JP7034003B2 - 方向切換弁 - Google Patents

方向切換弁 Download PDF

Info

Publication number
JP7034003B2
JP7034003B2 JP2018085347A JP2018085347A JP7034003B2 JP 7034003 B2 JP7034003 B2 JP 7034003B2 JP 2018085347 A JP2018085347 A JP 2018085347A JP 2018085347 A JP2018085347 A JP 2018085347A JP 7034003 B2 JP7034003 B2 JP 7034003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
recess
drain
rotor
fluid pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018085347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019190592A (ja
Inventor
宗久 大川
淳 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiden Co Inc
Original Assignee
Daiden Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiden Co Inc filed Critical Daiden Co Inc
Priority to JP2018085347A priority Critical patent/JP7034003B2/ja
Publication of JP2019190592A publication Critical patent/JP2019190592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7034003B2 publication Critical patent/JP7034003B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding Valves (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)
  • Valve Housings (AREA)

Description

本発明は、流体圧回路に用いられるロータリー型の方向切換弁に関する。
油圧アクチュエータ、特に、回転部の駆動源として用いられる油圧モータは、その正逆転の切換や停止状態への移行を、方向切換弁等を備えた油圧回路により油圧モータに対する油圧供給状態を変化させることで実現しているのが一般的である。
こうした油圧モータを用いる油圧機器では、例えば走行部の坂道等での逸走など、油圧モータに連結された作動部が、使用していない時に、装置全体又は作動部の重量や外力の影響で勝手に動くことがないように、油圧モータにメカニカルブレーキを設けることが多かった。
このメカニカルブレーキは、作動部を動かす油圧モータに作動油を供給しない時には、ばね等の付勢力でブレーキを作動させて制動状態を得る一方、油圧モータに作動油を供給して油圧モータで作動部を動かす時など、ブレーキによる制動が必要ない場合には、メカニカルブレーキに作動油が供給され、付勢力に対抗する油圧でブレーキを解除できる仕組みである。
そして、メカニカルブレーキを併用する場合の方向切換弁としては、油圧モータへ作動油を送り出す負荷側ポートと共に、メカニカルブレーキに作動油を供給可能とするパイロット出力ポートが設けられ、負荷側ポートと圧力ポートとを連通させて油圧モータに作動油を送給する場合には、パイロット出力ポートを負荷側ポートに連通させ、メカニカルブレーキに作動油を供給してブレーキを解除し、負荷側ポートを圧力ポートに連通させず油圧モータに作動油を送給しない方向切換弁の中立状態では、パイロット出力ポートをドレンポート又は低圧ポートに連通させて作動油を逃がし、圧力を低下させてメカニカルブレーキに作動油が供給されない状態とするものが用いられる。
このような用途の方向切換弁には、ケーシングに内蔵されたスプールを直線移動させて切換えを行うスプール弁タイプの切換弁が多く用いられているが、このタイプの切換弁より、必要なスペースが小さく済みコンパクト化が可能なロータリー型の切換弁が用いられる場合がある。
このようなロータリー型の方向切換弁の一例として、特開2005-315296号公報に開示されるものがある。
特開2005-315296号公報
従来のロータリー型の方向切換弁は、前記特許文献に示されるような構成を有しており、ケーシングに内蔵されたローターをレバー等で所定角度回転させることで油圧回路の接続を切り換える仕組みであるが、ケーシングの各ポートにおける作動油圧力がローターに対し偏った状態で加わっている場合、作動油圧力の不釣り合い成分がローターに側圧として加わる状態となり、ローターの回転に支障を来すおそれがある。このため、使用していないポートの作動油について低圧部への流路を確保してローターに加わろうとする作動油圧力を逃がしたり、ローターに貫通孔を設ける、又は、ケーシングにバイパス通路を設けるようにして、各ポートのローターに面する開口位置の反対側にも作動油を導き、ローターを中心に圧力のバランスをとって、ローターに加わる側圧の抑制が図られていた。
ただし、前記特許文献に示された従来の方向切換弁においては、ローターを挟んで対向位置にあるパイロット出力ポート(以降、P1ポートと呼称)のローターに面する開口部とドレンポートのローターに面する開口部が、中立状態ではローターの通路孔を通じて連通し、圧力のバランスがとれるものの、ローターを動かしてP1ポートとドレンポートの連通が途切れ、さらにP1ポートと高圧の圧力ポートとの連通状態になると、P1ポートにはそれまでより高い油圧が加わる状態となり、P1ポートのローターに面する開口部とドレンポートのローターに面する開口部との間に圧力差が生じ、この圧力差がローターに側圧が加わる状態をもたらして、ローターの流路切換に係る回転に不都合が生じるおそれがあるという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、パイロット出力ポートに作動用流体の圧力が加わってもローターに側圧を生じさせず、ローターの回転による流体圧回路切換が問題なく行え、手動操作でもスムーズに切換を実行できる、方向切換弁を提供することを目的とする。
