JP7011823B2 - フラックス及びはんだ材料 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、臭素、塩素などのハロゲン原子が共有結合によって有機化合物中に導入されているハロゲン化合物を活性剤として含むフラックスが記載されている。
特許文献2には、ヨウ素系カルボキシル化合物を活性剤として含むフラックスが記載されている。
特許文献3には、脂肪族化合物の特定の位置の直鎖にヨウ素、臭素等のハロゲン原子が結合しているハロゲン化合物活性剤を含むフラックスが記載されている。
本実施形態のフラックスは、炭素数1~20の鎖状炭化水素構造を有し、該鎖状炭化水素構造の少なくとも一の末端の炭素にヨウ素が結合されており、且つ、カルボキシ基を含まないヨウ素含有化合物を含む。
すなわち、前記鎖状炭化水素構造は不飽和結合の炭素鎖を含まないものでもよく、二重結合、三重結合等の不飽和結合を含むものであってもよい。
例えば、主鎖として前記鎖状炭化水素構造を一つ有している直鎖状の鎖状炭化水素であってもよく、主鎖及び側鎖に前記鎖状炭化水素構造を複数有している分岐鎖状の鎖状炭化水素であってもよく、あるいは、同数の炭素数の鎖状炭化水素構造を複数有していてもよい。
すなわち、ヨウ素は1つ又は2以上が主鎖の末端、あるいは、主鎖及び分岐鎖の末端に結合されていてもよい。
また、ヨウ素以外のハロゲン、例えば、臭素、塩素等が鎖状炭化水素構造にヨウ素と共に結合されていてもよく、あるいは、ヨウ素のみが結合されていてもよい。
ヨウ素以外の置換基としては、例えば、臭素、塩素等のヨウ素以外のハロゲン原子、水素原子、酸素原子、水酸基、フェニル基、ホルミル基、アセチル基等のアシル基、アミノ基、アミド基、エステル、アセトアミド基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アリール基、スルホン基、ベンジル基、アルカン基、アルケン基、アルキン基等のアルキル基、及びこれらが置換基を有しているもの等が挙げられる。
中でも、本実施形態のヨウ素含有化合物の置換基としては、水素原子、酸素原子、水酸基(-OH)、フェニル基、アミノ基、アルキル基、-C(=O)-H、-C(=O)-R1(R1はアルキル基又はエステル)、-NH-O-R2(R2はアルキル基)、で表される基等が好ましい。
鎖状炭化水素構造を構成する炭素数が1であるヨウ素含有化合物としては、例えば、1,4-ビス(ヨードメチル)ベンゼン(鎖状炭化水素構造を2つ含む)等が挙げられる。
鎖状炭化水素構造を構成する炭素数が2であるヨウ素含有化合物としては、例えば、N-Boc-3-ヨード-L-アラニンメチル、α-ヨードフェニル酢酸エチル、2-フェネチルヨージド等が挙げられる。
鎖状炭化水素構造を構成する炭素数が3であるヨウ素含有化合物としては、例えば、ペンタエリトリチルテトラヨージド(鎖状炭化水素構造を2つ含む)等が挙げられる。
鎖状飽和化水素構造を構成する炭素数が10以上であるヨウ素含有化合物としては、例えば、1,10-ジヨードデカン(C10)、1-ヨードオクタデカン(C18)等が挙げられる。
鎖状炭化水素構造が不飽和結合を含むヨウ素含有化合物としては、例えば、cis-3-ヨードアクリル酸エチル、N-ブチルカルバミン酸3-ヨード-2-プロピニル等が挙げられる。
ヨウ素含有化合物のフラックスにおける含有量が前記範囲である場合には、ボイドの発生を効果的に抑制できるフラックスが得られる。
尚、これらの各成分は必要に応じてフラックスに配合されることができ、いずれの成分が含まれていても含まれていなくてもよい。
有機酸は、フラックスの活性剤成分等として用いられる公知の成分であれば特に限定されるものではない。例えば、グルタル酸、コハク酸、メチルコハク酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ステアリン酸、安息香酸、ドデカン二酸、マレイン酸、シアヌル酸等が挙げられる。
前記有機酸は、単独で、あるいは複数種類を混合して用いることができる。
この場合、ヨウ素含有化合物中のハロゲンを含めて、フラックス中のハロゲン全体の濃度が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のフラックスはヨウ素含有化合物を含むため、活性剤成分を低減することなくボイドの発生を抑制できる。従って、はんだ付け性を維持しつつボイドの発生も抑制しうる。
樹脂成分としては、合成樹脂、天然樹脂など、フラックスの樹脂成分として用いられる公知の樹脂成分であれば特に限定されるものではない。例えば、重合ロジン、水添ロジン、天然ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン等が挙げられる。
前記樹脂は、単独で、あるいは複数種類を混合して用いることができる。
この場合、前記樹脂成分のフラックスにおける含有量は特に限定されるものではないが、例えば、固形物換算で50質量%以上90質量%以下、好ましくは70質量%以上80質量%以下等が挙げられる。
溶剤成分として揮発性の高い成分を採用することでボイドを抑制することができるものの、その場合、はんだ材料のタック性を維持できる時間が短くなるという問題がある。
本実施形態のフラックスは前記ヨウ素含有化合物を含むため溶剤の種類を選択することなくボイドの発生を抑制しうる。
