JP2020189337A - フラックス及びソルダペースト - Google Patents

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茜 田中
令芳 内田
Noriyoshi Uchida
令芳 内田
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一博 行方
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Kaori Kuno
香織 久野
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Abstract

【課題】鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れたフラックス、及び、該フラックスを含むソルダペーストを提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るフラックスは、鉛フリーはんだ合金と共に用いられ、樹脂と、本加熱温度で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含む活性剤と、溶剤と、チキソ剤と、を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ付けに用いられるフラックス、及び、該フラックスを含むソルダペーストに関する。
プリント配線板等の電子回路基板と接合部品との接合には、はんだ合金とフラックスとを混合したソルダペーストが用いられる。ソルダペーストは、電子回路基板表面の電極部に塗布されると共に、該電極部に接合部品の電極部を接触させた状態で加熱(リフロー)される。これにより、はんだ合金が溶融してはんだ接合部が形成され、該はんだ接合部を介して基板と接合部品とが接合される。ソルダペーストに含まれるフラックスとしては、ロジン等の天然樹脂又は合成樹脂、活性剤、溶剤、チキソ剤等が含まれる樹脂系のフラックスが知られている。
また、ソルダペーストに含まれるはんだ合金としては、環境負荷の観点から、鉛を含有しない鉛フリーはんだ合金が広く用いられている。鉛フリーはんだ合金は、Sn−Pb系はんだ合金に比べてはんだ溶融時の表面張力が高いことから、リフローの際にはんだ接合部において発生したボイドが残留しやすいという問題がある。また、鉛フリーはんだ合金を含むソルダペーストは、Sn−Pb系はんだ合金を含むソルダペーストに比べて高温長時間でリフロー工程が行われることから、鉛フリーはんだ合金と共に用いられるフラックスには、高温で活性を発揮し、かつ、その活性を長時間維持することが可能な活性剤が含まれることが望まれる。
従来、ハロゲン化合物は、はんだ表面の酸化膜を除去してはんだの表面張力を低下させることから、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制し、かつ、はんだの濡れ性を向上させることが可能な活性剤として広く用いられている(例えば、特許文献1及び2)。特に、特許文献2では、特定のハロゲン化合物を活性剤として用いることにより、はんだの濡れ性が持続的に向上することが報告されている。
特開2014−117737号公報 特開2016−140915号公報
しかしながら、ハロゲン化合物は、燃焼時にダイオキシン等の有害物質を発生する虞があることから、近年、ハロゲンフリー化が進められている。そのため、ハロゲン化合物を用いなくても、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れた活性剤の開発が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れたフラックス、及び、該フラックスを含むソルダペーストを提供することを課題とする。
本発明に係るフラックスは、鉛フリーはんだ合金と共に用いられ、樹脂と、本加熱温度で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含む活性剤と、溶剤と、チキソ剤と、を含有する。
前記フラックスは流動性を有するため、活性剤として本加熱温度で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含むことにより、リフローの際にはんだ接合部において発生したボイドが、炭酸ガスの排出力によって押し出される。その結果、前記フラックスは、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができる。また、前記フラックスは、前記脱炭酸活性剤がリフローの際に持続的な活性力を示すことから、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだの濡れ性に優れる。
本発明に係るフラックスは、前記脱炭酸活性剤が、アミノ酸又はその誘導体であることが好ましい。
斯かる構成により、前記フラックスは、はんだ接合部におけるボイドの発生をより抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性により優れる。
本発明に係るフラックスは、中高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いられ、前記脱炭酸活性剤が、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−カルニチン、β−アラニン、L−シトルリン、及び、L−テアニンから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−カルニチン、β−アラニン、L−シトルリン、及び、L−テアニンは、中高温系の鉛フリーはんだ合金の本加熱温度で脱炭酸が起きる。その結果、前記フラックスは、中高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れる。
本発明に係るフラックスは、前記脱炭酸活性剤の含有量が、フラックス全体に対して、0.5質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
