以下、図面を参照しながら、本発明にかかる移動棚装置と移動棚との実施の形態について説明する。
●移動棚装置(1)●
先ず、本発明にかかる移動棚装置の実施の形態について説明する。
●移動棚装置(1)の構成
図1は、本発明にかかる移動棚装置の実施の形態を示す外観図である。
移動棚装置Sは、2つのレール1a、1b(図2参照)と、4つの移動棚2a、2b、2c、2dと、1つの固定棚3と、を有してなる。
4つの移動棚2a-2dの構成は、後述する第1回転軸43と第2回転軸44との配置を除き、それぞれ共通する。以下の説明において、各移動棚2a-2dのそれぞれを区別する必要がないとき、それぞれを「移動棚2」と総称する。各移動棚2a-2dが備える構成要素を区別するとき、移動棚2aが備える構成要素の符号には「2a」を、移動棚2bが備える構成要素の符号には「2b」を、移動棚2cが備える構成要素の符号には「2c」を、移動棚2dが備える構成要素の符号には「2d」を、それぞれ付す。
移動棚装置Sは、電力により移動棚2のそれぞれを独立に移動させて、移動棚2の移動後に移動棚2が占めていた空間(領域)に通路を形成する電動式の移動棚装置である。
「通路」とは、各移動棚2a-2dや固定棚3への物品の出し入れ作業に支障のない幅を有する領域である。図1に示される例では、通路は、各移動棚2a-2dが固定棚3側に収束することにより、移動棚2dと壁W1との間に形成されている。「収束」とは、複数の移動棚2同士が、互いに最も近づいた状態で所定の位置に集まることをいう。
以下の説明において、「前方」は、移動棚2が固定棚3から離れる方向(図1の紙面左方)である。「後方」は、移動棚2が固定棚3に近づく方向(図1の紙面右方)である。各移動棚2a-2dは、前方から順に、移動棚2d、移動棚2c、移動棚2b、移動棚2a、の順で前後方向に並んで配置される。固定棚3は、移動棚2aの後方に配置される。
レール1a、1b(図2参照)は、移動棚2を案内する。レール1a、1bは、床面Fに相互に平行に敷設される。
なお、本発明におけるレールの数は、「2」に限定されない。すなわち、例えば、レールの数は、「3」以上でもよい。
移動棚2は、物品を収納するとともに、移動棚2の利用者などの操作に従ってレール1a、1b(図2参照)上を移動する。移動棚2は、本発明にかかる移動棚である。移動棚2は、レール1a、1b上にレール1a、1b上を移動可能に設置される。移動棚2の構成については、後述する。
通常、移動棚2は、移動棚装置Sを上方から見た状態において、移動棚2の開口面がレール1a、1b(図2参照)に直交した状態で移動する(以下「正常移動」という。)。しかし、移動棚2の重量は重く、かつ、移動棚2に収納される物品の配置や重量によって移動棚2の重心は、変化する。移動棚2の重心が変化したとき、移動棚2は、移動時に移動棚2の上下方向を軸として回転する方向に働く力を受ける。そのため、移動棚2は、上面視において、移動棚2の開口面がレール1a、1bに傾斜した状態(いわゆるヨーイング)で移動する(以下「斜行」という。)ことがある。移動棚2の「開口面」とは、移動棚2の移動方向(前後方向)に向いて、移動棚2に物品を収納するために開口する面である。
固定棚3は、物品を収納する。固定棚3は、レール1a、1bの一方側(図1の紙面右側)の端部に配置される。固定棚3は、商用電源4に接続されて、移動棚2に電力を供給する給電装置としても機能する。固定棚3の構成については、後述する。
なお、本発明にかかる移動棚装置は、例えば、固定棚に代えて、本発明にかかる移動棚を備えてもよい。この場合、この移動棚は、商用電源に接続される。
また、本発明にかかる移動棚装置は、レールを備えない無軌条式(レールレス)の移動棚装置でもよい。
さらに、本実施の形態における移動棚や固定棚の数は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、移動棚の数は「1」や「5以上」でもよく、固定棚の数は複数でもよい。この場合、例えば、2つの固定棚が、移動棚を挟んでレールの両端に配置される。
●移動棚(1)●
次に、本発明にかかる移動棚の実施の形態について、移動棚2bを例に説明する。
●移動棚(1)の構成
図2は、移動棚2の正面図である。
図3は、移動棚2の機能ブロック図である。
移動棚2(2b)は、駆体10と、複数の棚板20(21-26)と、制御部30と、駆体駆動部40と、受給電支持部50(図4参照)と、給電部60と、給電駆動部70と、受電部80と、蓄電部90と、検知部100と、操作部110と、報知部120と、変換部130と、を備える。
駆体10は、移動棚2の外郭を構成する。駆体10は、台枠11と、複数の支柱12(121-123)と、天板13と、2つの側板14(141、142)と、を備える。台枠11は、支柱12を支持する土台である。支柱12は、天板13と、複数の棚板21-26と、を支持する。支柱12は、台枠11の左右方向(図2の紙面左右方向)の両端と、中央と、に垂直に立てた状態で前後方向(図2の紙面手前奥方向)に複数(例えば、3つ)配置される。天板13は、移動棚2に収納される物品を埃などから保護する。天板13は、支柱12の上端に取り付けられる。台枠11と支柱12と天板13とは、駆体10の骨組みを構成する。側板14は、物品を埃などから保護する。側板141、142は、駆体10の骨組みの左側面と右側面とに取り付けられる。駆体10の前面と後面とは、開口面である。
棚板20は、物品が置かれる板である。各棚板21-26は、複数の支柱121-123の間に、任意の高さに着脱可能に配置される。すなわち、各棚板21-26は、駆体10に着脱可能に取り付けられる。
制御部30は、後述する移動動作や給電動作、蓄電部90や検知部100の制御など移動棚2全体の動作を制御する。制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサなどから構成される。制御部30は、他の移動棚2a、2c、2dや固定棚3と通信するための無線通信部(不図示)を備える。すなわち、移動棚2bは、無線通信回線を介して、他の移動棚2a、2c、2dと、固定棚3と、の間で信号を送受信する。
図4は、台枠11内の駆体駆動部40を上方から見た上面図である。
駆体駆動部40は、駆体10の移動と停止とを行う。駆体駆動部40は、モータ41と、動力伝達機構42と、第1回転軸43と、第2回転軸44と、2つの駆動輪45(451、452)と、2つの従動輪46(461、462)と、を備える。
モータ41は、動力伝達機構42を介して第1回転軸43に、駆体10を移動させるための回転駆動力を伝達する。モータ41は、例えば、DCモータである。モータ41の回転(回転数、回転方向)は、制御部30により制御される。モータ41は、台枠11の内部に配置される。
動力伝達機構42は、モータ41からの回転駆動力を第1回転軸43に伝達する。動力伝達機構42は、モータ41と第1回転軸43とに取り付けられる。動力伝達機構42は、例えば、複数の歯車(不図示)で構成されて、モータ41の回転速度を減速して第1回転軸43に出力する減速機として機能する。
なお、本発明における動力伝達機構は、複数の歯車に代えて、無端状のチェーンと、チェーンが架け渡される一対のスプロケットと、で構成されてもよい。
第1回転軸43は、駆動輪451、452を支持すると共に、モータ41からの回転駆動力により回転する駆動軸である。第1回転軸43は、軸方向を左右方向(図4の紙面上下方向)に向けて、台枠11に回転可能に支持される。第2回転軸44は、従動輪461、462を支持する従動軸である。第2回転軸44は、軸方向を左右方向に向けて、台枠11に回転可能に支持される。第1回転軸43は、台枠11の後部に配置される。第2回転軸44は、台枠11の前部に配置される。
駆動輪451、452は、駆体10を支持すると共に、第1回転軸43と共に回転して駆体10を前後方向(図4の紙面左右方向)に移動させる。駆動輪451、452は、第1回転軸43の左部と右部とに取り付けられる。駆動輪451、452は、レール1a、1b(図2参照)の上に乗せられる。従動輪461、462は、駆体10を支持すると共に、駆体10の移動に応じて回転する。従動輪461、462は、第2回転軸44の左部と右部とに取り付けられる。従動輪461、462は、レール1a、1b(図2参照)の上に乗せられる。
第1回転軸43と第2回転軸44との配置は、給電装置として機能する固定棚3に対する移動棚2の配列に基づいて決定される。すなわち、図1に破線で示されるように、4つの移動棚2a-2dのうち、固定棚3に近い側の移動棚2a、2bでは、第1回転軸43(2a、2b)は、台枠11(2a、2b)の後部に配置される。一方、固定棚3から遠い側の移動棚2c、2dでは、第1回転軸43(2c、2d)は、台枠11(2c、2d)の前部に配置される。その結果、移動棚2a、2bでは、駆動輪45(2a、2b)は、駆体10(2a、2b)の後下部に配置される。一方、移動棚2c、2dでは、駆動輪45(2c、2d)は、駆体10(2c、2d)の前下部に配置される。第1回転軸43(駆動輪45)の配置が異なる理由については、後述する。
図5は、受給電支持部50と、給電部60と、給電駆動部70と、受電部80と、の右側面図である。
受給電支持部50は、給電部60と給電駆動部70と受電部80とを支持する。受給電支持部50は、筐体51と、レール支持部材52(図6参照)と、2本のシャフト53(531、532)(図6参照)と、4つの弾性部材54(541-544)(図9参照)と、2つの締結部材55、56(図9参照)と、を備える。
筐体51は、給電部60と受電部80とを収納する。筐体51は、前後方向に長い、矩形筒状である。筐体51は、図2に示されるように、天板13の上面の左右方向(図2の紙面左右方向)中央に取り付けられる。筐体51は、蓋511と、軸孔(不図示)と、2つの挿通孔(不図示)と、を備える。蓋511は、給電部60と受電部80とを外部の埃などから保護する。蓋511は、筐体51の上面で構成される。軸孔は、筐体51の左側面の前端部に配置される。挿通孔は、筐体51の左側面の前端部と、筐体51の右側面の前端部と、に配置される。
図6は、受給電支持部50と給電部60と給電駆動部70との図5のA矢視図である。
図7は、蓋511を外した状態の受給電支持部50と、給電部60と、給電駆動部70と、を上方から見た上面図である。
レール支持部材52は、シャフト53を支持する。レール支持部材52は、筐体51の給電部60側(図7の紙面下側)の右内面に取り付けられる。シャフト53(531、532)は、給電部60を支持すると共に、給電部60の移動を前後方向に案内する。シャフト531、532は、軸方向を前後方向(図7の紙面上下方向)に向けて、上下に並んでレール支持部材52に支持される。
弾性部材54(図8-9参照)は、後述する受電コネクタ支持部材81を揺動(移動)可能に支持する。弾性部材54は、例えば、ゴムなどの弾性を有する合成樹脂製である。弾性部材54は、中央に貫通孔を備えるドーナツ状である。弾性部材54の配置については、後述する。
なお、本実施の形態における弾性部材の材料は、弾性を有する材料であればゴムなどの合成樹脂に限定されない。すなわち、例えば、弾性部材は、ゲル材でもよい。
締結部材55、56は、弾性部材54と共に、後述する受電コネクタ支持部材81を筐体51に揺動可能(浮動的)に取り付ける。締結部材55、56の構成については、後述する。
給電部60は、隣接する移動棚2cに電力を供給(給電)する。給電部60は、給電コネクタ支持部材61と、スライド部材62と、給電コネクタ63と、ガイドピン64と、を備える。給電部60は、給電コネクタ63を前方に向けて、受給電支持部50に取り付けられる。
給電コネクタ支持部材61は、給電コネクタ63とガイドピン64とを支持する。給電コネクタ支持部材61は、本体部611と支持板612とを備える。本体部611は、前後方向に長い、上面が開口した矩形筒状である。支持板612は、矩形板状である。支持板612の下端部は、本体部611の前端部に取り付けられる。支持板612は、本体部611を前方から覆う。
なお、本実施の形態における支持板は、本体部と一体に構成されてもよい。
スライド部材62は、シャフト53に対して前後方向にスライドする。スライド部材62は、前後方向に長い矩形板状である。スライド部材62は、給電コネクタ支持部材61の本体部611の右側面に取り付けられる。スライド部材62の前端部と後端部のそれぞれは、右方向に折れ曲がり、ベアリング(不図示)を介してシャフト53にスライド可能に支持される。
給電コネクタ63は、隣接する移動棚2cの受電コネクタ83(2c)(図8参照)を介して、隣接する移動棚2cの蓄電部90(2c)(図3参照)に蓄えられる電力を供給する。給電コネクタ63は、給電コネクタ支持部材61の支持板612の前面の上半部中央に取り付けられる。給電コネクタ63は、ピン支持部631と、3つの第1コンタクトピン632と、4つの第2コンタクトピン633と、2つのプラグガイド634と、を備える。
ピン支持部631は、第1コンタクトピン632と第2コンタクトピン633とプラグガイド634とを支持する。ピン支持部631は、樹脂製で、直方体状である。
第1コンタクトピン632は、給電用の電極である。第1コンタクトピン632は、金属製で、円柱状である。第1コンタクトピン632は、ピン支持部631の略中央に、上下方向に等間隔で配置される。
第2コンタクトピン633は、給電コネクタ63と、隣接する移動棚2cの受電コネクタ83(2c)(図8参照)と、の接続確認用の電極である。第2コンタクトピン633は、金属製で、円錐状である。第2コンタクトピン633の長さは、第1コンタクトピン632の長さと比較して極端に短く、第1コンタクトピン632の付け根程度の長さである。第2コンタクトピン633は、ピン支持部631の4隅に配置される。
プラグガイド634は、給電コネクタ63と、隣接する移動棚2cの受電コネクタ83(2c)(図8参照)と、を接続する。プラグガイド634は、前端が先細りの略板状である。プラグガイド634は、ピン支持部631の左右両端に取り付けられる。前後方向において、プラグガイド634の前端は、第1コンタクトピン632の前端よりも前方に配置される。
なお、本実施の形態における第1コンタクトピン、第2コンタクトピン、プラグガイド、の数、形状、配置は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、プラグガイドは、ピン支持部の上下端部に配置されてもよく、あるいは、ピン支持部の中央に1つ配置されてもよい。
ガイドピン64は、前方に隣接する移動棚2cのガイド受部84(2c)と共に、給電コネクタ63と、隣接する移動棚2cの受電コネクタ83(2c)(図8参照)と、を接続する。ガイドピン64は、金属製である。ガイドピン64は、大径部641と傾斜部642と小径部643とから構成される。ガイドピン64は、大径部641と小径部643とが傾斜部642で接続された2段円柱状である。大径部641の直径は、小径部643の直径よりも大きい。傾斜部642は、後端の直径が前端の直径よりも大きい円錐台状である。傾斜部642の後端は大径部641に接続され、傾斜部642の前端は小径部643に接続される。小径部643の前端は、円錐状である。ガイドピン64は、給電コネクタ支持部材61の支持板612の下半部中央に、軸方向を前後方向(図7の紙面上下方向)に向けて配置される。
給電駆動部70は、給電部60を前後方向に移動させる。給電駆動部70は、アクチュエータ71とピニオン72とラック73とを備える。
アクチュエータ71は、ピニオン72に給電部60を移動させるための回転駆動力を供給する。アクチュエータ71は、例えば、ステッピングモータである。アクチュエータ71の回転(回転方向、回転速度)は、制御部30により制御される。アクチュエータ71は、筐体51の左側面の前端部に取り付けられる。アクチュエータ71の回転軸(不図示)は、軸方向を左右方向(図7の紙面左右方向)に向けて、筐体51の軸孔(不図示)を貫通して配置される。
