JP2024034098A - フラックス及び接合体の製造方法 - Google Patents

フラックス及び接合体の製造方法 Download PDF

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猛真 篠原
Takema Shinohara
裕之 山▲崎▼
Hiroyuki Yamasaki
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Abstract

【課題】はんだ付けにおいて、基板の表面にドロスが付着することを抑制できるフラックス及び接合体の製造方法を提供する。【解決手段】ロジンと、溶剤と、一般式(1)で表される化合物とを含有するフラックスを採用する。溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、60質量%以上である。式(1)中、R1は、連結基又は単結合である。R2は、炭素数1~2のアルキル基又は水素原子である。mは、1以上4以下の整数である。nは、0以上3以下の整数である。m+n≦4である。[化1]TIFF2024034098000015.tif35170【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス及び接合体の製造方法に関する。
基板に対する部品の固定、及び、基板に対する部品の電気的な接続は、一般に、はんだ付けにより行われる。はんだ付けにおいては、フラックス、はんだ、並びに、フラックス及びはんだを混合したソルダペーストが用いられる。
フラックスは、はんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面及びはんだに存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、両者の間に金属間化合物が形成されるようになり、強固な接合が得られる。
はんだ付けにおいては、接合対象物のサイズ等に応じて、フローはんだ付け、リフローはんだ付け等の方法が採用されている。
フローはんだ付けにおいては、まず、部品を搭載した基板にフラックスが塗布される。次いで、部品が搭載された基板を搬送しつつ、下方から噴流させた溶融はんだをはんだ付け面に接触させることにより、はんだ付けを行う。
リフローはんだ付けにおいては、まず、基板にソルダペーストが印刷される。次いで、部品が搭載され、リフロー炉と称される加熱炉で、部品が搭載された基板を加熱することにより、はんだ付けを行う。
はんだ付けに用いられるフラックスには、一般に、樹脂成分、溶剤、活性剤、チキソ剤等が含まれる。例えば、特許文献1の実施例には、樹脂成分としてロジンと、活性剤として有機酸、有機ハロゲン化合物、又はアミンハロゲン化水素酸塩とを含有する、フローはんだ付けに用いられるフラックスが記載されている。
特許第6617848号公報
ところで、近年、省エネルギーの観点から、より低温ではんだ付けできる、Sn及びBiを含有するはんだが用いられている。Sn及びBiを含有するはんだは、Biが酸化されやすいため、溶融した状態で酸化物(これをドロスという)を生じやすい。加えて、Sn及びBiを含有するはんだを用いた場合、発生したドロスは基板に付着しやすい。基板に付着したドロスは、ショート及び絶縁性低下等を引き起こすおそれがある。
特許文献1に記載のフラックスでは、基板の表面にドロスが付着しやすい場合がある。そこで、本発明は、はんだ付けにおいて、基板の表面にドロスが付着することを抑制できるフラックス及び接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]ロジンと、溶剤と、下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
前記溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、60質量%以上である、フラックス。
Figure 2024034098000001
[式中、Rは、連結基又は単結合である。Rは、炭素数1~2のアルキル基又は水素原子である。mは、1以上4以下の整数である。nは、0以上3以下の整数である。m+n≦4である。]
[2]前記一般式(1)中、nは、1である、[1]に記載のフラックス。
[3]前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下である、[2]に記載のフラックス。
[4]さらに、有機酸(前記一般式(1)で表される化合物を除く)を含有し、前記一般式(1)で表される化合物と、前記有機酸との質量比は、一般式(1)で表される化合物/有機酸で表される質量比として、0.05~10である、[2]に記載のフラックス。
[5]前記一般式(1)中、nは、0である、[1]に記載のフラックス。
[6]前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下である、[5]に記載のフラックス。
[7]さらに、有機酸(前記一般式(1)で表される化合物を除く)を含有し、前記一般式(1)で表される化合物と、前記有機酸との質量比は、一般式(1)で表される化合物/有機酸で表される質量比として、0.25~10である、[5]に記載のフラックス。
[8]前記ロジンは、軟化点が100℃超であるロジン(PA)と、軟化点が100℃以下であるロジン(PB)と、を含む、[1]~[7]のいずれかに記載のフラックス。
[9]前記ロジン(PA)と前記ロジン(PB)との混合比率は、(PA)/(PB)で表される質量比として、(PA)/(PB)=1/9~5/5である、[8]に記載のフラックス。
[10]さらに、第1級アミンのハロゲン化塩を含む、[1]~[9]のいずれかに記載のフラックス。
[11]ハロゲン化合物を含有しない、[1]~[8]のいずれかに記載のフラックス。
[12]前記溶剤は、エタノール及び2-プロパノールからなる群より選択される一種以上を含む、[1]~[11]のいずれかに記載のフラックス。
[13][1]~[12]のいずれかに記載のフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む、接合体の製造方法。
[14]前記はんだ合金は、SnとBiとを含むはんだ合金からなる、[13]に記載の接合体の製造方法。
本発明によれば、はんだ付けにおいて、基板の表面にドロスが付着することを抑制できるフラックス及び接合体の製造方法を提供することができる。
(フラックス)
本実施形態にかかるフラックスは、ロジンと、溶剤と、活性剤とを含有する。
溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、60質量%以上である。本実施形態にかかるフラックスは、フローはんだ付けに好適に用いられる。
本明細書において、フラックスの固形分とは、フラックスから溶剤のみを除いた残りの全ての成分を意味する。
<ロジン>
本実施形態にかかるフラックスは、ロジンを含む。
本発明において「ロジン」とは、アビエチン酸を主成分とする、アビエチン酸とこの異性体との混合物を含む天然樹脂、及び天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体と呼ぶ場合がある)を包含する。
天然樹脂中のアビエチン酸及びアビエチン酸の異性体の総含有量は、一例として、天然樹脂に対して、40質量%以上80質量%以下である。
本明細書において「主成分」とは、化合物を構成する成分のうち、その化合物中の含有量が40質量%以上の成分をいう。
アビエチン酸の異性体の代表的なものとしては、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸等が挙げられる。アビエチン酸の構造を以下に示す。
Figure 2024034098000002
前記「天然樹脂」としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等が挙げられる。
本発明において「天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体)」とは、前記「天然樹脂」に対して水素化、脱水素化、中和、アルキレンオキシド付加、アミド化、二量化及び多量化、エステル化並びにDiels-Alder環化付加からなる群より選択される1つ以上の処理を施したものを包含する。
ロジン誘導体としては、例えば、精製ロジン、変性ロジン等が挙げられる。
変性ロジンとしては、例えば、水添ロジン、重合ロジン、重合水添ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン、ロジンエステル、酸変性水添ロジン、無水酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、無水酸変性不均化ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物、ロジンアルコール、ロジンアミン、水添ロジンアルコール、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジン石鹸、水添ロジン石鹸、酸変性ロジン石鹸等が挙げられる。
ロジンアミンとしては、例えば、デヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミン及びテトラヒドロアビエチルアミンの混合物であり、いわゆる不均化ロジンアミンを意味する。デヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミン及びテトラヒドロアビエチルアミンの各構造を以下に示す。
Figure 2024034098000003
ロジンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
ロジンは、ロジン誘導体を含むことが好ましく、酸変性水添ロジン、水添ロジン、不均化水添ロジン及び水添ロジンエステルからなる群より選択される一種以上を含むことが好ましく、酸変性水添ロジン、水添ロジン、不均化水添ロジン及び水添ロジンエステルを含むことがより好ましく、酸変性水添ロジン、水添ロジン、不均化水添ロジン及び水添ロジンエステルからなるものであってもよい。
酸変性水添ロジンは、アクリル酸変性水添ロジンを含むことが好ましい。
水添ロジンエステルは、水添ロジングリセリンエステルを含むことが好ましい。
ロジンは、軟化点が100℃超であるロジン(PA)と、軟化点が100℃以下であるロジン(PB)と、を含むことが好ましい。
ロジンの軟化点は、環球法により測定することができる。環球法としては、例えば、JIS K 5902に記載の方法が挙げられる。
前記ロジン(P)が前記ロジン(PA)を含有することにより、フラックス残渣のべたつきをより低減しやすくなる。
前記ロジン(PA)の軟化点は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが更に好ましく、125℃以上であることが特に好ましく、130℃以上であることが最も好ましい。
前記ロジン(PA)の軟化点が前記下限値以上であることにより、フラックス残渣のべたつきをより低減しやすくなる。
前記ロジン(PA)の軟化点は、170℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることが更に好ましい。
前記ロジン(PA)の軟化点は、100℃超170℃以下であってもよく、110℃以上160℃以下であることが好ましく、115℃以上160℃以下であることがより好ましく、120℃以上160℃以下であることが更に好ましく、125℃以上160℃以下が特に好ましく、130℃以上160℃以下であることが最も好ましい。
あるいは、前記ロジン(PA)の軟化点は、110℃以上150℃以下であることが好ましく、115℃以上150℃以下であることがより好ましく、120℃以上150℃以下であることが更に好ましく、125℃以上150℃以下が特に好ましく、130℃以上150℃以下であることが最も好ましい。