本発明に係る方向切換弁は、流体圧アクチュエータの正方向作動側と逆方向作動側の各流体圧流路にそれぞれ連通する二つの負荷側ポート、圧力源に連通する圧力ポート、及び低圧部に連通する低圧ポートを有するケーシングと、当該ケーシングに回動可能に嵌挿され、前記各ポートと連通可能な溝部及び/又は凹部を複数設けられる略円柱形状のローターとを備え、当該ローターを所定角度回動させて、圧力ポートがいずれの負荷側ポートにも連通しない中立状態と、圧力ポートが二つの負荷側ポートのいずれかに連通する状態とを切換可能とするロータリー型の方向切換弁において、前記ケーシングが、流体圧アクチュエータ又は当該流体圧アクチュエータに併設される外部装置の外部パイロット圧力入力用ポートに接続可能とされるパイロット出力ポートと、外部ドレンに接続可能とされるドレンポートとを有すると共に、前記圧力ポートが一方の負荷側ポートに連通する状態では、所定の流路を介して前記一方の負荷側ポートに接続されて流体圧を付加され、且つ、圧力ポートが他方の負荷側ポートに連通する状態では、所定の流路を介して前記他方の負荷側ポートに接続されて流体圧を付加される流体圧伝達口を、前記ローターに面する配置として設けられ、前記パイロット出力ポート、及びドレンポートのローターに面する各開口部、並びに前記流体圧伝達口が、ケーシングにおける各負荷側ポート、圧力ポート、及び低圧ポートのローターに面する各開口部に対しローターの回動軸方向にずれた箇所に、互いにローターの回動軸方向にずらして重ならない配置として設けられ、前記ローターが、前記圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態で前記流体圧伝達口に連通する流体圧伝達用凹部と、ローター上で前記流体圧伝達用凹部と回転対称の位置関係をなす流体圧伝達用補助凹部と、ローターを貫通して流体圧伝達用凹部と流体圧伝達用補助凹部とを連通させる流体圧伝達用貫通孔と、中立状態及び圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態でドレンポートに連通するドレン用凹部と、ローター上で前記ドレン用凹部と回転対称の位置関係をなすドレン用補助凹部と、ローターを貫通して前記ドレン用凹部とドレン用補助凹部とを連通させるドレン用貫通孔とを設けられ、前記流体圧伝達用貫通孔及びドレン用貫通孔が、ローターに、それぞれローター軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられ、前記流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部が、前記圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態で、パイロット出力ポートに連通する形状として設けられ、前記ドレン用凹部又はドレン用補助凹部が、中立状態で、パイロット出力ポートに連通する形状として設けられるものである。
このように本発明によれば、方向切換弁にパイロット出力ポートとドレンポートを設ける場合に、必要に応じ負荷側ポートと接続して流体圧を導入可能な流体圧伝達口をケーシングのローターに面する部位に設けると共に、この流体圧伝達口に連通可能な流体圧伝達用凹部をローターに設け、さらにローターには流体圧伝達用凹部と回転対称の位置関係となる流体圧伝達用補助凹部と、これら流体圧伝達用凹部と流体圧伝達用補助凹部とを連通させる流体圧伝達用貫通孔を設け、加えて、ローターにはドレンポートに連通するドレン用凹部を設け、さらに、ドレン用凹部と回転対称の位置関係となるドレン用補助凹部と、これらドレン用凹部とドレン用補助凹部とを連通させるドレン用貫通孔をローターに設けた上で、流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部を、圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態に切り換えられた際に、パイロット出力ポートに連通可能な形状とする一方、ドレン用凹部又はドレン用補助凹部を、中立状態ではパイロット出力ポートにも連通する形状として、パイロット出力ポートからローターに加わる流体圧がローターを挟む反対側にも付加される状態が得られるようにしている。これにより、方向切換弁が中立状態に切換えられると、パイロット出力ポートに以前の状態からの残留圧力が存在しても、パイロット出力ポートから連通状態となったドレン用凹部とドレン用補助凹部に流体圧が導入、解放されて、パイロット出力ポートからローターに加わる流体圧はローターを挟んで均等となり、また、圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態では、パイロット出力ポートにおける流体圧はローターの流体圧伝達用凹部と流体圧伝達用補助凹部にも同時に導入されており、同様にパイロット出力ポートからローターに加わる流体圧はローターを挟んで均等となって、ローターを挟んで圧力が釣り合い、ローターに側圧が加わることはなく、ローターを支障なく回転させて流路切換が問題なく実行できる。
加えて、仮にパイロット出力ポートを外部の装置に接続せず、パイロット出力ポートのケーシング外側の開口部を閉塞して外部装置への流体圧供給に使用しない場合に、負荷側ポートとの連通に伴う流体圧の影響を受けたパイロット出力ポートが、中立状態でドレン用凹部を介してドレンポートと連通する際、ドレンポートの状態によらず、パイロット出力ポートからローターに加わろうとする流体圧をドレン用凹部とドレン用補助凹部に均等に導入可能であり、側圧等の悪影響を生じ得ないこととなり、圧力解放のためにドレンポートを外部ドレンや低圧ポートに接続する必要はなく、作業の手間や管路配置のコストを抑えられる。
また、本発明に係る方向切換弁は必要に応じて、前記ケーシングの二つの負荷側ポートに二つの入口をそれぞれ接続されるシャトル弁が設けられ、当該シャトル弁の出口が、ケーシングの流体圧伝達口に接続されるものである。
このように本発明によれば、ケーシングの二つの負荷側ポートと流体圧伝達口とに接続されるシャトル弁を設けて、二つの負荷側ポートにおける流体圧のうち高い方の圧力がシャトル弁を経て流体圧伝達口に達するようにすることにより、圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態で、確実に流体圧の高い方の圧力をシャトル弁で選択して流体圧伝達口に導入し、流体圧伝達口から流体圧伝達用凹部や流体圧伝達用補助凹部を経てパイロット出力ポートに流体圧の高い作動用流体を送給可能となり、ローターの回転に伴って圧力ポートと連通する負荷側ポートが切り替わるのに合わせて各負荷側ポートから流体圧伝達口に至る流路を機械的に切換える仕組みをローターやケーシングに設けずに済み、弁装置を簡略な構成としてコストを抑えられると共に、信頼性を高められる。
また、本発明に係る方向切換弁は必要に応じて、前記ケーシングが、ケーシングにおける各負荷側ポート、圧力ポート、及び低圧ポートのローターに面する各開口部に対しローター軸方向にずれた箇所に、低圧ポートに連通する低圧開口部を、前記ローターに面する配置として設けられ、前記ドレン用凹部又はドレン用補助凹部が、前記圧力ポートが負荷側ポートの一方に連通する状態で、前記低圧開口部と連通する部位を含む凹部所定範囲部分を、凹部の他部分から分離して当該他部分とは非連通となる別の凹部とされて、複数の凹部として設けられ、当該複数の凹部とされるドレン用凹部又はドレン用補助凹部に対し、ローター上で回転対称の位置関係となるドレン用補助凹部又はドレン用凹部も、複数の凹部として設けられ、回転対称の位置関係となるドレン用凹部とドレン用補助凹部の組ごとに、当該ドレン用凹部とドレン用補助凹部とを連通させるドレン用貫通孔がそれぞれローター軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられるものである。