なお、本実施の形態における給電駆動部は、ステッピングモータに代えて、サーボモータやソレノイドを備えてもよい。
ピニオン72とラック73とは、アクチュエータ71の回転運動を直線運動に変換する。ピニオン72は、アクチュエータ71の回転軸に取り付けられる。ラック73は、ピニオン72と噛み合った状態で、給電コネクタ支持部材61の本体部611の左側面に取り付けられる。その結果、給電部60は、アクチュエータ71の正逆回転に応じて前後方向に移動(スライド)する。
なお、本実施の形態における給電駆動部の構成は、給電部を前後方向に移動可能な構成であればよく、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、給電駆動部は、ピニオンギアとラックとに代えて、ボールねじとナット部材や、タイミングプーリとタイミングベルトなどを備えてもよい。
図8は、受給電支持部50と受電部80との図5のB矢視図である。
図9は、蓋511を外した状態の受給電支持部50と、受電部80と、の平面図である。
受電部80は、後方に隣接する移動棚2aの給電部60(2a)(図6参照)(移動棚2aでは固定棚3の給電部340。以下同じ。)から供給された電力を、蓄電部90(図3参照)に供給する。受電部80は、受電コネクタ支持部材81と、受電コネクタ83と、ガイド受部84と、を備える。
受電コネクタ支持部材81は、受電コネクタ83とガイド受部84とを支持する。受電コネクタ支持部材81は、上面と前面とが開口した箱状である。受電コネクタ支持部材81は、2つのボルト挿通孔81h1、81h2を備える。ボルト挿通孔81h1、81h2は、受電コネクタ支持部材81の左側面と右側面それぞれに、同軸上に配置される。ボルト挿通孔81h1、81h2の直径は、後述する挿通ボルト551、561の直径よりも大きい。
前述のとおり、受電コネクタ支持部材81(受電コネクタ83)は、弾性部材54(541-544)と、締結部材55、56と、により筐体51に揺動可能(浮動的)に支持(フローティング支持)される。
弾性部材541、542は、受電コネクタ支持部材81のボルト挿通孔81h1の左右に配置される。弾性部材543、544は、受電コネクタ支持部材81のボルト挿通孔81h2の左右に配置される。
締結部材55、56は、挿通ボルト551、561と、ナット552、562と、ワッシャ553、563と、を備える。挿通ボルト551は、筐体51の挿通孔と、弾性部材541の貫通孔と、受電コネクタ支持部材81のボルト挿通孔81h1と、弾性部材542の貫通孔と、ワッシャ553と、に挿通されて、ナット552に嵌められる。挿通ボルト561は、筐体51の挿通孔と、弾性部材543の貫通孔と、受電コネクタ支持部材81のボルト挿通孔81h2と、弾性部材544の貫通孔と、ワッシャ563と、に挿通されて、ナット562に嵌められる。すなわち、弾性部材541、543は、筐体51と受電コネクタ支持部材81との間に配置され、弾性部材542、544は、受電コネクタ支持部材81とワッシャ553、563との間に配置される。
なお、本実施の形態における受電コネクタをフローティング支持する構成は、例えば、円筒状の弾性部材に挿通させた挿通ボルトが、ボルト挿通孔に挿通される構成でもよい。つまり、弾性部材は、挿通ボルトとボルト挿通孔との間に配置されてもよい。この場合、弾性材の数を減ずることができる。
また、例えば、本実施の形態における受電コネクタ支持部材は、弾性部材に代えて、円筒の両端にフランジを備えるボビン型の部材により筐体に支持されてもよい。この場合、ボビン型の部材の外形が筐体のボルト挿通孔の直径よりも小さく設定され、両フランジの間隔が筐体の厚みよりも大きく設定されることにより、受電コネクタ支持部材は、ボビン型の部材と筐体のボルト挿通孔との間に隙間がある状態でフローティング支持される。
受電コネクタ83は、後方に隣接する移動棚2aの給電コネクタ63(2a)(図6参照)と接続して、給電コネクタ63(2a)から電力を受けとる(受電する)。受電コネクタ83は、受電コネクタ支持部材81の後面の上半部中央に配置される。受電コネクタ83は、孔支持部831と、3つの第1コンタクト孔832と、4つの第2コンタクト孔833と、2つのガイド孔834と、を備える。
孔支持部831は、第1コンタクト孔832と、第2コンタクト孔833と、ガイド孔834とを支持する。
第1コンタクト孔832は、後方に隣接する移動棚2aの第1コンタクトピン632(2a)(図6参照)に対応する受電用の電極である。第1コンタクト孔832は、孔支持部831の略中央に、上下方向に均等に配置される。
第2コンタクト孔833は、後方に隣接する移動棚2aの第2コンタクトピン633(2a)(図6参照)に対応する、受電コネクタ83と、移動棚2aの給電コネクタ63(2a)(図6参照)と、の接続確認用の電極である。第2コンタクト孔833は、孔支持部831の4隅に配置される。
ガイド孔834は、後方に隣接する移動棚2aのプラグガイド634(2a)(図6参照)と共に、移動棚2aの給電コネクタ63(2a)(図6参照)と、受電コネクタ83と、を接続する。ガイド孔834は、孔支持部831の左右両端部に配置される。
なお、本実施の形態における第1コンタクト孔と第2コンタクト孔とガイド孔との数と形状とは、それぞれ対応する第1コンタクトピンと第2コンタクトピンとプラグガイドとの数と形状とに対応すればよく、本実施の形態に限定されない。
ガイド受部84は、後方に隣接する移動棚2aのガイドピン64(2a)(図6参照)と共に、移動棚2aの給電コネクタ63(2a)(図6参照)と、受電コネクタ83と、を接続する。ガイド受部84は、金属製で、円筒状である。ガイド受部84の内径は、ガイドピン64の大径部641(図6参照)の直径よりも大きい。ガイド受部84は、受電コネクタ支持部材81の後面の下半部中央に配置される。
図3に戻る。
蓄電部90は、駆体駆動部40、給電駆動部70、検知部100、報知部120、その他移動棚2が備える電力消費部品(例えば、不図示の通路照明)などに供給される電力を蓄える。蓄電部90は、例えば、複数の電池セルから構成される蓄電池である。蓄電部90に蓄えられた電力の量(以下「容量」という。)や蓄電部90の状態は、蓄電部90から制御部30に送信される。「蓄電部90の状態」とは、例えば、蓄電部90が充電中であることを示す充電状態や、蓄電部90に異常が生じていることを示す異常状態、蓄電部90から前方に隣接する移動棚2cに給電中である給電状態、などを指す。
検知部100は、駆体10と隣接する移動棚2a、2cとの間隔(以下「棚間隔」という。)や、給電コネクタ63が前方に隣接する移動棚2cの受電コネクタ83(2c)に電力の供給が可能か否か、などを検知する。検知部100の検知結果は、制御部30に送信される。検知部100は、間隔検知部101と給電検知部102と移動検知部103とを備える。
間隔検知部101は、棚間隔を検知する。間隔検知部101は、例えば、超音波の送信機(不図示)と受信機(不図示)とを備える、公知の超音波式の距離センサである。送信機は、超音波を隣接する移動棚2a、2cに向けて送信する。受信機は、隣接する移動棚2a、2cから反射された超音波を受信する。間隔検知部101は、超音波の送信から受信までの時間をカウントして、棚間隔を算出する。棚間隔は、制御部30に送信される。間隔検知部101は、台枠11の前面と後面とに配置される。
給電検知部102は、後述する給電可能状態と給電不可能状態とを検知する。
「給電可能状態」は、給電コネクタ63が前方に隣接する移動棚2cの受電コネクタ83(2c)に接続されて、給電部60が移動棚2cの受電部80(2c)に電力を供給可能な状態である。「給電不可能状態」は、給電コネクタ63が移動棚2cの受電コネクタ83(2c)に適切に接続されておらず、給電部60が移動棚2cの受電部80(2c)に電力を供給不可能な状態である。
給電検知部102は、後述する給電動作において、給電コネクタ63の第2コンタクトピン633と、前方に隣接する移動棚2cの第2コンタクト孔833(2c)と、の間の微細な信号(例えば、1mA以下の電気信号など)の伝送や、その所要時間、アクチュエータの負荷電流の値などに基づいて、給電可能状態と給電不可能状態とを検知する。給電検知部102の検知の詳細については、後述する。
移動検知部103は、駆体10が移動している「移動状態」と、駆体10が停止している「停止状態」とを検知する。移動検知部103は、例えば、蓄電部90から駆体駆動部40への電力の供給の有無や、モータ41の回転の有無などを検知することで、駆体10の移動状態と停止状態とを検知する。「停止状態」は、移動棚2が後述する給電位置に収束しており、移動することができない状態を含む。
なお、本実施の形態における検知部は、例えば、移動検知部を兼ねてもよい。この場合、駆体の移動状態と停止状態とは、間隔検知部の検知結果の変化の有無により検知される。
操作部110は、移動棚2の利用者の操作に応じた操作信号を制御部30に送信する。操作部110は、駆体10の左右両側の側板141、142に配置される。操作部110は、前方移動スイッチ111と後方移動スイッチ112とを備える(図1参照)。
前方移動スイッチ111は、移動棚2の利用者が駆体10の後方に通路を形成するときに、利用者に操作されるスイッチである。前方移動スイッチ111は、図1に示されるように、側板141、142の後部であって利用者が操作しやすい高さに配置される。
後方移動スイッチ112は、移動棚2の利用者が駆体10の前方に通路を形成するときに、利用者に操作されるスイッチである。後方移動スイッチ112は、図1に示されるように、側板141、142の前部であって利用者が操作しやすい高さに配置される。
報知部120は、制御部30からの信号に基づいて、蓄電部90の容量と、蓄電部90の状態と、を移動棚2の外部に向けて報知する。報知部120は、例えば、LED(Light-emitting diode)などの発光体である。報知部120は、発光の色や、発光の状態(点灯、点滅、消灯、ディマー点灯など)により、蓄電部90の容量と、蓄電部90の状態と、を移動棚2の外部に向けて報知する。報知部120は、図1に示されるように、側板141、142に配置される。
報知部120は、例えば、複数の発光体を備え、発光している発光体の数により蓄電部90の容量を報知する。報知部120は、例えば、蓄電部90の容量が所定量より多いときに点灯し、蓄電部90の容量が所定量以下になると点滅することにより、蓄電部90の容量を報知する。「所定量」とは、移動棚2の給電動作に必要な電力量や、その容量に一定のマージンを加えた電力量などである。
なお、本実施の形態における報知部は、音や無線通信により蓄電部の状態などを移動棚の外部に向けて報知してもよい。すなわち、例えば、報知部は、蓄電部の容量が所定量以下になると警報音を発生させてもよい。また、例えば、報知部は、蓄電部の容量が所定量以下になると、その旨を報知する信号を生成して、無線通信により携帯端末などに送信してもよい。この場合、移動棚装置の管理者などは、移動棚から離れていても蓄電部の状態を把握することができる。
変換部130は、給電部60から蓄電部90へ供給される交流の電力を直流の電力に変換する。変換部130は、例えば、AC/DC変換器やパワーコンディショナなどである。
なお、本発明における変換部は、受電部から蓄電部へ供給される交流の電力のみを直流の電力に変換してもよい。すなわち、例えば、各移動棚間で供給される電力は、直流の電力でもよい。
●移動棚(1)の電力系統
図10は、移動棚2の電力系統を示す模式図である。
受電部80からの交流の電力は、変換部130を介して直流の電力に変換されて、蓄電部90に蓄えられると共に、交流のまま給電部60に供給される。給電部60からの交流の電力は、前方に隣接する移動棚2cに供給される。蓄電部90からの直流の電力は、制御部30と駆体駆動部40と給電駆動部70と検知部100と操作部110と報知部120とに供給される。
なお、本実施の形態における蓄電部からの直流の電力は、変換部を介して交流の電力に変換されて、給電部に供給されてもよい。すなわち、例えば、給電部は、受電部からの電力に代えて、蓄電部に蓄えられた電力を前方に隣接する移動棚に供給してもよい。その結果、例えば、停電などの災害時においても、移動棚装置Sは、移動棚2同士で給電することができる。
●固定棚(1)●
次に、固定棚3について説明する。
●固定棚(1)の構成
図11は、固定棚3の機能ブロック図である。
固定棚3は、枠体310(図1参照)と、複数の棚板(不図示)と、制御部320と、給電支持部330(図1参照)と、給電部340と、給電駆動部350と、操作部360と、表示部370と、を備える。
枠体310は、図1に示されるように、台枠(不図示)と、複数の支柱(不図示)と、天板313と、側板314と、を備える。台枠と支柱と天板313と側板314それぞれの構成は、移動棚2の台枠11と支柱12と天板13と側板14それぞれの構成と同じである。
棚板の構成は、移動棚2の棚板20の構成と同じである。
制御部320は、給電駆動部350の制御や、各移動棚2a-2dの移動の制御を行う。制御部320は、各移動棚2a-2dと通信するための無線通信部(不図示)を備える。制御部320は、無線通信回線を介して、各移動棚2a-2dへの制御信号(例えば、後述する給電信号など)を送信する。
給電支持部330は、給電部340と給電駆動部350とを支持する。給電支持部330の構成は、受電部を支持する構成を備えない点を除き、移動棚2の受給電支持部50の構成と同じである。
給電部340は、前方に隣接する移動棚2aの受電部80(2a)に電力を供給する。給電部340の構成は、移動棚2の給電部60の構成と同じである。すなわち、給電部340は、給電コネクタ341(図13参照)を備える。
給電駆動部350は、給電部340を前後方向に移動させる。給電駆動部350の構成は、移動棚2の給電駆動部70の構成と同じである。
操作部360は、例えば、移動棚装置Sの管理者の操作に応じた操作信号を制御部320に送信する。操作部360は、給電ボタン361(図1参照)を備える。給電ボタン361が管理者に操作されたとき、給電ボタン361は、後述する給電動作を開始する給電信号を制御部320に送信する。
表示部370は、制御部320からの信号に基づいて、各移動棚2a-2dの蓄電部90(2a-2d)の容量や、蓄電部90(2a-2d)の状態などを表示する。
なお、本実施の形態における固定棚の操作部と表示部とは、例えば、タッチパネルで構成されてもよい。
●移動棚装置(1)の移動動作●
次に、移動棚装置Sの移動動作について、移動棚2aと固定棚3との間への通路の形成を例に説明する。
全ての移動棚2a-2dが固定棚3に収束した状態(図1に示される状態)において、移動棚2aの前方移動スイッチ111(2a)が利用者により操作されたとき、移動棚2a-2dは、前方(図1の紙面左方)に移動して、移動棚2aと固定棚3との間に通路が形成される。このとき、各移動棚2a-2dは、間隔検知部101(2a-2d)(図3参照)の検知結果に基づいて、互いに所定の間隔を維持しながら移動する。
図12は、移動棚2aと固定棚3との間に通路が形成された状態を示す外観図である。
図12に示される状態において、移動棚2bの後方移動スイッチ112(2b)、または、移動棚2cの前方移動スイッチ111(2c)が利用者により操作されたとき、移動棚2a、2bは、後方(図12の紙面右方)に移動して、移動棚2bと移動棚2cとの間に通路が形成される。
このように、前方移動スイッチ111(2a-2d)が利用者により操作されたとき、移動棚2の前部または一部は、前方移動スイッチ111(2a-2d)が操作された移動棚2の後方に通路を形成するように移動する。一方、後方移動スイッチ112(2a-2d)が利用者により操作されたとき、移動棚2の前部または一部は、後方移動スイッチ112(2a-2d)が操作された移動棚2の前方に通路を形成するように移動する。
