するフラックスであって、銀イオン及び/又は銅イオンと、ホスフィン類、含窒素複素環化合物又は、チオール、チオエーテル若しくはジスルフィド結合を有する化合物の錯体を含有させたフラックスが示され、このフラックスを用いると150℃以上の温度で回路パターンに銀や銅の析出が生じ、280℃以下の温度では回路パターン以外の部分には銀や銅の析出が生じないとされている。
特開平11−58065号公報 特開2003−236695号公報 特開平11−254184号公報 特開2003−251494号公報 特開2004−42050号公報
上記(ii)、(v)では、被はんだ付け体のはんだ付け部が無電解ニッケルめっきのものを対象としており、上記(i)では、フラックス中の活性剤等と反応性の高い亜鉛を含む無鉛半田粉末を使用しており、上記(iii)では有機酸の金属塩を使用しており、上記(iv)、(v)では析出型はんだ組成物に関するものであり、それぞれに問題点がある。例えば無電解ニッケルめっきはその形成工程でリンの残存が避けられず、はんだ付けにはこれに伴う問題があり、上記の析出型のはんだ組成物(ソルダーペースト)を用いたはんだ付けでは、プリント配線板の全面にソルダーぺーストを塗布し、加熱して回路パターンに金属の析出に伴うはんだ層を形成するが、非回路部分にも金属が析出し、回路をショートさせる危険があるので、これを回避するために上記(iv)、(v)で示したような特殊な有機錯体を使用しなければならないという問題がある。また、有機酸の金属塩を添加したフラックスを使用した場合には、その金属がはんだの金属と置換反応を起こし、これははんだの金属のイオン化傾向が大きいほど起こり易いが、これが起こるとソルダーぺーストの粘度変化が生じ易く、保存安定性に欠けるのみならず、はんだ付け時のはんだの濡れ広がりも悪くするという問題がある。
結局のところ、上記のいずれのものからも、被はんだ付け体のはんだ付け部が銅系金属、又は無電解ニッケルめっきを除くニッケル系金属からなるものに対して、鉛及び亜鉛を含まない鉛及び亜鉛フリーのはんだを用いた通常のはんだ付け(析出型はんだ組成物によるはんだ付けでなく、非析出型はんだ組成物による通常のはんだ付け)を行うためのフラックスとして、銅系金属又はニッケル系金属、これらの無機酸塩を添加したものはなく、また、上記(iv)、(v)に記載の有機錯体を添加したものもなく、ましてこれら有機錯体より使用し易い有機錯体や無機錯体を添加したものは窺うことができず、これは析出型はんだ組成物を用いたはんだ付けを行うためのフラックスについても同様である。また、このようなフラックスを用いて得られる鉛及び亜鉛を含まない鉛及び亜鉛フリーはんだのソルダーペーストも窺うことができない。また、被はんだ付け体のはんだ付け部の金属の防錆等を目的としてコーテイグされるプリフラックスは、はんだ付け工程の前工程としてインラインで使用されるフラックスとは区別されるが、このプリフラックスについては、上記(i)〜(v)に示された金属、金属化合物のいずれのものを添加したものすら窺うことができず、ましてその他の金属、金属化合物を添加したものは全く窺うことができない。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、銅、ニッケルやこれらの化合物を添加したフラックス、特にこれを活性剤とともに添加したプリフラックス、フラックスを用いると、特に鉛及び亜鉛フリーはんだでは特に銅系金属のはんだ付け部に対して濡れ性及びはんだ付け強度が向上し、そのフラックスを用いた鉛及び亜鉛フリーはんだのソルダーペーストは安定性があり、そのため活性剤の添加量を少なくすることができ、残さ膜の腐食や絶縁抵抗を改善でき、また、その際フッソ系化合物を併用するとこれらの性能がさらに向上することを見出し、本発明をするに至った。
したがって、本発明は、(1)、錫を主成分とし鉛を配合しない鉛フリーのはんだを用いたはんだ付けに使用できるプリフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属の無機塩、同金属の無機錯体、同金属の有機錯体及び有機酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するプリフラックスを提供するものである。
また、本発明は、(2)、錫を主成分とし鉛及び亜鉛を配合しない鉛及び亜鉛フリーのはんだを用いて表面が銅系金属及びニッケル系金属(但し、無電解ニッケルめっきは除く)の少なくとも一方からなるはんだ付け部に対するはんだ付けに使用できるフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、同金属の無機塩、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(但し、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するフラックス、(3)錫を主成分とし亜鉛を配合し鉛を配合しない鉛フリーのはんだを用いて表面が銅系金属及びニッケル系金属(但し、無電解ニッケルめっきは除く)の少なくとも一方からなるはんだ付け部に対するはんだ付けに使用できるフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(但し、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するフラックス、(4)、有機酸、アミン、有機酸アミン塩、アミンハロゲン化水素酸塩、アミン硼フッ化水素酸塩、アミン3フッ化硼素錯塩及び有機ハロゲン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する上記(2)又は(3)のフラックス、(5)、樹脂成分を含有する上記(4)のフラックス、(6)、プリント配線板に使用される上記(1)ないし(5)のいずれかのプリフラックス又はフラックス、(7)、上記(2)ないし(6)のいずれかのフラックスを用いて得られるソルダーペースト、(8)、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属を含有するフラックスを用いて得られるソルダーペーストは錫を主成分とし鉛を配合しない鉛フリーのはんだ粉を該銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属によりコーテイングしたコーテイングはんだ粉末を用いて得られる上記(7)のソルダーペースト、(9)、上記(1)ないし(8)のいずれかのプリフラックス又はフラックス又はソルダーペーストを用いた鉛フリー又は鉛及び亜鉛フリーのはんだによるはんだ付け方法であって、はんだ付け時の熱及び活性剤を含有させたときはその活性剤により当該金属及び金属化合物の少なくとも1種を活性化させて該活性化物を溶融はんだ金属表面及び被はんだ付け体のはんだ付け部に介在させ、この活性化物により該はんだ付け部において金属間化合物を生成させ、溶融はんだの濡れ性の向上と、過度の金属間化合物の成長によるはんだ接合強度の低下の防止のうち少なくとも一方を行う鉛フリーはんだ付け体の製造方法を提供するものである。
本発明は以下の事実に基づいてなされたものである。
