JP7058736B2 - 制御弁、流量制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、制御弁、流量制御弁及び二部材の接続構造に関する。
従来の制御弁としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この制御弁は、樹脂製のハウジングの周壁に設けられた連通部に、固定部材である金属製のスクリュを介して樹脂製の接続パイプが固定されている。
特開平08-028727号公報
しかしながら、前記従来の制御弁では、ハウジングと接続パイプとが、共に合成樹脂材料によって形成されていて、これらが金属材料からなるスクリュによって固定されている。このため、接続パイプを通流する流体の熱によって、合成樹脂材料からなる接続パイプが、合成樹脂材料よりも線膨張係数の小さい金属材料からなるスクリュよりも大きく膨張することになる。すると、かかる熱膨張差に基づいて、接続パイプの熱膨張によってスクリュが抜け方向へ引っ張られる結果、ハウジングのねじ穴が塑性変形し、スクリュの軸力が低下してしまうおそれがあった。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、締結部材の軸力の低下を抑制することができる制御弁、流量制御弁及び二部材の接続構造を提供することを目的としている。
本発明は、自動車の機関の熱交換回路に設けられる制御弁であって、その一態様として、金属製の接続パイプが、金属製の締結部材を介して樹脂製のハウジングに締結されている。
換言すれば、本発明に係る制御弁は、接続パイプ及び締結部材が、それぞれハウジングよりも線膨張係数の小さい材料によって形成されている。
また、本発明は、熱膨張を伴う温度変化が発生する環境において使用される二部材の接続構造であって、その一態様として、金属製の接続部材が、金属製の締結部材を介して樹脂製の被接続部材に接続されている。
本発明によれば、締結部材の軸力の低下を抑制することができる。
本発明に係る制御弁等が適用される自動車用冷却水の循環回路の構成を表したブロック図である。 本発明に係る制御弁等が適用される自動車用冷却水の循環回路の他の構成を表したブロック図である。 本発明に係る制御弁等が適用される自動車用冷却水の循環回路の他の構成を表したブロック図である。 本発明に係る制御弁等の分解斜視図である。 図4に示す制御弁等の平面図である。 図5のA-A線断面図である。 図4に示す制御弁を底部側から見た斜視図である。 図7のB方向から見た矢視図である。 図8のC-C線断面図である。
以下、本発明に係る制御弁、流量制御弁及び二部材の接続構造の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、下記の実施形態では、本発明に係る制御弁等を、従来と同様の自動車用冷却水(以下、単に「冷却水」と略称する。)の循環系に適用したものを例に説明する。
(冷却水の循環回路の構成)
図1は、本発明に係る制御弁、流量制御弁及び二部材の接続構造(以下、「制御弁等」と略称する。)が適用される機関の冷却回路である冷却水の循環回路の構成を表したブロック図を示している。
流量制御弁である制御弁CVは、自動車の機関であるエンジンEG(具体的には図示外のシリンダヘッド)の側部に配置されるもので、図1に示すように、エンジンEGと、ヒータHT、オイルクーラOC、ラジエータRDといった各デバイスとの間に配置されている。ヒータHTは、図示外のエアコンの温風を作り出すために熱交換を行う暖房熱交換器である。オイルクーラOCは、エンジンEGの摺動部の潤滑に供するオイルを冷却する。ラジエータRDは、エンジンEGの冷却に供する冷却水を冷却する。
ここで、図1中の符号WPは、冷却水の循環に供するウォータポンプである。また、図1中の符号WTは、制御弁CVの駆動制御に供する水温センサであり、図1中の符号CUは、水温センサWTの検出結果等に応じて制御弁CVを駆動制御することによって冷却水の流路を切替制御する流路制御手段としての電子コントロールユニットである。
具体的には、ウォータポンプWPから吐出された冷却水が、導入通路L0を通じて制御弁CVへと導かれる。そして、水温センサWTによる検出結果などエンジンEGの運転状態に基づき、流路制御手段CUからの制御信号に応じて、制御弁CV(弁体3)が駆動制御される。これにより、導入通路L0を介して制御弁CVに導かれた冷却水が、第1~第3配管L1~L3を介して、ヒータHT、オイルクーラOC及びラジエータRDへとそれぞれ分配される。
また、制御弁CVには、導入通路L0をバイパスすることによって冷却水の常時循環に供するバイパス通路BLが設けられている。これにより、バイパス通路BLに導かれた冷却水は、第4配管L4を介して直ちにエンジンEG側へと還流され、冷却水の常時循環が行われる。
このように、制御弁CVは、いわゆる1in-3out形式の分配デバイスとして適用されるもので、導入通路L0より流入した冷却水を第1~第3配管L1~L3へと分配すると共に、当該分配時の冷却水の流量を制御する。
なお、本実施形態では、自動車の機関の一態様として、内燃機関であるエンジンEGを例示しているが、当該機関には、エンジンEGのみならず、例えばモータや燃料電池など、エネルギを動力に変換するあらゆる装置が含まれる。
図2は、本発明に係る制御弁等が適用される冷却水の循環回路の他の構成を表したブロック図を示している。
制御弁CVでは、図2に示すように、エンジンEGの仕様等に応じて、図1に示すバイパス通路BLを省略して、前記第4配管L4による常時循環を廃止した構成とすることも可能である。
図3は、本発明に係る制御弁等が適用される冷却水の循環回路の他の構成を表したブロック図を示している。
制御弁CVは、図1に示す形式のほか、例えば図3に示すように、ウォータポンプWPの直前に配置され、いわゆる3in-1out形式の集合デバイスとして適用することも可能である。すなわち、このような集合デバイスとして用いる場合は、制御弁CVは、第1~第3配管L1~L3より流入する冷却水を集合し、排出通路Lxを通じてエンジンEG側へ還流すると共に、当該集合時の冷却水の流量を制御する。
(制御弁の構成)
