以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1乃至図8を用いて、第1の実施の形態によるエレベータかごのかご内用品組立構造について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエレベータかごを示す。図1に示すエレベータかご10では、縦枠11と、縦枠11の下端に取り付けられた下梁12と、縦枠11の上端に取り付けられた上梁13とからなるかご枠構造10aによって、かご室15が支持されている。かご室15は、かご室15の側壁を成す側板16と、かご床17と、天板18と、かごドアパネル19とを含む。側板16は、かご室15の内側を向く内面16xと、かご室15の外側を向く外面16yと、を含む。かご床17は、床枠構造17aによって支えられている。
なお、以下の説明においては、エレベータかご10のかごドアパネル19が開閉する方向を左右方向と、乗客がエレベータかご10内から出る方向(図1における左方向)を前方と、乗客がエレベータかご10内に入り込む方向(図1における右方向)を後方と、鉛直方向を上下方向と言う。
図2には、上述したエレベータかご10の内部から見た側板16の正面図が示されている。側板16には、かご内用品20を含むかご内用品組立構造30が組み立てられている。かご内用品20は、側板16の内側(内面16xの側)に配置されている。図2に示す例では、かご内用品20は、矩形の荷摺である。もちろん、かご内用品20としては、これに限られず、例えば、利用者がドアの開閉操作や行き先階登録を行うための操作盤や、エレベータかご10の運転状況を表示する表示装置、手摺、鏡等であってもよい。
図1および図2に示す例では、かご内用品組立構造30は、かご内用品20の他に、側板16の外側(外面16yの側)に配置された係止部材40および締結部材45を備えている。かご内用品20は、側板16に係止部材40を用いて係止され、締結部材45を用いて締結される。図示された例では、締結部材45がかご内用品20の意匠性を大きく損なうことのないよう、締結部材45は、かご内用品20の下端隅部の二箇所のみに配置されている。
係止部材40は、側板16に設けられた係止用開口16a(図3参照)に挿通されることで、かご内用品20を側板16に係止する。以下、係止部材40および係止用開口16aについて詳述する。
係止用開口16aは、いわゆるだるま穴であり、側板16に垂直な方向において係止部材40の後述する本体部40aが通過可能な大径穴16bと、側板16に垂直な方向において本体部40aが通過不能な小径穴16cと、を有する。小径穴16cは、本体部40aが大径穴16bから小径穴16cに移動できるように大径穴16bに連通している。図示された例では、小径穴16cは、下方から大径穴16bに連通する。
図4乃至図6に示すように、係止部材40は、かご内用品20から係止用開口16aを貫通して側板16の外側に延びる本体部40aを有する。図示された例では、本体部40aは、図5および図6に示すように、スタッドボルト40bやワッシャ40c,40d、ナット40eを用いて側板16に取り付けられている。具体的には、以下の方法により、取り付けられている。まず、かご内用品20の外面20y(側板16に対向する面)に、スタッドボルト40bの基端部を埋設固定する。次に、スタッドボルト40bの上記外面20yから延出する部分に、本体部40aを装着する。本体部40aは、その中央に設けられた貫通孔40ahにスタッドボルト40bを挿通させることにより装着される。さらに、スタッドボルト40bにワッシャ40c,40dを装着し、スタッドボルト40bの先端部に設けられた螺子部にナット40eを螺合させて、本体部40aをかご内用品20に対して固定する。このような係止部材40は、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、係止部材40によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
係止部材40は、図4および図5に示すように、その本体部40aの外周面40sが小径穴16cを画成する側板16の縁部に接触することで、側板16に係止される。本体部40aは、小径穴16cを画成する上記縁部に、大径穴16bから小径穴16cに向かう方向に接触する。また、本体部40aは、小径穴16cを画成する上記縁部に、側板16の外側から接触する。
本体部40aの外周面40sは、かご内用品20から側板16に向かう方向に径が拡大した円錐状をなしている。本体部40aの外周面40sがこのような形状を有することにより、さまざまな厚みの側板16にかご内用品20を、ガタツキを生じさせることなく係止することができる。すなわち、外周面40sにおける側板16の上記縁部の接触位置を側板16の厚みに応じて変更することができ、かご内用品20と側板16との間に隙間が生じることを抑制することができる。
締結部材45は、側板16に設けられた締結用開口16f(図3参照)に挿通され、側板16の外側に配置された固定部材47に締結されることで、かご内用品20を側板16に固定する。以下、締結部材45および締結用開口16fについて詳述する。
図3に示すように、締結用開口16fは長孔である。係止用開口16aの大径穴16bおよび小径穴16cが並ぶ方向(図示された例では、上下方向)に沿って延びている。
図7および図8から理解されるように、締結部材45は、かご内用品20から締結用開口16fを貫通して側板16の外側に延びている。図示された例では、締結部材45はスタッドボルト45aを含む。スタッドボルト45aの基端部は、かご内用品20の外面20yに埋設固定されている。また、固定部材47はナットである。そして、固定部材47が側板16の外側でスタッドボルト45aの先端部に設けられた螺子部に螺合されていることで、かご内用品20は側板16に固定されている。なお、図示された例では、ワッシャ48a,48bが、側板16の外面16yと固定部材47との間において、スタッドボルト45aに装着されている。このような締結部材45および固定部材47は、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、締結部材45および固定部材47によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