斯かる構成により、前記フラックスは、リフロー後のフラックス残渣を減らすことができる。なお、斯かる構成であっても、前記フラックスは、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れる。
本発明に係るソルダペーストは、上述のフラックスと、鉛フリーはんだ合金とを含有する。
前記ソルダペーストは、上述のフラックスを含有することにより、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れる。
本発明によれば、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れたフラックス、及び、該フラックスを含むソルダペーストを提供することができる。
図1は、L−グルタミン酸についてTG−DTA測定を行った際のTG曲線を示す。 図2は、減量前後のL−グルタミン酸についてそれぞれFT−IR測定を行った際のIRスペクトルを示す。
以下、本発明の実施形態に係るフラックス及びソルダペーストについて説明する。
<フラックス>
(活性剤)
本実施形態に係るフラックスは、本加熱温度で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含む。ここで、本加熱温度とは、リフロー工程において本加熱を行う際の温度であって、具体的には、使用する鉛フリーはんだ合金の固相線温度−40℃〜+30℃の範囲の温度とする。例えば、鉛フリーはんだ合金としてSn−Ag−Cu合金を用いる場合、固相線温度は217℃であるため、本加熱温度は177℃〜247℃となる。なお、脱炭酸活性剤は、本加熱温度のすべての範囲において脱炭酸が起きている必要はなく、本加熱温度の一部の範囲において脱炭酸が起きていればよい。また、各合金の固相線温度は、JIS Z 3282;2017で記載されている通りである。
本加熱温度で脱炭酸が起きるとは、本加熱温度で炭酸ガスを発生することを意味する。炭酸ガスの発生は、熱重量・示差熱分析(TG−DTA)及びフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)によって確認することができる。具体的には、TG−DTA測定において一定の減量が生じた際に、減量前後の化合物についてそれぞれFT−IR測定を行い、減量後のスペクトルにおいてC=O二重結合ピークが消失、又は、当該ピーク強度の低下が確認できれば、炭酸ガスが発生したと言うことができる。例えば、脱炭酸活性剤がL−グルタミン酸の場合について説明する。図1は、L−グルタミン酸についてTG−DTA測定を行った際のTG曲線を示す。図1から分かるように、L−グルタミン酸は、207〜217℃で減量が生じている。よって、L−グルタミン酸の減量が始まった時点(207℃)で脱炭酸が起き始めていると仮定し、減量前のL−グルタミン酸、及び、減量が始まった温度+10℃におけるL−グルタミン酸について、それぞれFT−IR測定を行う。図2は、減量前後のL−グルタミン酸についてそれぞれFT−IR測定を行った際のIRスペクトルを示す。「グルタミン酸関連化合物の赤外線吸収スペクトル」(日本化學雜誌、1961年82巻7号p.805−813)によれば、L−グルタミン酸は、1663cm−1付近にC=O伸縮由来のピークが検出される。図2から分かるように、減量後のスペクトルでは、1663cm−1付近のピークが消失している。これにより、L−グルタミン酸は、207〜217℃で炭酸ガスを発生していることが分かる。
脱炭酸活性剤としては、アミノ酸又はその誘導体であることが好ましい。アミノ酸としては、例えば、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−カルニチン、β−アラニン、L−シトルリン、L−テアニン、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、L−シスチン、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタミン酸等が挙げられる。これらの中でも、高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いる場合は、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、及び、L−シスチンから選択される少なくとも一種のアミノ酸であることが好ましい。中高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いる場合は、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−カルニチン、β−アラニン、L−シトルリン、及び、L−テアニンから選択される少なくとも一種のアミノ酸であることが好ましく、L−グルタミン酸又はL−グルタミンであることがより好ましい。中温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いる場合は、L−グルタミン酸、及び、L−テアニンから選択される少なくとも一種のアミノ酸であることが好ましい。中低温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いる場合は、L−グルタミン、及び、L−カルニチンから選択される少なくとも一種のアミノ酸であることが好ましい。低温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いる場合は、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタミン酸であることが好ましい。なお、鉛フリーはんだ合金の高温系、中高温系、中温系、中低温系及び低温系の区分は、JIS Z 3282;2017に基づくものである。また、脱炭酸活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
脱炭酸活性剤の含有量は、フラックス全体に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、脱炭酸活性剤の含有量は、フラックス全体に対して、25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。なお、脱炭酸活性剤が2種以上含まれる場合、前記含有量は脱炭酸活性剤の合計含有量である。