図4は、本実施形態に係る制御弁CVの分解斜視図を示している。また、図5は、図4に示す制御弁CVを組み立ててなる、当該制御弁CVの平面図を示している。なお、本図の説明では、駆動軸2の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、駆動軸2の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、駆動軸2の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図4中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図4、図5に示すように、制御弁CVは、ハウジング1の内部において駆動軸2を介して回転可能に支持された筒状の弁体3と、ハウジング1に収容され、弁体3を回転駆動する電動モータ4と、ハウジング1に収容され、電動モータ4の回転を減速して伝達する減速機構5と、を有する。
ハウジング1は、軸方向に2分割に形成されていて、弁体3及び電動モータ4を収容する第1ハウジング11と、第1ハウジング11の一端側の開口部を閉塞するように設けられ、減速機構5を収容する第2ハウジング12と、から構成される。第1ハウジング11と第2ハウジング12は、共に合成樹脂材料によって成形されていて、複数のボルト13により固定されている。
第1ハウジング11は、弁体3を収容する中空円筒状の弁体収容部111と、弁体収容部111に並列して付設され、電動モータ4のモータ本体41を収容する中空円筒状のモータ収容部112と、を有する。この第1ハウジング11は、軸方向の他端部に設けられた取付部(後述するフランジ部114a,114b,114c)を介して図示外のシリンダブロックに、図示外の固定手段、例えば複数のボルトにより固定される。
弁体収容部111は、軸方向の一端側が端壁113により閉塞され、他端側が開口形成される。弁体収容部111の軸方向の他端部には、第1ハウジング11を図示外のシリンダブロックに取り付ける複数(本実施形態では3つ)のフランジ部114a,114b,114cが、概ね放射状に、径方向の外側へ延びるように設けられている。各フランジ部114a,114b,114cは、周方向において、ほぼ等間隔に配置されている。また、各フランジ部114a,114b,114cの先端部には、断面が円形の貫通孔114dが、軸方向に沿って貫通形成されていて、各貫通孔114dには、円筒状に形成された金属製のスリーブ14が圧入されている。なお、このスリーブ14は、各フランジ部114a,114b,114cと同等の高さ(軸方向寸法)を有していて、このスリーブ14によって図示外のボルトの軸力を受ける構成となっている。
また、弁体収容部111の端壁113には、有蓋円筒状のボス部115が、第2ハウジング12側へ突出形成されている。そして、このボス部115には、駆動軸2が貫通する軸貫通孔116が貫通形成されている。また、弁体収容部111の端壁113には、後述する減速機構5の支持軸51,52の軸受けに供する平板状の1対の軸受部117,117が、直立形成されている。1対の軸受部117,117には、それぞれ支持軸51,52を回転可能に支持する軸受孔117a,117aが貫通形成されている。
また、第1ハウジング11には、弁体収容部111の側壁(周壁)に、被固定部としての第1~第3取付端面61~63がほぼ平坦状に形成されていて、該第1~第3取付端面61~63に、弁体収容部111とヒータHT、オイルクーラOC及びラジエータRD(図1参照)とを接続する、接続パイプ(接続部材)としての第1~第3配管L1~L3が取り付けられている。なお、図4、図5中の符号L4は、バイパス通路BL(図1参照)を通流する冷却水をエンジンEG(図1参照)側へ直接還流する第4配管を示している。また、これら第1~第4配管L1~L4は、いずれもハウジング1を構成する合成樹脂材料よりも線膨張係数の小さい材料、例えば金属材料からなる複数のスクリュSWによって第1ハウジング11に固定(締結)されている。
第2ハウジング12は、弁体収容部111とモータ収容部112とに跨ってこれら弁体収容部111とモータ収容部112とを被覆可能に開口する縦断面凹形状に形成されている。そして、この凹形状の内部空間によって、減速機構5を収容する減速機構収容部121が形成される。
電動モータ4は、出力軸42が第2ハウジング12側へ臨むかたちでモータ本体41がモータ収容部112内に収容される。そして、この電動モータ4は、モータ本体41の出力軸42側の端部に径方向の外側へと延びるように設けられたフランジ部43を介して、モータ収容部112の開口縁部に複数のボルト44により固定される。なお、電動モータ4は、車載の電子コントロールユニットCU(図1参照)によって駆動制御され、車両の運転状態に応じて弁体3を回転駆動することによって、ラジエータRD等(図1参照)に対する冷却水の適切な分配が実現される。
減速機構5は、2組の食い違い歯車である第1歯車G1及び第2歯車G2により構成された駆動機構である。第1歯車G1は、電動モータ4の出力軸42と同軸上に設けられ、出力軸42と一体となって回転する第1ねじ歯車WG1と、電動モータ4の出力軸42と直交するように配置される第1支持軸51によって回転支持され、第1ねじ歯車WG1と噛み合う第1斜歯歯車HG1と、で構成される。第2歯車G2は、第2支持軸52によって回転支持され、第1斜歯歯車HG1と一体となって回転する第2ねじ歯車WG2と、駆動軸2に固定され、第2ねじ歯車WG2と噛み合う第2斜歯歯車HG2と、で構成される。ここで、第1斜歯歯車HG1と第2斜歯歯車HG2とは、筒状の両歯車HG1,HG2が直列状に並んで一体に構成された複合歯車部材であって、この複合歯車部材の両端部に挿入される第1、第2支持軸51,52を介して、第1ハウジング11の1対の軸受部117,117に回転支持される。このような構成から、電動モータ4の出力軸42から出力された回転駆動力が、第1歯車G1及び第2歯車G2を介して2段階に減速されて弁体3へと伝達される。
図6は、図5のA-A線に沿って切断した制御弁CVの断面図を示している。なお、本図の説明では、駆動軸2の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、駆動軸2の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、駆動軸2の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。また、前記「軸方向」については、図6中の上方を「一端側」、下方を「他端側」として説明する。
