JP7141009B1 - フラックス及びソルダペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができ、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できるとともに、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制できる、フラックス及びソルダペーストを提供する。【解決手段】樹脂成分、活性剤及び溶剤を含有するフラックスを採用する。樹脂成分は、アルケン由来の繰り返し単位(a1)と、α位の炭素原子に結合する水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸由来の繰り返し単位(a2)とを有する共重合体(A)、及びロジン(B)を含む。共重合体(A)とロジン(B)との混合比率は、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比として1以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス及びソルダペーストに関する。
基板に対する部品の固定、及び、基板に対する部品の電気的な接続は、一般に、はんだ付けにより行われる。はんだ付けにおいては、フラックス、はんだ粉末、並びに、フラックス及びはんだ粉末を混合したソルダペーストが用いられる。
フラックスは、はんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面及びはんだに存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、両者の間に金属間化合物が形成されるようになり、強固な接合が得られる。
ソルダペーストを使用したはんだ付けでは、まず、基板にソルダペーストが印刷された後、部品が搭載され、リフロー炉と称される加熱炉で、部品が搭載された基板が加熱される。これにより、ソルダペーストに含まれるはんだ粉末は溶融し、部品が基板に対してはんだ付けされ、接合体が得られる。
フラックスには、一般に、樹脂成分、溶剤、活性剤、チキソ剤等が含まれる。
基板上に塗布されたフラックスに含まれる樹脂成分は、接合体においてフラックス残渣として残存する場合がある。フラックス残渣は、接合体を備えた装置の動作による温度上昇、又は、外気温の上昇若しくは低下等により、割れを生じる場合がある。
これに対し、例えば、特許文献1には、ロジン、チキソ剤、溶剤を含有し、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができる、アクリル樹脂を含むフラックスが提案されている。
特許第6544498号公報
特許文献1に記載のフラックスによれば、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができる。また、特許文献1に記載のフラックスを用いたソルダペーストは、保管の際、はんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できる。
ところで、ボールグリッドアレイやチップ部品のはんだ付けにおいては、はんだ付け強度、耐振動性、耐熱衝撃性等を高めるために、接合部にアンダーフィルを充填する場合がある。本発明者らは、特許文献1に記載のフラックス及びアンダーフィルを用いた場合、フラックスに含まれるチキソ剤がはんだ付けの強度を低下させてしまうことを見出した。
そこで、本発明は、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができ、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できるとともに、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制できる、フラックス及びソルダペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、フラックスがチキソ剤を含有しなくても、アクリル酸由来の繰り返し単位を有する共重合体を含有することにより、ソルダペーストが、保管の際、はんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]樹脂成分、活性剤及び溶剤を含有し、前記樹脂成分は、アルケン由来の繰り返し単位(a1)と、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸由来の繰り返し単位(a2)とを有する共重合体(A)、及びロジン(B)を含み、前記共重合体(A)と前記ロジン(B)との混合比率は、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比として1以上である、フラックス。
[2]前記共重合体(A)において、前記繰り返し単位(a2)の含有量は、前記共重合体(A)の全体に対して、3質量%以上である、[1]に記載のフラックス。
[3]前記共重合体(A)の含有量が、フラックスの総質量に対して、5質量%以上50質量%以下である、[1]又は[2]に記載のフラックス。
[4]前記ロジン(B)の含有量が、フラックスの総質量に対して、1質量%以上20質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のフラックス。
[5]前記溶剤は、誘電率が4以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のフラックス。
[6]前記溶剤は、α-ターピネオール及び2-ヘキシル-1-デカノールからなる群より選択される一種以上である、[5]に記載のフラックス。
[7]さらに、下記一般式(2)で表される化合物を含有する、[1]~[6]のいずれかに記載のフラックス。
Figure 0007141009000001
[式中、R21は、有機基を表す。]
[8]前記一般式(2)で表される化合物が、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン及びジプロピレントリアミンからなる群より選択される一種以上である、[7]に記載のフラックス。
[9]さらに、下記一般式(3)で表される化合物を含有する、[7]又は[8]に記載のフラックス。
Figure 0007141009000002
[式中、R31は、有機基又は単結合を表す。]
[10]前記一般式(3)で表される化合物が、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸及びアゼライン酸からなる群より選択される一種以上である、[9]に記載のフラックス。
[11]さらに、チキソ剤を含有し、前記チキソ剤の含有量が、フラックスの総質量に対して、0質量%超2質量%以下である、[1]~[10]のいずれかに記載のフラックス。
[12]チキソ剤を含有しない、[1]~[10]のいずれかに記載のフラックス。
[13]はんだ合金粉末と、[1]~[12]のいずれかに記載のフラックスと、を含有する、ソルダペースト。
本発明によれば、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができ、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できるとともに、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制できる、フラックス及びソルダペーストを提供することができる。
温度サイクル信頼性の評価における、試験基板作製のリフロープロファイルを示す図である。 加熱だれ抑制能の評価における、Iのパターン孔を模式的に示す図である。
(フラックス)
本実施形態にかかるフラックスは、樹脂成分、活性剤及び溶剤を含有する。
<樹脂成分>
前記樹脂成分は、共重合体(A)、及びロジン(B)を含む。
本実施形態にかかるフラックスにおいて、共重合体(A)とロジン(B)との混合比率は、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比、すなわち、ロジン(B)の総質量に対する共重合体(A)の総質量の割合として、1以上である。
≪共重合体(A)≫
共重合体(A)は、アルケン由来の繰り返し単位(a1)と、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸由来の繰り返し単位(a2)とを有する。共重合体(A)は、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)以外に、これら以外の繰り返し単位(a3)を有してもよい。
[繰り返し単位(a1)]
繰り返し単位(a1)は、アルケン由来である。
前記アルケンとしては、例えば、C2nで表される化合物が挙げられる。ここで、nは、2以上の整数であり、2以上10以下が好ましく、2以上6以下がより好ましく、2以上3以下が更に好ましく、2が特に好ましい。
2nで表される化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等が挙げられ、エチレン及びプロピレンからなる群より選択される一種以上が好ましく、エチレンがより好ましい。
あるいは、繰り返し単位(a1)が由来するアルケンとしては、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
共重合体(A)が有する繰り返し単位(a1)は、一種であってもよいし、二種以上であってもよい。
[繰り返し単位(a2)]
繰り返し単位(a2)は、アクリル酸由来である。繰り返し単位(a2)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。α位の炭素原子が置換基を有する場合、前記置換基としては、鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。前記アルキル基の炭素数としては、1~5が好ましい。
繰り返し単位(a2)としては、例えば、アクリル酸由来の繰り返し単位、メタクリル酸由来の繰り返し単位等が挙げられる。
共重合体(A)が有する繰り返し単位(a2)は、一種であってもよいし、二種以上であってもよい。
[繰り返し単位(a3)]
繰り返し単位(a3)は、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)以外の繰り返し単位である。
繰り返し単位(a3)としては、例えば、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステル(以下「(α置換)アクリル酸エステル」という場合がある)に由来する繰り返し単位、アルキレンオキシドに由来する繰り返し単位、芳香族基を有する繰り返し単位等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又は、アクリル酸エステルにおけるα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されているもの、の一方又は両方を意味する。前記置換基としては、炭素数1~5のアルキル基等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルは、(α置換)アクリル酸とアルコールとの反応物である。アルコールとしては、例えば、炭素鎖が直鎖状である炭素数が1~24のアルコールが挙げられる。
(α置換)アクリル酸は、アクリル酸、又は、アクリル酸におけるα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されているもの、の一方又は両方を意味する。前記置換基としては、炭素数1~5のアルキル基等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アントラセン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメタン、アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アントラセン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメタン、メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらのなかでも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t-ブチルが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