本実施形態に係るフラックスは、脱炭酸活性剤以外のその他の活性剤を含んでいてもよい。その他の活性剤としては、例えば、有機酸系活性剤、アミノ酸、アミン系化合物、及び、これらの複合塩等が挙げられる。前記有機酸系活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸等のジカルボン酸;クエン酸、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)等のトリカルボン酸;ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸等のその他の有機酸が挙げられる。前記アミノ酸としては、例えば、N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン、N−アセチル−L−チロシン等が挙げられる。前記アミン系化合物としては、環状構造を有する化合物であることが好ましい。このようなアミン系化合物としては、例えば、イミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物等が挙げられる。前記イミダゾール系化合物としては、例えば、ベンゾイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−(4,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)エチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。前記トリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。その他のアミン系化合物としては、例えば、セチルアミン、エルカ酸アミド、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3,5−ジメチルピラゾール、ジメチルウレア、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリフェニル−1,3,5−トリアジン、ピラジンアミド、N−フェニルグリシン、3−メチル−5−ピラゾロン、N−ラウロイルサルコシン等が挙げられる。なお、その他の活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態に係るフラックスは、その他の活性剤として、環境負荷を与えない範囲でアミンハロゲン塩、ハロゲン化合物等のハロゲン系活性剤を含んでいてもよい。アミンハロゲン塩のアミンとしては、例えば、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジフェニルグアニジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。アミンハロゲン塩のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。ハロゲン化合物としては、イソシアヌル酸トリス(2,3−ジブロモプロピル)、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブロモ−3−ヨード−2−ブテン−1,4−ジオール、TBA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等が挙げられる。なお、これらのハロゲン系活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記フラックスがハロゲン系活性剤を含む場合、その含有量は、0.4質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましい。なお、ハロゲン系活性剤が2種以上含まれる場合、前記含有量はハロゲン系活性剤の合計含有量である。
活性剤の含有量、すなわち、脱炭酸活性剤及びその他の活性剤の合計含有量は、フラックス全体に対して、1.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。また、活性剤の含有量は、フラックス全体に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
(樹脂)
本実施形態に係るフラックスは、はんだ濡れ性を向上させる観点から、樹脂を含む。樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、合成樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン及びロジン誘導体(例えば、水素添加ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、アクリル酸変性ロジン、ロジンエステル等)から選択される1種以上のロジン系樹脂を用いることができる。また、合成樹脂としては、公知の合成樹脂を用いることができる。樹脂としては、流動性を良好にしてボイドをより排出しやすくする観点から、ロジン、ロジン誘導体、テルペンフェノール樹脂、アクリル系樹脂、ポリブタジエン樹脂、及び、ポリエステルポリオール樹脂から選択される1種以上の樹脂であることが好ましい。なお、樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
樹脂の含有量は、フラックス全体に対して、30.0質量%以上であることが好ましく、40.0質量%以上であることがより好ましい。また、樹脂の含有量は、フラックス全体に対して、70.0質量%以下であることが好ましく、50.0質量%以下であることがより好ましい。なお、樹脂が2種以上含まれる場合、前記含有量は樹脂の合計含有量である。
(溶剤)
本実施形態に係るフラックスは、溶剤を含む。溶剤としては、特に限定されるものではなく、公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(ジブチルジグリコール)、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(2エチルヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)等のグリコールエーテル類;n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族系化合物;酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類等が挙げられる。なお、溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