なお、かご内用品組立構造30は、締結部材45や固定部材47、ワッシャ48a,48bを含んでいなくてもよい。この場合、側板16には締結用開口16fが形成されていなくてもよい。
次に、図8を参照して、第1の実施の形態のかご内用品組立構造30の組立方法について説明する。
まず、図8(a)に示すように、かご内用品20の外面20yに係止部材40および締結部材45を固定する。また、側板16に係止用開口16aおよび締結用開口16fを形成する。そして、図8(b)に示すように、側板16の内側から、係止部材40および締結部材45を、それぞれ、係止用開口16aおよび締結用開口16fに挿通する。このとき、係止用開口16aを大径穴16bに挿通する。これにより、締結部材45は締結用開口16fの上端部内に挿通される。次に、図8(c)に示すように、かご内用品20を側板16に対して移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。このとき、締結部材45は、締結用開口16f内を移動して、締結用開口16fの下端部内に配置される。次に、本体部40aの外周面40sを、小径穴16cを画成する側板16の縁部に接触させて、係止部材40を側板16に係止する。これにより、側板16に対してかご内用品組立構造30が組み立てられる。図示された例では、さらに、側板16の外側から、締結部材45にワッシャ48a,48bを装着し固定部材47を螺合させて、かご内用品20を側板16に対して固定する。これにより、かご内用品20が側板16に対して移動して側板16から外れる、という虞が低減される。
なお、かご内用品20を側板16から取り外す場合は、上述した組立方法と逆の手順を踏めばよい。
以上の説明から理解されるように、図1~図8に示すかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して係止する(組み立てる)ことができる。そして、かご内用品20が側板16に係止された状態で、締結部材45を固定部材47に締結する作業を行うことができる。これにより、エレベータかご10の内側でかご内用品20を支持する作業者を要することなく、エレベータかご10の外側で締結部材45を固定部材47に締結する作業を行うことができる。この結果、エレベータかご10の外側で締結部材45を固定部材47に締結する作業者は、作業中に、エレベータかご10の内側の作業者と安全確認(合図復唱等)を行う必要がなくなる。そして、安全確認の際の聞き間違いや聞き漏れ、聞き忘れに起因する事故の発生の虞を排除することができ、作業の安全性を向上させることができる。また、エレベータかご10の内側の作業者と外側の作業者とでかご内用品20を側板16に係止する作業と締結部材45を固定部材47に締結する作業とを分担して行う場合も、上記安全確認を行う回数を減らすことができ、作業者双方の作業の安全性を向上させることができる。
このように、第1の実施形態によれば、エレベータかご10の側板16に対して組み立てられたかご内用品組立構造30は、側板16の内側に配置されたかご内用品20と、側板16に設けられた係止用開口16aにかご内用品20を係止する係止部材40と、を備えている。係止部材40は、かご内用品20から係止用開口16aを貫通して側板16の外側に延びる本体部40aを有している。本体部40aは、かご内用品20から側板16に向かう方向に径が拡大した円錐状の外周面40sを含んでいる。係止用開口16aは、側板16に垂直な方向において本体部40aが通過可能な大径穴16bと、側板16に垂直な方向において本体部40aが通過不能な小径穴16cであって、本体部40aが大径穴16bから小径穴16cに移動できるように大径穴16bに連通した小径穴16cと、を有している。
このようなかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立てることができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。また、本体部40aの外周面40sが円錐状であることにより、さまざまな厚みの側板16に、かご内用品20を、ガタツキを生じさせることなく係止することができる。
また、第1の実施形態によれば、側板16には、締結用開口16fが設けられている。かご内用品組立構造30は、締結用開口16fを貫通する締結部材45と、側板16の外側に配置されて締結部材45が締結される固定部材47と、を更に備えている。これにより、かご内用品20が側板16に対して移動して側板16から外れる、という虞が低減される。
(第2の実施の形態)
図9乃至図11を参照して、第2の実施の形態によるかご内用品組立構造について説明する。
図9乃至図11に示す第2の実施の形態においては、かご内用品20に締結部材45が取り付けられておらず、張出部50が設けられている点で異なる。また、側板16には締結用開口16fが形成されておらず、挿入口16pおよびアクセス開口16qが形成されている点で異なる。さらに、側板16に張出部50を受ける受け部16kが設けられている点で異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図9乃至図11に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9および図11(b)に示すように、かご内用品20の外面20yには係止部材40が配置されている。また、かご内用品20には、その外面20yから張り出す張出部50が設けられている。図示された例では、張出部50は、板状材を折り曲げて作製されている。張出部50は、かご内用品20の外面20yに固定された第1部分51と、第1部分51から外面20yと交差する方向に延び出す第2部分52と、第2部分52から下方に延び出す第3部分53と、を有する。第3部分53には締結用開口53aが形成されている(図11(a)参照)。
図10及び図11(b)に示すように、側板16には、係止用開口16aが形成されている。また、側板16には、張出部50が貫通する挿入口16pが形成されている。張出部50は、挿入口16pを通過して側板16の外側に張り出している。