芳香族基を有する繰り返し単位としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基を有する繰り返し単位が挙げられる。フェニル基を有する繰り返し単位としては、例えば、スチレン又はその誘導体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
共重合体(A)が繰り返し単位(a3)を有する場合、共重合体(A)が有する繰り返し単位(a3)は、一種であってもよいし、二種以上であってもよい。
共重合体(A)において、繰り返し単位(a1)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、10質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましい。
繰り返し単位(a1)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、98質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましく、95質量%以下が更に好ましい。
繰り返し単位(a1)の含有量が前記下限値以上であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
繰り返し単位(a1)の含有量が前記上限値以下であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
共重合体(A)において、繰り返し単位(a1)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、10質量%以上98質量%以下が好ましく、40質量%以上97質量%以下がより好ましく、65質量%以上95質量%以下が更に好ましい。
繰り返し単位(a1)の含有量が前記の好ましい範囲の前記下限値以上であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。 繰り返し単位(a1)の含有量が前記の好ましい範囲の前記上限値以下であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
共重合体(A)において、繰り返し単位(a2)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。
繰り返し単位(a2)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、90質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。
繰り返し単位(a2)の含有量が前記下限値以上であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
繰り返し単位(a2)の含有量が上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
繰り返し単位(a2)の含有量は、共重合体(A)の全体に対して、2質量%以上90質量%以下が好ましく、3質量%以上60質量%以下がより好ましく、5質量%以上35質量%以下が更に好ましい。
繰り返し単位(a2)の含有量が前記の好ましい範囲の前記下限値以上であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
繰り返し単位(a2)の含有量が前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
共重合体(A)が繰り返し単位(a3)を有する場合、共重合体(A)において、繰り返し単位(a3)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
共重合体(A)が繰り返し単位(a3)を有する場合、共重合体(A)において、繰り返し単位(a3)の含有量の下限値は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、例えば、0.1質量%であってもよい。
共重合体(A)が繰り返し単位(a3)を有する場合、共重合体(A)において、繰り返し単位(a3)の含有量は、共重合体(A)の全体(100質量%)に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
共重合体(A)は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
ここで、共重合体(A)において、繰り返し単位(a1)の繰り返し数をm、繰り返し単位(a2)の繰り返し数をnとする。繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)の分子量を、それぞれ、M1、M2とする。
酸価をPとする。共重合体(A)の総質量(100質量%)に対する、繰り返し単位(a2)の含有量をW質量%とする。水酸化カリウムの式量を56とする。このとき、以下の関係式が成り立つ。
W={n×M2/(m×M1+n×M2)}×100
P/56=(1000×W/100)/M2
m/n={(100×560/P)-M2}/M1
本実施形態にかかるフラックスに含まれる共重合体(A)は、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0007141009000003
[式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。m及びnは、それぞれ、1以上の整数を表す。]
共重合体(A)の酸価としては、20以上が好ましく、30以上がより好ましく、40以上が更に好ましい。前記酸価としては、360以下が好ましく、240以下がより好ましく、120以下が更に好ましい。
前記酸価が前記下限値以上であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
前記酸価が上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
共重合体(A)の酸価としては、20以上360以下が好ましく、30以上240以下がより好ましく、40以上120以下が更に好ましい。
前記酸価が前記の好ましい範囲の前記下限値以上であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
前記酸価が前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
本明細書において、共重合体(A)の酸価とは、1000mgの共重合体(A)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味する。
共重合体(A)におけるmとnとの比率は、m/n、すなわち、繰り返し単位(a2)の繰り返し数nに対する、繰り返し単位(a1)の繰り返し数mの割合として、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。m/nとしては、100以下が好ましく、75以下がより好ましく、50以下が更に好ましい。
m/nが前記下限値以上であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
m/nが前記上限値以下であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
m/nとしては、0.1以上100以下が好ましく、1以上75以下がより好ましく、3以上50以下が更に好ましい。
m/nが前記の好ましい範囲の前記下限値以上であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
m/nが前記の好ましい範囲の前記上限値以下であることにより、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。また、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。また、はんだ付け性を高めやすくなる。また、フラックスにおける共重合体(A)の溶解性を高めやすくなる。
共重合体(A)の重量平均分子量は、1000Mw以上50000Mw以下が好ましく、1000Mw以上20000Mw以下がより好ましく、1000Mw以上10000Mw以下が更に好ましく、2000Mw以上10000Mw以下が特に好ましい。
前記重量平均分子量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減しやすくなる。
前記重量平均分子量が前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、ソルダペーストの粘性が高くなりすぎることを抑制しやすくなる。
本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって測定されるものであり、ポリスチレン換算分子量である。
前記共重合体(A)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
前記フラックス中の、前記共重合体(A)の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、10質量%以上が好ましい。前記共重合体(A)の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
前記共重合体(A)の含有量が、前記下限値以上であることにより、温度サイクル信頼性を高めやすくなる。また、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。前記共重合体(A)の含有量が、前記上限値以下であることにより、ソルダペーストの粘性が高くなりすぎることを抑制しやすくなる。
前記フラックス中の、前記共重合体(A)の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、10質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下が更に好ましい。
前記共重合体(A)の含有量が、前記の好ましい範囲の前記下限値以上であることにより、温度サイクル信頼性を高めやすくなる。また、経時でソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに分離することを抑制しやすくなる。前記共重合体(A)の含有量が、前記の好ましい範囲の前記上限値以下であることにより、ソルダペーストの粘性が高くなりすぎることを抑制しやすくなる。
≪ロジン(B)≫
本実施形態にかかるフラックスは、ロジン(B)を含む。
本発明において「ロジン」とは、アビエチン酸を主成分とする、アビエチン酸とこの異性体との混合物を含む天然樹脂、及び天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体と呼ぶ場合がある)を包含する。
天然樹脂中のアビエチン酸含有量は、一例として、天然樹脂に対して、40質量%以上80質量%以下である。
本明細書において「主成分」とは、化合物を構成する成分のうち、その化合物中の含有量が40質量%以上の成分をいう。
アビエチン酸の異性体の代表的なものとしては、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸等が挙げられる。アビエチン酸の構造を以下に示す。
