JP3547676B2 - 電動式移動棚装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動力によって移動可能な棚を複数並べてなる電動式移動棚装置に関するもので、その制御状況、特に電動式移動棚にトラブルが発生したときこれを遠隔地の監視装置で把握することができるようにするとともに、移動棚装置側と遠隔地の監視装置との間でソフトウエアのダウンロード、アップロードを可能にし、かつ、移動棚装置の機能部品の劣化や寿命に関するデータを提供することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
書籍、その他の物品を収納して移動することができる移動棚は、これを複数個収束、離散可能に配置して移動棚装置を構成すれば、物品を出し入れしようとする移動棚の前面にのみ作業空間を形成するようにすることにより、限られた空間を物品収納空間として効率よく利用することができる利点がある。移動棚の移動方式の一つとして、モータを駆動源とする電動方式がある。
移動棚装置では、物品を出し入れしようとする棚の前面に出し入れに必要な空間を形成する必要がある。電動方式の移動棚装置では、形成しようとする空間位置を指定するようになっていて、空間位置が指定されると、指定された位置とそのときの各移動棚の位置との関係から、移動させる必要のある棚とその移動の向きとを割り出し、割り出した結果に従って各棚の移動を制御している。
【0003】
移動棚はそれ自体の重量が重く、これに書籍、その他の物品を収納して移動するものであるから、一旦移動し始めると大きな運動エネルギーを保有することになり、移動棚間に作業者が挟まれると危険なため、電動式移動棚装置には各種の安全装置が組み込まれている。例えば、指定された位置に作業空間が形成されると、リセット操作が行われるまでインターロックがかかり別の位置に作業空間を形成することはできないようにして、無闇やたらに新たな作業空間を形成することはできないようになっている。また、作業空間に作業者が入って作業をしているとき、作業空間を狭める向きに棚が移動してきた場合は、棚の物品出し入れ面(間口面)に水平方向に設置された安全バースイッチを作業者が押し、または安全バースイッチに作業者の体の一部が触れることにより、その場で移動棚が停止するようになっている。上記安全バースイッチは、作業空間に異物が落下している場合にも有効である。上記安全バースイッチが動作して移動棚がその場で停止した場合は、緊急操作スイッチの操作によって移動棚を逆向きに移動させ、棚間の作業者や異物を排除した後リセットして通常の動作モードに戻すことになる。そのほかの安全対策として、指令に基づき移動している途中に別の位置に作業空間を形成すべき旨の指令が重ねて発せられると、棚の移動をその場で停止させるようにした二重指令停止機能もある。
【0004】
また、特定の状況下ではアラームを発するようになっている。例えば、棚の移動中はチャイムなどを鳴らすものがある。棚間に作業者や異物が挟み込まれ、上記安全バースイッチの動作によって棚の移動が停止したときは、移動棚を逆向きに移動させるために所定の緊急操作をするが、緊急操作をしている間は、ベルやブザーなどを鳴らすようにしたものがある。あるいは二重指令の場合にもベルやブザーなどを鳴らすようにしたものがある。これら音響的なアラームに代え、または音響的なアラームとともにランプの点灯、ディスプレイへの表示など視覚的アラームが用いられることもある。そのほか、モータの過熱、その他各種トラブルの発生時に、音響的、視覚的アラームを発するようになっている。
【0005】
上記のように、電動式移動棚装置は各種の複雑な機能を有しているため、ユーザー側でこの複雑な機能を全て使いこなすことができないことが多い。例えば、安全バースイッチの作動によって移動棚が緊急停止した場合にどのように操作すればよいのか、また、何らかのアラームが発せられた場合にどのように対処すればよいのかわからないなど、もともとトラブルではないにもかかわらず、通常の動作に戻ることができない場合がある。もちろん、何らかのトラブルによって通常の動作に戻ることができない場合もある。
このような場合、従来の移動棚においては、ユーザーからの呼び出しによってメンテナンス要員が電話でアドバイスをし、必要ならメンテナンス要員がユーザーの元へ出かけていってしかるべく対処していた。
【0006】
ユーザーからの呼び出しによりメンテナンス要員がユーザーの元へ出かけていって点検してみると、僅かなアドバイスだけでユーザーが対処することができる場合が多く、ごく些細なトラブルにもかかわらず多大な時間と費用をかけていることが多かった。ユーザー側で移動棚の動作状態を的確に把握し、これを電話などでメンテナンス要員に的確に伝達できれば、メンテナンス要員は的確な指示を出すことができ、ユーザーは指示に従って対処することによりトラブルを解消することができる。しかし、ユーザーに移動棚の動作状態を的確に把握することを期待するのは無理である。仮にユーザーが移動棚の動作状態を的確に把握してこれをメンテナンス要員に伝達したとしても、メンテナンス要員は、より詳細な動作状態を把握する必要がある場合もあり、その場合はメンテナンス要員が現地へ出かけていって点検するほかはなかった。
【0007】
そこで本出願人は、メンテナンス要員等が遠隔地から移動棚の制御状況を把握することを可能にして、メンテナンス要員等が現地に出向かなくてもトラブルその他の不具合を迅速に解消することができ、また、必要に応じて遠隔地から制御信号を送信することができる電動式移動棚装置に関して先に特許出願した。特願平10−257759号にかかる出願がそれである。
【0008】