(i) 従来のSn−Pb系はんだ付けでは、フラックスの役割としては、はんだ及び被はんだ付け体の母材金属の表面酸化物を取り除き、はんだ付け時の再酸化を防止し、さらにはんだの表面張力を低下させることで十分なはんだ濡れ性を得ている。
その理由は以下のように説明できる。
(i)-1 フラックスに含まれるロジン、有機酸、アミン塩酸塩、塩化亜鉛などは下記〔化1〕に示すような反応により、まず例えば母材金属の銅表面の酸化銅と反応して酸化銅をこれら化合物に取込み、その跡に銅表面を表出させて、いわゆる清浄にする。
Figure 2005169495
(i)-2 次に、この酸化銅との反応物(ロジン酸銅、有機酸銅、塩化銅、銅アミン錯体)は、溶融はんだと反応してはんだ中に金属銅を与える。
(i)-3 この生成した銅は直ちに溶融はんだ中に溶け込み、それによって溶融はんだが銅表面を濡れていく。その際、母材銅表面にはCu−Snの金属間化合物が生成されて溶融はんだが濡れ易くなっているとともに、Pb成分により溶融はんだの流動性が高められたり、表面張力が低下され、その金属間化合物を母材銅表面に広く速やかに生成させながら溶融はんだ自らも拡がり易く、濡れていく。 (i)-4 アミン塩酸塩で、母材金属銅に対する拡がりが優れている活性剤を含有したフラックスに対し、上記化学式で示した酸化銅との反応物を添加し、この反応物を添加したフラックスを用いるとはんだ拡がり(濡れ性)は低下する傾向にある。
(i)-5 アミン塩酸塩で、母材金属銅に対する拡がりが優れている活性剤を含有したフラックスを用いた場合、はんだ中の鉛を減少させるとはんだ拡がりは低下する傾向にある。しかし、フラックスの中に塩化銅、銅アミン錯体、有機酸銅を添加するとはんだ拡がり率は向上する。
(i)-6 この傾向はSn100%において顕著である。 上記はフラックスの作用機構についての研究であるが、次の問題がある。
ア 活性剤や、活性剤と母材金属銅の酸化銅との反応生成物である活性剤金属化合物が母材金属やはんだに均一に濡れず、少ないフラックス量では母材金属やはんだの再酸化を防止することができない。
イ 活性剤と上記活性剤金属化合物がはんだ付け温度で相溶し難い。
ウ 上記活性剤金属化合物は、少なくともはんだ付け温度で溶融又は溶解状態にないとはんだ濡れを阻害する。
エ 活性剤が空気中で吸湿し、はんだ付け時にその水分の急激な揮発によりフラックスの飛散が起きる。
オ 上記ア〜エのことから、フラクックスの塗布が不均一になるため、はんだの拡がりも不均一になり、溶融はんだの中心部を除いた周辺部は部分的にはんだが滲み出たように極めて薄く広がる。
((i)-5 、(i)-6 は、日本化学会誌,1973,p.271〜275を参照)
(ii) これに対し、鉛フリーのはんだでは上記と同様のフラックスを使用しても、以下の問題点がある。
(ii)-1 Pb成分を欠くために、溶融はんだの流動性が上がらず、表面張力も低下しないので、Cu−Snの金属間化合物が母材銅表面に広く速やかには生成されず、その成長が妨げられ、溶融はんだ自らも拡がり難く、濡れ難い。
(ii)-2 Sn成分を主成分とすると、溶融はんだ中への銅の拡散が速過ぎて、母材銅表面にCu−Snの金属間化合物を生成するのに間に合わない。
(ii)-3 フラックスの活性剤が、酸化され易い錫酸化物との反応に費やされてしまい、銅酸化物との反応に用いられず、前記(i)-2 〜(i)-3 のことが円滑になされない。
(iii) 上記のことから、はんだの拡がりを広く速く均一にするためには、はんだ付け時に上記の活性剤金属化合物成分の溶融又は溶解物を生成できるものを選択するか、他の活性剤を併用して同様の状態にするか、又は、他の樹脂成分及び溶剤成分(例えばロジン系樹脂、水溶性樹脂、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール)を併用し同様の状態にする必要がある。また、ロジン系フラックスを用いる場合には、アルコール等の溶剤に可溶な上記の活性剤金属化合物を選択することが望ましい。こうすることによりフラックスの活性剤の添加を少なくし、さらに金属、金属化合物の含有量を少なくしても非腐食性や絶縁性に優れたフラックスによる良好なはんだ濡れ性が得られるようにすることができる。すなわち、Snを主成分とする鉛フリーのはんだについては、母材銅表面に広く速くCu−Snの金属間化合物が生成され難い点が問題であるので、その生成を促進するために、フラックスに銅又は銅化合物を含有させ、母材銅表面に広く速くCu−Snの金属間化合物が生成され易くすればよいことを見出した。
(iv) 以上のことから、鉛フリーのはんだを用いたはんだ付けにおいては、フラックスの成分に予め特定の金属及び金属化合物の少なくとも1 種を含有させ、はんだ付け時にはんだ付けの熱でこれを分解させ、あるいは熱とそのほかの成分の有機系活性剤との相互作用を利用して、これら金属や金属化合物を、はんだ付けの際、はんだと被はんだ付け体の母材の界面に選択的に介在させ、はんだ接合部において金属間化合物を生成させ、これを助長又は抑制して、はんだ濡れ性を向上させ、あるいは金属間化合物の過度の成長を抑制できることを見出した。
フラックス(ソルダーペーストに使用するフラックスを含む、以下同様)に、金属及び金属化合物の少なくとも1種を添加することができ、その「金属」としては、Sn、Pb、Cu、Ag、Bi、Zn、Ni、Fe、Al、Li、Mg、St、Sb等が挙げられる。被はんだ付け体のはんだ付け部の表面の金属(母材金属)が銅系金属(銅や銅合金、以下同様)、ニッケル系金属(ニッケルやニッケル合金、以下同様)に対しては、銅系金属、ニッケル系金属やこれらの化合物が好ましく、同系の金属がより好ましい。鉛フリーはんだ付け用フラックスにおいては、被はんだ付け体のはんだ付け部(母材金属)と同種の金属及び金属化合物の少なくとも1種を含有させることによりはんだ濡れ性と接続信頼性の向上が図れる。
プリフラックスやフラックスに添加する「金属化合物」としては、無機系と有機系に大別される。無機系としては、上記各金属の鉱酸塩が挙げられ、鉱酸としては、フッ化水素酸、塩酸、燐酸、臭化水素酸、ホウフッ化水素酸等が挙げられる。有機系金属化合物としては、有機酸及びその誘導体の金属塩、キレート化合物金属塩、有機金属化合物が挙げられる。有機酸及びその誘導体の金属塩としては、カルボキシル基を持つ各種化合物と金属を反応したもので、飽和及び不飽和カルボン酸、多塩基性カルボン酸、ハロゲン化脂肪酸、ハロゲン化芳香族カルボン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸、芳香族カルボン酸などが挙げられ、具体的には以下のものが挙げられる。なお、ロジン(1−アビエチン酸を種成分)及びその誘導体(例えば重合ロジン、不均化ロジン、フェノール変性ロジン、マレイン酸変性ロジンなど)はフラックスに用いる最も代表的なものであり、その上記各金属の塩も使用できる。