Figure 0007141009000004
前記「天然樹脂」としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等が挙げられる。
本発明において「天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体)」とは、前記「天然樹脂」に対して水素化、脱水素化、中和、アルキレンオキシド付加、アミド化、二量化及び多量化、エステル化並びにDiels-Alder環化付加からなる群より選択される1つ以上の処理を施したものを包含する。
ロジン誘導体としては、例えば、精製ロジン、変性ロジン等が挙げられる。
変性ロジンとしては、例えば、水添ロジン、重合ロジン、重合水添ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン、ロジンエステル、酸変性水添ロジン、無水酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、無水酸変性不均化ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物、ロジンアルコール、ロジンアミン、水添ロジンアルコール、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジン石鹸、水添ロジン石鹸、酸変性ロジン石鹸等が挙げられる。
ロジンアミンとしては、例えば、デヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミン等が挙げられる。ロジンアミンは、いわゆる不均化ロジンアミンを意味する。デヒドロアビエチルアミン、ジヒドロアビエチルアミンの各構造を以下に示す。
Figure 0007141009000005
ロジン(B)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
ロジン(B)は、ロジン誘導体を含むことが好ましく、酸変性水添ロジン及び水添ロジンからなる群より選択される一種以上を含むことが好ましい。
酸変性水添ロジンは、マレイン酸変性水添ロジンを含むことが好ましい。
前記フラックス中の、前記ロジン(B)の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。
前記ロジン(B)の含有量としては、10質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましい。
前記ロジン(B)の含有量が前記下限値以上であることにより、はんだ粉末の酸化を抑制しやすくなる。前記ロジン(B)の含有量が前記上限値以下であることにより、温度サイクル信頼性をより高めやすくなる。
前記フラックス中の、前記ロジン(B)の含有量としては、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましく、2質量%以上6質量%以下が更に好ましい。
前記ロジン(B)の含有量が前記好ましい範囲の前記下限値以上であることにより、はんだ粉末の酸化を抑制しやすくなる。前記ロジン(B)の含有量が前記好ましい範囲の前記上限値以下であることにより、温度サイクル信頼性をより高めやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスにおいて、共重合体(A)とロジン(B)との混合比率は、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比、すなわち、ロジン(B)の総質量に対する共重合体(A)の総質量の割合として、1以上であり、1超が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。前記質量比は、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。
前記混合比率が前記下限値以上であることにより、温度サイクル信頼性を高めやすくなる。また、ソルダペースト分離抑制能を高めやすくなる。
前記混合比率が前記上限値以下であることにより、フラックスの粘性が高くなりすぎることを抑制しやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスにおいて、共重合体(A)とロジン(B)との混合比率は、1以上30以下が好ましく、1超20以下がより好ましく、2以上10以下が更に好ましく、3以上10以下が特に好ましい。
前記混合比率が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、温度サイクル信頼性を高めやすくなる。また、ソルダペースト分離抑制能を高めやすくなる。
前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、フラックスの粘性が高くなりすぎることを抑制しやすくなる。
≪その他樹脂≫
本実施形態にかかるフラックスは、本発明の効果が奏される限り、共重合体(A)及びロジン(B)以外の、その他樹脂を含んでもよい。
その他樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂、アクリル樹脂(ただし、共重合体(A)を除く)、ポリエチレン樹脂、アクリル-ポリエチレン共重合樹脂、その他熱硬化性樹脂等が挙げられる。
アクリル樹脂(ただし、共重合体(A)を除く)としては、例えば、共重合体(A)において上述した、(α置換)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を有するものが挙げられる。アクリル樹脂(ただし、共重合体(A)を除く)は、共重合体(A)において上述した繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a3)からなる群より選択される一種以上を有してもよい。
変性テルペン樹脂としては、例えば、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。変性テルペンフェノール樹脂としては、例えば、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。変性スチレン樹脂としては、例えば、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等が挙げられる。変性キシレン樹脂としては、例えば、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等が挙げられる。
その他熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF 型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミノプロパン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
<活性剤>
本実施形態にかかるフラックスは、活性剤を含有する。
活性剤としては、アミン、有機酸、ハロゲン化合物等が挙げられる。
≪アミン≫
アミンとしては、例えば、ロジンアミン、アゾール類、グアニジン類、アルキルアミン、芳香族アミン、アミノアルコール、アミンポリオキシアルキレン付加体等が挙げられる。ロジンアミンとしては、<ロジン>において例示したものが挙げられる。
アゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン、エポキシ-イミダゾールアダクト、2-メチルベンゾイミダゾール、2-オクチルベンゾイミダゾール、2-ペンチルベンゾイミダゾール、2-(1-エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2-ノニルベンゾイミダゾール、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,4-トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6’-tert-ブチル-4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1’,2’-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-フェニルテトラゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。
アルキルアミンとしては、例えば、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、N-メチルアニリン、ジフェニルアミン、N-イソプロピルアニリン、p-イソプロピルアニリン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、1-アミノ-2-プロパノール、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
アミンポリオキシアルキレン付加体としては、例えば、末端ジアミンポリアルキレングリコール、脂肪族アミンポリオキシアルキレン付加体、芳香族アミンポリオキシアルキレン付加体、多価アミンポリオキシアルキレン付加体等が挙げられる。
アミンポリオキシアルキレン付加体に付加されているアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
末端ジアミンポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールの両末端がアミノ化された化合物である。
末端ジアミンポリアルキレングリコールとしては、例えば、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリプロピレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体等が挙げられる。
末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体としては、例えば、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合物ビス(2-アミノプロピル)エーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合物ビス(2-アミノエチル)エーテルが挙げられる。
脂肪族アミンポリオキシアルキレン付加体、芳香族アミンポリオキシアルキレン付加体、及び多価アミンポリオキシアルキレン付加体は、アミンの窒素原子にポリオキシアルキレン基が結合したものである。前記アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、硬化牛脂アミン、牛脂プロピルジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられる。
アミンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
アミンとしては、アゾール類、アルキルアミン、芳香族アミン及びアミノアルコールからなる群より選択される一種以上が好ましい。
アルキルアミン、芳香族アミン及びアミノアルコールとしては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007141009000006
[式中、R21は、有機基を表す。]
式(2)中、R21における有機基としては、例えば、置換基を有してもよい炭素数1~20の鎖状炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数3~20の脂環式炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族基等が挙げられる。