なお、本発明にかかる移動棚は、前方移動スイッチ、または後方移動スイッチが利用者により操作されている間のみ移動してもよく、前方移動スイッチ、または後方移動スイッチが利用者により一度操作(ワンタッチ)されたとき、所定の間隔の通路が形成されるまで移動してもよい。
●移動棚装置(1)の給電動作●
次に、移動棚装置Sの給電動作について、説明する。
図13は、給電動作中の移動棚装置Sの機能ブロック図である。
移動棚装置Sの給電動作は、各移動棚2a-2dの蓄電部90(2a-2d)の容量が減少したとき、各移動棚2a-2dを給電位置に移動させて、固定棚3を介して、商用電源4からの電力を各移動棚2a-2dの蓄電部90(2a-2d)へ供給(給電)する動作である。「給電位置」は、移動動作で固定棚3へ収束した状態の各移動棚2a-2dの位置と同じである。
固定棚3は、商用電源4からの電力を前方に隣接する移動棚2aに供給する。すなわち、固定棚3は、給電部340を介して、商用電源4からの電力(交流)を移動棚2aに供給する。
移動棚2は、前方に隣接する移動棚2に電力を供給する。すなわち、移動棚2aは、給電部60(2a)と受電部80(2b)を介して、固定棚3からの電力(交流)を移動棚2bに供給する。移動棚2bは、給電部60(2b)と受電部80(2c)を介して、移動棚2aからの電力(交流)を移動棚2cに供給する。移動棚2cは、給電部60(2c)と受電部80(2d)を介して、移動棚2bからの電力(交流)を移動棚2dに供給する。
移動棚2の給電動作は、定期的に、または、各移動棚2a-2dの報知部120(2a-2d)(図1参照)の報知結果(例えば、蓄電部90(2a-2d)の容量が所定量以下になった状態の報知など)に基づいて、移動棚装置Sの管理者などが固定棚3の給電ボタン361(図1参照)を操作することで実行される。
なお、本実施の形態における移動棚装置は、各移動棚の蓄電部の容量が所定量以下になったときに、給電動作を自動的に実行してもよい。すなわち、例えば、蓄電部の容量が所定量以下になったとき、各移動棚の制御部は、駆体駆動部を制御して駆体を給電位置へ移動させ、後述する給電動作を実行してもよい。
また、本実施の形態における移動棚装置は、通路内に人や物などの異物を検知する異物検知部を備え、同異物検知部の検知結果に基づいて、通路内に異物が存在しないときに、給電動作を実行してもよい。
さらに、本実施の形態における移動棚装置は、移動棚装置の管理者などにより設定された時間になったときに、給電動作を自動的に実行してもよい。設定された時間は、例えば、0時-4時などの移動棚装置が利用されない夜中の時間であり、公知のタイマー機器などを用いて設定される。すなわち、例えば、設定された時間になったとき、各移動棚の制御部は、駆体駆動部を制御して駆体を給電位置へ移動させ、後述する給電動作を実行してもよい。
移動棚装置Sの給電動作において、各移動棚2a-2dは、「移動棚の給電位置への移動」、「給電部の前方への移動」、「給電部と受電部との接続確認」、「給電」、「給電部の後方への移動」、を行う。
●移動棚(1)が正常移動したときの給電動作
先ず、図1-図9を参照しながら、移動棚2が正常移動したときの移動棚装置Sの給電動作を、移動棚2bから移動棚2cへの給電を例に説明する。この場合、移動棚2cは、本発明における第2移動棚である。
固定棚3の給電ボタン361が操作されると、移動棚装置Sは、各移動棚2a-2dの給電位置への移動を実行する。すなわち、制御部30は、固定棚の制御部320からの信号(給電信号)に基づいて、移動棚2bを給電位置に移動させるため、駆体駆動部40を制御して、駆体駆動部40に駆体10の移動を開始させる。移動棚2bが給電位置に移動したとき、制御部30は、間隔検知部101の検知結果に基づいて、駆体駆動部40に駆体10の移動を停止させる。このとき、制御部30は、給電動作における駆体10の移動速度を、前述の移動動作における駆体10の移動速度よりも遅くなるように制御する。そのため、給電動作における棚間隔は移動動作における棚間隔よりもばらつきが小さく、給電動作の消費電力は移動動作の消費電力よりも少ない。
駆体10の移動が停止した後(移動検知部103が停止状態を検知した後)、制御部30は、給電駆動部70に給電部60の前方への移動(進行)を開始させる。すなわち、給電駆動部70は、給電部60を前方に隣接する移動棚2cに向けて移動させる。このとき、給電部60は、駆体10の外部に突出する。すなわち、給電部60は、給電部60が移動棚2cに電力を供給するときのみ、駆体10の外部に突出する。そのため、利用者が移動棚2を利用しているとき、つまり、給電部60が隣接する移動棚2に電力を供給していないとき、移動棚2の外観が損なわれることがなく、利用者が給電コネクタ63に接触して感電することもない。「給電部60が隣接する移動棚2cに電力を供給するとき」とは、給電動作の開始から給電動作の終了までの移動棚装置Sの状態を意味する。
なお、本実施の形態における移動棚装置の給電動作において、移動棚の制御部は、駆体の移動の開始と同時に給電駆動部に給電部の移動を開始させてもよく、駆体の移動中(駆体駆動部に駆体の移動を開始させた後)に給電駆動部に給電部の移動を開始させてもよい。この場合、移動棚装置の給電動作の所要時間を短縮することができる。
制御部30は、給電駆動部70に給電部60の移動を開始させたとき、給電部60の第2コンタクトピン633に前述した微弱な信号を供給する。
給電部60が進行すると、ガイドピン64が移動棚2cのガイド受部84(2c)に挿入された後、プラグガイド634が移動棚2cのガイド孔834(2c)に挿入される。
給電部60がさらに進行すると、第1コンタクトピン632が移動棚2cの第1コンタクト孔832(2c)に挿入されて、第2コンタクトピン633と、移動棚2cの第2コンタクト孔833(2c)と、が当接する。
第2コンタクトピン633と第2コンタクト孔833(2c)とが当接すると、微弱な信号は、第2コンタクトピン633から第2コンタクト孔833(2c)に供給される。この微弱な信号の供給は、移動棚2bの給電検知部102に検知される。このとき、給電部60から受電部80(2c)への給電が可能となる。すなわち、給電検知部102は、この微弱な信号の伝送を検知することで、給電可能状態を検知する。
給電検知部102が給電可能状態を検知後、制御部30は、給電駆動部70を制御して、給電部60を所定距離(所定時間)進行させて、給電部60の移動を停止させる。すなわち、制御部30は、給電コネクタ63を受電コネクタ83(2c)に押し込む。その結果、給電コネクタ63は、受電コネクタ83(2c)に確実に接続される。「所定距離(所定時間)」は、給電検知部102が給電可能状態を検知してから、給電コネクタ63が受電コネクタ83(2c)に確実に接続(挿入)されるまでに必要な距離(時間)である。
なお、本実施の形態における給電検知部は、アクチュエータの負荷電流の値に基づいて、給電可能状態を検知してもよい。すなわち、例えば、給電検知部は、給電コネクタと受電コネクタとが接続されたときに急激に増加するアクチュエータの負荷電流の値が所定の閾値を超えたときに、給電可能状態を検知してもよい。
制御部30は、給電部60の移動の停止後、給電部60から受電部80(2c)に電力を供給する(給電開始)。換言すると、給電部60は、給電検知部102が給電可能状態を検知した後に、移動棚2cに電力を供給する。電力の供給は、移動棚2cの蓄電部90(2c)の容量が最大になるまで行われる。
移動棚2cの蓄電部90(2c)の容量が最大になったとき、制御部30は、電力の供給を停止する(給電終了)。電力の供給の停止後、制御部30は、給電駆動部70を制御して、給電部60を後方へ移動(退行)させる。その結果、給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)との接続は、解除される。給電部60が筐体51に収納されたとき、移動棚装置Sの給電動作は、終了する。
このように、給電駆動部70は、給電部60が前方に隣接する移動棚2cに電力を供給するとき、給電部60を前方へ移動させる。すなわち、利用者が移動棚2を移動させて、移動棚2同士を収束させたとき、給電コネクタ63は、受電コネクタ83(2c)に接続されない。そのため、給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)とは、破損や摩耗などの不具合を生じ難い。
●移動棚(1)が斜行するときの給電動作
次いで、図1-図9を参照しながら、移動棚2が斜行するときの移動棚装置Sの給電動作について、先に説明した移動棚2が正常移動するときの移動棚装置Sの給電動作と異なる点を中心に説明する。
移動棚2bが斜行するとき、移動棚2bの給電コネクタ63は、移動棚2cの受電コネクタ83と同軸上に配置されない。そのため、移動棚2bが斜行するときの移動棚装置Sの給電動作において、給電部60が進行するときに、以下に説明する「受電部の位置調整」が実行される。
移動棚2bの給電位置への収束後、給電部60が進行すると、ガイドピン64の小径部643が移動棚2cのガイド受部84(2c)に挿入される。
図14は、小径部643がガイド受部84(2c)に挿入された状態を側方から見た模式図である。
図15は、図14に示されるガイドピン64とガイド受部84(2c)とを上方から見た模式図である。
図14と図15とは、給電部60の一部の図示と、受電部80(2c)の一部の図示と、を省略し、ガイド受部84(2c)を断面図で示す(以下、図16-図21も同じ)。
給電部60がさらに進行すると、ガイドピン64の傾斜部642がガイド受部84(2c)に当接する。
図16は、傾斜部642がガイド受部84(2c)に当接した状態を側方から見た模式図である。
図17は、図16に示されるガイドピン64とガイド受部84(2c)とを上方から見た模式図である。
給電部60がさらに進行すると、移動棚2cの弾性部材54(2c)は、ガイド受部84(2c)がガイドピン64の傾斜部642に押されることにより変形する。その結果、ガイドピン64の大径部641がガイド受部84(2c)に挿入されたとき、ガイド受部84(2c)の位置は、ガイドピン64と略同軸上に調整される。このとき、受電コネクタ83(2c)は、給電コネクタ63と略同軸上に配置される。すなわち、給電コネクタ63のピン支持部631は、受電コネクタ83(2c)の孔支持部831と対向する(図19参照)。この状態において、給電コネクタ63は、受電コネクタ83(2c)に接続可能である。
図18は、受電コネクタ83(2c)の位置が調整された状態を側方から見た模式図である。
図19は、図18に示されるガイドピン64とガイド受部84(2c)とを上方から見た模式図である。同図は、給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)とを二点鎖線で示す。
給電部60がさらに進行すると、給電部60のプラグガイド634が受電部80(2c)のガイド孔834(2c)に挿入される。このとき、プラグガイド634がガイド孔834(2c)に当接することで、受電コネクタ83(2c)の位置は、給電コネクタ63と同軸上に微調整される。このように、受電コネクタ83(2c)の位置は、ガイドピン64とガイド受部84(2c)、プラグガイド634とガイド孔834(2c)、の2段階で調整される。
受電部80(2c)の位置調整において、受電コネクタ83(2c)は、弾性部材54(2c)が変形することにより、給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)との接続方向とは異なる方向に移動する。「給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)との接続方向」とは、給電コネクタ63のピン支持部631の前面の向く方向(面方向)である。例えば、図18に示される例では、受電コネクタ83(2c)は、給電コネクタ63の面方向である前方向とは異なる上方向に移動している。図19に示される例では、受電コネクタ83(2c)は、図19の紙面反時計回り方向に回転している。
図20は、給電コネクタ63が受電コネクタ83(2c)に確実に接続された状態を側方から見た模式図である。
図21は、図20に示される状態を上方から見た模式図である。同図は、給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)とを二点鎖線で示す。
このように、弾性部材54(2c)が変形することにより、受電コネクタ83(2c)の位置は、3次元的に移動する。その結果、給電コネクタ63は、移動棚2bや移動棚2cが斜行するときであっても、確実に受電コネクタ83(2c)に接合される。
●給電コネクタの受電コネクタへの挿抜
給電コネクタ63の受電コネクタ83(2c)への挿抜時、移動棚2cには、後述する力が作用する。
給電コネクタ63が受電コネクタ83(2c)に接続(挿入)されるとき、受電部80(2c)は、給電部60から前方へ押される。すなわち、移動棚2cは、受電部80(2c)を力点とする押圧力を受けて、前方へ押される。前述のとおり、受電部80(2c)は、移動棚2cの上端部に配置される。そのため、移動棚2cは、下端部において後部が上向きの力を受け、前部が下向きの力を受ける。その結果、押圧力は、移動棚2cの前部に配置された車輪(駆動輪45(2c))に最も強く作用する。
一方、給電部60が受電部80(2c)から離れるとき、受電部80(2c)は、受電コネクタ83(2c)から給電コネクタ63を引き抜く力により、後方へ引っ張られる。すなわち、移動棚2cは、受電部80(2c)を力点とする引張力を受けて、後方へ引っ張られる。引張力は、押圧力とは反対に移動棚2cの後部に配置された車輪(従動輪46(2c))に最も強く作用する。
ここで、モータ41(2a-2d)に接続される駆動輪45(2a-2d)はモータ41(2a-2d)による制動(ブレーキ)を受けるが、従動輪46(2a-2d)は制動を受けない。そのため、力が最も強く作用する車輪が駆動輪45(2a-2d)の場合の移動棚2は、力が最も作用する車輪が従動輪46(2a-2d)の場合の移動棚2と比較して、移動しやすい。前述のとおり、移動棚2a、2bの駆動輪45(2a、2b)は駆体10の後部に配置され、移動棚2c、2dの駆動輪45(2c、2d)は駆体10の前部に配置される。すなわち、移動棚2a、2bは移動棚2c、2dより前方に移動しやすく、移動棚2c、2dは移動棚2a、2bより後方に移動しやすい。
その結果、給電部340、60(2a-2c)が受電部80(2a-2d)に接続するとき、移動棚2a、2bは前方へ移動しやすくなるが、移動棚2c、2dが移動棚2a、2bの前方への移動を規制する。一方、給電部340、60(2a-2c)が受電部80(2a-2d)から離れるとき、移動棚2c、2dは後方へ移動しやすくなるが、移動棚2a、2bが移動棚2c、2dの後方への移動を規制する。つまり、本実施の形態において、モータ41(2a-2d)は、給電駆動部350、70(2a-2c)が給電部340、60(2a-2c)を移動させている間、駆体10(2a-2d)の移動を規制する移動規制部としても機能する。
前述のとおり、各移動棚2a-2dの構成は共通する。すなわち、移動棚2a、2c、2dは、移動棚2bの給電部60と共通する給電部60(2a、2c、2d)を備え、移動棚2bの受電部80と共通する受電部80(2a、2c、2d)を備える。また、固定棚3は、移動棚2bの給電部60と共通する給電部340を備える。したがって、各移動棚2a-2dの受電部80(2a-2d)は、「受電部の位置調整」が可能である。