脂肪酸としては、酢酸、カプリル酸、プロピオン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラギジン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸等が挙げられ、多塩基性カルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられ、ハロゲン化脂肪酸としては、モノクロル酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、α−クロロプロピオン酸等が挙げられ、ハロゲン化芳香族カルボン酸としては、2−ブロモフェニル酢酸、3−ブロモフェニル酢酸、3−ブロモ−4メチル安息香酸、3−ブロモフェニル酢酸が挙げられ、芳香族カルボン酸、オキシカルボン酸としては、p−ブチル安息香酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、グルコン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等が挙げられ、アミノ酸としては、グリシン、アラニン、セリン、シスチン、フェニルアラニン、グルタミン酸、リジン等が挙げられる。また、キレート化合物金属塩としては、アミン金属キレート化合物(エチレンジアミン等の低級アルキレンジアミンの銅、ニッケルの有機錯体等)とそのハロゲン化物や、エチレンジアミン四酢酸錫、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾールなどのイミダゾール類等のアゾール類とのキレート化合物で、例えば2−nベンジルイミダゾール、2−nウンデシルベンズイミダゾール、2−(2−フェニルエチル)ベンズイミダゾール、2−シクロヘキシルベンズイミダゾール、2−シクロヘキシルイミダゾール等とのキレート化合物が挙げられる。また、アミン無機塩と金属を反応させた金属錯体の無機塩も挙げられ、NH3 (銅アンモニウム錯体等)、H2 O、CN- 、Cl- 、F- 、NCS- 等と金属イオンとの無機錯体も挙げられ、有機金属化合物としては、金属原子と炭素原子を結合させたもので、例えばテトラエチルスズ、トリエチルイソプロピルメルカプトスズ、塩化トリベンジルスズ、テトラエチル鉛、二塩化ジブチルスズ等が挙げられる。
フラックスの場合、有機酸の金属塩を添加したフラックスを用いて得られるソルダーペーストの場合には、有機酸の金属塩は鉛フリーのはんだ粉末、例えば錫粉末、特に亜鉛粉末との反応性が高く、ソルダーペーストの粘度の経時変化があり、これを使用したリフローはんだ付けにおいても溶融はんだの濡れが悪くなるので、これを避けるには、フラックス、特にソルダーペースト用フラックスには、金属、金属の無機塩、金属の無機錯体及び金属の有機錯体の少なくとも1種、すなわち金属及び金属化合物の少なくとも1種を使用でき、特にはんだ付けしようとするはんだ付け部(母材金属)が銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属である場合には、金属及び金属化合物の少なくとも1種としては、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、同金属の無機塩、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)の少なくとも1種を添加することが好ましいが、有機酸の金属塩その他の上記したもの、その他のはんだ付時の熱及び活性剤により活性化するものも併用することができる。ここでアミンは第一アミン、第二アミン、第三アミンが含まれる。配位する基には上記のほかにカルボキシル基も挙げられるが、有機酸を用いる場合と同様にソルダーペーストの保存安定性の問題がある。また、チオエーテル基も挙げることができる。これらの各基を有する有機化合物の金属錯体を併用してもよい。フラックスに使用できる単独のもの、併用するものは、それぞれ単独又は併用してプリフラックスにも使用できる。金属の無機塩は水性溶剤やアルコールに溶けやすく、残さの洗浄も容易であり、比較的低分子量であるので金属含有量も多く、効率よく使用し易い。金属の無機錯体も同様の傾向がある。有機錯体の場合には、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体は入手し易い点、比較的低分子量のものを選択できる点、はんだ付け時の熱により分解、蒸発し易く、、低コストのものを選択できる等の点で好ましい。
具体的には上記したものが挙げられ、また、後述の実施例に挙げた化合物のほかに、色素やその添加剤として用いられる有機化合物の金属錯体、特に銅、ニッケルの金属錯体も挙げられる。具体的には、光情報記録媒体用色素やその添加物があげられ、例えば特開昭63−276593号公報(含金属キノリンジオン系化合物等)、特開平3−93592号公報、特開昭64−50252号公報、特開平8−310129号公報、特開平2−76884号公報(含金属ピリドフェノチアジン系化合物等)、特開平4−292260号公報、特開平8−295079号公報(ホルマザン金属錯体系色素等)、特開平9−323478号公報(金属含有アゾ系化合物等)、特開平5−17701号公報(金属イオン含有インドアニリン系色素化合物、金属イオン含有インドフェノール系色素化合物等)等に記載の化合物が挙げられる。
上記金属及び金属化合物の内、鉛フリーのはんだの濡れ性の向上に最も効果があったのはCu(銅)及びその化合物であり、Ni(ニッケル)及びその化合物がこれにつぐものであった。その他の金属は、単独では銅化合物よりもその効果が弱く、使用する鉛フリーはんだに含まれる錫以外の成分による金属間化合物の過度の成長を抑制させながら銅の金属間化合物を生成する手段として必要最小限用いることも望ましい。また、その他の金属に対しても母材金属とSnとの金属間化合物を生成する対象金属を添加することによりはんだ濡れ性の向上が図れる。例えば母材金属がニッケルに対しては、Ni又はその化合物、母材金属が鉄に対してはFe又はその化合物、母材金属が42アロイに対してはFe、Ni又はこれらの化合物をフラックスに含有させることによりはんだ濡れ性の改善が図れる。これは、Snを多く含有する、鉛フリーはんだにおいて問題視される高温環境下の金属間化合物の成長によるはんだ接続強度の低下を防止するのにも役立つ。すなわち、INTERNATIONAL TIN RESEARCH INSTITUTE Publication No.631で示されるように、ニッケルやニッケル−鉄合金などの、金属間化合物の成長のバリアとなる金属に対しても本発明のフラックスは、はんだ濡れ性に優れるため、たとえばプリント基板の銅上にニッケルメッキを施した物にも従来のロジン系フラックスと同等のはんだ品質が得られ、はんだ接続の信頼性の向上が図られ、高温環境下における過度の金属間化合物の成長を妨げる。また、一般のプリント基板のはんだ付けにおいてフラックスにNiやFeを含有させ、Cu、Fe、NiとSnの金属間化合物を生成させ同様な効果も期待できる。さらに電子部品のリードや電極が銅、銀又は金でメッキされていた場合そのメッキした金属がはんだに溶けだすいわゆるはんだ食われの現象の防止対策にも用いることできる。すなわち、はんだ付け時に起きるメッキ金属の過度のはんだへの溶け込みをフラックス中にこれらの金属を含有させることにより防止することができる。特にFe、Ni、Cu、Au、Agの金属、金属化合物を含有させたフラックスでは効果がある。
また、リフトオフ現象の原因となるSn−Bi系はんだのはんだ付け界面への偏析を防止するためフラックス中にCu、Bi、Fe、Niなどの金属又はその化合物を含有させてこれらの金属間化合物をはんだ界面に生成させその解決を図ることもできる。
