JP7033949B2 - イオン液体、磁気記録媒体用潤滑剤、及び磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン液体、磁気記録媒体用潤滑剤、及び磁気記録媒体に関する。
磁気ディスクの記録密度増大に伴い、ヘッド-ディスク間の空隙は年々狭まってきており、近年では、前記空隙は、数nm~サブnmオーダーとなってきている。そのため、ヘッドによるディスクの接触摩耗が起こりやすく、記録信頼性の低下に繋がるとされている。
そこで、接触摩耗を防ぐためにハードディスク(HD)表面にはカーボン保護層及び潤滑剤層が設けられている。一般に、潤滑剤層には、下記構造式で表される、水酸基に代表される極性官能基をもつパーフルオロポリエーテル(PFPE)が用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
Figure 0007033949000001
このような末端官能基化PFPEはカーボン保護層に吸着することで、潤滑剤層が薄膜化しても高い耐摩耗性、耐蒸発性、及び耐飛散性を示すことが知られており、近年のHDにおいてよく用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
PFPEは、単分子膜レベルの薄膜でも高い耐摩耗特性を示すことが知られているが、当然単分子膜以上には薄くすることができず、その厚みは、使用されるPFPEの分子量に依存する。今後、記録密度の更なる増大が見込まれるため、薄膜化及び低分子量化が予想されるが、分子量が低減すれば耐熱性や耐飛散性の低下が予想されるため、PFPEの分子量低減による対応には限界がある。
近年、磁気ディスクの記録容量及び記録速度を更に向上させる方式としてHAMR(Heat-Assist Magnetic Recording:熱アシスト記録)方式と呼ばれる記録方式が開発されている。このHAMR方式では、近接場光により記録部位を局所的に加熱し、熱オフセットをかけながら磁場の記録及び再生をすることにより、記録容量、速度、及び信頼性の向上を可能とする。
しかし、この方式では、ディスクが局所的に200℃付近まで加熱される(非特許文献2参照)。そのため、この方式に用いられる潤滑剤には200℃以上(長期耐久性を考慮すると、好ましくは250℃以上)の熱安定性が求められる。しかし、前述のPFPEでは、熱安定性が不十分であるという問題がある。
潤滑剤の熱安定性を向上させる方法として、潤滑剤のイオン液体化がある。例えば、末端に酸を持つPFPEと、アルキルアミンとを反応させ、アンモニウム塩系のイオン液体にした事例がある。この手法により、高い熱分解温度を保持しながら、優れた摩擦及び潤滑特性を示すことが報告されている。
ところで、HD用潤滑剤は、一般的に、フッ素系溶剤〔例として、2H,3H-デカフルオロペンタン(メーカー:三井デュポン(Vertrel XF))など〕で希釈した上でディップ塗布に使用される(例えば、特許文献3参照)。しかし、先述のイオン液体は、これらのフッ素系溶剤への溶解性に乏しく、均一塗布ができないという問題がある。そのため、イオン液体型潤滑剤を実用化するには高いフッ素系溶剤溶解性が求められる。
更に、HDには繰り返し摩耗してもクラッシュしにくい耐摩耗性が求められる。この耐摩耗性を向上させる方法のひとつとして、潤滑剤の流動性向上が知られている(非特許文献3、及び特許文献4参照)。ヘッドが基材上を通過した際の圧力及び接触によって、潤滑剤層が薄くなることが知られている。そして、潤滑剤層が薄いままであると、ヘッドとディスクとの接触が生じた際に、ヘッドの摩耗が生じやすくなる。即ち、潤滑剤の流動性が悪い、或いは潤滑剤が固体であると、ヘッドの耐久性が悪くなる。しかし、流動性が高い場合は薄くなった潤滑剤を埋め戻しにより修復することができ、耐摩耗性が高くなる。そのため、記録媒体が使用されるような常温において液体であるということは重要であるとされている。
しかし、これらの潤滑層が液体である場合、スピンオフによる飛散やヘッドへの潤滑剤移着により、信頼性の維持が困難になることが懸念されており、これを克服するためにボンド率の向上が望まれている。
特開2006-70173号公報 特開2014-191847号公報 特開2008-75000号公報 特開2007-231056号公報
B.Bhushan,Tribology and Mechanics of Magnetic Storage Device, Springer (1996) 富士電機技報 2012 vol.85 no.4 pp.329-332 IDEMA Japan News No.58, pp.1-4
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、熱安定性、及び摩耗特性に優れ、更にフッ素系溶剤への溶解性、及び流動性にも優れるにも関わらずボンド率が高いイオン液体、及び前記イオン液体を用いた磁気記録媒体用潤滑剤、並びに前記磁気記録媒体用潤滑剤を用いた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> カチオン成分と、アニオン成分とを有し、
前記カチオン成分が、パーフルオロポリエーテル鎖を有する基と、水酸基を有する基とを有することを特徴とするイオン液体である。
<2> 下記一般式(1)で表される前記<1>に記載のイオン液体である。
Figure 0007033949000002
ただし、前記一般式(1)中、Rfは、炭素数1~4のパーフルオロアルキルオキシ鎖を繰り返し単位として持つパーフルオロポリエーテル鎖を表す。
Xは、単結合、及び2価の連結基のいずれかを表す。
は、水酸基を有するアルキル基を表す。
、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。
は、前記アニオン成分を表す。
<3> 下記一般式(2)で表される前記<1>から<2>のいずれかに記載のイオン液体である。
Figure 0007033949000003
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水酸基を有するアルキル基を表す。R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。mは、0~10の整数を表す。nは、2~10の整数を表す。pは、1~20の整数を表す。Zは、前記アニオン成分を表す。
<4> 前記アニオン成分が、フッ素化炭化水素基を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のイオン液体である。
<5> 前記アニオン成分が、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)及び下記一般式(IV)のいずれかで表される前記<1>から<4>のいずれかに記載のイオン液体である。
Figure 0007033949000004
ただし、前記一般式(I)中、xは、0~7の整数を表す。
ただし、前記一般式(II)中、x1及びx2は、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。
ただし、前記一般式(III)中、x3は、1~8の整数を表す。
ただし、前記一般式(IV)中、nは、1~8の整数を表す。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のイオン液体を含有することを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤である。