このように本発明によれば、ケーシングのローターに面する部位に設けられる低圧開口部に対し、ローター上のドレン用凹部を、この低圧開口部と連通可能な凹部と連通しない別の凹部とに分けて配設すると共に、ドレン用補助凹部もドレン用凹部に対応した複数の凹部とされ、且つ、ドレン用貫通孔も、対応するドレン用凹部とドレン用補助凹部の組ごとにそれぞれ設けられて、圧力ポートが負荷側ポートの一方に連通する状態で、一のドレン用凹部が低圧開口部に連通しても、ドレンポートに連通する他のドレン用凹部は低圧開口部に連通しない状態に保持されることにより、方向切換弁が中立状態でのセンターバイパス型構造を採用する際の、圧力ポートに連通するローターの溝部又は凹部を中立状態で低圧側と連通させる要求等に基づいて、低圧開口部がケーシング側に設けられる場合に、ドレン用凹部及び/又はドレン用補助凹部の一部が低圧開口部に面する位置までローターが回転しても、別の凹部とされたドレン用凹部及び/又はドレン用補助凹部の他部は低圧開口部と連通することなくドレンポートと連通して、ドレンポートの流体圧を低圧ポートとは独立したものに維持することとなり、弁装置がシリーズ接続とされた場合など、低圧ポートの流体圧が仮にドレンポートより高くなるような時でも、ドレンポートに通じる各部がその高い流体圧による悪影響を受けずに済み、ドレンポートを安定した状態に維持できる。
また、本発明に係る方向切換弁は必要に応じて、前記ケーシングが、ケーシングにおける各負荷側ポート、圧力ポート、及び低圧ポートのローターに面する各開口部に対しローター軸方向にずれた箇所に、低圧ポートに連通する低圧開口部を、前記ローターに面する配置として設けられ、前記流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部が、前記圧力ポートが負荷側ポートの一方に連通する状態で、前記低圧開口部と連通する部位を含む凹部所定範囲部分を、凹部の他部分から分離して当該他部分とは非連通となる別の凹部とされて、複数の凹部として設けられ、当該複数の凹部とされる流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部に対し、ローター上で回転対称の位置関係となる流体圧伝達用補助凹部又は流体圧伝達用凹部も、複数の凹部として設けられ、回転対称の位置関係となる流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部の組ごとに、当該流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部とを連通させる流体圧伝達用貫通孔がそれぞれローター軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられるものである。
このように本発明によれば、ケーシングのローターに面する部位に設けられる低圧開口部に対し、ローター上の流体圧伝達用凹部を、この低圧開口部と連通可能な凹部と連通しない別の凹部とに分けて配設すると共に、流体圧伝達用補助凹部も流体圧伝達用凹部に対応した複数の凹部とされ、且つ、流体圧伝達用貫通孔も、対応する流体圧伝達用凹部と流体圧伝達用補助凹部の組ごとにそれぞれ設けられて、圧力ポートが負荷側ポートの一方に連通する状態で、一の流体圧伝達用凹部が低圧開口部に連通しても、パイロット出力ポートに連通する他の流体圧伝達用凹部は低圧開口部に連通しない状態に保持されることにより、方向切換弁が中立状態でのセンターバイパス型構造を採用する際の、圧力ポートに連通するローターの溝部又は凹部を中立状態で低圧側と連通させる要求等に基づいて、低圧開口部がケーシング側に設けられる場合に、流体圧伝達用凹部及び/又は流体圧伝達用補助凹部の一部がこの低圧開口部に面する位置までローターが回転しても、別の凹部とされた流体圧伝達用凹部及び/又は流体圧伝達用補助凹部の他部は低圧開口部と連通することなくパイロット出力ポートと連通して、パイロット出力ポートの流体圧を低圧ポートとは独立したものに維持することとなり、パイロット出力ポートに通じる各部から流体圧の低い低圧ポート側に圧力が逃げてしまうような悪影響を受けずに済み、パイロット出力ポートを安定した状態に維持して、流体圧回路の安定性を確保できる。
本発明の一実施形態に係る方向切換弁の正面図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁の背面図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁を含む油圧モータ駆動用油圧回路の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁の中立状態におけるケーシングの一部切欠拡大横断面図である。 図1におけるローター及びケーシングのローター周囲部分のA-A断面図である。 図2におけるローター及びケーシングのローター周囲部分のB-B断面図である。 図2におけるローター及びケーシングのローター周囲部分のC-C断面図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁のローターに対するケーシングの各ポートの中立状態における相対位置を示したローター大径部の展開説明図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁のローターに対するケーシングの各ポートの第一の切換状態における相対位置を示したローター大径部の展開説明図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁の第一の切換状態におけるパイロット出力ポートへのローターの各凹部の接続状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁の第一の切換状態におけるドレンポートへのローターの各凹部の接続状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁のローターに対するケーシングの各ポートの第二の切換状態における相対位置を示したローター大径部の展開説明図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁の第二の切換状態におけるパイロット出力ポートへのローターの各凹部の接続状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る方向切換弁の第二の切換状態におけるドレンポートへのローターの各凹部の接続状態説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る方向切換弁を前記図1ないし図14に基づいて説明する。本実施形態においては、作動油を流通させてアクチュエータを駆動する油圧回路中に設けられて、アクチュエータへの作動油の流通状態を切換える方向切換弁の例について説明する。
前記各図において本実施形態に係る方向切換弁1は、流体圧アクチュエータとしての油圧モータ70の正方向作動側と逆方向作動側の各作動油流路にそれぞれ接続される二つの負荷側ポート16、17、圧力源30に接続される圧力ポート13、及び低圧部40に接続される低圧ポート14を有するケーシング10と、このケーシング10に回動可能に嵌挿され、前記各ポートと連通可能な溝部や凹部を複数設けられる略円柱形状のローター20とを備える構成である。