なお、Pbやその化合物も鉛フリーはんだの濡れ性の向上に効果があるが、環境対策の面からは制約を受ける。金属化合物の内、無機金属塩や、ハロゲン化キレート化合物を除き、大半の金属化合物は、それ自身では、酸化皮膜の還元作用が弱いため、他の有機酸系、有機アミン系の活性剤と併用して用いることによりその効果が得られ易い。金属化合物は、はんだ付け時に活性化するものであれば、金属、金属酸化物、有機系金属化合物のようにはんだ付け作用のないものでも他に含まれる活性剤との併用でその効果を得ることができる。そのため、これらを粉末状にして、フラックスやはんだペーストに添加してもよい。また、これらをはんだと合金化せずにはんだ粉と混合してもよい。ただし、はんだ中に銅を合金化させるとその効果は得られない。
上記金属及び金属化合物の少なくとも1種(「金属又は金属化合物」といい、同義に用いることがあり、金属は銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、金属化合物は同金属の化合物、特に同金属の無機塩、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(但し、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)の少なくとも1種のことも言っている。)の添加量は、フラックス中に含まれる他の活性剤の種類にもよるが、少量の添加でその効果が現れ、それ以上添加量を増やすと徐々にはんだ濡れ性が低下する傾向にあった。図1は、後述する実施例1において、銅化合物の添加量を変えたロジン系フラックスを使用して得られた鉛フリーはんだのはんだ拡がり試験を行った結果であるが、図からわかるように、銅化合物の添加に伴いはんだ拡がり率が急激に向上してピークに達し、その後平衡に達する。この図1の場合には、銅化合物が銅金属として、フラックス中に、金属換算で0.01〜3 %(質量%、以下同様)が好ましい。このことから、図1のように、金属又は金属化合物を添加割合を変えて添加したフラックスを使用してはんだ拡がり試験を行ったときのはんだ拡がり率曲線から、その最適添加量を求めることができる。なお、フラックスへの金属又は金属化合物の添加量は、併用する活性剤の種類によりその添加量を変える必要がある。例えば図1の場合では、アミン塩酸塩等の活性剤との併用ではアミンの種類等により母材金属銅の酸化銅(CuO)や銅化合物に対する反応速度が異なるためである。通常フラックス中への金属及び金属化合物の少なくとも1種の含有量(金属換算)は0.01〜8%が適している。
金属又は金属化合物のフラックスへの添加は、はんだの種類、はんだ付け温度、溶解性、はんだ濡れ性、分解温度、フラックス残さの信頼性、金属含有量、有害性等を考慮して一種から数種を用い、その添加量を調整する。フラックスへの金属又は金属化合物の添加比率はその分子式から任意に設定可能である。例えばステアリン酸金属塩の金属含有量はリチウム2.5%、銅11.3%、マグネシウム4.5%、ストロンチウム13.8%、バリウム20.0%、亜鉛10.6%、アルミニウム(モノ)5.3%、鉛27.0%、ニッケル8.8%となる。なお、鉛の有機化合物を含むフラックスを用いた場合、はんだ接合部合金層のみに鉛が含まれ接合はんだ全体からみるとはんだ中の鉛含有量は鉛フリーはんだの不純物規定量以下にし、実用上問題にならないレベルにすることができる。ただし、フラックス残さには、鉛が含まれるのではんだ付け製品が廃棄された場合の環境汚染のことを考慮すると洗浄をすることが好ましい。また、金属又は金属化合物を添加したフラックスを使用したはんだ付けにおいて溶融はんだがそのフラックス膜に供給されたその残部が落ち込んでいくようなはんだ槽のはんだの汚染も、はんだ槽上でのフラックスの分解スピードが速く、金属又は金属化合物は金属酸化物となるため、はんだ槽の溶融はんだへの金属又は金属化合物の溶け込みがないようにでき、フラックスに起因するはんだ汚染が実用上ほとんどないようにできることも分かっている。
本発明において、フラックスは樹脂成分を含有してもよく、樹脂成分としてはロジン系樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂が挙げられ、これには水溶解樹脂も挙げられ、それにはアンモニア、アミン等のアルカリ可溶性のものも挙げられるが、水溶性樹脂としてはほかにポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールやエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。樹脂成分を含有するフラックスとしては、例えばロジン系樹脂をベースとしこれに、有機酸、アミン、有機酸アミン塩、アミンハロゲン化水素酸塩、アミン硼フッ化水素酸塩、アミン3フッ化硼素錯塩及び有機ハロゲン化合物からるな群より選択される少なくとも1種の活性剤を添加し、必要に応じて溶剤を使用する。ロジン系樹脂としては、ロジン及びその誘導体の少なくとも1種が挙げられ、具体的には重合ロジン、水素添加ロジン、フェノール変性ロジン、不均化ロジン等の少なくとも1種が挙げられるが、その一部にアミンを付加したもの(ロジン系樹脂の半分は未反応状態として残すことが好ましい。)も好ましく、その添加量は液状フラックスで3〜30%、ソルダーペースト用フラックスで40〜60%が好ましい。ポリアルキレングリコールを使用する場合もその使用量以外は同様であり、その使用量は液状フラックスで5〜50%、ホットエアレベラー用フラックスで50〜90%が好ましい。アミンとしては、アルキルアミン、アルキレンアミン、アルキルアルカノールアミンなどの各種脂肪族アミン、ピリジン、イミダゾリン、イミダゾール、トリアゾールなどの複素環アミン、アニリン、トルイジンなどの芳香族アミンが挙げられ、アミン塩としてはそのハロゲン化物が挙げられ、アミン塩としてはロジン系樹脂に対して0.2〜3%添加することが好ましい。また、フッ化物、硼フッ化物としては、上記アミンとのフッ化水素酸塩、硼フッ化物が挙げられ、ロジン系樹脂に対して10%以下、特に0.2〜3%が好ましい。そのほか、有機ハロゲン化物、各種キレート化物、有機酸など公知の活性剤を必要に応じて添加することもできる。
溶剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール、フロソルブ類、グリコール類等が挙げられる。
なお、上記従来例のフラックスはいずれも使用できる。