<7> 更にフッ素系溶剤を含有する前記<6>に記載の磁気記録媒体用潤滑剤である。
<8> 非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に磁性層と、前記磁性層上に前記<6>から<7>のいずれかに記載の磁気記録媒体用潤滑剤とを有することを特徴とする磁気記録媒体。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、熱安定性、及び摩耗特性に優れ、更にフッ素系溶剤への溶解性、及び流動性にも優れるにも関わらずボンド率が高いイオン液体、及び前記イオン液体を用いた磁気記録媒体用潤滑剤、並びに前記磁気記録媒体用潤滑剤を用いた磁気記録媒体を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るハードディスクの一例を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る磁気テープの一例を示す断面図である。
(イオン液体)
本発明のイオン液体は、アニオン成分と、カチオン成分とを有する。即ち、前記イオン液体は、前記アニオン成分と、前記カチオン成分とから構成される。
本発明者らは、熱安定性、及び摩耗特性に優れ、更にフッ素系溶剤への溶解性、及び流動性にも優れるにも関わらずボンド率が高いイオン液体を提供するために、鋭意検討を行った。その結果、アニオン成分と、カチオン成分とを有するイオン液体において、前記カチオン成分が、パーフルオロポリエーテル鎖を有する基と、水酸基を有する基とを有することにより、熱安定性、及び摩耗特性に優れ、更にフッ素系溶剤への溶解性、及び流動性にも優れるにも関わらずボンド率が高いイオン液体が得られることを見出した。そのイオン液体は、磁気記録媒体用潤滑剤に好適に用いることができる。
前記イオン液体において、熱安定性、及びフッ素系溶剤への溶解性に優れ、更に流動性にも優れるにも関わらず、ボンド率が高い理由について、本発明者らは以下のように考察している。
イオン液体自体は熱安定性に優れる。更に、カチオン成分が、パーフルオロポリエーテル鎖を有することにより、摩耗特性、及びフッ素系溶剤溶解性に優れ、かつ低融点となる。低融点であることにより、常温(25℃)での流動性に優れる。更に、カチオン成分が、水酸基を有することにより、フッ素系溶剤溶解性及び流動性を低下せずに、ボンド率を高くすることができる。
<カチオン成分>
前記カチオン成分は、パーフルオロポリエーテル鎖を有する基と、水酸基を有する基とを有する。
前記カチオン成分は、4級アンモニウムカチオンであることが好ましい。
前記4級アンモニウムカチオンとしては、下記一般式(1-1)で表されるカチオンであることが好ましい。
Figure 0007033949000005
ただし、前記一般式(1)中、Rfは、炭素数1~4のパーフルオロアルキルオキシ鎖を繰り返し単位として持つパーフルオロポリエーテル鎖を表す。
Xは、単結合、及び2価の連結基のいずれかを表す。
は、水酸基を有するアルキル基を表す。
、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。
<<パーフルオロポリエーテル鎖又はRf>>
前記パーフルオロポリエーテル鎖又は前記Rfの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,500以下が好ましく、1,000以下がより好ましく、600以下がより好ましい。前記パーフルオロポリエーテル鎖又は前記Rfの分子量の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、300などが挙げられる。
前記パーフルオロポリエーテル鎖又は前記Rfとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(1-1-1)で表される基が好ましい。
Figure 0007033949000006
ただし、前記一般式(1-1-1)中、mは、0~10の整数を表し、0~6の整数が好ましい。nは、2~10の整数を表し、2~6の整数が好ましい。
<<X>>
前記Xにおける2価の連結基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数2以上のアルキレン基を有することが好ましく、炭素数2~10のアルキレン基を有することがより好ましい。
前記2価の連結基は、前記一般式(1-1)で表されるカチオンの窒素原子(N)にRf基を導入する際に合成上の理由で利用される基であってもよい。
<<R>>
前記Rは、水酸基を有するアルキル基を表す。前記アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1~18が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更により好ましく、2~4が特に好ましい。
前記Rにおける水酸基の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1~4が好ましく、1~2がより好ましい。
<<R、R>>
前記R、及び前記Rは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。
前記炭素数2~8の含窒素炭化水素環としては、例えば、アルキレンイミン環が挙げられる。前記アルキレンイミン環としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環などが挙げられる。
前記4級アンモニウムカチオンとしては、下記一般式(2-1)で表されるカチオンであることがより好ましい。
Figure 0007033949000007
ただし、前記一般式(2-1)中、Rは、水酸基を有するアルキル基を表す。R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。mは、0~10の整数を表す。nは、2~10の整数を表す。pは、1~20の整数を表す。Zは、前記アニオン成分を表す。
前記一般式(2-1)中の符号の例示は、前記一般式(1-1)中、及び前記一般式(1-1-1)中の符号の例示と同じであり、好ましい態様も同じである。
pとしては、例えば、1~18の整数であってもよいし、1~16の整数であってもよいし、1~10の整数であってもよい。
pとしては、2~8の整数が好ましく、3~6の整数がより好ましい。
また、ボンド率の観点からは、pとしては、7~18の整数が好ましく、8~16の整数がより好ましく、9~15の整数が特に好ましい。
<アニオン成分>
前記アニオン成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶解性の点から、フッ素化炭化水素基を有することが好ましく、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)及び下記一般式(IV)のいずれかで表されることがより好ましい。前記フッ素化炭化水素基は、全フッ素化炭化水素基であってもよいし、部分フッ素化炭化水素基であってもよい。
Figure 0007033949000008
ただし、前記一般式(I)中、xは、0~7の整数を表し、0~3の整数が好ましい。
ただし、前記一般式(II)中、x1及びx2は、それぞれ独立して、0~8の整数を表し、1~8の整数が好ましく、1~4の整数がより好ましい。
ただし、前記一般式(III)中、x3は、1~8の整数を表し、1~3の整数が好ましい。
ただし、前記一般式(IV)中、nは、1~8の整数を表し、1~4の整数が好ましい。