図11(b)に示すように、受け部16kは、側板16の下方に位置する巾木16jから外側に突出している。受け部16kは、巾木16jの上端から外側に延び出す第1部分16mと、第1部分16mから下方に延び出して巾木16jと対面する第2部分16nと、を有する。受け部16kの第2部分16nは、張出部50の第3部分53に対面して延びている。受け部16kの第2部分16nには締結用開口16rが形成されている。受け部16kの締結用開口16rは、張出部50の締結用開口53aと対面する位置に形成されている。締結用開口16rおよび締結用開口53aには、締結部材55が挿通されている。締結部材55は、第3部分53の外面(かご内用品20に対向する面とは反対側の面)に配置された固定部材54に締結されている。図示された例では、締結部材55は螺子であり、固定部材54はナットである。締結部材55は、固定部材54に螺合して張出部50を受け部16kに締結させている。
また、側板16には(図示された例では、巾木16jには)、平面視においてかご内用品と重ならない位置に、締結部材55にアクセス可能なアクセス開口16qが形成されている。
このようなかご内用品組立構造30においては、挿入口16pや張出部50、受け部16k、固定部材54、締結部材55が、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、挿入口16pや張出部50、受け部16k、固定部材54、締結部材55によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。さらに、アクセス開口16qを、巾木16j等、エレベータかご10内の乗員に視認されにくい位置に形成すれば、アクセス開口16qによってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
次に、図11を参照して、第2の実施の形態のかご内用品組立構造30の組立方法について説明する。
まず、図11(a)に示すように、かご内用品20の外面20yに係止部材40および張出部50を固定する。張出部50の第3部分53の外面に固定部材54を固定する。また、側板16に係止用開口16a、挿入口16pおよびアクセス開口16qを形成する。そして、かご内用品20を側板16に対して傾け、側板16の内側から張出部50を挿入口16pに挿入する。次に、図11(b)に示すように、張出部50を挿入口16pに挿入したまま、かご内用品20を起こして側板16に対して平行にして、係止部材40を係止用開口16aの大径穴16bに挿入する。次に、かご内用品20を側板16に対して移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。そして、本体部40aの外周面40sを、側板16の小径穴16cを画成する縁部に接触させて、係止部材40を側板16に係止する。これにより、側板16に対してかご内用品組立構造30が組み立てられる。かご内用品20を側板16に対して移動させる際、張出部50は受け部16kに対して移動し、受け部16kの締結用開口16rと張出部50の締結用開口53aとが対面する。その後、アクセス開口16qを通じて締結部材55を締結用開口16r,53aに挿入する。そして、締結部材55を固定部材54に螺合させて、張出部50を受け部16kに締結する。これにより、かご内用品20が側板16に対して固定される。
なお、かご内用品20を側板16から取り外す場合は、上述した組立方法と逆の手順を踏めばよい。
以上の説明から理解されるように、図9~図11に示すかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して係止する(組み立てる)ことができ、また、固定することができる。
このように第2の実施の形態によれば、側板16には挿入口16pが設けられている。また、かご内用品組立構造30は、かご内用品20に設けられ、挿入口16pを貫通して側板16の外側に張り出す張出部50と、側板16の下方に位置する巾木16jから側板16の外側に突出し、張出部50を受ける受け部16kと、張出部50を受け部16kに締結する締結部材55と、を更に備えている。側板16には、平面視においてかご内用品20と重ならない位置に、締結部材55にアクセス可能なアクセス開口16qが形成されている。
このようなかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立て、また固定することができる。また、挿入口16pや張出部50、受け部16k、締結部材55は、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、挿入口16pや張出部50、受け部16k、締結部材55によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が少ない。このため、アクセス開口16qをエレベータかご10内の乗員に視認されにくい位置に形成すれば、かご内用品20を、その意匠性を大きく損なうことなく側板16に取り付けることができる。
(第3の実施の形態)
図12乃至図14を参照して、第3の実施の形態によるかご内用品組立構造について説明する。
図12乃至図14に示す第3の実施の形態においては、かご内用品20に締結部材45が取り付けられておらず、嵌合突出部56が設けられている点で異なる。また、側板16には締結用開口16fが形成されておらず、嵌合開口16sが形成されている点で異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図12乃至図14に示す第3の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、かご内用品20の外面20yには係止部材40が配置されている。また、かご内用品20には、その外面20yから突出する嵌合突出部56が設けられている。図示された例では、嵌合突出部56は、略水平方向に広がる天面を有する。
図13および図14(b)に示すように、側板16には、係止用開口16aが形成されている。また、側板16には、嵌合突出部56が嵌合する嵌合開口16sが形成されている。嵌合突出部56は、嵌合開口16sを通過して側板16の外側に突出している。