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、受電コネクタ83は、弾性部材54と締結部材55、56とにより筐体51にフローティング支持される。そのため、受電コネクタ83は、後方に隣接する移動棚2aの給電コネクタ63(2a)と、受電コネクタ83と、の接続方向とは異なる方向に移動可能である。その結果、給電コネクタ63(2a)は、移動棚2が斜行するときであっても、確実に受電コネクタ83に接合される。すなわち、本発明にかかる移動棚装置と移動棚とは、移動棚が斜行した状態であっても確実な受給電を実現する。
また、以上説明した実施の形態によれば、受電部80は、後方に隣接する移動棚2aの給電コネクタ63(2a)と、受電コネクタ83とを接続させるガイド受部84を備える。そのため、移動棚2aの給電部60(2a)が備えるガイドピン64(2a)がガイド受部84に挿入されることで、給電コネクタ63(2a)は、移動棚2が斜行するときであっても、確実に受電コネクタ83に接合される。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、移動棚2bは、蓄電部90の容量が所定量以下であることを報知する報知部120を備える。そのため、電力不足により移動棚2が移動不可能な状態を回避できる。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、給電駆動部70は、給電部60が前方に隣接する移動棚2cに電力を供給するとき、給電部60を移動させる。すなわち、利用者が移動棚2を利用しているとき、つまり、給電部60が移動棚2cに電力を供給していないとき、給電部60は受給電支持部50に収納されている。そのため、本発明にかかる移動棚装置と移動棚とでは、利用者が移動棚を利用しているとき、移動棚の外観が損なわれることがなく、利用者が受電コネクタに接触して感電することもない。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、移動棚2bは、給電駆動部70が給電部60を移動させている間、駆体10の移動を規制する移動規制部として機能するモータ41を備える。そのため、本発明にかかる移動棚装置と移動棚とは、給電コネクタと受電コネクタの挿抜時に移動棚の移動が抑制されて、確実な受給電を実現する。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、制御部30は、駆体駆動部40に駆体10の移動を開始させた後に、給電駆動部70に給電部60の移動を開始させる。そのため、すなわち、本発明にかかる移動棚装置と移動棚とでは、利用者が移動棚を利用しているとき、移動棚の外観が損なわれることがなく、利用者が受電コネクタに接触して感電することもない。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、制御部30は、移動検知部103が停止状態を検知した後に、給電駆動部70に給電部60の移動を開始させる。そのため、アクチュエータ71により給電コネクタ63の位置決めを細かく制御することができる。また、移動棚2の移動中に給電コネクタ63と受電コネクタ83(2c)とが接触することがなく、給電コネクタ63に過剰な応力がかかることを防ぐことができる。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、給電部60は、給電検知部102が給電可能状態を検知した後に、隣接する移動棚2cに電力を供給する。そのため、本発明にかかる移動棚装置と移動棚とは、確実な受給電を実現する。
なお、本実施の形態における移動棚は、受電コネクタが後方に隣接する移動棚から受電可能な状態(受電可能状態)を検知する受電検知部を備えてもよい。すなわち、例えば、移動棚の制御部は、微弱な信号を受電部の第2コンタクト孔に供給してもよい。この場合、受電部は、受電検知部が受電可能状態を検知した後に、隣接する移動棚からの電力を蓄電部に供給する。その結果、本発明にかかる移動棚装置と移動棚とは、確実な受給電を実現する。
また、本実施の形態における移動棚の制御部は、蓄電部の容量が所定量以下のとき、駆体駆動部による駆体の移動を制限してもよい。すなわち、例えば、制御部は、蓄電部の容量が所定量以下のとき、駆体駆動部による駆体の移動方向を後方(固定部の方向)のみに制限したり、給電位置への移動のみに制限してもよい。また、例えば、制御部は、蓄電部の容量が所定量以下のとき、移動動作における駆体の移動速度を、蓄電部の容量が所定量を超えるときの移動動作における駆体の移動速度よりも遅くなるように制御してもよい。その結果、本発明にかかる移動棚は、確実に給電位置へ移動することができ、確実な受給電を実現する。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、移動棚へ供給される電力は交流の電力であったが、移動棚へ供給される電力は、直流の電力でもよい。すなわち、例えば、固定棚がAC/DCコンバータを備えて、固定棚から前方に隣接する移動棚へ直流の電力を供給する。この場合、各移動棚は変換部を備えなくともよく、移動棚の構成を簡素化することができる。
さらにまた、本実施の形態における移動棚の制御部や、本発明における固定棚の制御部は、給電動作にかかる時間をカウントして、給電動作の異常を検知してもよい。すなわち、例えば、制御部は、微弱な信号を第2コンタクトピンに供給を開始したときから、所定の時間を経過しても微弱な信号が第2コンタクト孔に供給されないとき、給電動作に異常があると判断して、給電動作を停止(中断)させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における移動棚装置は、移動棚が固定棚に収束していなくても(移動棚と固定棚とが電気的に接続されていなくても)、後方の移動棚の蓄電部に蓄えられている電力を、前方の移動棚に供給してもよい。
さらにまた、本実施の形態における移動棚は、蓄電部に蓄えられている電力を取り出す外部出力機器(例えば、コンセントやUSB端子など)を備えてもよい。この場合、移動棚装置は、停電時に、移動棚装置以外の電気機器に電力を供給することができる。
さらにまた、本実施の形態における給電位置は、移動動作で固定棚へ収束した状態の各移動棚の位置と異なってもよい。すなわち、例えば、給電位置の棚間隔は、移動動作で固定棚へ収束した状態の棚間隔よりも狭くてもよい。この場合、給電部の移動ストロークを短くすることができる。
さらにまた、本実施の形態における給電コネクタの受電コネクタへの挿抜は、駆体駆動部による駆体の移動において実行されてもよい。この場合、給電コネクタの前方への移動は、駆体の給電位置への移動よりも先に完了する。
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、受電コネクタ支持部材81は、挿通ボルト551、561と弾性部材54とから構成される1つの機構により、筐体にフローティング支持されていた。これに代えて、本発明における受電コネクタ支持部材は、例えば、受電コネクタ支持部材の移動方向(前後方向、上下方向、左右方向など)ごとに複数の機構を組み合わせて筐体にフローティング支持されてもよい。
●本実施の形態にかかる移動棚と移動棚装置とのまとめ●
以上説明した本実施の形態にかかる移動棚と移動棚装置との特徴について、以下にまとめて記載しておく。
(特徴1)
棚板と、
前記棚板が取り付けられる駆体と、
前記駆体を移動させる駆体駆動部と、
前記駆体駆動部に供給される電力が蓄えられる蓄電部と、
前記蓄電部に蓄えられる電力を供給する給電コネクタと接続する受電コネクタを備える受電部と、
を有してなり、
前記受電コネクタは、前記給電コネクタと前記受電コネクタとの接続方向とは異なる方向に移動可能である、
ことを特徴とする移動棚。
(特徴2)
前記受電部は、
前記給電コネクタと前記受電コネクタとを接続させるガイド受部、
を備える、
特徴1記載の移動棚。
(特徴3)
前記受電コネクタが前記給電コネクタから受電可能な受電可能状態を検知する受電検知部、
を備え、
前記受電検知部が前記受電可能状態を検知した後に、前記給電コネクタから前記受電コネクタへの電力の供給が開始される、
特徴1記載の移動棚。
(特徴4)
前記蓄電部に蓄えられた電力の量が所定量以下のとき、前記駆体駆動部による前記駆体の移動が制限される、
特徴1記載の移動棚。
(特徴5)
前記蓄電部に蓄えられた電力の量が前記所定量以下であることを報知する報知部、
を備える、
特徴4記載の移動棚。
(特徴6)
隣接する第2移動棚に電力を供給する給電部と、
前記給電部を前記第2移動棚に向けて移動させる給電駆動部と、
を備え、
前記給電駆動部は、前記給電部が前記第2移動棚に電力を供給するとき、前記給電部を移動させる、
特徴1記載の移動棚。
(特徴7)
前記給電駆動部が前記給電部を移動させている間、前記駆体の移動を規制する移動規制部、
を備える、
特徴6記載の移動棚。
(特徴8)
前記駆体駆動部の動作と、前記給電駆動部の動作と、を制御する制御部、
を備え、
前記制御部は、前記駆体駆動部に前記駆体の移動を開始させた後に、前記給電駆動部に前記給電部の移動を開始させる、
特徴6記載の移動棚。
(特徴9)
前記駆体駆動部が移動させた前記駆体の停止状態を検知する移動検知部、
を備え、
前記制御部は、前記移動検知部が前記停止状態を検知した後に、前記給電駆動部に前記給電部の移動を開始させる、
特徴8記載の移動棚。
(特徴10)
前記給電部が前記第2移動棚に電力を供給可能な給電可能状態を検知する給電検知部、
を備え、
前記給電検知部が前記給電可能状態を検知した後に、前記給電部は前記第2移動棚に電力を供給する、
特徴6記載の移動棚。
(特徴11)
前記給電部は、前記給電部が前記第2移動棚に電力を供給するときのみ、前記駆体の外部に突出する、
特徴6記載の移動棚。
(特徴12)
前記給電部は、前記蓄電部に蓄えられた電力を、前記第2移動棚に供給する、
特徴6記載の移動棚。
(特徴13)
複数の移動棚、
を有してなり、
前記複数の移動棚のうち少なくとも1の移動棚は、特徴1乃至12のいずれかに記載の移動棚である、
ことを特徴とする移動棚装置。
●移動棚装置(2)●
次に、本発明にかかる移動棚装置の別の実施の形態について、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態にかかる移動棚装置は、移動棚の構成、特に、給電部の構成と受電部の構成とが第1実施形態と異なる。
●移動棚装置(2)の構成
図22は、本発明にかかる移動棚装置の別の実施の形態を示す外観図である。
移動棚装置S1000は、2つのレール1001a,1001bと、4つの移動棚1002a,1002b,1002c,1002dと、1つの固定棚1003と、を有してなる。
4つの移動棚1002(a-d)の構成は、それぞれ共通する。本実施の形態において、各移動棚1002(a-d)のそれぞれを区別する必要がないとき、それぞれを「移動棚1002」と総称する。各移動棚1002(a-d)が備える構成要素を区別するとき、移動棚1002aが備える構成要素の符号には「a」を、移動棚1002bが備える構成要素の符号には「b」を、移動棚2cが備える構成要素の符号には「c」を、移動棚2dが備える構成要素の符号には「d」を、それぞれ付す。
移動棚装置S1000は、電力により移動棚1002のそれぞれを独立に移動させて、移動棚1002の移動後に移動棚1002が占めていた空間(領域)に通路を形成する電動式の移動棚装置である。
本実施の形態において、移動棚1002の前後左右上下の方向は、第1実施形態における移動棚2の前後左右上下の方向と同様である。すなわち、例えば、移動棚1002aの前方は、移動棚1002aが固定棚1003から離れる方向(図22の紙面左方)である。各移動棚1002(a-d)は、前方から順に、移動棚1002d、移動棚1002c、移動棚1002b、移動棚1002a、の順で前後方向に並んで配置される。固定棚1003は、移動棚1002aの後方に配置される。
移動棚1002は、物品を収納するとともに、移動棚1002の利用者などの操作に従ってレール1001a,1001b上を移動する。移動棚1002は、本発明にかかる移動棚である。移動棚1002は、レール1001a,1001b上に設置される。移動棚1002は、レール1001a,1001b上を前後方向に移動可能である。移動棚1002の構成については、後述する。
本実施の形態における移動棚1002は、第1実施形態における移動棚2と同様に、正常移動するとともに、斜行することがある。
固定棚1003は、物品を収納する。固定棚1003は、レール1001a,1001bの一方側(図22の紙面右側)の端部に配置される。固定棚1003は、商用電源1004に接続されて、移動棚1002に電力を供給する給電装置としても機能する。固定棚1003の構成については、後述する。
なお、本実施の形態にかかる移動棚装置は、例えば、固定棚に代えて、本発明にかかる移動棚を備えてもよい。この場合、この移動棚は、商用電源に接続される。
●移動棚(2)●
次に、本発明にかかる移動棚の別の実施の形態について、移動棚1002bを例に説明する。
●移動棚(2)の構成
図23は、移動棚1002(b)の正面図である。
図24は、移動棚1002(b)の機能ブロック図である。
移動棚1002(b)は、駆体1010と、複数の棚板1020(1021-1026)と、制御部1030と、駆体駆動部1040と、給電部1060と、受電部1080と、蓄電部1090と、検知部1100と、変換部1130と、を備える。
駆体1010は、移動棚1002(b)の外郭を構成する。駆体1010は、台枠1011と、3つの支柱1012(1012a,1012b,1012c)と、天板1013と、2つの側板1014(1014a,1014b)と、2つのストッパ1015(1015a,1015b)と、非常用給電部1016(図26参照)と、を備える。台枠1011と支柱1012と天板1013と側板1014それぞれの構成は、台枠1011の一部の構成を除き、第1実施形態(図2参照)における台枠11と支柱12と天板13と側板14それぞれの構成と共通する。
図25は、台枠1011を上方から見た模式図である。
同図は、台枠1011の一部を切り欠いて示す。
台枠1011は、3つの桟1011a,1011b,1011cと、第1取付部1011dと、第2取付部1011eと、第3取付部1011fと、カバー挿通孔1011h1,1011h2と、を備える。第1取付部1011dと、第2取付部1011eと、第3取付部1011fと、カバー挿通孔1011h1,1011h2と、については、後述する。
3つの桟1011a-1011cは、支柱1012を支持する。台枠1011の内側は、桟1011bにより2つの領域A1,A2に区画される。領域A1,A2については、後述する。
ストッパ1015は、駆体1010と、隣接する移動棚1002(c)の駆体1010(c)と、の衝突を回避する緩衝材である。ストッパ1015は、円柱状で、例えば、ゴムなどの合成樹脂製である。ストッパ1015aは台枠1011の前面の左端寄りに配置され、ストッパ1015bは台枠1011の前面の右端寄りに配置される。
図26は、非常用給電部1016の部分拡大斜視図である。
非常用給電部1016は、蓄電部1090からの電力を携帯電話機などの外部機器に供給する。非常用給電部1016は、側板1014aに配置される。非常用給電部1016は、開閉パネル1016aと、給電端子1016bと、収納部1016cと、を備える。
開閉パネル1016aは、側板1014aに対して開閉し、給電端子1016bと収納部1016cとを保護する。給電端子1016bは、ケーブルなどを介して外部機器と接続する。給電端子1016bは、USB(Universal Serial Bus)などの端子である。収納部1016cは、給電端子1016bからの電力の供給を受ける外部機器を収容する。