前記ロジン(PA)の軟化点が上記範囲内であることにより、フラックス残渣のべたつきをより低減しやすくなる。
前記ロジン(P)が前記ロジン(PB)を含有することにより、フラックスの流動性をより高めやすくなる。これにより、はんだ付け不良をより抑制しやすくなる。
前記ロジン(PB)の軟化点は、96℃以下であることが好ましく、93℃以下であることがより好ましい。
前記ロジン(PB)の軟化点は、60℃以上であることが好ましく、65℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが更に好ましい。
前記ロジン(PB)の軟化点は、60℃以上100℃以下であってもよく、60℃以上96℃以下であることが好ましく、65℃以上96℃以下であることがより好ましく、70℃以上96℃以下であることが更に好ましい。
あるいは、前記ロジン(PB)の軟化点は、60℃以上93℃以下であることが好ましく、65℃以上93℃以下であることがより好ましく、70℃以上93℃以下であることが更に好ましい。
前記ロジン(PB)の軟化点が上記範囲内であることにより、フラックスの流動性をより高めやすくなる。これにより、はんだ付け不良をより抑制しやすくなる。
前記ロジン(PA)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ロジン(PA)は、酸変性水添ロジンを含むことが好ましく、酸変性水添ロジンからなるものであってもよい。
前記ロジン(PB)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ロジン(PB)は、水添ロジン、不均化水添ロジン、ロジンエステル、及び水添ロジンエステルからなる群より選択される一種以上を含むことが好ましく、不均化水添ロジン及び水添ロジンエステルを含むことがより好ましく、不均化水添ロジン及び水添ロジンエステルからなるものであってもよい。
あるいは、前記ロジン(PB)は、水添ロジン及び水添ロジンエステルを含むことが好ましく、水添ロジン及び水添ロジンエステルからなるものであってもよい。
前記フラックス中の、ロジンの含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、8質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
前記フラックスの固形分において、ロジンの含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、30質量%以上95質量%以下であることが好ましく、40質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスが、後述するハロゲン化合物を含有する場合、前記ロジン(PA)と前記ロジン(PB)との混合比率は、(PA)/(PB)で表される質量比として、(PA)/(PB)=1/9~5/5であることが好ましく、(PA)/(PB)=1/9~4/6であることがより好ましく、(PA)/(PB)=2/8~4/6であることが更に好ましく。
混合比率が前記範囲内の前記下限値以上であることにより、フラックス残渣のべたつきをより低減しやすくなる。混合比率が前記範囲内の前記上限値以下であることにより、フラックスの流動性をより高めやすくなる。これにより、はんだ付け不良をより抑制しやすくなる。
前記フラックスが、後述するハロゲン化合物を含有しない場合、前記ロジン(PA)と前記ロジン(PB)との混合比率は、(PA)/(PB)で表される質量比として、(PA)/(PB)=3/7~8/2であることが好ましく、(PA)/(PB)=4/6~7/3であることがより好ましく、(PA)/(PB)=5/5~6/4であることが更に好ましい。
混合比率が前記範囲内の前記下限値以上であることにより、フラックス残渣のべたつきをより低減しやすくなる。混合比率が前記範囲内の前記上限値以下であることにより、フラックスの流動性をより高めやすくなる。これにより、はんだ付け不良をより抑制しやすくなる。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、2-プロパノール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,2′-オキシビス(メチレン)ビス(2-エチル-1,3-プロパンジオール)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2-ヘキシル-1-デカノール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、オクタンジオール等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルグリコール)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルグリコール)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレントリグルコール、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル等が挙げられる。
テルピネオール類としては、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、テルピネオール混合物(すなわち、その主成分がα-テルピネオールであり、β-テルピネオール又はγ-テルピネオールを含有する混合物)等が挙げられる。
その他溶剤としては、例えば、セバシン酸ジオクチル(DOS)、流動パラフィン等が挙げられる。
溶剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
溶剤は、沸点が100℃以下の溶剤を含むことが好ましく、エタノール及び2-プロパノールからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記フラックス中の、溶剤の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、60質量%以上であり、65質量%以上95質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、75質量%以上95質量%以下であることが更に好ましい。
溶剤の含有量が前記範囲内であることにより、前記フラックスはフローはんだ付けにより好適に用いられる。
<一般式(1)で表される化合物>
本実施形態にかかるフラックスは、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 2024034098000004
[式中、Rは、連結基又は単結合である。Rは、炭素数1~2のアルキル基又は水素原子である。mは、1以上4以下の整数である。nは、0以上3以下の整数である。m+n≦4である。]
は、2価の連結基又は単結合である。2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
が置換基を有してもよい2価の炭化水素基である場合、前記炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよい。
前記脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。前記脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素原子数が1~10であることが好ましく、炭素原子数1~6がより好ましく、炭素原子数1~4が更に好ましく、炭素原子数1~3が特に好ましく、炭素原子数1が最も好ましい。
前記直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基[-CH-]、エチレン基[-(CH-]、トリメチレン基[-(CH-]、テトラメチレン基[-(CH-]、ペンタメチレン基[-(CH-]等が挙げられる。
前記分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素原子数が2~10であることが好ましく、炭素原子数2~6がより好ましく、炭素原子数2~4がさらに好ましい。
前記分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)-、-C(CH)(CHCHCH)-、-C(CHCH-等のアルキルメチレン基;-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH(CH)-、-C(CHCH-、-CH(CHCH)CH-、-C(CHCH-CH-等のアルキルエチレン基;-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH)CHCHCH-、-CHCH(CH)CHCH-等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素原子数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
は、炭素数1~2のアルキル基又は水素原子であり、メチル基又は水素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
nは、0以上3以下の整数であり、0又は1であることが好ましい。
mは、1以上4以下の整数であり、1以上2以下であることが好ましく、1であることがより好ましい。
m及びnは、m+n≦4の関係式を満たすものであり、m+n≦2の関係式を満たすことが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1-1)~(1-4)で表される化合物が挙げられる。
下記式(1-1)で表される化合物は、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸である。この化合物のCAS登録番号は、149-91-7である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rが単結合であり、Rが水素原子であり、mは1であり、nは1である。
下記式(1-2)で表される化合物は、2,3-ジヒドロキシ安息香酸である。この化合物のCAS登録番号は、303-38-8である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rが単結合であり、Rが水素原子であり、mは1であり、nは0である。
下記式(1-3)で表される化合物は、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸である。この化合物のCAS登録番号は、102-32-9である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rがメチレン基であり、Rが水素原子であり、mは1であり、nは0である。
下記式(1-4)で表される化合物は、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸メチルエステルである。この化合物のCAS登録番号は、99-24-1である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rが単結合であり、Rがメチル基であり、mは1であり、nは1である。
Figure 2024034098000005