上述したように、係止部材40は、係止用開口16aの小径穴16cを画成する側板16の縁部に、大径穴16bから小径穴16cに向かう方向に接触する。これにより、係止部材40は、係止用開口16a内で、大径穴16bから小径穴16cに向かう方向(側板16が広がる面に平行な第1方向)へ移動することが防止されている。一方、嵌合突出部56は、嵌合開口16sを画成する側板16の縁部に当接して、嵌合開口16s内で第1方向とは反対の第2方向へ移動することが防止されている。この結果、かご内用品20が側板16に対して第1方向に移動して嵌合突出部56が嵌合開口16sから抜け出ることも、かご内用品20が側板16に対して第2方向に移動して係止部材40が係止用開口16aから抜け出ることも防止されている。このようにして、かご内用品20は側板16に対して固定されている。
このようなかご内用品組立構造30においては、嵌合突出部56や嵌合開口16sが、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、嵌合突出部56や嵌合開口16sによってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
次に、図14を参照して、第3の実施の形態のかご内用品組立構造30の組立方法について説明する。
まず、図14(a)に示すように、かご内用品20の外面20yに係止部材40および嵌合突出部56を固定する。また、側板16に係止用開口16aおよび嵌合開口16sを形成する。そして、側板16の内側から係止部材40を係止用開口16aの大径穴16bに挿入する。このとき、嵌合突出部56を側板16に押し当てて側板16を湾曲させながら、係止部材40を大径穴16bに挿入する。次に、図14(b)に示すように、かご内用品20を側板16に対して第1方向に(図示された例では、下方に)移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。次に、本体部40aの外周面40sを、小径穴16cを画成する側板16の縁部に接触させて、係止部材40を側板16に係止する。これにより、側板16に対してかご内用品組立構造30が組み立てられる。なお、かご内用品20を側板16に対して第1方向に移動させることで、嵌合突出部56が嵌合開口16sに対面し、係止部材40が側板16に係止されると同時に、嵌合突出部56は嵌合開口16sに嵌合する。これにより、かご内用品20は側板16に対して固定される。
以上の説明から理解されるように、図12~図14に示すかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して係止する(組み立てる)ことができ、また、固定することができる。
このように、第3の実施の形態によれば、側板16には、嵌合開口16sが設けられている。また、かご内用品組立構造30は、かご内用品20に設けられ、嵌合開口16sに嵌合する嵌合突出部56を更に備えている。係止部材40は、係止用開口16a内で、側板16が広がる面に平行な第1方向への動きを規制される。また、嵌合突出部56は、嵌合開口16s内で上記第1方向とは反対の第2方向への動きを規制されている。
このようなかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立てることができ、また固定することができる。また、嵌合開口16sや嵌合突出部56は、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、嵌合開口16sや嵌合突出部56によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が少ない。
(第4の実施の形態)
図15を参照して、第4の実施の形態によるかご内用品組立構造について説明する。
図15に示す第4の実施の形態においては、かご内用品20に締結部材45が取り付けられていない点で異なる。また、側板16の外面16yに突起60が設けられている点で異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図15に示す第4の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図15に示すように、側板16の外面16yには一対の突起60,60が設けられている。突起60,60は、大径穴16bから小径穴16cに向かう方向(図示された例では、上下方向)における係止用開口16aの両側に位置している。一対の突起60,60の間の距離(突起60,60の対面する面の最小距離)は、係止部材40の外周面40sの基端部は突起60,60の間を通過可能であるが、係止部材40の外周面40sの先端部は突起60,60の間を通過不能である、というように規定されている。一対の突起60,60は、係止部材40の外周面40sの先端部に当接して、係止部材40が係止用開口16a内を小径穴16cから大径穴16bに向かう方向に移動することを規制する。これにより、かご内用品20の側板16に対する移動が規制されている。
このようなかご内用品組立構造30においては、突起60,60が、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、突起60,60によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
次に、第4の実施の形態によるかご内用品組立構造30の組立方法について説明する。
まず、かご内用品20の側板16の外面20yに係止部材40を固定する。また、側板16に係止用開口16aを形成する。また、側板16の外面16yに一対の突起60,60を設ける。そして、側板16の内側から係止部材40を係止用開口16aの大径穴16bに挿入する。次に、かご内用品20を側板16に対して移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。このとき、係止部材40の外周面40sの基端部が一対の突起60,60の間を通過するように、かご内用品20を側板16に密着させて移動させる。次に、本体部40aの外周面40sの基端部よりも先端側の領域を、小径穴16cを画成する側板16の縁部に接触させて、係止部材40を側板16に係止する。これにより、側板16に対してかご内用品組立構造30が組み立てられる。同時に、本体部40aの外周面40sが一対の突起60,60に接触して、かご内用品20は側板16に対して固定される。