上記出願にかかる発明によれば、移動棚装置側の制御部と遠隔地に設けられた監視装置とを通信手段を介して接続し、移動棚と遠隔地との間でデータの授受を可能にしたため、メンテナンス要員等が現地に出向かなくてもトラブルその他の不具合を迅速に解消することができるし、通信手段を無線にした場合は、PHS等を利用して遠隔地から電動式移動棚装置の制御状況を把握することができ、新たに電話線を引き込むことなく、低コストで電動式移動棚装置と遠隔地の端末とを接続することができる。さらに、トラブル等が発生した場合は、移動棚装置のユーザー側においてもトラブルの種類等を探索することができ、メンテナンス要員がいなくてもトラブルに対処することも不可能ではないし、あるいは、遠隔地にいるメンテナンス要員と同じ表示を見ながら、かつ、電話等で連絡を取りながらメンテナンス要員の指示に従って迅速に対応することもできるなど、多くの利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとき電動式移動棚装置の制御は、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)を利用するケースが多くなっており、マイコンが必要とするソフトウエアの組み込みは通常工場出荷時に行われている。ところが、ソフトウエアにはバグが含まれていることが多く、バグが発見されたときは、修正されたソフトウエアを記録したROMを遠隔地から送付し、このソフトウエアをインストールしてもらうか、技術者がパソコン等のソフトウエア開発ツールを現地に持ち込んでの対応となる。あるいは、現地からCPU基板を返却してもらい、ソフトウエアを入れ替えた後、再度現地に送付することも一つの対応策である。ソフトウエアをバージョンアップする場合も、上記のような対応策がとられる。
【0010】
しかしながら、上記のような対応策には、多大な時間と経費を必要とする。
そこで本発明は、上記出願にかかる発明のように移動棚装置側と遠隔地との間でデータの授受を可能にした電動式移動棚装置において、制御用ソフトウエアの遠隔保守を可能にし、さらに、遠隔地の監視装置によって電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断することができる電動式移動棚装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電動力によって移動可能な棚を複数並べ、指令信号の入力により各棚の移動を制御して任意の棚間に物品の出し入れ作業に必要な空間を形成させる制御部を有してなる電動式移動棚装置において、移動棚装置側と遠隔地との間でデータの授受を可能にするために、移動棚装置側の制御部と遠隔地に設けられた監視装置とを通信手段を介して接続し、この通信手段を介して上記監視装置から上記制御部へのソフトウエアのダウンロードおよび上記制御部から上記監視装置へのソフトウエアのアップロードが可能であり、上記監視装置は、移動棚装置の過去の稼動データを収集しこの稼動データに基づき、または、機能部品の状態を測定することができる測定手段による測定結果に基づき、対象とする電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断するデータを提供することを可能にしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる電動式移動棚装置の実施の形態について説明する前に、本発明にかかる電動式移動棚装置の概略を図10、図11によって説明する。図10に示すように、電動式移動棚装置3が設置されたユーザー側のアダプタ2と、電動式移動棚装置のメーカーあるいはディーラー等に設置されている監視装置1との間が電話回線でつながれ、各種データが双方向に交換できるようになっている。電動式移動棚装置3自体は周知のもので、電動力によって移動可能な棚を複数並べ、指令信号の入力により各棚の移動を制御して任意の棚間に物品の出し入れ作業に必要な空間を形成させる機能を有してなる。通信コントローラ4は、その電動式移動棚装置3に関する一般的なデータ、トラブルデータ、故障履歴データその他の各種データを蓄積しており、これらのデータは上記の電話回線を通じて遠隔地の監視装置1に転送されるようになっている。監視装置1側は、データ処理部5、モニタ6を有し、転送された上記各種データをモニタ6に表示することができ、メンテナンス要員等はこの表示を見ながら通信コントローラ4による移動棚3の制御状況を把握することができる。そして、ユーザー側の電話8と監視装置1側の電話7との間で、音声で会話することができ、ユーザー側からはトラブルその他の動作状況をメンテナンス要員等に伝え、メンテナンス要員等はそれに対する対処法を伝えることができる。あるいは、メンテナンス要員等は、動作状況を分析してトラブルの発生を予測し、トラブルが発生する前に適宜の処理を行うことをユーザーに伝えることもできる。
【0014】
図11は、図10に示す概念図をより具体的に示したハード構成図である。監視装置1側は、データ処理部としてのパソコン5と、パソコン5につながれたプリンタ9と、電話回線にデータ信号を載せるためのモデム10とを有する。パソコン5は図10に示すモニタ6を含んでいる。
図11に示す例では、ユーザー側は電動式移動棚装置3を複数ブロック有していて、それぞれのブロックごとに制御してそれぞれのブロックごとに所望の棚と棚との間に作業用の空間を形成することができるようになっている。電動式移動棚装置ブロックごとに専用通信モジュール15を有し、各専用通信モジュール15は通信ネットワークによって通信コントローラ4に接続されている。通信コントローラ4に蓄積される前記各種データ信号はモデム11を介して電話回線に載せられ、監視装置1側に転送される。専用通信モジュール15、通信コントローラ4、モデム11によってユーザー側のアダプタ2を構成している。
【0015】