上記の本発明のフラックスは、一般電子機器用のロジン系フラックスとして、やに入りはんだ、自動はんだ付け用液状フラックス、ソルダーペースト用フラックス(鉛フリーのはんだ粉末その他必要に応じて溶剤等の成分を加えペースト状にして得られるソルダーペースト用のフラックス)にも用いることができる。また、非ロジン系の各種フラックスにも応用できる。また、プリント配線板用プリフラックスに含有させたロジン系樹脂に予め銅等の金属を反応させたり、銅等の金属及び銅化合物等の金属化合物の少なくとも1種を添加したり、銅化合物等の金属化合物をそのままプリント配線板の銅箔ランド上にコーテイングしても、鉛フリーはんだの溶融はんだの濡れ性を向上させ、また、その接合強度を向上させることができる。プリント配線板用としては、銅、銅化合物がよい。銅化合物等の金属化合物をそのまま、コーティング用プリフラックスとして用いる場合の銅化合物の一例としては、ロジン系樹脂、ステアリン酸、パルミチン酸、パラターシャリーブチル安息香酸などの60〜150℃の軟化点を有する有機酸銅塩が優れており、他の金属についても同様な化合物が挙げられる。また、銅以外の金属の保護には、銅以外の金属のはんだ濡れ性の改善にはその対象金属の金属及び金属化合物を含有させると、さらにその効果が得られる。また、自動化ラインではんだ付け工程前に通常のフラックスを塗布する前工程として使用されるプリフラックスとして使用してもよい。コーティング塗膜中の銅含有量は、例えばロジンや高級脂肪酸の塩の場合には、その分子量からわかるように凡そ10%となる。塗膜は薄くコートされるためフラックス中の金属又はその金属化合物は、通常のはんだ付け用フラックスより多く含有させる必要がある。プリフラックス中への金属又は金属化合物の含有量は金属換算で0.1〜15.0%程度が適している。なお、対象金属が銅以外のものについては、はんだ付けを考慮して他の金属を用いる。また、プリフラックスとして用いる場合、活性剤を含有しないものでも使用できる。
なお、プリフラックスはベンゾトリアゾール系化合物等のアゾール系化合物を用いたプリント配線板銅箔保護用コーティング剤と併用してもよく、両者を適宜割合で混合して用いてもよい。
本発明おいて使用される鉛フリーのはんだとしては、例えばSn−Ag−Bi、Sn−Cu、Sn−Zn−Al、Sn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Bi、Sn−Bi、Sn−Ag−Bi−Cu、Sn−Ag−Cu−In、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu−Ni、Sn−Sb、Sn−In、Sn−Zn等が挙げられる。また、これらの各はんだに他の金属を添加したものでもよい。
本発明によれば、鉛フリーのはんだを用いてはんだ付けする場合に、金属及び金属化合物の少なくとも1種、特に銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属及び特定の同金属の化合物を含有させたプリフラックス、フラックス、無鉛ソルダーペーストを提供でき、さらにロジン系樹脂を含有させたフラックスにこれらの金属及び金属化合物の少なくとも1種を活性剤とともに添加して使用することができるようにしたので、少なくとも鉛フリーのはんだのはんだ付け部の母材金属に対する濡れ性を向上させることができ、また、はんだ付け接合強度を向上させることができる。特に、活性剤としてアミン系活性剤、特にフッ素系アミン系活性剤を使用した場合にこれらの効果は大きい。このようなフラックスは、例えば上記の銅系金属又は特定の同金属の化合物等とともにアミン系活性剤、特にフッ素系アミン系活性剤を使用した場合に、例えばプリント配線板の銅箔ランド、スルーホールにそれぞれチップ部品の電極、電子部品のリードを鉛フリーはんだを用いて浸漬あるいは噴流はんだ付けを行う場合のみならず、鉛フリーはんだ粉末その他必要に応じて溶剤等の他の成分とともに混合してペースト状にした、いわゆるソルダーペーストの成分として用いても、銅箔ランド、スルーホールに対する鉛フリーはんだの溶融はんだの濡れ性を向上させることができ、また、はんだ付け接合強度を向上させることができ、これを通常の鉛フリーのはんだ付け条件を特に変更することなく行うことができ、工業上、実用上の価値が極めて大きい。しかも、上記の銅系金属又は特定の同金属の化合物等は使用し易いものを選択できるのみならず、活性剤等と反応性の高い亜鉛を配合しない鉛フリーはんだとともに用いてソルダーペーストを得るようにしたので、保存安定性やはんだ濡れ安定性が損なわれず、実用性を高めることができる。
また、フラックス中に金属又は金属化合物を含有させることによりそのフラックス膜を介した鉛フリー溶融はんだの濡れが向上するため、フラックス中への活性剤の含有量を少なくしても、はんだ濡れ性がよく、フラックス残さが非腐食性で絶縁性に優れたものとなる。
銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属及び特定の同金属の化合物を含有させたプリフラックス、フラックス、鉛及び亜鉛フリーのはんだのソルダーペーストは、必要に応じて活性剤を添加し、さらに樹脂成分を添加したものは、鉛フリーはんだによりはんだ付けすることを、通常の鉛フリーのはんだ付け条件を特に変更することなく行ない、母材金属に対する鉛フリーのはんだの溶融はんだの濡れ性の向上と、はんだ付け接合強度の向上を実現させた。
フラックスを調製し、これを用いて各種金属化合物のはんだ濡れ性を比較した。
ロジン19%(質量%、以下同様)、重合ロジン5%、エチレンアミン臭化水素酸塩(活性剤)1%、各種金属化合物(金属含有換算)3%、エチルアルコール 残部(合計100%)を攪拌混合してフラックスを得た。このフラックスを用いてJIS−Z−3197によるはんだ拡がり試験( 銅張り積層板の銅面にフラックスを塗布してフラックス膜を形成し、その上に溶融はんだを滴下してその広がりをはんだ拡がり率(%)として測定する) の結果を下記に示す。
なお、下記(A)〜(E)は次のはんだ組成を示す。
(A)96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu 融点217℃
(B)99.3Sn−0.7Cu 融点227℃
(C)96.5Sn−3.5Ag 融点221℃
(D)91.2Sn−8.8Zn 融点298.5
(E)58Sn−42Bi 融点139℃
(F)63Sn−37Pb(比較) 融点183℃
((A) 〜(E) は鉛フリーはんだ、(D) は鉛及び亜鉛フリーはんだ、(F) は有鉛はんだ)
(A) (B) (C) (D) (E) (F)
金属化合物未添加(比較) 78 78 76 75 85 93
水酸化銅 86 86 86 85 88 93
塩化銅 89 89 88 86 90 93
臭化銅 89 89 88 86 90 93
塩化ニッケル 85 85 85 83 85 85
リン酸銅 86 86 86 84 86 92
ホウフッ化銅 85 85 85 83 85 92
塩化アンモニウム銅 86 86 86 85 86 93
銅アミン錯体塩化物 88 88 88 85 88 93
( Cu(RNH3)2Cl4、R はベンゼン環でRNH2はアニリンを示す。)
ジメチルグリオキシム銅 86 86 86 85 86 93
アセチルアセトン銅 86 86 86 85 86 93
ここで、例えば塩化銅の含有量を変えることにより銅の含有量(銅金属としてのフラックス中の%)を変えたプリント配線板用ロジン系フラックスを用い、鉛フリーはんだ(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)(融点217℃)を使用した場合について、JIS−Z−3197によるはんだ拡がり試験を行った結果を図1に点線のグラフで示す。
上記結果より、フラックスに銅化合物、ニッケル化合物を含有させると鉛及び亜鉛フリーのはんだのはんだ濡れ性が向上することがわかる。
