JPH05330767A - エレベータのかご室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 かご室内側から簡単にかご操作盤及び袖壁の
取替えを行なう。 【構成】 袖壁６ａ及び袖壁６ｂにかご操作盤取付用の
穴を全高に至って設け、このかご操作盤取付用の穴の所
定位置にかご操作盤８ａ及びかご操作盤８ｂを取付け、
前記各袖壁のかご操作盤取付用の穴の上部と下部に形成
される各かご操作盤との隙間をかご室内側より着脱可能
な上部側塞ぎ板１２ａ、下部側塞ぎ板１３ａ、上部側塞
ぎ板１２ｂ及び下部側塞ぎ板１３ｂによって閉塞した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータのかご室に関
するもので、特に、かご室の袖壁に取付けられるかご操
作盤の取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のエレベータのかご室とし
て図８乃至図１０に示したものを挙げることができる。
図８は従来のエレベータのかご室の袖壁部を示す正面
図、図９は図８の袖壁の背面図、図１０は図８のＤ−Ｄ
切断線による断面図である。

【０００３】図において、１はかご室の床、２は床１の
周縁部に配設された巾木、３は巾木の上部に立設された
側面壁、４は天井、５は出入口柱、６は出入口柱５に隣
接して巾木２上に立設された袖壁、７はかごドアであ
る。８は袖壁６の操作し易い位置に形成された取付穴６
ｄ内に埋設されたかご操作盤、９はかご操作盤８のケー
スで、取付ボルト１６を介して袖壁６のかご室外側に折
曲されたフランジに取付けられている。１０は袖壁６を
側面壁３、天井４に固定するための取付ボルト、１１は
かごドア７の開閉を行なうためのかごドア装置である。
上記かご操作盤８は、袖壁６の取付穴６ｄにケース９を
取付けた後、フェースプレートを取付けることによりか
ご室内に設けられる。

【０００４】ところで、近年、既設エレベータの改修を
行なう場合に、かご操作盤８を取替えることが多くなっ
てきた。このとき、新しいかご操作盤８は従来のかご操
作盤８と同一サイズであれば、従来の袖壁６の取付穴６
ｄにそのまま取替え可能である。しかし、近年のかご操
作盤８は、機能の増加及び据付の省力化等から採用され
ているコネクター化などに伴って、全体の巾及び長さが
相違したものとなってきているために、新しいかご操作
盤８をそのまま取付けることはできない。また、かご操
作盤８と袖壁６とのデザインを統一する必要もある。こ
のようなことから、かご操作盤８は袖壁６と一体に取替
える必要が生じてきている。

【０００５】なお、かご操作盤の取替えにおいて、特開
昭６１−２９１３８５号公報には、袖壁のかご操作盤取
付用の穴を拡大することにより、袖壁を取替えることな
くかご操作盤だけを取替る技術が開示されている。しか
し、上記公報の場合は、現地でジグソー等を使用して切
断加工する必要があるため、作業は容易でないという不
具合がある。

【０００６】かご操作盤８の取替えを行なうには、ま
ず、フェースプレートを取外し、次いで、かご操作盤８
のケース９の内部から袖壁６のフランジに取付けている
取付ボルト１６を緩め、ケース９を取外す。その後、昇
降路側から巾木２、側面壁３、天井４、出入口柱５のそ
れぞれと袖壁６とを取付けている取付ボルト１０を緩め
て袖壁６を取外す。そして、新しいかご操作盤８及び新
しい袖壁６を上記取外しと逆の手順により取付ける。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来は、か
ご操作盤８と袖壁６との取替えにおいては、昇降路内で
行なわなければならない作業もあるため、危険であり、
作業性が劣り、時間がかかっていた。特に、昇降路側か
ら袖壁６の取付ボルト１０を緩める場合には、スペース
上の問題などから、かごドア装置１１等を一時的に取外
さなければならないこともあり、更に、時間がかかるこ
ととなっていた。なお、袖壁６自体を開閉可能な構造
（図示せず）として袖壁６を取替える方法も考えられる
が、開閉機構など構造が複雑化する。

【０００８】そこで、本発明は、かご室内側から簡単に
かご操作盤及び袖壁の取替えを行なうことができるエレ
ベータのかご室の提供を課題とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるエレベー
タのかご室は、袖壁にかご操作盤取付用の穴を略全高に
至って設け、このかご操作盤取付用の穴の所定位置にか
ご操作盤を取付け、前記袖壁のかご操作盤取付用の穴の
上部と下部に形成されるかご操作盤との隙間をかご室内
側より着脱可能な塞ぎ板によって閉塞したものである。