図12は、本発明にかかる電動式移動棚装置の別の概念図を示す。図12において、メンテナンスの拠点となる遠隔地の監視装置1は、モデムを内蔵したパソコン5と、このパソコン5に接続されたモニタ6を有してなる。複数の移動棚からなる電動式移動棚装置3側は、一つの移動棚に主制御部21が設けられている。電動式移動棚装置3はマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)を備え、このマイコンによって制御される。上記主制御部21は、上記マイコンを備えたボードで構成され、通信ポートを有している。この主制御部21の通信ポートと監視装置1との間が電話回線でつながっている。上記パソコン5は電話網を通じて携帯電話の中継局43につながり、上記主制御部21の通信ポートは、モバイルデータアダプタ41を介して携帯電話機42につながっている。モバイルデータアダプタ41は、携帯電話用の一種のモデム装置である。上記携帯電話42はデータ通信ポートを備え、デジタル通信可能なものが用いられる。携帯電話機42と上記中継局43との間が電波で連絡され、電動式移動棚装置3側と遠隔地との間でデータの授受を行うことができるようになっている。モバイルデータアダプタ41、携帯電話機42、中継局43を含む構成部分は通信手段を構成している。
【0016】
図13に示す例は、電動式移動棚装置3側と遠隔地とが有線の電話網で接続された例である。電動式移動棚装置3を構成する複数の移動棚の一つに主制御部21が設けられ、この主制御部21の通信ポートがモデム11に接続され、遠隔地の監視装置を構成するパソコン5のモデムと上記モデム11とが有線の電話網で接続され、電動式移動棚装置3側と遠隔地との間でデータの授受を行うことができるようになっている。電話網とモデム11を含む構成部分は通信手段を構成している。
【0017】
次に、図1〜図9を参照しながら本発明にかかる電動式移動棚装置の実施の形態について説明する。
図1はこの実施の形態の全体的な構想を示すもので、移動棚制御系30と、テレメンテサービス系40と、ネットワーク系50とに大別することができる。移動棚制御系30は、電動力によって移動可能に並べられた複数の電動式移動棚32と、固定の棚31とからなる電動式移動棚装置3を有してなる。電動式移動棚装置3は任意の棚間に作業用空間を形成するための指令信号、その他各種の指令信号を入力することにより、制御部の制御によって指令に応じた動作を行う。図1に示す実施の形態では、フォークリフト35を使って棚に物品を出し入れするようになっていて、フォークリフト35上から無線操作ターミナル36を操作することにより、上記各種指令信号を無線で送信するようになっている。
【0018】
上記テレメンテサービス系40は、図10、図11、図12、図13について説明した遠隔地からの監視装置を含む部分であって、この例では、電話回線として無線電話回線が用いられ、モバイルデータアダプタ41、無線電話機42、無線電話中継局43、パソコン5、モニタ6を含んでいる。移動棚制御系30から前述の各種蓄積データがモバイルデータアダプタ41に転送され、これらのデータはさらにPHS(パーソナル・ハンディフォン・システム)電話機またはデジタル携帯電話機など、デジタルデータを送信可能な無線電話機42から送信され、中継局43と、一般電話回線とを介してパソコン5に転送されるようになっている。パソコン5とモニタ6は前述の監視装置を構成している。
【0019】
前記フォークリフト35には無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)の端末37が搭載されている。端末37は前記ネットワーク系50内の端末プロセッサ51との間でデータを無線で送受信することができる。ネットワーク系50は、上記端末プロセッサとしてのパソコン51と、この端末プロセッサ51に電話回線を介して接続された中央管理センタのパソコン52とを有してなる。ネットワーク系50の一部を構成するパソコン51と、移動棚制御系30は倉庫20内に設けられている。ネットワーク系50は、主として倉庫20内の在庫管理等に用いられる。
【0020】
移動棚制御系30とテレメンテサービス系40との間の構成をより具体化したものを図2に示す。ただし、図2の例では電話回線は有線になっている。図2において、移動棚制御系30は、複数の移動棚31、32、33、……を並べてなる電動式移動棚装置3が複数のブロックにわたって配置されている。各電動式移動棚装置3を構成する複数の移動棚31、32、33、……のうちの一つの棚31は他の棚を代表していて、この棚31には主制御基板21が設けられている。ここでは、上記棚31を主棚といい、他の棚32、33、……を分散棚という。各移動棚31、32、33、……には、電動式移動棚としての動作を制御するための回路基板からなる制御モジュールが設けられている。上記の各移動棚装置3の各主棚31には通信用の回路基板からなる通信モジュール15が設けられ、各通信モジュール15は通信ネットワークを構成している。この通信ネットワークは、図10、図11で説明したユーザー側のアダプタ2内の通信コントローラ4につながっていて、この通信コントローラ4には、各電動式移動棚装置3の一般データ、制御データ、トラブルデータ等の各種のデータが集められ蓄積される。蓄積されたデータは、モデム11、電話回線を介してメーカー等の監視装置1に転送されるようになっている。このように、上記アダプタ2は各電動式移動棚装置3の制御データを、電話回線を通じて送り出す送信手段として機能する。メーカー等の監視装置1は、図11、図12、図13について説明したように、パソコン5、モニタ6、プリンタ9を含む。また、監視装置1側とユーザーのアダプタ2側にはそれぞれ電話機7、8を備えている。上記主棚31は電動式移動棚であってもよいし、図1に示す例のように固定の棚であってもよい。
【0021】