上記一般式(1)で表される化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(1)で表される化合物としては、上記式(1-1)、上記式(1-2)、上記式(1-3)及び上記式(1-4)からなる群より選択される一種以上が好ましく、上記式(1-1)、上記式(1-2)及び上記式(1-3)からなる群より選択される一種以上がより好ましい。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.08質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、0.33質量%以上3.2質量%以下であることが更に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ速度をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上6.2質量%以下であることが更に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ力をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上6.2質量%以下であることが更に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、絶縁抵抗をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.08質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上3.2質量%以下であることが更に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能、はんだ濡れ速度、はんだ濡れ力及び絶縁抵抗を同時により高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、11質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、6.1質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ速度をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上2質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、3.1質量%以上12質量%以下であることが更に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ力をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上2質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以上2質量%以下であることが特に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上16.5質量%以下であることがより好ましく、1.2質量%以上12質量%以下であることが更に好ましく、3.1質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、絶縁抵抗をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上3質量%以下であることが更に好ましい。これらの範囲の中でも、含有量が、1質量%超3質量%未満であることが好ましく、1.5質量%以上2.5質量%以下であることがより好ましく、1.8質量%以上2.2質量%以下であることが更に好ましい。
前記フラックスの固形分において、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1.2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上16.5質量%以下であることがより好ましく、3.1質量%以上16.5質量%以下であることが更に好ましい。これらの範囲の中でも、含有量が、6.5質量%以上16質量%以下であることが好ましく、9質量%以上14質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上13質量%以下であることが更に好ましい。
含有量が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能、はんだ濡れ速度、はんだ濡れ力及び絶縁抵抗を同時により高めやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスは、ロジン、一般式(1)で表される化合物及び溶剤以外に、必要に応じてその他成分を含んでもよい。
その他成分としては、一般式(1)で表される化合物以外のその他活性剤、チキソ剤、ロジン以外の樹脂成分、界面活性剤、金属不活性化剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、着色剤等が挙げられる。
その他活性剤としては、上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸(その他有機酸)、アミン、ハロゲン化合物、有機リン化合物等が挙げられる。
≪その他有機酸≫
その他有機酸としては、例えば、カルボン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、カプロレイン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ウンデカン酸、リンデル酸、トリデカン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ヒラゴン酸、ヒドノカーピン酸、マーガリン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、モロクチン酸、エレオステアリン酸、タリリン酸、バクセン酸、リミノレイン酸、ベルノリン酸、ステルクリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、グリコール酸、チオグリコール酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、酒石酸、2,4-ジエチルグルタル酸等が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、ピコリン酸、p-アニス酸、m-アニス酸、o-アニス酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、2-キノリンカルボン酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フェニルコハク酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸等の芳香族ジカルボン酸、ピコリン酸、ジピコリン酸、3-ヒドロキシピコリン酸等が挙げられる。が挙げられる。
トリカルボン酸としては、例えば、クエン酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、イソシアヌル酸トリス(2-カルボキシエチル)、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
また、その他有機酸としては、ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、多塩基性カルボン酸が挙げられる。
多塩基性カルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、トリマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、例えば、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。脂肪族スルホン酸としては、例えば、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸等が挙げられる。
その他有機酸は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
その他有機酸は、カルボン酸を含むことが好ましく、モノカルボン酸及びジカルボン酸から選択される一種以上を含むことがより好ましい。
前記モノカルボン酸は、脂肪族モノカルボン酸及び芳香族モノカルボン酸から選択される一種以上を含むことが好ましい。
前記ジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましい。
前記脂肪族モノカルボン酸としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、カプロレイン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ウンデカン酸、リンデル酸、トリデカン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ヒラゴン酸、ヒドノカーピン酸、マーガリン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、モロクチン酸、エレオステアリン酸、タリリン酸、バクセン酸、リミノレイン酸、ベルノリン酸、ステルクリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、及びステアリン酸からなる群より選択される一種以上が好ましく、カプリン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸及びステアリン酸からなる群より選択される一種以上がより好ましく、パルミチン酸が更に好ましい。
前記芳香族モノカルボン酸としては、前記一般式(a1)で表される化合物が好ましく、ピコリン酸、ジピコリン酸及び3-ヒドロキシピコリン酸からなる群より選択される一種以上がより好ましく、ピコリン酸が更に好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、スベリン酸、シトラコン酸、アジピン酸、フタル酸、グルタル酸、マロン酸及びマレイン酸からなる群より選択される一種以上がより好ましく、コハク酸及びアジピン酸からなる群より選択される一種以上が更に好ましい。
前記フラックスが、これらの脂肪族ジカルボン酸を含有することにより、SnとBiとを含むはんだ合金を用いてフローはんだ付けする場合に、その溶融温度(すなわち、170~220℃)において、濡れ速度を高めやすい。
前記フラックス中の、有機酸の総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上10質量%以下がより好ましい。
モノカルボン酸の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上2質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1質量%以下がより好ましい。
ジカルボン酸の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上1質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
本実施形態のフラックスが後述するハロゲン化合物を含有しない場合、ジカルボン酸の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記フラックスの固形分において、有機酸の総含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1質量%以上60質量%以下が好ましく、2質量%以上50質量%以下がより好ましい。
モノカルボン酸の含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
ジカルボン酸の含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.5質量%以上5質量%以下が好ましく、1質量%以上2.5質量%以下がより好ましい。