前記イオン液体としては、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
Figure 0007033949000009
ただし、前記一般式(1)中、Rfは、炭素数1~4のパーフルオロアルキルオキシ鎖を繰り返し単位として持つパーフルオロポリエーテル鎖を表す。
Xは、単結合、及び2価の連結基のいずれかを表す。
は、水酸基を有するアルキル基を表す。
、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。
は、前記アニオン成分を表す。
前記一般式(1)中のRf、X、R、R、及びRの例示は、前記一般式(1-1)中のRf、X、R、R、及びRの例示と同じであり、好ましい態様も同じである。
前記イオン液体としては、下記一般式(2)で表されることがより好ましい。
Figure 0007033949000010
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水酸基を有するアルキル基を表す。R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R、及びRは、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。mは、0~10の整数を表す。nは、2~10の整数を表す。pは、1~20の整数を表す。Zは、前記アニオン成分を表す。
前記一般式(2)中のR、R、及びRの例示は、前記一般式(1)中のR、R、及びRの例示と同じであり、好ましい態様も同じである。
前記一般式(2)中のm、n、pの例示は、前記一般式(2-1)中のm、n、pの例示と同じであり、好ましい態様も同じである。
本発明のイオン液体は、常温(25℃)で液体である。
前記イオン液体の融点は、25℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。前記イオン液体の融点の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イオン液体の融点は、-100℃以上が好ましい。
前記融点は、例えば、示差走査熱量測定により求めることができる。
前記イオン液体が常温以下の融点であることで、常温において流動性があるイオン液体となる。
(磁気記録媒体用潤滑剤)
本発明の磁気記録媒体用潤滑剤は、イオン液体を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記イオン液体は、本発明の前記イオン液体である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、公知の潤滑剤、極圧剤、防錆剤、溶剤などが挙げられる。
<<公知の潤滑剤>>
前記潤滑剤は、前記イオン液体を単独で使用してもよいが、従来公知の潤滑剤と組み合わせて用いてもよい。公知の潤滑剤としては、例えば、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸エステル、カルボン酸パーフルオロアルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸パーフルオロアルキルエステル、パーフルオロポリエーテル誘導体などが挙げられる。
<<極圧剤>>
厳しい条件で潤滑効果を持続させるために、前記磁気記録媒体用潤滑剤は、質量比30:70~70:30程度の配合比で極圧剤を併用してもよい。前記極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に金属接触が生じたときに、これに伴う摩擦熱によって金属面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより、摩擦・摩耗防止作用を行うものである。前記極圧剤としては、例えば、リン系極圧剤、イオウ系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、複合型極圧剤などのいずれも使用できる。
<<防錆剤>>
前記防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用可能であるものであればよく、例えば、フェノール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合物などが挙げられる。また、前記防錆剤は、潤滑剤として混合して用いてもよいが、非磁性支持体上に磁性層を形成し、その上部に防錆剤層を塗布した後、潤滑剤層を塗布するというように、2層以上に分けて被着してもよい。
<<溶剤>>
前記溶剤としては、例えば、有機溶剤などが挙げられる。前記有機溶剤としては、フッ素系溶剤、アルコール系溶剤などが挙げられる。前記アルコール系溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノールなどが挙げられる。前記フッ素系溶剤としては、例えば、ハイドロフルオロエーテル〔例えば、COCH、COCH、COC、CCF(OCH)C、C10〕などが挙げられる。
前記フッ素系溶剤は、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、3M社製のNovecTM 7000、7100、7200、7300、71IPA、三井・デュポン フロロケミカル株式会社製のVertrel XF、X-P10などが挙げられる。
これらの溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、磁性層と、本発明の前記磁気記録媒体用潤滑剤とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記磁性層は、前記非磁性支持体上に形成されている。即ち、前記磁性層は、前記非磁性支持体上に配されている。
前記磁気記録媒体用潤滑剤は、前記磁性層上に形成されている。即ち、前記磁気記録媒体用潤滑剤は、前記磁性層上に配されている。
前記潤滑剤は、磁性層が非磁性支持体表面に蒸着やスパッタリング等の手法により形成された、所謂、金属薄膜型の磁気記録媒体に適用することが可能である。また、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介した構成の磁気記録媒体にも適用することもできる。このような磁気記録媒体としては、磁気ディスク、磁気テープなどを挙げることができる。
図1は、ハードディスクの一例を示す断面図である。このハードディスクは、基板11と、下地層12と、磁性層13と、カーボン保護層14と、潤滑剤層15とが順次積層された構造を有する。
また、図2は、磁気テープの一例を示す断面図である。この磁気テープは、バックコート層25と、基板21と、磁性層22と、カーボン保護層23と、潤滑剤層24とが順次積層された構造を有する。
図1に示す磁気ディスクにおいて、非磁性支持体は、基板11、下地層12が該当し、図2に示す磁気テープにおいて、非磁性支持体は、基板21が該当する。非磁性支持体として、Al合金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合、基板表面にアルマイト処理等の酸化皮膜やNi-P皮膜等を形成して、その表面を硬くしてもよい。