なお、かご内用品20を側板16から取り外す場合は、上述した組立方法と逆の手順を踏めばよい。
以上の説明から理解されるように、図15に示すかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して係止する(組み立てる)ことができ、また、固定することができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。
このように第4の実施の形態によれば、かご内用品組立構造30は、側板16の外面16yに設けられた一対の突起60,60を更に備えている。突起60,60は、係止用開口16aの両側に位置している。一対の突起60,60の間の距離は、係止部材40の外周面40sの基端部は一対の突起60,60の間を通過可能であるが、係止部材40の外周面40sの先端部は一対の突起60,60の間を通過不能である、というように規定されている。
このようなかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立て、また固定することができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。また、突起60,60は、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、突起60,60によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が少ない。
(第5の実施の形態)
図16乃至図18を参照して、第5の実施の形態によるかご内用品組立構造について説明する。
図16乃至図18に示す第5の実施の形態においては、かご内用品組立構造30が締結部材45を含まない点で異なる。また、側板16に設けられた係止用開口16aが互いに形の異なる上側係止用開口60aと下側係止用開口61aを含む点で異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図16乃至図18に示す第5の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図17に示すように、側板16には、複数の係止用開口16aが設けられている。複数の係止用開口16aは、上側係止用開口60aと、上側係止用開口60aの下方に配置された下側係止用開口61aとを含む。上側係止用開口60aの小径穴60cは、上側係止用開口60aの大径穴60bの上方に配置されている。また、下側係止用開口61aの小径穴61cは、下側係止用開口61aの大径穴61bの下方に配置されている。そして、上側係止用開口60aの小径穴60cの上下方向における長さは、下側係止用開口61aの小径穴61cの上下方向における長さよりも長い。
図16に示すように、かご内用品20には、複数の係止部材40が設けられている。複数の係止部材40は、上側係止部材41と、上側係止部材41の下方に配置された下側係止部材42とを含む。上側係止部材41は上側係止用開口60aを貫通し、上側係止用開口60aの小径穴60cを画成する側板16の縁部に、側板16の外側から接触している。下側係止部材42は下側係止用開口61aを貫通し、下側係止用開口61aの小径穴61cを画成する側板16の縁部に、上方から接触し、且つ、側板16の外側から接触している。下側係止部材42が小径穴61cを画成する側板16の縁部に上方から接触していることにより、側板16に対するかご内用品20の下方への移動が規制される。そして、意図せず上側係止部材41が上側係止用開口60aの大径穴60b内へ移動して上側係止用開口60aから抜け出て、かご内用品20が側板16から外れる、ということが防止されている。このようなかご内用品組立構造30は、係止用開口60a,61aおよび係止部材41,42が、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、係止用開口60a,61aおよび係止部材41,42によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
図16及び図18に示すように、側板16の外面16yには、上側かみ合い防止部材62が設けられている。上側かみ合い防止部材62は、上側係止部材41と上側係止用開口60aの大径穴60bの下端縁を画成する側板16の縁部とがかみ合うことを防止するよう、当該縁部の近傍から突出する上側突出部62aを有する。上側係止部材41が上記縁部にその上方から接近すると、上側係止部材41は、当該縁部とかみ合う前に上側突出部62aに接触する。これにより、上側係止部材41と側板16の上記縁部とがかみ合うことが防止される。
また、図16及び図18に示すように、側板16の外面16yには、下側かみ合い防止部材63が設けられている。下側かみ合い防止部材63は、下側係止部材42と下側係止用開口61aの大径穴61bの上端縁を画成する側板16の縁部とがかみ合うことを防止するよう、当該縁部の近傍から突出する下側突出部63aを有する。下側係止部材42が上記縁部にその下方から接近すると、下側係止部材42は、当該縁部とかみ合う前に下側突出部63aに接触する。これにより、下側係止部材42と側板16の上記縁部とがかみ合うことが防止される。
次に、図18を参照して、第5の実施の形態によるかご内用品組立構造30の組立方法について説明する。