21における前記置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基、アルコキシ基、カルボニル基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子等が挙げられる。前記芳香族基は、芳香環を少なくとも1個有する基であり、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環、芳香族炭化水素環と芳香族複素環が縮合した縮合環等が挙げられる。
21が鎖状炭化水素基である場合、前記鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。前記鎖状炭化水素基は、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、飽和炭化水素基であることが好ましい。
21における鎖状炭化水素基の炭素数としては、1~20が好ましく、1~16がより好ましく、1~12が更に好ましく、1~8が特に好ましい。
21が脂環式炭化水素基である場合、前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。
21における脂環式炭化水素基の炭素数としては、3~20が好ましく、3~16がより好ましく、3~12が更に好ましく、3~8が特に好ましい。
21が芳香族基である場合、前記芳香族基としては、R21における前記置換基において上記したものが挙げられる。
21の有機基としては、鎖状炭化水素基が好ましい。
21における有機基は、アミノ基又はヒドロキシ基を有することが好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられ、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、及びジプロピレントリアミンからなる群より選択される一種以上を含むことが好ましい。
本実施形態にかかるフラックスが上記一般式(2)で表される化合物を含有する場合、前記化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。また、前記化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して1.00質量%以下が好ましく、0.50質量%以下がより好ましく、0.20質量%以下が更に好ましい。
前記化合物の含有量が前記下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなる。
前記化合物の含有量が前記上限値以下であることにより、ソルダペーストの印刷性を高めやすくなる。
上記一般式(2)で表される化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して0.01質量%以上1.00質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.50質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.20質量%以下がより好ましい。
前記化合物の含有量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、ソルダペーストの印刷性を高めやすくなる。
上記一般式(2)で表される化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(1kg)に対して0.001mol/kg以上0.050mol/kg以下が好ましく、0.003mol/kg以上0.030mol/kg以下がより好ましく、0.004mol/kg以上0.020mol/kg以下が更に好ましい。
前記化合物の含有量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、ソルダペーストの印刷性を高めやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスがアゾール類を含有する場合、アゾール類の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して2質量%以上8.5質量%以下であることが好ましい。
前記アゾール類の含有量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、フラックスの濡れ性を高めやすくなる。これにより、はんだ付け性を高めやすくなる。前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスが上記一般式(2)で表される化合物及びアゾール類を含有する場合、上記一般式(2)で表される化合物とアゾール類との混合比率は、上記一般式(2)で表される化合物/アゾール類で表される質量比として、0.001以上0.500以下が好ましく、0.003以上0.250以下がより好ましく、0.005以上0.100以下が更に好ましく、0.010以上0.040以下が特に好ましい。
前記混合比率が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、ソルダペーストの印刷性を高めやすくなる。
≪有機酸≫
有機酸としては、例えば、カルボン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、カプロレイン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ウンデカン酸、リンデル酸、トリデカン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ヒラゴン酸、ヒドノカーピン酸、マーガリン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、モロクチン酸、エレオステアリン酸、タリリン酸、バクセン酸、リミノレイン酸、ベルノリン酸、ステルクリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、ジグリコール酸、酒石酸、2,4-ジエチルグルタル酸等が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、例えば、サリチル酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、テレフタル酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、フェニルコハク酸、フタル酸、安息香酸、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2-キノリンカルボン酸、3-ヒドロキシ安息香酸、p-アニス酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、イソシアヌル酸トリス(2-カルボキシエチル)、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、下記一般式(c1)で表される化合物が挙げられる。
11-COOH ・・・(c1)
[式中、R11は、炭素数2~15の鎖状炭化水素基、炭素数3~15の脂環式炭化水素基、又は芳香族基を表す。ただし、R11は、ヒドロキシ基を有する。]
11における前記鎖状炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、それぞれ、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよく、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記鎖状炭化水素基の炭素数は、2~12であることが好ましく、3~9であることがより好ましく、3~7であることが特に好ましく、3~5であることが最も好ましい。
前記鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基の炭素数は、3~12であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、4~8であることが更に好ましい。
前記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基等が挙げられる。
11における前記芳香族基としては、R21における前記置換基において上記したものが挙げられる。
11における前記芳香族基が置換基を有する場合、前記置換基としては、炭素数1~20の炭化水素基、芳香族炭化水素基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、カルボキシ基又はヒドロキシ基が好ましい。
上記一般式(c1)で表される有機酸としては、ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、多塩基性カルボン酸が挙げられる。
多塩基性カルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、トリマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
ダイマー酸、トリマー酸としては、例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸の水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸の水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸は、炭素数が36の2量体である。また、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸は、炭素数が54の3量体である。
本実施形態にかかるフラックスが多塩基性カルボン酸を含有する場合、多塩基性カルボン酸の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して3質量%以上20質量以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下が好ましい。
前記多塩基性カルボン酸の含有量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、はんだ付け性を高めやすくなる。前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
また、カルボン酸としては、下記一般式(p1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007141009000007
[式(p1)中、R71、R72、R73及びR74は、それぞれ独立に、炭化水素基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。]
71、R72、R73及びR74における炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1~20の鎖状炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数3~20の脂環式炭化水素基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。前記鎖状炭化水素基は、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
71、R72、R73及びR74における炭化水素基が有し得る置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1~5の鎖状炭化水素基又はカルボキシ基であることが好ましい。前記鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。前記炭化水素基としては、カルボキシ基が好ましい。
上記一般式(p1)で表される化合物としては、例えば、ピコリン酸、ジピコリン酸、3-ヒドロキシピコリン酸等が挙げられる。
3-ヒドロキシピコリン酸は、上記一般式(p1)において、R71がヒドロキシ基であり、かつ、R72、R73及びR74が水素原子である化合物である。