電動式移動棚を構成する各棚の制御系統のより具体的な構成例を図3に示す。上記主棚31には主制御部21と分散制御部25が設けられ、各分散棚32、……には分散制御部25が設けられている。主制御部21は、CPUあるいはマイクロプロセッサ等を有してなる主制御基板24を中心として、これに液晶ディスプレイ等からなるモニタ14、一種のインターフェースであるCNVモジュール15が接続されている。さらに、主制御基板24には、設備電源から漏電ブレーカ、電源スイッチ接点を介して交流電源が供給され、また、この交流電源は主制御基板24の制御でオン・オフするパワー・リレー接点を介して各分散制御盤25に供給されるようになっている。主制御盤21にはまた、通路スイッチ、停止センサ、進入センサ、安全バースイッチ等の各種センサ類からの信号が入力され、さらに、照明灯、作動灯、リセットスイッチ、電源スイッチ等が接続されている。
【0022】
上記各分散制御基板25は、CPUあるいはマイクロプロセッサ等を有してなる制御モジュール22を中心として、これに通路スイッチ、停止センサ、進入センサ、安全バースイッチ等の各種センサ類からの信号が入力され、さらに、照明灯、モータ、緊急停止スイッチ等が接続されている。各分散制御盤25の制御モジュール22は、前記CNVモジュール15を介して上記主制御基板24と接続されている。
【0023】
図4は、前記テレメンテサービス系40の例を示す。図4において、前述の主棚31は、前述のように主制御基板24とモニタ14を有するとともに、これら主制御基板24とモニタ14をつなぐアダプタ18を有する。主制御基板24とモニタ14は、その棚装置の監視装置を構成していて、アダプタ18を介して主制御基板24から出力される様々なデータをモニタ14に表示し、モニタ14の表示を見ることによってその棚の制御状況を把握することができるようになっている。上記アダプタ18はまた、主制御基板24から出力される様々なデータを、モバイルデータアダプタ41、PHSまたはデジタル携帯電話等の無線電話機42を介して送信することができるようになっている。上記モバイルデータアダプタ41、無線電話機42は、移動棚装置の制御状況データを、電話回線を通じて送り出す送信手段を構成している。
【0024】
この送信手段から送信された制御状況データは、中継局43、電話網、モデム10からなる通信手段を介して監視装置としてのパソコン5に入力され、パソコン5に付属するモニタ6により、移動棚装置に対し遠隔地において移動棚装置の制御状況データを表示するようになっており、メンテナンス要員等はこのモニタ6の表示を見ることによって移動棚装置の制御状況を把握することができるようになっている。上記送信手段から送り出される制御状況データには移動棚装置の異常な動作を示すトラブルデータが含まれ、上記パソコン5を含む監視装置によって移動棚のトラブルを把握することができる。メンテナンス要員等は移動棚装置にトラブルが発生しているときは、双方向通信によって、あるいは適宜の電話回線を通じてユーザーに対してトラブル解消のための的確な指示を行うことができる。双方向通信機能がある場合は、監視装置としてのパソコン5側から電話回線を通じて遠隔地より移動棚の制御信号を送信することができるようにしてもよい。
【0025】
次に、以上説明した実施の形態の機能ないしは動作について説明する。上記実施の形態の動作モードには、トラブル発生時において図5〜図7に示すような動作モードがある。図5は、自動通報モードであるモード1を示す。図6は、データ収集モードであるモード2を示す。図7はデータ書き換えモードであるモード3を示す。図5〜図7において、Mターミナルとは、メーカーあるいはディーラー側の監視装置1のこと、Uアダプタとは、前記ユーザー側のアダプタ2のこと、AEXシステムとは、電動式移動棚装置3の制御システムのことである。
【0026】
まず、図5に示すモード1について説明する。電動式移動棚装置3は所定の指令信号に基づいて移動、停止する。このときの運転モード、作動モード等の状態を示す作動ステータス信号はアダプタ2に送られて電動式移動棚装置3の動作状態が監視される。この作動ステータス信号に異常なデータが含まれている場合は、これを移動棚のトラブルを示すトラブルデータとして検知し、その時点の電動式移動棚装置3の内部データをアダプタ2の主制御部21に一時蓄積する。
上記異常なデータとは、安全バースイッチが動作したとき発せられる信号、二重指令時に発せられる信号、トルク異常信号、作業空間形成指令信号が発せられてから所定幅の作業空間が形成されるまでに一定以上の時間が経過してしまった場合に発せられるタイマ異常信号などが含まれる。
【0027】
アダプタ2は電話回線を通じて遠隔地の監視装置1に接続され、上記蓄積データは監視装置1のパソコン5に転送され、回線は切断される。監視装置1に転送されたデータはモニタ6に表示され、メンテナンス要員等による電動式移動棚装置3の制御状況の解析検討に供される。その結果、復旧方法が判明すると、双方向通信機能により、あるいは別の電話回線を介しての連絡により、ユーザーに復旧方法の指示等の対応が行われる。ユーザー側では、この指示に従って操作すれば、トラブルを解消することができる。
【0028】
図6に示すモード2では、監視装置1側からの要求で回線を接続し、電動式移動棚装置3に向かってデータを要求する。アダプタ2はこの要求によって電動式移動棚装置3から内部データをさらに出力させ、これを収集し一時蓄積して監視装置1に向かって転送する。監視装置1は上記データを受信すると回線を切断し、受信したデータをモニタに表示させる。メンテナンス要員等はこのモニタ表示を解析して、メンテナンスの要否を検討し、メンテナンスの必要があればその方法を検討する。メンテナンスの必要性があり、その方法がわかったら、双方向通信機能により、あるいは別の電話回線を介してユーザーと連絡を取りながらメンテナンスを支援する。
【0029】