この方向切換弁1において、ローター20に連結されたレバー50を使用者が操作することで、ローター20を所定角度回転させ、この回転に伴うローター20のポジション切換で、ケーシング10に設けられた圧力ポート13及び低圧ポート14と、二つの負荷側ポート16、17との連通状態を変化させ、油圧モータ70に対する作動油の給排を切換える、ロータリー型の方向切換弁としての基本的構成については、公知の方向切換弁と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る方向切換弁1は、流量調整弁(圧力補償弁)やリリーフ弁、シャトル弁12を並設一体化されて、これらと共に油圧回路をなし、ケーシング10の前記各ポートを油圧モータ70、圧力源30、及び低圧部40とそれぞれ接続されて、油圧モータ70の作動制御を行えるようにしたものである。
このうち、前記シャトル弁12は、作動油を流入可能とする二つの入口と、作動油を送出可能とする一つの出口とをそれぞれ設けられ、二つの入口に導入される油圧を比較し、圧力が高い方の入口を出口と連通させるようにする公知の弁であり、二つの入口をケーシング10内の流路を通じて二つの負荷側ポート16、17にそれぞれ接続されて配設されるものである。
方向切換弁1では、ローター20を回動させることで、二つの負荷側ポート16、17がそれぞれ圧力ポート13及び低圧ポート14のいずれにも連通しない中立状態と、圧力ポート13が一方の負荷側ポート16に連通し、低圧ポート14が他方の負荷側ポート17に連通して、油圧モータ70を正方向に回転作動させる状態(第一の切換状態)と、圧力ポート13が他方の負荷側ポート17に連通し、低圧ポート14が一方の負荷側ポート16に連通して、油圧モータ70を逆方向に回転作動させる状態(第二の切換状態)との三つの状態(3ポジション)を切換可能である。
前記ケーシング10は、金属材で形成され、横断面が円形状の細長い空隙部11を内部に設けられると共に、外部からこの空隙部11に通じる作動油の流入出口を複数設けられる構成である。これら流入出口としては、詳細には、圧力源30に接続される圧力ポート13と、低圧部40に接続される低圧ポート14と、負荷である油圧モータ70の正方向作動側(正回転側)と逆方向作動側(逆回転側)の二つの流路61、62に各々接続される二つの負荷側ポート16、17がそれぞれ設けられる。
このケーシング10の空隙部11に、ローター20が回動可能に嵌挿配設される。
ケーシング10における圧力ポート13と低圧ポート14は、ケーシング10の一方の側面にローター20長手方向に並べて配置され、また、二つの負荷側ポート16、17は、ケーシング10の他方の側面にローター20長手方向に並べて配置される。
また、ケーシング10の上部には、流量調整弁やリリーフ弁、シャトル弁が内蔵されている。このうち、シャトル弁12は、作動油を流入可能とする二つの入口と、作動油を送出可能とする一つの出口とをそれぞれ設けられ、二つの入口に導入される油圧を比較し、圧力が高い方の入口を出口と連通させるようにする公知の弁であり、二つの入口をケーシング10内の流路を通じて二つの負荷側ポート16、17にそれぞれ接続されて配設されるものである。
この他、ケーシング10は、油圧モータ70に内蔵又は併設されるメカニカルブレーキ71の外部パイロット圧力入力用ポートに接続可能とされるパイロット出力ポート18と、外部ドレンに接続可能とされるドレンポート19とを有する。これらパイロット出力ポート18とドレンポート19は、圧力ポート13と低圧ポート14のあるケーシング10の一方の側面側に設けられる(図2参照)。
また、ケーシング10は、圧力ポート13が一方の負荷側ポート16に連通する第一の切換状態では、所定の流路を介してこの一方の負荷側ポート16に接続されて油圧を付加され、且つ、圧力ポート13が他方の負荷側ポート17に連通する第二の切換状態では、所定の流路を介して他方の負荷側ポート17に接続されて油圧を付加される開口部である流体圧伝達口15を、二つの負荷側ポート16、17のあるケーシング10の他方の側面側に、空隙部11に通じてローター20に面する配置として設けられる。
詳細には、流体圧伝達口15は、前記シャトル弁12の出口に連通して設けられており、圧力ポート13が一方の負荷側ポート16に連通する第一の切換状態では、この一方の負荷側ポート16に一方の入口を連通させているシャトル弁12の作用により、一方の負荷側ポート16とも連通して油圧を付加される。また、圧力ポート13が他方の負荷側ポート17に連通する第二の切換状態では、この他方の負荷側ポート17に他方の入口を連通させているシャトル弁12の作用により、流体圧伝達口15は他方の負荷側ポート16と連通して油圧を付加される仕組みである。
ケーシング11にはさらに、このケーシング11における各負荷側ポート16、17、圧力ポート13、及び低圧ポート14の、ローター20に面する各開口部に対し、ローター回動軸方向にずれて重ならない箇所に、ケーシング内の所定の流路を通じて低圧ポート14に連通する低圧開口部14aが、ローター20に面する配置として設けられる。
この低圧開口部14aは、方向切換弁1が中立状態でのセンターバイパス型構造となるように、中立状態で圧力ポート13に連通するローター20の溝部又は凹部に面してこれらと連通するように設けられ、圧力ポート13に導入された作動油が低圧開口部14aを経て低圧ポート14に還流可能としている。
なお、ケーシング10において、パイロット出力ポート18、及びドレンポート19のローター20に面する各開口部、並びに流体圧伝達口15は、ケーシング10における各負荷側ポート16、17、圧力ポート13、及び低圧ポート14のローター20に面する各開口部に対し、ローター20の回動軸方向におけるレバー50寄りにずれた箇所に、互いにローター20の回動軸方向にずらして重ならない配置として設けられる。
前記ローター20は、金属材で形成される略円柱状体であり、詳細には、ケーシング10の空隙部11の内周面に摺接する大径部21、22と、円柱軸方向の略中央に周方向へ連続する溝状に設けられる凹部23と、大径部21、22の円柱軸方向の端部寄りにそれぞれ隣接して設けられる小径部24、25とを備える構成である。
ローター20における大径部21、22の各表面には、前記凹部23に通じる高圧側溝部21a、22aと、小径部24、25周囲の空間部分を介して低圧ポート14に通じる低圧側溝部21b、22bと、中立状態で二つの負荷側ポート16、17にそれぞれ通じて大径部21、22を貫通する貫通孔21c、22cとが設けられる。
このローター20が、ケーシング10の空隙部11に回動可能に配設され、ケーシング10における各流入出口間の連通状態を変化させるように、ケーシング10に対し向きを調整される仕組みである。
この他、ローター20における一方の大径部21の端部には、圧力ポート13が負荷側ポート16、17のいずれかに連通する状態で、ケーシング10の流体圧伝達口15に連通する流体圧伝達用凹部26a、26bと、ローター20上で流体圧伝達用凹部26a、26bと回転対称の位置関係をなす流体圧伝達用補助凹部26c、26dと、ローター20を貫通して流体圧伝達用凹部26a、26bと流体圧伝達用補助凹部26c、26dとを連通させる流体圧伝達用貫通孔26e、26fとがそれぞれ設けられる。