有機スルホン酸としては、例えば、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。脂肪族スルホン酸としては、例えば、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸等が挙げられる。
アルカンスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、2-ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等が挙げられる。
アルカノールスルホン酸としては、例えば、2-ヒドロキシエタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシペンタン-1-スルホン酸、1-ヒドロキシプロパン-2-スルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、4-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシヘキサン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシデカン-1-スルホン酸および2-ヒドロキシドデカン-1-スルホン酸等が挙げられる。
芳香族スルホン酸としては、例えば、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p-フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸およびジフェニルアミン-4-スルホン酸等が挙げられる。
有機酸は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
有機酸は、カルボン酸を含むことが好ましく、多塩基性カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族カルボン酸から選択される一種以上を含むことがより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007141009000008
[式中、R31は、有機基又は単結合を表す。]
式(3)中、R31の有機基としては、例えば、置換基を有してもよい炭素数1~20の鎖状炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数3~20の脂環式炭化水素基等が挙げられ、鎖状炭化水素基が好ましい。前記炭化水素基におけるメチレン基は酸素原子に置換していてもよい。
31における前記置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
31が鎖状炭化水素基である場合、前記鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。前記鎖状炭化水素基は、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、飽和炭化水素基であることが好ましい。
31における鎖状炭化水素基の炭素数としては、1~20が好ましく、1~16がより好ましく、1~12が更に好ましく、1~8が特に好ましい。
31が脂環式炭化水素基である場合、前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。
31における脂環式炭化水素基の炭素数としては、3~20が好ましく、3~16がより好ましく、3~12が更に好ましく、3~8が特に好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸及びジグリコール酸からなる群より選択される一種以上を含むことが好ましく、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸及びアゼライン酸からなる群より選択される一種以上を含むことがより好ましい。
本実施形態にかかるフラックスが上記一般式(3)で表される化合物を含有する場合、前記化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して0.02質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましい。
また、前記化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。
前記化合物の含有量が前記下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなる。前記化合物の含有量が前記上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスが上記一般式(3)で表される化合物を含有する場合、前記化合物の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して0.02質量%以上35質量%以下が好ましく、0.04質量%以上30質量%以下がより好ましく、0.06質量%以上25質量%以下が更に好ましい。
前記化合物の含有量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなり、前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
本実施形態にかかるフラックスにおいて、上記一般式(2)で表される化合物と上記一般式(3)で表される化合物との混合比率は、上記一般式(3)で表される化合物/上記一般式(2)で表される化合物のモル比、すなわち、上記一般式(2)で表される化合物の総モル数に対する、上記一般式(3)で表される総モル数の割合として、0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.7以上が更に好ましく、1.00以上が特に好ましい。上記一般式(3)で表される化合物/上記一般式(2)で表される化合物のモル比の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000であってもよいし、500であってもよい。
上記一般式(3)で表される化合物/上記一般式(2)で表される化合物のモル比は、0.3以上1000以下が好ましく、0.5以上1000以下がより好ましく、0.7以上1000以下が更に好ましく、1.00以上1000以下が特に好ましい。
あるいは、上記一般式(3)で表される化合物/上記一般式(2)で表される化合物のモル比は、0.3以上500以下が好ましく、0.5以上500以下がより好ましく、0.7以上500以下が更に好ましく、1.00以上500以下が特に好ましい。
前記フラックス中の、前記有機酸の合計の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、7質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
前記有機酸の合計の含有量が前記の好ましい範囲の下限値以上であることにより、フラックスの濡れ性を高めやすくなる。これにより、はんだ付け性を高めやすくなる。前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、接合体の電気的信頼性を高めやすくなる。
≪ハロゲン化合物≫
ハロゲン化合物としては、例えば、アミンハロゲン化水素酸塩、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素とを反応させた化合物である。
ここでのアミンとしては、≪アミン≫において上述したものが挙げられる。
より具体的には、アミンハロゲン化水素酸塩としては、例えば、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ヘキサデシルアミン臭化水素酸塩、ステアリルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、エチルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、ジエチルアニリン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、2-エチルヘキシルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、イソプロピルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2-エチルヘキシルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、2-ピペコリン臭化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジン塩酸塩、ジメチルベンジルアミン塩酸塩、ヒドラジンヒドラート臭化水素酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、トリノニルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアニリン臭化水素酸塩、2-ジエチルアミノエタノール臭化水素酸塩、2-ジエチルアミノエタノール塩酸塩、塩化アンモニウム、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン臭化水素酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン二臭化水素酸塩、ピリジン塩酸塩、アニリン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩酸塩、へキシルアミン塩酸塩、n-オクチルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチレンジアミン二臭化水素酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2-フェニルイミダゾール臭化水素酸塩、4-ベンジルピリジン臭化水素酸塩、L-グルタミン酸塩酸塩、N-メチルモルホリン塩酸塩、ベタイン塩酸塩、2-ピペコリンヨウ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩、1,3-ジフェニルグアニジンフッ化水素酸塩、ジエチルアミンフッ化水素酸塩、2-エチルヘキシルアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンフッ化水素酸塩、エチルアミンフッ化水素酸塩、ロジンアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩、及びジシクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩等が挙げられる。
また、ハロゲン化合物としては、例えば、アミンとテトラフルオロホウ酸(HBF)とを反応させた塩、アミンと三フッ化ホウ素(BF)とを反応させた錯体も用いることができる。
前記錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素ピぺリジン等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化脂肪族化合物が挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものをいう。
ハロゲン化脂肪族化合物としては、ハロゲン化脂肪族アルコール、ハロゲン化複素環式化合物が挙げられる。
ハロゲン化脂肪族アルコールとしては、例えば、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1-ブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等が挙げられる。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、下記一般式(h1)で表される化合物が挙げられる。