図7に示すモード3では、監視の対象となっている電動式移動棚装置3に関して設定データを変更する必要がある場合に、電動式移動棚装置3側のデータを修正し更新する。上記設定データとは、主として移動棚の台車数、通路数、走行タイマ制限、加速レート、減速レート、起動トルク、その他各種運転パラメータに関するもので、電動式移動棚装置3が複数ブロックある場合は任意のブロックにおいて任意のデータを変更することができる。まず、監視装置1側において変更データの入力設定を行い、次に電話回線を接続してユーザー側のアダプタ2に転送し、転送終了後は回線を切断する。アダプタ2側では変更データを受信してデータ書き換えを行い、電動式移動棚装置3に保存されているデータを更新し、更新されたデータに従って運転を行う。
なお、図5〜図7の例では、トラブル検知、データ要求、変更データの入力設定をオフラインで行い、データ転送時のみ電話回線を接続しているが、データ要求、変更データの入力設定に関しては、回線接続状態で行ってもよく、場合によっては、電動式移動棚装置3が稼働中は常に回線が接続されていても差し支えない。
【0030】
上記実施の形態において、メーカーやディーラー等の監視装置1側で対象とするデータの具体例を図8に示す。対象データとしては、一般データ、トラブル情報、運転パラメータ、故障履歴データ、トルクデータ、台車制御データ、運転ステータスがある。上記一般データには、日付/時刻、ブロックアドレス、台車数、ソフトウエア・バージョン、通電積算時間、運転回数、バックライト点灯積算の各種データを含む。上記台車制御データには、受信データ、送信データを含む。
上記トラブル情報とは、アラームが発せられた場合のアラームの詳細、またはエラーが生じたときの、エラーの詳細のことであって、電動式移動棚装置ブロック番号、アラームまたはエラーの種類、台車番号の各データを含む。上記故障履歴データとは、個々の電動式移動棚装置ブロックにおいてこれまでに発生した故障(エラー)の履歴のことで、日付、エラーの種類、台車番号の各データを含む。トルクデータは、移動棚ごとの負荷の状態を示す。
これらの各対象データの転送、表示は、前述のモード1、モード2、モード3によって異なる。図8に示すように、トラブル情報の転送、表示はモード1においてのみ行われる。運転パラメータの転送、表示はモード1、2及び3において行われる。他のデータの転送、表示はモード1及びモード2において行われる。
【0031】
図9は、以上述べた各データのモニタにおける表示例を示す。表示項目は図8に示す例に則っている。ただし、表示するデータの種類ないしは項目は、これまで説明してきた種類ないしは項目に限られるものではなく任意であり、表示の体裁等も任意であるから、図9についての詳細な説明は省略する。
なお、双方向通信可能なシステムの場合は、遠隔地にある監視装置1から電動式移動棚装置3に制御データを送信して電動式移動棚装置3を制御し、転送されてくるデータからトラブルの有無を判断し、トラブルが生じている場合はトラブル解消のための制御を行うようにするとなおよい。
【0032】
以上説明した実施の形態によれば、電動式移動棚装置において、制御部による電動式移動棚装置3の制御状況を、電話回線を通じて遠隔地より把握することができる監視装置を装備したため、メンテナンス要員等が現地に出向かなくてもトラブルその他の不具合を迅速に解消することができる。また、必要に応じて遠隔地から制御信号を送信して設定パラメータ等の更新を行うこともできる。
電話回線を無線電話回線にすれば、PHS等のデジタル無線回線を利用して遠隔地から電動式移動棚装置の制御状況を把握することができ、新たに電話線を引き込むことなく、低コストで電動式移動棚装置と遠隔地の監視装置とを接続することができる。
【0033】
図4に示すように、電動式移動棚装置3側にも主制御基板24やモニタ14等からなる監視装置を設けて、その電動式移動棚装置3の制御状況を把握することができるようになっているため、トラブル等が発生した場合に、電動式移動棚装置3のユーザー側においてもトラブルの種類等を探索することができ、メンテナンス要員がいなくてもトラブルに対処することも不可能ではないし、あるいは、遠隔地にいるメンテナンス要員と同じ表示を見ながら、かつ、電話等で連絡を取りながらメンテナンス要員の指示に従って迅速に対応することもできる。また、メンテナンス要員がユーザー側に出向してきた場合に、上記監視装置を見ることによって迅速かつ的確にトラブルの判断とそれに対する処置を行うことができる。
【0034】
発明が解決しようとする課題の欄に記載したように、本発明は、移動棚装置側と遠隔地との間でデータの授受を可能にした電動式移動棚装置において、制御用ソフトウエアの遠隔保守を可能にし、さらに、遠隔地の監視装置によって電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断することができる電動式移動棚装置を提供することを目的とする。制御用ソフトウエアの遠隔保守を可能にするためには、遠隔地の監視装置と電動式移動棚装置の制御部との間で、ソフトウエアのアップロードおよびダウンロードを可能にし、また、電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断するためのデータを遠隔地で収集し、判断結果を提供する、というような新たな機能を付加する必要がある。そのための機能ブロックないしは回路構成としては、これまで説明してきた構成をほとんどそのまま用いることができ、これに、センサ等の若干の機能部品と、上記付加機能を実行するためのソフトウエアを追加すればよい。以下、本発明の目的を達成するための構成および動作について説明する。
【0035】
遠隔地の監視装置は、図14に示すような各種ソフトウエアを備えている。図14において、上記監視装置は、通信制御処理、メイン画面表示、アップロード/ダウンロード処理、予防保全診断処理、部品固有値テーブル、保安計測データ統計テーブル、および顧客データベースに関するソフトウエアを備えている。
【0036】