磁性層13、22は、メッキ、スパッタリング、真空蒸着、プラズマCVD等の手法により、連続膜として形成される。磁性層13、22としては、Fe、Co、Ni等の金属や、Co-Ni系合金、Co-Pt系合金、Co-Ni-Pt系合金、Fe-Co系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Co-Ni系合金、Fe-Ni-B系合金、Fe-Co-B系合金、Fe-Co-Ni-B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性膜や、Co-Cr系合金薄膜、Co-O系薄膜等の垂直磁化記録金属磁性薄膜が例示される。
特に、面内磁化記録金属磁性薄膜を形成する場合、予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、Si、Tl等の非磁性材料を、下地層12として形成しておき、金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、磁性金属薄膜中にこれら非磁性材料を拡散せしめ、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに、抗磁力を向上するようにしてもよい。
また、磁性層13、22の表面に、カーボン膜、ダイヤモンド状カーボン膜、酸化クロム膜、SiO膜等の硬質な保護層を形成してもよい。
このような金属薄膜型の磁気記録媒体に前記磁気記録媒体用潤滑剤を保有させる方法としては、図1及び図2に示すように、磁性層13、22の表面や、カーボン保護層14、23の表面にトップコートする方法が挙げられる。前記磁気記録媒体用潤滑剤の塗布量としては、0.1mg/m~100mg/mであることが好ましく、0.5mg/m~30mg/mであることがより好ましく、0.5mg/m~20mg/mであることが特に好ましい。
また、図2に示すように、金属薄膜型の磁気テープは、磁性層22である金属磁性薄膜の他に、バックコート層25が必要に応じて形成されていてもよい。
バックコート層25は、樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料を添加し塗布形成されるものである。
また、他の実施の形態として、磁性塗料を非磁性支持体表面に塗布することにより磁性塗膜が磁性層として形成される、所謂、塗布型の磁気記録媒体にも潤滑剤の適用が可能である。塗布型の磁気記録媒体において、非磁性支持体や磁性塗膜を構成する磁性粉末、樹脂結合剤などは、従来公知のものがいずれも使用可能である。
例えば、前記非磁性支持体としては、例えば、ポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート等に代表されるような高分子材料により形成される高分子支持体や、アルミニウム合金、チタン合金等からなる金属基板、アルミナガラス等からなるセラミックス基板、ガラス基板などが例示される。また、その形状も何ら限定されるものではなく、テープ状、シート状、ドラム状等、如何なる形態であってもよい。さらに、この非磁性支持体には、その表面性をコントロールするために、微細な凹凸が形成されるような表面処理が施されたものであってもよい。
前記磁性粉末としては、γ-Fe、コバルト被着γ-Fe等の強磁性酸化鉄系粒子、強磁性二酸化クロム系粒子、Fe、Co、Ni等の金属や、これらを含んだ合金からなる強磁性金属系粒子、六角板状の六方晶系フェライト微粒子等が例示される。
前記樹脂結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル等の重合体、あるいはこれら二種以上を組み合わせた共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が例示される。これら結合剤には、磁性粉末の分散性を改善するために、カルボン酸基やカルボキシル基、リン酸基等の親水性極性基が導入されてもよい。
前記磁性塗膜には、前記の磁性粉末、樹脂結合剤の他、添加剤として分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が加えられてもよい。
このような塗布型の磁気記録媒体に前記磁気記録媒体用潤滑剤を保有させる方法としては、前記非磁性支持体上に形成される前記磁性塗膜を構成する前記磁性層中に内添する方法、前記磁性層の表面にトップコートする方法、若しくはこれら両者の併用等がある。また、前記磁気記録媒体用潤滑剤を前記磁性塗膜中に内添する場合には、前記樹脂結合剤100質量部に対して0.2質量部~20質量部の範囲で添加される。
また、前記磁気記録媒体用潤滑剤を前記磁性層の表面にトップコートする場合には、その塗布量は0.1mg/m~100mg/mであることが好ましく、0.5mg/m~20mg/mであることがより好ましい。なお、前記磁気記録媒体用潤滑剤をトップコートする場合の被着方法としては、前記イオン液体を溶剤に溶解し、得られた溶液を塗布若しくは噴霧するか、又はこの溶液中に磁気記録媒体を浸漬すればよい。
前記溶剤としては、フッ素系溶剤が好ましい。前記フッ素系溶剤としては、例えば、
ハイドロフルオロエーテル〔例えば、COCH、COCH、COC、CCF(OCH)C、C10〕などが挙げられる。
前記フッ素系溶剤は、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、3M社製のNovecTM 7000、7100、7200、7300、71IPA、三井・デュポン フロロケミカル株式会社製のVertrel XF、X-P10などが挙げられる。
本発明の前記磁気記録媒体用潤滑剤を用いることにより、厚みの薄い潤滑剤層を形成した際にも、良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減することができ、熱的に高い安定性を得ることができる。また、この潤滑作用は、高温、低温、高湿、低湿下等の厳しい条件下においても損なわれることはない。
したがって、前記磁気記録媒体用潤滑剤を適用した磁気記録媒体は、厚みの薄い潤滑剤層を形成した際にも、潤滑作用により、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を発揮し、さらに、熱的安定性を向上させることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<イオン液体(1-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とヒドロキシプロピル基をカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(1-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000011
<<工程1-A>>
3-ブロモプロピルトシラート(1-A)の合成
Figure 0007033949000012
撹拌子、及び冷却管を備えたフラスコに、3-ブロモ-1-プロパノール(メーカー:和光純薬工業)55.0g(396mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(メーカー:東京化成工業)114g(599mmol)、トルエン(メーカー:和光純薬工業)400g、及び塩基としてトリエチルアミン(メーカー:関東化学)60.6g(599mmol)を入れ、室温にて20時間撹拌した。撹拌後、反応溶液をろ過し、ジエチルエーテルを加えた。エーテル層を水及び塩酸水で洗浄し、エバポレータにて溶媒を除去した。その後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン+アセトン=(質量比)9+1⇒3+1)にて精製した。精製後、フラクションを濃縮し、目的物の3-ブロモプロピルトシラート(1-A)を収率90%で得た。