図6に示すように、第1ハウジング11には、軸方向の一端側が端壁113により閉塞され、かつ他端側が外部に開口する有底円筒状の弁体収容部111が形成されている。また、弁体収容部111の端壁113に設けられたボス部115には、駆動軸2が貫通する軸貫通孔116が、弁体収容部111と後述の減速機構収容部121とを連通するように、軸方向に沿って形成されている。また、第1ハウジング11には、弁体収容部111に隣接するかたちで、内部に電動モータ4のモータ本体41を収容する有底円筒状のモータ収容部112が、軸方向の一端側に向けて開口形成されている(図4参照)。
また、第1ハウジング11は、弁体収容部111の軸方向の他端部に、図示外のシリンダブロックの内部と連通してシリンダブロック側から冷却水を導入するための導入口E0(本発明に係る連通部(主連通部)に相当)が開口形成されている。すなわち、制御弁CVを図示外のエンジン(シリンダブロック)に取り付けた状態で、この導入口E0が図示外のシリンダブロック側の開口部と連通し、当該導入口E0を介してシリンダブロック側から弁体収容部111に冷却水が導入されるようになっている。
また、弁体収容部111の周壁には、外部と弁体収容部111を連通する横断面ほぼ円形状となる複数の貫通孔が、第1~第3排出口E1~E3として形成されていて、この第1~第3排出口E1~E3に、対応する第1~第3配管L1~L3が接続されている(以下、第2排出口E2については、図4参照)。第1排出口E1は、第1配管L1を介して、例えばヒータHTに接続される。第2排出口E2は、第2配管L2を介して、例えばオイルクーラOCに接続される。第3排出口E3は、第3配管L3を介して、例えばラジエータRDに接続される。
ここで、第1~第3排出口E1~E3は、それぞれ第1ハウジング11の周壁上において異なる軸方向位置であって、かつそれぞれ第1ハウジング11の周壁上において異なる周方向位置、具体的には、約90°ずつ位相をずらした位置に配置されている(図5参照)。さらに、本実施形態では、第1~第3配管L1~L3のうち少なくとも第1配管L1については、合成樹脂材料よりも線膨張係数の小さい材料、例えば金属材料(本実施形態では、アルミニウム合金材料)によって形成されている。
また、第1~第3排出口E1~E3の内周側には、当該各排出口E1~E3と弁体3との間を気密にシールするシール手段が設けられている。このシール手段は、合成樹脂材料からなる円筒状の第1~第3シール部材S1~S3と、これら第1~第3シール部材S1~S3を弁体3側へ付勢する金属製の第1~第3コイルスプリングSP1~SP3と、から構成される。また、第1~第3シール部材S1~S3の外周側には、第1~第3排出口E1~E3と摺接可能な第1~第3シールリングSR1~SR3が取り付けられている。
第1~第3シール部材S1~S3は、所定のフッ素樹脂(本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))により形成され、第1~第3排出口E1~E3の内周側に収容されて、それぞれ弁体3側へ向けて進退移動可能に設けられている。第1~第3コイルスプリングSP1~SP3は、第1~第3シール部材S1~S3と第1~第3配管L1~L3との間に所定のセット荷重をもって配置され、それぞれシール部材S1~S3を弁体3側へ付勢する付勢部材である。
駆動軸2は、一定外径の棒状を呈し、軸貫通孔116を貫通して弁体収容部111と減速機構収容部121とに跨って配置され、ボス部115の内周側に収容保持された軸受B1によって回転可能に支持される。また、駆動軸2と軸貫通孔116の間は、環状のシール部材20によって気密にシールされている。すなわち、このシール部材20によって、軸貫通孔116を通じた弁体収容部111内の冷却水の第2ハウジング12側への流出が抑止されている。
弁体3は、所定の硬質樹脂材料によって形成され、一定の外径を有する有底円筒状を呈し、他端側の開口部である導入部M0が導入口E0側へ臨むように設けられることで、内周側に形成される内部通路118に冷却水を導入可能となっている。そして、この弁体3は、軸方向の一端部が、当該一端部の内周側に埋設された金属製のインサート部材30を介して駆動軸2に圧入固定される一方、導入口E0側へと臨む他端部が、導入口E0の内周側に保持される軸受B2によって回転可能に支持されている。
また、弁体3の周壁には、第1ハウジング11の第1~第3排出口E1~E3に対応する軸方向位置に、所定の回転位置(位相)において第1~第3排出口E1~E3と連通可能な第1~第3開口部M1~M3が、それぞれ径方向に沿って貫通形成されている。なお、第1~第3開口部M1~M3については、例えば真円や周方向に延びる長円など、弁体3の制御内容に応じた形状や数量に設定されている。
以上のように構成された制御弁CVは、第1開口部M1と第1排出口E1の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることによって、第1配管L1に冷却水を分配する。同様に、制御弁CVは、第2開口部M2と第2排出口E2の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることにより第2配管L2に冷却水を分配し、第3開口部M3と第3排出口E3の少なくとも一部が重なる周方向位置に弁体3が制御されることにより第3配管L3に冷却水を分配する。また、この冷却水の分配に際し、第1~第3開口部M1~M3と第1~第3排出口E1~E3との重なり具合(重なり合う面積)が変化することで、当該分配時の冷却水の流量が変化する。
図7は、図4に示す制御弁CVを取付部から見た斜視図を示している。また、図8は、図7のB方向から見た矢視図を示しており、図9は、図8のC-C線に沿って切断した制御弁CVの断面図を示している。なお、各図の説明では、弁体3の回転軸線Zに平行な方向を「軸方向」、弁体3の回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、弁体3の回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。