なお、水酸化銅、ジメチルグリオキシム銅、アセチルアセトン銅のようにハロゲンを含まない化合物( 後述の実施例2 のプリフラックスに添加した有機酸金属塩についても同様) は、活性剤を併用しないとはんだ拡がり率は向上し難いが、塩化銅のようにハロゲンを含む無機酸銅は活性剤を併用しなくてもはんだ広がり率は向上し、活性剤も兼ねた機能を有するということができる。このことから、無機ハロゲン塩、無機錯体ハロゲン塩( 銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1 種の金属のハロゲン塩、同金属の無機錯体ハロゲン塩) 、有機化合物のハロゲン塩は活性剤も兼ねた機能を有するということができる。
プリント配線板用プリフラックスの例を示す。このプリフラックスは防錆剤ということもできる。
下記各種化合物の20%エチルアルコール溶液のプリフラックスを調製し、これに銅板を浸漬した後乾燥させ、40℃、95%相対湿度下に96時間放置した後、銅板の変色を目視観察した。次に実施例1で使用した(A)の鉛及び亜鉛フリーのはんだを用いてJIS−Z−3197によるはんだ拡がり試験( 銅板の上に固形はんだを載せ、その上にフラックスを塗布して加熱し、溶融はんだの広がりをはんだ広がり率(%)として測定する) を行った結果を下記に示す。
なお、フラックスはロジン19%、重合ロジン5%、エチレンアミン臭化水素酸塩(活性剤)1%、エチルアルコール 残部(合計100%)を攪拌混合して調製したものを使用した。
各種化合物 銅の変色の有無 はんだ広がり率(%) パルミチン酸銅 無し 86
パルミチン酸ニッケル 無し 84
ステアリン酸銅 無し 86
パラターシャリー安息香酸銅 無し 86
ロジン酸(70 %) +アセチルアセトン銅(30 %) 無し 86
ロジン酸銅 無し 86
ロジン酸ニッケル 無し 84
ロジン( 比較) 無し 78
未処理( 比較) 有り 75 上記結果より、銅化合物は防錆機能があり、その処理をした表面ははんだ拡がりがよいことがわかる。
ソルダーペーストへの適用例について述べる。
ロジン55%、水素硬化ヒマシ油(チキソ剤)6%、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(活性剤)1%、2,3ジブロムコハク酸0.5%、ジメチルアミン塩酸塩0.3%、実施例1で使用の銅アミン錯体塩化物(銅アニリン錯体塩化物)5%、ジメチルグリオキシムニッケル1%、カルビトール(溶剤)残部(合計100%)を攪拌混合してフラックスを得た。
このフラックス10%と、鉛及び亜鉛フリーのはんだ粉(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)(10〜50μの粒径)90%とを練り合わせ、ソルダーペーストを得た。このソルダーペーストの粘度は経時的に変化は少なく、保存安定性に優れていた。
このソルダーペーストを用いて実施例1と同様のはんだ拡がり試験を行ったところ、上記金属化合物(銅アニリン錯体塩化物5%、ジメチルグリオキシムニッケル1%)を含有しないこと以外は同様のソルダーペースト(比較対象ソルダーペースト)を用いたものよりも、濡れ性はよく、接合強度も優れていた。すなわち、本実施例のソルダーペーストと、比較対象ソルダーペーストを用いて、母材金属が銅、ニッケル、43アロイである場合のはんだ拡がり試験の結果は以下のとおりであった。
本実施例のソルダーペースト:銅 89%、ニッケル 82%、42アロイ 80%
比較対象ソルダーペースト :銅 79%、ニッケル 73%、42アロイ 72% なお、銅アニリン錯体塩化物5%の代わりに、銅粉末(10〜50μの粒径)3%を用いたこと以外は上記と同様のフラックスを用いたこと以外は同様のソルダーペーストについても本実施例のソルダーペーストについてのはんだ拡がり試験結果と同様の結果が得られた。
なおまた、ジメチルグリオキシムニッケル1%を用いないこと以外は同様のフラックスを用いたこと以外は同様のソルダーペーストについては、本実施例のソルダーペーストについてのはんだ拡がり試験結果に比べて、それぞれ3%低下した数値が得られた。
上記のことから、フラックスに金属又は金属化合物を含有させると銅に対するはんだ濡れ性が向上することがわかる。また、同様にニッケル化合物を含有させるとニッケル、42アロイに対する濡れ性が向上する。
Sn−Zn系はんだ粉末を用いたソルダーペーストの例。
Sn−Zn系はんだ粉末を用いたソルダーペーストは、はんだの亜鉛とフラックスの成分との反応が他の鉛フリーのはんだの成分より大きいため、ソルダーペーストの保存安定性、はんだ付け性に問題がある。そこで、Sn−Zn系はんだ粉末に銅をコーティングしてこの問題を解決した適用例を示す。
実施例3において、銅アニリン錯体塩化物5%、ジメチルグリオキシムニッケル1%の金属化合物の代わりに、アセチルアセトン銅6%を用いたこと、はんだ粉(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)の代わりに、はんだ粉(91.2Sn−8.8Zn、融点198.5℃)(比較例)と、これに銅をコーティングしたコーティングはんだ粉(実施例)のそれぞれを用いたこと以外は同様にしてそれぞれ比較例、実施例のソルダーペーストを調製した。この際アセチルアセトン銅6%を用いなものについても試験した。なお、銅のコーティングは、めっき法でもよいが、有機金属銅の置換反応を利用した(パルミチン酸銅のような有機酸銅のエチルアルコール溶液に上記はんだ粉を浸漬し、攪拌しながら加熱し、銅をはんだ粉表面に析出させ、ついで濾別して洗浄し、乾燥する。)。
得られたソルダーペーストを室温(約20℃)に1カ月保存し、その変化を目視により観察し、上記実施例と同様にJIS−Z−3197により試験し、はんだ広がり率(%)を求めた結果を以下に示す。
銅コーテイング アセチルアセトン銅 外観 はんだ広がり率
の有無 の使用の有無 初期 1カ月 初期 1カ月
有り 有り 良い 良い 86 86
有り 無し 良い 良い 86 85
無し( 比較) 有り 良い ばさつき状態 86 85
無し( 比較) 無し 良い ばさつき状態 78 78
上記結果より、ソルダーペーストのフラックスに金属化合物を含有させると、はんだ濡れ性が向上し、さらにはんだ粉に銅をコーティングするとソルダーペーストの保存安定性に優れることがわかる。
特殊金属用フラックスへの適用例について述べる。
ロジン80%、モノエタノールアミン10%、ジエタノールアミン10%、ジエタノールアミンフッ化水素酸塩1%、ジエタノールアミンホウフッ化水素酸塩5%を混合し、100℃、20分間反応させ、一部アミン化ロジン(ロジンの半分は未アミン化)及び未反応のアミンや、アミンのフッ化物、硼フッ化物を含有する混合物を得た。この混合物に金属化合物としてフッ化銅を3%添加し、これを100℃、30分間攪拌混合し、反応させ、特殊金属用フラックスを得た。
この特殊金属用フラックスは、上記フッ化銅を添加する前の混合物では、比較的はんだ付けが困難な鉄、ニッケル、アルミニウムに対しては、Sn−Pb系はんだや鉛フリーはんだに対するはんだ濡れ性が優れるが、母材金属が銅の場合には特に鉛フリーはんだではんだ拡がりが約80%と悪いのに対し、その濡れ拡がり率が約90%と向上することがわかった。この実施例のフラックスは上述した従来の同種のもののようにフッ酸等を加えて反応物を析出させ、それを利用するような面倒はない。
なお、上記特殊金属用フラックスには、アミンハロゲン化水素酸塩、有機ハロゲン化物、各種キレート化物、有機酸など公知の活性剤を必要に応じて添加することもできる。