<<工程1-B>>
3-ブロモプロピルPFTEG(1-B)の合成
Figure 0007033949000013
撹拌子、温度計、及び冷却管を備えたフラスコに、ふっ素化トリエチレングリコールモノブチルエーテル(PFTEG-OH)(メーカー:FluoroChem)54.9g(100mmol)、<<工程1-A>>にて合成した3-ブロモプロピルトシラート(1-A)61.9g(211mmol)、及び溶媒としてメタキシレンヘキサフロライド(メーカー:和光純薬)105gを導入し、室温にて撹拌した。その後、炭酸カリウム(メーカー:和光純薬)27.9g(202mmol)及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド55%水溶液(メーカー:Aldrich)2.30gを加え、80℃で7時間加熱撹拌を行った。この反応溶液に水とNovec7100(3M社製)とを加え、分液抽出を行い、続いて塩酸にて洗浄した後、Novec層をエバポレータにて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン⇒ヘキサン+アセトン=(質量比)24+1)にて精製した。得られたフラクションを濃縮し、上記構造式で表される3-ブロモプロピルPFTEG(1-B)を収率50%で得た。
<<工程1-C>>
臭化物塩(1-C)の合成
Figure 0007033949000014
撹拌子、温度計、及び冷却管を備えたフラスコに、3-(ジメチルアミノ)-1-プロパノール(メーカー:東京化成工業)0.87g(8.4mmol)、及び<<工程1-B>>にて合成した3-ブロモプロピルPFTEG(1-B) 7.00g(10.5mmol)を加え、溶媒としてアセトニトリル8gを加え6時間加熱還流を行った。
得られた混合物溶液はエバポレータにて溶媒留去後、ヘキサン及びジエチルエーテルにてデカンテーション後、エバポレータで再度濃縮を行った。得られた濃縮液にNovec7100(3M社製)を加え、0.2μmのメンブレンフィルターにてろ過後、80℃で減圧乾燥を行い、上記構造式で表される臭化物塩(1-C)を82%の収率で得た。合成した臭化物塩(1-C)はLC-MS(ELSD)の測定結果から、約95%が目的物であることを確認した。
<<工程1-D>>
イオン液体(1-D)の合成
Figure 0007033949000015
撹拌子、及び冷却管を備えたフラスコに臭化物塩(1-C)3.85g(5.0mmol)、及び水50gを加え、撹拌した。その後、EF-N445〔ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム、メーカー:三菱マテリアル電子化成〕3.65g(6.2mmol)を20gの水に溶かした溶液をフラスコ中に導入し、18時間撹拌した。撹拌後、得られたイオン液体層を水により洗浄した。その後、減圧乾燥を行い、目的物のイオン液体を収率87%で得た。
目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=692、アニオンがM/z=580となり、目的物と同定できた。
(実施例2)
<イオン液体(2-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とジオール構造をカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(2-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000016
<<工程2-C>>
臭化物塩(2-C)の合成
Figure 0007033949000017
実施例1の<<工程1-C>>において、3-(ジメチルアミノ)-1-プロパノール 8.4mmolを、3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(メーカー:東京化成工業)8.4mmolに変更し、他は同様の操作を行い、収率99%で臭化物塩(2-C)を得た。
<<工程2-D>>
イオン液体(2-D)の合成
Figure 0007033949000018
実施例1の<<工程1-D>>において、臭化物塩(1-C)5.0mmolを、臭化物塩(2-C)5.0mmolに変更した以外は同様の操作を行い、目的物のイオン液体(2-D)を収率80%で得た。
目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=708、アニオンがM/z=580となり、目的物と同定できた。
(実施例3)
<イオン液体(3-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とアンモニウムカチオンの間の連結部分をヘキサメチレンに変更し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(3-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000019
<<工程3-A>>
6-ブロモヘキシルトシラート(3-A)の合成
Figure 0007033949000020
撹拌子、及び冷却管を備えたフラスコに、6-ブロモ-1-ヘキサノール(メーカー:東京化成工業)50.3g(278mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(メーカー:東京化成工業)79.46g(417mmol)、トルエン(メーカー:和光純薬工業)401g、及び塩基としてトリエチルアミン(メーカー:関東化学)42.2g(417mmol)を入れ、室温にて25時間撹拌した。撹拌後、反応溶液をろ過し、ジエチルエーテルを加えた。エーテル層を水及び塩酸水で洗浄し、エバポレータにて溶媒を除去した。その後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン+アセトン=(質量比)9+1⇒3+1)にて精製した。精製後、フラクションを濃縮し、目的物の6-ブロモヘキシルトシラート(3-A)を収率82%で得た。
<<工程3-B>>
3-ブロモヘキシルPFTEG(3-B)の合成
Figure 0007033949000021
実施例1の<<工程1-B>>において、ふっ素化トリエチレングリコールモノブチルエーテル(PFTEG-OH)100mmolを、ふっ素化トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メーカー:Apollo Scientific)100mmolに代え、更に3-ブロモプロピルトシラート 211mmolを、6-ブロモヘキシルトシラート(3-A)に代え、他は同様の操作を行うことで、3-ブロモヘキシルPFTEG(3-B)を収率40%で得た。
<<工程3-C>>
臭化物塩(3-C)の合成
Figure 0007033949000022
実施例1の<<工程1-C>>において、3-ブロモプロピルPFTEG(1-B)10.5mmolを3-ブロモヘキシルPFTEG(3-B)10.5mmolに変更することで、収率99%で臭化物塩(3-C)を得た。
<<工程3-D>>
イオン液体(3-D)の合成
Figure 0007033949000023
実施例1の<<工程1-D>>において、臭化物塩(1-C)5.0mmolを、臭化物塩(3-C)5.0mmolに変更した以外は同様の操作を行い、目的物のイオン液体(3-D)を収率86%で得た。
目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=584、アニオンがM/z=580となり、目的物と同定できた。