本実施形態のフラックスが後述するハロゲン化合物を含有しない場合、ジカルボン酸の含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。
本実施形態のフラックスが後述するハロゲン化合物を含有しない場合、芳香族モノカルボン酸の含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが1である化合物と、上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸との質量比は、上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比、すなわち、上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸の総質量に対する、上記一般式(1)においてnが1である化合物の総質量の割合として、0.05以上10以下であることが好ましく、0.1以上10以下であることがより好ましく、0.13以上8.34以下が更に好ましい。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.05以上10以下であることが好ましく、0.05以上4.0以下であることがより好ましく、0.05以上3.34以下であることが更に好ましく、0.08以上1.0以下が特に好ましく、0.08以上0.84以下が最も好ましい。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ速度をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.05以上10以下であることが好ましく、0.05以上4.0以下であることがより好ましく、0.05以上2以下であることが更に好ましく、0.05以上1.67以下が特に好ましい。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ力をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.05以上10以下であることが好ましく、0.05以上4.0以下であることがより好ましく、0.05以上3.34以下が更に好ましく、0.10以上1.0以下が特に好ましく、0.13以上0.84以下が最も好ましい。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能、はんだ濡れ速度、はんだ濡れ力、及び絶縁抵抗を同時により高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.25以上10以下であることが好ましく、3.0以上10以下であることがより好ましく、3.33以上8.34以下が更に好ましい。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.25以上10以下であることが好ましく、1.5以上10以下であることがより好ましく、1.66以上8.34以下が更に好ましい。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ速度をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.25以上10以下であることが好ましく、0.5以上4以下であることがより好ましく、0.83以上3.34以下が更に好ましい。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、はんだ濡れ力をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.25以上10以下であることが好ましく、0.25以上5以下であることがより好ましく、0.25以上4以下であることが更に好ましく、0.33以上3.34以下であることが特に好ましく、0.83以上3.34以下が最も好ましい。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、絶縁抵抗をより高めやすくなる。
前記フラックスにおいて、上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比は、0.25以上10以下であることが好ましく、1.67以上5未満であることがより好ましく、2以上4以下であることがより好ましく、2.5以上4以下であることが更に好ましい。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が前記範囲内であることにより、ドロス付着の抑制能、はんだ濡れ速度、はんだ濡れ力、及び絶縁抵抗を、同時により高めやすくなる。
≪アミン≫
アミンとしては、例えば、ロジンアミン、アゾール類、グアニジン類、アルキルアミン、芳香族アミン、アミノアルコール、アミンポリオキシアルキレン付加体等が挙げられる。ロジンアミンとしては、<ロジン>において例示したものが挙げられる。
アゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン、エポキシ-イミダゾールアダクト、2-メチルベンゾイミダゾール、2-オクチルベンゾイミダゾール、2-ペンチルベンゾイミダゾール、2-(1-エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2-ノニルベンゾイミダゾール、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,4-トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6’-tert-ブチル-4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1’,2’-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-フェニルテトラゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。
アルキルアミンとしては、例えば、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、N-メチルアニリン、ジフェニルアミン、N-イソプロピルアニリン、p-イソプロピルアニリン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、1-アミノ-2-プロパノール、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
アミンポリオキシアルキレン付加体としては、例えば、末端ジアミンポリアルキレングリコール、脂肪族アミンポリオキシアルキレン付加体、芳香族アミンポリオキシアルキレン付加体、多価アミンポリオキシアルキレン付加体等が挙げられる。
アミンポリオキシアルキレン付加体に付加されているアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
末端ジアミンポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールの両末端がアミノ化された化合物である。
末端ジアミンポリアルキレングリコールとしては、例えば、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリプロピレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体等が挙げられる。
末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体としては、例えば、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合物ビス(2-アミノプロピル)エーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合物ビス(2-アミノエチル)エーテルが挙げられる。
脂肪族アミンポリオキシアルキレン付加体、芳香族アミンポリオキシアルキレン付加体、及び多価アミンポリオキシアルキレン付加体は、アミンの窒素原子にポリオキシアルキレン基が結合したものである。前記アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、硬化牛脂アミン、牛脂プロピルジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられる。
アミンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
アミンとしては、アミノアルコールが好ましい。
前記フラックス中の、アミンの含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.05質量%以上1質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
前記フラックスの固形分中の、アミンの含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.2質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい
≪ハロゲン化合物≫
ハロゲン化合物としては、例えば、アミンハロゲン化水素酸塩、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素とを反応させた化合物である。
ここでのアミンとしては、≪アミン≫において上述したものが挙げられる。
より具体的には、アミンハロゲン化水素酸塩としては、例えば、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ヘキサデシルアミン臭化水素酸塩、ステアリルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、エチルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、ジエチルアニリン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、2-エチルヘキシルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、イソプロピルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2-エチルヘキシルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、2-ピペコリン臭化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジン塩酸塩、ジメチルベンジルアミン塩酸塩、ヒドラジンヒドラート臭化水素酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、トリノニルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアニリン臭化水素酸塩、2-ジエチルアミノエタノール臭化水素酸塩、2-ジエチルアミノエタノール塩酸塩、塩化アンモニウム、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン臭化水素酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン二臭化水素酸塩、ピリジン塩酸塩、アニリン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩酸塩、へキシルアミン塩酸塩、n-オクチルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチレンジアミン二臭化水素酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2-フェニルイミダゾール臭化水素酸塩、4-ベンジルピリジン臭化水素酸塩、L-グルタミン酸塩酸塩、N-メチルモルホリン塩酸塩、ベタイン塩酸塩、2-ピペコリンヨウ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジンフッ化水素酸塩、ジエチルアミンフッ化水素酸塩、2-エチルヘキシルアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンフッ化水素酸塩、エチルアミンフッ化水素酸塩、ロジンアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩、及びジシクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩等が挙げられる。