なお、本実施の形態における開閉パネルと給電端子と収納部それぞれの数や構成は、図26に示される数や構成に限定されない。すなわち、例えば、開閉パネルは、側板に対して着脱可能でもよい。また、例えば、給電端子は、交流100Vのコンセントタップでもよい。
また、本実施の形態における非常用給電部は、複数の移動棚が後述する給電位置に収束したとき、複数の移動棚それぞれの蓄電部の総電力を外部機器に供給してもよい。すなわち、例えば、移動棚の管理者などにより所定の総電力となるように複数の移動棚(例えば、3つの移動棚)を連結させたとき、非常用給電部は、連結している移動棚の全ての蓄電部に蓄えられている電力を外部機器に供給してもよい。換言すれば、連結している移動棚の蓄電部それぞれは、電気的に一体化した1の仮想蓄電部として取り扱われ、同仮想蓄電部の総電力は、少なくとも1の移動棚の非常用給電部から出力される。
図24に戻る。
制御部1030は、後述する移動動作や給電動作、蓄電部1090や検知部1100の制御など移動棚1002全体の動作を制御する。制御部1030は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサなどから構成される。制御部1030は、無線通信部1031と、電力制御部1032と、駆動制御部1033と、を備える。
無線通信部1031は、他の移動棚1002a,1002c,1002dと固定棚1003と、無線通信回線を介して通信する。すなわち、移動棚1002bは、無線通信回線を介して、他の移動棚1002a,1002c,1002dと固定棚1003との間で信号を送受信する。無線通信部1031は、駆体1010の左上端に、アンテナを天板1013から突出させた状態で配置される。
なお、本実施の形態における無線通信部は、アンテナを駆体から突出させない状態で駆体の内部に収容されてもよい。この場合、駆体のうち、無線通信部が収容されている部分は、電波を遮断しない材料で構成される。
電力制御部1032は、受電部1080から蓄電部1090への電力の供給と、蓄電部1090から給電部1060への電力の放出と、を制御する。電力制御部1032の動作については、後述する。
駆動制御部1033は、駆体駆動部1040の動作を制御する。駆動制御部1033の動作については、後述する。
駆体駆動部1040は、駆体1010の移動と停止とを行う。駆体駆動部1040は、図25に示されるように、モータ1041と、動力伝達機構1042と、第1回転軸1043と、第2回転軸1044と、2つの駆動輪1045(1045a,1045b)と、2つの従動輪1046(1046a,1046b)と、を備える。モータ1041と動力伝達機構1042とは、領域A1に配置される。モータ1041と動力伝達機構1042と第1回転軸1043と第2回転軸1044と駆動輪1045と従動輪1046それぞれの構成は、第1実施形態(図4参照)におけるモータ41と動力伝達機構42と第1回転軸43と第2回転軸44と駆動輪45と従動輪46それぞれの構成と共通する。
図27は、給電部1060の正面図である。
図28は、図27の給電部1060のA-A線断面図である。
図29は、給電部1060の背面図である。
給電部1060は、前方に隣接する移動棚1002(c)に電力を供給(給電)する。給電部1060は、本発明における第2導電ユニットである。給電部1060は、給電電極カバー1061と、給電電極部1062と、スライド部材1063と、を備える。
給電電極カバー1061は、給電電極部1062を保護する。給電電極カバー1061は、円筒状で、非導電性の合成樹脂製である。給電電極カバー1061は、本発明における第2電極カバーである。給電電極カバー1061は、スライド部材1063の前面中央に固定される。給電電極カバー1061は、挿入孔1061hを備える。
挿入孔1061hは、後述する給電動作時に移動棚1002cの受電電極部1082(c)が挿入される、略角柱状の孔である。挿入孔1061hは、給電電極カバー1061の中心軸上に配置され、給電電極カバー1061を前後方向に貫通する。挿入孔1061hの前端部は、前端に向かうに連れて開口面積が大きくなるようにテーパ状の部分(以下「テーパ部」という。)1061haを構成する。すなわち、テーパ部1061haは、底面を前方に向けた四角錐台状に開口する。
なお、本実施の形態におけるテーパ部は、例えば、底面を前方に向けた円錐台状でもよい。
給電電極部1062は、移動棚1002(c)の受電電極部1082(c)との間で電力が伝送される経路(以下「電力経路」という。)を形成する。換言すれば、給電電極部1062は、ケーブル(不図示)などを介して蓄電部1090と受電電極部1082(c)との間の電力経路を形成する。給電電極部1062は、本発明における第2電極である。給電電極部1062は、第1給電電極1062aと、第2給電電極1062bと、を備える。
第1給電電極1062aと第2給電電極1062bとは、側方視において略V字状の薄板ばねで、導電性を有する金属製である。第1給電電極1062aと第2給電電極1062bとにおいて、板ばね全体が本発明における付勢部であり、V字の一辺側の板部分は本発明における接続部を兼ねる。
なお、本実施の形態における第1給電電極は、例えば、板状の接続部と、同接続部を支持するばねと、で構成されてもよい。第2給電電極についても同様である。
第1給電電極1062aは、V字の頂点部分を前方に向けて、給電電極カバー1061の挿入孔1061hの左内側面に、テーパ部1061haに隣接して配置される。第2給電電極1062bは、V字の頂点部分を前方に向けて、給電電極カバー1061の挿入孔1061hの右内側面に、テーパ部1061haに隣接して配置される。第1給電電極1062aと第2給電電極1062bそれぞれの接続部は、給電電極カバー1061の中心軸側に配置される。そのため、第1給電電極1062aの接続部は、第1給電電極1062a自体(弾性部)の弾性により第2給電電極1062bに向けて付勢される。第2給電電極1062bの接続部は、第2給電電極1062b自体(弾性部)の弾性により第1給電電極1062aに向けて付勢される。
スライド部材1063は、給電電極カバー1061と給電電極部1062とを、駆体1010に対して上下左右方向(図29の紙面上下左右方向)にスライド(移動)させる。スライド部材1063は、板状である。スライド部材1063は、台枠1011の内側であって、カバー挿通孔1011h1の後方に配置される(図28参照)。スライド部材1063は、第1スライド孔1063h1と第2スライド孔1063h2とを備える。
第1スライド孔1063h1と第2スライド孔1063h2とは、スライド部材1063の移動範囲を規制する。第1スライド孔1063h1と第2スライド孔1063h2とは、同一の左右方向に長い長円状である。第1スライド孔1063h1は、スライド部材1063の左端に配置される。第2スライド孔63h2は、スライド部材1063の右端に配置される。すなわち、第1スライド孔1063h1と第2スライド孔1063h2とは、給電電極カバー1061を挟んで左右に対象の位置に配置される。
給電部1060は、第1取付部1011dと第2取付部1011eとにより、台枠1011の左前部に取り付けられる。このとき、給電電極カバー1061は、カバー挿通孔1011h1に挿通されて、台枠1011の前方に突出する。給電電極カバー1061の突出量は、ストッパ1015a(1015)の突出量よりも少ない。
第1取付部1011dと第2取付部1011eとは、給電部1060を台枠1011に取り付ける。
第1取付部1011dは、第1ネジ1011d1と、円筒状の第1カラー1011d2と、第1ワッシャ1011d3と、第1ナット1011d4と、を備える。
第1ネジ1011d1は、第1カラー1011d2に挿通された状態で台枠1011の左前部に配置される。第1ネジ1011d1と第1カラー1011d2とは、台枠1011の内側(領域A1内)に突出して、スライド部材1063の第1スライド孔1063h1に挿通される。第1ワッシャ1011d3と第1ナット1011d4とは、第1ネジ1011d1に取り付けられる。すなわち、スライド部材1063は、領域A1内に配置される。その結果、給電部1060は、第1スライド孔1063h1の長手方向(左右方向)の長さと第1カラー1011d2の外径との差分に応じて左右方向にスライド可能であり、第1スライド孔1063h1の短手方向(上下方向)の長さと第1カラー1011d2の外径との差分に応じて上下方向にスライド可能である。また、給電部1060は、第1カラー1011d2の長さに応じて、台枠1011の内面と第1ワッシャ1011d3との間を前後方向に移動可能である(図28の2点鎖線を参照)。
第2取付部1011eは、第2ネジ1011e1と、円筒状の第2カラー1011e2と、第2ワッシャ1011e3と、第2ナット1011e4と、を備える。
第2ネジ1011e1は、第2カラー1011e2に挿通された状態で台枠1011の左前部に配置される。第2ネジ1011e1と第2カラー1011e2とは、台枠1011の内側(領域A1内)に突出して、スライド部材1063の第2スライド孔1063h2に挿通される。第2ワッシャ1011e3と第2ナット1011e4とは、第2ネジ1011e1に取り付けられる。その結果、給電部1060は、第2スライド孔1063h2の長手方向(左右方向)の長さと第2カラー1011e2の外径との差分に応じて左右方向にスライド可能であり、第2スライド孔1063h2の短手方向(上下方向)の長さと第2カラー1011e2の外径との差分に応じて上下方向にスライド可能である。また、給電部1060は、第2カラー1011e2の長さに応じて、台枠1011の内面と第2ワッシャ1011e3との間を前後方向に移動可能である。
このように、給電部1060は、第1取付部1011dと第2取付部1011eとにより、台枠1011に対してフローティング支持される。換言すれば、スライド部材1063は、給電電極カバー1061や給電電極部1062をフローティング支持する。そのため、給電部1060は、スライド部材1063を通る鉛直軸を中心に揺動可能である。
図30は、受電部1080の正面図である。
図31は、図30の受電部1080のB-B線断面図である。
受電部1080は、後方に隣接する移動棚1002(a)から供給された電力を、蓄電部90(図24参照)に供給する。受電部1080は、本発明における第1導電ユニットである。受電部1080は、受電電極カバー1081と、受電電極部1082と、第1軸1083と、第2軸1084と、第1ばね1085と、第2ばね1086と、を備える。
受電電極カバー1081は、円筒状で、非導電性の合成樹脂製である。受電電極カバー1081は、本発明における第1電極カバーである。受電電極カバー1081の一端(前端)は、左右方向に延びてフランジ部1081aを構成する。受電電極カバー1081は、カバー挿通孔1011h2に挿通されて、台枠1011の後方に突出する。受電電極カバー1081は、挿入孔1081h1と、第1ガイド孔1081h2と、第2ガイド孔1081h3と、を備える。
挿入孔1081h1は、受電電極部1082が挿入される矩形状の孔である。挿入孔1081h1は、受電電極カバー1081の中心軸上に配置され、受電電極カバー1081を前後方向に貫通する。
第1ガイド孔1081h2は、第1軸1083が挿通される孔である。第1ガイド孔1081h2は、フランジ部1081aの左端寄りに配置される。第2ガイド孔1081h3は、第2軸1084が挿通される孔である。第2ガイド孔1081h3は、フランジ部1081aの右端寄りに配置される。
受電電極部1082は、移動棚1002(a)の給電電極部1062(a)との間で電力経路を形成する。換言すれば、受電電極部1082は、ケーブル(不図示)を介して、蓄電部1090と給電電極部1062(a)との間の電力経路を形成する。受電電極部1082は、本発明における第1電極である。受電電極部1082は、第1受電電極1082aと、第2受電電極1082bと、電極支持軸1082cと、を備える。
第1受電電極1082aと第2受電電極1082bとは、矩形板状で、導電性を有する金属製である。電極支持軸1082cは、角柱状で、合成樹脂製である。第1受電電極1082aは、電極支持軸1082cの左側面に取り付けられる。第2受電電極1082bは、電極支持軸1082cの右側面に取り付けられる。
このように構成される受電電極部1082は、角柱状である。受電電極部1082は、軸方向を前後方向に向けた状態で第3取付部1011fに取り付けられる。受電電極部1082の後半部は、受電電極カバー1081の挿入孔1081h1に配置(挿入)される。このとき、受電電極部1082の後半部は、受電電極カバー1081から突出しない(露出しない)。
第3取付部1011fは、L字状の薄板状で、面を前後方向と上下方向とに向けた状態で、台枠1011の左後端部の内側(領域A1内)に配置される。
第1軸1083と第2軸1084とは、受電電極カバー1081の前後方向の移動をガイドする。第1軸1083は、第1ガイド孔1081h2に挿通され、軸方向を前後方向に向けた状態で第3取付部1011fに取り付けられる。第2軸1084は、第2ガイド孔1081h3に挿通され、軸方向を前後方向に向けた状態で第3取付部1011fに取り付けられる。
第1ばね1085と第2ばねとは、受電電極カバー1081を後方(台枠1011の後端の内面)に付勢する。第1ばね1085と第2ばね1086とは、例えば、つるまきばねである。第1ばね1085は、第1軸1083の外周に沿って、フランジ部1081aと第3取付部1011fとの間に配置される。第2ばね1086は、第2軸1084の外周に沿って、フランジ部1081aと第3取付部1011fとの間に配置される。
このように、受電部1080が台枠1011に取り付けられることにより、受電電極カバー1081は、第1軸1083と第2軸1084とを軸として、前後方向に移動可能である(図31の2点鎖線を参照)。すなわち、受電電極カバー1081は、領域A1内を前後方向に移動可能である。その結果、受電電極部1082は、受電電極カバー1081が前進すると挿入孔1081h1から後方へ突出し、受電電極カバー1081が後退すると挿入孔1081h1に収容される。
図24に戻る。
蓄電部1090は、駆体駆動部1040、検知部1100、その他移動棚1002が備える電力消費部材(例えば、非常用給電部1016や、不図示の通路照明)などに供給される電力を蓄える。蓄電部1090は、例えば、複数の電池セルから構成される蓄電池である。蓄電部1090に蓄えられた電力の量(以下「容量」という。)や蓄電部1090の状態は、蓄電部1090から制御部1030に送信される。
検知部1100は、駆体1010と隣接する移動棚1002(a),1002(c)との棚間隔や、給電中の駆体1010の移動(振動)、などを検知する。検知部1100の検知結果は、制御部1030に送信される。検知部1100は、間隔検知部1101と、移動検知部1103と、振動検知部1104と、を備える。
間隔検知部1101は、棚間隔を検知する。間隔検知部1101の構成は、第1実施形態における間隔検知部101の構成と共通する。間隔検知部1101は、給電部1060と水平方向に並んで台枠1011の左前部の内側(領域A1内)に配置されると共に、受電部1080と水平後方に並んで配置され、台枠1011の左後部の内側(領域A1内)に配置される。
このように、間隔検知部1101が給電部1060と受電部1080とに水平方向に並んで駆体1010に配置されることで、間隔検知部1101の検知結果と、給電部1060と同給電部1060に対向する受電部1080(c)との間隔や、受電部1080と同受電部1080に対向する給電部1060(a)との間隔と、の誤差が小さくなり、後述する給電動作の精度が向上する。