上記通信制御処理のソフトウエアは、回線接続、主コントローラ通信に関するものである。
上記メイン画面のソフトウエアは、メニュー表示、画面切り換え、概略現地状況表示、起動・停止・リセット等のプログラム制御に関するものである。メイン画面の下位に続く各種画面表示があるが、これはあとで説明する。
上記アップロード/ダウンロード処理のソフトウエアは、制御ソフトウエアのダウンロードおよびアップロードの転送処理を実行するためのソフトウエアである。
上記予防保全診断処理のソフトウエアは、メンテナンス時期と交換部品を推定し、異常兆候の判断および診断レポートを出力するためのソフトウエアである。
上記部品固有値テーブルは、部品ごとの平均故障間隔(MTBF:Mean Time to Between Failure)やメーカー推奨値を記録したテーブルである。
上記保安計測データ統計テーブルは、計測点ごとの平均値と標準偏差を記録したテーブルである。
上記顧客データベースは、電動式移動棚装置のユーザーに関する各種情報をデータベース化したものである。
【0037】
上記メイン画面の下位に位置する各種画面表示として次のものがある。
顧客データ画面:移動棚装置の客先、納入日付、製造番号、担当営業、物件仕様、オプション、メンテナンス記録、その他。
現地レイアウト画面:現地移動棚装置の位置状況、台数の把握など。なお、指定棚のセンサ等の電気的状況すなわち動作状況を把握するために、棚の詳細画面を表示できるようになっている。
ディスプレイ表示画面:現地移動棚装置におけるディスプレイ表示画面の表示内容を把握することができるようになっている。
故障履歴画面:移動棚の台車番号、故障内容、運転時間、発生回数などに関し、故障履歴を表示する。
パラメータ画面:パラメータ設定内容、およびその変更などを表示する。
センサ状態画面:各棚に設けられたセンサ類の作動状況を表示する。
内部メモリ画面:主制御部の内部メモリに記録されているデータメモリ、メモリI/O、外部入力メモリ、外部出力メモリYの内容を表示する。
【0038】
次に、通信手段を介して遠隔地の監視装置から電動式移動棚装置の制御部へのソフトウエアのダウンロード手順の例について図15を参照しながら説明する。なお、動作ステップは「S1」、「S2」、「S3」のように表す。まずS1において転送すべきソフトウエアを保存したファイルを選択し、S2で監視装置と電動式移動棚装置の制御部との回線を接続し、S3でダウンロードを行う旨のコマンドを送信する。S4で上記コマンドの正常な受信が完了したかどうかを確認し、正常受信完了の場合はS5でオブジェクトファイルすなわちソフトウエア本体を送信する。S6でオブジェクトファイルの正常な受信が完了したかどうかを確認し、正常受信完了の場合はS7でシンボルファイルを送信する。S8でシンボルファイルの正常な受信が完了したかどうかを確認し、正常受信完了の場合はS9で回線を切断し、ソフトウエアのダウンロードを終了する。上記各ステップS4、S6、S8では、一定のタイムアウト時間が設定されていて(S10)、このタイムアウト時間内に正常な受信が完了すれば、次のステップに進み、タイムアウト時間内に正常な受信が完了しない場合はS11で異常終了として処理を行い、S9で回線を切断し、ダウンロードを終了する。
【0039】
このようにして、遠隔地の監視装置から電動式移動棚装置の制御部へソフトウエアをダウンロードすることができるため、電動式移動棚装置側の制御用ソフトウエア、あるいはその他のソフトウエアにバグがあることがわかった場合は、通信回線を介して、バグのない修正されたソフトウエアを移動棚装置側の制御部にダウンロードすることができる。したがって、従来のように、修正されたソフトウエアを記録したROMを遠隔地から送付する必要はないし、技術者がパソコン等のソフトウエア開発ツールを現地に持ち込んで対応する必要もなく、また、現地からCPU基板を返却してもらい、ソフトウエアを入れ替えた後、再度現地に送付するというような煩雑な手順を踏むこともなく、きわめて迅速に対応することができる。このようにして、システムダウンの時間を減少させることができ、ユーザーが蒙る損害や、ユーザーから出てくる苦情を少なくすることができる利点もある。
ソフトウエアにバグが存在する場合ばかりではなく、ソフトウエアをバージョンアップする場合も、通信回線を介して行うことができ、きわめて迅速に対応することができることから、ユーザーサービスの向上にも活用することができる。
【0040】
通信手段を介して、電動式移動棚装置側の制御部から遠隔地の監視装置へのソフトウエアのアップロードも可能である。図16はアップロードの手順の例を示す。まずS21において転送すべきソフトウエアを保存したファイル名を設定し、S22で監視装置と電動式移動棚装置の制御部との回線を接続し、S23でアップロードを行う旨のコマンドを送信する。S24で上記コマンドの正常な受信が完了したかどうかを確認し、正常受信完了の場合はS25でオブジェクトファイルすなわちソフトウエア本体を送信する。S26でオブジェクトファイルの正常な受信が完了したかどうかを確認し、正常受信完了の場合はS27でシンボルファイルを送信する。S28でシンボルファイルの正常な受信が完了したかどうかを確認し、正常受信完了の場合はS29で回線を切断し、ソフトウエアのアップロードを終了する。上記各ステップS24、S26、S28では、一定のタイムアウト時間が設定されていて(S30)、このタイムアウト時間内に正常な受信が完了すれば、次のステップに進み、タイムアウト時間内に正常な受信が完了しない場合はS31で異常終了として処理を行い、S29で回線を切断し、アップロードを終了する。
【0041】