22-(R23 (h1)
[式中、R22は、n価の複素環式基を表す。R23は、ハロゲン化脂肪族炭化水素基を表す。]
22における、n価の複素環式基の複素環としては、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された環構造が挙げられる。この複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。この複素環は、3~10員環であることが好ましく、5~7員環であることがより好ましい。この複素環としては、例えば、イソシアヌレート環などが挙げられる。
23における、ハロゲン化脂肪族炭化水素基は、炭素数1~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数3~5がさらに好ましい。また、R23は、臭素化脂肪族炭化水素基、塩素化脂肪族炭化水素基が好ましく、臭素化脂肪族炭化水素基がより好ましく、臭素化飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
ハロゲン化複素環式化合物としては、例えば、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、アミンハロゲン化水素酸塩以外の有機ハロゲン化合物としては、例えば、2-ヨード安息香酸、3-ヨード安息香酸、2-ヨードプロピオン酸、5-ヨードサリチル酸、5-ヨードアントラニル酸等のヨウ化カルボキシル化合物;2-クロロ安息香酸、3-クロロプロピオン酸等の塩化カルボキシル化合物;2,3-ジブロモプロピオン酸、2,3-ジブロモコハク酸、2-ブロモ安息香酸等の臭素化カルボキシル化合物等のハロゲン化カルボキシル化合物が挙げられる。
ハロゲン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,2′-オキシビス(メチレン)ビス(2-エチル-1,3-プロパンジオール)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2-ヘキシル-1-デカノール、オクタンジオール等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレントリグルコール、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル等が挙げられる。
テルピネオール類としては、例えば、α-ターピネオール、β-ターピネオール、γ-ターピネオール、ターピネオール混合物(すなわち、その主成分がα-ターピネオールであり、β-ターピネオール又はγ-ターピネオールを含有する混合物)等が挙げられる。
その他溶剤としては、例えば、セバシン酸ジオクチル(DOS)、流動パラフィン等が挙げられる。
本実施形態にかかるフラックスは、誘電率が4以下の溶剤を含有することが好ましい。
誘電率が4以下である溶剤としては、例えば、α-ターピネオール、β-ターピネオール、γ-ターピネオール、ターピネオール混合物、2-ヘキシル-1-デカノール、オクタンジオール、セバシン酸ジオクチル(DOS)、流動パラフィン等が挙げられ、α-ターピネオール及び2-ヘキシル-1-デカノールからなる群より選択される一種以上が好ましい。
本明細書において、溶剤の誘電率は、JIS C 2565:1992規格に準拠して、空洞共振器法誘電率測定装置(株式会社エーイーティー製)を用いて、1GHzにおける誘電率の測定値を意味する。
あるいは、溶剤の誘電率は、ASTM D 2520に準拠して測定した、誘電率の測定値を意味するということもできる。
溶剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態にかかるフラックスが誘電率4以下の溶剤を含有する場合、誘電率が4以下である溶剤の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
溶剤は、本実施形態にかかるフラックスにおける残部であり、溶剤の含有量は、他の成分に応じて決定される。本実施形態における溶剤の含有量は、例えば、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して25質量%以上70質量%以下であってもよいし、30質量%以上60質量%以下であってもよい。
本実施形態にかかるフラックスは、樹脂成分、活性剤及び溶剤以外に、必要に応じてその他成分を含んでもよい。
その他成分としては、チキソ剤、界面活性剤、金属不活性化剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、着色剤等が挙げられる。
≪チキソ剤≫
チキソ剤としては、例えば、エステル系チキソ剤、アマイド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。
エステル系チキソ剤としては、例えばエステル化合物が挙げられ、具体的には硬化ひまし油、ミリスチン酸エチル等が挙げられる。
アマイド系チキソ剤としては、例えば、モノアマイド、ビスアマイド、ポリアマイドが挙げられる。
モノアマイドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、4-メチルベンズアミド(p-トルアミド)、p-トルエンメタンアミド、芳香族アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、置換アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールアミド、脂肪酸エステルアミド等が挙げられる。
ビスアマイドとしては、例えば、エチレンビス脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、エチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、ヘキサメチレンビス脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、芳香族ビスアミド等が挙げられる。前記ビスアミドの原料である脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸(炭素数C18)、オレイン酸(炭素数C18)、ラウリン酸(炭素数C12)等が挙げられる。
ポリアマイドとしては、例えば、飽和脂肪酸ポリアミド、不飽和脂肪酸ポリアミド、芳香族ポリアミド、1,2,3-プロパントリカルボン酸トリス(2-メチルシクロヘキシルアミド)、環状アミドオリゴマー、非環状アミドオリゴマー等のポリアミドが挙げられる。
前記環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー等が挙げられる。
また、前記非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマーである場合、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸とモノアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマーである場合等が挙げられる。モノカルボン酸又はモノアミンを含むアミドオリゴマーであると、モノカルボン酸、モノアミンがターミナル分子(terminal molecules)として機能し、分子量を小さくした非環状アミドオリゴマーとなる。また、非環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸と、ジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミド化合物である場合、非環状高分子系アミドポリマーとなる。更に、非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とモノアミンとが非環状に縮合したアミドオリゴマーも含まれる。
ソルビトール系チキソ剤としては、例えば、ジベンジリデン-D-ソルビトール、ビス(4-メチルベンジリデン)-D-ソルビトール、(D-)ソルビトール、モノベンジリデン(-D-)ソルビトール、モノ(4-メチルベンジリデン)-(D-)ソルビトール等が挙げられる。
本実施形態にかかるフラックスは、チキソ剤を含有しなくてもよいし、チキソ剤を含有してもよい。
本実施形態にかかるフラックスは、チキソ剤の含有量が低い、又はチキソ剤を含有しなくても、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できる。
本実施形態にかかるフラックスがチキソ剤を含有する場合、チキソ剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態にかかるフラックスがチキソ剤を含有する場合、チキソ剤としては、エステル系チキソ剤が好ましく、硬化ひまし油がより好ましい。
本実施形態にかかるフラックスがチキソ剤を含有する場合、チキソ剤の含有量が、フラックスの総質量に対して、0質量%超5質量%以下が好ましく、0質量%超4質量%以下が更に好ましく、0質量%超3質量%以下が特に好ましく、0質量%超2質量%以下が最も好ましい。
前記チキソ剤の含有量が前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、フラックス残渣の表面においてチキソ剤が析出することを抑制しやすくなる。これにより、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制しやすくなる。加えて、チキソ剤の含有量が前記上限値以下であっても、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できる。
≪界面活性剤≫
界面活性剤としては、例えば、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン付加体が挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加体が由来するアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加体としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、エチレンオキサイド-レゾルシン共重合物、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール類、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド等が挙げられる。
あるいは、ノニオン界面活性剤としては、アルコールのポリオキシアルキレン付加体が挙げられる。前記アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、多価アルコールが挙げられる。
界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
≪金属不活性化剤≫
金属不活性化剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、窒素化合物等が挙げられる。
ここでいう「金属不活性化剤」とは、ある種の化合物との接触により金属が劣化することを防止する性能を有する化合物をいう。
ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノールのオルト位の少なくとも一方に嵩高い置換基(例えばt-ブチル基等の分岐状又は環状アルキル基)を有するフェノール系化合物をいう。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されず、例えば、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、N,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ビス(α-メチルシクロヘキシル)-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド、下記化学式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007141009000009