図7~図9に示すように、金属製の第1配管L1は、中間部に、所定の角度、例えば90度に屈曲された屈曲部73を有する縦断面ほぼL字形状に形成された中空の接続パイプである。すなわち、第1配管L1は、いわゆるエルボ状を呈し、一端側が第1排出口E1側に開口すると共に、他端側が第2ハウジング12側(導入口E0の反対側)に開口する。より具体的には、第1配管L1の一端側に、ハウジング1(第1ハウジング11)と接続するハウジング接続部71が、屈曲部73から第1排出口E1側に向かって真っ直ぐに延長される。この第1排出口E1側に指向する先端部には、第1コイルスプリングSP1が着座する平坦状の着座面71bが形成されている。他方、第1配管L1の他端側には、図示外のゴム配管と接続する配管接続部72が、屈曲部73から第2ハウジング12側(導入口E0と軸方向の反対側)に向かって真っ直ぐに延長される。この導入口E0と軸方向反対側に指向する先端部には、先端側に向かって段差状に拡径形成されて前記ゴム配管の抜け止めに供する段差径部72bが設けられている。
ここで、第1配管L1は、ほぼ一定の内径を有し、屈曲部73では、内周面が円弧状に形成されている。そして、かかる第1配管L1は、いわゆる崩壊性中子、例えば砂型を用いて、アルミニウム合金材料を鋳造することによって形成される。換言すれば、本実施形態に係る第1配管L1では、中子を分割型とするのではなく、一体の崩壊性中子としたことによって、型分割によるバリが発生せず、内周面全体が滑らかに形成されている。
ハウジング接続部71は、ハウジング接続部71側に開口する一端開口部710の周域に延びるように設けられ、第1配管L1の固定に供するパイプ固定部74と、該パイプ固定部74よりもハウジング1(第1ハウジング11)側に延長され、第1排出口E1に挿入されるハウジング挿入部75と、を有する。パイプ固定部74は、フランジ状を呈し、一端開口部710に対して下方へとオフセットされ、かつ配管接続部72の延出方向に沿って延びるように形成されている。
また、パイプ固定部74には、長手方向の一端部に、第1スクリュSW1が貫通する第1貫通孔741が形成されると共に、他端部に、第2スクリュSW2が貫通する第2貫通孔742が形成されている。すなわち、第1、第2貫通孔741,742に挿入された第1、第2スクリュSW1,SW2が、ハウジング1(第1ハウジング11)の第1取付端面61において第1排出口E1の周辺に設けられた第1、第2雌ねじ部611,612にねじ込まれることで、第1配管L1が、ハウジング1(第1ハウジング11)に固定(締結)されている。なお、第1、第2貫通孔741,742は、横断面ほぼ円形状を呈し、パイプ固定部74において、一端開口部710(第1排出口E1)に対して、下方へオフセットして設けられている。
ここで、第1、第2スクリュSW1,SW2は、いわゆるセルフタッピングスクリュ又はセルフフォーミングスクリュである。すなわち、第1、第2スクリュSW1,SW2は、第1、第2スクリュSW1,SW2の外径よりも若干小さい内径に形成された第1、第2下穴61a,61bにねじ込まれることで、第1、第2下穴61a,61bに第1、第2雌ねじ部611,612を形成しつつ、この第1、第2雌ねじ部611,612と噛み合って第1配管L1を締結する。なお、図示の都合上、第2下穴61b及び第2雌ねじ部612のみを図示し、第1下穴61a及び第1雌ねじ部611については、図示を省略している(図8、図9参照)。
また、パイプ固定部74の外周縁部には、ハウジング1(第1ハウジング11)において第1排出口E1の周辺に設けられた凸部613に係合可能な凹部743を有する。具体的には、凹部743は、相互に対向するほぼ平行な二面幅部743a,743bを有する一方、凸部613は、横断面ほぼ矩形状を呈し、凸部613の平行な二面613a,613bが凹部743の二面幅部743a,743bに係合する。これにより、パイプ固定部74をハウジング1(第1ハウジング11)に固定する際、パイプ固定部74の位置決めが可能になると共に、第1、第2スクリュSW1,SW2のねじ込みに伴うパイプ固定部74の共回りを抑制する回り止めが可能になる。
ここで、凸部613は、図8に示すように、第1スクリュSW1の回転軸Y1(第2スクリュSW2の回転軸Y2)の方向から見て、第1スクリュSW1の回転軸Y1を通り、かつ第1スクリュSW1の回転軸Y1と第2スクリュSW2の回転軸Y2とを結ぶ第1仮想線V1と直交する第2仮想線V2と、第2スクリュSW2の回転軸Y2を通り、かつ第1仮想線V1と直交する第3仮想線V3と、の間に配置されている
また、ハウジング挿入部75の外周側には、第1排出口E1の内側面と弾接するシールリング79が取り付けられている。すなわち、このシールリング79によって、第1配管L1(ハウジング挿入部75)の外側面と第1排出口E1の内側面との間が、気密にシールされている。これにより、第1排出口E1からの冷却水の流出が抑制されると共に、外部から第1排出口E1内へのコンタミ等の侵入が抑制されている。
また、屈曲部73には、径方向の外側、すなわちハウジング接続部71と反対側に向かって突出する、ほぼ円柱状の突出部76が形成されている。換言すれば、この突出部76は、第1、第2スクリュSW1,SW2の回転軸の方向に沿って延び、かつ該第1、第2スクリュSW1,SW2の回転軸の方向から見て一端開口部710と重なり合うように設けられ、突出部76の中心軸線X1は、他端開口部720の中心軸線X2と直交する構成となっている。
また、突出部76には、内部に雌ねじ部770が形成された雌ねじ穴77が、先端面に開口形成されている。この雌ねじ部770には、例えば図示外のスクリュがねじ込まれ、このスクリュによって前記ゴム配管の固定に供する図示外のブラケット等を締結することで、前記ゴム配管をより強固に固定することが可能となる。また、本実施形態では、雌ねじ部770が、いわゆる袋穴により形成されているが、当該雌ねじ穴77を貫通孔として形成することで、突出部76を、例えば第1配管L1内を通流する冷却水の温度等を検出する図示外のセンサプローブの固定に利用することも可能である。