(実施例4)
<イオン液体(4-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とヒドロキエチル基とピロリジン環とをカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(4-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000024
<<工程4-C>>
イオン液体(4-C)の合成
Figure 0007033949000025
実施例1の<<工程1-C>>において、3-(ジメチルアミノ)-1-プロパノール8.4mmolを、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン( Acros Organics )8.4mmolに変更した以外は同様に行い、収率99%でイオン液体(4-C)を得た。
<<工程4-D>>
イオン液体(4-D)の合成
Figure 0007033949000026
実施例1の<<工程1-D>>において、臭化物塩(1-C)5.0mmolを、イオン液体(4-C)5.0mmolに変更した以外は同様の操作を行い、目的物のイオン液体(4-D)を収率86%で得た。
目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=704、アニオンがM/z=580となり、目的物と同定できた。
(実施例5)
<イオン液体(5-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とヒドロキプロピル基をカチオン部に有し、アニオン部はノナフルオロブタンスルホネートからなるイオン液体(5-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000027
<<工程5-D>>
イオン液体(5-D)の合成
Figure 0007033949000028
実施例1の<<工程1-D>>において、EF-N445 6.2mmolを、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(東京化成工業)6.2mmolに代えた以外は、同様の操作を行い、目的物を収率98%で得た。目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=692、アニオンがM/z=299となり、目的物と同定できた。
(比較例1)
<イオン液体(6-D)の合成>
ヒドロキシプロピル基は有さず、ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造をカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(6-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000029
<<工程6-C>>
臭化物塩(6-C)の合成
Figure 0007033949000030
実施例1の<<工程1-C>>において、3-(ジメチルアミノ)-1-プロパノール 8.4mmolを、トリエチルアミン8.4mmol(メーカー:東京化成工業)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、収率53%で臭化物塩(6-C)を得た。
<<工程6-D>>
イオン液体(6-D)の合成
Figure 0007033949000031
実施例1の<<工程1-D>>において、臭化物塩(1-C)5.0mmolを、臭化物塩(6-C)5.0mmolに変更した以外は同様の操作を行い、目的物のイオン液体(6-D)を収率60%で得た。
目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=690、アニオンがM/z=580となり、目的物と同定できた。
(比較例2)
<イオン液体(7-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造を有さず、オクテデシル基とヒドロキシプロピル基をカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(7-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000032
<<工程7-C>>
臭化物塩(7-C)の合成
Figure 0007033949000033
実施例1の<<工程1-C>>において、3-ブロモプロピルPFTEG(1-B) 10.5mmolを、1-ブロモオクタデカン 10.5mmol(メーカー:東京化成工業)に変更し反応を行った。反応終了後ヘキサン中にて再沈殿精製を行い、収率92%で臭化物塩(7-C)を得た。
<<工程7-D>>
イオン液体(7-D)の合成
Figure 0007033949000034
実施例1の<<工程1-D>>において、臭化物塩(1-C) 5.0mmolを、臭化物塩(7-C) 5.0mmolに変更した以外は同様の操作を行い、目的物のイオン液体(7-D)を収率81%で得た。
目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、LCからは目的のアニオン、カチオンのみからなることが確認でき、MSの結果から、カチオンがM/z=356、アニオンがM/z=580となり、目的物と同定できた。
(比較例3)
<Z-TETRAOL>
Fomblin Z-TETRAOL(メーカー:ソルベイスペシャルティーポリマーズ、下記構造式)(分子量約2000)を用いた。
Figure 0007033949000035
(実施例6)
<イオン液体(8-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とヒドロキエチル基とピロリジン環とをカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(8-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000036
<<工程8-A>>
12-ブロモドデシルトシラート(8-A)の合成
Figure 0007033949000037
撹拌子、冷却管を備えたフラスコに、12-ブロモ-1-ドデカノール(メーカー:東京化成工業)50.1g(189mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(メーカー:東京化成工業)55.2g(289mmol)、トルエン(メーカー:和光純薬工業)280g、及び塩基としてトリエチルアミン(メーカー:関東化学)29.4g(291mmol)を入れ、室温にて23時間撹拌した。撹拌後、反応溶液をろ過し、ジエチルエーテルを加えた。エーテル層を水及び塩酸水で洗浄し、エバポレータにて溶媒を除去した。その後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン+アセトン=(質量比)19+1⇒9+1)にて精製した。精製後、フラクションを濃縮し、目的物の12-ブロモドデシルトシラート(8-A)を収率93%で得た。
<<工程8-B>>
12-ブロモドデシルPFTEG(1-B)の合成
Figure 0007033949000038