このようにして、遠隔地の監視装置から電動式移動棚装置の制御部へソフトウエアをアップロードすることができるため、移動棚制御用ソフトウエアなどにバグが発見された場合などに、直ちにアップロードを実施してそのソフトウエアのバージョンを確認することができ、また、アップロードしたソフトウエアを使って動作のシミュレーションを行い、動作を確認するなどの検証を効果的に行うことができる。さらに、遠隔地でのバグの再現も可能であり、デバック作業を行った後、再度ダウンロードして現地の電動式移動棚装置を復旧させることも可能である。
【0042】
次に、電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断するためのデータを遠隔地で収集し、判断結果を提供する機能について説明する。電動式移動棚の故障には、偶発的要因や品質上の問題、使用上の間違いなどで発生する故障と、機能部品の寿命や経時的劣化で発生する故障がある。後者の故障については部品固有の寿命や劣化を定量的に推定することが可能であり、推定に基づいた故障の予防と事前の保全が可能である。以下、機能部品の劣化や寿命の遠隔診断について、パッシブな方法とアクティブな方法に分けて説明する。
【0043】
パッシブな方法による遠隔診断
使用条件が一定であれば、統計的に寿命や劣化の目安を推定することができる。また、部品の供給メーカーが平均故障間隔(MTBF)や推奨値を公表しているものもあり、これらを基準にして寿命や劣化を推定することができる。その具体的な推定方法の例を次に示す。
(1)電動式移動棚装置側において、運転時間または部品ごとの作動時間、運転回数をカウントしこれを記憶しておく。
(2)遠隔地の監視装置側では、機能部品ごとの固有値を次の方法でデータベース化しておく。
・部品メーカーのMTBFや推奨値がある部品については、これらを直接入力しておく。
・過去のメンテナンス記録を統計的に処理し、確かであろう交換時期を、運転時間や運転回数を基にして求める。
(3)遠隔地の監視装置から通信ネットワークを介して、(1)項のデータを収集し、(2)項のデータベースの固有値と照合し、劣化や寿命を診断する。
(4)上記診断結果に基づき、余寿命や劣化の程度と推奨メンテナンス時期を診断レポートにまとめ、これを提供する。
電動式移動棚装置側では、診断レポートにまとめられているデータから、各機能部品の劣化や寿命を推定することができ、事前に部品交換等の処置をとることができる。
【0044】
このパッシブな方法による遠隔診断の流れの例を図17に示す。図17において、まず回線を接続し(S31)、移動棚装置側から、その電動式移動棚装置の運転時間、運転回数に関するデータを取得する(S32)。運転時間、運転回数は、移動棚装置が設置されてから現在までの積算値である。上記データを取得した後は回線を切断する(S33)。
【0045】
次に、部品固有値テーブルから部品ごとの基準値となる時間固有値データを取り出し、この時間固有値と上記運転時間とを比較する(S34)。時間固有値が運転時間より長いときは次に、部品固有値テーブルから部品ごとの基準値となる回数固有値データを取り出し、この回数固有値と上記運転回数とを比較する(S35)。回数固有値が運転回数より多いときは、さらに別の部品について上記S34、S35を繰り返す。
【0046】
上記S34で運転時間が時間固有値を超えていれば、S37において、その部品は寿命に達していること、あるいは故障の確率が高くなっていることを、診断レポートとして出力する。また、S35で運転回数が回数固有値を超えた場合も、S37において、その部品は寿命に達していること、あるいは故障の確率が高くなっていることを、診断レポートとして出力する。このようにして、診断レポートには交換の時期にきている部品がリストアップされて表示され、その部品の交換を促す。診断レポートはモニタ上に表示してもよいし、プリントアウトしてもよい。全部品について診断が終わったら(S36)動作終了となる。
【0047】
アクティブな方法による遠隔診断
次に、アクティブな方法による遠隔診断について説明する。
(1)電動式移動棚装置側には、移動棚の斜行量、モータトルクあるいはモータ電流、移動時間、振動等を測定する保安センサを装備し、適宜の計測データが蓄積されている。
(2)遠隔地の監視装置は、通信ネットワークを介して(1)項のデータを収集し、次の方法で異常を判断する。
・上記各計測データの上限値あるいは下限値を設定しておき、この限界値から外れたとき異常と判断する。
・保安センサで計測した適当な期間のデータを統計的に処理し、過去の正常時の平均値と標準偏差とを算出しておき、遠隔地において読み込んだそのときの計測量と、上記平均値あるいは標準偏差とから異常を判断する。
(3)判断した結果を診断レポートにまとめ、これを提供する。
電動式移動棚装置側では、診断レポートにまとめられているデータから、各機能部品の劣化や寿命を判断することができ、事前に部品交換等の処置をとることができる。
【0048】
このアクティブな方法による遠隔診断の流れの例を図18に示す。図18において、まず回線を接続し(S41)、保安センサの計測データを取得する(S42)。次に、保安計測データ統計テーブルから計測点ごとの基準となる上下限値を取り出し、上記計測データは上下限値内かどうかを判断する(S43)。上下限値内であれば、次に上記保安計測データ統計テーブルから計測点ごとの基準となる平均値/標準偏差値を取り出し、上記計測データは平均値/標準偏差の公差内かどうかを判断する(S44)。
【0049】
S43において計測データが上下限値から外れていた場合、また、S44において計測データが平均値/標準偏差の公差から外れていた場合は、その計測点において各機能部品が劣化しあるいは寿命が来たものと判断されるため、その測定点を診断レポートにリストアップし(S47)、ディスプレイに表示、あるいはプリントアウトする。このようにして全ての計測点について計測し、診断が終わるまでS42以下を繰り返し、全計測点について完了したなら(S45)、回線を切断して動作を終了する(S46)。
【0050】