また、第1配管L1の外側部には、パイプ固定部74側から突出部76側へ向かって延びる複数(本実施形態では2つ)のリブ78が、ハウジング接続部71に沿って形成されている。これら各リブ78は、パイプ固定部74側から突出部76側へ向かってハウジング接続部71からの高さHが漸次減少する、先細り状に形成されている。これにより、パイプ固定部74近傍の強度の増大と、リブ78を設けることによる第1配管L1の重量の増加との両立が図られている。
(本実施形態の作用効果)
従来の制御弁によれば、ハウジングと接続パイプとが、共に合成樹脂材料によって形成されていて、これらが金属材料からなるスクリュによって固定されている。このため、接続パイプを通流する流体の熱により、合成樹脂材料からなる接続パイプが、合成樹脂材料よりも線膨張係数の小さい金属材料からなるスクリュよりも大きく膨張することになる。すると、かかる熱膨張差に基づき、接続パイプの熱膨張によってスクリュが抜け方向へ引っ張られる結果、ハウジングのねじ穴が塑性変形し、スクリュの軸力が低下してしまうおそれがあった。
これに対し、本実施形態に係る制御弁等では、以下の効果が奏せられることで、前記従来の制御弁の課題を解決することができる。
すなわち、制御弁CVは、自動車の機関(本実施形態ではエンジンEG)の熱交換回路に設けられる制御弁であって、流体である冷却水の導入又は排出に供する連通部に相当する第1排出口E1を有する樹脂製のハウジング1(第1ハウジング11)と、第1排出口E1に金属製の締結部材に相当する第1、第2スクリュSW1,SW2によって締結された金属製の接続パイプに相当する第1配管L1と、を備えている。
より具体的には、制御弁CVは、自動車の機関(本実施形態ではエンジンEG)の冷却回路に設けられる流量制御弁であって、内部に形成された弁体収容部111と、弁体収容部111内への冷媒である冷却水の導入又は弁体収容部111内の冷却水の排出に供する主連通部に相当する導入口E0と、導入口E0を介して弁体収容部111内の冷却水の排出又は弁体収容部111内への冷却水の導入に供する連通部に相当する第1排出口E1と、第1排出口E1の周囲に設けられた被固定部に相当する第1取付端面61と、第1取付端面61に設けられた少なくとも1つの雌ねじ部(本実施形態では、第1、第2雌ねじ部611,612)と、を有するハウジング1(第1ハウジング11)と、弁体収容部111に収容され、回転されることにより導入口E0と第1排出口E1との間を通流する冷却水の流量を制御する弁体3と、ハウジング1よりも線膨張係数の小さい材料(本実施形態では、金属材料)で形成され、第1、第2雌ねじ部611,612にねじ込まれる第1、第2スクリュSW1,SW2と、第1排出口E1に接続され、第1、第2スクリュSW1,SW2によって前記被固定部に固定されるパイプ固定部を有し、前記ハウジングよりも線膨張係数の小さい材料で形成された接続パイプと、を備えている。
このように、本実施形態に係る制御弁CVでは、第1~第3配管L1~L3のうち、少なくとも第1配管L1が、ハウジング1よりも線膨張係数の小さい材料である金属材料によって形成されている。これにより、金属材料によって形成される第1、第2スクリュSW1,SW2との熱膨張差を小さくすることができ、第1配管L1が熱膨張したときの第1、第2スクリュSW1,SW2に対する抜け方向の引っ張り力が低減される。その結果、第1、第2雌ねじ部611,612の塑性変形が抑制され、第1、第2スクリュSW1,SW2の軸力の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、締結部材に相当する第1、第2スクリュSW1,SW2は、セルフタッピングスクリュ又はセルフフォーミングスクリュである。
このように、本実施形態では、第1、第2スクリュSW1,SW2をセルフタッピングスクリュ又はセルフフォーミングスクリュとしたことにより、第1、第2雌ねじ部611,612における第1、第2スクリュSW1,SW2とのクリアランスが低減されて、第1、第2スクリュSW1,SW2の緩みを抑制することができる。さらに、第1、第2スクリュSW1,SW2をセルフタッピングスクリュ又はセルフフォーミングスクリュとすることにより、予め第1、第2雌ねじ部611,612を形成する必要がなく、第1、第2下穴61a,61bのみを形成することで足りるため、制御弁CVの製造コストの低廉化を図ることもできる。
また、本実施形態では、ハウジング1(第1ハウジング11)は、連通部に相当する第1排出口E1の周辺に凸部613を有し、接続パイプに相当する第1配管L1は、凸部613に係止する凹部743を備えている。
このように、本実施形態では、第1配管L1に、第1排出口E1周辺に設けた凸部613に係合可能な凹部743を設けたことで、この凹凸係合によって、第1配管L1の固定作業にあたり、当該第1配管L1の位置決めを行いつつ、第1配管L1の回り止めを行うことが可能となる。これにより、第1配管L1の固定作業が容易に行えるようになり、制御弁CVの生産性の向上に寄与することができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、所定の角度に屈曲した屈曲部73を備えている。
このように、本実施形態では、第1配管L1に屈曲部73を設けたことで、当該第1配管L1を直線状に形成する場合に比べて、第1配管L1の効率的な配置が可能となる。これにより、制御弁CVのレイアウト性が向上し、また、制御弁CVを搭載する自動車のエンジンルーム内のスペース効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、屈曲部73の角度は、90度となっている。
このように、本実施形態では、屈曲部73の角度を90度に設定したことで、制御弁CVをよりコンパクトに構成することができる。これにより、搭載対象である自動車に対する制御弁CVの搭載性を向上させることができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、屈曲部73から真っ直ぐに延長され、ゴム配管(図示外)が接続される配管接続部72を備えている。