溶剤の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、前記フラックス全体に対して、10.0重量%以上であることが好ましく、20.0重量%以上であることがより好ましい。また、60.0重量%以下であることが好ましく、45.0重量%以下であることがより好ましい。なお、前記溶剤が2種以上含まれる場合、前記含有量は前記溶剤の合計含有量である。
(チキソ剤)
本実施形態に係るフラックスは、チキソ剤を含有する。チキソ剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリット等が挙げられる。なお、チキソ剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
チキソ剤の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、フラックス全体に対して、3.0質量%以上であることが好ましく、5.0質量%以上であることがより好ましい。また、チキソ剤の含有量は、フラックス全体に対して、10.0質量%以下であることが好ましく、8.0質量%以下であることがより好ましい。なお、チキソ剤が2種以上含まれる場合、前記含有量はチキソ剤の合計含有量である。
本実施形態に係るフラックスは、その他の添加材として、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、消泡剤、腐食防止剤等を含んでいてもよい。
本実施形態に係るフラックスは流動性を有するため、活性剤として本加熱温度で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含むことにより、リフローの際にはんだ接合部において発生したボイドが、炭酸ガスの排出力によって押し出される。その結果、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができる。また、前記脱炭酸活性剤は、リフローの際に持続的な活性力を示すことから、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだの濡れ性に優れる。
本実施形態に係るフラックスは、脱炭酸活性剤がアミノ酸又はその誘導体であることにより、はんだ接合部におけるボイドの発生をより抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性により優れる。
本実施形態に係るフラックスは、中高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いられ、脱炭酸活性剤がL−グルタミン酸、L−グルタミン、L−カルニチン、β−アラニン、L−シトルリン、及び、L−テアニンから選択される少なくとも一種であることにより、中高温系の鉛フリーはんだ合金の本加熱温度で脱炭酸が起きる。その結果、前記フラックスは、中高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れる。
本実施形態に係るフラックスは、脱炭酸活性剤の含有量が、フラックス全体に対して、0.5質量%以上25質量%以下であることにより、リフロー後のフラックス残渣を減らすことができる。なお、本実施形態に係るフラックスは、脱炭酸活性剤の含有量が前記範囲内であっても、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れる。
本実施形態に係るフラックスは、例えば、樹脂、活性剤、溶剤、チキソ剤、及び、必要に応じてその他の添加材を加熱容器に投入した後、加熱することにより全原料を溶解させ、最後に、室温まで冷却することにより得ることができる。
<ソルダペースト>
本実施形態に係るソルダペーストは、上述のフラックスと、鉛フリーはんだ合金とを含有する。鉛フリーはんだ合金としては、特に限定されるものではなく、例えば、スズ、銀、銅、インジウム、亜鉛、ビスマス、アンチモン等を含む合金が挙げられる。より具体的には、Sn/Ag、Sn/Cu、Sn/Sb等の高温系の鉛フリーはんだ合金、Sn/Ag/Cu、Sn/Ag/Bi/In、Sn/Ag/Cu/Bi/In/Sb等の中高温系の鉛フリーはんだ合金、Sn/Ag/Cu/Bi等の中温系の鉛フリーはんだ合金、Sn/Zn/Bi、Sn/Zn、Sn/Zn/Al等の中低温系の鉛フリーはんだ合金、Sn/Bi、Sn/Ag/Bi等の低温系の鉛フリーはんだ合金等が挙げられる。なお、鉛フリーはんだ合金の高温系、中高温系、中温系、中低温系及び低温系の区分は、JIS Z 3282;2017に基づくものである。
本実施形態に係るソルダペーストは、鉛フリーはんだ合金粉末と、上述のフラックスとを混合することにより得られる。上述のフラックスの含有量は、ソルダペースト全体に対して、5〜20質量%であることが好ましい。また、鉛フリーはんだ合金粉末の含有量は、ソルダペースト全体に対して、80〜95質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るソルダペーストは、上述のフラックスを含有することにより、鉛フリーはんだ合金と共に用いた場合に、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性に優れる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[脱炭酸温度の測定]
まず、表1に示す各活性剤について、示差熱分析装置(Thermo plus TG 8120、リガク社製)を用いてTG−DTA測定を行い、減量が生じていることを確認した。TG−DTAの測定条件は、以下の通りである。
(測定条件)
サンプル量:3mg
昇温速度:20℃/min
雰囲気:大気
測定温度:室温〜350℃