【００１０】

【作用】本発明においては、かご操作盤の取替えにおい
て、かご室内よりかご操作盤を取外した後、その取付穴
から上下の塞ぎ板を取外すことにより、袖壁の略全高に
至る開口部が形成されるので、その開口部から袖壁の取
付部の操作が可能となり、かご室内側から袖壁を取外す
ことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図７に基
づいて説明する。図１は本発明の一実施例のエレベータ
のかご室においてかご操作盤を取替える前の袖壁部を示
す正面図、図２は本発明の一実施例のエレベータのかご
室においてかご操作盤を取替えた後の袖壁部を示す正面
図、図３は図１の袖壁を示す背面図、図４は図１のＡ−
Ａ切断線による断面図、図５は図１のＢ−Ｂ切断線によ
る断面図、図６は図１のＣ−Ｃ切断線による断面図、図
７は図１の上部側塞ぎ板を示す斜視図である。図中、図
８乃至図１０と同一符号は従来の構成部分と同一または
相当する部分である。

【００１２】図において、６ａは取替前の袖壁、６ｂは
取替後の袖壁であり、いずれも巾方向の略中央部に全高
に至って一定巾のかご操作盤取付用の穴が形成され、更
に、その穴の開口両縁には上下に至ってかご室外側に屈
曲したフランジ６ｃが形成されている。８ａは袖壁６ａ
に埋設されている取替前のかご操作盤、８ｂは袖壁６ｂ
に埋設された取替後のかご操作盤、９ａはかご操作盤８
ａのケースである。前記取替後のかご操作盤８ｂは機能
の増加及び据付の省力化等から採用されているコネクタ
ー化などに伴って、取替前のかご操作盤８ａと比べて全
体の巾及び長さが相違したものとなっている。そして、
それに伴って、取替後の袖壁６ｂも巾寸法において取付
前の袖壁６ａとは相違したものとなっている。

【００１３】１２ａは取替前の袖壁６ａの全高に至るか
ご操作盤取付用の穴にかご操作盤８ａを取付けた後に上
部側に形成される開口部に取付けられ、これを閉塞する
上部側塞ぎ板であり、化粧面となる表板の裏面には上下
方向に平行する２個のフランジ１２ｃが形成されてい
る。更に、上部側塞ぎ板１２ａの２個のフランジ１２ｃ
には、上部に相互に対向する鍵状の係合溝１２ｄが設け
られ、下部に相互に対向する取付穴１２ｅが設けられて
いる。１４は前記袖壁６ａの外側に屈曲したフランジ６
ｃの上部と下部において、前記上部側塞ぎ板１２ａのフ
ランジ１２ｃの係合溝１２ｄと対応する位置に固着され
た左右一対の係合ピン、１５は前記袖壁６ａと塞ぎ板１
２ａとを、塞ぎ板のフランジ１２ｃに設けられた取付穴
１２ｅにおいて取付けるための取付ボルトである。

【００１４】１３ａは同じく袖壁６ａの下部に形成され
た開口部を閉塞する下部側塞ぎ板であり、化粧板となる
表板の裏面に平行する２個のフランジ１３ｃが一体に取
付けられ、その上部と下部にはそれぞれ前記上部側塞ぎ
板１２ａと同様の取付穴と係合溝が設けられている。

【００１５】１２ｂ、１３ｂは取替後の袖壁６ｂの上部
と下部にそれぞれ取付けられた、前記上部側塞ぎ板１２
ａ及び下部側塞ぎ板１３ａと同様の上部側塞ぎ板、下部
側塞ぎ板であり、ただ、上部側塞ぎ板１２ａ、下部側塞
ぎ板１３ａとは、巾寸法、長さ、外観仕様が異なる。

【００１６】次に、本実施例におけるかご操作盤の取替
えについて説明する。まず、かご操作盤８ａを取外すた
めに、かご操作盤８ａのフェースプレートを取外し、か
ご操作盤８ａのケース９ａを、ケース９ａ内から袖壁６
ａに締付けている取付ボルト１６を緩めることによって
取外す。次に、ケース９ａを取外したことにより、上部
側塞ぎ板１２ａと下部側塞ぎ板１３ａの取付部の操作が
可能となるので、上部側塞ぎ板１２ａのフランジ１２ｃ
及び下部側塞ぎ板１３ａのフランジ１３ｃの取付穴に取
付けられている取付ボルト１５を取外し、各塞ぎ板１２
ａ，１３ａを上方または下方にスライドさせて袖壁６ａ
のフランジ６ｃに固定されている係合ピン１４との係合
を解除して取外す。これによって、袖壁６ａはその巾方
向の略中央部に、全高に至る開口部が形成されることに
なり、上端部から下端部に至ってかご室内側から袖壁６
ａとの取付部分の取外しが可能となる。そこで、この袖
壁６ａの開口部から手を伸ばして、巾木２、側面壁３、
天井４、出入口柱５のそれぞれと袖壁６ａとを締付けて
いる取付ボルト１０を緩めて袖壁６ａを取外す。

【００１７】この後、取外しの場合と逆の手順により、
まず、新しい袖壁６ｂを取付ボルト１０を介して巾木
２、側面壁３、天井４、出入口柱５に取付け、次いで、
袖壁６ｂの上下に至る開口部の上部と下部にそれぞれ上
部側塞ぎ板１２ｂ及び下部側塞ぎ板１３ｂを取付ボルト
１５を介して取付け、新しいかご操作盤８ｂのケースを
挿入し、更に、かご操作盤８ｂのフェースプレートを取
付ける。