まず、図18(a)に示すように、かご内用品20の外面20yに上側係止部材41および下側係止部材42を固定する。また、側板16に上側係止用開口60aおよび下側係止用開口61aを形成する。そして、側板16の内側から上側係止部材41を上側係止用開口60aの大径穴60bに挿入する。次に、図18(b)に示すように、かご内用品20を側板16に対して上方に移動させ、上側係止部材41を上側係止用開口60aの小径穴60c内に配置する。これにより、上側係止部材41が上側係止用開口60aから抜け出ることが防止される。次に、下側係止部材42を、下側係止用開口61aの大径穴61bに挿入する。その後、図18(c)に示すように、かご内用品20を側板16に対して下方に移動させ、下側係止部材42を下側係止用開口61aの小径穴61c内に配置する。最後に、下側係止部材42を、小径穴61cを画成する側板16の縁部に接触させて、下側係止部材42を側板16に係止する。このとき、上側係止部材41は、上側係止用開口60aの小径穴60c内に配置されており、上側係止部材41が上側係止用開口60aから抜け出ることのないようになっている。
なお、かご内用品20を側板16から取り外す場合は、上述した組立方法と逆の手順を踏めばよい。ここで、かご内用品20を側板16に対して図18(c)に示す位置から図18(b)に示す位置に移動させる際は、下側係止部材42が下側かみ合い防止部材63の下側突出部63aに下方から接触して、下側係止部材42と下側係止用開口61aの大径穴61bの上端縁を画成する側板16の縁部とがかみ合うことが防止される。これにより、下側係止部材42を、下側係止用開口61aの大径穴61bから容易に引き抜くことができる。また、かご内用品20を側板16に対して図18(b)に示す位置から図18(a)に示す位置に移動させる際は、上側係止部材41が上側かみ合い防止部材62の上側突出部62aに上方から接触して、上側係止部材41と上側係止用開口60aの大径穴60bの下端縁を画成する側板16の縁部とがかみ合うことが防止される。これにより、上側係止部材41を、上側係止用開口60aの大径穴60bから容易に引き抜くことができる。
以上の説明から理解されるように、図16乃至図18に示すかご内用品組立構造30は、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組立、また固定することができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。
このように、第5の実施の形態によれば、側板16に複数の係止用開口16aが設けられている。複数の係止用開口16aは、上側係止用開口60aと、上側係止用開口60aの下方に配置された下側係止用開口61aと、を含んでいる。上側係止用開口60aの小径穴60cは、上側係止用開口60aの大径穴60bよりも上方に配置されている。下側係止用開口61aの小径穴61cは、下側係止用開口61aの大径穴61bよりも下方に配置されている。上側係止用開口60aの小径穴60cの上下方向における長さは、下側係止用開口61aの小径穴61cの上下方向における長さよりも長い。
このようなかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立て、また固定することができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。
(第6の実施の形態)
図19および図20を参照して、第6の実施の形態によるかご内用品組立構造について説明する。
図19および図20に示す第6の実施の形態においては、かご内用品20に締結部材45が取り付けられていない点で異なる。また、側板16の外面16yに、係止部材40の移動を規制する移動規制部65が設けられている点で異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図19および図20に示す第6の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図19に示すように、側板16の外面16yには移動規制部65が設けられている。移動規制部65は、規制本体部67と規制本体部67から延び出す規制端部68とを有する。規制端部68が係止用開口16aの小径穴16c内に配置された係止部材40に当接することにより、係止部材40の小径穴16cから大径穴16bへ向かう方向への移動が規制されている。
以下、移動規制部65について、さらに詳細に説明する。
移動規制部65は、側板16に回転可能に取り付けられた回転軸66と、その中央部が回転軸66に固定された規制本体部67と、規制本体部67から延び出す規制端部68とを有する。
規制本体部67は、側板16に平行な平面内を回転軸66と共に回転可能である。具体的には、規制本体部67は、側板16の平面視において、その一方の端部が係止用開口16aの小径穴16cと重なり合う非規制位置と、その一方の端部が小径穴16cと重なり合わない規制位置との間を回転可能である。なお、規制本体部67は、側板16に係止部材40が係止されている状態で規制位置にある。また、規制本体部67は、非規制位置にあるとき、その一方の端部が側板16の外面16yに設けられた突起70に接触している。突起70により、規制本体部67が規制位置から非規制位置へ向かう方向へ、非規制位置を超えて回転することが防止されている。
規制端部68は、規制本体部67の他方の端部から延び出している。規制端部68は、規制本体部67が規制位置にあるとき、側板16の平面視において係止用開口16aと重なる。そして、規制端部68は、係止部材40が側板16に係止した状態で、係止用開口16aの大径穴16bから小径穴16cに向かう方向に係止部材40に当接する。これにより、係止部材40の小径穴16cから大径穴16bへ向かう方向への移動が規制される。図示された例では、規制端部68には規制端部68から側板16に向かう方向に突出する突起69が形成されている。突起69により、規制端部68は、より確実に係止部材40に当接することができる。
このようなかご内用品組立構造30は、移動規制部65が、エレベータかご10の内側から視認されない。したがって、移動規制部65によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が低減される。
次に、図19および図20を参照して、第6の実施の形態によるかご内用品組立構造30の組立方法について説明する。