また、アミンハロゲン化水素酸塩以外のハロゲン化合物としては、例えば、アミンとテトラフルオロホウ酸(HBF)とを反応させた塩、アミンと三フッ化ホウ素(BF)とを反応させた錯体も用いることができる。前記錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素ピぺリジン等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩以外のハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化脂肪族化合物が挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものをいう。
ハロゲン化脂肪族化合物としては、ハロゲン化脂肪族アルコール、ハロゲン化複素環式化合物が挙げられる。
ハロゲン化脂肪族アルコールとしては、例えば、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1-ブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等が挙げられる。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、下記一般式(h1)で表される化合物が挙げられる。
h11-(Rh12 (h1)
[式中、Rh11は、n価の複素環式基を表す。Rh12は、ハロゲン化脂肪族炭化水素基を表す。]
h11における、n価の複素環式基の複素環としては、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された環構造が挙げられる。この複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。この複素環は、3~10員環であることが好ましく、5~7員環であることがより好ましい。この複素環としては、例えば、イソシアヌレート環などが挙げられる。
h12における、ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、炭素数1~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数3~5がさらに好ましい。また、Rh12は、臭素化脂肪族炭化水素基、塩素化脂肪族炭化水素基が好ましく、臭素化脂肪族炭化水素基がより好ましく、臭素化飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、アミンハロゲン化水素酸塩以外のハロゲン化合物としては、例えば、2-ヨード安息香酸、3-ヨード安息香酸、2-ヨードプロピオン酸、5-ヨードサリチル酸、5-ヨードアントラニル酸等のヨウ化カルボキシル化合物;2-クロロ安息香酸、3-クロロプロピオン酸等の塩化カルボキシル化合物;2,3-ジブロモプロピオン酸、2,3-ジブロモコハク酸、2-ブロモ安息香酸等の臭素化カルボキシル化合物等のハロゲン化カルボキシル化合物が挙げられる。
また、アミンハロゲン化水素酸塩以外のハロゲン化合物としては、例えば、有機クロロ化合物が挙げられる。有機クロロ化合物としては、例えば、クロロアルカン、塩素化脂肪酸エステル、クロレンド酸、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
ハロゲン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
ハロゲン化合物は、第1級アミンのハロゲン化塩、第2級アミンのハロゲン化塩、ハロゲン化脂肪族アルコール、及び有機クロロ化合物からなる群より選択される一種以上を含むことが好ましい。
第1級アミンのハロゲン化塩としては、下記一般式(h2)で表される化合物が挙げられる。
h21-NH・Rh22 ・・・(h2)
[式中、Rh21は、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。Rh22は、HX、BX又はHBXを表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
一般式(h2)中、Rh21の炭化水素基としては、例えば、置換基を有してもよい炭化水素基が挙げられる。置換基を有してもよい前記炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。
置換基を有してもよい前記炭化水素基が、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である場合、前記炭化水素基の炭素数は、1~10であることが好ましく、1~6であることがより好ましく、2~4であることが更に好ましい。
前記炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状である場合、前記炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい前記炭化水素基が、環状の炭化水素基である場合、前記炭化水素基の炭素数は、3~20であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、4~8であることが更に好ましい。
前記炭化水素基が環状である場合、前記炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基等が挙げられる。
前記炭化水素基が有してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシ基等が挙げられる。
h22は、HX、BX又はHBXを表す。Xは、ハロゲン原子を表す。
Xとしては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
BXは、三フッ化ホウ素(BF)であることが好ましい。
HBXは、テトラフルオロホウ酸(HBF)であることが好ましい。
h22は、HXであることが好ましい。
上記一般式(h2)で表される化合物としては、例えば、エチルアミンフッ化水素酸塩、エチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩等が挙げられる。
第2級アミンのハロゲン化塩としては、下記一般式(h3)で表される化合物が挙げられる。
h31a-NH-Rh31b・Rh32 ・・・(h3)
[式中、Rh31a及びRh31bは、それぞれ、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。Rh32は、HX、BX又はHBXを表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
h31a及びRh31bの炭化水素基としては、Rh21において上述したものが挙げられる。Rh31a及びRh31bは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
h32としては、Rh22において上述したものが挙げられる。
上記一般式(h3)で表される化合物としては、例えば、ジエチルアミンフッ化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミンフッ化水素酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン臭化水素酸塩等が挙げられる。
ハロゲン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フラックス中の、ハロゲン化合物の総含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記フラックスの固形分中の、ハロゲン化合物の総含有量としては、前記固形分の総量(100質量%)に対して、3質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
あるいは、本実施形態のフラックスは、環境への負荷を低減する観点から、ハロゲン化合物を含有しないことが好ましい。
≪有機リン化合物≫
有機リン化合物としては、例えば、酸性リン酸エステル、酸性ホスホン酸エステル、酸性ホスフィン酸エステル等が挙げられる。
酸性リン酸エステルとしては、例えば、メチルアシッドホスフェイト、エチルアシッドホスフェイト、イソプロピルアシッドホスフェイト、モノブチルアシッドホスフェイト、ブチルアシッドホスフェイト、ジブチルアシッドホスフェイト、ブトキシエチルアシッドホスフェイト、2-エチルへキシルアシッドホスフェイト、ビス(2-エチルへキシル)ホスフェイト、モノイソデシルアシッドホスフェイト、ジイソデシルアシッドホスフェイト、ラウリルアシッドホスフェイト、イソトリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト、オレイルアシッドホスフェイト、牛脂ホスフェイト、ヤシ油ホスフェイト、イソステアリルアシッドホスフェイト、アルキルアシッドホスフェイト、テトラコシルアシッドホスフェイト、エチレングリコールアシッドホスフェイト、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェイト、ジブチルピロホスフェイトアシッドホスフェイト等が挙げられる。
酸性ホスホン酸エステルとしては、例えば、2-エチルヘキシル(2-エチルヘキシル)ホスホネート、n-オクチル(n-オクチル)ホスホネート、n-デシル(n-デシル)ホスホネート、n-ブチル(n-ブチル)ホスホネート、イソデシル(イソデシル)ホスホネート等のアルキル(アルキル)ホスホネート、ジエチル(p-メチルベンジル)ホスホネート等が挙げられる。
酸性ホスフィン酸エステルとしては、例えば、フェニル置換ホスフィン酸等が挙げられる。フェニル置換ホスフィン酸としては、例えば、フェニルホスフィン酸、及びジフェニルホスフィン酸が挙げられる。
有機リン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
有機リン化合物は、酸性ホスホン酸エステルを含むことが好ましく、2-エチルヘキシル(2-エチルヘキシル)ホスホネートを含むことがより好ましい。
前記フラックス中の、有機リン化合物の合計の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
前記フラックスの固形分中の、有機リン化合物の合計の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
≪チキソ剤≫
チキソ剤としては、例えば、エステル系チキソ剤、アミド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。
エステル系チキソ剤としては、例えばエステル化合物が挙げられ、具体的には硬化ひまし油、ミリスチン酸エチル等が挙げられる。
アミド系チキソ剤としては、例えば、モノアミド、ビスアミド、ポリアミドが挙げられる。
モノアミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、4-メチルベンズアミド(p-トルアミド)、p-トルエンメタンアミド、芳香族アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、置換アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールアミド、脂肪酸エステルアミド等が挙げられる。
ビスアミドとしては、例えば、エチレンビス脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、エチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、ヘキサメチレンビス脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、芳香族ビスアミド等が挙げられる。前記ビスアミドの原料である脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸(炭素数C18)、オレイン酸(炭素数C18)、ラウリン酸(炭素数C12)等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、飽和脂肪酸ポリアミド、不飽和脂肪酸ポリアミド、芳香族ポリアミド、1,2,3-プロパントリカルボン酸トリス(2-メチルシクロヘキシルアミド)、環状アミドオリゴマー、非環状アミドオリゴマー等のポリアミドが挙げられる。
前記環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー等が挙げられる。
また、前記非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマーである場合、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸とモノアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマーである場合等が挙げられる。モノカルボン酸又はモノアミンを含むアミドオリゴマーであると、モノカルボン酸、モノアミンがターミナル分子(terminal molecules)として機能し、分子量を小さくした非環状アミドオリゴマーとなる。また、非環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸と、ジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミド化合物である場合、非環状高分子系アミドポリマーとなる。更に、非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とモノアミンとが非環状に縮合したアミドオリゴマーも含まれる。
ソルビトール系チキソ剤としては、例えば、ジベンジリデン-D-ソルビトール、ビス(4-メチルベンジリデン)-D-ソルビトール、(D-)ソルビトール、モノベンジリデン(-D-)ソルビトール、モノ(4-メチルベンジリデン)-(D-)ソルビトール等が挙げられる。
本実施形態にかかるフラックスは、チキソ剤を含有しなくてもよいし、チキソ剤を含有してもよい。
本実施形態にかかるフラックスがチキソ剤を含有する場合、チキソ剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
≪ロジン以外の樹脂成分(その他樹脂成分)≫
ロジン系樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル-ポリエチレン共重合樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等が挙げられる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等が挙げられる。
本実施形態にかかるフラックスがその他樹脂成分を含有する場合、その他樹脂成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
≪界面活性剤≫
界面活性剤としては、例えば、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン付加体が挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加体が由来するアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加体としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、エチレンオキサイド-レゾルシン共重合物、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール類、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド等が挙げられる。
あるいは、ノニオン界面活性剤としては、アルコールのポリオキシアルキレン付加体が挙げられる。前記アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、多価アルコールが挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレン付加体がより好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体からなる群より選択される一種以上が更に好ましく、ポリエチレングリコールが特に好ましい。
界面活性剤としてポリオキシアルキレン付加体を用いる場合、ポリオキシアルキレン付加体の重量平均分子量としては、100~4000が好ましく。150~2000がより好ましく、150~1200が更に好ましい。
界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
前記フラックス中の、界面活性剤の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。
前記フラックスの固形分中の、界面活性剤の合計の含有量は、前記固形分の総量(100質量%)に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
≪金属不活性化剤≫
金属不活性化剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、窒素化合物等が挙げられる。
ここでいう「金属不活性化剤」とは、ある種の化合物との接触により金属が劣化することを防止する性能を有する化合物をいう。
ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノールのオルト位の少なくとも一方に嵩高い置換基(例えばt-ブチル基等の分岐状又は環状アルキル基)を有するフェノール系化合物をいう。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されず、例えば、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、N,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ビス(α-メチルシクロヘキシル)-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド、下記化学式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2024034098000006
(式中、Zは、置換されてもよいアルキレン基である。R81及びR82は、それぞれ独立して、置換されてもよい、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基である。R83及びR84は、それぞれ独立して、置換されてもよいアルキル基である。)
金属不活性化剤における窒素化合物としては、例えば、ヒドラジド系窒素化合物、アミド系窒素化合物、トリアゾール系窒素化合物、メラミン系窒素化合物等が挙げられる。
ヒドラジド系窒素化合物としては、ヒドラジド骨格を有する窒素化合物であればよく、ドデカン二酸ビス[N2-(2ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、デカンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N-サリチリデン-N’-サリチルヒドラジド、m-ニトロベンズヒドラジド、3-アミノフタルヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、オキザロビス(2-ヒドロキシ-5-オクチルベンジリデンヒドラジド)、N’-ベンゾイルピロリドンカルボン酸ヒドラジド、N,N’-ビス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン等が挙げられる。
アミド系窒素化合物としては、アミド骨格を有する窒素化合物であればよく、N,N’-ビス{2-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミド等が挙げられる。
トリアゾール系窒素化合物としては、トリアゾール骨格を有する窒素化合物であればよく、N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。
メラミン系窒素化合物としては、メラミン骨格を有する窒素化合物であればよく、メラミン、メラミン誘導体等が挙げられる。より具体的には、例えば、トリスアミノトリアジン、アルキル化トリスアミノトリアジン、アルコキシアルキル化トリスアミノトリアジン、メラミン、アルキル化メラミン、アルコキシアルキル化メラミン、N2-ブチルメラミン、N2,N2-ジエチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン等が挙げられる。
金属不活性化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
≪酸化防止剤≫
酸化防止剤としては、例えば、2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ビス(α-メチルシクロヘキシル)-5,5’-ジメチルジフェニルメタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フラックス中の、固形分の含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上25質量%以下であることが更に好ましい。
固形分の含有量が上記範囲内であることにより、フラックスは、フローはんだ付けにより用いやすくなる。
以上説明した一実施形態にかかるフラックスは、溶剤の含有量が、フラックスの総質量(100質量%)に対して、60質量%以上であり、フローはんだ付けに好適なものである。
上記実施形態にかかるフラックスは、上記一般式(1)で表される化合物を含有することにより、はんだ付け後の基板の表面にドロスが付着することを抑制できる。
このような効果が奏される理由は定かではないが、以下のように推測される。上記一般式(1)で表される化合物では、ベンゼン環の環構造を形成する隣り合う炭素原子にヒドロキシ基が結合している。これらヒドロキシ基が、基板の表面の金属原子に配位することにより、被膜を形成する。この被膜は、はんだ付け後の基板の表面にドロスが付着することを抑制する。
(接合体の製造方法)
第2の態様にかかる接合体の製造方法は、上記の第1の態様にかかるフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む。