この一方の大径部21の端部には、さらに、中立状態及び圧力ポート13が負荷側ポート16、17のいずれかに連通する状態で、ドレンポート19に連通する溝状のドレン用凹部27a、27bと、ローター20上でドレン用凹部27a、27bと回転対称の位置関係をなす溝状のドレン用補助凹部27c、27dと、ローター20を貫通してドレン用凹部27a、27bとドレン用補助凹部27c、27dとを連通させるドレン用貫通孔27e、27fとがそれぞれ設けられる。
ローター20を貫通する流体圧伝達用貫通孔26e、26f及びドレン用貫通孔27e、27fは、ローター20に、それぞれローター回動軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられる。
前記流体圧伝達用凹部26a、26bのうち、第一の流体圧伝達用凹部26aは、中立状態と圧力ポート13が一方の負荷側ポート16に連通する第一の切換状態とで、いずれも流体圧伝達口15に連通するように設けられ、この第一の流体圧伝達用凹部26aとローター20上で回転対称の位置関係をなす第一の流体圧伝達用補助凹部26cと、第一の流体圧伝達用貫通孔26eを通じて連通する構成である。また、第二の流体圧伝達用凹部26bは、圧力ポート13が他方の負荷側ポート17に連通する第二の切換状態で流体圧伝達口15に連通するように設けられ、この第二の流体圧伝達用凹部26bとローター20上で回転対称の位置関係をなす第二の流体圧伝達用補助凹部26dと、第二の流体圧伝達用貫通孔26fを通じて連通する構成である。
前記流体圧伝達用補助凹部26c、26dは、圧力ポート13が負荷側ポート16、17のいずれかに連通する状態で、パイロット出力ポート18に連通するように設けられる。これらと、流体圧伝達用貫通孔26e、26fと流体圧伝達用凹部26a、26bを通じて、パイロット出力ポート18を流体圧伝達口15に連通させることで、負荷側ポート16、17から作動油をパイロット出力ポート18に送給し、パイロット出力ポート18からメカニカルブレーキ71に作動油を供給可能とする仕組みである。
前記ドレン用凹部27a、27bのうち、第一のドレン用凹部27aは、圧力ポート13が一方の負荷側ポート16に連通する状態でドレンポート19に連通するように設けられ、この第一のドレン用凹部27aとローター20上で回転対称の位置関係をなす第一のドレン用補助凹部27cと、第一のドレン用貫通孔27eを通じて連通する構成である。また、第二のドレン用凹部27bは、中立状態及び圧力ポート13が他方の負荷側ポート17に連通する第二の切換状態でドレンポート19に連通するように設けられ、この第二のドレン用凹部27bとローター20上で回転対称の位置関係をなす第二のドレン用補助凹部27dと、第二のドレン用貫通孔27fを通じて連通する構成である。
加えて、第二のドレン用凹部27bは、中立状態でパイロット出力ポート18に連通するようにされており、中立状態ではパイロット出力ポート18をドレンポート19に連通させ、パイロット出力ポート18における油圧をドレンポート19に解放可能としている。
ロータ12においては、ケーシング10における流体圧伝達口15やパイロット出力ポート18、ドレンポート19の位置によって、圧力ポート13が負荷側ポート16、17のいずれかに連通する状態で、流体圧伝達用凹部26a、26bのいずれかがパイロット出力ポート18に連通するようにしたり、中立状態で、ドレン用補助凹部27c、27dのいずれかがパイロット出力ポート18及び/又はドレンポート19に連通するようにしてもかまわない。
次に、前記構成に基づく方向切換弁装置による油圧回路切換状態について説明する。前提として、ポンプ等の圧力源30から所定圧力の作動油が油圧モータ70の作動の有無に関わりなく方向切換弁1に向け継続的に供給されているものとする。
方向切換弁1のローター20が中立状態の場合(図4、図8参照)、方向切換弁1の圧力ポート13と二つの負荷側ポート16、17との連通が遮断され、作動油供給がなされないことで、油圧モータ70は停止状態となる。ただし、このローター20の中立状態で、パイロット出力ポート18が第二のドレン用凹部27bに面し、またドレンポート19も第二のドレン用凹部27bに面して、第二のドレン用凹部27bがパイロット出力ポート18とドレンポート19とを連通させることから、このローター20における第二のドレン用凹部27bを通じて、パイロット出力ポート18からドレンポート14側に圧力が抜けて、パイロット出力ポート18とドレンポート19に存在する作動油の圧力は等しくなる。
パイロット出力ポート18が油圧モータ70側のメカニカルブレーキ71における外部パイロット圧力入力用ポートに接続され、ドレンポート19が外部ドレンに接続されている場合は、中立状態でパイロット出力ポート18の油圧がドレンポート19側に解放されることで、メカニカルブレーキ71の外部パイロット圧力入力用ポートにおける油圧も低下し、メカニカルブレーキ71がブレーキ作動状態に移行して、油圧モータ70を拘束し、外力による不要な回転を防止することとなる。
また、ドレンポート19は第二のドレン用凹部27bと第二のドレン用補助凹部27dに連通していることで、ドレンポート19が仮に外部ドレンに接続されず、パイロット出力ポート18との連通によりドレンポート19における残留作動油の圧力が無視できない程度の大きさとなった場合でも、第二のドレン用凹部27bから第二のドレン用貫通孔27fを通じて第二のドレン用補助凹部27dに圧力が加わり、ローター20を挟んで圧力のバランスがとれた状態が得られ、ローター20を回転させる使用者の操作に支障を来すような側圧等の問題は生じない。
この中立状態では、流体圧伝達口15も第一の流体圧伝達用凹部26aに面しており、流体圧伝達口15に残留する作動油の圧力が第一の流体圧伝達用凹部26a、第一の流体圧伝達用貫通孔26eを通じてローター20における反対側の第一の流体圧伝達用補助凹部26cに加わる状態となることで、ローター20に対し加わる圧力の偏りが無く、ローター20を回転させる操作に悪影響を与えない。
手動操作によるローター20のポジション切換で、ローター20が中立状態からレバー50側から見て反時計回りに所定角度(例えば、約45°)回転し、圧力ポート13が一方の負荷側ポート16と連通し、且つ低圧ポート14が他方の負荷側ポート17に連通した第一の切換状態(図9参照)では、圧力源30からの高圧の作動油が、方向切換弁1の圧力ポート13に進み、凹部23や高圧側溝部21aを経て、一方の負荷側ポート16に至ることとなる。作動油は、一方の負荷側ポート16から出て、油圧モータ70に接続される一方の流路61を通じて油圧モータ70に供給される状態となる。これにより、油圧モータ70が正回転方向に駆動されることとなる。
この圧力ポート13と一方の負荷側ポート16の連通状態では、方向切換弁1に併設された流量調整弁の働きにより、流量が負荷側の影響を受けることはなく、ローター20位置で決る供給流量に応じて、油圧モータ70の速度制御が適切に行える。
この状態で、油圧モータ70から作動油が排出される他方の流路62に接続する他方の負荷側ポート17は、低圧ポート15と連通しているため、油圧モータ70の回転作動の間、油圧モータ70から他方の流路62に排出される作動油は、他方の負荷側ポート17、及び低圧ポート14を経て低圧部40に達する。
また、この圧力ポート13と一方の負荷側ポート16の連通状態では、この一方の負荷側ポート16に一方の入口を連通させているシャトル弁12が、この一方の入口と出口とを連通させることで、シャトル弁12の出口に連通する流体圧伝達口15が一方の負荷側ポート16とも連通して油圧を付加される。