以上説明した実施の形態によれば、電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断するデータが遠隔地の監視装置から提供されるため、電動式移動棚装置のユーザーは、機能部品が劣化して機能が大きく低下してしまう前に、あるいは寿命に達する前に、部品を交換することができる。したがって、運用中に電動式移動棚が故障で突然停止してしまうことを未然に防止することができ、顧客満足度の向上を図ることができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、電動力によって移動可能な棚を複数並べ、指令信号の入力により各棚の移動を制御して任意の棚間に物品の出し入れ作業に必要な空間を形成させる制御部を有してなる電動式移動棚装置において、移動棚装置側と遠隔地との間でデータの授受を可能にするために、移動棚装置側の制御部と遠隔地に設けられた監視装置とを、通信手段を介して接続し、通信手段を介して監視装置から上記制御部へのソフトウエアのダウンロードおよび上記制御部から上記監視装置へのソフトウエアのアップロードを可能とした。そのため、例えば電動式移動棚装置の制御用ソフトウエアなどにバグがあることがわかった場合などに、バグのない修正されたソフトウエアを移動棚装置側の制御部にダウンロードすることができ、また、直ちにアップロードを実施してそのソフトウエアのバージョンを確認することができ、また、アップロードしたソフトウエアを使って動作のシミュレーションを行い、動作を確認するなどの検証を効果的に行うことができる。さらに、遠隔地でのバグの再現も可能であり、デバック作業を行った後、再度ダウンロードして現地の電動式移動棚装置を復旧させることも可能である。したがって、従来のように、修正されたソフトウエアを記録したROMを遠隔地から送付する必要はないし、技術者がパソコン等のソフトウエア開発ツールを現地に持ち込んで対応する必要もなく、また、現地からCPU基板を返却してもらい、ソフトウエアを入れ替えた後、再度現地に送付するというような煩雑な手順を踏むこともなく、きわめて迅速に対応することができる。
【0053】
本発明はまた、監視装置は、移動棚装置の過去の稼動データを収集しこの稼動データに基づき、または、機能部品の状態を測定することができる測定手段による測定結果に基づき、対象とする電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断するデータを提供するようにしたため、電動式移動棚装置側では、提供されたデータから、各機能部品の劣化や寿命を推定することができ、事前に部品交換等の処置をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電動式移動棚装置の実施形態を示す概念図である。
【図2】上記実施形態中の要部であるテレメンテサービス系を示す系統図である。
【図3】上記実施形態中の電動式移動棚の制御系統を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態中の要部を示す系統図である。
【図5】上記実施形態の一つの動作モードを示す運用手順図である。
【図6】上記実施形態の別の動作モードを示す運用手順図である。
【図7】上記実施形態のさらに別の動作モードを示す運用手順図である。
【図8】上記実施形態における各動作モードでの対象データを示すデータ分配図である。
【図9】上記実施形態におけるモニタ表示例を示す正面図である。
【図10】本発明にかかる電動式移動棚装置の構成例を概略的に示す系統図である。
【図11】同上電動式移動棚装置の構成例を概略的に示すハード構成図である。
【図12】本発明にかかる電動式移動棚装置の別の構成例を概略的に示す系統図である。
【図13】本発明にかかる電動式移動棚装置のさらに別の構成例を概略的に示す系統図である。
【図14】監視装置が有するソフトウエアの例を示す系統図である。
【図15】監視装置から移動棚装置側へのソフトウエアのダウンロード動作の例を示すフローチャートである。
【図16】電動式移動棚装置側から監視装置側へのソフトウエアのアップロード動作の例を示すフローチャートである。
【図17】本発明に適用可能な故障予防診断の例を示すフローチャートである。
【図18】本発明に適用可能な故障予防診断の別の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 端末装置
2 送信手段としてのアダプタ
3 電動式移動棚装置
4 制御部
5 監視装置を構成するパソコン
6 監視装置を構成するモニタ
14 監視装置を構成するモニタ
11 通信手段としてのモデム
21 主制御部
24 主制御基板
25 分散制御基板
31 主棚
32 分散棚
41 通信手段としてのモバイルデータアダプタ
42 通信手段としての無線電話
43 通信手段としての中継局

Claims (1)

  1. 電動力によって移動可能な棚を複数並べ、指令信号の入力により各棚の移動を制御して任意の棚間に物品の出し入れ作業に必要な空間を形成させる制御部を有してなる電動式移動棚装置において、
    移動棚装置側と遠隔地との間でデータの授受を可能にするために、移動棚装置側の制御部と遠隔地に設けられた監視装置とが通信手段を介して接続され、
    上記通信手段を介して上記監視装置から上記制御部へのソフトウエアのダウンロードおよび上記制御部から上記監視装置へのソフトウエアのアップロードが可能であり、
    上記監視装置は、移動棚装置の過去の稼動データを収集しこの稼動データに基づき、または、機能部品の状態を測定することができる測定手段による測定結果に基づき、対象とする電動式移動棚の機能部品の劣化や寿命を判断するデータを提供することを特徴とする電動式移動棚装置。
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