このように、本実施形態では、第1配管L1において、ゴム配管を接続する配管接続部72を、屈曲部73から真っ直ぐに延長したことで、この真っ直ぐに延びる直線状の部分に、ゴム配管を取付固定することが可能となる。これにより、ゴム配管を、第1配管L1に容易かつ適切に取り付けることができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、崩壊性中子(本実施形態では砂型)を用いて形成されている。
このように、本実施形態では、第1配管L1は、崩壊性中子、具体的には砂型を用いて形成されている。これにより、第1配管L1を、所望な形状に形成することができる。さらには、分割型ではなく、崩壊性中子を用いることで、第1配管L1の内周面を、継ぎ目のない滑らかなものとすることが可能となり、第1配管L1の通水抵抗を低減することができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、屈曲部73から突出し、かつ内部に雌ねじ部770が形成された雌ねじ穴77を有する突出部76を備えている。
このように、本実施形態では、第1配管L1の屈曲部73において、内部に雌ねじ穴77を有する突出部76を設けたことによって、当該突出部76に設けた雌ねじ穴77を利用して、ゴム配管(図示外)をより強固に固定することができる。また、雌ねじ穴77を貫通孔とすることによって、図示外のセンサプローブを取付固定することができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、締結部材に相当する第1、第2スクリュSW1,SW2と当接するパイプ固定部74と、パイプ固定部74から突出部76に向かって延びるリブ78と、を備えている。
このように、本実施形態では、パイプ固定部74から突出部76に向かって延びるリブ78が形成されていることで、第1配管L1が補強され、当該第1配管L1の強度を向上させることができる。また、このリブ78は、いわゆるヒートシンクとしても機能し、第1配管L1を効果的に放熱することができる。
また、本実施形態では、屈曲部73では、流体である冷却水が通流する内周面が円弧状に形成されている。
このように、本実施形態では、屈曲部73の内周面が円弧状に形成されていることで、内部を通流する冷却水の通水抵抗を低減し、この冷却水の水流を円滑なものとすることができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、鉄系材料のうちアルミニウムによって形成されている。
このように、本実施形態では、第1配管L1がアルミニウム(具体的には、アルミニウム合金材料)によって形成されていることで、当該第1配管L1を、例えば鉄系材料など、他の金属材料で形成する場合に比べて、第1配管L1を比較的軽量化することができる。これにより、ハウジング1(第1ハウジング11)の第1、第2雌ねじ部611,612において発生する第1、第2スクリュSW1,SW2の軸力の負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、雌ねじ部は、第1雌ねじ部611と第2雌ねじ部612とを有し、スクリュは、第1雌ねじ部611にねじ込まれる第1スクリュSW1と、第2雌ねじ部612にねじ込まれる第2スクリュSW2と、を有する。
このように、本実施形態では、第1配管L1を2箇所で締結したことにより、当該第1配管L1の締結強度が高められ、金属製の第1配管L1であっても、十分な固定強度を担保することができる。
また、本実施形態では、連通部に相当する第1排出口E1の周辺に設けられた凸部613を有し、凸部613は、第1スクリュSW1の回転軸Y1の方向から見て、第1スクリュSW1の回転軸Y1を通り、かつ第1スクリュSW1の回転軸Y1と第2スクリュSW2の回転軸Y2を結ぶ第1仮想線V1と直交する第2仮想線V2と、第2スクリュSW2の回転軸Y2を通り、かつ第1仮想線V1と直交する第3仮想線V3と、の間に配置されている。
このように、本実施形態では、凸部613が、第2仮想線V2と第3仮想線V3との間に配置されていることで、当該凸部613が第2、第3仮想線V2,V3の外側に配置される場合に比べて、パイプ固定部74を小型化することができる。これにより、第1配管L1の重量が低減されて、ハウジング1(第1ハウジング11)の第1、第2雌ねじ部611,612において発生する第1、第2スクリュSW1,SW2の軸力の負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、連通部に相当する第1排出口E1は、第1仮想線V1に対してオフセットして設けられ、第2仮想線V2と第3仮想線V3との間に配置されている。
このように、本実施形態では、第1排出口E1が、第1、第2スクリュSW1,SW2(第1、第2雌ねじ部611,612)と同一軸線上ではなく、第1仮想線V1に対してオフセットして配置されている。これにより、第1、第2スクリュSW1,SW2の配置の自由度が向上し、第1配管L1のレイアウト性が向上する。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、中間部に設けられた屈曲部73を介してL字形状に屈曲形成され、屈曲部73には、第1、第2スクリュSW1,SW2の回転軸の方向に沿って延び、かつ第1、第2スクリュSW1,SW2の回転軸の方向から見て第1配管L1の一端開口部710と重なり合う突出部76が設けられ、突出部76の中心軸線X1は、第1配管L1の他端開口部720の中心軸線X2と直交している。
このように、本実施形態では、突出部76の中心軸線X1は、第1、第2スクリュSW1,SW2の回転軸Y1,Y2の方向において第1配管L1の一端開口部710と重なり、かつ第1配管L1の他端開口部720の中心軸線X2と直交している。かかる構成により、第1配管L1の成型にあたり、型分割を容易かつ効率的に行うことができる。その結果、第1配管L1のムダな肉(材料)が削減され、第1配管L1の軽量化に寄与することができる。
また、本実施形態では、接続パイプに相当する第1配管L1は、弁体3の回転軸の方向において、主連通部に相当する導入口E0と反対側に指向する先端部を有している。
このように、本実施形態では、配管接続部72が、図示外のシリンダブロックに接続される導入口E0とは反対側に指向して設けられている。これにより、配管接続部72に図示外のゴム配管を接続する際に、シリンダブロックが当該接続作業の妨げとならず、配管接続部72に対するゴム配管の接続作業を容易に行えるメリットがある。