撹拌子、温度計、及び冷却管を備えたフラスコに、ふっ素化トリエチレングリコールモノブチルエーテル(PFTEG-OH)(メーカー:FluoroChem)33.0g(60mmol)、<<工程8-A>>にて合成した12-ブロモドデシルトシラート(8-A)50.3g(120mmol)、溶媒としてメタキシレンヘキサフロライド(メーカー:和光純薬)72gを導入し、室温にて撹拌した。撹拌中に炭酸カリウム(メーカー:和光純薬)16.6g(120mmol)及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド55%水溶液(メーカー:Aldrich)3.04gを加え、80℃で6時間加熱撹拌を行った。この反応溶液に水とNovec7100(3M社製)とを加え、分液抽出を行い、続いて塩酸にて洗浄した後、Novec層をエバポレータにて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン+アセトン=(質量比)97+3⇒96+4)にて精製した。得られたフラクションを濃縮し、12-ブロモドデシルPFTEG(8-B)を収率50%で得た。
<<工程8-C>>
臭化物塩(8-C)の合成
Figure 0007033949000039
撹拌子、温度計、及び冷却管を備えたフラスコに、1-ピロリジンエタノール(メーカー:東京化成工業)1.40g(12mmol)、及び<<工程8-B>>にて合成した12-ブロモドデシルPFTEG(8-B)11.95g(15.0mmol)を加え、溶媒としてアセトニトリル10gを加え8時間加熱還流を行った。
得られた混合物溶液はエバポレータにて溶媒留去後、ヘキサン及びジエチルエーテルにてデカンテーション後、そのまま<<工程8-D>>に利用した。合成した臭化物塩(8-C)はLC-MS(ELSD)の測定結果から、約98%が目的物であることを確認した。
<<工程8-D>>
イオン液体(8-D)の合成
Figure 0007033949000040
撹拌子、及び冷却管を備えたフラスコに、<<工程8-C>>で合成した臭化物塩(8-C)5.97g(6.6mmol)及び水25gを加え、撹拌した。その後、EF-N445〔ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム、メーカー:三菱マテリアル電子化成〕9.05g(15.4mmol)を30gの水に溶かした溶液をフラスコ中に導入し、17時間撹拌した。撹拌後、得られたイオン液体層を水により洗浄した。その後、減圧乾燥を行い、目的物のイオン液体を収率65%(<<工程8-C>>からの合計)で得た。目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、目的カチオン(M/z=830)及びアニオン(M/z=580)のみからなることを確認した。
(実施例7)
<イオン液体(9-D)の合成>
ふっ素化トリエチレングリコール(PFTEG)構造とヒドロキエチル基とピロリジン環とをカチオン部に有し、アニオン部はビス(ノナフルオロブチルスルホニル)イミドからなるイオン液体(9-D)を、以下の方法で合成した。
Figure 0007033949000041
<<工程9-B>>
12-ブロモドデシルM-PFTEG(9-B)の合成
Figure 0007033949000042
撹拌子、温度計、及び冷却管を備えたフラスコに、<<工程8-A>>と同様に合成した12-ブロモドデシルトシラート(8-A)18g(43mmol)、ふっ素化トリエチレングリコールモノメチルエーテル(M-PFTEG-OH)(メーカー:FluoroChem)8.6g(22mmol)、及び溶媒としてメタキシレンヘキサフロライド(メーカー:和光純薬)32gを導入し、室温にて撹拌した。撹拌中に炭酸カリウム(メーカー:和光純薬)5.9g(43mmol)及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド55%水溶液(メーカー:Aldrich)1.09gを加え、80℃で5時間加熱撹拌を行った。この反応溶液に水とNovec7100(3M社製)とを加え、分液抽出を行い、続いて塩酸にて洗浄した後、Novec層をエバポレータにて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン+アセトン=(質量比)97+3)にて精製した。得られたフラクションを濃縮し、12-ブロモドデシルM-PFTEG(9-B)を収率46%で得た。
<<工程9-C>>
臭化物塩(9-C)の合成
Figure 0007033949000043
撹拌子、温度計、及び冷却管を備えたフラスコに、1-ピロリジンプロパノール(メーカー:Combi-Blocks)1.03g(7.9mmol)、及び<<工程9-B>>にて合成した12-ブロモドデシルM-PFTEG(9-B)6.43g(10mmol)を加え、溶媒としてアセトニトリル7.5gを加え8時間加熱還流を行った。
得られた混合物溶液はエバポレータにて溶媒留去後、ヘキサンおよびジエチルエーテルにてデカンテーション後、そのまま<<工程9-D>>に利用した。合成した臭化物塩(8-C)はLC-MS(ELSD)の測定結果から、約96%が目的物であることを確認した。
<<工程9-D>>
イオン液体(9-D)の合成
Figure 0007033949000044
撹拌子、及び冷却管を備えたフラスコに、<<工程9-C>>で合成した臭化物塩(9-C)7.31g(9.4mmol)及び水20gを加え、撹拌した。その後、EF-N445〔ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム、メーカー:三菱マテリアル電子化成〕12.5g(21.2mmol)を35gの水に溶かした溶液をフラスコ中に導入し、17時間撹拌した。撹拌後、得られたイオン液体層を水により洗浄した。その後、減圧乾燥を行い、目的物のイオン液体を収率45%(<<工程9-C>>からの合計)で得た。目的物はLC-MS(ELSD)にて分析を行い、目的カチオン(M/z=694)及びアニオン(M/z=580)のみからなることを確認した。
<評価>
以下の評価を行った。
<<フッ素系溶剤に対する溶解性>>
濃度が1質量%となるようにフッ素系溶剤に添加し、25℃に保持して撹拌した。溶解性を、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
フッ素系溶剤としては、一般にハードディスクへの潤滑剤塗布に用いられる以下の2つを用いた。
・Vertrel XF:三井・デュポン フロロケミカル株式会社製
・Novec7100:3M社製
なお、Vertrel XFは、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(CAS-No. 138495-42-8)である。
Novec7100は、COCH(沸点61℃)で表されるハイドロフルオロエーテルである。
〔評価基準〕
○:フッ素系溶剤に溶解し、放置しても沈殿の発生がない
×:フッ素系溶剤に不溶である、又は一時的に溶解しても放置すると沈殿が発生する
Figure 0007033949000045
実施例1~7及び比較例1、3の試料は、どちらにも溶解した。
比較例2の試料は、1質量%では溶解しなかった。
<<熱分解温度の測定>>
TG-DTA(メーカー名:セイコーインスツル株式会社、型番:EXSTAR6000)により、温度に対する重量減少を測定し、5%重量減少温度を熱分解温度と定義した。測定条件は、昇温速度を10℃/min、Air流量を200mL/minとした。
結果を表2に示した。
<<融点の測定>>
DSC(メーカー名:セイコーインスツルメンツ 型番:EXSTAR6000)により吸熱のピーク温度を求め、それを融点とした。測定条件は、昇温速度を10℃/min、空気雰囲気とした。