そして、この時、流体圧伝達口15に第一の流体圧伝達用凹部26aが連通し、ローター20の反対側の第一の流体圧伝達用補助凹部26cがパイロット出力ポート18に連通することから、第一の流体圧伝達用凹部26aと、第一の流体圧伝達用貫通孔26eと、第一の流体圧伝達用補助凹部26cを通じて、流体圧伝達口15とパイロット出力ポート18を連通させることができ、一方の負荷側ポート16から作動油をパイロット出力ポート18に送給し、パイロット出力ポート18に接続された流路に作動油を送出可能となる(図10参照)。
パイロット出力ポート18が油圧モータ70側のメカニカルブレーキ71における外部パイロット圧力入力用ポートに接続されている場合は、パイロット出力ポート18から十分高い油圧がメカニカルブレーキ71の外部パイロット圧力入力用ポートに導入されることで、メカニカルブレーキ71はブレーキ解除状態に移行し、油圧モータ70の回転作動を許容することとなる。
一方、ドレンポート19は、第一のドレン用凹部27aに連通する状態となっている。この状態で、ドレンポート19が外部ドレンや低圧ポートに接続されておらず、ドレンポート19が中立状態でパイロット出力ポート18と連通していた時の影響により、ドレンポート19に残留作動油の圧力が無視できない程度の大きさでそのまま存在している場合であっても、第一のドレン用凹部27aから第一のドレン用貫通孔27eを通じて、ローター20の反対側の第一のドレン用補助凹部27cに圧力が加わり、ローター20を挟んで圧力のバランスがとれた状態が得られており(図11参照)、ローター20を回転させる操作に支障を来すような側圧等の問題は生じない。
さらに、手動操作によるローター20のポジション切換で、ローター20が中立状態からレバー50側から見て時計回りに所定角度(例えば、約45°)回転し、方向切換弁1で圧力ポート13が他方の負荷側ポート17と、低圧ポート14が一方の負荷側ポート16とそれぞれ連通する第二の切換状態(図12参照)では、圧力源30からの高圧の作動油が、方向切換弁1の圧力ポート13に進み、凹部23や高圧側溝部22aを経て他方の負荷側ポート17に至る。負荷側ポート17から出た作動油は、油圧モータ70に接続される他方の流路62を通じて油圧モータ70に供給されることで、油圧モータ70は逆回転方向に駆動される。
そして、一方の負荷側ポート16は低圧ポート14に連通することから、油圧モータ70の回転作動の間、油圧モータ70から一方の流路61に排出される作動油は、一方の負荷側ポート16、及び低圧ポート14を経て低圧部40に達する。
この圧力ポート13と他方の負荷側ポート17の連通状態では、この他方の負荷側ポート17に他方の入口を連通させているシャトル弁12が、この他方の入口と出口とを連通させることで、シャトル弁12の出口に連通する流体圧伝達口15が他方の負荷側ポート17とも連通して油圧を付加される。
そして、この時、流体圧伝達口15に第二の流体圧伝達用凹部26bが連通し、反対側の第二の流体圧伝達用補助凹部26dがパイロット出力ポート18に連通することから、第二の流体圧伝達用凹部26bと、第二の流体圧伝達用貫通孔26fと、第二の流体圧伝達用補助凹部26dを通じて、流体圧伝達口15とパイロット出力ポート18を連通させることができ、他方の負荷側ポート17から作動油をパイロット出力ポート18に送給し、パイロット出力ポート18に接続された流路に作動油を送出可能となる(図13参照)。
パイロット出力ポート18が油圧モータ70側のメカニカルブレーキ71における外部パイロット圧力入力用ポートに接続されている場合は、パイロット出力ポート18から十分高い油圧がメカニカルブレーキ71の外部パイロット圧力入力用ポートに導入されることで、上記同様、メカニカルブレーキ71はブレーキ解除状態にあり、油圧モータ70の回転作動を許容する。
一方、ドレンポート19は、第二のドレン用凹部27bに連通する状態となっている。この状態で、ドレンポート19が仮に外部ドレンや低圧ポート14に接続されておらず、ドレンポート19が中立状態でパイロット出力ポート18と連通していた時の圧力が中立状態から切換えられても解放されず、その影響によって、ドレンポート19に残留作動油の圧力が無視できない程度の大きさでそのまま存在している場合でも、第二のドレン用凹部27bから第二のドレン用貫通孔27fを通じて、ローター20の反対側の第二のドレン用補助凹部27dに圧力が加わり、ローター20を挟んで圧力のバランスがとれた状態が得られており(図14参照)、ローター20を回転させる操作に支障を来すような側圧等の問題は生じない。
なお、この時、流体圧伝達口15と連通していない第一の流体圧伝達用凹部26aと、ドレンポート19と連通していない第一のドレン用凹部27aが、ケーシング10に設けられた低圧開口部14aに面して、これとそれぞれ連通する状態となるが(図12参照)、第一の流体圧伝達用凹部26a及びローター20の反対側の第一の流体圧伝達用補助凹部26cが、この時に流体圧伝達口15やパイロット出力ポート18と連通している第二の流体圧伝達用凹部26b及び第二の流体圧伝達用補助凹部26dとは分離した別の凹部とされて、これらとの間で作動油を流通させることはないため、パイロット出力ポート18における油圧を低圧ポート14とは独立したものに維持することができる。これにより、パイロット出力ポート18に通じる各部から低圧開口部14aを経て低圧ポート14側に圧力が逃げてしまうような事態を防いで、パイロット出力ポート18の油圧を安定した状態に維持でき、特に油圧モータ70とメカニカルブレーキ71を併用する場合に、パイロット出力ポート18の油圧が低下してメカニカルブレーキ71が誤ってブレーキ作動状態となるようなことはなく、油圧モータ70の作動の安定性を確保できる。
同様に、第一のドレン用凹部27a及びローター20の反対側の第一のドレン用補助凹部27cが、この時ドレンポート19と連通している第二のドレン用凹部27b及び第二のドレン用補助凹部27dとは分離した別の凹部とされて、これらとの間で作動油を流通させることはないため、ドレンポート19における油圧を低圧ポート14とは独立したものに維持することができる。これにより、方向切換弁がシリーズ接続とされた場合などで、低圧ポート14の油圧が仮にドレンポート19の油圧より高くなるような時でも、ドレンポート19に通じる各部が低圧ポート14側の油圧による影響を受けない安定した状態に維持される。