本発明に係る制御弁等は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏し得る形態であれば、適用する機関の仕様等に応じて自由に変更可能である。
特に、前記実施形態では、制御弁(流量制御弁)の適用の一例として、冷却水の循環系に適用したものを例示したが、当該制御弁は、冷却水のみならず、例えば潤滑油など様々な流体について適用可能であることは言うまでもない。
また、前記実施形態では、本発明に係る連通部として、導入口E0のほか、第1~第3排出口E1~E3からなる3つの開口部を設けた態様を例示したが、排出口については、少なくとも1つ設けられていればよく、第1~第3排出口E1~E3の3つに限定されるものではない。
また、本発明に係る連通部は、前記実施形態に限定されるものではなく、導入口E0と他の排出口(例えば第2排出口E2や第3排出口E3)との組み合わせや、排出口単体であってもよい。換言すれば、本発明に係る連通部は、冷却水の導入又は排出に供するものであれば、導入口E0のみ、導入口E0と第1~第3排出口E1~E3とを組み合わせたもの、第1~第3排出口E1~E3のみなど、制御弁の仕様に応じて任意に設定可能である。
また、本発明に係る接続パイプ(接続部材)に相当する第1配管L1、及び本発明に係る締結部材(スクリュ)に相当する第1、第2スクリュSW1,SW2については、本実施形態に例示の金属材料に限られず、本発明に係るハウジング(被接続部材)に相当するハウジング1(第1ハウジング11)よりも線膨張係数の小さい材料であれば、いかなる材料も採用することができる。
さらに、本発明に係る二部材の接続構造について、熱膨張を伴う温度変化が発生する環境において使用されるものとして、本実施形態では、自動車の内燃機関の冷却回路において冷却水の流量を制御する流量制御弁を例示しているが、これに限定されるものではない。換言すれば、本発明に係る二部材の接続構造については、本実施形態に係る流量制御弁のほか、例えばウォータポンプなど、熱膨張を伴う温度変化が発生する環境において使用されるものであれば、いかなるものにも適用可能である。
以上説明した実施形態に基づく制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該制御弁は、その1つの態様において、自動車の機関の熱交換回路に設けられる制御弁であって、流体の導入又は排出に供する連通部を有する樹脂製のハウジングと、前記連通部に金属製の締結部材によって締結された金属製の接続パイプと、を備えている。
前記制御弁の好ましい態様において、前記締結部材は、セルフタッピングスクリュ又はセルフフォーミングスクリュである。
別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記ハウジングは、前記連通部の周辺に凸部を有し、前記接続パイプは、前記凸部に係止する凹部を備えている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、所定の角度に屈曲した屈曲部を備えている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記所定の角度は、90度である。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、前記屈曲部から真っ直ぐに延長され、ゴム配管が接続される配管接続部を備えている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、崩壊性中子を用いて形成されている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、前記屈曲部から突出し、かつ内部に雌ねじ部が形成された雌ねじ穴を有する突出部を備えている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、前記締結部材と当接するパイプ固定部と、前記パイプ固定部から前記突出部に向かって延びるリブと、を備えている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記屈曲部では、前記流体が通流する内周面が円弧状に形成されている。
さらに別の好ましい態様では、前記制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、アルミニウムによって形成されている。
また、前述した実施形態に基づく流量制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該流量制御弁は、その1つの態様において、自動車の機関の冷却回路に設けられる流量制御弁であって、内部に形成された弁体収容部と、前記弁体収容部内への冷媒の導入又は前記弁体収容部内の冷媒の排出に供する主連通部と、前記主連通部を介して前記弁体収容部内の冷媒の排出又は前記弁体収容部内への冷媒の導入に供する連通部と、前記連通部の周囲に設けられた被固定部と、前記被固定部に設けられた少なくとも1つの雌ねじ部と、を有するハウジングと、前記弁体収容部に収容され、回転されることにより前記主連通部と前記連通部との間を通流する冷媒の流量を制御する弁体と、前記ハウジングよりも線膨張係数の小さい材料で形成され、前記雌ねじ部にねじ込まれるスクリュと、前記連通部に接続され、前記スクリュによって前記被固定部に固定されるパイプ固定部を有し、前記ハウジングよりも線膨張係数の小さい材料で形成された接続パイプと、を備えている。
前記流量制御弁の好ましい態様において、前記雌ねじ部は、第1雌ねじ部と第2雌ねじ部とを有し、前記スクリュは、前記第1雌ねじ部にねじ込まれる第1スクリュと、前記第2雌ねじ部にねじ込まれる第2スクリュと、を有する。
別の好ましい態様では、前記流量制御弁の態様のいずれかにおいて、前記連通部の周辺に設けられた凸部を有し、前記凸部は、前記第1スクリュの回転軸の方向から見て、前記第1スクリュの回転軸を通り、かつ前記第1スクリュの回転軸と前記第2スクリュの回転軸を結ぶ第1仮想線と直交する第2仮想線と、前記第2スクリュの回転軸を通り、かつ前記第1仮想線と直交する第3仮想線と、の間に配置されている。