(式中、Zは、置換されてもよいアルキレン基である。R81及びR82は、それぞれ独立して、置換されてもよい、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基である。R83及びR84は、それぞれ独立して、置換されてもよいアルキル基である。)
金属不活性化剤における窒素化合物としては、例えば、ヒドラジド系窒素化合物、アミド系窒素化合物、トリアゾール系窒素化合物、メラミン系窒素化合物等が挙げられる。
ヒドラジド系窒素化合物としては、ヒドラジド骨格を有する窒素化合物であればよく、ドデカン二酸ビス[N2-(2ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、デカンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N-サリチリデン-N’-サリチルヒドラジド、m-ニトロベンズヒドラジド、3-アミノフタルヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、オキザロビス(2-ヒドロキシ-5-オクチルベンジリデンヒドラジド)、N’-ベンゾイルピロリドンカルボン酸ヒドラジド、N,N’-ビス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン等が挙げられる。
アミド系窒素化合物としては、アミド骨格を有する窒素化合物であればよく、N,N’-ビス{2-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミド等が挙げられる。
トリアゾール系窒素化合物としては、トリアゾール骨格を有する窒素化合物であればよく、N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。
メラミン系窒素化合物としては、メラミン骨格を有する窒素化合物であればよく、メラミン、メラミン誘導体等が挙げられる。より具体的には、例えば、トリスアミノトリアジン、アルキル化トリスアミノトリアジン、アルコキシアルキル化トリスアミノトリアジン、メラミン、アルキル化メラミン、アルコキシアルキル化メラミン、N2-ブチルメラミン、N2,N2-ジエチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン等が挙げられる。
金属不活性化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態にかかるフラックスが金属不活性化剤を含有する場合、金属不活性化剤の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上6質量%以下であることがより好ましい。
≪酸化防止剤≫
酸化防止剤としては、例えば、2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ビス(α-メチルシクロヘキシル)-5,5’-ジメチルジフェニルメタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
ここでいう「酸化防止剤」とは、はんだ合金粉末の酸価を抑制する性能を有する化合物をいう。
本実施形態にかかるフラックスが酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、前記フラックスの総質量(100質量%)に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上6質量%以下であることがより好ましい。
以上説明した実施形態にかかるフラックスは、共重合体(A)とロジン(B)との混合比率が、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比として1以上であることにより、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができる。また、本実施形態のフラックスは、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比として1以上であることにより、チキソ剤の含有量が低くても、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できるとともに、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制できる。
上記一般式(2)で表される化合物を更に含有するフラックスは、上述の効果に加えて、加熱だれ抑制能も高めることができる。
(ソルダペースト)
本実施形態のソルダペーストは、はんだ合金粉末と、上述したフラックスと、を含有する。
はんだ合金粉末は、Sn単体のはんだの粉体、または、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系、Sn-In系等、あるいは、これらの合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金の粉体で構成されてもよい。
はんだ合金粉末は、Sn-Pb系、あるいは、Sn-Pb系にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金の粉体で構成されてもよい。
はんだ合金粉末は、Pbを含まないはんだであることが好ましい。
はんだ合金粉末としては、例えば、その溶融温度が150~250℃のものを用いることができる。
フラックスの含有量:
ソルダペースト中、フラックスの含有量は、ソルダペーストの全質量に対して5~30質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
以上説明した本実施形態にかかるソルダペーストは、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができる。また、かかるソルダペーストは、チキソ剤を含有しなくても、保管する際、はんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できるとともに、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制できる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<フラックスの調製>
(実施例1~53、比較例1~12)
表1~6に示す組成で実施例及び比較例の各フラックスを調合した。
各成分をステンレス缶に入れ、撹拌しながら溶融するまで加熱し、均一に溶解させた。その後、10分間130℃を保持した後、24時間冷却をして、フラックスを得た。
共重合体(A):
エチレンアクリル酸コポリマー#1:
酸価は120であり、重量平均分子量は、約8000であった。アクリル酸由来の繰り返し単位の含有量は、エチレンアクリル酸コポリマーの全体(100質量%)に対して、15質量%であった。エチレン由来の繰り返し単位の繰り返し数/アクリル酸由来の繰り返し単位の繰り返し数で表される比は、14.1であった。
エチレンアクリル酸コポリマー#2:
酸価は40であり、重量平均分子量は、約5000であった。アクリル酸由来の繰り返し単位の含有量は、エチレンアクリル酸コポリマーの全体(100質量%)に対して、5質量%であった。エチレン由来の繰り返し単位の繰り返し数/アクリル酸由来の繰り返し単位の繰り返し数で表される比は、47.4であった。
その他樹脂:
ポリアクリル酸エステルホモポリマー(重量平均分子量約30000)、ポリエチレンホモポリマー(重量平均分子量約3000)、1,2-ポリブタジエンホモポリマー(数平均分子量2100)
ロジン(B):
マレイン酸変性水添ロジン、水添ロジン
溶剤:
α-ターピネオール(誘電率2.9)、2-ヘキシル-1-デカノール(誘電率2.1)、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル(誘電率5.0)、テトラエチレングリコール(誘電率35)
有機酸:
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フェニルコハク酸、ダイマー酸
アミン:
トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、モノエタノールアミン、ジエチルエチレンジアミン、ビス(2-エチルヘキシル)アミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン)
アゾール類:
3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、2-エチルイミダゾール
チキソ剤:
硬化ひまし油
酸化防止剤:
2,2’-ジヒドロキシ-3,3’-ビス(α-メチルシクロヘキシル)-5,5’-ジメチルフェニルメタン
<ソルダペーストの調製>
実施例1~53、比較例1~12のフラックスと、下記のはんだ合金粉末と、をそれぞれ混合してソルダペーストを調合した。調合したソルダペーストは、いずれも、フラックスが11質量%、はんだ合金粉末が89質量%である。
はんだ合金粉末は、Agが3質量%、Cuが0.5質量%、残部がSnのはんだ合金からなる粉末である。このはんだ合金の固相線温度は217℃であり、液相線温度は220℃である。
下記の<評価>に記載した評価方法にしたがって、≪温度サイクル信頼性の評価≫、≪ソルダペースト分離抑制能の評価≫、≪シェア強度の評価≫、≪加熱だれ抑制能の評価≫を行った。これらの評価結果を表1~6に示した。
<評価>
≪温度サイクル信頼性の評価≫
(1)評価方法
プリント基板(材質:FR-4、厚さ1.0mm、ランド寸法1.5mm×0.25mm、ピッチ0.5mm、ランド間幅0.25mm、ランド数64)を準備した。調製したソルダペーストを、厚さが150μmのメタルマスクを用いて、前記プリント基板上に印刷した。
次いで、印刷後のプリント基板を用いて、リフローはんだ付けを行い、試験基板を得た。リフローのプロファイルを図1に示す。リフローのプロファイルは、プリヒートが150~180℃で90秒間であり、ピーク温度が240℃であり、はんだ溶融時間が40秒であった。リフローは窒素雰囲気で行い、酸素濃度は1000ppm以下であった。
次いで、得られた各試験基板をヒートサイクル試験装置に入れ、低温(-40℃)及び高温(125℃)での静置を1サイクルとして、3000サイクル行った。このサイクルにおいて、低温及び高温で静置する時間はいずれも30分間であり、1サイクルの時間を70分間に設定した。3000サイクル行った後、フラックス残渣の亀裂を観察した。下記判定基準により、温度サイクル信頼性を評価した。
(2)判定基準
A:全ての箇所で亀裂が確認されなかった。
B:ランド間のフラックス残渣において、0.125mm未満の亀裂が確認された。
C:ランド間のフラックス残渣において、0.125mm以上の亀裂が確認された。
D:ランド間のフラックス残渣を横断する亀裂が確認された。
評価結果が、A又はBであったフラックスは合格であり、C又はDであったフラックスは不合格であるとした。
≪ソルダペースト分離抑制能の評価≫
(1)評価方法
調製したソルダペースト500gを容器に入れ、恒温槽中で、40℃で3日間、静置した。下記所定の時間経過した後、ソルダペーストを目視で観察し、下記判定基準により、ソルダペーストが分離しているか否かを判定した。
(2)判定基準
A:72時間経過後において、ソルダペーストは分離していなかった。
B:48時間経過後において、ソルダペーストは分離していなかった。48時間超72時間未満経過後において、ペーストは分離した。
C:12時間経過後において、ソルダペーストは分離していなかった。12時間超48時間未満経過後において、ソルダペーストは分離した。
D:12時間未満経過後において、ソルダペーストは分離した。
評価結果が、A~Cであったフラックスは合格であり、Dであったフラックスは不合格であるとした。