【００１８】このように、上記実施例のエレベータのか
ご室は、袖壁６ａ及び袖壁６ｂにかご操作盤取付用の穴
を全高に至って設け、このかご操作盤取付用の穴の所定
位置にかご操作盤８ａ及びかご操作盤８ｂを取付け、前
記各袖壁６ａ，６ｂのかご操作盤取付用の穴の上部と下
部に形成される各かご操作盤８ａ，８ｂとの隙間をかご
室内側より着脱可能な上部側塞ぎ板１２ａ、下部側塞ぎ
板１３ａ、上部側塞ぎ板１２ｂ及び下部側塞ぎ板１３ｂ
によって閉塞したものである。

【００１９】したがって、上記実施例によれば、各かご
操作盤８ａ，８ｂの取替えにおいて、かご室内より各か
ご操作盤８ａを取外した後、その取付用の穴から上下の
塞ぎ板１２ａ，１３ａを取外すことにより、袖壁６ａの
全高に至る開口部が形成されるので、この開口部から袖
壁６ａの取付ボルト１０の操作が可能となり、かご室内
側から袖壁６ａを取外すことができる。この結果、取替
前後のサイズの異なるかご操作盤８ａ，８ｂの取替え
を、危険な昇降路内に入ることなく、また、現地で部品
を切断するなどの加工作業を行なうことなく、簡単にか
つ短時間で、しかも、安全に行なうことができる。な
お、新旧のかご操作盤８ａとかご操作盤８ｂが、巾寸法
は同一で長さだけ相違する場合には、袖壁はそのままと
し、各塞ぎ板を取替えるだけで、各かご操作盤の取替え
が可能となる。

【００２０】ところで、上記実施例の袖壁６ａ及び袖壁
６ｂは、かご操作盤取付用の穴を全高に至って形成して
いるが、本発明を実施する場合には、これに限定される
ものではなく、かご室内側から各袖壁の取付部分に手が
届いてその部分の操作が可能であれば、上下端部まで形
成する必要はない。また、上記実施例の袖壁６ａ及び袖
壁６ｂの上部と下部の空隙を覆う各塞ぎ板は、裏面のフ
ランジの上部または下部に鍵状の係合溝を設けて袖壁側
のフランジに取付けられた係合ピン１４と係合させ、裏
面のフランジの他側に取付穴を設けて取付ボルト１５を
使用することにより各袖壁に取付けているが、本発明を
実施する場合には、これに限定されるものではなく、裏
面側において各袖壁に取付けることができれば他のいか
なる取付手段を用いてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明のエレベータのか
ご室は、袖壁にかご操作盤取付用の穴を略全高に至って
設け、このかご操作盤取付用の穴の所定位置にかご操作
盤を取付け、前記袖壁のかご操作盤取付用の穴の上部と
下部に形成されるかご操作盤との隙間をかご室内側より
着脱可能な塞ぎ板によって閉塞したものである。したが
って、かご操作盤の取替えにおいて、かご室内側よりか
ご操作盤を取外した後、その取付用の穴から上下の塞ぎ
板を取外すことにより、袖壁の略全高に至る開口部が形
成されるので、この開口部から袖壁の取付部の操作が可
能となり、かご室内側から袖壁を取外すことができる。
この結果、取替前後のサイズの異なるかご操作盤の取替
えを簡単にかつ短時間で、しかも、安全に行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例のエレベータのかご室
においてかご操作盤を取替える前の袖壁部を示す正面図
である。

【図２】図２は本発明の一実施例のエレベータのかご室
においてかご操作盤を取替えた後の袖壁部を示す正面図
である。

【図３】図３は図１の袖壁を示す背面図である。

【図４】図４は図１のＡ−Ａ切断線による断面図であ
る。

【図５】図５は図１のＢ−Ｂ切断線による断面図であ
る。

【図６】図６は図１のＣ−Ｃ切断線による断面図であ
る。

【図７】図７は図１の上部側塞ぎ板を示す斜視図であ
る。

【図８】図８は従来のエレベータのかご室の袖壁部を示
す正面図である。

【図９】図９は図８の袖壁の背面図である。

【図１０】図１０は図８のＤ−Ｄ切断線による断面図で
ある。

【符号の説明】

６ａ，６ｂ 袖壁 ８ａ，８ｂ かご操作盤 １２ａ，１２ｂ 上部側塞ぎ板 １３ａ，１３ｂ 下部側塞ぎ板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 かご室内壁の一部を形成し、かご操作盤
   取付用の穴が略全高に至って設けられた袖壁と、 前記袖壁のかご操作盤取付用の穴の所定位置に埋設され
   たかご操作盤と、 前記袖壁のかご操作盤取付用の穴の上部と下部に形成さ
   れたかご操作盤との隙間を閉塞し、かご室内側より着脱
   可能な塞ぎ板とを具備することを特徴とするエレベータ
   のかご室。