また、前述したとおり、モータ1041と間隔検知部1101とが同一の領域A1内に配置されることにより、移動棚が斜行した場合であっても、検知部の検知結果と、給電部と受電部との間隔と、の関係が安定する。その結果、給電部と受電部との位置決め精度が向上し、後述する給電動作や移動動作の精度が向上する。すなわち、モータ1041と給電部1060と受電部1080と間隔検知部1101とが領域A1内に配置されること、換言すれば、モータ1041と給電部1060と受電部1080と間隔検知部1101とが近接して配置されることにより、後述する給電動作や移動動作の精度が向上する。
なお、本実施の形態における間隔検知部の構成は、駆体と、隣接する棚(移動棚1002、固定棚1003)と、の間隔を検知可能であれば、超音波式の距離センサに限定されない。すなわち、例えば、本実施の形態における間隔検知部は、接触式のスイッチや、レーザ距離計、板状のドグとU字状の光電センサとの組み合わせ、などでもよい。
移動検知部1103は、駆体1010が移動している「移動状態」と、駆体1010が停止している「停止状態」と、を検知する。移動検知部1103の構成は、第1実施形態における移動検知部103と共通する。
振動検知部1104は、駆体1010の振動を検知する。振動検知部1104は、例えば、転倒センサや加速度センサなどである。
なお、本実施の形態における振動検知部は、通信部を介して緊急地震速報などの情報を受信することにより駆体の振動を予測(検知)してもよく、あるいは、移動検知部の機能の1つとして実装されてもよい。
操作部1110は、移動棚1002の利用者の操作に応じた操作信号を制御部1030に送信する。操作部1110は、前方移動スイッチ1111と後方移動スイッチ1112とを備える(図22参照)。前方移動スイッチ1111と後方移動スイッチ1112それぞれの構成は、第1実施形態における前方移動スイッチ111と後方移動スイッチ112それぞれの構成と共通する。
変換部1130は、受電部1080から蓄電部1090へ供給される交流の電力を直流の電力に変換すると共に、蓄電部1090から給電部1060へ供給される直流の電力を交流の電力に変換する。変換部1130は、例えば、AC/DC変換器やパワーコンディショナなどである。変換部1130の構成は、第1実施形態における変換部130の構成と共通する。
●固定棚(2)●
次に、固定棚1003について説明する。
●固定棚(2)の構成
図32は、固定棚1003の機能ブロック図である。
固定棚1003は、駆体1310(図22参照)と、複数の棚板(不図示)と、制御部1320と、給電部1340と、操作部1360と、表示部1370と、報知部1380と、を備える。
駆体1310は、台枠(不図示)と、複数の支柱(不図示)と、天板と、側板1314と、を備える。台枠と支柱と天板と側板1314それぞれの構成は、第1実施形態における固定棚1003の台枠と支柱と天板313と側板314それぞれの構成と共通する。
棚板の構成は、第1実施形態における棚板の構成と同じである。
制御部1320は、各移動棚1002(a-d)の移動の制御や、各移動棚1002(a-d)の蓄電部1090(a-d)の容量の制御、などを行う。制御部1320は、各移動棚1002(a-d)と通信するための無線通信部1321を備える。制御部1320は、無線通信回線を介して、各移動棚1002(a-d)への制御信号(例えば、後述する給電信号など)を送信する。無線通信部1031の配置は、各移動棚1002(a-d)の無線通信部1031(a-d)と共通する(図22参照)。
給電部1340は、前方に隣接する移動棚1002(a)の受電部1080(a)に電力を供給する。給電部1340は、本発明における第1外部導電ユニットの例である。給電部1340の構成は、移動棚1002の給電部1060の構成と共通する。すなわち、給電部1340は、給電電極カバー1341と給電電極部1342とスライド部材1343とを備える。給電部1340は、給電部1060と同様に、台枠の左前部にフローティング支持される。
操作部1360は、例えば、移動棚装置S1000の管理者の操作に応じた操作信号を制御部1320に送信する。操作部1360は、給電ボタン1361(図22参照)を備える。給電ボタン1361が管理者に操作されたとき、給電ボタン1361は、後述する給電動作を開始する給電信号を制御部1320に送信する。
表示部1370は、制御部1320からの信号に基づいて、各移動棚1002(a-d)の蓄電部1090(a-d)それぞれの容量や総容量、蓄電部1090(a-d)の状態などを表示する。
報知部1380は、制御部1320からの信号に基づいて、各移動棚1002(a-d)の蓄電部1090(a-d)それぞれの容量や総容量に基づく報知情報を固定棚1003の外部に向けて報知する。報知部1380は、例えば、LED(Light-emitting diode)などの発光体である。報知部1380は、発光の色や、発光の状態(点灯、点滅、消灯、ディマー点灯など)により、蓄電部1090(a-d)の容量の状況を移動棚装置S1000の外部に向けて報知する。報知部1380は、側板1314に配置される。
なお、本実施の形態における報知部は、各移動棚の蓄電部それぞれの容量を報知してもよく、あるいは、各移動棚の蓄電部それぞれの容量を合算した総容量(移動棚装置全体の容量)を報知してもよい。
●移動棚装置(2)の動作●
次に、移動棚装置S1000の動作について、第1実施形態における移動棚装置Sの動作と異なる点を中心に説明する。移動棚装置S1000の動作は、移動動作と給電動作とを含む。ここで、移動棚装置S1000の動作における給電部1060と受電部1080との関係は、第1実施形態の移動棚装置Sにおける給電部60と受電部80との関係と異なる。そのため、移動棚装置S1000の動作について、給電部1060と受電部1080との関係を中心に、以下説明する。
●移動棚装置(2)の移動動作
先ず、移動棚装置S1000の移動動作について、移動棚1002(b)が移動棚1002(a)に収束する場合を例に、説明する。
「移動動作」は、各移動棚1002(a-d)が通路を形成するために移動する動作や、各移動棚1002(a-d)が収束する動作である。
図33は、収束前の移動棚1002(b)の受電部1080(b)と移動棚1002(a)の給電部1060(a)との状態を上方から見た模式図である。同図は、受電部1080(b)と給電部1060(a)とが離れた状態で対向していることを示す。
図33に示される状態において、移動棚1002(b)の後方移動スイッチ1112(b)(図22参照)が利用者により操作されたとき、駆動制御部1033(b)は、駆体駆動部1040(b)を制御して、駆体1010(b)を後方へ移動させる。その結果、移動棚1002(b)は、移動棚1002(a)に向けて後方へ移動する。このとき、受電部1080(b)は給電部1060(a)へ近づき、受電部1080(b)の受電電極カバー1081(b)が給電部1060(a)の給電電極カバー1061(a)に当接する。
図34は、受電電極カバー1081(b)が給電電極カバー1061(a)に当接した状態を上から見た模式図である。
受電電極カバー1081(b)が給電電極カバー1061(a)に当接したとき、挿入孔1081h1(b)は、挿入孔1061h(a)と連通する。
図34の状態から移動棚1002(b)がさらに後方へ移動すると、受電電極カバー1081(b)は、給電電極カバー1061(a)を後方へ押し込みながら後進して、所定の棚間隔になると停止する(移動棚1002(b)が移動棚1002(a)に収束する)。
図35は、移動棚1002bが移動棚1002(a)に収束したときの受電部1080(b)と給電部1060(a)とを上から見た模式図である。
移動棚1002(b)が移動棚1002(a)に収束したとき、受電電極部1082(a)の後端部は、給電電極カバー1061(b)の挿入孔1061h(a)のテーパ部1061ha(a)に挿入される。このとき、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)に接続されない。すなわち、利用者が移動棚1002を移動させて、移動棚1002同士を収束させたとき、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)に接続されない。つまり、電力経路は、受電電極部1082(b)と給電電極部1062(a)との間(蓄電部1090(b)と給電電極部1062(a)との間)に形成されない。そのため、移動動作において、給電電極部1062と受電電極部1082とは、破損や摩耗などの不具合を生じ難い。
移動棚1002の収束前において、受電電極部1082は、受電電極カバー1081の挿入孔1081h1に配置され、給電電極部1062は、給電電極カバー1061の挿入孔1061hに配置される。一方、移動棚1002の収束後において、受電電極部1082は、給電電極カバー1061の挿入孔1061hと受電電極カバー1081の挿入孔1081h1とに配置され、給電電極部1062は、給電電極カバー1061の挿入孔1061hに配置される。
このように、給電電極部1062は、常に給電電極カバー1061の内部に配置されるため、常に給電電極カバー1061から露出しない。また、受電電極部1082は、移動棚1002の収束前において受電電極カバー1081の内部に配置され、移動棚1002の収束後において受電電極カバー1081と給電電極カバー1061それぞれの内部に配置される。そのため、受電電極部1082は、常に受電電極カバー1081や給電電極カバー1061から露出しない。
●移動棚装置(2)の給電動作
次に、移動棚装置S1000の給電動作について、説明する。
図36は、給電動作中の移動棚装置S1000の機能ブロック図である。
「給電動作」は、各移動棚1002(a-d)を給電位置に移動(収束)させて、商用電源4からの電力を各移動棚1002(a-d)の蓄電部1090(a-d)への供給を開始する(給電する)動作である。給電動作は、例えば、各移動棚1002(a-d)のうち、少なくとも1の移動棚1002(a-d)の蓄電部1090(a-d)の容量が所定量以下のとき、あるいは、各蓄電部1090(a-d)の容量とは無関係に定期的に実行される。
「給電位置」は、各移動棚1002(a-d)に電力を供給するために、各移動棚1002(a-d)が商用電源4を供給する棚(本実施の形態では固定棚1003)に収束する位置である。各移動棚1002(a-d)が給電位置に収束したときの棚間隔は、各移動棚1002(a-d)が移動動作で収束したときの棚間隔よりも狭い。給電動作における各移動棚1002(a-d)の移動速度は、移動動作における各移動棚1002(a-d)の移動速度よりも遅い。その結果、給電部1340,1060(a-c)に対する受電部1080(a-d)の位置決め精度は、向上する。
なお、本実施の形態における給電位置は、移動動作で固定棚へ収束した状態の各移動棚の位置と同じ位置でもよい。
また、本実施の形態における給電動作での移動棚の移動速度は、移動動作中の移動棚の移動速度と同じでもよい。
移動棚1002が給電位置に収束したとき、受電部1080(a)は、給電部1340と電気的に接続され、蓄電部1090(a)と給電部1340との間で電力経路を形成する。給電部1060(a)は、受電部1080(b)と電気的に接続され、蓄電部1090(a)と受電部1080(b)との間で電力経路を形成する。受電部1080(b)は、給電部1060(a)と電気的に接続され、蓄電部1090(b)と給電部1060(a)との間で電力経路を形成する。給電部1060(b)は、受電部1080(c)と電気的に接続され、蓄電部1090(b)と受電部1080(c)との間で電力経路を形成する。受電部1080(c)は、給電部1060(b)と電気的に接続され、蓄電部1090(c)と給電部1060(b)との間で電力経路を形成する。給電部1060(c)は、受電部1080(d)と電気的に接続され、蓄電部1090(c)と受電部1080(d)との間で電力経路を形成する。受電部1080(d)は、給電部1060(c)と電気的に接続され、蓄電部1090(d)と給電部1060(c)との間で電力経路を形成する。
移動棚1002(a)において、固定棚1003は本発明における第1棚であり、給電部1340は本発明における第1外部導電ユニットである。移動棚1002(b)において、移動棚1002(a)は本発明における第1棚であり、給電部1060(a)は本発明における第1外部導電ユニットである。移動棚1002(c)において、移動棚1002(b)は本発明における第1棚であり、給電部1060(b)は本発明における第1外部導電ユニットである。移動棚1002(d)において、移動棚1002(c)は本発明における第1棚であり、給電部1060(c)は本発明における第1外部導電ユニットである。
一方、移動棚1002(a)において、移動棚1002bは本発明における第2棚であり、受電部1080(b)は本発明における第2外部導電ユニットである。移動棚1002(b)において、移動棚1002(c)は本発明における第2棚であり、受電部1080(c)は本発明における第2外部導電ユニットである。移動棚1002(c)において、移動棚1002(d)は本発明における第2棚であり、受電部1080(d)は本発明における第2外部導電ユニットである。
なお、本実施の形態における第1棚は、第2棚と入れ替わってもよい。その結果、本発明における第1外部導電ユニットは、第2外部導電ユニットと入れ替わってもよい。
●移動棚が正常移動するときの給電動作
先ず、移動棚1002が正常移動するときの移動棚装置S1000の給電動作を、移動棚1002(a)から移動棚1002(b)への電力の供給を例に説明する。
固定棚1003の給電ボタン1361(図22参照)が操作されると、移動棚装置S1000は、給電動作を実行する。すなわち、制御部1030(b)は、制御部1320からの信号(給電信号)に基づいて、移動棚1002(b)を給電位置に移動させるため、駆体駆動部1040(b)を制御して、駆体1010(b)の後方への移動を開始させる。
なお、本実施の形態にかかる移動棚装置は、各移動棚の蓄電部の容量が所定量以下になったときに、給電動作を自動的に実行してもよい。すなわち、例えば、蓄電部の容量が所定量以下になったとき、各移動棚の制御部は、駆体駆動部を制御して駆体を給電位置へ移動させ、後述する給電動作を実行してもよい。
また、本実施の形態にかかる移動棚装置は、通路内に人や物などの異物を検知する異物検知部を備え、同異物検知部の検知結果に基づいて、通路内に異物が存在しないときに、給電動作を実行してもよい。
さらに、本実施の形態にかかる移動棚装置は、移動棚装置の管理者などにより設定された時間になったときに、給電動作を自動的に実行してもよい。設定された時間は、例えば、0時-4時などの移動棚装置が利用されない夜中の時間であり、公知のタイマー機器などを用いて設定される。すなわち、例えば、設定された時間になったとき、各移動棚の制御部は、駆体駆動部を制御して駆体を給電位置へ移動させ、後述する給電動作を実行してもよい。
駆動制御部1033(b)(図24参照)は、給電動作における駆体1010(b)の移動速度を、移動動作における駆体1010(b)の移動速度よりも遅くなるように駆体駆動部1040(b)(図24参照)を制御する。換言すれば、蓄電部1090(b)と給電部1060(a)との間に電力経路が形成されるときの駆体1010(b)の移動速度は、蓄電部1090(b)と給電部1060(a)との間に電力経路が形成されていないときの駆体1010(b)の移動速度よりも遅い。
受電電極カバー1081(b)が給電電極カバー1061(a)に当接したとき(図34参照)、受電電極カバー1081(b)は、給電電極カバー1061(a)により駆体1010(b)内に押し込まれる(図35参照)。
移動棚1002(b)が図35に示される状態からさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、挿入孔1061h(a)に挿入されて、給電電極部1062(a)に当接する。