また、ロジン、アミン、フッ化物、硼フッ化物は前述において例示したものも、例示した添加量で使用できる。
このフラックスは、非腐食性で絶縁性に優れるため、鉛フリーはんだ用として、やに入りはんだ用に使用したり、溶剤に溶かしてペースト状フラックス、液状フラックスとして利用できる。
ホットエアレベラー用水溶性フラックスへの適用例について述べる。
アニリン塩酸塩10%、純水10%、ビスフェノールAのEO(10)付加物(EOはエチレンオキサイド)65%、金属化合物として塩化銅3%、イソプロピルアルコール残部(合計100%)を攪拌混合し、水溶性フラックスを得る。この水溶性フラックスを用いて、ガラスエポキシスルホール基板へ、鉛フリーはんだ(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)を用いてはんだ付けレベラー処理をしたところ、上記記金属化合物を含有させないこと以外は同様の水溶性フラックスでは、はんだはじき状態になるのに対し、本フラックスでは、はんだの濡れ性はよく均一なはんだコートが得られた。なお、本フラックスを用いた場合はんだ拡がり率は90%、上記金属化合物未添加のフラックスの場合には80%であった。
無機系強活性フラックスへの適用例
ZnCl2 (塩化亜鉛)35%、NH4 Cl(塩化アンモニウム)15%、塩酸5%、塩化銅(金属化合物)5%、塩化鉄(金属化合物)2%、純水残部(合計100%)を攪拌混合してフラックスを得た。
このフラックスは、ラジエター(黄銅)等の高温はんだを用いたはんだ付けや、黄銅、酸化された銅、低炭素鋼などのはんだ付けに用いられる。ラジエター(黄銅)のはんだ付けでは、従来40Sn−60Pbの高温はんだではんだ拡がり率が90%のものが、鉛フリーはんだ、例えば97.5Sn−2.5Ag(融点226℃)、97Sn−3Cu(融点300℃)では、90%となり、上記の金属化合物を含まないと80%となるのに比べれば、はんだ濡れ性が向上していることがわかる。
活性剤の種類による金属化合物のはんだの濡れ性に及ぼす影響を調べた。ハロゲンを含まない金属化合物の場合に活性剤の種類による影響は大きい。
ロジン10%、重合ロジン5%、ジメチルグリオキシム銅( 金属化合物) 4%、各種活性剤0.6%、エチルアルコール残部(合計100%)を攪拌混合してフラックスを得た。このフラックスを用い、鉛フリーはんだ(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)により実施例1と同様なはんだ拡がり試験を行った結果を以下に示す。
(活性剤の種類) 有機酸系:コハク酸
有機酸ハロゲン化物:モノクロル酢酸、無水クロレンド酸
アミン有機酸:エチルアミンパルミチン酸
アミンハロゲン化水素酸:エチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩
アミンフッ化水素酸:n−ブチルアミンフッ化水素酸
アミン硼フッ化水素酸:エチルアミン硼フッ化水素酸、ジフェニルグアニジン硼フッ化水素酸
ハロゲン化有機化合物:2,3−ジブロムプロパノール
(はんだ拡がり試験の結果) 括弧内は上記金属化合物を含有しないこと以外は同様のフラックスを用いた場合の同様のはんだ拡がり試験の結果を示す。
また、鉛フリーはんだの代わりに63Sn−37Pbの有鉛はんだを用いたこと以外は上記と同様に行った試験結果を併記する。
活性剤の種類 はんだ拡がり率(%) はんだ拡がり率(%)
(鉛フリーはんだ) (有鉛はんだ)
ベース組成 77(75) 75(80)
有機酸 83(75) 80(83)
有機酸ハロゲン化物 86(78) 84(93)
アミン有機酸 80(78) 81(83)
アミンハロゲン化水素酸 85(80) 90(93) アミンフッ化水素酸 85(80) 90(93)
アミン硼フッ化水素酸 88(80) 90(93)
ハロゲン化有機化合物 85(80) 90(93)
なお、「ベース組成」は、各種活性剤を含有しないこと以外は同様のフラックスを用いた場合のものである。
上記の結果から、次のことがわかる。
フラックスに金属化合物を含有させると、鉛フリーはんだを用いた場合には、はんだ濡れ性が向上するが、有鉛はんだを用いた場合には、はんだ濡れ性が低下する。鉛フリーはんだの濡れ性を向上させるためには、フラックスに金属化合物を含有させ、さらに他の活性剤を含有させることが特に有効である。また、活性剤としては、アミンハロゲン化水素酸、アミン硼フッ化水素酸、有機酸ハロゲン化物、ハロゲン化有機化合物が特に有効である。また、有機酸ははんだ濡れがやや速い。
上記のことは、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属の無機塩、同金属の無機錯体又は同金属の有機錯体(含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)について、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属の無機塩、同金属の無機錯体又は同金属の有機錯体についも、ハロゲンを含まない金属化合物については、同様のことが言える。また、プリフラックスについては、ジメチルグリオキシム銅( 金属化合物) 4%の代わりにパルミチン酸銅3%、酢酸銅1%を用いた場合にも同様の結果が得られ、また、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属の無機塩、同金属の無機錯体、同金属の有機錯体又は有機酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するハロゲンを含まない金属化合物についても、同様のことが言え、プリフラックスに応用することができる。
参考実施例1
ロジン18%(質量%、以下同様)、重合ロジン5%、2,3ジブロムコハク酸0.3%、エチルアミン塩酸塩0.4%、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩0.3%、パルミチン酸4.0%、n−ブチルアミン硼フッ化水素酸塩0.4%、イソプロピルアルコール残部(合計100%)を攪拌混合し、この混合液に銅化合物としてパルミチン酸銅2%、ロジン銅2%、酢酸銅0.5%(銅金属としてフラックス中0.6%)を加えて、攪拌混合し、プリント配線板用ロジン系フラックスを得た。
ここで、例えば酢酸銅の含有量を変えることにより銅の含有量(銅金属としてのフラックス中の%)を変えたプリント配線板用ロジン系フラックスを用い、鉛フリーはんだ(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)(融点217℃)を使用した場合について、JIS−Z−3197によるはんだ拡がり試験を行った結果を図1に実線のグラフで示す。
なお、銅の含有量が最適値のはんだ拡がり率を他の鉛フリーはんだを用いた場合とともに示すと以下のとおりである。
鉛フリーはんだ 融点(℃) 銅含有量 はんだ拡がり率
最適値 96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu 217 0.1 〜3 % 89%
99.3Sn−0.7Cu 227 0.1 〜3 % 89%