さらに別の好ましい態様では、前記流量制御弁の態様のいずれかにおいて、前記連通部は、前記第1仮想線に対してオフセットして設けられ、前記第2仮想線と前記第3仮想線との間に配置されている。
さらに別の好ましい態様では、前記流量制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、中間部に設けられた屈曲部を介してL字形状に屈曲形成され、前記屈曲部には、前記スクリュの回転軸の方向に沿って延び、かつ前記スクリュの回転軸の方向から見て前記接続パイプの一端開口部と重なり合う突出部が設けられ、前記接続パイプの他端開口部の中心軸線と、前記突出部の中心軸線とが直交する。
さらに別の好ましい態様では、前記流量制御弁の態様のいずれかにおいて、前記接続パイプは、前記弁体の回転軸の方向において、前記主連通部と反対側に指向する先端部を有する。
また、前述した実施形態に基づく二部材の接続構造としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該二部材の接続構造は、その1つの態様において、熱膨張を伴う温度変化が発生する環境において使用される二部材の接続構造であって、樹脂材料で形成された被接続部材と、前記被接続部材にねじ込まれ、金属材料で形成された締結部材と、前記締結部材を介して締結されることによって前記被接続部材に接続され、金属材料で形成された接続部材と、を備えている。

Claims (14)

  1. 自動車の機関の熱交換回路に設けられる制御弁であって、
    流体の導入又は排出に供する連通部を有する樹脂製のハウジングと、
    前記連通部に金属製の第1スクリュ及び第2スクリュによって締結された金属製の接続パイプと、
    を備え
    前記連通部の周辺に設けられた凸部を有し、
    前記凸部は、前記第1スクリュの回転軸の方向から見て、前記第1スクリュの回転軸を通り、かつ前記第1スクリュの回転軸と前記第2スクリュの回転軸を結ぶ第1仮想線と直交する第2仮想線と、前記第2スクリュの回転軸を通り、かつ前記第1仮想線と直交する第3仮想線と、の間に配置されていることを特徴とする制御弁。
  2. 請求項1に記載の制御弁において、
    前記第1スクリュ及び前記第2スクリュは、セルフタッピングスクリュ又はセルフフォーミングスクリュであることを特徴とする制御弁。
  3. 請求項2に記載の制御弁において
    記接続パイプは、前記凸部に係止する凹部を備えたことを特徴とする制御弁。
  4. 請求項1に記載の制御弁において、
    前記接続パイプは、所定の角度に屈曲した屈曲部を備えたことを特徴とする制御弁。
  5. 請求項4に記載の制御弁において、
    前記所定の角度は、90度であることを特徴とする制御弁。
  6. 請求項5に記載の制御弁において、
    前記接続パイプは、前記屈曲部から真っ直ぐに延長され、ゴム配管が接続される配管接続部を備えたことを特徴とする制御弁。
  7. 請求項4に記載の制御弁において、
    前記接続パイプは、前記屈曲部から突出し、かつ内部に雌ねじ部が形成された雌ねじ穴を有する突出部を備えたことを特徴とする制御弁。
  8. 請求項に記載の制御弁において、
    前記接続パイプは、前記第1スクリュ及び前記第2スクリュと当接するパイプ固定部と、前記パイプ固定部から前記突出部に向かって延びるリブと、を備えたことを特徴とする制御弁。
  9. 請求項4に記載の制御弁において、
    前記屈曲部では、前記流体が通流する内周面が円弧状に形成されていることを特徴とする制御弁。
  10. 請求項1に記載の制御弁において、
    前記接続パイプは、アルミニウムによって形成されたことを特徴とする制御弁。
  11. 自動車の機関の冷却回路に設けられる流量制御弁であって、
    内部に形成された弁体収容部と、前記弁体収容部内への冷媒の導入又は前記弁体収容部内の冷媒の排出に供する主連通部と、前記主連通部を介して前記弁体収容部内の冷媒の排出又は前記弁体収容部内への冷媒の導入に供する連通部と、前記連通部の周囲に設けられた被固定部と、前記被固定部に設けられた第1雌ねじ部及び第2雌ねじ部と、を有するハウジングと、
    前記弁体収容部に収容され、回転されることにより前記主連通部と前記連通部との間を通流する冷媒の流量を制御する弁体と、
    前記ハウジングよりも線膨張係数の小さい材料で形成され、前記第1雌ねじ部及び第2雌ねじ部にねじ込まれる第1スクリュ及び第2スクリュと、
    前記連通部に接続され、前記第1スクリュ及び前記第2スクリュによって前記被固定部に固定されるパイプ固定部を有し、前記ハウジングよりも線膨張係数の小さい材料で形成された接続パイプと、
    を備え
    前記連通部の周辺に設けられた凸部を有し、
    前記凸部は、前記第1スクリュの回転軸の方向から見て、前記第1スクリュの回転軸を通り、かつ前記第1スクリュの回転軸と前記第2スクリュの回転軸を結ぶ第1仮想線と直交する第2仮想線と、前記第2スクリュの回転軸を通り、かつ前記第1仮想線と直交する第3仮想線と、の間に配置されていることを特徴とする流量制御弁。
  12. 請求項11に記載の流量制御弁において、
    前記連通部は、前記第1仮想線に対してオフセットして設けられ、前記第2仮想線と前記第3仮想線との間に配置されていることを特徴とする流量制御弁。
  13. 請求項11に記載の流量制御弁において、
    前記接続パイプは、中間部に設けられた屈曲部を介してL字形状に屈曲形成され、
    前記屈曲部には、前記第1スクリュ及び前記第2スクリュの回転軸の方向に沿って延び、かつ前記第1スクリュ及び前記第2スクリュの回転軸の方向から見て前記接続パイプの一端開口部と重なり合う突出部が設けられ、
    前記接続パイプの他端開口部の中心軸線と、前記突出部の中心軸線とが直交することを特徴とする流量制御弁。
  14. 請求項13に記載の流量制御弁において、
    前記接続パイプは、前記弁体の回転軸の方向において、前記主連通部と反対側に指向する先端部を有することを特徴とする流量制御弁。
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