≪シェア強度の評価≫
(1)評価方法
基板(SMIC017-02 ver.3)上のレジスト層に対して、マスク(SMIC017-02 ver.3、厚さ0.12mm)を用いて、調製したフラックス1mLをレジスト表面に塗布した後、リフローを行った。リフローの温度プロファイルは、≪温度サイクル信頼性の評価≫におけるものと同一に設定した。リフローは窒素雰囲気で行い、酸素濃度は3000ppm以下に設定した。
次いで、フラックス残渣上に、約0.1mLのアンダーフィルを塗布した。アンダーフィルとしては、UF3810(Loctite製)を用いた。
次いで、アンダーフィルの上に、チップ(2012CC)を搭載し、恒温槽に入れて硬化させた。硬化条件は、130℃で8分間とした。この硬化工程において、アンダーフィルとフラックスとは、混じり合って硬化した。
次いで、荷重:50kgf、シェア速度:6.0mm/min、高さ:1.0mmに設定して、シェア強度を測定し、下記判定基準により判定した。ここで、1[kgf]=9.8[N]である。
(2)判定基準
A:シェア強度が20N以上であった。
B:シェア強度が10N以上20N未満であった。
C:シェア強度が10N未満であった。
評価結果が、A又はBであったフラックスは合格であり、Cであったフラックスは不合格であるとした。
≪加熱だれ抑制能の評価≫
(1)評価方法
調製したソルダペーストについて、JIS Z 3284-3:2014の「加熱時のだれ試験」に記載された方法に従って、加熱だれを評価した。まず、「印刷時のだれ試験」の図6中のI(孔のサイズ 3.0×0.7)に示すパターン孔を配したメタルマスクを用いて、ソルダペーストを印刷して試験板を得た。得られた試験板を、150℃で3分間、恒温槽中で静置した。上記のIのパターンの模式図を図2に示す。図2において、0.2~1.2の数値は、パターン孔とパターン孔との間の距離を表している。加熱後の試験板について、下記判定基準により、印刷されたソルダペースト全てが一体にならない最小間隔を評価した。
(2)判定基準
A:Iのパターンにおいて、最小間隔が0.3mm以下であった。
B:Iのパターンにおいて、最小間隔が0.3mm超0.4mm以下であった。
C:Iのパターンにおいて、最小間隔が0.4mm超であった。
評価結果が、A又はBであったフラックスは合格であり、Cであったフラックスは不合格であるとした。
Figure 0007141009000010
Figure 0007141009000011
Figure 0007141009000012
Figure 0007141009000013
Figure 0007141009000014
Figure 0007141009000015
ポリアクリル酸エステルホモポリマーを含有し、チキソ剤を含有しない比較例6のフラックスは、温度サイクル信頼性の評価がAであったが、ソルダペースト分離抑制能の評価はDであった。
ポリアクリル酸エステルホモポリマーを含有し、チキソ剤の含有量が6質量%である、比較例12のフラックスは、ソルダペースト分離抑制能の評価はAと向上したが、シェア強度の評価がCであった。
共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1未満であり、チキソ剤を含有しない比較例1~2のフラックスは、温度サイクル信頼性の評価がC又はDであり、ソルダペースト分離抑制能の評価はC又はDであった。
共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1以上であり、チキソ剤を含有しない実施例1のフラックスは、温度サイクル信頼性の評価がAであるとともに、ソルダペースト分離抑制能の評価はAであった。
すなわち、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1以上であることにより、チキソ剤を含有しなくても、温度サイクル信頼性が高められるとともに、ソルダペースト分離抑制能を高められる。
共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1未満である、比較例1~2のフラックスは、温度サイクル信頼性の評価が、C又はDであった。
これに対し、前記質量比が1以上2未満である、実施例22、46、49のフラックスは、温度サイクル信頼性の評価が、Bであった。
前記質量比が2以上である、実施例1~21、23~45、47~48、50~53のフラックスは、温度サイクル信頼性の評価が、Aであった。
共重合体(A)及びチキソ剤をいずれも含有しない、比較例3~11のフラックスは、ソルダペースト分離抑制能の評価がDであった。
共重合体(A)を含有せず、チキソ剤を6質量%含有する、比較例12のフラックスは、ソルダペースト分離抑制能の評価がAであった。
チキソ剤を含有せず、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1以上2未満である、実施例22、46、49のフラックスは、ソルダペースト分離抑制能の評価がCであった。
また、前記質量比が2以上3未満である、実施例6、23、47、48、50のフラックスは、ソルダペースト分離抑制能の評価がBであった。
また、前記質量比が3以上である、実施例1~5、7~21、24~45、51~53のフラックスは、ソルダペースト分離抑制能の評価がAであった。
すなわち、チキソ剤の含有量が低い場合、又は含まない場合であっても、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1以上であることにより、ソルダペーストの分離抑制能を高められることが確認された。また、この質量比が大きいほど、ソルダペーストの分離抑制能をより高められることが確認された。
チキソ剤の含有量が6質量%である、比較例12のフラックスは、シェア強度の評価がCであった。
チキソ剤の含有量が2質量%である、実施例3のフラックスは、シェア強度の評価がBであった。
チキソ剤を含有しない、実施例1~2、4~53のフラックスは、シェア強度の評価がAであった。
すなわち、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1以上であることにより、ソルダペースト分離抑制能と、シェア強度の維持とを両立できることが確認された。また、チキソ剤を含有しない場合でも、ソルダペーストの分離抑制能を高められることが確認された。
誘電率が4以下の溶剤を含有しない、実施例15のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価がCであった。
前記一般式(2)で表される化合物を含有しない、実施例16、27、28のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価がCであった。
前記一般式(2)で表される化合物及びフェニルコハク酸を含有する、実施例37のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価がBであった。
すなわち、前記一般式(2)で表される特定のアミンをさらに含有することで、加熱だれ抑制能が高められる。
前記一般式(2)で表される化合物、及び、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸及びアゼライン酸からなる群より選択される一種以上を含有する、実施例1~14、17~26、29~36、38~53、比較例1~12のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価がAであった。
すなわち、本発明のフラックスによれば、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比が1以上であることにより、温度変化によるフラックス残渣の割れを低減することができるとともに、保管する際、ソルダペーストがはんだ粉末とフラックスとに経時的に分離することを抑制できる。加えて、アンダーフィルを用いた場合にはんだ付け強度の低下を抑制できる。本発明のフラックスによれば、チキソ剤の含有量が低い場合であっても、上述の効果を発揮することができる。
本発明のフラックス及びソルダペーストは、高温で動作する半導体のはんだ付けに好適に用いられる。

Claims (14)

  1. 樹脂成分、活性剤及び誘電率が4以下の溶剤を含有し、
    前記樹脂成分は、アルケン由来の繰り返し単位(a1)と、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸由来の繰り返し単位(a2)とを有する共重合体(A)、及びロジン(B)を含み、
    前記共重合体(A)と前記ロジン(B)との混合比率は、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比として1以上であ
    前記誘電率が4以下の溶剤は、α-ターピネオール、及び2-ヘキシル-1-デカノールからなる群より選択される一種以上である、 フラックス。
  2. 樹脂成分、活性剤及び溶剤を含有し、
    前記樹脂成分は、アルケン由来の繰り返し単位(a1)と、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸由来の繰り返し単位(a2)とを有する共重合体(A)、及びロジン(B)を含み、
    前記共重合体(A)と前記ロジン(B)との混合比率は、共重合体(A)/ロジン(B)で表される質量比として2以上である、フラックス。
  3. 前記溶剤は、誘電率が4以下である、請求項に記載のフラックス。
  4. 前記溶剤は、α-ターピネオール、及び2-ヘキシル-1-デカノールからなる群より選択される一種以上である、請求項に記載のフラックス。
  5. 前記共重合体(A)において、前記繰り返し単位(a2)の含有量は、前記共重合体(A)の全体に対して、3質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のフラックス。
  6. 前記共重合体(A)の含有量が、フラックスの総質量に対して、5質量%以上50質量%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のフラックス。
  7. 前記ロジン(B)の含有量が、フラックスの総質量に対して、1質量%以上20質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載のフラックス。
  8. さらに、下記一般式(2)で表される化合物を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載のフラックス。
    Figure 0007141009000016
    [式中、R21は、有機基を表す。]
  9. 前記一般式(2)で表される化合物が、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン及びジプロピレントリアミンからなる群より選択される一種以上である、請求項に記載のフラックス。
  10. さらに、下記一般式(3)で表される化合物を含有する、請求項又はに記載のフラックス。
    Figure 0007141009000017
    [式中、R31は、有機基又は単結合を表す。]
  11. 前記一般式(3)で表される化合物が、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸及びアゼライン酸からなる群より選択される一種以上である、請求項10に記載のフラックス。
  12. さらに、チキソ剤を含有し、
    前記チキソ剤の含有量が、フラックスの総質量に対して、0質量%超2質量%以下である、請求項1~11のいずれか一項に記載のフラックス。
  13. チキソ剤を含有しない、請求項1~11のいずれか一項に記載のフラックス。
  14. はんだ合金粉末と、請求項1~13のいずれか一項に記載のフラックスと、を含有する、ソルダペースト。
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