96.5Sn−3.5Ag 221 0.1 〜3 % 88%
91.2Sn−8.8Zn 198.5 0.1 〜3 % 87%
58Sn−42Bi 139 0.05〜2 % 90%
〔比較例1〕
実施例1において、銅化合物を用いなかった以外は同様のフラックスについて、実施例1と同様の試験を行った結果、はんだ拡がり率は下記のとおりであった。なお、比較のため、有鉛はんだについても示した。
鉛フリーはんだ 融点(℃) はんだ拡がり率
96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu 217 78%
99.3Sn−0.7Cu 227 78%
96.5Sn−3.5Ag 221 76%
91.2Sn−8.8Zn 198.5 75%
58Sn−42Bi 139 85%
63.0Sn−37.0Pb 183 93%
参考実施例2
有機酸塩を用いたソルダーペーストについて述べる。
ロジン55%、水素硬化ヒマシ油(チキソ剤)6%、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(活性剤)1%、2,3ジブロムコハク酸0.5%、ジメチルアミン塩酸塩0.3%、パルミチン酸銅5%、ステアリン酸ニッケル1%、カルビトール(溶剤)残部(合計100%)を攪拌混合してフラックスを得た。
このフラックス10%と、鉛及び亜鉛フリーのはんだ粉(96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu)(10〜50μの粒径)90%とを練り合わせ、ソルダーペーストを得た。このソルダーペーストは有機酸銅、有機酸ニッケルを含有しているので、実施例3のソルダーペーストに比べて粘度の経時変化が認められ、保存安定性やはんだ付けをした場合のはんだの濡れも実施例3のものより劣ると言える。
このソルダーペーストを用いて実施例1と同様のはんだ拡がり試験を行ったところ、上記金属化合物(パルミチン酸銅5%、ステアリン酸ニッケル1%)を含有しないこと以外は同様のソルダーペースト(比較対象ソルダーペースト)を用いたものよりも、濡れ性はよく、接合強度も優れていた。すなわち、本実施例のソルダーペーストと、比較対象ソルダーペーストを用いて、母材金属が銅、ニッケル、42アロイである場合のはんだ拡がり試験の結果は以下のとおりであった。
本実施例のソルダーペースト:銅 89%、ニッケル 82%、42アロイ 80%
比較対象ソルダーペースト :銅 79%、ニッケル 73%、42アロイ 72% 上記のことから、フラックスに有機酸銅、有機酸ニッケルを含有させると銅に対するはんだ濡れ性が向上することがわかる。また、同様にニッケル化合物を含有させるとニッケル、42アロイに対する濡れ性が向上する。
上記(1)〜(7)の発明において、「はんだを用いたはんだ付け」は、析出型のはんだ組成物を用いたはんだ付けも含まれるが、これを含めない場合は、「はんだ粉(但し、はんだ粉状体ではんだを組成する。)を用いたはんだ付け」とし、はんだ付け部で析出した金属と金属粉の溶融物によりはんだを組成する、いわゆる析出型のはんだ組成物を利用したものは含めないようにしてもよい。上記(1)の発明は、「はんだを用いたはんだ付け」を「はんだを用いて表面が銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも一方からなるはんだ付け部に対するはんだ付け」としてもよい。
本発明の一実施例のフラックスを使用した鉛フリーはんだによるはんだ拡がり試験結果を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 錫を主成分とし鉛を配合しない鉛フリーのはんだを用いたはんだ付けに使用できるプリフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属の無機塩、同金属の無機錯体、同金属の有機錯体及び有機酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するプリフラックス。
  2. 錫を主成分とし鉛及び亜鉛を配合しない鉛及び亜鉛フリーのはんだを用いて表面が銅系金属及びニッケル系金属(但し、無電解ニッケルめっきは除く)の少なくとも一方からなるはんだ付け部に対するはんだ付けに使用できるフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、同金属の無機塩、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(但し、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するフラックス。
  3. 錫を主成分とし亜鉛を配合し鉛を配合しない鉛フリーのはんだを用いて表面が銅系金属及びニッケル系金属(但し、無電解ニッケルめっきは除く)の少なくとも一方からなるはんだ付け部に対するはんだ付けに使用できるフラックスであって、銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属、同金属の無機錯体及び同金属の有機錯体(但し、含窒素複素環化合物を除くアミン、同イミン、オキシム、ケトン、アルコキシ及びチオケトン等の各基のN、O、Sを金属に配位する原子とする有機化合物の金属錯体)からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するフラックス。
  4. 有機酸、アミン、有機酸アミン塩、アミンハロゲン化水素酸塩、アミン硼フッ化水素酸塩、アミン3フッ化硼素錯塩及び有機ハロゲン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項2又は3に記載のフラックス。
  5. 樹脂成分を含有する請求項4に記載のフラックス。
  6. プリント配線板に使用される請求項1ないし5のいずれかに記載のプリフラックス又はフラックス。
  7. 請求項2ないし6のいずれかに記載のフラックスを用いて得られるソルダーペースト。
  8. 銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属を含有するフラックスを用いて得られるソルダーペーストは錫を主成分とし鉛を配合しない鉛フリーのはんだ粉を該銅系金属及びニッケル系金属の少なくとも1種の金属によりコーテイングしたコーテイングはんだ粉末を用いて得られる請求項7に記載のソルダーペースト。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のプリフラックス又はフラックス又はソルダーペーストを用いた鉛フリー又は鉛及び亜鉛フリーのはんだによるはんだ付け方法であって、はんだ付け時の熱及び活性剤を含有させたときはその活性剤により当該金属及び金属化合物の少なくとも1種を活性化させて該活性化物を溶融はんだ金属表面及び被はんだ付け体のはんだ付け部に介在させ、この活性化物により該はんだ付け部において金属間化合物を生成させ、溶融はんだの濡れ性の向上と、過度の金属間化合物の成長によるはんだ接合強度の低下の防止のうち少なくとも一方を行う鉛フリーはんだ付け体の製造方法。
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