結果を表2に示した。
Figure 0007033949000046
-熱分解温度-
非イオン液体である比較例3に比べ、実施例1~7、及び比較例1~2のイオン液体は5%重量減温度300℃以上の高い耐熱性を示した。
-融点-
実施例1~7のイオン液体はどれも常温(25℃)以下の融点を示した。
<<摩擦特性>>
-潤滑剤塗布ハードディスクの作製-
図1に示すような断面構造の磁気ディスクを作製した。ディップコーティングに用いる潤滑剤溶液は、表3に示す溶剤を用いて調製した。なお、潤滑剤溶液は、シリンジフィルター(0.2μm)を使用し濾過した。また、潤滑剤溶液における、イオン液体の濃度を0.2質量%とした(比較例2のイオン液体は、Vertrel XFに対する濃度0.2質量%となる添加において溶解した。)。
ディップコーティングは、潤滑剤溶液を入れたガラス容器から磁気ディスクを速度50mm/minにて引き上げて行った。
それぞれの潤滑剤に対してディップ濃度条件を系統的に変えて、膜厚のディップ濃度の依存性を調べた。膜厚はエリプソメトリー(型番:M-2000、メーカー:ジェーエーウーラム)により測定した。それぞれの潤滑剤に対してディップ濃度を調整し形成された潤滑剤層の平均厚みが10Åになるようにした。
-試験-
作製したサンプルを用いて、以下の試験条件で摺動回数に対する摩擦係数を測定することで、摩擦特性を評価した。結果を表3に示した。
[試験条件]
自動摩擦測定装置(メーカー:協和界面科学株式会社製、型番:Triboster TS-501)を用い、点接触(3mm鋼球)、重り:15g、速度:1.7mm/sec、距離:20mm、繰り返し回数:100回)の条件で測定した。
Figure 0007033949000047
実施例1~7、及び比較例2、3の潤滑剤は100回の摺動後でも摩擦係数0.20以下を維持した。
比較例1に関しては、初期摩擦は実施例と同等程度だが、100回後の繰り返し摩擦係数は0.30であり、潤滑性を示さなかった。
<<ボンド率>>
ボンド率は、潤滑剤がどの程度記録メディア表面に固定化されているかを示す数値であり、その値は、塗布後の潤滑剤の膜厚とフッ素系溶剤による表面リンス後の潤滑剤の膜厚によって決定され、下式によって表される。
(ボンド率)=100×(フッ素系溶剤によるリンス後の潤滑剤膜厚)/(リンス前の潤滑剤膜厚)[%]
具体的な評価は、以下のようにして行った。
潤滑剤塗布ハードディスクの表面を、フッ素系溶剤を用いてリンスし、リンス前後の潤滑剤の膜厚を測定した。
潤滑剤塗布ハードディスクは、潤滑剤溶液におけるイオン液体の濃度を1.0質量%とした以外は、摩耗特性の評価において作製した方法と同様にして、作製した。潤滑剤膜厚は、10Åとした。
フッ素系溶剤として、Vertrel XFを用いた。
リンスは、ディスクをVertrel XFに3分間浸漬することにより行った。
膜厚はエリプソメトリー(型番:M-2000、メーカー:ジェーエーウーラム)により測定した。
なお、リンス前にUV照射を行った場合についても、評価した。UV照射の際にハードディスク表面に光電子が発生し、それと潤滑剤分子構造中の極性官能基が反応すると考えられる。UV照射は、185nm,253nmの波長で、強度:2mW(254nm)で、60秒間行った。
結果を表4に示した。
Figure 0007033949000048
実施例1~7、及び比較例3は、比較的良好なボンド率を示した。
比較例1はUV60照射後においても25%未満の比較的低ボンド率であった。
なお、比較例2は、Vertrel XFに溶解しないため、測定しなかった。
<<総合評価>>
上記評価結果を、以下にランク分けし、更に、以下の評価基準で総合評価を行った。結果を表5に示した。
<ランク分け>
〔フッ系素溶剤溶解性〕
○評価:ランク○
×評価:ランク×
〔融点〕
25℃以下:ランク○
25℃超:ランク×
〔耐熱性(熱分解温度)〕
300℃以上:ランク○
300℃未満:ランク×
〔耐摩耗性〕
摺動回数100回の摩擦係数が0.20以下:ランク○
摺動回数100回の摩擦係数が0.20超:ランク×
〔ボンド率〕
UV60秒照射後の場合に50%以上:ランク◎
UV60秒照射後の場合に40%以上50%未満:ランク○
UV60秒照射後の場合に30%以上40%未満:ランク△
UV60秒照射後の場合に30%未満:ランク×
〔総合評価の評価基準〕
◎:ボンド率以外が○、かつボンド率が◎
○:ボンド率以外が○、かつボンド率が○
△:ボンド率以外が○、かつボンド率が△
×:5つの評価のうち1つ×を含む
××:5つの評価のうち2つ以上×を含む
なお、総合評価は、◎、○、△が合格レベルである。
Figure 0007033949000049
比較例2のボンド率「-」は、「×」と同等の評価とした。
実施例1~7は、優れた熱安定性、優れた摩耗特性、優れたフッ素系溶剤溶解性、優れた流動性、及び優れたボンド率をすべて兼ね備えたイオン液体として良好な特性を示した。特に実施例6及び7は、ボンド率が非常に優れていた。
本発明の磁気記録媒体用潤滑剤は、熱安定性、摩耗特性及びフッ素系溶剤への溶解性に優れ、更に常温においても液体である上にボンド率が優れるため、高記録密度の磁気記録媒体に好適に用いることができる。
11 基板
12 下地層
13 磁性層
14 カーボン保護層
15 潤滑剤層
21 基板
22 磁性層
23 カーボン保護層
24 潤滑剤層
25 バックコート層

Claims (6)

  1. 下記一般式(2)で表されることを特徴とするイオン液体。
    Figure 0007033949000050
    ただし、前記一般式(2)中、R は、水酸基を有するアルキル基を表す。R 、及びR は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基を表す(ただし、R 、及びR は、結合して炭素数2~8の含窒素炭化水素環を形成してもよい)。mは、0~10の整数を表す。nは、2~10の整数を表す。pは、1~20の整数を表す。Z は、前記アニオン成分を表す。
  2. 前記アニオン成分が、フッ素化炭化水素基を有する請求項1に記載のイオン液体。
  3. 前記アニオン成分が、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)及び下記一般式(IV)のいずれかで表される請求項1から2のいずれかに記載のイオン液体。
    Figure 0007033949000051
    ただし、前記一般式(I)中、xは、0~7の整数を表す。
    ただし、前記一般式(II)中、x1及びx2は、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。
    ただし、前記一般式(III)中、x3は、1~8の整数を表す。
    ただし、前記一般式(IV)中、nは、1~8の整数を表す。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のイオン液体を含有することを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤。
  5. 更にフッ素系溶剤を含有する請求項4に記載の磁気記録媒体用潤滑剤。
  6. 非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に磁性層と、前記磁性層上に請求項4から5のいずれかに記載の磁気記録媒体用潤滑剤とを有することを特徴とする磁気記録媒体。
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