このように、本実施形態に係る方向切換弁は、メカニカルブレーキ71等の利用のために、パイロット出力ポート18とドレンポート19を設ける場合に、必要に応じ負荷側ポート16、17と接続して油圧を導入可能な流体圧伝達口15をケーシング10のローター20に面する部位に設けると共に、この流体圧伝達口15に連通可能な流体圧伝達用凹部26a、26bをローター20に設け、さらにローター20には流体圧伝達用凹部26a、26bと回転対称の位置関係となる流体圧伝達用補助凹部26c、26dと、これら流体圧伝達用凹部26a、26bと流体圧伝達用補助凹部26c、26dとを連通させる流体圧伝達用貫通孔26e、26fを設け、加えて、ローター20にはドレンポート19に連通するドレン用凹部27a、27bを設け、さらに、ドレン用凹部27a、27bと回転対称の位置関係となるドレン用補助凹部27c、27dと、これらドレン用凹部27a、27bとドレン用補助凹部27c、27dとを連通させるドレン用貫通孔27e、27fをローター20に設けた上で、流体圧伝達用補助凹部26c、26dを、圧力ポート13が負荷側ポート16、17のいずれかに連通する状態に切換えられた際に、パイロット出力ポート18に連通可能な形状とする一方、ドレン用凹部27bを、中立状態ではパイロット出力ポート18にも連通する形状として、パイロット出力ポート18からローター20に加わる油圧がローター20を挟む反対側にも付加される状態が得られるようにしている。これにより、方向切換弁が中立状態に切換えられると、パイロット出力ポート18に以前の状態からの残留圧力が存在しても、パイロット出力ポート18から連通状態となったドレン用凹部27bとドレン用補助凹部27dに油圧が導入、解放されて、パイロット出力ポート18からローター20に加わる流体圧はローター20を挟んで均等となり、また、圧力ポート13が負荷側ポート16、17のいずれかに連通する状態では、パイロット出力ポート18における油圧はローター20の流体圧伝達用凹部26a、26bと流体圧伝達用補助凹部26c、26dにも同時に導入されており、同様にパイロット出力ポート18からローター20に加わる油圧はローター20を挟んで均等となって、ローター20を挟んで圧力が釣り合い、ローター20に側圧が加わることはなく、ローター20を支障なく回転させて流路切換が問題なく実行できる。
加えて、仮にパイロット出力ポート18を外部の装置に接続せず、パイロット出力ポート18のケーシング外側の開口部を閉塞して外部装置への油圧供給に使用しない場合に、負荷側ポート16、17との連通に伴う油圧の影響を受けたパイロット出力ポート18が、中立状態でドレン用凹部27bを介してドレンポート19と連通する際、ドレンポート19の状態によらず、パイロット出力ポート18からローター20に加わろうとする油圧をドレン用凹部27bとドレン用補助凹部27dに均等に導入可能であり、側圧等の悪影響を生じ得ないこととなり、圧力解放のためにドレンポート19を外部ドレンや低圧ポート14に接続する必要はなく、作業の手間や管路配置のコストを抑えられる。
1 方向切換弁
10 ケーシング
11 空隙部
12 シャトル弁
13 圧力ポート
14 低圧ポート
15 流体圧伝達口
16、17 負荷側ポート
18 パイロット出力ポート
19 ドレンポート
20 ローター
21、22 大径部
21a、22a 高圧側溝部
21b、22b 低圧側溝部
21c、22c 貫通孔
23 凹部
24、25 小径部
26a、26b 流体圧伝達用凹部
26c、26d 流体圧伝達用補助凹部
26e、26f 流体圧伝達用貫通孔
27a、27b ドレン用凹部
27c、27d ドレン用補助凹部
27e、27f ドレン用貫通孔
30 圧力源
40 低圧部
50 レバー
61、62 流路
70 油圧モータ
71 メカニカルブレーキ

Claims (4)

  1. 流体圧アクチュエータの正方向作動側と逆方向作動側の各流体圧流路にそれぞれ連通する二つの負荷側ポート、圧力源に連通する圧力ポート、及び低圧部に連通する低圧ポートを有するケーシングと、当該ケーシングに回動可能に嵌挿され、前記各ポートと連通可能な溝部及び/又は凹部を複数設けられる略円柱形状のローターとを備え、当該ローターを所定角度回動させて、圧力ポートがいずれの負荷側ポートにも連通しない中立状態と、圧力ポートが二つの負荷側ポートのいずれかに連通する状態とを切換可能とするロータリー型の方向切換弁において、
    前記ケーシングが、流体圧アクチュエータ又は当該流体圧アクチュエータに併設される外部装置の外部パイロット圧力入力用ポートに接続可能とされるパイロット出力ポートと、外部ドレンに接続可能とされるドレンポートとを有すると共に、前記圧力ポートが一方の負荷側ポートに連通する状態では、所定の流路を介して前記一方の負荷側ポートに接続されて流体圧を付加され、且つ、圧力ポートが他方の負荷側ポートに連通する状態では、所定の流路を介して前記他方の負荷側ポートに接続されて流体圧を付加される流体圧伝達口を、前記ローターに面する配置として設けられ、
    前記パイロット出力ポート、及びドレンポートのローターに面する各開口部、並びに前記流体圧伝達口が、ケーシングにおける各負荷側ポート、圧力ポート、及び低圧ポートのローターに面する各開口部に対しローターの回動軸方向にずれた箇所に、互いにローターの回動軸方向にずらして重ならない配置として設けられ、
    前記ローターが、前記圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態で前記流体圧伝達口に連通する流体圧伝達用凹部と、ローター上で前記流体圧伝達用凹部と回転対称の位置関係をなす流体圧伝達用補助凹部と、ローターを貫通して流体圧伝達用凹部と流体圧伝達用補助凹部とを連通させる流体圧伝達用貫通孔と、中立状態及び圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態でドレンポートに連通するドレン用凹部と、ローター上で前記ドレン用凹部と回転対称の位置関係をなすドレン用補助凹部と、ローターを貫通して前記ドレン用凹部とドレン用補助凹部とを連通させるドレン用貫通孔とを設けられ、
    前記流体圧伝達用貫通孔及びドレン用貫通孔が、ローターに、それぞれローター軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられ、
    前記流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部が、前記圧力ポートが負荷側ポートのいずれかに連通する状態で、パイロット出力ポートに連通する形状として設けられ、
    前記ドレン用凹部又はドレン用補助凹部が、中立状態で、パイロット出力ポートに連通する形状として設けられることを
    特徴とする方向切換弁。
  2. 前記請求項1に記載の方向切換弁において、
    前記ケーシングの二つの負荷側ポートに二つの入口をそれぞれ接続されるシャトル弁が設けられ、
    当該シャトル弁の出口が、ケーシングの流体圧伝達口に接続されることを
    特徴とする方向切換弁。
  3. 前記請求項1又は2に記載の方向切換弁において、
    前記ケーシングが、ケーシングにおける各負荷側ポート、圧力ポート、及び低圧ポートのローターに面する各開口部に対しローター軸方向にずれた箇所に、低圧ポートに連通する低圧開口部を、前記ローターに面する配置として設けられ、
    前記ドレン用凹部又はドレン用補助凹部が、前記圧力ポートが負荷側ポートの一方に連通する状態で、前記低圧開口部と連通する部位を含む凹部所定範囲部分を、凹部の他部分から分離して当該他部分とは非連通となる別の凹部とされて、複数の凹部として設けられ、
    当該複数の凹部とされるドレン用凹部又はドレン用補助凹部に対し、ローター上で回転対称の位置関係となるドレン用補助凹部又はドレン用凹部も、複数の凹部として設けられ、
    回転対称の位置関係となるドレン用凹部とドレン用補助凹部の組ごとに、当該ドレン用凹部とドレン用補助凹部とを連通させるドレン用貫通孔がそれぞれローター軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられることを
    特徴とする方向切換弁。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の方向切換弁において、
    前記ケーシングが、ケーシングにおける各負荷側ポート、圧力ポート、及び低圧ポートのローターに面する各開口部に対しローター軸方向にずれた箇所に、低圧ポートに連通する低圧開口部を、前記ローターに面する配置として設けられ、
    前記流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部が、前記圧力ポートが負荷側ポートの一方に連通する状態で、前記低圧開口部と連通する部位を含む凹部所定範囲部分を、凹部の他部分から分離して当該他部分とは非連通となる別の凹部とされて、複数の凹部として設けられ、
    当該複数の凹部とされる流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部に対し、ローター上で回転対称の位置関係となる流体圧伝達用補助凹部又は流体圧伝達用凹部も、複数の凹部として設けられ、
    回転対称の位置関係となる流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部の組ごとに、当該流体圧伝達用凹部又は流体圧伝達用補助凹部とを連通させる流体圧伝達用貫通孔がそれぞれローター軸方向にずらして他の貫通孔と重ならない配置として設けられることを
    特徴とする方向切換弁。
JP2018085347A 2018-04-26 2018-04-26 方向切換弁 Active JP7034003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085347A JP7034003B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 方向切換弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085347A JP7034003B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 方向切換弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019190592A JP2019190592A (ja) 2019-10-31
JP7034003B2 true JP7034003B2 (ja) 2022-03-11

Family

ID=68389689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018085347A Active JP7034003B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 方向切換弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7034003B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005315296A (ja) 2004-04-27 2005-11-10 Takanashi Yuatsuki:Kk 油圧装置用ロータリー形切換弁
JP2009150556A (ja) 2001-08-15 2009-07-09 Amada Co Ltd 方向制御弁
JP2012219744A (ja) 2011-04-11 2012-11-12 Honda Motor Co Ltd 油圧制御バルブ
JP3204006U (ja) 2016-01-19 2016-05-12 鄭瑞源 回転式液圧弁改良構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58102806U (ja) * 1981-12-30 1983-07-13 三菱重工業株式会社 油圧モ−タのブレ−キ装置
JPS62183153U (ja) * 1986-05-13 1987-11-20
US9605765B1 (en) * 2016-02-01 2017-03-28 Jui-Yuan Cheng Rotary hydraulic valve

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009150556A (ja) 2001-08-15 2009-07-09 Amada Co Ltd 方向制御弁
JP2005315296A (ja) 2004-04-27 2005-11-10 Takanashi Yuatsuki:Kk 油圧装置用ロータリー形切換弁
JP2012219744A (ja) 2011-04-11 2012-11-12 Honda Motor Co Ltd 油圧制御バルブ
JP3204006U (ja) 2016-01-19 2016-05-12 鄭瑞源 回転式液圧弁改良構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019190592A (ja) 2019-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5367893B2 (ja) ホイールローダのステアリング装置
JP6773418B2 (ja) 方向切換弁及び油圧システム
JP6730798B2 (ja) 油圧駆動装置
JP6514522B2 (ja) アンロード弁および油圧ショベルの油圧駆動システム
JP6773421B2 (ja) 方向切換弁及び油圧システム
CN107061404B (zh) 方向切换阀和液压系统
KR101643069B1 (ko) 주행 제어 밸브
JP4624203B2 (ja) 建設機械用油圧制御装置
WO2018003403A1 (ja) 流体圧制御装置
JP7034003B2 (ja) 方向切換弁
JP6552829B2 (ja) 方向切換弁
US11242671B2 (en) Hydraulic circuit of construction machine
WO2019058711A1 (ja) 液圧モータ制御装置
CN112555210A (zh) 流体控制装置、施工机械以及流体控制装置的控制方法
JP3854561B2 (ja) 車両走行用流体圧回路
JP2005090573A (ja) Hst走行駆動装置
WO2017064953A1 (ja) 流体圧制御回路と流体圧制御装置
JP2018119664A (ja) カウンタバランス弁及びカウンタバランス弁を備えた流体圧制御装置
JP5394284B2 (ja) 負荷圧感応型油圧回路
KR101100263B1 (ko) 가변용량형 액압기계의 제어장치
JP2005061510A (ja) 圧力補償弁付き方向制御弁装置
JP2020139589A (ja) 流量調整弁
JP2002206505A (ja) 旋回用油圧回路
JP2002089708A (ja) 閉回路用制御弁
JP2005090676A (ja) 流量補正バルブ、流量補正バブル装置および静油圧駆動車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7034003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150