まず、かご内用品20の外面20yに係止部材40を固定する。また、側板16に係止用開口16aを形成する。また、側板16の外面16yに移動規制部65および突起70を設ける。そして、図20に示すように、側板16の内側から係止部材40を係止用開口16aの大径穴16bに挿入する。このとき、規制本体部67は非規制位置にあり、側板16の平面視において、一方の端部が係止用開口16aの小径穴16cと重なり合っている。次に、図19に示すように、かご内用品20を側板16に対して移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置し、側板16に係止する。このとき、係止部材40が規制本体部67の一方の端部に接触して、規制本体部67を規制位置に回転させる。これにより、規制端部68が係止部材40に当接し、係止部材40の小径穴16cから大径穴16bへの移動が規制される。このようにして、かご内用品20は側板16に対して固定される。
以上の説明から理解されるように、図19および図20に示すかご内用品組立構造30は、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立て、また固定することができる。
このように、第6の実施の形態によれば、かご内用品組立構造30は、側板16の外側に設けられ、係止部材40の小径穴16cから大径穴16bへの移動を規制する移動規制部65を更に備えている。移動規制部65は、側板16の平面視において、一方の端部が小径穴16cと重なり合う非規制位置から上記一方の端部が小径穴16cと重なり合わない規制位置へ、側板16に平行な平面内を回転可能に設けられた規制本体部67と、規制本体部67の他方の端部から延び出して、規制本体部67が規制位置にあるとき、側板16の平面視において係止用開口16aと重なる規制端部68と、を有している。規制本体部67は、係止部材40の大径穴16bから小径穴16cへの移動に伴って非規制位置から規制位置へ回転可能である。そして、規制端部68は、規制本体部67が規制位置にあるとき、係止部材40に当接して係止部材40の小径穴16cから大径穴16bへの移動を規制する。
このようなかご内用品組立構造30によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立て、また固定することができる。また、移動規制部65はエレベータかご10の内側から視認されない。したがって、移動規制部65によってかご内用品20の意匠性が損なわれる、という虞が少ない。
(第7の実施の形態)
図21乃至図23Dを参照して、第7の実施の形態によるかご内用品組立構造およびエレベータかごについて説明する。
図21乃至図23Dに示す第7の実施の形態においては、かご内用品20に締結部材45が取り付けられていない点で異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図21乃至図23Dに示す第7の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図21に示すエレベータかご10の複数の側板16は、第1~第5の側板161~165を含んでいる。第1の側板161と第3の側板163とが対向して配置され、第2の側板162と第4の側板164および第5の側板165とが対向して配置されている。第2の側板162および第4の側板164は、第1の側板161と交差する面内を広がって第1の側板161に接続している。また、第3の側板163は、第2の側板162と交差する面内を広がって第2の側板162に接続している。また、第5の側板165は、第3の側板163と交差する面内を広がって第3の側板163に接続している。
図21に示す例では、複数の側板16に対してかご内用品組立構造30が組み立てられている。具体的には、第1の側板161に対して、第1のかご内用品201を含む第1のかご内用品組立構造301が組み立てられている。また、第2の側板162に対して、第2のかご内用品202を含む第2のかご内用品組立構造302が組み立てられている。また、第3の側板163に対して、第3のかご内用品203を含む第3のかご内用品組立構造303が組み立てられている。
図21に示すように、第4の側板164および第2の側板162は、それぞれ、第1のかご内用品201に、エレベータかご10の前後方向における一方の側および他方の側から接している。また、第3の側板163は、第2のかご内用品202に、エレベータかご10の左右方向における一方の側から接している。また、第5の側板165は、第3のかご内用品203に、エレベータかご10の前後方向における一方の側から接続している。
図22に示すように、かご内用品組立構造30が組み立てられる側板16には、係止用開口16aが設けられている。第1の側板161の係止用開口16aの小径穴16cは、大径穴16bに、エレベータかご10の前後方向における他方の側から接続する。そして、エレベータかご10の前後方向において、第1のかご内用品201の第1の側板161に対する一方の側への移動が、第4の側板164によって規制されている。これにより、第1のかご内用品201の係止部材40が第1の側板161の係止用開口16aの小径穴16cから大径穴16bに移動して第1のかご内用品201が第1の側板161から外れる、ということが防止されている。
また、第2の側板162の係止用開口16aの小径穴16cは、大径穴16bに、エレベータかご10の左右方向における他方の側から接続する。そして、エレベータかご10の左右方向において、第2のかご内用品202の第2の側板162に対する一方の側への移動が、第3の側板163によって規制されている。これにより、第2のかご内用品202の係止部材40が第2の側板162の係止用開口16aの小径穴16cから大径穴16bに移動して第2のかご内用品202が第2の側板162から外れる、ということが防止されている。
また、第3の側板163の係止用開口16aの小径穴16cは、大径穴16bに、エレベータかご10の前後方向における他方の側から接続する。そして、エレベータかご10の前後方向において、第3のかご内用品203の第3の側板163に対する一方の側への移動が、第5の側板165によって規制されている。これにより、第3のかご内用品203の係止部材40が第3の側板163の係止用開口16aの小径穴16cから大径穴16bに移動して第3のかご内用品203が第3の側板163から外れる、ということが防止されている。