以下、第2の態様にかかる接合体の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる接合体の製造方法は、部品取付け工程、フラックス塗布工程、予備加熱工程及びはんだ付け工程を、この順に有する方法である。
部品取付け工程においては、部品を基板に取り付ける。
基板としては、例えば、プリント配線基板などが挙げられる。
部品としては、例えば、集積回路、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、及びコンデンサ等が挙げられる。
フラックス塗布工程においては、部品を搭載した基板のはんだ付け面に、上記実施形態のフラックスを塗布する。
フラックスの塗布装置としては、スプレーフラクサー、および発泡式フラクサー等が挙げられる。これらの中でも、塗布量の安定性の観点から、スプレーフラクサーが好ましい。
フラックスの塗布量は、はんだ付け性の観点から、30~180mL/mであることが好ましく、40~150mL/mであることがより好ましく、50~120mL/mであることが特に好ましい。
予備加熱工程においては、部品を搭載した基板を予め加熱する。予備加熱工程における、基板を加熱する温度としては、80~130℃であることが好ましく、90~120℃であることがより好ましい。
はんだ付け工程においては、部品を搭載した基板のはんだ付け面を、はんだ合金を溶融させた溶融はんだに接触させる。
はんだ付け面に溶融はんだを接触させる方法としては、溶融はんだを基板に接触できる方法であればよく、特に限定されない。このような方法としては、例えば、噴流方式、浸漬方式等が挙げられる。
噴流方式は、噴流する溶融はんだに、部品を搭載した基板のはんだ付け面を接触させる方法である。浸漬方式は、静止した溶融はんだの液面に、部品を搭載した基板のはんだ付け面を接触させる方法である。
はんだ合金としては、公知の組成のはんだ合金を使用することができる。
はんだ合金は、Sn単体のはんだ、又は、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系、Sn-In系等、あるいは、これらの合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金であってもよい。
はんだ合金は、Sn-Pb系、あるいは、Sn-Pb系にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金であってもよい。
はんだ合金は、Pbを含まないはんだ合金が好ましく、SnとBiとを含むはんだ合金であることがより好ましい。
はんだ付け工程における、はんだ付けの条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn-Ag-Cu系のはんだ合金を用いる場合には、溶融はんだの温度は、230~280℃であることが好ましく、250~270℃であることがより好ましい。あるいは、Sn-Bi系のはんだ合金(SnとBiとを含むはんだ合金)を用いる場合には、溶融はんだの温度は、170~220℃であることが好ましく、180~200℃であることがより好ましい。
以上説明した本実施形態にかかる接合体の製造方法によれば、はんだ付け後の基板の表面にドロスが付着することを抑制できる。本実施形態にかかる接合体の製造方法によれば、SnとBiとを含むはんだ合金を用いる場合であっても、基板の表面にドロスが付着することを抑制できる。このため、接合強度が高められた接合体を製造することができる。加えて、ショート及び絶縁性低下を起こしにくい接合体を製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<フラックスの調製>
(実施例1~25、比較例1~8)
表1~5に示す組成で実施例及び比較例の各フラックスを調合した。
用いたロジンの種類、及び軟化点は以下の通りである。
アクリル酸変性水添ロジン(軟化点130℃)
水添ロジン(軟化点74℃)
不均化水添ロジン(軟化点85℃)
水添ロジングリセリンエステル(軟化点90℃)
上記のロジンの軟化点は、JIS K 5902の記載の環球法により測定した。軟化点が80℃以下のロジンは、水浴で測定した。また、軟化点が80℃を超えるロジンは、グリセリン浴で測定した。各ロジンについて、測定は2回行った。上記の軟化点は、2回の測定値の平均値である。
一般式(1)で表される化合物として、以下の4種類の化合物を用いた。
3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸、CAS登録番号:149-91-7
2,3-ジヒドロキシ安息香酸、CAS登録番号:303-38-8
3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸、CAS登録番号:102-32-9
3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸メチルエステル、CAS登録番号:99-24-1
3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸は、下記式(1-1)で表される化合物である。この化合物は、一般式(1)において、Rが単結合であり、Rが水素原子であり、mは1であり、nは1である。
2,3-ジヒドロキシ安息香酸は、下記式(1-2)で表される化合物である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rが単結合であり、Rが水素原子であり、mは1であり、nは0である。
3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸は、下記式(1-3)で表される化合物である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rがメチレン基であり、Rが水素原子であり、mは1であり、nは0である。
3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸メチルエステルは、下記式(1-4)で表される化合物である。この化合物は、上記一般式(1)において、Rが単結合であり、Rがメチル基であり、mは1であり、nは1である。
Figure 2024034098000007
比較化合物として、以下の6種類の化合物を用いた。
2,4-ジヒドロキシ安息香酸、CAS登録番号:89-86-1
2,5-ジヒドロキシ安息香酸、CAS登録番号:490-79-9
2,6-ジヒドロキシ安息香酸、CAS登録番号:303-07-1
サリチル酸、CAS登録番号:69-72-7
3-ヒドロキシ安息香酸、CAS登録番号:99-06-9
3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸n-プロピルエステル、CAS登録番号:121-79-9
2,4-ジヒドロキシ安息香酸は、下記式(2-1)で表される化合物である。
2,5-ジヒドロキシ安息香酸は、下記式(2-2)で表される化合物である。
2,6-ジヒドロキシ安息香酸は、下記式(2-3)で表される化合物である。
サリチル酸は、下記式(2-4)で表される化合物である。
3-ヒドロキシ安息香酸は、下記式(2-5)で表される化合物である。
3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸n-プロピルエステルは、下記式(2-6)で表される化合物である。
Figure 2024034098000008
その他有機酸:パルミチン酸、アジピン酸、コハク酸、ピコリン酸
アミン:1-アミノ-2-プロパノール
ハロゲン化合物:エチルアミン・HBr、ジエチルアミン・HBr、シクロヘキシルアミン・HBF、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、塩素化脂肪酸エステル
有機リン化合物:2-エチルヘキシル(2-エチルヘキシル)ホスホネート
溶剤:2-プロパノール
ノニオン系界面活性剤:重量平均分子量が400であるポリエチレングリコール
<溶融はんだの調製>
母合金として、Biが58質量%、残部がSnの合金(Sn-58Bi)からなるインゴットを用意した。このインゴットを溶解して、溶融はんだを調製した。
下記の<評価>に記載した評価方法にしたがって、≪ドロス付着の抑制能の評価≫、≪はんだの濡れ速度の評価≫、≪はんだの濡れ力の評価≫、≪絶縁抵抗の評価≫を行った。これらの評価結果を表1~5に示した。
<評価>
≪ドロス付着の抑制能の評価≫
(1)評価方法
円型のランド(直径2mm)と、俵型のランド(4mm×2mm)とが交互に配置された基板に対して、各例のフラックスを刷毛で塗布した。フローはんだ付け装置(千住金属工業製、エコパスカル)を用い、上述のSn-58Bi溶融はんだをはんだ槽に入れた。フローはんだ付け装置において、遠赤外線パネルヒーター250℃、はんだ槽温度180℃、一次噴流出力46%、二次噴流出力66%に設定した。溶融はんだ液面と、フラックスを塗布した基板表面との距離8mm、搬送速度1m/minに設定して、溶融はんだを基板表面に接触させた。
次いで、撮影した画像を、画像解析ソフト(ImageJ)にてトリミングし、コントラストを調整した。さらに、測定対象の大きさ、真円度を指定し、ドロス以外を除去した。画像解析ソフトを用いて、ドロスの合計面積を測定した。
(2)判定基準
A 0.24mm以下
B 0.24mm超0.31mm以下
C 0.31mm超0.40mm以下
D 0.40mm
評価結果が、A又はBであったフラックスは合格であり、C又はDであったフラックスは不合格であるとした。
≪はんだの濡れ速度及びはんだ濡れ力の評価≫
(1)評価方法
メニスコグラフ試験は、JIS Z3197(2021) 8.3.1.2「ウエッティングバランス試験」に準拠して行った。
具体的には、まず、10mm×30mm×0.3mmの板状の銅試験板を用意した。この試験板を、希塩酸、精製水、2-プロパノール、アセトンを用いて、この順に、洗浄した。次いで、乾燥機中で、130℃で20分間、酸化処理した。試験片をその端部から2~4mmの深さまでフラックス中に浸漬させることにより、試験片にフラックスを塗布した。フラックスが塗布された試験片を、ウエッティングバランス試験装置(RHESCA社製、Solder Checker SAT-5200)の質量計に装着した後、はんだ槽に浸漬させることにより、ゼロクロスタイム(sec)及び濡れ力の最大値(mN)を測定した。続いて、各例のフラックスにつき5回の測定を行い、得られた5個のゼロクロスタイム(sec)及び濡れ力の平均値を算出した。試験条件は、以下の通りであった。
はんだ槽への浸漬速度:20mm/sec
はんだ槽への浸漬深さ:2.00mm
はんだ槽への浸漬時間:10sec
はんだ槽温度:180℃
(2)判定基準
はんだ濡れ速度は、ゼロクロスタイムにより判定した。
ゼロクロスタイム:
A 1.6秒未満
B 1.6以上2.4秒未満
C 2.4秒以上
ゼロクロスタイム(sec)の平均値が短いほど、濡れ速度は高くなり、はんだ濡れ性が良いことを意味する。
はんだ濡れ力は、最大濡れ力により評価した。
最大濡れ力:
A 2.3mN以上
B 1.81mN超2.3mN未満
C 1.8mN以下
はんだ濡れ力の平均値が大きいほど、濡れ力は高くなり、はんだ濡れ性が良いことを意味する。
≪絶縁抵抗の評価≫
(1)評価方法
絶縁抵抗試験は、JIS Z3197(2021) 8.5.3.「絶縁抵抗試験」に準拠して行った。具体的には、串形パターンを有する基板に各例のフラックスを塗布した後、はんだ付を行った後、100℃で5分間、乾燥させた。乾燥後の基板を、はんだの液相線温度より35℃高い温度に設定したはんだ槽に5秒間浸漬し、はんだ付けを行った。次いで、高温高湿槽に投入し、85℃、相対湿度85%の環境に24時間静置した後、基板表面の絶縁抵抗値を測定した。
(2)判定基準
絶縁抵抗値
A 4×10Ω以上
B 1×10Ω超4×10Ω未満