受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に当接したとき、受電電極部1082(b)は、給電電極カバー1061(a)の内部で給電電極部1062(a)と電気的に接続される。このとき、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)との間の電力経路(第1電力経路)を形成する。一方、給電電極部1062(a)は、受電電極部1082(b)との間の電力経路(第2電力経路)を形成する。
このように、第1電力経路(第2電力経路)が形成されたとき、受電電極部1082(b)は、給電電極カバー1061(a)の内部と、受電電極カバー1081(b)の内部と、に配置される。そのため、第1電力経路(第2電力経路)が形成されたとき、受電電極部1082(b)は、受電電極カバー1081(b)と給電電極カバー1061(a)それぞれから露出しない。一方、前述のとおり、給電電極部1062(a)は、給電電極カバー1061(a)から露出しない。その結果、給電電極部1062(a)から受電電極部1082(b)に電力が供給されている間の感電や漏電などの危険はなく、移動棚装置S1000の利用者の安全性が確保される。
駆体1010(b)がさらに移動したとき、受電電極部1082(b)は、給電電極部(a)に嵌合される。
図37は、受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合された状態を上方から見た模式図である。
受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合されたとき、第1給電電極1062a(a)と第2給電電極1062b(a)それぞれの接合部は、受電電極部1082(b)により、左右方向(図37の紙面上下方向)に押し込まれる。そのため、第1給電電極1062a(a)と第2給電電極1062b(a)それぞれの接合部は、受電電極部1082(b)に向けて付勢される。その結果、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)と確実に接続される。
ここで、間隔検知部1101(b)(図24参照)が検知する棚間隔は、受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合されたとき、第1閾値以下となる。「第1閾値」は、棚間隔が受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に十分に嵌合されている間隔に到達したことを示す閾値である。すなわち、第1閾値は、移動棚1002が給電位置に到達したことを示す閾値である。
間隔検知部1101(b)の検知結果が第1閾値に到達したとき、駆動制御部1033(b)は、駆体駆動部1040(b)を制御して(駆体駆動部1040(b)の動作を停止させて)駆体1010(b)の移動を停止させる。このとき、駆体1010(b)は、慣性により僅かに後方に移動する。すなわち、間隔検知部1101(b)の検知結果は、第1閾値以下になる。
棚間隔が第1閾値以下、かつ、駆動制御部1033(b)が駆体駆動部1040(b)の動作を停止させたとき、電力制御部1032(a)(図24参照)は、第2電力経路を介して、蓄電部1090(a)から受電部1080(b)への電力の放出を開始する。一方、電力制御部1032(b)は、第1電力経路を介して、給電部1060(a)から蓄電部1090(b)への電力の供給を開始する。そのため、蓄電部1090(a)からの電力は確実に受電部1080(b)へ放出(供給)されて、確実に蓄電部1090(b)に供給される。
蓄電部1090(b)への電力の供給中に、振動検知部1104(b)(図24参照)が駆体1010(b)の振動を検知したとき、電力制御部1032(b)は、振動検知部1104(b)の検知結果に基づいて、蓄電部1090(b)への電力の供給を停止する。具体的には、電力制御部1032(b)は、振動検知部1104(b)の検知結果が所定の閾値(第3閾値)以上のとき、蓄電部1090(b)への電力の供給を停止する。
一方、蓄電部1090(a)からの電力の放出中に、振動検知部1104(a)が駆体1010(a)の振動を検知したとき、電力制御部1032(a)は、振動検知部1104(a)の検知結果に基づいて、蓄電部1090(a)からの電力の放出を停止する。具体的には、電力制御部1032(a)は、振動検知部1104(a)の検知結果が所定の閾値(第3閾値)以上のとき、蓄電部1090(a)からの電力の放出を停止する。
このように、電力制御部1032は、蓄電部1090への電力の供給中、または、蓄電部1090からの電力の放出中に駆体1010の振動を検知したとき、蓄電部1090への電力の供給、または、蓄電部1090からの電力の放出を停止する。その結果、電力の供給や放出中に地震による移動棚の移動(振動)や、人為的な移動棚1002の移動(振動)が発生したとき、電力制御部1032は、自動的に電力の供給や放出を停止する。
なお、本実施の形態における電力制御部は、間隔検知部の検知結果に基づいて、蓄電部への電力の供給や、蓄電部からの電力の放出を停止してもよい。すなわち、例えば、電力制御部は、棚間隔が第1閾値以下であって、所定の閾値(第2閾値)を超えて変動したとき、蓄電部への電力の供給や、蓄電部からの電力の放出を停止する。
蓄電部1090(b)の容量が満量となったとき、電力制御部1032(a)は蓄電部1090(a)からの電力の放出を停止し、電力制御部1032(b)は蓄電部1090(b)への電力の供給を停止する。
なお、本実施の形態における給電動作での各蓄電部への電力は、前方に隣接する移動棚の蓄電部からではなく、商用電源から供給されてもよい。すなわち、例えば、各移動棚は、給電動作時に受電部から給電部に接続される電力経路を別途備えてもよい。この場合であっても、蓄電部への電力は、受電部と、隣接する移動棚の給電部と、を介して供給されるため、第1電力経路は形成される。
●移動棚が左右方向にずれて移動するときの給電動作
次に、移動棚1002が左右方向にずれて移動するときの移動棚装置S1000の給電動作を、移動棚1002(a)から移動棚1002(b)への電力の供給を例に説明する。
移動棚1002が左右方向にずれて移動するとき、受電電極部1082(b)は、挿入孔1061h(a)に挿入され、給電電極カバー1061(a)のテーパ部1061ha(a)に当接する。
図38は、受電電極部1082(b)が給電電極カバー1061(a)のテーパ部1061ha(a)に当接した状態を上方から見た模式図である。同図は、移動棚1002(b)が移動棚1002(a)よりも右にずれていることを示す。
移動棚1002(b)が図38に示される状態からさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、テーパ部1061ha(a)を押圧する。その結果、給電電極カバー1061(a)は、テーパ部1061ha(a)の傾斜に応じて右方向、すなわち、駆体1010(a)の移動方向(前後方向:図38の紙面左右方向)とは異なる方向に移動する。給電電極カバー1061(a)の移動は、スライド部材1063(a)(図28参照)の動作により実行される。
移動棚1002(b)がさらに移動すると、給電電極カバー1061(a)は、さらに右方向に移動する。受電電極部1082(b)は、テーパ部1061ha(a)内を後方へ移動する。
移動棚1002(b)がさらに移動すると、受電電極部1082(b)は第2給電電極1062b(a)に当接する。
図39は、受電電極部1082(b)が第2給電電極1062b(a)(給電電極部1062(a))に当接した状態を示す模式図である。
移動棚1002(b)が図39に示される状態からさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、第2給電電極1062b(a)の接続部を右方向に押圧する。このとき、同接続部は、第2給電電極1062b(a)自体(付勢部)の弾性により受電電極部1082(b)に向けて付勢される。すなわち、第2給電電極1062b(a)は、受電電極部1082(b)を押圧する。その結果、給電電極カバー1061(a)は、第2給電電極1062b(a)の弾性によりさらに右方向に移動する。
次いで、受電電極部1082(b)は、第1給電電極1062a(a)に当接する。
移動棚1002(b)がさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、第1給電電極1062a(a)の接続部を左方向に押圧する。このとき、同接続部は、第1給電電極1062a(a)自体(付勢部)の弾性により受電電極部1082(b)に向けて付勢される。すなわち、第1給電電極1062a(a)は、受電電極部1082(b)を押圧する。その結果、給電電極カバー1061(a)は、第1給電電極1062a(a)の弾性によりさらに右方向に移動する。
駆体1010(b)がさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)に嵌合される。
図40は、受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合された状態を示す模式図である。
受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合されると、第1給電電極1062a(a)が受電電極部1082(b)を押圧する力は、第2給電電極1062b(a)が受電電極部1082(b)を押圧する力と釣り合う。そのため、給電電極カバー1061(a)の右方向への移動は、停止する。その後の給電動作は、移動棚1002が正常移動するときの給電動作と同じである。
このように、給電動作中に移動棚1002が左右方向にずれて移動しても、給電部1060は、スライド部材1063の動作により、左右方向(駆体1010の移動方向と異なる方向)に移動する。そのため、受電電極部1082は、給電電極部1062と確実に嵌合する。
●移動棚が斜行するときの給電動作
次に、移動棚1002が斜行するときの移動棚装置S1000の給電動作を、移動棚1002(a)から移動棚1002(b)への電力の供給を例に説明する。この場合において、斜行する移動棚1002は、移動棚1002(b)とする。移動棚1002(b)の傾斜(回転)の方向は、移動棚1002(a)に対して、上方視において時計回り方向とする。
移動棚1002が斜行するときの移動棚装置S1000の給電動作は、給電部1060が左右方向だけでなく、上方視において回転する方向に移動する点を除いて、移動棚1002が左右方向にずれて移動するときの移動棚装置S1000の給電動作と共通する。
移動棚1002(b)が斜行するとき、駆体1010(b)(受電部1080(b))は、移動棚1002(a)(給電部1060(a))に対して、上方視において時計回り方向に傾斜(回転)した状態で後方に移動する。受電電極カバー1081(b)が給電電極カバー1061(a)に当接したとき、受電電極部1082(b)は、給電電極カバー1061(a)に対して傾斜した状態でテーパ部1061ha(a)内に挿入される。
図41は、受電電極部1082(b)が給電電極カバー1061(a)に対して傾斜した状態でテーパ部1061ha(a)内に挿入された状態を上方から見た模式図である。
移動棚1002(b)が図41に示される状態からさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)に当接する。
移動棚1002(b)がさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、第2給電電極1062b(a)の接続部を右方向に押圧する。このとき、同接続部は、第2給電電極1062b(a)自体(付勢部)の弾性により受電電極部1082(b)に向けて付勢される。すなわち、第2給電電極1062b(a)は、受電電極部1082(b)を押圧する。その結果、給電電極カバー1061(a)は、第2給電電極1062b(a)の弾性により、上方視において時計回り方向に回転する。
一方、受電電極部1082(b)は、第1給電電極1062a(a)の接続部を左方向に押圧する。このとき、同接続部は、第1給電電極1062a(a)自体(付勢部)の弾性により受電電極部1082(b)に向けて付勢される。すなわち、第1給電電極1062a(a)は、受電電極部1082(b)を押圧する。その結果、給電電極カバー1061(a)は、第1給電電極1062a(a)の弾性により、上方視において時計回り方向に回転する。
移動棚1002(b)がさらに移動すると、受電電極部1082(b)は、給電電極部1062(a)に嵌合される。
図42は、受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合された状態を示す模式図である。
受電電極部1082(b)が給電電極部1062(a)に嵌合されると、第1給電電極1062a(a)が受電電極部1082(b)を押圧する力は、第2給電電極1062b(a)が受電電極部1082(b)を押圧する力と釣り合う。そのため、給電電極カバー1061(a)の回転は、停止する。その後の給電動作は、移動棚1002が正常移動するときの給電動作と同じである。
このように、給電動作における移動棚1002が斜行しても、給電部1060は、スライド部材1063の動作により、上方視において時計回り方向または反時計回り方向(駆体1010の移動方向と異なる方向)に回転する。そのため、受電電極部1082は、給電電極部1062と確実に嵌合する。
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、給電部1060は、駆体1010にフローティング支持される。そのため、給電部1060は、駆体1010の移動する方向とは異なる方向に移動可能である。その結果、受電部1080は、移動棚1002が斜行しても、確実に隣接する移動棚1002の給電部1060(給電部1340)に嵌合(接続)される。すなわち、本実施の形態における移動棚装置S1000と移動棚1002とは、移動棚1002が斜行した状態であっても確実な受給電を実現する。
また、以上説明した実施の形態によれば、給電電極部1062は給電電極カバー1061の内部に配置され、受電電極部1082は受電電極カバー1081の内部に配置される。そのため、移動棚1002間に通路が形成されたとき、給電電極部1062と受電電極部1082とは、通路に露出しない。そのため、通路の利用者は、給電電極部1062と受電電極部1082とに触れることがない。すなわち、同利用者の安全性は、確保される。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、受電電極部1082は、隣接する移動棚1002の給電部1060との間で第1電力経路が形成されたとき、同隣接する移動棚1002の給電電極カバー1061の内部で給電電極部1062と電気的に接続される。すなわち、受電電極部1082は、受電電極カバー1081と隣接する移動棚1002の給電電極カバー1061それぞれから露出しない。そのため、隣接する移動棚の給電電極部1062から受電電極部1082に電力が供給されている間の感電や漏電などへの危険が無く、移動棚装置S1000の利用者の安全性が確保される。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、受電部1080は、モータ1041と給電部1060と間隔検知部1101とに近接して配置される。間隔検知部1101は、給電部1060と受電部1080とに水平方向に並んで配置される。そのため、移動動作と給電動作それぞれの精度は、向上する。