次に、図23Aおよび図23Dを参照して、第7の実施の形態のエレベータかご10のかご室15およびかご内用品組立構造301,302,303の組立方法について説明する。
まず、第1~第3かご内用品201~203の外面20yに係止部材40を固定する。また、第1~第3の側板161~163に係止用開口16aを形成する。そして、図23Aに示すように、第1の側板161と第2の側板162とを接続する。そして、第1の側板161の内側から、第1のかご内用品201の係止部材40を、第1の側板161の係止用開口16aの大径穴16bに挿通する。次に、第1のかご内用品201を第1の側板161に対して、エレベータかご10の前後方向における一方の側(第2の側板162の側)に移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。次に、本体部40aの外周面40sを、第1の側板161の小径穴16cを画成する縁部に接触させて、係止部材40を第1の側板161に係止する。これにより、第1の側板161に対して第1のかご内用品組立構造301が組み立てられる(図23B参照)。
次に、図23Bに示すように、第2の側板162の内側から、第2のかご内用品202の係止部材40を、第2の側板162の係止用開口16aの大径穴16bに挿通する。次に、第2のかご内用品202を第2の側板162に対して、エレベータかご10の左右方向における一方の側(第1の側板161の側)に移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。次に、本体部40aの外周面40sを、第2の側板162の小径穴16cを画成する縁部に接触させて、係止部材40を第2の側板162に係止する。これにより、第2の側板162に対して第2のかご内用品組立構造302が組み立てられる(図23C参照)。
次に、図23Cに示すように、第2の側板162に第3の側板163を接続する。これにより、エレベータかご10の左右方向における一方の側から第3の側板163が第2のかご内用品202に接触し、第2のかご内用品202の第2の側板162に対する移動が規制される。この結果、第2のかご内用品202は第2の側板162に対して固定される。
第2の側板162に第3の側板163を接続した後、第3の側板163の内側から、第3のかご内用品203の係止部材40を、第3の側板163の係止用開口16aの大径穴16bに挿通する。次に、第3のかご内用品203を第3の側板163に対して、エレベータかご10の前後方向における一方の側(第2の側板162の側)に移動させ、係止部材40を小径穴16c内に配置する。次に、本体部40aの外周面40sを、第3の側板163の小径穴16cを画成する縁部に接触させて、係止部材40を第3の側板163に係止する。これにより、第3の側板163に対して第3のかご内用品組立構造303が組み立てられる(図23D参照)。
次に、図23Dに示すように、第1の側板161に第4の側板164を接続する。これにより、エレベータかご10の前後方向における一方の側から第4の側板164が第1のかご内用品201に接触し、第1のかご内用品201の第1の側板161に対する移動が規制される。この結果、第1のかご内用品201は第1の側板161に対して固定される。
また、図23Dに示すように、第3の側板163に第5の側板165を接続する。これにより、エレベータかご10の前後方向における一方の側から第5の側板165が第3のかご内用品203に接触し、第3のかご内用品203の第3の側板163に対する移動が規制される。この結果、第3のかご内用品203は第3の側板163に対して固定される。
最後に、かごドアパネル19を設置する(図21参照)。また、任意の時点において、かご床17と天板18を設置する。以上により、エレベータかご10のかご室15が完成する。
なお、各かご内用品20を各側板16から取り外す場合は、上述した組立方法と逆の手順を踏めばよい。
以上の説明から理解されるように、図21乃至図23Dに示すかご内用品組立構造30は、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立てることができ、また固定することができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。
このように第7の実施形態によれば、エレベータかご10は、係止用開口16aが設けられた一の側板161;162;163と、一の側板161;162;163の内側に配置されたかご内用品201;202;203と、かご内用品201;202;203を係止用開口16aに係止する係止部材40と、一の側板161;162;163と交差する面内を広がりかご内用品201;202;203に一方の側から接する他の側板164;163;165と、を備えている。係止部材40は、かご内用品201;202;203から係止用開口16aを貫通して一の側板161;162;163の外側に延びる本体部40aを有している。本体部40aは、かご内用品201;202;203から一の側板161;162;163に向かう方向に径が拡大した円錐状の外周面40sを含んでいる。係止用開口16aは、一の側板161;162;163に垂直な方向において本体部40aが通過可能な大径穴16bと、一の側板161;162;163に垂直な方向において本体部40aが通過不能な小径穴16cであって、本体部40aが大径穴16bから小径穴16cに通過できるように上記一方の側とは反対の他方の側から大径穴16bに連通した小径穴16cと、を有している。そして、本体部40aは小径穴16cに配置され、かご内用品201;202;203の一の側板161;162;163に対する上記一方の側への移動が、他の側板164;163;165によって規制されている。
このようなエレベータかご10によれば、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、かご内用品20を側板16に対して組み立て、また固定することができる。また、エレベータかご10の外側からの作業を伴うことなく、側板16に係止されたかご内用品20を側板16から取り外すことができる。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。