続いて、減量前の化合物、及び、減量開始温度+10℃における化合物について、それぞれFT−IR装置(Frontier FT IR、PerkinElmer社製)を用いてFT−IR測定を行い、炭酸ガスの発生による減量であることを確認した。
TG−DTA測定及びFT−IR測定の結果から得られた脱炭酸温度を表1に示す。
表1に示す各原料の詳細を以下に示す。
L−グルタミン酸:東京化成工業(株)製
L−グルタミン:東京化成工業(株)製
L−カルニチン:東京化成工業(株)製
β−アラニン:東京化成工業(株)製
L−シトルリン:東京化成工業(株)製
L−テアニン:東京化成工業(株)製
[ソルダペーストの作製]
表2及び表3に示す配合量の各原料を加熱容器に投入し、加熱することにより、全原料を溶解させた。その後、室温まで冷却することにより、均一に分散されたフラックスを得た。なお、表2及び表3に示す各配合量は、フラックスに含まれる各成分の含有量と等しい。次に、各フラックスを11.5質量%、はんだ粉(Sn−3.0wt%Ag−0.5wt%Cu)を88.5質量%となるように混合して、各実施例及び各比較例のソルダペーストを得た。なお、表2及び表3中、その他の活性剤は、脱炭酸が起こらない活性剤である。
表2及び表3に示す各原料の詳細を以下に示す。なお、脱炭酸活性剤については、表1と同様のアミノ酸を用いた。
KE−604:商品名「KE−604」、酸変性ロジン、荒川化学工業社製
S−145:商品名「YSポリスターS145」、テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製
KE−359:商品名「KE−359」、超淡色ロジンエステル、荒川化学工業社製
EHDG:2−エチルヘキシルジグリコール、日本乳化剤社製
HeDG:ヘキシルジグリコール、日本乳化剤社製
VA−79:商品名「ターレンVA−79」、高級脂肪酸アマイド、共栄社化学社製
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン:協和発酵バイオ社製
N−アセチル−L−チロシン:東京化成工業社製
2−フェニルイミダゾール:東京化成工業社製
イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル):東京化成工業社製
アジピン酸:東京化成工業社製
マレイン酸:東京化成工業社製
trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール:東京化成工業社製
[ボイド率の評価]
<試験基板の作製>
各実施例および各比較例において得られたソルダペーストを、試験用プリント基板に印刷した。ソルダペーストの印刷厚さは120μmのメタルマスクを用いて調整した。ソルダペーストの印刷後、72pinQFN(Quad Flat No lead package)(10mm×10mm、Snメッキ処理)を所定の位置に搭載した。その後、以下の温度条件で加熱することにより、各実施例及び比較例の試験基板を作製した。
(温度条件)
昇温速度:3.0℃/秒
加熱温度:220℃以上で30秒
ピーク温度:240℃
<ボイド率の算出>
各試験基板の部品搭載箇所におけるX線透過写真を撮影した。撮影装置はTUX−3100(マース東研社製)を用い、撮影条件は管電圧:75.0V、管電流:100.0μA、フィラメント電流:3.130A、倍率:10.9倍とした。次に、撮影した写真を二値化処理することにより、接合部のボイド率を算出した。なお、ボイド率は、25.0%未満の場合を合格と判定した。結果を表2及び表3に示す。
[はんだ濡れ性の評価]
<試験基板の作製>
各実施例および各比較例において得られたソルダペーストを、試験用プリント基板に印刷した。ソルダペーストの印刷厚さは120μmのメタルマスクを用いて調整した。ソルダペーストの印刷後、0603サイズ(0.6mm×0.3mm)のチップ抵抗(Snメッキ処理)を所定の位置に搭載した。その後、ボイド率の評価と同様の温度条件で加熱することにより、各実施例及び比較例の試験基板を作製した。
<はんだ濡れ性の評価>
得られた試験基板を目視にて観察し、フィレット部に一様に金属光沢がみられる場合を合格(○)と判定した。結果を表2及び表3に示す。
表2及び表3の結果から分かるように、本発明の要件をすべて満たす各実施例のソルダペーストは、活性剤として本加熱温度(本実施例においては、177℃〜247℃)で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含むことにより、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制することができ、かつ、はんだの濡れ性が良好である。
一方、脱炭酸活性剤を含まない比較例1,3〜6のソルダペーストは、はんだ接合部において多くのボイドが発生し、かつ、はんだの濡れ性に劣る。また、脱炭酸活性剤を含まず、ハロゲン化合物を含む比較例2のソルダペーストは、はんだ接合部におけるボイドの発生を抑制するものの、ハロゲン化合物の含有量が少ないためはんだの濡れ性に劣る。

Claims (5)

  1. 鉛フリーはんだ合金と共に用いられるフラックスであって、
    樹脂と、本加熱温度で脱炭酸が起きる脱炭酸活性剤を含む活性剤と、溶剤と、チキソ剤と、を含有する、フラックス。
  2. 前記脱炭酸活性剤が、アミノ酸又はその誘導体である、請求項1に記載のフラックス。
  3. 中高温系の鉛フリーはんだ合金と共に用いられ、
    前記脱炭酸活性剤が、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−カルニチン、β−アラニン、L−シトルリン、及び、L−テアニンから選択される少なくとも一種である、請求項2に記載のフラックス。
  4. 前記脱炭酸活性剤の含有量が、フラックス全体に対して、0.5質量%以上25質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一つに記載のフラックス。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載のフラックスと、鉛フリーはんだ合金とを含有する、ソルダペースト。
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