C 1×10Ω以下
Figure 2024034098000009
Figure 2024034098000010
Figure 2024034098000011
Figure 2024034098000012
Figure 2024034098000013
上記一般式(1)で表される化合物を含有する実施例1~25のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)で表される化合物を含有しない比較例1~8のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、C又はDであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.03質量%以上5質量%以下である実施例1~9のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.08質量%以上5質量%以下である実施例3~9のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.05~10である実施例1~9のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.1~10である実施例3~9のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上5質量%以下である実施例10~21のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が2質量%以上5質量%以下である実施例12~14、実施例19~21のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.25以上10以下である実施例10~21のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が3以上10以下である実施例12~14、実施例19~21のフラックスは、ドロス付着の抑制能の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.03質量%以上2質量%以下である実施例1~7のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下である実施例2~5のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.05以上4以下である実施例1~7のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.08以上1以下である実施例2~5のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上5質量%以下である実施例10~21のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が1質量%以上5質量%以下である実施例11~14、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上5質量%以下である実施例15~21のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.25以上10以下である実施例10~21のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が1.5以上10以下である実施例11~14、上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.3以上10以下である実施例15~21のフラックスは、濡れ速度の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.03質量%以上2質量%以下である実施例1~7のフラックスは、濡れ力の評価結果が、B又はCであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.03質量%以上1質量%以下である実施例1~6のフラックスは、濡れ力の評価結果が、Bであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上5質量%以下である実施例10~21のフラックスは、濡れ力の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.5質量%以上2質量%以下である実施例10~12、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上5質量%以下である実施例15~21のフラックスは、濡れ力の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.05以上4以下である実施例1~7のフラックスは、濡れ力の評価結果が、B又はCであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.05以上2以下である実施例1~6のフラックスは、濡れ力の評価結果が、Bであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.25以上10以下である実施例10~21のフラックスは、濡れ力の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.8以上4以下である実施例10~12のフラックスは、濡れ力の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.25以上10以下である実施例15~21のフラックスは、濡れ力の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.03質量%以上2質量%以下である実施例1~7のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、A又はBあった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物の含有量が0.03質量%以上1質量%以下である実施例1~6のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上5質量%以下である実施例10~20のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.5質量%以上5質量%以下である実施例10~14、上記一般式(1)においてnが0である化合物の含有量が0.2質量%以上2質量%以下である実施例15~19のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.05以上4以下である実施例1~7のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが1である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.05以上2以下である実施例1~6のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.25以上10以下である実施例10~20のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、A又はBであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.5以上10以下である実施例10~14のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、Aであった。
上記一般式(1)においてnが0である化合物/上記一般式(1)で表される化合物以外の有機酸で表される質量比が0.25以上4以下である実施例15~19のフラックスは、絶縁抵抗の評価結果が、Aであった。
ハロゲン化合物を含有する、実施例12及び実施例19は、濡れ速度の評価がAであった。ハロゲン化合物を含有しない、実施例24及び実施例25は、濡れ速度の評価がBであった。この結果から、ハロゲン化合物を含有するフラックスは、濡れ速度をより高めやすいことが確認された。
上記一般式(1)で表される化合物及びハロゲン化合物をいずれも含有しない、比較例2のフラックスは、濡れ力の評価がBであった。上記一般式(1)で表される化合物を含有し、ハロゲン化合物を含有しない、実施例24及び実施例25のフラックスは、濡れ力の評価がAであった。
環境への負荷の観点から、ハロゲン化合物を含有しないフラックスが好ましいとされている。上記一般式(1)で表される化合物を含有することにより、ハロゲン化合物を含有しなくても、濡れ力の評価を高めやすくなることが確認された。
本発明のフラックスは、フローはんだ付けに好適である。また、SnとBiとを含むはんだ等の鉛フリーはんだを用いたフローはんだ付けにも好適である。

Claims (14)

  1. ロジンと、溶剤と、下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
    前記溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、60質量%以上である、フラックス。
    Figure 2024034098000014
    [式中、Rは、連結基又は単結合である。Rは、炭素数1~2のアルキル基又は水素原子である。mは、1以上4以下の整数である。nは、0以上3以下の整数である。m+n≦4である。]
  2. 前記一般式(1)中、nは、1である、請求項1に記載のフラックス。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.03質量%以上5質量%以下である、請求項2に記載のフラックス。
  4. さらに、有機酸(前記一般式(1)で表される化合物を除く)を含有し、
    前記一般式(1)で表される化合物と、前記有機酸との質量比は、一般式(1)で表される化合物/有機酸で表される質量比として、0.05~10である、請求項2に記載のフラックス。
  5. 前記一般式(1)中、nは、0である、請求項1に記載のフラックス。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、0.2質量%以上5質量%以下である、請求項5に記載のフラックス。
  7. さらに、有機酸(前記一般式(1)で表される化合物を除く)を含有し、
    前記一般式(1)で表される化合物と、前記有機酸との質量比は、一般式(1)で表される化合物/有機酸で表される質量比として、0.25~10である、請求項5に記載のフラックス。
  8. 前記ロジンは、軟化点が100℃超であるロジン(PA)と、軟化点が100℃以下であるロジン(PB)と、を含む、請求項1に記載のフラックス。
  9. 前記ロジン(PA)と前記ロジン(PB)との混合比率は、(PA)/(PB)で表される質量比として、(PA)/(PB)=1/9~5/5である、請求項8に記載のフラックス。
  10. さらに、第1級アミンのハロゲン化塩を含む、請求項1に記載のフラックス。
  11. ハロゲン化合物を含有しない、請求項1に記載のフラックス。
  12. 前記溶剤は、エタノール及び2-プロパノールからなる群より選択される一種以上を含む、請求項1に記載のフラックス。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載のフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む、接合体の製造方法。
  14. 前記はんだ合金は、SnとBiとを含むはんだ合金からなる、請求項13に記載の接合体の製造方法。
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