前記溶剤は、単独で、あるいは複数種類を混合して用いることができる。
前記チキソトロピック成分のフラックスにおける含有量は特に限定されるものではないが、例えば、3.0質量%以上20質量%以下、好ましくは5.0質量%以上10質量%以下等が挙げられる。
前記はんだ合金は、鉛フリー合金であってもよい。
前記はんだ合金としては、特に限定されるものではなく、鉛フリー(無鉛)のはんだ合金、有鉛のはんだ合金のいずれでもよいが、環境への影響の観点から鉛フリーのはんだ合金が好ましい。
具体的には、鉛フリーのはんだ合金としては、スズ、銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモン等を含む合金等が挙げられ、より具体的には、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu、Sn/Ag/Bi、Sn/Bi、Sn/Ag/Cu/Bi、Sn/Sb、Sn/Zn/Bi、Sn/Zn、Sn/Zn/Al、Sn/Ag/Bi/In、Sn/Ag/Cu/Bi/In/Sb、In/Ag等の合金が挙げられる。特に、Sn/Ag/Cuが好ましい。
本実施形態のはんだ材料は、通常のはんだ合金であれば制限なくはんだ合金を含むことができるが、特に、鉛フリーはんだ合金が適している。
鉛フリーはんだ合金を含む鉛フリーはんだ材料は、はんだ溶融時にフラックスの揮発成分等によるガスが残留しやすく、その結果ボイドが発生しやすいという問題がある。本実施形態のフラックスはかかる鉛フリーはんだ材料に用いた場合にもボイドを抑制することができる。
以下に示すような材料及び表1及び表2(構造式は図1及び図2を参照のこと)に示すヨウ素含有化合物を表1に記載の配合で各実施例、比較例に用いるフラックスを作製した。
作製方法は各材料を適当な容器に投入して、室温にて全材料が均一に溶解するまで混合することで各のフラックスを得た。
ロジン成分
・酸変性超淡色ロジン:KE-604、荒川化学工業社製
溶剤成分
・ヘキシルジグリコール(HeDG):日本乳化剤社製
チキソ剤
・ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド:スリパックスZHH、三菱ケミカル社製
有機酸系活性剤成分
・アジピン酸:住友化学社製
はんだ合金粉末(Sn-3.0%Ag-0.5%Cu、粒径20~38μm)と前記フラックス各とを88±1質量%と12±1質量%となる比率で混合し、ペースト状の各はんだ材料(ソルダーペースト)を作製した。
前記実施例及び比較例のはんだ材料を用いて、試験基板を以下のように作製した。
基板として100mm×100mm、厚み1.6mmの評価用基板を用意し、下記温度条件で2回熱処理を行った。
<温度条件>
・プリヒート時
昇温速度:1.0~3.0℃/秒
プリヒート温度:150~190℃/60~100秒
・はんだ溶融時
昇温速度:1.0~2.0℃/秒
溶融温度:219℃以上30秒以上
ピーク温度:230~250℃
大気雰囲気
<温度条件>
・プリヒート時
昇温速度:1.0~3.0℃/秒
プリヒート温度:150~190℃/60~100秒
・はんだ溶融時
昇温速度:1.0~2.0℃/秒
溶融温度:219℃以上30秒以上
ピーク温度:230~250℃
大気雰囲気
前記実施例及び比較例を用いて作製した各試験基板中、上記部品搭載箇所におけるX線透過写真を撮影した。撮影した写真を二値化処理し、接合部及びボイド部分の面積を測定し、接合部に占めるボイド部分の面積の率を算出した。
尚、撮影装置はマース東研社製 TUX-3100、撮影条件は、管電圧75.0V、管電流65.0μA、フィラメント電流3.130A、倍率10.9倍である。
結果を表1に示す。
また、各実施例及び比較例の試験基板の写真を図3及び4に示す。
Claims (7)
- 炭素数1~20の鎖状炭化水素構造を有し、該鎖状炭化水素構造の少なくとも一の末端の炭素にヨウ素が結合されており、且つ、カルボキシ基を含まないヨウ素含有化合物を含み、
前記ヨウ素含有化合物を0.1質量%以上5.0質量%以下含むはんだ材料用のフラックス。 - 前記鎖状炭化水素構造は不飽和結合の炭素鎖を含まない請求項1に記載のフラックス。
- 前記鎖状炭化水素構造は少なくとも一の末端側に不飽和結合を含み、前記ヨウ素は不飽和結合炭素に結合されている請求項1に記載のフラックス。
- 前記ヨウ素含有化合物は、ハロゲン原子としてヨウ素のみを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフラックス。
- ヨウ素濃度は、0.002質量%以上0.15質量%以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフラックス。
- 前記ヨウ素含有化合物の他に活性剤を0.5質量%以上20質量%以下含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフラックス。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフラックスとはんだ合金とを含むはんだ材料。
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