なお、本実施の形態における駆体駆動部による駆体の移動は、蓄電部の容量が所定量以下のとき、制限されてもよい。すなわち、例えば、蓄電部の容量が所定量以下のとき、駆体駆動部による駆体の移動は、給電位置への移動に制限される。
また、本実施の形態における給電部の機能と給電部の機能とは、入れ替わってもよい。すなわち、例えば、本実施の形態における給電部は受電部として機能し、本実施の形態における受電部は給電部として機能してもよい。この場合、受電部がフローティング支持され、給電部が受電部の挿入孔に挿入される。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、移動棚装置S1000は、固定棚1003を備えていた。これに代えて、本実施の形態における移動棚装置は、複数の移動棚のみを備えてもよい。この場合、複数の移動棚のうち、少なくとも1の移動棚は、表示部や報知部を備える。
さらにまた、本実施の形態における移動棚装置は、移動棚が固定棚に収束していなくても(移動棚と固定棚とが電気的に接続されていなくても)、2以上の移動棚のみが収束して、後方の移動棚の蓄電部に蓄えられている電力を、前方の移動棚の蓄電部に供給してもよい。
さらにまた、本実施の形態における給電電極部と受電電極部それぞれは、例えば、板状の電極部と、同電極部と給電電極カバーとの間に配置されるばね材と、で構成されてもよい。
図43は、給電部の別の実施の形態を上から見た状態を示す模式図である。
同図は、給電部1060Aが板状の電極部1062A1とばね材1062A2とを備えることを示す。電極部1062A1は、給電時に受電部1080の受電電極部1082と電気的に接続する接続部である。ばね材1062A2は、給電時に電極部1062A1を受電電極部1082へ向けて押圧する付勢部である。この構成によれば、接続部と受電電極部との接触面積が増加し、給電部と受電部との間の電力の供給は安定する。
さらにまた、本実施の形態における第1給電電極と第2給電電極とは、例えば、円弧状の金属板で構成されてもよい。この場合、第1給電電極は第2給電電極側に凸となるように配置され、第2給電電極部は第1給電電極側に凸となるように配置される。すなわち、第1給電電極と第2給電電極とは、互いに凸となる面が対向するように配置される。
図44は、給電部のさらに別の実施の形態を上から見た状態を示す模式図である。
同図は、給電部1060Bが円弧状の第1給電電極1062Baと第2給電電極1062Bbとを備えることを示す。第1給電電極と第2給電電極とは、円弧状で、導電性と弾性とを有する、例えば、ばね用リン青銅板である。この構成によれば、接続部と受電電極部との接触面積が増加し、給電部と受電部との間の電力の供給は安定する。
さらにまた、本実施の形態における給電電極は、例えば、上下左右方向に平行となるようにフローティング支持された金属板で構成されてもよい。この場合、受電電極部の構成は、第2実施形態における受電電極と共通してもよく、あるいは、電極支持軸の後端に後方に凸となる半円状の金属板を受電電極として配置した構成でもよく、あるいは、電極支持軸の後端に球状の受電電極部を配置した構成でもよい。
図45は、給電部と受電部とのさらに別の実施の形態を上から見た状態を示す模式図である。
同図は、給電部1060Cが板状の給電電極1062Cを備え、受電部1080Cが受電電極1082Caと電極支持軸1082Ccとを備えることを示す。給電電極1062Cは、台枠1011Cの前面と平行になるように台枠1011Cにフローティング支持される。この場合、台枠1011Cは、本発明における第2電極カバーとして機能する。受電電極Caは、球状で、導電性を有する金属製である。受電電極Caは、電極支持軸Ccの後端に配置される。この構成によれば、給電部に対する受電部の位置決めの要求精度は、緩和される。
図46は、給電部と受電部とのさらに別の実施の形態を上から見た状態を示す模式図である。
同図は、受電部1080Dが受電電極1082Daと電極支持軸1082Dcとを備えることを示す。受電電極1082Daは、後方に凸となる半円状で、導電性と弾性とを有する、例えば、ばね用リン青銅板である。受電電極1082Daは、角柱状の電極支持軸1082Dcの後端に配置される。この構成によれば、受電電極1082Daは、給電電極1062Cに当接したとき、前方に撓む。そのため、受電部1080Dが給電部1060Cに当接したとき、受電部1080Dに生ずる衝撃は緩和されると共に、給電部に対する受電部の位置決めの要求精度は、緩和される。
さらにまた、本実施の形態における受電電極部の構成は、電極支持軸の後端に球状の受電電極部が配置された構成(図45参照)でもよく、給電電極部の構成は、円錐状の受電電極カバーの内側後方に半球状の給電電極部が配置された構成でもよい。
図47は、給電部と受電部とのさらに別の実施の形態を上から見た状態を示す模式図である。
同図は、給電部1060Eが円錐状の受電電極カバー1061Eと半球状の給電電極部1062Eとを備えることを示す。受電電極カバー1061Eは、台枠(不図示)にフローティング支持される。給電電極部1062Eは、受電電極1082Caが嵌合可能な半球状で、導電性を有する金属製である。この構成によれば、給電部のテーパ部となる範囲を大きく形成でき、給電部に対する受電部の上下左右方向の位置決めの要求精度は、緩和される。
さらにまた、以上説明した実施の形態において、受電部1080は、隣接する移動棚1002(固定棚1003)との間の電力経路(第1電力経路)を接触方式で形成する。これに代えて、本実施の形態における受電部は、隣接する移動棚(固定棚)との間の電力経路(第1電力経路)を非接触方式で形成してもよい。すなわち、この場合、受電部と給電部とは、非接触方式で電気的に接続される。例えば、受電部は受電用コイルを備え、給電部は給電用コイルを備え、受電部と給電部とは、電磁誘導方式や磁気共鳴方式を用いて電力経路を形成する。
さらにまた、電力経路を非接触方式で形成する場合、受電部は、外部の給電部に配置される給電面から電力の供給を受ける受電面を備えてもよい。受電面は受電コイルを備え、給電面は給電コイルを備える。例えば、受電面の面積は、給電面の面積よりも小さい。この場合、給電面と受電面との位置合わせの要求精度は、緩和される。
さらにまた、電力経路を非接触方式で形成する場合、受電面に配置される受電コイルの長さは、給電面に配置される給電コイルの長さよりも短くてもよい。この場合、給電面(給電部)と受電面(受電部)との位置合わせの要求精度は、緩和される。
さらにまた、電力経路を非接触方式で形成する場合、移動棚は、給電面の給電範囲内の異物の存在を検知する検知部を備え、導電ユニットは、検知部が異物の存在を検知している間、電力経路を形成しなくてもよい。異物は、例えば、通路内に進入した移動棚装置の利用者などの人や、通路内に持ち込まれた脚立・台車、通路内に落下しているクリップなどの金属製落下物、などの物である。この場合、人は、電力経路形成により生成される磁場の影響を受けず、磁場は、通路内に配置された物を構成する金属部品などによる影響を受けない。
さらにまた、受電部は、受電面が電力の供給が可能な範囲(電力供給可能範囲)内に存在している間、電力経路を形成してもよい。この場合、各移動棚は、固定棚に収束しなくとも、電力供給可能範囲内に存在していれば、電力の供給を受けることができる。すなわち、受電部単体の位置決めは、不要となる。また、この場合、例えば、移動棚の位置に関係なく、受給電を実現できる。
さらにまた、電力経路を非接触方式で形成する場合、給電部は、駆体が移動する空間を形成する構造物(天井、床、壁など)に配置され、給電部と対向する受電部の面の面積は、受電部と対向する給電部の面の面積よりも小さくてもよい。この場合、給電部と受電部との位置合わせの要求精度は、緩和される。
●本実施の形態にかかる移動棚と移動棚装置とのまとめ●
以上説明した本実施の形態にかかる移動棚と移動棚装置との特徴について、以下にまとめて記載しておく。
(特徴1)
第1棚と第2棚との間を移動する移動棚であって、
棚板と、
前記棚板が取り付けられる駆体と、
前記駆体を移動させる駆体駆動部と、
前記駆体駆動部に供給される電力を蓄える蓄電部と、
前記蓄電部と前記第1棚との間の第1電力経路を形成する第1導電ユニットと、
前記蓄電部と前記第2棚との間の第2電力経路を形成する第2導電ユニットと、
を有してなり、
前記第1導電ユニットと前記第2導電ユニットの少なくとも一方は、前記駆体の移動方向とは異なる方向に移動する、
ことを特徴とする移動棚。
(特徴2)
前記第1導電ユニットは、
第1電極カバーと、
前記第1電極カバーの内部に配置される第1電極と、
を備え、
前記第2導電ユニットは、
第2電極カバーと、
前記第2電極カバーの内部に配置される第2電極と、
を備える、
特徴1記載の移動棚。
(特徴3)
前記第1棚は、
前記第1導電ユニットとの間で前記第1電力経路を形成する第1外部導電ユニット、
を備え、
前記第1外部導電ユニットは、
第1外部電極カバーと、
前記第1外部電極カバーの内部に配置される第1外部電極と、
を備え、
前記第1電極は、前記第1電力経路が形成されたとき、前記第1外部電極カバーの内部に配置される、
特徴2記載の移動棚。
(特徴4)
前記第1電極は、前記第1外部電極カバーの内部で、前記第1外部電極と電気的に接続する、
特徴3記載の移動棚。
(特徴5)
前記第1電極は、前記第1電力経路が形成されたとき、前記第1電極カバーと前記第1外部電極カバーそれぞれから露出しない、
特徴4記載の移動棚。
(特徴6)
前記蓄電部と前記第1外部導電ユニットとの間に前記第1電力経路が形成されたときの前記駆体と前記第1棚との間隔は、前記蓄電部と前記第1外部導電ユニットとの間に前記第1電力経路が形成されていないときの前記駆体と前記第1棚との間隔よりも狭い、
特徴3記載の移動棚。
(特徴7)
前記駆体駆動部の動作を制御する駆動制御部と、
前記駆体と前記第1棚との間隔を検知する間隔検知部と、
を備え、
前記駆動制御部は、前記間隔検知部の検知結果に基づいて、前記駆体駆動部の動作を制御する、
特徴1記載の移動棚。
(特徴8)
前記間隔検知部は、前記第1導電ユニットと水平方向に並んで前記駆体に配置される、
特徴7記載の移動棚。
(特徴9)
前記駆体駆動部は、
前記駆体を移動させるモータ、
を備え、
前記第1導電ユニットは、前記モータと、前記間隔検知部と、に近接して前記駆体に配置される、
特徴8記載の移動棚。
(特徴10)
前記蓄電部への電力の供給と、前記蓄電部からの電力の放出と、を制御する電力制御部、
を備え、
前記電力制御部は、前記間隔検知部の検知結果に基づいて、前記蓄電部への電力の供給と、前記蓄電部からの電力の放出と、を制御する、
特徴7記載の移動棚。
(特徴11)
前記電力制御部は、
前記駆体と前記第1棚との前記間隔が第1閾値以下のとき、かつ、
前記駆動制御部が前記駆体駆動部の動作を停止させたとき、
前記蓄電部への電力の供給、または、前記蓄電部からの電力の放出、を開始する、
特徴10記載の移動棚。
(特徴12)
前記電力制御部は、前記駆体と前記第1棚との前記間隔が第2閾値を超えて変動したとき、前記蓄電部への電力の供給、または、前記蓄電部からの電力の放出、を停止する、
特徴11記載の移動棚。
(特徴13)
前記駆体の振動を検知する振動検知部、
を備え、
前記電力制御部は、前記振動検知部の検知結果が第3閾値以上のとき、前記蓄電部への電力の供給、または、前記蓄電部からの電力の放出、を停止する、
特徴12記載の移動棚。
(特徴14)
前記第2棚は、
前記第2導電ユニットとの間で前記第2電力経路を形成する第2外部導電ユニット、
を備え、
前記第2外部導電ユニットは、
第2外部電極カバーと、
前記第2外部電極カバーの内部に配置される第2外部電極と、
を備え、
前記第2導電ユニットは、前記第2外部電極が前記第2電極カバーの内部に挿入されたとき、前記駆体の移動方向とは異なる方向に移動する、
特徴2記載の移動棚。
(特徴15)
前記第2電極は、
前記第2外部電極に接続する接続部と、
前記接続部を前記第2外部電極に向けて付勢する付勢部と、
を備える、
特徴14記載の移動棚。
(特徴16)
前記第2導電ユニットは、
前記第2電極カバーが取り付けられるスライド部材、
を備え、
前記スライド部材は、前記駆体に取り付けられ、前記駆体の移動方向とは異なる方向にスライドする、
特徴2記載の移動棚。
(特徴17)
前記スライド部材は、鉛直軸を中心に揺動する、
特徴16記載の移動棚。
(特徴18)
前記蓄電部に蓄えられた電力の量が所定量以下のとき、前記駆体駆動部による前記駆体の移動が制限される、
特徴1記載の移動棚。
(特徴19)
前記第1導電ユニットは、非接触方式で前記第1棚との間の前記第1電力経路を形成し、
前記第2導電ユニットは、非接触方式で前記第2棚との間の前記第2電力経路を形成する、
特徴1記載の移動棚。
(特徴20)
外部導電ユニットから電力を供給される移動棚であって、
棚板と、
前記棚板が取り付けられる駆体と、
前記駆体を移動させる駆体駆動部と、
前記駆体駆動部に供給される電力を蓄える蓄電部と、
前記蓄電部と前記外部導電ユニットとの間の電力経路を形成する導電ユニットと、
を有してなり、
前記導電ユニットは、前記外部導電ユニットとの間で非接触方式で前記電力経路を形成する、
ことを特徴とする移動棚。
(特徴21)
前記導電ユニットは、前記駆体の移動方向とは異なる方向に移動する、
特徴20記載の移動棚。
(特徴22)
前記導電ユニットは、前記外部導電ユニットに配置される給電面から電力の供給を受ける受電面、
を備え、
前記受電面の面積は、前記給電面の面積よりも小さい、
特徴21記載の移動棚。
(特徴23)
前記受電面に配置される受電コイルの長さは、前記給電面に配置される給電コイルの長さよりも短い、
特徴22記載の移動棚。
(特徴24)
前記給電面の給電範囲内の異物の存在を検知する検知部、
を備え、
前記導電ユニットは、前記検知部が前記異物の存在を検知している間、前記電力経路を形成しない、
特徴22記載の移動棚
(特徴25)
前記外部導電ユニットは、前記電力を供給可能な電力供給可能範囲を備え、
前記導電ユニットは、前記受電面が前記電力供給可能範囲内に存在している間、前記電力経路を形成する、
特徴22記載の移動棚。
(特徴26)
前記外部導電ユニットは、前記駆体が移動する空間を形成する構造物に配置され、
前記外部導電ユニットと対向する前記導電ユニットの面の面積は、前記導電ユニットと対向する前記外部導電ユニットの面の面積よりも小さい、
特徴21記載の移動棚。
(特徴27)
複数の移動棚、
を有してなり、
前記複数の移動棚のうち少なくとも1の移動棚は、特徴1乃至26のいずれかに記載の移動棚である、
ことを特徴とする移動棚装置。
(特徴28)
前記複数の移動棚それぞれの間隔が第1閾値以下のとき、前記複数の移動棚への電力の供給を開始する、
特徴27記載の移動棚装置。
(特徴29)
前記複数の移動棚の蓄電部に蓄えられた電力の量を制御する制御部、
を備え、
前記制御部は、前記複数の移動棚のうち少なくとも1の移動棚の蓄電部に蓄えられた電力の量が所定量以下のとき、前記複数の移動棚の前記蓄電部への電力の供給を開始する、
特徴27記載の移動棚装置。
(特徴30)
前記複数の移動棚は、
第1移動棚と、
前記第1移動棚に隣接する第2移動棚と、
を含み、
前記制御部は、前記第2移動棚の蓄電部に蓄えられた電力の量が所定量以下のとき、前記第1移動棚を前記第2移動棚に接続して、前記第1移動棚の蓄電部から前記第2移動棚の前記蓄電部に電力を供給させる、
特徴29記載の移動棚装置。
(特徴30)
前記複数の移動棚の前記蓄電部に蓄えられた電力の量に基づく報知情報を報知する報知部、
を備える、
特徴27記載の移動棚装置。
(特徴31)
前記前記複数の移動棚のうち、少なくとも1の移動棚は、前記制御部、を備える、
特徴29記載の移動棚装置。
(特徴32)
固定棚、
を備え、
前記固定棚は、前記制御部、を備える、
特徴29記載の移動棚装置。